JPH0924626A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH0924626A
JPH0924626A JP19801995A JP19801995A JPH0924626A JP H0924626 A JPH0924626 A JP H0924626A JP 19801995 A JP19801995 A JP 19801995A JP 19801995 A JP19801995 A JP 19801995A JP H0924626 A JPH0924626 A JP H0924626A
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JP
Japan
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ink
recording
suction
ink tank
ejection
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Application number
JP19801995A
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English (en)
Inventor
Isao Ebisawa
功 海老沢
Hidehiko Kanda
英彦 神田
Masao Kato
真夫 加藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複数色の吐出口を有する記録ヘッドを、1つの
キャップで吸引回復操作する場合に、どの色のインクタ
ンクが空の状態であっても、全ての吐出口での吸引回復
の能力を維持し、インクジェット記録ヘッドを確実に回
復処理する。 【構成】複数色の吐出口(82)を有する記録ヘッド(101)
を共通のキャップ(211) で同時に吸引する吐出回復手段
と、各インクタンク(110) に吸引を制限する吸引制限手
段(210、220)と、各インクタンクのインク切れ検知手段
(270) と、を有し、吸引回復操作時にインク切れのイン
クタンクの吸引を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワード
プロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーショ
ンなどの出力機器として用いられる記録装置は、記録情
報に基づいて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記
録媒体)に画像(文字や記号等を含む)を記録していく
ように構成されている。前記記録装置は、記録方式によ
り、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、
レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交叉
する方向に主走査しながら記録するシリアル型の記録装
置においては、被記録材を所定の記録位置にセットした
後、被記録材に沿って移動する記録手段による記録動作
と記録手段の移動方向と交叉する方向に被記録材を紙送
りする搬送動作とを組合せることにより、被記録材全体
の記録が行われる。
【0004】一方、被記録材を搬送方向に送る副走査の
みで記録するライン型の記録装置においては、被記録材
を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を
連続的に行ないながら所定量の紙送り(ピッチ送り)を
行ない、被記録材の全体に画像が記録される。
【0005】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行う
ものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高
精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別
の処理を必要とせずに記録することができ、ランニング
コストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少
なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記
録するのが容易であるなどの利点を有している。中で
も、紙幅方向に多数の吐出口を配列したフルマルチタイ
プの記録手段を用いるライン型のものは、記録の一層の
高速化が可能である。
【0006】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板などを形成することにより、高密度の液路
配置(吐出口配置)を有するものを容易に製造すること
ができ、一層のコンパクト化を図ることができる。一
方、被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、
近年では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP
等)などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のバン
チ孔付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)な
どを使用することが要求されるようになってきた。
【0007】上記インクジェット記録装置は、記録ヘッ
ドにインクを供給し、該記録ヘッドに設けられた圧電素
子や電気熱変換体等のインク滴吐出手段を画像データに
基づいて駆動することによって用紙等の被記録材にイン
クドットのパターンを記録付着させて画像を形成するも
のである。
【0008】このインクジェット記録装置においては、
微細な吐出口からインクを吐出することから、該吐出口
が気泡や増粘インク等の異物で目詰まりしてインク吐出
不良を起こすことがあるため、これを解消して正常なイ
ンク吐出を回復維持するための吐出回復機構を設けるこ
とが行われている。この吐出回復機構として、記録ヘッ
ドの吐出口面をキャップで覆ったキャッピング状態で、
該キャップ内に吸引ポンプで負圧を発生させ、この負圧
吸引力により吐出口からインクを吸引し、インクととも
に上記異物を排出させるものが使用されている。
【0009】また、フルカラー画像を得るカラーインク
ジェット記録装置など、複数の異なるインクを用いて画
像を形成するインクジェット記録装置では、複数色の吐
出口を同一面上に備えた一体型記録ヘッドを使用し、共
通の(1つの)キャップで各色の吐出口の回復動作を行
う構成のものが提案されている。カラー画像を得るイン
クジェット記録装置では、一般的に、例えばイエロー、
マゼンタ、シアン及びブラックの各色のインクが使用さ
れ、記録ヘッドにはこれらの色インクを吐出するための
4つの吐出口列が設けられ、各吐出口列に対して異なる
色のインクタンクからインクを供給するように構成され
ている。
【0010】走査型(シリアルタイプ)の記録装置にお
いては、前記記録ヘッドは被記録材に沿って所定の方向
に往復運動するキャリッジに搭載されている。一般的に
は、1つの記録ヘッドは1種類のインクを有していて、
キャリッジ上に複数個の記録ヘッドが主走査方向に配置
されることになる。しかしながら、独立した複数個の記
録ヘッドを装着することは、コストが嵩み、スペース的
にも不利であることから、前述のような複数色の吐出口
列を1つの吐出口面に配置した一体型の記録ヘッド(例
えばカラー記録ヘッド)が提案されている。
【0011】ここで、複数色の吐出口列を一体化した記
録ヘッドの吐出回復処理は、各吐出口列ごとに個別のキ
ャップまたは個別の回復手段等を用いて実施することも
可能であるが、それでは、上記記録ヘッドの場合き同
様、コストが嵩み、スペース的にも不利である。そこ
で、1つの(共通の)キャップで複数色の吐出口を同時
に回復動作することが提案されている。すなわち、いず
れかの吐出口で吐出回復処理が必要になったとき、複数
色の吐出口の全てを同時に吸引回復動作する構成になっ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数色
の吐出口を有する記録ヘッドを1つのキャップで吸引回
復動作を実施する場合、任意の1つのインクタンクがイ
ンク切れ状態(インク残量が一定量以下の空に近い状
態)になると、該インクタンクの大気連通口から空気が
吸い込まれるので、他の色の吐出口における回復処理の
ための吸引力(負圧の強さ)が減少してしまい、そのた
め、他の色の吐出口の回復機能が劣化してしまい、吐出
不良(不吐出を含む)の原因を充分に除去することがで
きなくなるという不都合があった。
【0013】例えば、1つの記録ヘッドの吐出口面に形
成された色の異なる複数の吐出口(イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックの4つの吐出口列)のそれぞれに
対し、対応する色のインクを充填(貯留)したインクタ
ンクが接続された構成において、上記複数色の吐出口を
1つのキャップでキャッピングするとともに、複数色の
吐出口の全てを同時に吸引回復動作すると、インク切れ
状態のインクタンクが1つでもあると、このインクタン
クの開口部(大気連通口等)から外気(空気)を吸い込
んでしまうために、他の色のインクが入った吐出口に対
する回復処理が困難になってしまう。
【0014】例えば、ユーザがブラックだけりモノクロ
であるテキストの記録を行った場合には、カラーインク
タンクは事実上使用されていない。ここで、カラータン
クのうちの1色でもインクがなくなってしまった時に
は、従来例では、吸引回復動作を実施しても、外気を取
り込んでしまいブラックの吐出口を回復処理することが
できなかった。
【0015】本発明はこのような従来技術に鑑みてなさ
れたものであり、本発明の目的は、複数色の吐出口を有
する記録ヘッドを、1つのキャップで回復動作を行う場
合に、どの色のインクタンクが空の状態になっても、安
定した吸引回復動作を行うことができ、全ての吐出口を
確実に回復処理することができるインクジェット記録装
置を提供することである。
【0016】
【課題解決のための手段】上記問題を解決するために、
本発明は、複数色のタンクの任意のインクタンクが空に
なった際に、該インクタンクにインクを吸引する際の吸
引制限を施すことにより、他の色のインクタンクに接続
された吐出口より安定して吸引回復動作を行い得るよう
にしたものである。前記吸引制限は、各インクタンクの
インク残量を検出し、インクが空の状態になったインク
タンクに吸引回復動作時に高い負圧を発生させる手段、
あるいは該インクタンクからのインク供給路を閉塞させ
る手段などによって実施するものである。
【0017】すなわち、請求項1の発明は、記録手段か
ら被記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェッ
ト記録装置において、複数色の吐出口を有する記録手段
を共通のキャップで同時に吸引する吐出回復機構を有
し、該吐出回復機構に、回復動作時に特定色の吐出口の
吸引を制限する吸引制限手段を設ける構成とすることに
より、上記目的を達成するものである。
【0018】請求項2及び3の発明は、上記請求項1の
構成に加えて、前記吸引制限手段は回復動作時に特定色
の吐出口に接続されたインクタンクの負圧を高める構
成、あるいは、前記吸引制限手段は回復動作時に特定色
のインクタンクのインク供給口を閉塞する構成とするこ
とにより、上記目的を達成するものである。
【0019】請求項4の発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、複数色の吐出口を有する記録手段を共通のキ
ャップで同時に吸引する吐出回復機構と、各色のインク
タンクのインク切れを検知するためのインク切れ検知手
段と、各インクタンクの吸引を制御する吸引制御手段と
を有し、吸引回復動作時に、インク切れ状態のインクタ
ンクから吐出口へのインク供給を制限する構成とするこ
とにより、上記目的を達成するものである。
【0020】請求項5の発明は、記録手段から被記録材
へインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、複数色の吐出口を有する記録手段を共通のキ
ャップで同時に吸引する吐出回復機構を有し、特定色の
吐出口の回復動作を行う際に他のインクタンクの回復動
作時の吸引を制限する構成とすることにより、上記目的
を達成するものである。
【0021】請求項6の発明は、上記請求項5の構成に
加えて、回復動作時の吸引制限をブラックインクタンク
とカラーインクタンクとで切り分ける構成とすることに
より、上記目的を達成するものである。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、各図面を通して、同一符号は同一または対
応部分を示すものである。図1は本発明を実施するのに
好適なインクジェット記録装置の模式的斜視図である。
図1において、100は記録装置、101は複数色の吐
出口(列)を一体型に備えたカラー記録が可能なインク
ジェット記録ヘッド(記録手段)、102はキャリッ
ジ、103はカートリッジ、104はキャリッジ102
の往復移動を案内支持するガイドシャフト、105はガ
イドシャフト104と協働してキャリッジ102を案内
支持するガイドレールである。
【0023】図1において、106は記録用紙等の被記
録材、107は給紙ローラ、108は記録部を通して被
記録材106を搬送(紙送り)するための搬送ローラ、
109は搬送ローラ108に押圧されて被記録材106
に摩擦搬送力を付与するためのピンチローラである。
【0024】図2は図1中の記録手段(記録ヘッド)1
01の模式的斜視図であり、図3は図2の記録手段10
1を後方から見た模式的斜視図である。図1〜図3にお
いて、110Aはブラックインクのインクタンク、11
0Bはカラーインクのインクタンクである。このカラー
インクのインクタンクは、それぞれ異なる色のインクを
貯留した3つの(3色の)インクタンクを一体化した構
造になっている。すなわち、カラーインクタンク110
Bは、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シア
ン(C)の3種類のインクタンクが一体に形成されてい
る。
【0025】記録ヘッド101の前面(吐出口面)81
には、複数色(4色)の吐出口(列)が形成されてい
る。本実施例では、図2に示すように、ブラックの吐出
口82(K)、シアンの吐出口82(C)、マゼンタの
吐出口82(M)、イエローの吐出口82(Y)の4色
の吐出口(吐出口列)が所定の配列を成して形成されて
いる。この記録ヘッド101はカートリッジ103に固
定されている。
【0026】そして、前記ブラックインクのインクタン
ク110A及びカラーインクのインクタンク110Bを
前記カートリッジ103に着脱可能(交換可能)に装着
することにより、前述の4色のインクタンク110が記
録ヘッドの4色の吐出口82へのインク供給口のそれぞ
れに接続されるように構成されている。前記カートリッ
ジ103はキャリッジ102に着脱可能に装着されてい
る。
【0027】通常、ブラックインクは、他のカラーイン
クより使用頻度が高いことから、その容量を多くすると
ともに交換しやすいように、前述のように単独のブラッ
クインクのインクタンク110Aが用いられている。こ
のようなインクタンク110の構成により、記録を行う
時のランニングコストも廉価にすることができる。
【0028】また、カラーインクのインクタンク110
Bは前述のように3色のインクタンクを一体型にした構
成となっている。これは、記録ヘッド101自体の大き
さを考慮して成されたものであり、インクタンクの全体
的な容量の増大による必要スペースの不用意な増大を防
止するとともに、キャリッジ駆動用モータの負荷の増大
を防止し、さらにインクタンク110の交換を容易にす
るためである。
【0029】ここで、カラーインクタンク110Bのイ
ンク容量はユーザの必要な画像を考えて特定のインク色
を増大させるなど自由に調整可能である。例えば、カラ
ー画像を中心に記録したい人のためにはカラーインクタ
ンク110B自体の容量を大きくすることも可能であ
り、また、OHP等で背景をブルーにする“ブルースラ
イド”を記録したい人のためににはシアン及びマゼンタ
を多くしたインクタンクにしてもよい。
【0030】前記複数(4個)のインクタンク110の
それぞれには、図3に示すように、内部を大気に連通す
るための大気開放用の空気孔202、並びに後述する吐
出回復動作時に必要となる規制部材204が設けられて
いる。
【0031】前記記録手段(記録ヘッド)101は、熱
エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット
記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気
熱変換体を備えたものである。また、前記記録手段10
1は、前記電気熱変換体によって印加される熱エネルギ
ーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって
生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出さ
せ、記録を行うものである。
【0032】図4は、前記記録手段(記録ヘッド)10
1のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図であ
る。図4において、被記録材106と所定の隙間(例え
ば、約0,5〜2.0mm程度)をおいて対面する吐出
口面81には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成
され、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路
84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生す
るための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設さ
れている。
【0033】記録ヘッド101は、前記吐出口82が前
記キャリッジ102の移動方向(主走査方向)に対し所
定方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ102に
搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に
基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通電)し
て、液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に発生す
る圧力によって吐出口82からインクを吐出させる記録
ヘッド101が構成されている。
【0034】図5は本発明を適用したインクジェット記
録装置に使用されるインクタンクの第1実施例の模式的
縦断面図である。図5は、ブラックのインクタンク11
0Aと記録ヘッド101が接続(結合)されている状態
を示すが、他の色のインクタンクと記録ヘッド101と
の接続も同じである。
【0035】図5において、キャリッジ102に装着さ
れるカートリッジ103には、複数色の吐出口(列)8
2を有する記録ヘッド101がセットされており、該カ
ートリッジ103の開口側にはブラックのインクタンク
110Aが装着されている。図5において、200はイ
ンクタンクの外装、201はインクタンク内に収納され
たインク収容体であるスポンジである。このインク収容
体は、インクを吸収保持するのに最適な条件となる様に
所定の圧縮率で圧縮されている。
【0036】205はインク誘導体、206はフィルタ
部である。前記インク誘導体205は、記録ヘッド10
1のインク供給口に設けられたフィルタ部206に接触
して、インクタンク110A内のインクを記録ヘッド1
01へスムーズに供給するためのものであり、例えば、
一方向に流れ易いような構造の繊維質のもので形成され
ている。
【0037】図5において、202はインクタンク11
0Aの大気連通口であり、210はインクタンク110
A内のインク収容体であるスポンジ201を圧縮するた
めの規制部材である。この規制部材210は、インクタ
ンク110A内のインクが空になったとき(インク切れ
になったとき)に、全ての吐出口82から吸収回復動作
を行う場合、該インクタンク110Aのインク収容体2
01を圧縮することにより、該インクタンクに接続され
た吐出口81Kからの空気吸い込み(吸引)を制限する
ためのものである。。
【0038】不図示のカラーインクのインクタンク11
0Bの内部の3つのインクタンクのそれぞれも、実質
上、以上説明したインクタンク110Aと同じ構造をし
ている。ただし、スポンジ(インク収容体)201の圧
縮率等、インクの種類に関する事項は、インクの物性や
吐出口のインク吐出量などに最適となるように、各色の
インクタンクごとに変更されている。
【0039】図6は図5のインクタンク110A内の吸
引制限状態を示す模式的縦断面図である。すなわち、イ
ンクタンク110Aがインク空状態(インク切れ状態)
になった状態のもとで、記録ヘッド101の全吐出口8
2からインクを吸引して回復動作を行う場合に、該イン
クタンク110Aからの吸引を制限している状態を示す
模式的縦断面図である。
【0040】図6において、インク切れの状態で吸引回
復動作を行う場合には、不図示の本体側の押圧手段によ
り、規制部材210を上方より矢印の方向に押圧するこ
とによってスポンジ201が圧縮される。本体側の押圧
手段としては、例えば機械的なカムや電磁制御できるプ
ランジャー等を用いることができる。ただし、この押圧
手段は、インク色ごとにスポンジ201を加圧できるも
のであれば、任意の押圧手段を用いることができる。
【0041】さらに、図5及び図6の第1実施例では、
規制部材210を上方から押圧する構造が採られている
が、インクタンク110の姿勢等によっては、横方向な
どその他の方向から押圧する押圧手段であてもよい。イ
ンク収容体201は、押圧手段210によって上面から
下方に押圧されることでスポンジの密度が上がり(高く
なり)、インクタンク110Aのインク供給側の負圧が
強くなるため、キャップ211を吐出口面81に密着さ
せて吸引回復動作をしても、該インクタンク110Aか
らはインクが吸引され難くなる。
【0042】したがって、他の吐出口(ブラック以外の
吐出口)に吸引回復時の吸引力が作用し、正常な吸引回
復動作が行われる。
【0043】前述したインクタンク110内からのイン
ク吸引を制限する規制部材210を作動させるに際し、
インク残量検知手段を用いてインクタンク110のイン
ク残量を検知し、この検知後に前記規制部材210を作
動させて吸引制限を実行することが望ましい。インクタ
ンク110内のインク切れ(インク空の状態)は、具体
的には、次のような方法で検知することができる。すな
わち、記録に用いたインク滴の総数と回復動作の総数と
記録に用いない予備吐出の総数とをカウントし、今まで
に使われたインク量を算出し、当初のインク充填量から
使用インク量を引算して残りのインク量を検出すること
により、インク切れの有無を検知することができる。
【0044】図7は図5及び図6で説明したインクタン
クの第1実施例の複数のインクタンクに沿った模式的縦
断面図である。すなわち、図7は、図5及び図6で説明
した規制部材210を有する4色(4個)のインクタン
クが4色の記録ヘッド101に接続(連結)された状態
を示す縦断面図である。図7において、各インクタンク
110の規制部材210を押圧する駆動手段として、装
置本体側に、各インクタンク110ごとの押圧部材22
0と、各押圧部材220のそれぞれを個別に駆動するた
めのプランジャー230が設けられている。
【0045】そして、吸引回復動作を実施する際に、各
インクタンクのインク残量を検知し、インク切れのイン
クタンクがあれば、それに対応するプランジャー230
を駆動して当該インクタンク内のインク収容体201の
みを圧縮し、当該インクタンクに対応する吐出口82か
らの吸引を制限するように制御される。
【0046】図8は本発明を適用したインクジェット記
録装置に使用されるインクタンクの第2実施例の模式的
縦断面図である。図8は、複数色のインクジェット記録
ヘッド101と複数色のインクタンク110A及び11
0Bが接続されている状態を示している。図8におい
て、記録ヘッド101には図2に示すようにブラックの
吐出口82(K)、シアンの吐出口82(C)、マゼン
タの吐出口82(M)及びイエローの吐出口82(Y)
から成る複数色(4色)の吐出口(列)が設けられてい
る。
【0047】そして、2つのインクタンク110A及び
110Bをカートリッジ103に装着すると、各色のイ
ンクタンクが記録ヘッド101の対応する色の吐出口8
2に接続される構成になっている。各インクタンク11
0を挿入すると、該インクタンクのインク誘導体205
が記録ヘッド101に設けられた対応する色のフィルタ
206に圧接される。
【0048】前記インク誘導体205は、インクタンク
110内のインク保持体であるスポンジ201よりも毛
細管が強くなるように形成されており、そのため、イン
クタンク110から記録ヘッド101(吐出口82)へ
のインク供給がスムーズに行われる。
【0049】記録信号に基づいて記録ヘッド101が被
記録材106に記録を行っている際に、吐出口82から
のインク吐出が不安定になったり、不吐出が発生したと
きには、吐出回復動作を実行して正常なインク吐出状態
に戻す(回復する)必要がある。特にブラック吐出口8
2(K)のみを使用しているユーザは、ブラックタンク
110Aのインクが空になった際(インク切れになった
際)には、新品のブラックのインクタンクと交換して何
度も使用することがある。
【0050】そのときに、カラーインクタンク110B
内の3色のうちの1色でも空の状態(インク切れの状
態)になると、1つのキャップ211を用いて4色全て
を同時に吸引回復動作しても、インク切れしたブラック
のインクタンクには必要な吸引負圧が発生せず、いわゆ
る“スカ状態”が発生し、吐出口82から気泡やゴミ等
を排除できない状態になり、タンク交換に伴うフィルタ
206部分の混入気泡も取り除くことができなくなる。
【0051】図8の第2実施例に係るインクタンク11
0は、上記の不都合を解決するために、1色でも他のイ
ンクタンクが空になった場合には、該インクタンクの負
圧を強くし、吸引回復動作時に外気を取り込まないよう
にし、他の色の吐出口82からはインクを正常に吸引で
きるようにしたものである。
【0052】また、各色のインクタンクのそれぞれは当
該インクタンクの消費インク量を計測できる計測手段を
有し、装置本体にはこの計測結果に基づいて各色のイン
クタンクのインク残量を検知する検知回路が設けられて
いる。具体的手段としては、記録に使用したドットの数
量と、吸引回復動作の回数と、記録中や待機時等に記録
に使用しなかった予備吐出に使用したドットの数量など
を計測し、吐出したインクの1ドット当たりの吐出量を
用いてインク消費量を算出することで、全ての動作で使
用されたインク量を計測することができる。
【0053】そして、この計測結果に基づいて、各色の
インクタンク内のインク残量を知ることができるように
構成されている。また、インク残量の検出は、各インク
毎のタンクで計測(検知)できるようになっている。更
に、記録装置本体には、インクタンクが取り付けられた
ときに、そのインクタンクが新品であるか旧品であるか
を検知できるタンク検知手段が設けられている。
【0054】新品のインクタンクがセットされた場合に
は、上記計測におけるカウント値をリセットすること
で、各色のインクタンクの管理が行われる。各色のイン
クタンクにはそれぞれ個別のIDが設けられており、装
置本体の制御回路が前記IDを読み取ることにより、イ
ンクタンクが旧品か新品かを判定する。具体的には、イ
ンクタンクの表面に個別のバーコード情報を与えてお
き、装置本体のスキャナーで前記バーコードを読み取っ
たり、または抵抗値等を使用するものであってもよい。
【0055】更に、インクタンクに個別のIDを付ける
ことができない場合には、新品のタンクと交換する時に
ユーザがリセットする方法でもよく、インクの残量が検
知できれば対応を自動化することができる。仮に、自動
でインク残量が検知できない時には、ユーザが選択でき
るキー操作やその他の操作ができればよい。
【0056】図9は図8の第2実施例に係るインクタン
クでブラックのインク切れが発生した時の吸引回復動作
の状態を示す模式的縦断面図である。図9において、ブ
ラックインクタンク110Aのインク残量が少ないこと
を検知したときには、該ブラックインクタンク110A
の大気解放部202を閉鎖する。この大気解放部202
の閉鎖は、対応する密閉部材220をタンク110Aの
大気連通口202に押し当てることにより行われる。こ
の状態で吸引回復動作を繰り返し行うと、密閉されたイ
ンクタンク110A内の負圧が強くなる(負圧の程度が
上昇する)。
【0057】このように、吸引回復動作を実行している
ときにインクタンク110A内の負圧を強めることによ
り、該インクタンク110Aに接続された吐出口82
(K)のインク吸引を制御することができる。
【0058】図9に示す吸引制限手段を実行した実施例
と実行しない従来例とにおける回復回数(動作回数)と
カラー吐出口の回復結果は次のとおりであった。回復回
数が1回の場合、カラー吐出口は従来例及び実施例とも
回復せずであった。回復回数が2回の場合、従来例では
回復せずであったが、実施例ではほぼ回復した。回復回
数が3回の場合、従来例では回復せずであったが、実施
例では回復した。
【0059】回復回数が4回及び5回の場合も、従来例
では未だ回復せずであったが、実施例では回復した。な
お、吸引手段としては、−5mAq〜−7mAqの負圧
を発生させる吸引ポンプを使用した。上記結果より、吸
引回復動作を実行する際には、インク切れを検知した時
には吸引回復を3回以上実行するようなシーケンスを組
むことにより吐出不良を無くすことができる。
【0060】一方、複数のカラーインクを貯留するカラ
ーインクタンク110Bの中の1色にインク切れが発生
した場合には、前述のブラックインクのインク切れの場
合と同様に、インク切れが発生したインクタンク110
の大気連通口202に密閉部材220を押し当てた状態
で全て(4色)の色の吐出口82から吸引回復動作が行
われる。回復回数と回復結果に関しては、ブラックのイ
ンク切れについて前述した試験結果とほぼ同じであっ
た。こうして回復するまでの動作回数が判明すれば、予
め設定したシーケンスを初期から組み込むことにより対
処することができる。
【0061】図10は本発明を適用したインクジェット
記録装置に使用されるインクタンクの第3実施例の模式
的縦断面図である。図10は、ブラックのインクタンク
110Aがインク切れになる場合を例示する。次に、図
10を参照して、吸引回復動作を1回もしくは少ない回
数で吐出不良を回復させる手段について説明する。図1
0のインクタンク110Aは、図6の第1実施例のよう
にインクタンク内のインク収容体(スポンジ)201を
圧縮すると同時に、図9の第2実施例のように大気連通
口202を閉鎖するように構成されている。
【0062】図10において、複数色の吐出口を有する
記録ヘッド101はカートリッジ(ホルダー)103に
装着されており、ブラックのインクタンク110Aも前
記カートリッジ103に挿入装着されている。インクタ
ンク110Aの上方には、該タンク内のスポンジ201
を圧縮するとともに、大気連通口202を閉鎖するため
の押圧部材(規制部材)210が設けられている。
【0063】インクタンク110A内のインクが残りわ
ずかになった際に回復動作が開始されると、装置本体
(不図示)から押圧部材210を下向きに駆動する駆動
手段が作動し、該押圧部材210はインクタンク110
A内へ押し込まれる。装置本体側の上記駆動手段として
は、機械的な機構を使用したカムをインク色毎に設ける
構成のもの、あるいは、電気的制御である電磁機構を利
用したプランジャーをインク色毎に設ける構成のものな
どを使用することができ、特定のものに制限されるもの
ではない。
【0064】インク残量が少なくなったことを検知した
ときには、装置本体側の駆動手段により、該当するイン
クタンク110Aの上方にある押圧部材210をタンク
内部へ向けて押し込む。すると、インク保持体であるス
ポンジ201は圧縮されて毛細管力が向上し、吐出口8
2からの吸引による回復動作時のいわゆる“スカ状態”
を無くすことが可能となり、吸引回復動作を実行する際
のインク切れタンク(本実施例ではブラックインクタン
ク110A)から吐出口(ブラック吐出口)82への空
気取込みを防止することができる。
【0065】さらに、2色以上(2個以上)のインクタ
ンクがインク切れ状態になった場合も、該当するインク
タンクで同様の操作を行って該インクタンクの吸引を制
限することにより、同様に吸引回復動作の能力を確保す
ることができる。
【0066】図11は本発明を適用したインクジェット
記録装置に使用されるインクタンクの第4実施例の模式
的縦断面図である。本実施例のインクタンク110の内
部には、スポンジ(インク収容体)201と生インク2
50が混在している。すなわち、図11のインクタンク
は、インク保持体であるスポンジ201と生インク25
0部が一体化されたものであり、前述の実施例のインク
タンクとは別形態のものである。
【0067】記録中に記録ヘッド101の吐出口で吐出
不良が発生した時に吐出回復動作が行われるが、各イン
クタンク110内に未だ十分な量のインクが残っている
場合には問題なく適正な吸引回復動作を行うことができ
る。しかし、前述のように、いずれかのインクタンク1
10がインク切れの状態(残量が少なくなり、空または
空に近い状態)になった際には、複数色(4色)の吐出
口82が一体に形成された記録ヘッド101を1つのキ
ャップ211で吸引回復しても、各吐出口82には所定
の負圧吸引力が作用しないので、吐出口82内の気泡や
ゴミ等を除去することが不可能または困難になる。
【0068】そこで、図11の第4実施例では、インク
タンク110がインク切れになった場合、吸引回復動作
の際に、大気連通口202に規制部材220を押し当て
て密閉することにより、図9の第2実施例の場合のよう
にインクタンク110内の負圧を強める(負圧の程度を
上昇させる)ように構成されている。ただし、本実施例
では、前記大気連通口202はインクタンク110の側
面に設けられており、また、記録ヘッド101はインク
タンク110の側面と横方向から接続されるように構成
されている。なお、図11中の符号211は、吸引回復
動作時に使用されるキャップ部材である。
【0069】図12は本発明を適用したインクジェット
記録装置に使用されるインクタンクの第5実施例の模式
的縦断面図である。本実施例のインクタンク110の内
部には、前述のインク収容体201を使用することな
く、生インク250が充填されている。本実施例のイン
クタンク110(ブラックの場合は110A)の構造
は、該インクタンク自体と記録ヘッド101を係合させ
るジョイント方式を採用したものである。具体的には、
ジョイント部にバルブ260を配置し、インクタンク1
10を挿入装着した状態で該バルブ260を開いてイン
クの導通を得るようにしたものである。
【0070】図12において、250はインクであり、
262はシート状の連通発泡体である。この連通発泡体
262は、分割されたインク室からインクを導くととも
に、インクタンク110自体に負圧を発生させるための
ものである。263は、インク250と外気との気圧を
調整するための弁機構である。この弁機構263は、記
録する際にインクタンク110内のインクを引いた時に
発生する負圧を解除するものである。
【0071】図12の第5実施例では、インクタンク1
10Aの上方に規制部材220が設けられている。この
規制部材220は、インク導通部上方に配置され、イン
ク切れ状態で吸引回復動作が行われる時に、導通口(大
気連通口)202を直接的に閉塞させるものである。各
インクタンク110のインク残量検知については、前述
の実施例と同様、例えば、記録中のインク消費量をカウ
ントする計測手段を用いて検知したり、光透過型センサ
等によるインク残量検出手段を用いて検知するなどの方
法を採用することができる。本実施例では、図12に示
すように、光学センサ270を用いてインクタンク11
0内のインク残量を検知する方法が採用されている。
【0072】図13は本発明を適用したインクジェット
記録装置に使用されるインクタンクの第6実施例の模式
的縦断面図である。本実施例は、インクタンク110
(本実施例ではブラックインクタンク110A)に生イ
ンク250が充填され、記録ヘッド101へのインク供
給路を規制部材210により直接的に閉鎖するように構
成されている。さらに、本実施例の規制部材210は、
上記インク供給路を閉鎖すると同時に、大気連通口20
2も閉鎖し得るように構成されている。
【0073】図13において、生インク250が充填さ
れたインクタンク110Aは、記録ヘッド101とはジ
ョイント方式により密閉式バルブで結合されている。ま
た、インクタンク110A内の圧力を板バネを利用した
弁機構263により調整できるように構成されている。
インクタンク110(本実施例では110A)がインク
切れの状態で吸引回復動作が行われる場合には、装置本
体側の駆動手段(不図示)により押圧部材(不図示)が
下向きに駆動され、該押圧部材により規制部材210が
下向きに移動させられる。
【0074】下方へ移動させられた規制部材210によ
って、インク供給路であるフィルタ206の部分が直接
的に閉鎖され、これと同時に内圧調整用弁機構263を
有する大気連通口202も閉鎖される。本実施例におい
ても、前述の実施例と同様、記録ヘッド101には複数
色(4色)の吐出口82が一体に形成されており、吐出
回復処理を行う際には、これらの吐出口は一体の(1個
の)キャップ211で密閉した状態で同時に吸引され
る。
【0075】図13の第6実施例によっても、いずれか
のインクタンク110がインク切れ状態の場合に複数色
の吐出口82を同時に吸引回復処理する際に、吐出口8
2からの吸引によるいわゆる“スカ状態”を無くすこと
が可能となり、吸引回復動作の際にインク切れタンクか
ら吐出口82へ空気を取込む現象を防止することがで
き、それによって、吸引回復動作の能力を確保すること
ができる。
【0076】以上説明した実施例によれば、複数色のイ
ンクを用いる複数の吐出口(列)が一体に形成された記
録ヘッドに対し、1つのキャップで吸引回復動作を行う
際に、特定色のインクタンクがインク切れになっても、
全ての吐出口について安定した吸引回復動作を行うこと
ができ、記録中の不具合である吐出口内の気泡やゴミ等
による吐出不良を確実に回復することが可能なインクジ
ェット記録装置が得られる。
【0077】なお、以上の実施例では、記録手段を主走
査方向に移動させるシリアル記録方式の場合を例に挙げ
て説明したが、本発明は、被記録材の全幅または一部を
カバーする長さのライン記録手段を用いて副走査のみで
記録するライン記録方式の場合にも、同様に適用するこ
とができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0078】また、本発明は、カラー記録用のインクジ
ェット記録装置き他、同一色彩で異なる濃度のインクを
用いる複数の吐出口及びインクタンクを有する階調記録
用、あるいは階調記録とカラー記録を併用するインクジ
ェット記録装置においても、同様に適用することがで
き、同様の効果を達成し得るものである。
【0079】さらに、本発明は、記録ヘッドとインクタ
ンクを一体化した交換可能なヘッドカートリッジを用い
る構成、記録ヘッドとインクタンクを別体にし、その間
をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録
ヘッドとインクタンクの配置構成がどのような場合にも
同様に適用することができ、同様の効果が得られるもの
である。
【0080】なお、本発明は、インクジェット記録装置
の場合、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用
いる記録手段を使用するものにも適用できるが、中で
も、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記
録手段を使用するインクジェット記録装置において優れ
た効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記
録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0081】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、請求項
1の発明によれば、記録手段から被記録材へインクを吐
出して記録を行うインクジェット記録装置において、複
数色の吐出口を有する記録手段を共通のキャップで同時
に吸引する吐出回復機構を有し、該吐出回復機構に、回
復動作時に特定色の吐出口の吸引を制限する吸引制限手
段を設ける構成としたので、複数色の吐出口を有する記
録ヘッドを、1つのキャップで回復動作を行う場合に、
どの色のインクタンクが空の状態になっても、安定した
吸引回復動作を行うことができ、全ての吐出口を確実に
回復処理することができるインクジェット記録装置が提
供される。
【0082】請求項2及び3の発明によれば、上記請求
項1の構成に加えて、前記吸引制限手段は回復動作時に
特定色の吐出口に接続されたインクタンクの負圧を高め
る構成、あるいは、前記吸引制限手段は回復動作時に特
定色のインクタンクのインク供給口を閉塞する構成とし
たので、上記請求項1の場合と同様の効果を達成し得る
インクジェット記録装置が提供される。
【0083】請求項4の発明によれば、記録手段から被
記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記
録装置において、複数色の吐出口を有する記録手段を共
通のキャップで同時に吸引する吐出回復機構と、各色の
インクタンクのインク切れを検知するためのインク切れ
検知手段と、各インクタンクの吸引を制御する吸引制御
手段とを有し、吸引回復動作時に、インク切れ状態のイ
ンクタンクから吐出口へのインク供給を制限する構成と
したので、複数色の吐出口を有する記録ヘッドを、1つ
のキャップで回復動作を行う場合に、どの色のインクタ
ンクが空の状態になっても、安定した吸引回復動作を行
うことができ、全ての吐出口を確実に回復処理すること
ができるインクジェット記録装置が提供される。
【0084】請求項5の発明によれば、記録手段から被
記録材へインクを吐出して記録を行うインクジェット記
録装置において、複数色の吐出口を有する記録手段を共
通のキャップで同時に吸引する吐出回復機構を有し、特
定色の吐出口の回復動作を行う際に他のインクタンクの
回復動作時の吸引を制限する構成としたので、複数色の
吐出口を有する記録ヘッドを、1つのキャップで回復動
作を行う場合に、どの色のインクタンクが空の状態にな
っても、安定した吸引回復動作を行うことができ、全て
の吐出口を確実に回復処理することができるインクジェ
ット記録装置が提供される。
【0085】請求項6の発明によれば、上記請求項5の
構成に加えて、回復動作時の吸引制限をブラックインク
タンクとカラーインクタンクとで切り分ける構成とした
ので、上記請求項5の場合と同様の効果を達成し得るイ
ンクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するのに好適なインクジェット記
録装置の構成例を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の記録手段及びインクタンクをカートリ
ッジに装着した状態を吐出口面側から見た模式的斜視図
である。
【図3】図2の組立体をインクタンク側から見た模式的
斜視図である。
【図4】図2中の記録手段のインク吐出部の構造を模式
的に示す部分斜視図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置に使
用されるインクタンクの第1実施例の模式的縦断面図で
ある。
【図6】図5のインクタンクの吸引制限状態を示す模式
的縦断面図である。
【図7】図5の第1実施例に係る複数色のインクタンク
の吸引制限手段を示す模式的縦断面図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置に使
用される複数色のインクタンクの第2実施例の模式的縦
断面図である。
【図9】図8の構成でブラックのインク切れが発生した
時の吸引回復動作時の状態を示す模式的縦断面図であ
る。
【図10】本発明を適用したインクジェット記録装置に
使用されるインクタンクの第3実施例の模式的縦断面図
である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置に
使用されるインクタンクの第4実施例の模式的縦断面図
である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置に
使用されるインクタンクの第5実施例の模式的縦断面図
である。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置に
使用されるインクタンクの第6実施例の模式的縦断面図
である。
【符号の説明】
81 吐出口面 82(K) ブラックの吐出口 82(Y) イエローの吐出口 82(M) マゼンタの吐出口 82(C) シアンの吐出口 84 液路 85 電気熱変換体 100 インクジェット記録装置 101 記録手段(記録ヘッド) 102 キャリッジ 103 カートリッジ 104 ガイドシャフト 105 ガイドレール 106 被記録材 107 給紙ローラ 110A ブラックインクのインクタンク 110B カラーインクのインクタンク 201 インク収容体(スポンジ) 202 大気連通口 204 規制部材 205 インク誘導体 206 フィルタ(インク供給路) 210 規制部材 211 キャップ 220 押圧部材(密閉部材) 230 プランジャー 250 インク(生インク) 260 バルブ 262 連通発泡体 263 弁機構 270 光学センサー(インク残量検知手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、複数
    色の吐出口を有する記録手段を共通のキャップで同時に
    吸引する吐出回復機構を有し、該吐出回復機構に、回復
    動作時に特定色の吐出口の吸引を制限する吸引制限手段
    を設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引制限手段は回復動作時に特定
    色の吐出口に接続されたインクタンクの負圧を高めるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装
    置。
  3. 【請求項3】 前記吸引制限手段は回復動作時に特定
    色のインクタンクのインク供給口を閉塞することを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、複数
    色の吐出口を有する記録手段を共通のキャップで同時に
    吸引する吐出回復機構と、各色のインクタンクのインク
    切れを検知するためのインク切れ検知手段と、各インク
    タンクの吸引を制御する吸引制御手段とを有し、吸引回
    復動作時に、インク切れ状態のインクタンクから吐出口
    へのインク供給を制限することを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  5. 【請求項5】 記録手段から被記録材へインクを吐出
    して記録を行うインクジェット記録装置において、複数
    色の吐出口を有する記録手段を共通のキャップで同時に
    吸引する吐出回復機構を有し、特定色の吐出口の回復動
    作を行う際に他のインクタンクの回復動作時の吸引を制
    限することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 回復動作時の吸引制限をブラックイン
    クタンクとカラーインクタンクとで切り分けることを特
    徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記記録手段がインクを吐出するため
    に利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備
    えているインクジェット記録手段であることを特徴とす
    る請求項1〜請求項6のいずれかに記載 のインクジェ
    ット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段が前記電気熱変換体が発
    生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用
    して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請
    求項7に記載のインクジェット記録装置。
JP19801995A 1995-07-11 1995-07-11 インクジェット記録装置 Pending JPH0924626A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009234206A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Seiko Epson Corp 流体噴射装置及び流体噴射装置のメンテナンス方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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