JPH09246025A - 電磁波吸収体 - Google Patents

電磁波吸収体

Info

Publication number
JPH09246025A
JPH09246025A JP8052105A JP5210596A JPH09246025A JP H09246025 A JPH09246025 A JP H09246025A JP 8052105 A JP8052105 A JP 8052105A JP 5210596 A JP5210596 A JP 5210596A JP H09246025 A JPH09246025 A JP H09246025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
electromagnetic wave
wave absorber
regions
magnetic material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8052105A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigemori Miyata
恵守 宮田
Morihiko Matsumoto
守彦 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP8052105A priority Critical patent/JPH09246025A/ja
Publication of JPH09246025A publication Critical patent/JPH09246025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hard Magnetic Materials (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Snaekの限界に制約されないことから、
300MHz〜10GHzの周波数領域において立方晶
フェライト系の材料に比べより大きな透磁率を期待でき
る金属系の軟磁性材を用い、誘電率と透磁率の整合性を
図ることによって、より薄い電磁波吸収体を提供する。 【解決手段】 粒子外表面から1μm以内の表面層が全
体積に占める割合で10%を超える軟磁性金属の粒子か
らなる粉体を高分子樹脂中に分散させて構成される軟磁
性材の第1の領域αと、該軟磁性材の領域を2つ以上の
領域に分割するように前記軟磁性材内に設けられた比誘
電率5以下の低誘電率の第2の領域βとで電磁波吸収体
を構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信、無
線、無線LAN、レーダー、電子レンジ等で使用される
UHFからSHFの長波長側(300MHz〜10GH
z)の周波数領域におけるEMC対策に適用される薄型
の電磁波吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、上記の周波数領域に適用されてい
る電磁波吸収体は、立方晶フェライトの焼結体やこの粉
末を高分子樹脂中に分散した複合体である。これらの焼
結体や複合体は6〜8mmと厚く、重く、また高価であ
るためにその適用場所は電波暗室等に限られていた。ま
た、カルボニル鉄を高分子樹脂中に分散した複合体は、
厚さが2〜3mmと上記の立方晶フェライト系と比較し
て薄いが、適用周波数が5GHz以上のものに限られて
いた。この理由を以下に述べる。
【0003】電磁波吸収材料を裏面を金属板で短絡して
使用した場合、吸収された残りの電磁波が反射され、こ
の反射率が小さいことが電磁波吸収材の性能の目安とな
る。垂直に入射した電磁波の反射率Γは、
【数1】 により与えられる。ここでZおよびZo はそれぞれ電磁
波吸収材中および真空中での電磁波の特性インピーダン
ス、γおよびlは電磁波吸収材中の電磁波の伝搬定数お
よび電磁波吸収材の厚さである。伝搬定数γは電磁波の
角振動数ωおよび透磁率、誘電率の関数として
【数2】 により与えられる。εo ,ε”,ε’はそれぞれ真空の
誘電率、電磁波吸収材の比誘電率の虚部および実部であ
り、μo ,μ”,μ’はそれぞれ真空の透磁率、電磁波
吸収材の比透磁率の虚部および実部である。
【0004】これらの式から、反射率が最小となる整合
厚が小さい薄型の電磁波吸収材を得るためには、γを大
きく、従って透磁率、誘電率の大きな材料を使用するこ
とが有利であることが理解される。
【0005】ところが、透磁率に関しては前述の立方晶
フェライトを使用する場合、図11に示すようにSna
ekの限界(例えば、近角聡信著:強磁性体の物理:掌
華房1991年)に縛られて高周波数になるほど透磁率が減
少するため、6mm以下の吸収体を開発することはでき
なかった。また、カルボニル鉄系の材料はSnaekの
限界には制約されないものの、初透磁率が低いために5
GHz以下の周波数領域では立方晶フェライト系の材料
の方が透磁率が大きく、同様に薄い吸収体を提供するこ
とはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたもので、Snaekの限界に制約されないこ
とから、300MHz〜10GHzの周波数領域におい
て立方晶フェライト系の材料に比べより大きな透磁率を
期待できる金属系の軟磁性材を用い、誘電率と透磁率の
整合性を図ることによって、より薄い電磁波吸収体を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の本発明は、軟磁性金属の粒子からな
る粉体を高分子樹脂中に分散させて構成される軟磁性材
の第1の領域と、該軟磁性材の領域を2つ以上の領域に
分割するように前記軟磁性材内に設けられた低誘電率の
第2の領域とを有することを要旨とする。
【0008】また、請求項2記載の本発明は、軟磁性金
属の粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させて構成
される軟磁性材からなる複数の帯状の第1の領域と、該
複数の帯状の第1の領域の間に該帯状の領域に平行に設
けられた複数の帯状の低誘電率の第2の領域とを有する
ことを要旨とする。
【0009】更に、請求項3記載の本発明は、軟磁性金
属の粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させて構成
される軟磁性材からなる複数の島状の第1の領域と、該
複数の島状の第1の領域の間に形成された低誘電率の海
状の第2の領域とを有することを要旨とする。
【0010】請求項4記載の本発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の発明において、前記第1および第
2の領域が軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子樹脂
中に分散させて構成される軟磁性材からなるシート状の
領域の上に形成されていることを要旨とする。
【0011】また、請求項5記載の本発明は、請求項1
ないし4のいずれかに記載の発明において、前記軟磁性
金属の粒子からなる粉体が粒子外表面から1μm以内の
表面層が全体積に占める割合で10%を超える軟磁性金
属の粒子からなり、前記低誘電率の領域の比誘電率が5
以下であることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施形態に係る電磁波
吸収体の構成を示す図である。同図に示す電磁波吸収体
は、粒子外表面から1μm以内の表面層が全体積に占め
る割合で10%を超える軟磁性金属の粒子からなる粉体
を高分子樹脂中に分散させて構成される軟磁性材αと、
この軟磁性材を2つ以上の領域に分割するように軟磁性
材α内に設けられた比誘電率5以下の低誘電率の領域β
とから構成され、これにより透磁率と誘電率の整合性を
図り、より薄い電磁波吸収体を実現しているものであ
る。
【0014】まず、このように構成される電磁波吸収体
の基本的考え方およびその過程について説明する。
【0015】金属系の軟磁性体は導電性を有するため、
そのままでは電磁波を反射してしまい電磁波吸収材とし
て使用することはできない。そこで、電磁波吸収材とし
て使用するためには金属軟磁性体を細かな粒子として高
分子樹脂中等に分散し、全体として誘電体とする必要が
ある。高分子樹脂中等に分散させる金属粒子であるが、
金属系の軟磁性体は渦電流で内部が磁気的にシールドさ
れることによって、表皮深さ程度の表面層しか磁化に寄
与しなくなるため、高周波数領域では平均の透磁率はか
なり小さなものになる。この平均の透磁率がSnaek
の限界に制約された立方晶フェライト系材料の透磁率を
上回るための条件を以下に示す。
【0016】金属磁性体粒子の体積をV、表面積をS、
表皮深さをd、比透磁率をμとし、粒子全体の磁化には
表面から表皮深さまでの領域は比透磁率μで寄与し、そ
れより内部の領域は全く磁化に寄与しないと近似する
と、平均の比透磁率は
【数3】 で与えられる。Snaekの限界に制約された立方晶フ
ェライト系材料の比透磁率は、例えば300MHzでは
20であることから、平均の比透磁率がこの値を上回る
ためには表皮深さの領域の体積が全体積に占める割合
は、μが100の金属では20%以上また1000の金
属では2%以上となる。表皮深さdは金属の比抵抗をρ
として
【数4】 により与えられる。ρを2×10-7Ωmとして300M
Hzにおける表皮深さを見積もると、μが100および
1000の金属ではそれぞれ1.3μmおよび0.4μ
mとなる。式(4)から明らかなように、表皮深さは周
波数の平方根に反比例して小さくなり、平均の透磁率も
小さな値となる。一方、Snaekの限界に制約された
立方晶フェライト系材料の透磁率は周波数にほぼ反比例
して小さな値となる。そこで、300MHzにおいて平
均の透磁率が立方晶フェライト系材料の値を上回ってい
れば、それ以上の周波数においても透磁率は立方晶フェ
ライト系材料の値を上回ると考えることが可能である。
以上のことを考え合わせると、粒子外表面から1μm以
内の表面層が、全体積に占める割合で10%を超える軟
磁性金属の粒子であれば、立方晶フェライト系材料の透
磁率を上回る平均の透磁率が得られるものと考えられ
る。
【0017】さて、上記の金属粒子粉を高分子樹脂中に
分散させた軟磁性材は、高い透磁率を得るためには多量
の金属微粒子を分散させる必要があるが、このような場
合一般的に誘電率が非常に大きな値となり透磁率の値を
はるかに上回った値となる。図12はその1例を示した
ものである。式(1)によって与えられる反射率Γにお
いて、Z,γは複素数であることから、電磁波吸収材の
特性としてこれらの数値が与えられた場合、その厚さl
を変化させても必ずしもΓ=0となる整合やそれに近い
状態が得られるとは限らない。反射率を小さくするため
には、ZがZoとできるだけ近い値であることが必要で
ある。特性インピーダンスは、透磁率、誘電率の関数と
して、
【数5】 と表される。従って、誘電率と透磁率を同程度の値とし
てやる必要がある。
【0018】本発明は、金属粒子粉を分散させた軟磁性
材を低誘電率の領域によって分割することにより、全体
としての平均な誘電率を下げることによって、上記の反
射率を小さくするための条件を満足させ、電磁波吸収材
として機能するようにするものである。
【0019】以上のような基本的考えに基づいて図1に
示す本実施形態の電磁波吸収体は構成され、上述したよ
うな構成をとることにより、電磁波との相互作用は両者
の平均値を用いて議論することが可能となる。図1にお
いて、AからBに向かう方向をX軸、これと垂直な方向
をY軸、またこの図の平面と垂直な方向をZ軸とする。
A,B間の構造を基本単位としてX軸方向にはこの構造
が繰り返され、またZ軸方向は一様である場合の平均の
誘電率について考える。軟磁性材αの幅をd1、比誘電
率をε1 とし、また領域βの幅をd2 、比誘電率ε2
した場合の、X軸方向における平均の誘電率は次式によ
り与えられる。
【0020】
【数6】 ε1 =10000、ε2 =1、d1 =0.9、d2
0.1とした場合の平均の誘電率は約10となり、ε1
に比べて大幅に小さな値となる。
【0021】このような構造の下では、透磁率もまた
(6)式と同様な式に従う平均値として取り扱う必要が
ある。低誘電率の領域βは一般に透磁率もまた小さい
が、軟磁性材αの透磁率は図12に示すように誘電率に
比べてはるかに小さな値であるため、平均した時の低下
幅もまた誘電率に比べて小さな値となる。軟磁性材αの
透磁率μ1 =20、また領域βの透磁率μ2 =1として
平均の透磁率を計算すると約6.9であり、低下幅は誘
電率に比べて小さな値に留まっている。この結果、真空
中との特性インピーダンスの比Z/Zo は、金属粒子粉
を分散させた軟磁性材だけの場合は0.044であった
ものが、低誘電率の領域を設けた場合は0.83と大幅
に改善される。
【0022】低誘電率の領域は、空隙あるいは金属粒子
粉を含まない高分子樹脂等で形成される。ただし高分子
樹脂等を使用する場合、平均の誘電率は式(6)に従っ
て低下することからあまり誘電率の高い物質を使用する
と効果は小さくなる。そこで、低誘電率の領域に使用す
る物質の誘電率は最大でも5程度以下とする必要があ
る。なお、誘電率や透磁率のこのような平均値としての
取り扱いを行うためには、d1 ,d2 は少なくとも電磁
波の波長λより小さな値とすることが必要である。
【0023】図2(a)および(b)は、それぞれ本発
明の他の実施形態に係る電磁波吸収体の構成を示す上面
図および断面図である。同図に示す電磁波吸収体は、図
1の実施形態と同様に粒子外表面から1μm以内の表面
層が全体積に占める割合で10%を超える軟磁性金属の
粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させて構成され
る軟磁性材からなる複数の帯状の第1の領域αと、該複
数の帯状の第1の領域の間に該帯状の領域に平行に設け
られた複数の帯状の比誘電率5以下の低誘電率の第2の
領域βとから構成されている。
【0024】図2に示す電磁波吸収体は、電界または磁
界成分が1つの編波面だけに限定されるような電磁波に
効果的に適用できるものである。電界成分と磁界成分は
直交していることから、金属粒子粉を分散させた軟磁性
材を電界方向では分割し、また磁界方向には連続した形
状とすると、透磁率は殆ど低下させないで誘電率だけを
低下させることが可能となり、極めて高性能な電磁波吸
収材が得られる。
【0025】上述した図12の特性は厚さ約5μmの円
盤状のCo系アモルファス粉末をポリエチレン中に分散
させた軟磁性材に関するものであるが、この軟磁性材を
フェライト系の電磁波吸収材と同様に裏面を金属板で短
絡した状態で図5のように使用した場合の反射減衰量の
周波数依存性を図6に示す。図中の3本の線a,b,c
はそれぞれ厚さが1mm,2mm,10mmの時の特性
に相当する。反射減衰量は軟磁性材の厚さを増しても5
dB程度以上には増加せず、この軟磁性材が、透磁率の
高周波特性は優れているものの、電磁波吸収材料として
は機能しないことが理解される。
【0026】そこで、この軟磁性材を用いて図2に示す
構造の電磁波吸収材を作製した。低誘電率の領域を誘電
率約2.2のポリエチレンとし、その比率を20%とし
た電磁波吸収材を図7に示すように使用した場合の反射
減衰量の周波数依存性を図8に示す。厚さ4mmにおけ
る反射減衰量の極大値は、周波数1.5GHzにおける
33dBである。この値は、従来この周波数領域で使用
されてきた立方晶フェライト系材料の約半分の値であ
り、大幅に薄い電磁波吸収材料が実現される。
【0027】図3(a)および(b)は、それぞれ本発
明の更に他の実施形態に係る電磁波吸収体の構成を示す
上面図および断面図である。同図に示す電磁波吸収体
は、粒子外表面から1μm以内の表面層が全体積に占め
る割合で10%を超える軟磁性金属の粒子からなる粉体
を高分子樹脂中に分散させて構成される軟磁性材からな
る複数の島状の第1の領域αと、該複数の島状の第1の
領域の間に形成された比誘電率5以下の低誘電率の海状
の第2の領域βとから構成されている。すなわち、図1
の電磁波吸収体と同じ軟磁性材を正方形のタイル状に加
工し、碁盤目状に配列したものである。
【0028】図3に示す電磁波吸収体は、円偏光の電磁
波に対して有効な電磁波吸収材であり、同図に示すよう
に構成することにより、電磁波吸収材内のどの方向に対
しても金属粒子粉を分散させた軟磁性材が分割されてい
ることになる。この結果、どの方向の電界を有する電磁
波成分に対しても平均の誘電率が低い良好な電磁波吸収
材として機能することができる。
【0029】図3に示す電磁波吸収体の低誘電率の海状
の第2の領域βは、誘電率が約2.2のポリエチレンで
構成され、その幅は軟磁性材の一辺の長さに対して10
%である。図9は、この電磁波吸収材の反射減衰量の周
波数依存性を示したものである。厚さ3mmの時の反射
減衰量は周波数2.2GHzにおいて極大値37dBと
良好な電磁波吸収特性を示す。
【0030】図4は、本発明の別の実施形態に係る電磁
波吸収体の構成を示す断面図である。同図に示す電磁波
吸収体は、軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子樹脂
中に分散させて構成される軟磁性材からなるシート状の
領域である第1層の上に図1〜図3に示した前記第1お
よび第2の領域αおよびβからなる第2層を形成して構
成したものである。このように構成される電磁波吸収材
に入射した電磁波は、その表面層から順次吸収され減衰
するので、必ずしも全体を通して図1〜図3の構造を有
する必要はない。図4に示す構造では、低誘電率の領域
を空隙とした場合でも、全体としては一体となった構造
が保たれるので、電磁波吸収体の製造および取り扱いが
容易になる。
【0031】図4に示す電磁波吸収体は、図1の実施形
態で使用されたものと同じ軟磁性材を使用し、厚さ0.
5mmの第1層であるシート上に図2の実施形態と同様
な構造を一体的に形成して構成されている。上部の構造
は、下部のシートと一体となっているので、低誘電率の
領域は空隙になっている。厚さ3.5mm(シート部の
厚さ0.5mm、低誘電率の領域を設けた部分の厚さ3
mm)の時の反射減衰量は周波数2.7GHzにおいて
極大値33dBと良好な電磁波吸収特性を示している。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明によれば、軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子
樹脂中に分散させて構成される軟磁性材の第1の領域
と、該軟磁性材の第1の領域を2つ以上の領域に分割す
るように前記軟磁性材内に設けられた低誘電率の第2の
領域とで電磁波吸収体を構成することにより、誘電率と
透磁率の整合性が図られ、より薄い電磁波吸収体を実現
することができる。
【0033】また、請求項2記載の本発明によれば、軟
磁性金属の粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させ
て構成される軟磁性材からなる複数の帯状の第1の領域
と、該複数の帯状の第1の領域の間に該帯状の領域に平
行に設けられた複数の帯状の低誘電率の第2の領域とで
電磁波吸収体を構成することにより、誘電率と透磁率の
整合性が図られ、より薄い電磁波吸収体を実現すること
ができるとともに、特に電界または磁界成分が1つの編
波面だけに限定されるような電磁波に効果的に適用で
き、極めて高性能な電磁波吸収体を得ることができる。
【0034】更に、請求項3記載の本発明によれば、軟
磁性金属の粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させ
て構成される軟磁性材からなる複数の島状の第1の領域
と、該複数の島状の第1の領域の間に形成された低誘電
率の海状の第2の領域とで電磁波吸収体を構成すること
により、誘電率と透磁率の整合性が図られ、より薄い電
磁波吸収体を実現することができるとともに、円偏光の
電磁波に対して有効な電磁波吸収体を得ることができ
る。
【0035】請求項4記載の本発明によれば、前記第1
および第2の領域を軟磁性金属の粒子からなる粉体を高
分子樹脂中に分散させて構成される軟磁性材からなるシ
ート状の領域の上に形成することにより、誘電率と透磁
率の整合性が図られ、より薄い電磁波吸収体を実現する
ことができるとともに、製造および取り扱いが容易であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電磁波吸収体の構成
を示す図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る電磁波吸収体の構
成を示す上面図および断面図である。
【図3】本発明の更に他の実施形態に係る電磁波吸収体
の構成を示す上面図および断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る電磁波吸収体の構
成を示す断面図である。
【図5】金属粒子粉を高分子樹脂中に分散させた軟磁性
材の裏面を金属板で短絡させて使用する状況を示す図で
ある。
【図6】金属粒子粉を高分子樹脂中に分散させた軟磁性
材をそのまま使用した場合の反射減衰量の周波数依存性
を示す図である。
【図7】図1の実施形態の電磁波吸収体の裏面を金属板
で短絡して使用する状況を示す図である。
【図8】図1の実施形態の電磁波吸収体の反射減衰量の
周波数依存性を示す図である。
【図9】図2の実施形態の電磁波吸収体の反射減衰量の
周波数依存性を示す図である。
【図10】図3の実施形態の電磁波吸収体の反射減衰量
の周波数依存性を示す図である。
【図11】立方晶フェライトの透磁率の高周波特性にお
けるSnaekの限界を示す図である。
【図12】金属粒子粉を高分子樹脂中に分散させた軟磁
性材の透磁率および誘電率の高周波特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
α 軟磁性材 β 低誘電率の領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子
    樹脂中に分散させて構成される軟磁性材の第1の領域
    と、該軟磁性材の第1の領域を2つ以上の領域に分割す
    るように前記軟磁性材内に設けられた低誘電率の第2の
    領域とを有することを特徴とする電磁波吸収体。
  2. 【請求項2】 軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子
    樹脂中に分散させて構成される軟磁性材からなる複数の
    帯状の第1の領域と、該複数の帯状の第1の領域の間に
    該帯状の領域に平行に設けられた複数の帯状の低誘電率
    の第2の領域とを有することを特徴とする電磁波吸収
    体。
  3. 【請求項3】 軟磁性金属の粒子からなる粉体を高分子
    樹脂中に分散させて構成される軟磁性材からなる複数の
    島状の第1の領域と、該複数の島状の第1の領域の間に
    形成された低誘電率の海状の第2の領域とを有すること
    を特徴とする電磁波吸収体。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の領域は、軟磁性金
    属の粒子からなる粉体を高分子樹脂中に分散させて構成
    される軟磁性材からなるシート状の領域の上に形成され
    ていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに
    記載の電磁波吸収体。
  5. 【請求項5】 前記軟磁性金属の粒子からなる粉体は、
    粒子外表面から1μm以内の表面層が全体積に占める割
    合で10%を超える軟磁性金属の粒子からなり、前記低
    誘電率の領域の比誘電率は、5以下であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の電磁波吸収
    体。
JP8052105A 1996-03-08 1996-03-08 電磁波吸収体 Pending JPH09246025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8052105A JPH09246025A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 電磁波吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8052105A JPH09246025A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 電磁波吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09246025A true JPH09246025A (ja) 1997-09-19

Family

ID=12905584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8052105A Pending JPH09246025A (ja) 1996-03-08 1996-03-08 電磁波吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09246025A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217586A (ja) * 2001-01-22 2002-08-02 Sony Corp 電波吸収体
JP2005252080A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電波吸収体およびその製造方法
JP2017005152A (ja) * 2015-06-11 2017-01-05 株式会社ユニカ 電磁波吸収体、および電磁波吸収体の使用方法
CN113747777A (zh) * 2021-09-08 2021-12-03 济南市中恒光机电技术中心 一种电磁波屏蔽材料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002217586A (ja) * 2001-01-22 2002-08-02 Sony Corp 電波吸収体
JP2005252080A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 電波吸収体およびその製造方法
JP2017005152A (ja) * 2015-06-11 2017-01-05 株式会社ユニカ 電磁波吸収体、および電磁波吸収体の使用方法
CN113747777A (zh) * 2021-09-08 2021-12-03 济南市中恒光机电技术中心 一种电磁波屏蔽材料
CN113747777B (zh) * 2021-09-08 2022-04-08 北京伊斯普电子技术有限公司 一种电磁波屏蔽材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Panwar et al. Fractal frequency-selective surface embedded thin broadband microwave absorber coatings using heterogeneous composites
Panwar et al. Design of ferrite–graphene-based thin broadband radar wave absorber for stealth application
Costa et al. Theory, design and perspectives of electromagnetic wave absorbers
Bregar Advantages of ferromagnetic nanoparticle composites in microwave absorbers
Feng et al. Absorbing properties and structural design of microwave absorbers based on carbonyl iron and barium ferrite
Park et al. Wide bandwidth pyramidal absorbers of granular ferrite and carbonyl iron powders
Lim et al. Electromagnetic wave absorption properties of amorphous alloy-ferrite-epoxy composites in quasi-microwave band
CN213951063U (zh) 噪声抑制石墨物品和组件
CN106332533A (zh) 吸波超材料
JPH04150098A (ja) 電波吸収体
Aherrao et al. Review of ferrite-based microwave-absorbing materials: Origin, synthesis, morphological effects, dielectric/magnetic properties, composites, absorption mechanisms, and optimization
Tümen et al. Synthesis and characterization of nanoparticles reinforced epoxy based advanced radar absorbing composites
JPH09246025A (ja) 電磁波吸収体
JP2000232296A (ja) 電磁波吸収体
KR101614716B1 (ko) 근역장 노이즈를 흡수하기 위한 도체 주기구조를 가지는 전자파 흡수필름 및 흡수체
Pang et al. Design of low-SAR terminal antenna using characteristic mode manipulation
An et al. Dielectric and magnetic properties of a titanium oxide and carbonyl iron composite material and application as a microwave absorber
JP2917271B2 (ja) 電波吸収体
JP2007059456A (ja) 電波吸収体
Yoshida et al. Analysis of power flow by poynting vectors for electromagnetic wave absorbers using frequency selective surfaces
Tuhkala et al. Modeling of microwave dielectric properties of composites
JP2002083704A (ja) 電波吸収体
JPH1145804A (ja) 電波吸収体
KR100621422B1 (ko) 유연성을 갖는 적층형 전자파 흡수체
KR102019877B1 (ko) 코일형 전도성 미세 입자를 이용한 유효 투자율을 가지는 입자-매질 복합소재