JPH09244564A - ロゴテープ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 真正品と酷似した模造品を一般消費者および
小売業者の段階で容易に摘発可能とする。 【解決手段】 使用者の名称やマークなどを多数列表示
した極細幅のプラスチックテープであり、特定の商品と
ともに使用する紙ラベル，粘着レッテル，袋体またはそ
れ自体が商品であるシート体において、その表面，裏
面，周面または内部に貼り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使用者の名称やマ
ークなどを表示する極細幅のロゴテープであって、紙ラ
ベル，粘着レッテル，袋体または商品シートなどに貼着
して偽造品を検出するロゴテープに関する。

【０００２】

【従来の技術】商品に添付する紙ラベルや粘着レッテル
には、その表面や裏面に商標や会社名が印刷されてい
る。近年のように、商品の品質やデザインが多様化して
類似してくると、消費者は紙ラベルや粘着レッテルに表
示した商標や会社名に基づいて購買する場合が多い。こ
の傾向とともに、紙ラベルや粘着レッテルの重要性が増
し、有名ブランドや人気キャラクタを偽造した紙ラベル
や粘着レッテルも横行する事態が多発している。

【０００３】 偽造や不正使用を防ぐには、プラスチッ
ク基板に集積回路を埋め込んだＩＣカードが有効であ
り、銀行業界などでキャッシュカードやプリペイドカー
ドとして多数使用されている。ＩＣカードは、カード自
体に大きな記憶容量と演算機能が備えられ、偽造や不正
使用が行われにくい反面、記憶データを読み取るための
装置が必要であり、ＩＣカードのシステムは全体として
非常に高価である。また、ＩＣカードを紙ラベルや粘着
レッテルに適用しても、読み取り装置を持たない一般消
費者および取引業者は模造品であるか否かを全く確認で
きない。

【０００４】 一般消費者および取引業者が、視覚によ
って容易に紙ラベルや粘着レッテルが模造品であるか否
かを確認できないならば、模造品が真正品と同様の販売
ルートにのる可能性が生じる。現在では、紙ラベルや粘
着レッテルを添付した模造品は、製造技術の格段の進歩
によって真正品と酷似し、一般消費者はもとより、専門
の取引業者であっても真贋を簡単に識別できないケース
も発生している。この場合には、模造品が真正品と同様
の販売ルートにのって長期間存在することになり、真正
品の製造者は回復しがたいほど大きい損害をこうむるこ
とになる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記のように、一般販
売商品について、模造品を早期に摘発することは、真正
品の製造者および一般消費者の利益を維持するために必
要である。模造品の摘発方法としては、通常、販売商品
自体に実施するとコストが掛かり、しかも模造品の製造
業者に再模倣されると簡単に変更できないため、当該商
品に添付する紙ラベルや粘着レッテルに適用する方法が
容易で効果的である。

【０００６】 模造品の摘発方法には、紙ラベルや粘着
レッテルを紫外線や赤外線に反応するインクで印刷する
方法がある。このような方法では、模造品の摘発に際し
て特殊な装置が必要であり、このような装置を一般消費
者や小売業者に配布することは実際上不可能である。し
かも、発光による正確な確認情報を一般消費者まで確実
に伝達することを要し、この確認情報の伝達を一般消費
者や小売業者の段階まで徹底することも非常に困難であ
る。

【０００７】 本発明は、紙ラベルや粘着レッテルなど
による模造品の摘発に関する前記の問題点を改善するた
めに提案されたものであり、テープ表面に表示した名称
やマークを視認するだけで模造品を簡単に検出できるロ
ゴテープを提供することを目的としている。本発明の他
の目的は、視認による摘発だけでなく、光学装置のよう
な他の装置による摘発方法と組合わせていっそう確実に
模造品を検出できるロゴテープを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るロゴテープは、図１または図２に示す
ように、使用者の名称２やマーク３などを表面に表示し
た極細幅のプラスチックテープ１である。本明細書で記
載するロゴテープにおける「ロゴ」とは、ロゴタイプま
たはロゴアートの略称であり、「ロゴテープ」とは、商
標・会社名をデザイン化した連字活字や図形を表示する
テープを意味する。

【０００９】 本発明のロゴテープ１は、一般に透明，
半透明，白色などのプラスチックフィルムに微細な名称
２やマーク３などを多数列表示させ、これをマイクロス
リッタで１列ごとに裁断して製造し、該テープの幅は通
常１ｍｍ以下の極細幅である。用いるフィルムの素材
は、不飽和ポリエステル，ポリオレフィン類，ポリ塩化
ビニル，ポリイミド，耐水性の合成紙などである。

【００１０】 プラスチックフィルムに微細な名称２や
マーク３を表示させるには、例えば、フィルム表面に感
光性樹脂を含むインクを塗布し、次に名称２やマーク３
のパターンのネガをスクリーン印刷して露光し、未反応
部分を洗い流して作製すればよい。また、フィルム表面
に銅，アルミなどの金属を蒸着し、次に名称２やマーク
３のパターンのポジをスクリーン印刷してレジストと
し、未印刷部分を腐食させて作製することも可能であ
る。このパターンは、ＣＡＤやＣＡＡを用いて原寸大の
ものを原図として出力したり、作図したものを高精度カ
メラで撮影してから縮小する。スクリーン印刷に用いる
インクは、紫外線乾燥インクや熱硬化性インクである。

【００１１】 名称２やマーク３は、プラスチックフィ
ルムの表面に金属層や顔料層をホットスタンピングする
ことで形成してもよい。このホットスタンピングは、表
面に熱溶解性接着剤を且つ裏面に離型剤を塗布した銀，
アルミ，ニッケルなどの金属蒸着や顔料塗布フィルムを
パターン型で熱圧着することであり、このパターン型の
製版は、型素材が鋼鉄や黄銅であれば機械彫り、銅や亜
鉛などであれば写真製版による腐食が主である。

【００１２】 ロゴテープ１は、例えば、衣類，身飾
品，文房具などの商品に吊り下げて商標のような情報を
表示する紙ラベル５（図３参照）やタッグなどに取り付
ける。ロゴテープ１は、商品自体に接着する粘着レッテ
ル７（図４参照）に取り付けたり、商品を収納する袋体
８（図６参照）に取り付けてもよい。また、それ自体が
商品であるシート体であるカード１０（図７参照）や証
書類１２（図１０参照）に貼り付けてもよい。このよう
なシート体としては、銀行通帳，航空券，高速道路券な
どでもよい。

【００１３】 ロゴテープ１は、紙ラベル５やカード１
０などにおいて、図３と図４、図６から図１０に例示す
るように、その表面，裏面，周面または内部に貼り付
け、テープ表示の名称やマークが少なくとも部分的に外
部から視認できることが必要である。このロゴテープ１
は、その裏面に残光性の小さい蛍光物質を含む樹脂を塗
布したり、名称２やマーク３などを金属粉または磁気金
属粉を含むインクで印刷することにより、一般消費者や
取引業者が模造品であるか否かを視認するほかに、特定
波長の光を発生する小型ランプで照射したり、文字の波
形読み取り機を通して機械的に再確認できるように構成
してもよい。

【００１４】

【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例に基づいて
説明すると、本発明のロゴテープ１は透明のポリエステ
ルテープであり、その横幅が１ｍｍの極細幅である。素
材である広幅のポリエステルフィルムには、その表面に
感光性樹脂を含むインクを全面に塗布し、次に名称２の
パターンのネガをスクリーン印刷して露光することによ
り、未反応部分を洗い流して名称２を連続的に多数列印
刷する。ロゴテープ１を製造するには、微細印刷後の広
幅フィルムをマイクロスリッタ（図示しない）で１列ご
とに細断する。

【００１５】 図３に示す紙ラベル５には、商標などの
主情報１５と、品名，品番，洗濯適性などの付随情報１
６とを印刷した紙材であり、ロゴテープ１をラベル表面
の下方に接着剤で貼り付ける。紙ラベル５は、例えば、
各種の衣類（図示しない）の前側などに糸やピンで取り
付ければよい。取り付けた紙ラベル５について、ロゴテ
ープ１の名称２を読むだけで、その衣類が真正品である
ことを一般消費者および小売業者の段階で確実に視認で
きる。

【００１６】 図４に示す粘着レッテル７は、商標，品
名，品番などの情報が印刷された紙材またはプラスチッ
クフィルムであり、その表面の所定個所にロゴテープ１
を接着剤で貼り付けるとともに、その裏面に粘着剤層１
７および離型紙１８を介在させる。粘着レッテル７は、
裏面の離型紙１８を剥がし、例えば、各種の文房具（図
示しない）上の所定位置に貼着すればよい。貼着したレ
ッテル７におけるロゴテープ１の名称２を読むと、その
文房具が真正品であることを容易に視認できる。

【００１７】 本発明の変形例では、図５から明らかな
ように、ロゴテープ２０に用いる広幅のポリエステルフ
ィルム２１の裏面に蛍光物質を含む樹脂を塗布し、樹脂
層２２にはスクリーンカラー分解用などのクリアーな顔
料及び展色材を用いる。この蛍光物質は、特定の励起光
を有するランプの照射でのみ発光し、通常の太陽光や蛍
光灯の照射では発光しない性質を有する。この蛍光物質
は、特定の波長の励起光で照射すると青，緑，赤，橙，
黄色などに発色し、残光性を殆ど有しない。

【００１８】 この蛍光物質は、例えば、青色発色体
（組成：Ｓｒ₅（ＰＯ₄）₃Ｃｌ：Ｅｕ），緑色発色体
（組成：Ｚｎ₂ＧｅＯ₂：Ｍｎ），赤色発色体（組成：Ｙ
₂Ｏ₂Ｓ：Ｅｕ）などである。この蛍光物質は、青色発色
体で波長４４５ｎｍ，緑色発色体で波長５３４ｎｍ，赤
色発色体で波長６２４ｎｍの光を有するランプの照射で
発光し、通常の太陽光や蛍光灯光の照射では発光しな
い。

【００１９】 図６には、商品を収納するプラスチック
フィルムやラミネートフィルムの袋体８を示し、該袋体
の表面に商標，品名，品番などの情報（図示しない）を
印刷している。ロゴテープ２０は、袋体８の上方におい
て、その周囲に接着剤で貼り付ける。袋体８におけるロ
ゴテープ２０の名称２を読むと、その文房具が真正品で
あることを容易に視認できる。また、ロゴテープ２０
は、太陽光や蛍光灯光の下では発色せずに前記のロゴテ
ープ１と同様であり、ロゴテープ２０を小型ランプで特
定波長の光を照射すると、該ロゴテープの発色によって
真正品であるか否かを機械的に再確認できる。

【００２０】 図７に示すカード１０は、コード番号，
氏名などの情報（図示しない）を印刷したプラスチック
シート材であり、ロゴテープ２４をカード表面の下方に
接着剤で貼り付ける。ロゴテープ２４における名称やマ
ークは、金属粉または磁気金属粉を含むインクで印刷
し、例えば、この印刷の際にマグネタイトなどの磁性粉
末を顔料としたインクを適用し、膜の厚さを１０〜２０
μｍに印刷する。

【００２１】 一般消費者および小売業者は、カード１
０におけるロゴテープ２４の名称やマークを読むだけで
真正品であることを確実に視認できる。また、カード１
０を文字の波形読み取り機を通し、ロゴテープ２４の文
字によって機械的に再確認できる。この際に、個々の文
字を正確に識別しなくても、磁性文字の存在する間隔や
大きさだけを簡易的に識別してもよい。

【００２２】 図８に示すカード２６は、貼り合わせた
２枚のプラスチックシート材２７，２８からなり、ロゴ
テープ１をシート材２７，２８の間に挟み込む。カード
使用者が、シート材２７を経てロゴテープ１の名称２を
読むことが可能であるように、上方シート材２７は少な
くとも部分的に透明であることを要する。カード２６に
ついて、ロゴテープ１の名称２を読むだけで真正品であ
ることを確実に視認でき、しかもロゴテープ１をシート
材間に挟み込んでいるので、該ロゴテープがカード使用
中に剥がれたり汚染されることがない。

【００２３】 図９に示すカード３０は、前記の同様の
プラスチックシート材であり、ロゴテープ１をカード周
面に接着剤で貼り付ける。この場合、カード３０の厚み
はロゴテープ１の幅と同等またはそれ以上であることを
要する。カード３０について、ロゴテープ１の名称２を
読むだけで真正品であることを確実に視認できる。カー
ド３０は、クレジットカード，プリペイドカード，ＩＣ
カードなどであり、カード自体に記憶容量と演算機能を
備えていてもよい。

【００２４】 図１０に示す証書類１２は、保険証書や
証券のような価値の高い紙材であり、ロゴテープ１をカ
ード表面において接着剤で環状に貼り付ける。証書類１
２について、ロゴテープ１の名称２を読むだけで真正品
であることを一般消費者および小売業者の段階で確実に
視認できる。証書類１２の上には、さらにビニルフィル
ムなどをラミネートしてもよい。

【００２５】

【発明の効果】本発明に係るロゴテープは、幅１ｍｍ以
下の極細幅の中に使用者の名称やマークなどが表示され
ているから、該テープを貼り付けた紙ラベル，粘着レッ
テルなどを添付した商品が真正品であることを一般消費
者および小売業者の段階まで確実に視認できる。したが
って、商品の模造品が、専門の取引業者でも外観から識
別できないほど真正品と酷似していても、このロゴテー
プによって模造品を早期に摘発でき、真正品の製造者が
受ける損害を速やかに回避できる。

【００２６】 本発明のロゴテープでは、その表面に使
用者の名称やマークなどを表示するほかに、その裏面に
残光性の小さい蛍光物質を含む樹脂を塗布したり、表面
の名称やマークなどを金属粉または磁気金属粉を含むイ
ンクで印刷することも可能である。この場合には、一般
消費者や取引業者が模造品であるか否かをロゴテープで
視認できるうえに、取引業者の段階において特定波長の
光を発生する小型ランプでロゴテープを照射したり、文
字の波形読み取り機を通すことにより、真正品であるこ
とを機械的に再確認できる。

【００２７】 本発明のロゴテープは、特定の商品とと
もに使用する紙ラベル，粘着レッテル，袋体，シート体
の表面，裏面，周面または内部に貼り付けるだけであ
り、この貼り付けや読み取りに際して特殊な装置を殆ど
必要としない。したがって、このロゴテープは、通常商
品を製造する場合に比べて製造費用がそれほど上昇せ
ず、模造品の製造業者に再模倣されても、それに対応し
てロゴテープの表示を変更することも容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るロゴテープを例示する部分拡大
平面図である。

【図２】 ロゴテープの変形例を示す部分拡大平面図で
ある。

【図３】 ロゴテープの使用例を示す概略正面図であ
る。

【図４】 ロゴテープの他の使用例を示す概略断面図で
ある。

【図５】 ロゴテープの変形例を示す概略断面図であ
る。

【図６】 ロゴテープの第３使用例を示す概略正面図で
ある。

【図７】 ロゴテープの第４使用例を示す概略正面図で
ある。

【図８】 ロゴテープの第５使用例を示す概略断面図で
ある。

【図９】 ロゴテープの第６使用例を示す概略斜視図で
ある。

【図１０】 ロゴテープの第７使用例を示す概略正面図
である。

【符号の説明】

１ ロゴテープ ２ 使用者の名称 ３ マーク ５ 紙ラベル １０ カード

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 使用者の名称やマークなどを多数列表示
   したフィルムをマイクロスリッタで１列ごとに裁断した
   極細幅のプラスチックテープであって、特定の商品とと
   もに使用する紙ラベル，粘着レッテル，袋体またはそれ
   自体が商品であるシート体において、その表面，裏面，
   周面または内部に貼り付け、テープ表示の名称やマーク
   が少なくとも部分的に外部から視認できるロゴテープ。
2. 【請求項２】 使用者の名称やマークなどを多数列表示
   したフィルムをマイクロスリッタで１列ごとに裁断した
   極細幅のプラスチックテープであって、テープ裏面に残
   光性の小さい蛍光物質を含む樹脂を塗布し、特定の商品
   とともに使用する紙ラベル，粘着レッテル，袋体または
   それ自体が商品であるシート体において、その表面，裏
   面，周面または内部に貼り付け、テープ表示の名称やマ
   ークが少なくとも部分的に外部から視認できるロゴテー
   プ。
3. 【請求項３】 使用者の名称やマークなどを金属粉また
   は磁気金属粉を含むインクで多数列表示したフィルムを
   マイクロスリッタで１列ごとに裁断した極細幅のプラス
   チックテープであって、特定の商品とともに使用する紙
   ラベル，粘着レッテル，袋体またはそれ自体が商品であ
   るシート体において、その表面，裏面，周面または内部
   に貼り付け、テープ表示の名称やマークが少なくとも部
   分的に外部から視認できるロゴテープ。
4. 【請求項４】 プラスチックフィルムに微細な名称やマ
   ークを表示させるには、フィルム表面に感光性樹脂を含
   むインクを塗布し、次にパターンのネガをスクリーン印
   刷して露光してから未反応部分を洗い流したり、または
   フィルム表面に金属を蒸着し、次にパターンのポジをス
   クリーン印刷してレジストとしてから未印刷部分を腐食
   させる請求項１から３のいずれかに記載のテープ。