JPH09242954A - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造で漏洩なく確実に管が連結される
管継手を提供する。 【解決手段】 略円筒状の継手本体２の両端部の連結管
部６の内周面に、端部の挿通孔５に向けて周方向に沿っ
て凹溝環状の凹部11を設けた段部８を設ける。環状で一
端面に軸方向に突出するフランジ部12を設けた断面略Ｌ
字状のパッキング７をフランジ部12を凹部11に係合させ
て段部８に装着する。連結管部６に嵌挿した弾性を有し
た略円筒状のグリップリング３に、カップリングナット
４を嵌挿する管９をパッキング７の端部に当接するまで
嵌挿する。カップリングナット４を連結管部６に螺合さ
せ、グリップリング３を縮径して管９の端部をパッキン
グ７に圧着させつつ周面を圧着保持する。パッキング７
のフランジ部12が凹部11に係合するため、パッキング７
が捩れず、捩れによる隙間からの漏洩を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流体を漏洩するこ
となく管を連結固定する管継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば図９に示す構造の管継手が
知られている。この図９に示す管継手41は、グリップリ
ングを装着した継手本体にカップリングナットを螺合さ
せる構造で、合成樹脂にて弾性を付与して略円筒状に形
成したグリップリング42は、一端側の外周面に一端側に
向けて縮径するテーパ面43を有している。さらに、この
グリップリング42の一端縁から他端近傍に向けて軸方向
に沿って切り溝44が複数設けられ、他端縁は補強のため
に肉厚で環状に形成されている。また、グリップリング
42の内周面には、管がグリップリング42に挿入される際
には係止されず管の引き抜きの際に係止される周方向に
壁状の爪部45が設けられている。一方、略円筒状の継手
本体46の両端部の連結管部47は、軸方向の両端部にＯリ
ング48を設けグリップリング42の他端部を嵌挿する略円
筒状に形成され、両端部の外周面に雄ねじ部49を設けて
いる。また、カップリングナット50は、一端側の内周面
に連結管部47の雄ねじ部49に螺合する雌ねじ部51を有
し、他端側の内周面に他端側に向けてグリップリング42
の外径より径小に縮径する傾斜面52を有している。

【０００３】そして、グリップリング42の環状の他端側
を、あらかじめＯリング48が設けられた略円筒状の連結
管部47の両端部にそれぞれ嵌挿し、連結する管をそれぞ
れ連結管部47の端部から露出するグリップリング42にそ
れぞれ嵌挿し、あらかじめ管に嵌挿しておいたカップリ
ングナット50を連結管部47に螺合する。この螺合によ
り、カップリングナット50の傾斜面52がグリップリング
42の切り溝44が切り欠き形成されている端部を弾性に抗
して縮径させて内周面の爪部45を管の外周面に圧着させ
て管を連結している。

【０００４】しかしながら、この図９に示す従来の構造
の管継手41では、カップリングナット50の螺合によりグ
リップリング42が継手本体46に向けて移動して、グリッ
プリング42の端面および管の端面がＯリング48の端面に
圧着されて漏洩なく接続されるので、カップリングナッ
ト50の螺合の際にグリップリング42および管が回転し、
この回転によりグリップリング42の端面が当接するＯリ
ング48が捩れて、Ｏリング48とグリップリング42との連
結部分やＯリング48と継手本体46との接触部分に隙間が
生じ、この間隙により流体の漏洩が生じるおそれがあ
る。

【０００５】一方、例えば図１０に示すようなシャワ55
を蛇口に接続する構成の管継手56も知られている。この
図１０に示す構造の管継手56は、ハンドルコック57を有
しシャワ55を取り付けるための外周面に雄ねじ部58を設
けた連結管部59を設けた継手本体となる水栓本体60と、
シャワ55の管であるホース61の端部に回転自在に設けら
れ雄ねじ部58に螺着する雌ねじ部を内周面に設けた環状
のナット62と連結管部59の端部とホース61の端部間に挟
持される環状のパッキング63とを備えている。また、ホ
ース61と外周面に雄ねじ部58を設けたシャワ55の本体と
の間にも同様にパッキング63を設けている。

【０００６】しかしながら、この図１０に示す構造の管
継手56も、パッキング63を連結管部59の端部とホース61
の端部との間で挟持して連結するため、ホース61を接続
する際やシャワ55の使用中にホース61が捩れるなどにて
パッキング63が捩れて隙間が生じ、この隙間から水が漏
れるおそれがある。

【０００７】さらに、例えば図１１に示すような回動す
る管であるパイプ65を有した水栓構造の管継手66が知ら
れている。この図１１に示す構造の管継手66は、ハンド
ルコックを有した水栓本体67の外周面に雄ねじ部68を設
けた蛇口である連結管部69の端部に、断面が略Ｕ字状の
パッキング70を係合し、あらかじめパイプ65に嵌挿した
パイプリング71および内周面に雌ねじ部を設けたナット
72を、パイプ65の端部をパッキング70の一端面に当接さ
せて連結管部69に螺合させ、パイプリング71にてパイプ
65を回動自在に連結している。

【０００８】しかしながら、この図１１に示す構造の管
継手66では、蛇口部分の連結管部69に係合されたパッキ
ング70の連結管部69の内外周側にする部分は自由端とな
っているため、パイプ65の取り付けの際の蛇口部分の連
結管部69とパッキング70との確実な捩れ防止が図れず、
水漏れを生じるおそれがある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、図９
に示す構造、図１０に示す構造および図１１に示す構造
の従来の管継手41，56，66では、Ｏリング48およびパッ
キング63，70が捩れて連結部分に隙間が生じ水漏れなど
の流体の漏洩が生じるおそれがある。

【００１０】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な構造で漏洩なく確実に管が連結される管継手
を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の管継手
は、管を挿通する挿通孔を開口する端部近傍の外周面に
設けられた雄ねじ部、および、内周面に内方に向けて突
出して設けられ前記挿通孔に向けて開口する凹部を設け
前記管が挿通不可能な段差を介した径小部を有した略円
筒状の連結管部を備えた継手本体と、前記径小部の段差
部分に軸方向の一端が当接されて装着され軸方向の他端
に前記管の挿入側の端部が当接され前記凹部に挿入され
る挿入部を一部に設けた環状のパッキングと、一端側の
内周面に前記連結管部の前記雄ねじに螺合する雌ねじ部
が設けられこの雌ねじ部の前記雄ねじ部への螺合により
前記管を前記継手本体とにて圧着保持する略円筒状のカ
ップリングナットとを具備したもので、継手本体の径小
部の段差部分に設けた凹部にパッキングの一部の挿入部
を挿入してパッキングの軸方向の端部を径小部の段差部
分に当接させてパッキングを装着するとともに、継手本
体の連結管部の挿通孔にあらかじめカップリングナット
を嵌挿した管を嵌挿してカップリングナットを連結管部
に螺合し、管の端部をパッキングの端面に圧着しつつ継
手本体およびカップリングナットにて管を圧着保持する
ため、パッキングは自由端となる部分がなく圧着挟持さ
れ、例え管が回転しつつパッキングの端面に圧着する場
合でも捩れることなく確実な密着が得られて漏洩なく確
実に管が連結される。

【００１２】請求項２記載の管継手は、請求項１記載の
管継手において、パッキングは、管の端部を嵌挿する嵌
挿部を有したもので、継手本体にパッキングを装着し、
継手本体の連結管部の挿通孔にあらかじめカップリング
ナットを嵌挿した管を嵌挿しつつ、管の端部をパッキン
グの端面に当接するまで嵌挿部に嵌挿してカップリング
ナットを連結管部に螺合し、管の端部をパッキングの端
面に圧着しつつ継手本体およびカップリングナットにて
管を圧着保持するため、パッキングは自由端となる部分
がなく管の端部とパッキングとの密着部分が増大して圧
着挟持され、例え管が回転しつつパッキングの端面に圧
着する場合でも捩れることなく確実な密着が得られて漏
洩なく確実に管が連結される。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の管継手の実施の一
形態を図面を参照して説明する。

【００１４】図１において、１は管継手で、この管継手
１は、継手本体２、グリップリング３およびカップリン
グナット４にて構成され、継手本体２は、例えば合成樹
脂製で略円筒状に形成され両端部に略円形の挿通孔５を
開口する略円筒状の連結管部６，６を略同軸状に一体に
設けて略円筒状に形成されている。また、継手本体２の
両端部である連結管部６の端部の内周面にはパッキング
７が係止される径小部としての段部８が設けられてい
る。そして、この段部８は、管９が挿通不可能に挿通孔
５側より径小に段差を介して形成されこの段差部分が挿
通孔５側に対向する段差部10となり、この段差部10に挿
通孔５に向けて凹状に周方向に沿って凹溝環状の凹部11
が設けられている。

【００１５】一方、パッキング７は、図１および図２に
示すように、内径が管９の内径と略同径の環状に形成さ
れ、軸方向の一端は平面状に形成され、軸方向の他端に
は継手本体２の段部８の凹部11に挿入、例えば密着して
挿入係合される外周面が連続する略面一な略円筒状の挿
入部としてのフランジ部12が一体に設けられ、このフラ
ンジ部12より内周側に突出する部分をリブ部13として断
面略Ｌ字状に形成されている。

【００１６】また、継手本体２の連結管部６の外周面に
は雄ねじ部14a が設けられている。また、雄ねじ部14a
の基端側である継手本体２の中央側には、カップリング
ナット４の端部が当接しカップリングナット４の螺合を
規制するストッパ部14b が突設されている。

【００１７】そして、継手本体２の連結管部６には、グ
リップリング３が嵌挿されている。このグリップリング
３は、合成樹脂にて弾性が付与されて略円筒状に形成さ
れている。そして、外周面には、中間部分から一端側に
向けて縮径するテーパ面15が設けられている。

【００１８】また、グリップリング３には、軸方向に沿
って両端縁に亘る切り溝16が切り欠き形成されて、拡径
および縮径可能となっている。そして、この切り溝16
は、グリップリング３の周方向に凹凸状に凸状部17a お
よび凹状部17b が交互に設けられて略波状に形成されて
いる。そして、切り溝16は、通常時は２，３mm程度の間
隙となり、切り溝16の一縁側の凸状部17a と他縁側の凹
状部17b との軸方向の重なりが３mm程度となり、縮径し
た場合には対向する凸状部17a および凹状部17bの頂部
に１mm弱の隙間が生じるようになる。

【００１９】さらに、グリップリング３の内周面には、
周方向に沿って壁状に突出する爪部18が設けられてい
る。この爪部18は、切り溝16の凸状部17a および凹状部
17b の頂部を通過する位置に設けられ、テーパ面15の縮
径方向側に向けて拡径するように傾斜する案内傾斜面19
を有している。

【００２０】一方、カップリングナット４は、継手本体
２と同材質の合成樹脂にて略円筒状に形成され、軸方向
の一端側の内周面には、継手本体２の連結管部６の雄ね
じ部14a に螺合する雌ねじ部20が設けられている。さら
に、軸方向の他端側の内周面には、他端側の開口がグリ
ップリング３の縮径した状態における外径より径小とな
るようにラッパ状に他端側に向けて径小となる傾斜面21
が設けられている。また、外周面には、カップリングナ
ット４を回転させる滑り止めのためのリブ22が複数設け
られている。

【００２１】次に、上記実施の一形態の管９を連結させ
る動作を説明する。

【００２２】あらかじめ継手本体２の両端部の段部８に
パッキング７を挿通孔５からそれぞれ装着、すなわちパ
ッキング７のフランジ部12側から挿通孔５内に挿入し、
パッキングのフランジ部12を継手本体２の連結管部６の
段部８に挿入すなわち密着係合させて段部８の端面にパ
ッキング７の端面を当接させて装着する。

【００２３】次に、グリップリング３のテーパ面15が設
けられていない側の略円筒状の端部を挿通孔５から嵌挿
する。一方、あらかじめ連結する管９にカップリングナ
ット４を管９の端部側にカップリングナット４の雌ねじ
部20側の端部が向くように嵌挿しておく。

【００２４】そして、カップリングナット４を挿通する
管９の端部を継手本体２の連結管部６の挿通孔５からこ
の挿通孔５に臨むグリップリング３に嵌挿する。この管
９の嵌挿の際、管９の先端縁が爪部18の案内傾斜面19に
案内されて爪部18を乗り越えるように管９がグリップリ
ング３に嵌挿される。さらに、管９を挿入させると、管
９はパッキングの略平坦な端面であるリブ部13の側面に
当接する。

【００２５】次に、カップリングナット４の雌ねじ部20
を連結管部６の雄ねじ部14a に螺合させる。この螺合に
より、カップリングナット４の傾斜面21が、グリップリ
ング３のテーパ面15および端部縁に当接してグリップリ
ング３が次第に締め付けられ、グリップリング３は曲率
が大きくなるように縮径し、爪部18が管９の外周面に食
い込むように圧着されて係止される。このグリップリン
グ３の縮径の際に、カップリングナット４の傾斜面21お
よびグリップリング３のテーパ面15により、グリップリ
ング３が軸方向に沿ってパッキング７に向けて移動す
る。このグリップリング３の移動により、管９の端部が
パッキング７の端面であるリブ部13の側面に圧着され、
管９が管継手１に気密および液密に固定されて連結され
る。

【００２６】なお、管径が規格より大きい場合には、管
９をグリップリング３に挿入する際、切り溝16の隙間を
開きグリップリング３を弾性に抗して拡径させつつ挿入
し、カップリングナット４を螺合してグリップリング３
を締め付け、爪部18を管９の外周面に食い込ませるよう
に圧着させ係止させて固定する。

【００２７】また、管径が規格より小さい場合には、グ
リップリング３に挿入後、カップリングナット４を螺合
してグリップリング３を締め付けて弾性に抗して縮径さ
せ、グリップリング３を締め付けて、爪部18を管９の外
周面に食い込ませるように圧着させて係止させて固定す
る。

【００２８】次に、上記実施の一形態の作用について説
明する。

【００２９】カップリングナット４の傾斜面21およびグ
リップリング３のテーパ面15により、グリップリング３
の縮径の際のグリップリング３が軸方向に沿ってパッキ
ング７に向けた移動時に、傾斜面21とテーパ面15との摩
擦が次第に大きくなるため、グリップリング３がカップ
リングナットの螺合に伴って回転する場合が生じ、この
グリップリング３の回転の際には、爪部18が管９の外周
面に食い込むようになっているため、管９も回転する場
合がある。

【００３０】ところで、継手本体２の段部８の凹部11に
パッキング７のフランジ部12を係合させつつパッキング
７の軸方向の端部を段部８に当接させてパッキング７を
装着するため、フランジ部12の凹部11への係合、パッキ
ング７の外周面と継手本体２の内周面との摩擦により、
例えパッキング７の端面に当接する管９が回転してもパ
ッキング７が捩れることが防止され、パッキング７の捩
れによる継手本体２およびパッキング７間やパッキング
７および管９間に隙間が生じて気密性や液密性などの管
９を流れる流体の漏洩を防止できる。

【００３１】また、管９の圧着保持するための構成とし
て、弾性を有する略円筒状のグリップリング３に軸方向
に沿って両端縁に亘る切り溝16を設けたため、連結や接
続、分岐などを行う管９の径が規格からはずれている場
合でも、グリップリング３は弾性により縮径および拡径
して管９を固定できるので、１つのグリップリング３で
固定できる管径の範囲が増大して、部品点数を減少で
き、部品管理も容易にできるとともに、連結や接続、分
岐の作業の際、用意する部品点数を減少でき、漏洩のな
い施工が容易にできる。

【００３２】さらに、両端縁に亘る切り溝16により、カ
ップリングナット４にて締め付けられると、この締め付
けによるグリップリング３の外周面接線方向に力が掛か
り、曲率が大きくなるように全体的に縮径し、内周面が
管９の外周面に沿うように縮径するため、内周面に設け
た全部の爪部18を全体的に管９の外周面に圧着でき、管
９の固定強度を向上できる一方、この固定強度の向上分
をカップリングナット４の螺着強度の低減を図ることが
でき、小さい力でも強固に管９を固定でき、管９の連結
や接続、分岐などの作業が容易にできる。

【００３３】また、切り溝16を凸状部17a および凹状部
17b が交互に位置する略波状に形成して、対向する切り
溝16の縁の凸状部17a の頂部が軸方向で重なり合うよう
に形成したため、切り溝16の部分でねじれの発生を抑制
できるとともに、固定する管径の許容範囲をさらに増大
できる。さらに、グリップリング３が最小径に縮径状態
となった際に、切り溝16を対向する凸状部17a および凹
状部17b の頂部が若干隙間を生じるように形成したた
め、切り溝16の凸状部17a および凹状部17b の頂部以外
の部分で当接するため、接線方向に働く締め付ける力を
分散でき、締め付け過ぎによるグリップリング３の損傷
を防止できる。

【００３４】そして、グリップリング３が拡径および縮
径可能であるため、型の構造が簡略化し、脱型も容易に
でき、製造性を向上できる。

【００３５】また、パッキング７の端面に管９の端部が
当接するため、従来のＯリングに管９を嵌挿する際の管
９とＯリングとの摩擦による嵌挿作業性が低下すること
なく容易に密着保持できるとともに、管９の嵌挿性を向
上するための管９の端部の外周縁を面取りする加工が不
要となり、管９の継手作業が容易にできる。

【００３６】なお、上記図１および図２に示す実施の形
態において、連通管部６の内周面から略垂直な段差とな
る段差部10を設けた段部を径小部として説明したが、段
差はテーパ面状に形成したものでもできる。

【００３７】また、挿入部としては、略円筒状のフラン
ジ部12に限らず、パッキング７の軸方向に複数凸状に突
出する形状として、この凸状の部分が挿入されるように
複数の凹穴状に凹部を形成しても同様の効果が得られ
る。さらには、パッキング７を弾性を有した柔らかい部
材にて形成し、管９が圧着された際にパッキング７が変
形して一部が凹部11内に入り込むようにしてもよい。こ
の場合には、凹部11内に挿入する部分が挿入部となる。

【００３８】一方、管９の端部のみパッキング７に当接
させ、グリップリング３の端部は当接させない構成につ
いて説明したが、管９とともにグリップリング３の端部
をパッキングに当接させるようにしてもできる。この構
成によれば、例えば管９の端部が軸方向に対して略垂直
に切断されていないような場合、パッキング７と管９と
の圧着性が低下して、管９を流れる流体が高圧力で流過
する場合には流体が漏洩するおそれもあるので、グリッ
プリング３の端面とにて圧着性を向上させて漏洩を防止
することもできる。

【００３９】また、グリップリング３の切り溝16を、コ
字状に形成したり、ぎざぎざ状に形成したり、コ字状と
ぎざぎざ状とを組み合わせるなど、いずれの波形状にす
ることができ、また軸方向に沿って直線状に形成しても
できる。

【００４０】さらに、グリップリング３の爪部18は、図
５および図６に示すように、千鳥状に点在させて形成し
たり、スパイラル状に形成してもできる。なお、スパイ
ラル状に形成した場合には、管９をグリップリング３の
内周に容易に嵌挿できる。

【００４１】また、グリップリング３に、図５および図
６に示すような略軸方向に沿って一部を切り欠いた溝状
部25を設けたり、図６および図７に示すような略軸方向
に沿って薄肉状に切り欠いた溝凹部26を溝状に設け、こ
れら溝状部25によるグリップリング３の軸方向の長さ寸
法が短くなる部分および溝凹部26によるグリップリング
３の肉薄部分をヒンジ部27として構成させてもよい。こ
の場合、グリップリング３の拡径および縮径の際の弾性
変形が、ヒンジ部27によりこのヒンジ部27を中心に切り
溝16の間隔寸法を広げたり縮める弾性変形が主体とな
り、グリップリング３の拡径および縮径を容易にでき、
作業性を向上できる。

【００４２】ところで、グリップリング３とパッキング
７との当接による圧着力がパッキング７と管９との圧着
力より強くなり、パッキング７と管９とが十分に圧着さ
れないような場合には、切り溝16や溝状部25および溝凹
部26により、流体が漏洩するおそれがあるため、パッキ
ング７と管９の端面との確実な十分な圧着が得られるよ
うに、グリップリング３がパッキング７の端面に当接す
る状態を、例えば図５ないし図７に示すような継手本体
２の端部に当接するリング部28を設けるなど、グリップ
リング３の縮径の際の移動を規制するなどにより調整す
る必要がある。

【００４３】また、管継手１は、例えばグリップリング
３を設けず管９を圧着保持できるナットを用いたり、継
手本体２としてＬ字状のもの、連結管部６が３方に突設
されたＴ字状のものなど複数の連結管部６，６を有する
もの、連結管部６の挿通孔５の径がそれぞれ異なるも
の、一端側にタンクなどの流通口の雄ねじ部に螺合する
雌ねじ部が設けられて他端側に連結管部６を設けタンク
から管９を分岐させるためのものなど、管９を接続、分
岐、連結などをするための例えばシャワや水栓装置など
でもでき、いずれの構造のものでも同様の効果が得られ
る。

【００４４】次に、本発明の管継手の他の実施の形態を
図面を参照して説明する。

【００４５】図３および図４に示す実施の形態は、図１
および図２に示す実施の形態のパッキング７のフランジ
部12と反対側の端面に、フランジ部12と同形状の嵌挿部
31を設けたものである。

【００４６】すなわち、図３および図４に示す実施の形
態のパンキング32は、内径が管９の外径と略同形の略円
筒状に形成され、内周面の略中央に内方に壁状に突出す
るリブ部13を設けて、このリブ部13より一端側を継手本
体２の段部８の凹部11に挿入されて密着係合するフラン
ジ部12とし、他端側を管９が嵌着される嵌挿部31として
構成されている。

【００４７】そして、管９を連結させる際には、継手本
体２の連結管部６の挿通孔５からパッキング32を挿入
し、リブ部13より一端側を段部８の凹部11に係合させて
この一端側をフランジ部12とし継手本体２の段部８にパ
ッキング32の軸方向の端部を当接させてパッキング32を
継手本体２内に装着する。次に、継手本体２の連結管部
６の挿通孔５からグリップリング３の外径の大きい側を
嵌挿し、グリップリング３を継手本体２内に装着する。
なお、このグリップリング３の装着状態は、パッキング
32の端面にグリップリング３の径大側の端部が当接せず
間隙を介するようになっている。

【００４８】この後、あらかじめカップリングナット４
を嵌挿した管９をグリップリング３に嵌挿し、さらに管
９の端部をパッキング７の挿通孔５側の端部である嵌挿
部31にリブ部13の側面に当接するまで嵌挿する。そし
て、管９カップリングナット４の雌ねじ部20を連結管部
６の雄ねじ部14a に螺合する。このカップリングナット
４の螺合により、図１および図２に示す実施の形態と同
様に、カップリングナット４の傾斜面21が、グリップリ
ング３のテーパ面15および端部縁に当接してグリップリ
ング３が次第に締め付けられ、グリップリング３は曲率
が大きくなるように縮径し、爪部18が管９の外周面に食
い込むように圧着されて管９が係止されるとともに、グ
リップリング３のテーパ面15およびリング部28にてカッ
プリングナット４の締め付けによりグリップリング３お
よびこのグリップリング３が圧着する管９がさらに継手
本体２に嵌挿するように移動し、管９の端部がパッキン
グ32のリブ部13を弾性に抗して潰すように変形させてパ
ッキング32のリブ部13の側面に圧着され、管９が管継手
１に気密および液密に固定されて連結される。

【００４９】この構成によれば、管９の端部を嵌挿する
嵌挿部31を設けたため、管９の端部をパッキング32が包
み込むように密着するため、管９とパッキング32との密
着性が向上し、例え管９が回転するような場合でもパッ
キング32が捩れることがなく、例え捩れても管９の端部
を包み込む嵌挿部31にて密着性が保持されるため、管９
を流過する流体の漏洩が確実に防止できる。さらに、図
１および図２に示すパッキング７より外周面の面積が広
くなって継手本体２との摩擦力が増大し、さらにパッキ
ング32の捩れを防止でき、流体の漏洩が確実に防止でき
る。

【００５０】また、この断面略Ｔ字状のパッキング32に
よれば、連通管部６内に装着する際に、いずれの方向か
ら挿入してもよく、作業性がさらに向上できる。

【００５１】なお、上記図３および図４に示す実施の形
態において、パッキング32を断面略Ｔ字状に形成した
が、段部８の凹部11に挿入される挿入部および管９の端
部を嵌挿する嵌挿部31を設けたいずれの形状のものでも
できる。

【００５２】

【発明の効果】請求項１記載の管継手によれば、継手本
体の径小部の凹部にパッキングの挿入部を挿入してパッ
キングの軸方向の端部を段部の段差部分に当接させてパ
ッキングを装着するとともに、継手本体の連結管部の挿
通孔にあらかじめカップリングナットを嵌挿した管を嵌
挿してカップリングナットを連結管部に螺合し、管の端
部をパッキングの端面に圧着しつつ継手本体およびカッ
プリングナットにて管を圧着保持するため、パッキング
は自由端となる部分がなく圧着挟持され、例え管が回転
しつつパッキングの端面に圧着する場合でも捩れること
なく確実な密着が得られて漏洩なく確実に管を連結でき
る。

【００５３】請求項２記載の管継手によれば、請求項１
記載の管継手に加え、継手本体の径小部にパッキングを
装着し、継手本体の連結管部の挿通孔にあらかじめカッ
プリングナットを嵌挿した管を嵌挿しつつ、管の端部を
パッキングの端部に当接するまで嵌挿部に嵌挿してカッ
プリングナットを連結管部に螺合し、管の端部をパッキ
ングの端面に圧着しつつ継手本体およびカップリングナ
ットにて管を圧着保持するため、パッキングは自由端と
なる部分がなく管の端部とパッキングとの密着部分が増
大して圧着挟持され、例え管が回転しつつパッキングの
端面に圧着する場合でも捩れることなく確実な密着が得
られて漏洩なく確実に管を連結できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の管継手の実施の一形態を示す一部を切
り欠いた側面図である。

【図２】同上パッキングを示す一部を切り欠いた斜視図
である。

【図３】本発明の管継手の他の実施の形態を示す一部を
切り欠いた側面図である。

【図４】同上パッキングを示す一部を切り欠いた斜視図
である。

【図５】本発明の管継手のさらに他の実施の形態のグリ
ップリングを示す断面図である。

【図６】同上溝状部の位置での断面図である。

【図７】本発明の管継手のさらに他の実施の形態のグリ
ップリングを示す断面図である。

【図８】同上溝状部の位置での断面図である。

【図９】従来例の管継手を示す分解斜視図である。

【図１０】従来例の他の管継手を示す分解斜視図であ
る。

【図１１】従来例のさらに他の管継手を示す分解斜視図
である。

【符号の説明】

１ 管継手 ２ 継手本体 ４ カップリングナット ５ 挿通孔 ６ 連結管部 ７，32 パッキング ８ 径小部としての段部 ９ 管 10 段差部 11 凹部 12 挿入部としてのフランジ部 14a 雄ねじ部 20 雌ねじ部 31 嵌挿部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管を挿通する挿通孔を開口する端部近傍
   の外周面に設けられた雄ねじ部、および、内周面に内方
   に向けて突出して設けられ前記挿通孔に向けて開口する
   凹部を設け前記管が挿通不可能な段差を介した径小部を
   有した略円筒状の連結管部を備えた継手本体と、 前記径小部の段差部分に軸方向の一端が当接されて装着
   され軸方向の他端に前記管の挿入側の端部が当接され前
   記凹部に挿入される挿入部を一部に設けた環状のパッキ
   ングと、 一端側の内周面に前記連結管部の前記雄ねじに螺合する
   雌ねじ部が設けられこの雌ねじ部の前記雄ねじ部への螺
   合により前記管を前記継手本体とにて圧着保持する略円
   筒状のカップリングナットとを具備したことを特徴とす
   る管継手。
2. 【請求項２】 パッキングは、管の端部を嵌挿する嵌挿
   部を有したことを特徴とする請求項１記載の管継手。