JPH09242882A - 電気粘性流体のシール方法 - Google Patents
電気粘性流体のシール方法Info
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- JPH09242882A JPH09242882A JP8079406A JP7940696A JPH09242882A JP H09242882 A JPH09242882 A JP H09242882A JP 8079406 A JP8079406 A JP 8079406A JP 7940696 A JP7940696 A JP 7940696A JP H09242882 A JPH09242882 A JP H09242882A
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- Japan
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- fluid
- seal
- electrorheological fluid
- magnetic
- sealing
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- Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 電気粘性流体を用いた装置におけるシ−ル部
分からの流体の漏れを防止する。 【解決手段】 磁性流体と磁石を組み合わせたシ−ルを
用いて電気粘性流体をシ−ルする電気粘性流体のシ−ル
方法であり、特に磁性流体と電気粘性流体の界面に機械
的補助シ−ル部材を適用し、あるいはシ−ル部分にラビ
リンス効果を発現する溝を設け、シ−ル効果を向上させ
たシ−ル方法である。
分からの流体の漏れを防止する。 【解決手段】 磁性流体と磁石を組み合わせたシ−ルを
用いて電気粘性流体をシ−ルする電気粘性流体のシ−ル
方法であり、特に磁性流体と電気粘性流体の界面に機械
的補助シ−ル部材を適用し、あるいはシ−ル部分にラビ
リンス効果を発現する溝を設け、シ−ル効果を向上させ
たシ−ル方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気粘性流体のシ
ール方法に関するものであり、電気粘性流体を用いた振
動吸収、トルク伝達、位置決め・速度・力制御、力感覚
呈示などの装置に利用される電気粘性流体のシール方法
に関する。
ール方法に関するものであり、電気粘性流体を用いた振
動吸収、トルク伝達、位置決め・速度・力制御、力感覚
呈示などの装置に利用される電気粘性流体のシール方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電界を印加することにより粘性が大きく
変化し、電界の解除により元の粘性に戻り、その変化が
可逆的かつ瞬間的である電気粘性流体は、半世紀以上も
前から水を含んだ粒子を絶縁油に分散した系で知られて
いたが、含有する水に基づく問題のために、安定的にに
使用することができなかった。近年、カーボン質の半導
体粒子あるいは絶縁薄膜で表面を被覆した導電性粒子な
どが開発され、水を含まない粒子を分散させた流体が開
発され実用化に近づいた。一方、この電気粘性流体の応
用についての研究も盛んであり、車両や機器類の振動や
衝撃の吸収・防止、クラッチやブレーキとしてのトルク
や推力の伝達・調整、ロボットや精密機械の位置、速
度、出力の調整・制御、ロボットハンドや機械グリップ
としての物体の保持・固定、等幅広い用途・分野への応
用が提案されている。
変化し、電界の解除により元の粘性に戻り、その変化が
可逆的かつ瞬間的である電気粘性流体は、半世紀以上も
前から水を含んだ粒子を絶縁油に分散した系で知られて
いたが、含有する水に基づく問題のために、安定的にに
使用することができなかった。近年、カーボン質の半導
体粒子あるいは絶縁薄膜で表面を被覆した導電性粒子な
どが開発され、水を含まない粒子を分散させた流体が開
発され実用化に近づいた。一方、この電気粘性流体の応
用についての研究も盛んであり、車両や機器類の振動や
衝撃の吸収・防止、クラッチやブレーキとしてのトルク
や推力の伝達・調整、ロボットや精密機械の位置、速
度、出力の調整・制御、ロボットハンドや機械グリップ
としての物体の保持・固定、等幅広い用途・分野への応
用が提案されている。
【0003】しかるに、残念ながら現在のところ、実用
になった例は極めて少ない。その理由としては、電気粘
性流体自体の性能的な問題もさることながら、軸受けや
スライダーなど可動部に接する微粒子を含んだ電気粘性
流体をシールするのに有効な手段が見つからないことも
無視できない大きな問題として挙げられる。この問題に
関して、メカニカルなシール部材を用いその締め付け圧
力を上げる方法や、特開平4ー210138号公報に開
示のようにゴムなどフレキシブルな材料からなるチュー
ブや蛇腹等の伸張部材の一端を可動部分に他端を固定部
分に完全に接着して流体をこれらの伸張部材の内部に封
入する方法、特開平1ー312208号公報に開示のよ
うに電気粘性流体をシールのない密閉系に封入し、流体
側で発生する推力を隔壁を介して磁力で外部に伝達する
方法、などが提案されている。
になった例は極めて少ない。その理由としては、電気粘
性流体自体の性能的な問題もさることながら、軸受けや
スライダーなど可動部に接する微粒子を含んだ電気粘性
流体をシールするのに有効な手段が見つからないことも
無視できない大きな問題として挙げられる。この問題に
関して、メカニカルなシール部材を用いその締め付け圧
力を上げる方法や、特開平4ー210138号公報に開
示のようにゴムなどフレキシブルな材料からなるチュー
ブや蛇腹等の伸張部材の一端を可動部分に他端を固定部
分に完全に接着して流体をこれらの伸張部材の内部に封
入する方法、特開平1ー312208号公報に開示のよ
うに電気粘性流体をシールのない密閉系に封入し、流体
側で発生する推力を隔壁を介して磁力で外部に伝達する
方法、などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】メカニカルなシール部
材を用いたシール方法では、可動部を動かす際の抵抗が
大きくなり過ぎて微妙な力の調整には不向きである。ま
た、流体をチューブや蛇腹の内部に封入する方法ではチ
ューブや蛇腹の内部の容積変化に伴う流体の流動抵抗が
問題となる。更に、流体をシールのない密閉系に封入し
磁力で力を伝達する方法は装置が大きくなり、また力が
磁力により制限される。本発明は、これらの問題がな
く、単純でかつコンパクトにシールすることを目的とし
てなされたものである。
材を用いたシール方法では、可動部を動かす際の抵抗が
大きくなり過ぎて微妙な力の調整には不向きである。ま
た、流体をチューブや蛇腹の内部に封入する方法ではチ
ューブや蛇腹の内部の容積変化に伴う流体の流動抵抗が
問題となる。更に、流体をシールのない密閉系に封入し
磁力で力を伝達する方法は装置が大きくなり、また力が
磁力により制限される。本発明は、これらの問題がな
く、単純でかつコンパクトにシールすることを目的とし
てなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】磁性流体は、密封性と非
発塵性とを活かし、防塵シールあるいは真空や活性ガス
のガスシールとして、回転軸受け等のシール材に幅広く
使用されている。しかしながら、これらのシールは2つ
の気体室を隔絶するものであり、他の流体をシールする
目的で使用された例は極めて少ない。本発明者らは、電
気粘性流体の有効なシール方法の開発について苦労を重
ねてきたが、磁性流体を用いることが極めて有効、かつ
効果的であることを見い出し本発明に到達した。
発塵性とを活かし、防塵シールあるいは真空や活性ガス
のガスシールとして、回転軸受け等のシール材に幅広く
使用されている。しかしながら、これらのシールは2つ
の気体室を隔絶するものであり、他の流体をシールする
目的で使用された例は極めて少ない。本発明者らは、電
気粘性流体の有効なシール方法の開発について苦労を重
ねてきたが、磁性流体を用いることが極めて有効、かつ
効果的であることを見い出し本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、磁性流体と磁石を組み合
わせたシールを用いる電気粘性流体のシール方法であ
り、更に、磁性流体と電気粘性流体の界面に機械的補助
シール部材を適用することによりシール性をより高めた
電気粘性流体のシール方法である。本発明に云う電気粘
性流体とは、電界を印加した際にはその粘性が瞬間的か
つ大きく変化し、電界の解除により元の粘性に戻り、そ
の変化が可逆的に変化する流体のことであり、誘電体粒
子を絶縁油に分散させた分散系電気粘性流体と、粒子を
用いない均一系電気粘性流体とに大別される。
わせたシールを用いる電気粘性流体のシール方法であ
り、更に、磁性流体と電気粘性流体の界面に機械的補助
シール部材を適用することによりシール性をより高めた
電気粘性流体のシール方法である。本発明に云う電気粘
性流体とは、電界を印加した際にはその粘性が瞬間的か
つ大きく変化し、電界の解除により元の粘性に戻り、そ
の変化が可逆的に変化する流体のことであり、誘電体粒
子を絶縁油に分散させた分散系電気粘性流体と、粒子を
用いない均一系電気粘性流体とに大別される。
【0007】前者に用いられる粒子としては、イオン分
極可能な水、酸、アルカリあるいは有機電解質等を含ん
だシリカやゼオライト等の無機系粒子、あるいはイオン
交換樹脂やセルロース等の有機系粒子があり、水を含ま
ずイオン分極よりは電子分極を生じ易い炭素やポリアニ
リン、金属フタロシアニン等の半導体粒子、表面に絶縁
性薄膜を被覆した金属粒子や導電ポリマー性粒子、その
他、異方導電性や非線形光学特性をもつ材料からなる粒
子、等が挙げられる。また、媒体として使用される代表
的な絶縁油としては、シリコーン、パーフルオロカーボ
ン、ミネラルオイル等が挙げられる。
極可能な水、酸、アルカリあるいは有機電解質等を含ん
だシリカやゼオライト等の無機系粒子、あるいはイオン
交換樹脂やセルロース等の有機系粒子があり、水を含ま
ずイオン分極よりは電子分極を生じ易い炭素やポリアニ
リン、金属フタロシアニン等の半導体粒子、表面に絶縁
性薄膜を被覆した金属粒子や導電ポリマー性粒子、その
他、異方導電性や非線形光学特性をもつ材料からなる粒
子、等が挙げられる。また、媒体として使用される代表
的な絶縁油としては、シリコーン、パーフルオロカーボ
ン、ミネラルオイル等が挙げられる。
【0008】また、後者としては、液晶性、粘度異方
性、両親媒性、強誘電性、高双極子能率等をもつ物質、
あるいはその溶液を挙げることができ、中でも液晶、特
に高分子液晶が好ましいものとして挙げられる。前者の
分散系は、一般に電界印加時に剪断応力が剪断速度によ
らず大略一定である、いわゆるビンガム流動を示し、一
方、後者の均一系は一般に剪断応力が剪断速度に比例す
る、いわゆるニュートン流動を示す。なお、本発明で云
う電気粘性流体には、粒径の比較的大きなフェライトや
マグネタイト、表面をシリカ等の超微細粒子で被覆した
軟磁性鉄粒子等を上述の媒体に分散させた電界にも磁界
にも応答する、いわゆる電磁流体も含まれる。
性、両親媒性、強誘電性、高双極子能率等をもつ物質、
あるいはその溶液を挙げることができ、中でも液晶、特
に高分子液晶が好ましいものとして挙げられる。前者の
分散系は、一般に電界印加時に剪断応力が剪断速度によ
らず大略一定である、いわゆるビンガム流動を示し、一
方、後者の均一系は一般に剪断応力が剪断速度に比例す
る、いわゆるニュートン流動を示す。なお、本発明で云
う電気粘性流体には、粒径の比較的大きなフェライトや
マグネタイト、表面をシリカ等の超微細粒子で被覆した
軟磁性鉄粒子等を上述の媒体に分散させた電界にも磁界
にも応答する、いわゆる電磁流体も含まれる。
【0009】一方、本発明に用いられる磁性流体とは、
微粒子化した強磁性体を鉱物油、ポリフェニルエーテ
ル、アルキルナフタレン、パーフルオロカーボン、シリ
コーン等の媒体にコロイド状に分散させた液体であり、
マグネタイトやMnーZnフェライト等の酸化物磁性体
を用いた酸化物磁性流体や、鉄(窒化物を含む)やコバ
ルト等の金属を用いた金属磁性流体などが代表的なもの
として挙げられる。
微粒子化した強磁性体を鉱物油、ポリフェニルエーテ
ル、アルキルナフタレン、パーフルオロカーボン、シリ
コーン等の媒体にコロイド状に分散させた液体であり、
マグネタイトやMnーZnフェライト等の酸化物磁性体
を用いた酸化物磁性流体や、鉄(窒化物を含む)やコバ
ルト等の金属を用いた金属磁性流体などが代表的なもの
として挙げられる。
【0010】これらの電気粘性流体と磁性流体とは可動
部の動きにより混合されないことが望ましく、2流体の
界面に後述する補助的シール部材を設けることや、これ
ら電気粘性流体と磁性流体とが本質的に混合しないよう
に、互いに相溶しない分散媒体を使用して製造した磁性
流体と電気粘性流体を用いることが望ましい。このよう
な非相溶性の分散媒体の代表例として、シリコーンとパ
ーフルオロカーボンを挙げることができる。
部の動きにより混合されないことが望ましく、2流体の
界面に後述する補助的シール部材を設けることや、これ
ら電気粘性流体と磁性流体とが本質的に混合しないよう
に、互いに相溶しない分散媒体を使用して製造した磁性
流体と電気粘性流体を用いることが望ましい。このよう
な非相溶性の分散媒体の代表例として、シリコーンとパ
ーフルオロカーボンを挙げることができる。
【0011】本発明に言う電気粘性流体のシール方法の
代表的な形式としては、図1の(a)に示す回転型、同
図の(b)に示すスライド型および同図の(c)に示す
回転スライド型などが挙げられる。可動部、例えば、回
転軸、ピストンロッド、スライダー、スクリュー等と固
定部、例えば、軸受け、ロッド受け、スライダー受け、
スクリュー受け等との間隙部分に磁性流体が充填され、
この磁性流体は固定部分に取り付けられた磁石、一般的
には永久磁石、特殊な場合としては電磁石、の磁場に引
き寄せられて流動することなく一定の位置に保持され
る。
代表的な形式としては、図1の(a)に示す回転型、同
図の(b)に示すスライド型および同図の(c)に示す
回転スライド型などが挙げられる。可動部、例えば、回
転軸、ピストンロッド、スライダー、スクリュー等と固
定部、例えば、軸受け、ロッド受け、スライダー受け、
スクリュー受け等との間隙部分に磁性流体が充填され、
この磁性流体は固定部分に取り付けられた磁石、一般的
には永久磁石、特殊な場合としては電磁石、の磁場に引
き寄せられて流動することなく一定の位置に保持され
る。
【0012】電気粘性流体と磁性流体とは直接接触して
もよいが、これら2つの流体が混合しないように界面に
機械的補助シール部材を介在させることが望ましい。こ
のような補助シール部材としては、図2の(a)に示す
ような断面構造の、ゴム、プラスチック、金属等からで
きた仕切板やOリングが一般的に使用される。可能な限
り可動部の動きに対して抵抗がなく、かつ電気粘性流体
と磁性流体の混合を避けるためには、補助シール部材は
フレキシブルで柔らかいものの方がより好ましい。ま
た、補助シール部材が図2(b)に示すヘラのような断
面構造をとることも好ましい。
もよいが、これら2つの流体が混合しないように界面に
機械的補助シール部材を介在させることが望ましい。こ
のような補助シール部材としては、図2の(a)に示す
ような断面構造の、ゴム、プラスチック、金属等からで
きた仕切板やOリングが一般的に使用される。可能な限
り可動部の動きに対して抵抗がなく、かつ電気粘性流体
と磁性流体の混合を避けるためには、補助シール部材は
フレキシブルで柔らかいものの方がより好ましい。ま
た、補助シール部材が図2(b)に示すヘラのような断
面構造をとることも好ましい。
【0013】更に、可動部の運動にあまり抵抗を与えず
高いシール効果を得るためには、図3に断面構造を示す
ようにシール部分に多段の溝を設けて、それによりいわ
ゆるラビリンス効果をもたせることも可能であり、更に
好ましい。磁性流体を保持する永久磁石としては、アル
ニコ系、フェライト系、希土類コバルト系等の焼結磁石
あるいはボンド磁石などが挙げられる。
高いシール効果を得るためには、図3に断面構造を示す
ようにシール部分に多段の溝を設けて、それによりいわ
ゆるラビリンス効果をもたせることも可能であり、更に
好ましい。磁性流体を保持する永久磁石としては、アル
ニコ系、フェライト系、希土類コバルト系等の焼結磁石
あるいはボンド磁石などが挙げられる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の内容を実施例を用いて更に詳
細に説明する。 (実施例1)電気粘性流体として、Al2 O3 /SiO
2 =3/2の組成からなるNa塩型のゼオライト粒子
(平均粒径=6μm)をジメチルシリコーン(20cs
t)に30重量%の割合で分散させた流体を用い、磁性
流体としては、フェライトを界面活性剤を用いてアルキ
ルナフタレンに分散させた市販の磁性流体LS−20
(東北金属工業社製、商品名)を用いてシールした。図
1(a)は、電気粘性流体を用いたクラッチの回転型の
シールの例を示した模式断面図である。クラッチ板(図
示されず)に連結した回転軸1はベアリング軸受け7で
軸荷重を支えられており、電気粘性流体5を内蔵した容
器2の軸シール部分には磁性流体4が封入されている。
磁性流体4はシール外周部に取り付けられた永久磁石3
の磁場により吸い着けられて所定の位置に保持されてい
る。電気粘性流体5と磁性流体4の界面にはリング状の
ゴム製の補助シール部材6が設置されている。そのため
クラッチ板の高速回転や長期静止の状態に於いても、シ
ール部分からベアリング軸受け7への電気粘性流体5の
漏れや、磁性流体4との混合も殆ど生じない。
細に説明する。 (実施例1)電気粘性流体として、Al2 O3 /SiO
2 =3/2の組成からなるNa塩型のゼオライト粒子
(平均粒径=6μm)をジメチルシリコーン(20cs
t)に30重量%の割合で分散させた流体を用い、磁性
流体としては、フェライトを界面活性剤を用いてアルキ
ルナフタレンに分散させた市販の磁性流体LS−20
(東北金属工業社製、商品名)を用いてシールした。図
1(a)は、電気粘性流体を用いたクラッチの回転型の
シールの例を示した模式断面図である。クラッチ板(図
示されず)に連結した回転軸1はベアリング軸受け7で
軸荷重を支えられており、電気粘性流体5を内蔵した容
器2の軸シール部分には磁性流体4が封入されている。
磁性流体4はシール外周部に取り付けられた永久磁石3
の磁場により吸い着けられて所定の位置に保持されてい
る。電気粘性流体5と磁性流体4の界面にはリング状の
ゴム製の補助シール部材6が設置されている。そのため
クラッチ板の高速回転や長期静止の状態に於いても、シ
ール部分からベアリング軸受け7への電気粘性流体5の
漏れや、磁性流体4との混合も殆ど生じない。
【0015】(実施例2)実施例1と同様な電気粘性流
体及び磁性流体を用いた。図1(b)は、電気粘性流体
を用いたショックアブゾーバーのシリンダーロッドのス
ライド型のシールの例を示した模式断面図である。円筒
型バルブ(図示されず)に連結したピストンロッド8は
ロッド受け9で軸荷重を支えられている。電気粘性流体
5を内蔵した容器2のロッドシール部分は磁性流体4が
封入されている。磁性流体4はシール外周部に取り付け
られた永久磁石3の磁場により吸い着けられて保持され
ている。電気粘性流体5と磁性流体4の界面にはリング
状のゴム製の補助シール部材6が固定されている。その
結果、ピストンロッド8の繰り返しの往復運動に対して
も電気粘性流体は漏れ出ることもなく、また磁性流体4
との混合もなく長期間安定して使用することができる。
体及び磁性流体を用いた。図1(b)は、電気粘性流体
を用いたショックアブゾーバーのシリンダーロッドのス
ライド型のシールの例を示した模式断面図である。円筒
型バルブ(図示されず)に連結したピストンロッド8は
ロッド受け9で軸荷重を支えられている。電気粘性流体
5を内蔵した容器2のロッドシール部分は磁性流体4が
封入されている。磁性流体4はシール外周部に取り付け
られた永久磁石3の磁場により吸い着けられて保持され
ている。電気粘性流体5と磁性流体4の界面にはリング
状のゴム製の補助シール部材6が固定されている。その
結果、ピストンロッド8の繰り返しの往復運動に対して
も電気粘性流体は漏れ出ることもなく、また磁性流体4
との混合もなく長期間安定して使用することができる。
【0016】(実施例3)実施例1と同様な電気粘性流
体及び磁性流体を用いた。図1(c)は、電気粘性流体
をダンパーに用いたスクリュー駆動型の工作テーブルの
回転スライド型のシールの例を示した模式断面図であ
る。モーター(図示されず)に連結したスクリュー軸1
0はスクリュー軸受け11で出力軸が支えられており、
電気粘性流体5を内蔵したダンパー容器2の軸シール部
分は磁性流体4が封入されている。磁性流体4はシール
外周部に取り付けられた永久磁石3の磁場により吸い着
けられて所定の位置に保持されている。電気粘性流体5
と磁性流体4の界面にはスクリュー軸受けを兼ねたプラ
スチック製の補助シール部材6が設置されている。その
ためスクリュー11の回転移動や長期静止の状態に於い
ても、シール部分からスクリュー軸受け11への電気粘
性流体5の漏れや、磁性流体4との混合も殆ど生じな
い。
体及び磁性流体を用いた。図1(c)は、電気粘性流体
をダンパーに用いたスクリュー駆動型の工作テーブルの
回転スライド型のシールの例を示した模式断面図であ
る。モーター(図示されず)に連結したスクリュー軸1
0はスクリュー軸受け11で出力軸が支えられており、
電気粘性流体5を内蔵したダンパー容器2の軸シール部
分は磁性流体4が封入されている。磁性流体4はシール
外周部に取り付けられた永久磁石3の磁場により吸い着
けられて所定の位置に保持されている。電気粘性流体5
と磁性流体4の界面にはスクリュー軸受けを兼ねたプラ
スチック製の補助シール部材6が設置されている。その
ためスクリュー11の回転移動や長期静止の状態に於い
ても、シール部分からスクリュー軸受け11への電気粘
性流体5の漏れや、磁性流体4との混合も殆ど生じな
い。
【0017】(実施例4)実施例1と同様な電気粘性流
体及び磁性流体を用いた。図3は、ラビリンス効果によ
りシール性の向上を計った例を示した模式断面図であ
る。永久磁石3を取り付けた固定部15の磁性流体4に
接する面には半円形の断面を持つ溝14が多段に設けら
れている。可動部16が移動する際、可動部16の表面
に接する磁性流体4は可動部の動きにに引き連れられて
移動する。通常その量は可動部の移動速度に比例する
が、溝14が設けられていると溝部分で流体の圧縮と膨
張が起こり圧損が生じる。その圧損の大きさは速度に比
例するため、結果的には速度が高くなっても可動部に引
き連れられて移動する流体は少なくなる。これはラビリ
ンス効果と呼ばれているが、シール部の間隙、即ち磁性
流体4の厚み、は通常数mm以下と極めて狭いため、数
段の溝でも十分大きな効果が発現し、シール性に大きな
向上が見られる。
体及び磁性流体を用いた。図3は、ラビリンス効果によ
りシール性の向上を計った例を示した模式断面図であ
る。永久磁石3を取り付けた固定部15の磁性流体4に
接する面には半円形の断面を持つ溝14が多段に設けら
れている。可動部16が移動する際、可動部16の表面
に接する磁性流体4は可動部の動きにに引き連れられて
移動する。通常その量は可動部の移動速度に比例する
が、溝14が設けられていると溝部分で流体の圧縮と膨
張が起こり圧損が生じる。その圧損の大きさは速度に比
例するため、結果的には速度が高くなっても可動部に引
き連れられて移動する流体は少なくなる。これはラビリ
ンス効果と呼ばれているが、シール部の間隙、即ち磁性
流体4の厚み、は通常数mm以下と極めて狭いため、数
段の溝でも十分大きな効果が発現し、シール性に大きな
向上が見られる。
【0018】
【発明の効果】電気粘性流体を用いた装置は流体のシー
ル性が実用上の大きな問題となっており、本発明は磁性
流体と磁石を組み合わせたシールを電気粘性流体のシー
ルに用いることにより、この電気粘性流体が有する問題
点を解決するものである。特にこれら流体間に機械的補
助シール部材を適用し、あるいはシール部分にラビリン
ス効果を発現する溝を設置することにより、一層のシー
ル効果の向上が計れる。本発明のシール方法は、電気粘
性流体を用いた振動吸収、トルク伝達、位置速度制御、
保持具、等の装置の実用化に極めて有用な手段を提供す
るものである。
ル性が実用上の大きな問題となっており、本発明は磁性
流体と磁石を組み合わせたシールを電気粘性流体のシー
ルに用いることにより、この電気粘性流体が有する問題
点を解決するものである。特にこれら流体間に機械的補
助シール部材を適用し、あるいはシール部分にラビリン
ス効果を発現する溝を設置することにより、一層のシー
ル効果の向上が計れる。本発明のシール方法は、電気粘
性流体を用いた振動吸収、トルク伝達、位置速度制御、
保持具、等の装置の実用化に極めて有用な手段を提供す
るものである。
【図1】(a)は回転型、(b)はスライド型、また
(c)は回転スライド型のシール方法を示した模式断面
図である。
(c)は回転スライド型のシール方法を示した模式断面
図である。
【図2】電気粘性流体と磁性流体の界面に設置する機械
的補助シール部材を示し、(a)はOリングが、(b)
はヘラ型の仕切材を設けた場合を示す。
的補助シール部材を示し、(a)はOリングが、(b)
はヘラ型の仕切材を設けた場合を示す。
【図3】シール部分に多段の溝を付けて、ラビリンス効
果によりシール性の向上を計った例を示した模式断面図
である。
果によりシール性の向上を計った例を示した模式断面図
である。
1 可動部(回転軸) 2 容器 3 永久磁石 4 磁性流体 5 電気粘性流体 6 補助シール部材 7 ベアリング軸受 8 可動部(スライド軸) 9 ロッド軸受 10 可動部(スクリュー) 11 スクリュー軸受 12 Oリング 13 ヘラ構造のシール部材 14 溝 15 固定部 16 可動部
Claims (5)
- 【請求項1】 磁性流体と磁石を組み合わせたシールを
用いることを特徴とする電気粘性流体のシール方法。 - 【請求項2】 磁性流体と電気粘性流体の界面に機械的
補助シール部材を適用する請求項1記載の電気粘性流体
のシール方法。 - 【請求項3】 磁性流体のシール効果を永久磁石で発現
させる請求項1記載の電気粘性流体のシール方法。 - 【請求項4】 互いに相溶しない分散媒体を用いた磁性
流体と電気粘性流体とを使用する請求項1記載の電気粘
性流体のシール方法。 - 【請求項5】 シール部分にラビリンス効果を発現させ
る溝を設けた請求項1記載の電気粘性流体のシール方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8079406A JPH09242882A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 電気粘性流体のシール方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8079406A JPH09242882A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 電気粘性流体のシール方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09242882A true JPH09242882A (ja) | 1997-09-16 |
Family
ID=13688984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8079406A Withdrawn JPH09242882A (ja) | 1996-03-08 | 1996-03-08 | 電気粘性流体のシール方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09242882A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010121614A (ja) * | 2008-10-22 | 2010-06-03 | Denso Corp | バルブタイミング調整装置 |
US8245679B2 (en) | 2008-10-22 | 2012-08-21 | Denso Corporation | Variable valve timing apparatus |
JP2013083244A (ja) * | 2011-09-28 | 2013-05-09 | Denso Corp | 流体ブレーキ装置及びバルブタイミング調整装置 |
JP2015152096A (ja) * | 2014-02-14 | 2015-08-24 | ミネベア株式会社 | ピボットアッシー用軸受装置およびこれを用いた磁気ヘッド駆動装置 |
CN105508619A (zh) * | 2016-02-04 | 2016-04-20 | 苏州市职业大学 | 膜带料连续化等离子改性装置的进出口密封结构 |
-
1996
- 1996-03-08 JP JP8079406A patent/JPH09242882A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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