JPH09242656A - 燃焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置 - Google Patents

燃焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置

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JPH09242656A
JPH09242656A JP7944896A JP7944896A JPH09242656A JP H09242656 A JPH09242656 A JP H09242656A JP 7944896 A JP7944896 A JP 7944896A JP 7944896 A JP7944896 A JP 7944896A JP H09242656 A JPH09242656 A JP H09242656A
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JP
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spark plug
voltage
primary winding
combustion
battery
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JP7944896A
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Inventor
Hiroshi Inagaki
浩 稲垣
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディストリビュータレス・イグナイタ式点火
装置付き内燃機関において全ての気筒の失火を適正に検
出し得る燃焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置
を提供する。 【解決手段】 ECU10が、燃焼行程の気筒に装着さ
れた側のスパークプラグ32、34へ正電荷を印加する
ように、一対のトランジスタTR1、TR2の一方をオ
ン・オフしてイグニッションコイルTに流れる一次巻線
T1のバッテリ電流を断続する。燃焼行程のスパークプ
ラグ32に花火放電を発生せしめる際に、ハイテンショ
ンコード42へ正電荷が印加される。ここで、シリンダ
内で正常に燃焼が行われた場合に、燃焼時に発生された
イオンによりスパークプラグ32の中心電極32aと外
側電極32bとの間に電流が流れるため、ハイテンショ
ンコード42へ印加された正電荷は、速やかに減衰して
いく。失火検出回路40が、この正電位値の減衰特性に
基づきシリンダ内で正常に燃焼が行われたことを検出す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の各気筒
の燃焼状態を検出する燃焼状態検出装置を備えたディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置に関するもので
ある。
【0002】現在、多気筒の自動車用のエンジンを廉価
に製造することが求められ、図8に示すような両極性デ
ィストリビュータレスイグニッションシステムが採用さ
れるようになっている。この両極性ディストリビュータ
レスイグニッションシステム(以下両爆システムと呼称
する)は、ディストリビュータを用いることなく、一つ
のトランジスタTRとイグニッションコイルTとで、中
心電極132a側をイグニッションコイルTの二次巻線
T2の正極側に接続し、外側電極132b側を接地した
正極スパークプラグ132と、中心電極134a側を二
次巻線T2の負極側に接続し、外側電極134b側を接
地した負極スパークプラグ134とに火花放電を起こさ
せ2つの気筒を着火せしめている。この両爆システム
は、機械的な回転部分であるディストリビュータを用い
ないため、ディストリビュータタイプのイグニッション
システムと比較して信頼性が高く、また、それぞれの気
筒にトランジスタとイグニッションコイルとを備える単
極性ディストリビュータレスイグニッションシステムと
比較して廉価である利点がある。
【0003】ここで、自動車エンジンの排気ガスの浄化
及び燃費向上の要求から、内燃機関の各気筒毎に着火状
態を検知し全気筒の失火防止できる装置が要請されてい
る。この種の従来技術の装置について図9を参照して説
明する。イグニッションコイルTに発生された高電圧
は、ディストリビュータ118により振り分けられ、ハ
イテンションコード142を介してスパークプラグ3
2、33、34、35に印加され火花放電を発生せし
め、シリンダ(図示せず)内の混合気の燃焼を起こさせ
ると共に、ハイテンションコード142とアースの間の
浮遊容量電荷を蓄積させる。ここで、混合気が燃焼しイ
オンが発生すると、スパークプラグの電極間に電流が流
れ、ハイテンションコード142とアースの間の浮遊容
量に蓄積された電荷が放電する。この電荷の放電をセン
サ122を介して失火検出装置140が検出すると、当
該シリンダ内で燃焼が発生したと判断する。他方、シリ
ンダ内で燃焼が発生しないときには、イオンが生じない
ために、スパークプラグの電極間に電流が流れず、ハイ
テンションコード142とアースの間の浮遊容量に蓄積
された電荷は放電しない。これを失火検出装置140が
検出すると、当該シリンダ内で燃焼が発生しなかったと
判断する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図8に示す両爆システムへ図9に示す検出装置を適用
したところ失火を適切に検出することが困難であること
が判明した。即ち、図9に示す失火検出装置では、ディ
ストリビュータ118により電流を分配することによ
り、スパークプラグ32〜35に正電位を印加し、点火
した際に発生するイオンにより電荷を放電させ減衰波形
を得ていた。ここでは、失火した場合と点火した場合と
の減衰波形の差が大きいため、失火か燃焼かを識別でき
る。しかし、両爆システムの図8に示す正極スパークプ
ラグ132と負極スパークプラグ134とに上記の失火
検出方法を適用したところ、正電位を印加する正極スパ
ークプラグ132側では、燃焼時に減衰波形を得ること
ができたが、負電位を印加する負極スパークプラグ13
4側では、燃焼が発生しても緩やかな減衰波形となり、
失火した際の減衰波形との差があまりないため、失火か
否かの判断が困難であった。なお、スパークプラグに正
電位を印加した場合の減衰波形と負電位を印加した際の
減衰波形とが異なるのは、スパークプラグに正電位が印
加された場合には、中心電極にはイオン中の電子が流入
して放電が発生するのに対して、スパークプラグに負電
位が印加された場合には、中心電極には電子よりも重い
プラスイオンが電荷を交換して、放電が発生し、このプ
ラスイオンは上記電子と比較して移動速度が遅いためと
考えられる。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、ディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置付き内燃機関の
ハイテンションコードにおける二次電圧の減衰特性を検
出する燃焼状態検出装置が全ての気筒の失火を適正に検
出し得るように構成されたディストリビュータレスイグ
ナイタ式点火装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の燃焼状態検出装置を備えた内燃機関の点
火装置では、一次巻線と二次巻線とを有するイグニッシ
ョンコイルと、該一次巻線にバッテリからの電流を断続
して流す一次電流断続手段と、前記二次巻線の両端子の
各々にハイテンションコードを介して接続された一対の
スパークプラグと、を備えたディストリビュータレスイ
グナイタ式点火装置であって、前記スパークプラグに印
加される二次電圧の減衰特性を検出する二次電圧検出回
路を有する燃焼状態検出装置を備え、且つ、前記一次電
流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された側のスパー
クプラグへ正電圧を印加するように、通電方向を反転し
ながら前記一次巻線にバッテリからの電流を断続して流
すことを技術的特徴とする。
【0007】また、請求項2の燃焼状態検出装置を備え
た内燃機関の点火装置では、一次巻線と二次巻線とを有
するイグニッションコイルと、前記一次巻線の中点に接
続されたバッテリと、前記一次巻線の両端の端子のそれ
ぞれに接続された一対のスイッチング素子と、前記スイ
ッチング素子を制御して該一次巻線にバッテリ電流を断
続して流す一次電流断続手段と、前記二次巻線の両端子
の各々にハイテンションコードを介して接続された一対
のスパークプラグと、を備えた、ディストリビュータレ
スイグナイタ式点火装置であって、前記スパークプラグ
に印加される二次電圧の減衰特性を検出する二次電圧検
出回路を有する燃焼状態検出装置を備え、且つ、前記一
次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された側のス
パークプラグへ正電圧を印加するように、前記一対のス
イッチング素子の一方をオン又はオフして前記一次巻線
に、バッテリからの電流を断続して流すことを技術的特
徴とする。
【0008】また、請求項3の燃焼状態検出装置を備え
た内燃機関の点火装置では、請求項2において、前記イ
グニッションコイルの二次巻線の両端子に、アノード側
の接地された一対のダイオードのカソードを接続したこ
とを技術的特徴とする。
【0009】また、請求項4の燃焼状態検出装置を備え
た内燃機関の点火装置では、一次巻線と二次巻線とを有
するイグニッションコイルと、前記一次巻線の中点に接
続されたバッテリと、前記一次巻線の両端の端子のそれ
ぞれに接続された一対のスイッチング素子と、前記スイ
ッチング素子を制御して該一次巻線にバッテリからの電
流を断続して流す一次電流断続手段と、前記二次巻線の
両端子の各々にハイテンションコードを介して接続され
た一対のスパークプラグと、を備えたディストリビュー
タレスイグナイタ式点火装置であって、前記スパークプ
ラグに印加される二次電圧の減衰特性を検出する二次電
圧検出回路を有する燃焼状態検出装置を備え、且つ、前
記二次巻線の前記両端子と前記ハイテンションコードと
の間に、アノードを該二次巻線側へ接続し、カソードを
該スパークプラグ側へ接続するように一対のダイオード
を介挿し、前記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に
装着された側のスパークプラグへ正電圧を印加して放電
を生ぜしめた後に、燃焼状態検出用の正電圧をスパーク
プラグへ再度印加するように、前記一対のスイッチング
素子の一方をオン又はオフして前記一次巻線に、バッテ
リからの電流を断続して流すことを技術的特徴とする。
【0010】また、請求項5の燃焼状態検出装置を備え
た内燃機関の点火装置では、一次巻線と二次巻線とを有
するイグニッションコイルと、バッテリと、前記バッテ
リの少なくとも一方の端子と前記一次巻線の両端子との
間に接続された一対のスイッチング回路と、前記スイッ
チング回路を制御して該一次巻線にバッテリからの電流
を断続して流す一次電流断続手段と、前記二次巻線の両
端子の各々にハイテンションコードを介して接続された
一対のスパークプラグと、を備えた、ディストリビュー
タレスイグナイタ式点火装置であって、前記スパークプ
ラグに印加される二次電圧の減衰特性を検出する二次電
圧検出回路を有する燃焼状態検出装置を備え、且つ、前
記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された側
のスパークプラグへ正電圧を印加するように、前記一対
のスイッチング回路をオン又はオフして通電方向を切り
換えながら前記一次巻線にバッテリからの電流を断続し
て流すことを技術的特徴とする。
【0011】
【作用】
〔請求項1について〕上記のように構成された燃焼状態
検出装置を備えた内燃機関の点火装置では、一次電流断
続手段が、イグニッションコイルへの電流を断続すると
二次側に高電圧が発生する。この際に、燃焼行程の気筒
へ装着された側のスパークプラグへ正電圧を印加するよ
うに、通電方向を反転しながら一次電流を断続し、燃焼
行程のスパークプラグに火花放電を発生せしめる時に、
該スパークプラグに接続された側のハイテンションコー
ドとアースの間の浮遊容量に電荷を蓄積する。ここで、
シリンダ内で正常に燃焼が行われた場合に、燃焼時に発
生したイオンによりスパークプラグの中心電極と外側電
極との間に電流が流れるため、ハイテンションコードと
アースの間の浮遊容量に蓄積された電荷は速やかに放電
していく。二次電圧検出回路が、このときのハイテンシ
ョンコードの電圧の減衰特性によりシリンダ内で正常に
燃焼が行われたことを検出する。
【0012】他方、シリンダ内で正常に燃焼が行われな
い場合にはイオンが発生せず、スパークプラグの中心電
極と外側電極との間にイオンによる電流が流れないた
め、ハイテンションコードとアースの間の浮遊容量に蓄
積された電荷は、放電せずハイテンションコードの電圧
は、ほぼ一定の電位を保つ。このハイテンションコード
の電圧の減衰特性、即ち、減衰が緩やかであることに基
づいて、二次電圧検出回路が、シリンダ内で正常に燃焼
が行われなかったことを検出する。ここで、二次電圧検
出回路は、正電位値の減衰特性に基づき検出を行うた
め、燃焼の有無を正確に判別することができる。
【0013】〔請求項2について〕また、請求項2の燃
焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置において
は、一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
側のスパークプラグへ正電圧を印加するように、一対の
スイッチング素子の一方をオン又はオフして一次巻線に
流れるバッテリからの電流を断続する。この燃焼行程の
スパークプラグに火花放電を発生せしめる際に、該スパ
ークプラグに接続された側のハイテンションコードとア
ースの間の浮遊容量に電荷が蓄積される。ここで、シリ
ンダ内で正常に燃焼が行われた場合に、燃焼時に発生さ
れたイオンによりスパークプラグの中心電極と外側電極
との間に電流が流れるため、ハイテンションコードとア
ースの間の浮遊容量に蓄積された電荷は、速やかに放電
する。二次電圧検出回路が、このときのハイテンション
コードの電圧の減衰特性によりシリンダ内で正常に燃焼
が行われたことを検出する。
【0014】他方、シリンダ内で正常に燃焼が行われな
い場合にはイオンが発生せず、スパークプラグの中心電
極と外側電極との間に電流が流れないため、ハイテンシ
ョンコードとアースの間の浮遊容量に蓄積された電荷
は、放電せずハイテンションコードの電圧はほぼ一定の
電位値を保つ。このハイテンションコードの電圧の減衰
特性、即ち、減衰が緩やかであることに基づいて、二次
電圧検出回路が、シリンダ内で正常に燃焼が行われなか
ったことを検出する。ここで、二次電圧検出回路は、常
に、正電位値の減衰特性に基づき検出を行うため、燃焼
の有無を正確に判別することができる。
【0015】〔請求項3について〕また、請求項3の燃
焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置では、イグ
ニッションコイルの二次巻線の端子にアノード側の接地
したダイオードを接続し、二次巻線の端子に発生する正
電圧と負電圧の内の負電圧を、ダイオードによって打ち
消す。このため、二次巻線の端子に発生する負電圧によ
り、負電圧の印加されるスパークプラグ側のハイテンシ
ョンードとアースの間の浮遊容量に蓄積された電荷と、
正電圧の印加されるスパークプラグ側のハイテンション
コードとアースの間の浮遊容量に蓄積された電荷とが打
ち消し合うことがない。ここで、シリンダ内で正常に燃
焼が行われない場合には、イオンが発生しないため、ハ
イテンションコードの電圧は、ほぼ一定の電位値を保つ
ことになる。このハイテンションコードの電圧の減衰特
性、即ち、減衰が緩やかであることに基づいて、二次電
圧検出回路が、シリンダ内で正常に燃焼が行われなかっ
たことを正確に検出することができる。
【0016】〔請求項4について〕また、請求項4の燃
焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置では、一次
電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された側のスパ
ークプラグへ正電圧を印加してスパーク放電を生ぜしめ
た後に、燃焼状態検出用の正電圧を当該スパークプラグ
の接続された側のハイテンションコードへ印加するよう
に、一対のスイッチング素子の一方をオン又はオフして
一次巻線にバッテリからの電流を断続して流す。ここ
で、燃焼状態検出用にハイテンションコードとアースの
間の浮遊容量に蓄積された電荷は、シリンダ内で正常に
燃焼が行われた場合に、燃焼時に発生されたイオンによ
りスパークプラグの中心電極と外側電極との間に電流が
流れることにより放電していく。二次電圧検出回路が、
このときのハイテンションコードの電圧の減衰特性によ
りシリンダ内で正常に燃焼が行われたことを検出する。
【0017】他方、シリンダ内で正常に燃焼が行われな
い場合にはイオンが発生せず、スパークプラグの中心電
極と外側電極との間に電流が流れず、また、二次巻線の
両端子とハイテンションコードとの間に介挿されたダイ
オードにより、ハイテンションコードとアースの間の浮
遊容量に蓄積された電荷は、イグニッションコイル側へ
還流しないため、電圧はほぼ一定の電位値を保つ。ハイ
テンションコードの電圧の減衰特性、即ち、減衰が緩や
かであることに基づいて、二次電圧検出回路が、シリン
ダ内で正常に燃焼が行われなかったことを検出する。こ
こで、二次電圧検出回路は、常に、正電位値の減衰特性
に基づき検出を行うため、燃焼の有無を正確に判別する
ことができる。
【0018】〔請求項5について〕また、請求項5の燃
焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装置において
は、一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
側のスパークプラグへ正電圧を印加するように、一対の
スイッチング回路をオン又はオフして一次巻線のバッテ
リ電流を切り換えながら断続する。この燃焼行程のスパ
ークプラグに火花放電を発生せしめる際に、当該スパー
クプラグに接続された側のハイテンションコードとアー
スの間の浮遊容量に電荷が蓄積される。ここで、シリン
ダ内で正常に燃焼が行われた場合に、燃焼時に発生され
たイオンによりスパークプラグの中心電極と外側電極と
の間に電流が流れるため、ハイテンションコードとアー
スの間の浮遊容量に蓄積された電荷は、速やかに放電し
ていく。二次電圧検出回路が、このときのハイテンショ
ンコードの電圧の減衰特性によりシリンダ内で正常に燃
焼が行われたことを検出する。
【0019】他方、シリンダ内で正常に燃焼が行われな
い場合にはイオンが発生せず、スパークプラグの中心電
極と外側電極との間に電流が流れないため、ハイテンシ
ョンコードの電圧は、ほぼ一定の電位値を保つ。この電
圧の減衰特性、即ち、減衰が緩やかであることに基づい
て、二次電圧検出回路が、シリンダ内で正常に燃焼が行
われなかったことを検出する。ここで、二次電圧検出回
路は、正電位値の減衰特性に基づき検出を行うため、燃
焼の有無を正確に判別することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施態
様を図を参照して説明する。図1は、本発明の第1実施
態様に係る内燃機関の点火装置の構成を示している。該
点火装置は、1つのイグニッションコイルTにより、第
1スパークプラグ32と第2スパークプラグ34との2
つのスパークプラグを火花放電させる両爆システムに用
いられる。この点火装置は、8気筒の内燃機関に用いら
れており、図示しない3つの点火装置が更に備えられて
いる。このイグニッションコイルTは、薄い珪素鋼板を
積層した鉄心に一次巻線T1(巻き数数百回)と二次巻
線T2(巻き数数万回)とを巻回して、樹脂(エポキシ
等)封止したケースに収容したものであり、一次巻線T
1の第1端子Ta側はトランジスタTR1のコレクタ側
と接続され、第二端子Tb側はトランジスタTR2のコ
レクタ側と接続されている。また、一次巻線T1の中点
端子Tcは、バッテリ12の正極端子と接続されてい
る。
【0021】このトランジスタTR1、TR2は一般に
イグナイタと呼ばれるもので、このエミッタは接地さ
れ、ベースにはECU(エンジン制御ユニット)10か
らの信号が加えられるようになっている。このECU1
0は、エンジンの回転速度、水温、カムポジションセン
サ等からの各信号に基づいて最適点火時期を決定し、そ
の最適点火時期に火花点火が行われるようにトランジス
タTR1、TR2に対してパルス信号を送出する。
【0022】また、イグニッションコイルTの二次巻線
T2の第1端子Ta’は、ハイテンションコード42を
介して第1スパークプラグ32の中心電極32aと接続
されている。この第1スパークプラグ32の外側電極3
2bは図示しないシリンダを介してアース側に接続され
ている。他方、二次巻線T2の第2端子Tb’は、ハイ
テンションコード44を介して第2スパークプラグ34
の中心電極34aと接続されている。該第2スパークプ
ラグ34は、上記第1スパークプラグ32の装填された
シリンダと360°位相の異なるシリンダに装着されて
おり、外側電極34bは、該シリンダを介してアース側
に接続されている。なお、この第1スパークプラグ32
と第2スパークプラグ34とは同一形式のものが用いら
れている。
【0023】上記ハイテンションコード42、44は、
第1、第2スパークプラグ32、34の中心電極32
a、34aを介してアースから絶縁され、一定の浮遊容
量を有している。このハイテンションコード42、44
には、ハイテンションコードの対アース電位を検出する
ための100pf程度の結合容量を持つ静電誘導式セン
サ22、24が取り付けられている。このセンサ22、
24は、それぞれ10000pf程度の大容量のコンデ
ンサCが直列に接続されている。該センサ22、24と
コンデンサCとの間は、抵抗器Rを介して接地されると
共に失火検出回路40の入力端子40a、40a2と接
続されている。失火検出回路40は、入力端子40a、
40a2から入力した信号に基づき、シリンダ内で失火
が発生したか否かを判断するようになっている。
【0024】次に、この点火装置の動作について図2の
波形図を参照して説明する。図2のはECU10の出
力端子10aからトランジスタTR1に加えられる波形
を、はECU10の出力端子10bからトランジスタ
TR2に加えられる波形を、はECU10の出力端子
10cから失火検出回路40の入力端子40bへ加えら
れる波形を、はセンサ22にて検出される第1スパー
クプラグ32に接続されたハイテンションコード42の
電位を、はセンサ24にて検出される第2スパークプ
ラグ34に接続されたハイテンションコード44の電位
を、は失火検出回路40の出力端子40cの波形を示
している。
【0025】ECU10が、第1スパークプラグ32側
のシリンダの圧縮サイクルにおける所定のタイミング
で、出力端子10aから図2に示すようにパルス信号
aを出力する。これよりトランジスタTR1がターンオ
ンした後に、ターンオフする際(パルス信号aの立ち下
がり)にイグニッションコイルTの一次巻線T1に流れ
る数Aの電流を遮断し、イグニッションコイルの二次巻
線T2の第1端子Ta’に正極性の高電圧を発生させ、
この高電圧が、絶縁破壊を発生せしめる数10KV程度
まで昇圧(図2のピーク電圧p)して第1スパークプ
ラグ32に火花放電をせしめ、該シリンダ内で圧縮され
た混合気を燃焼させると共に、排気行程にある第2スパ
ークプラグ34には負電位を印加して火花放電をせしめ
る。そして、アーク放電による1KV程度の低電圧がし
ばらく続く(図中にqで示す)。このアーク放電の終了
後、スパークプラグの電圧はイグニッションコイルTと
スパークプラグでの放電との相互作用によると考えられ
る所謂“おつり電圧”rが発生する。この時、当該高電
圧の継続時間とハイテンションコード42とアースの間
の浮遊容量に応じた電荷が該ハイテンションコード42
に蓄積される。その後、第1スパークプラグ32及び第
2スパークプラグ34に蓄積され電荷は、イグニッショ
ンコイルTの二次巻線T2のプラス側とマイナス側とで
再結合する。しかし、燃焼行程側のおつり電圧は、排気
行程側のおつり電圧よりも高くなっているため、それぞ
れは完全に打ち消し合わずに、僅かに燃焼行程側に蓄積
された正極性の電荷が二次電圧系の配線(主としてハイ
テンションコード42)に残る。このおつり電圧により
形成される速やかな減衰電圧s1を図中に示す。
【0026】引き続き、ECU10が、第2スパークプ
ラグ34側のシリンダ圧縮サイクルにおける所定のタイ
ミングで、出力端子10bからに示すようにパルス信
号bを出力する。これよりトランジスタTR2がターン
オフする際に、イグニッションコイルTの一次巻線T1
に流れる数Aの電流を遮断し、イグニッションコイルの
二次巻線T2の第2端子Tb’に正極性の高電圧を発生
させ、この高電圧が、絶縁破壊を発生せしめる数10K
V程度まで昇圧(図2のピーク電圧p)して第2スパ
ークプラグ34に火花放電をせしめ、該シリンダ内で圧
縮された混合気を燃焼させると共に、排気サイクルにあ
る第1スパークプラグ32には負電位を印加して火花放
電をせしめる。そして、アーク放電による1KV程度の
低電圧がしばらく続く(図中にqで示す)。このアーク
放電の終了後、おつり電圧rが発生して一旦上昇する。
この時、当該高電圧の継続時間とハイテンションコード
44の容量に応じた電荷が該ハイテンションコード42
とアース間の浮遊容量に蓄積される。この時、ハイテン
ションコード44とアースの間の浮遊容量に蓄えられた
電荷は、第2スパークプラグ34に供給される。このお
つり電圧により形成される緩やかな減衰電圧s2を図中
に示す。
【0027】ここで、上述した第1スパークプラグ32
に電荷を印加した際のに示す速やかな減衰電圧s1
は、当該第1スパークプラグ32側のシリンダで燃焼が
あった場合を示している。即ち、シリンダ内で燃焼があ
りイオンが発生すると、ハイテンションコード42とア
ースの間の浮遊容量に蓄積された電荷が該イオン中に放
電され、ハイテンションコードの電圧は急速に減衰して
いく。ここで、このハイテンションコード42の電荷
は、第2スパークプラグ34にも供給されるが、該第2
スパークプラグ34側のシリンダは排気サイクルにあ
り、イオンが存在していないため電荷の放電は発生せ
ず、この第2スパークプラグ34側は、ハイテンション
コード42とアースの間の浮遊容量に蓄えられた電荷の
変化に影響を与えない。
【0028】このセンサ22、24での電位は、該セン
サ22、24の100倍の静電容量である10000p
fを有するコンデンサCで1/100に分圧される。こ
の分圧された電位が二次電圧検出回路40に加えられ
る。
【0029】ここで、第2スパークプラグ34の電位を
示すの緩やかな減衰電圧s2は失火時の減衰波形を示
している。ここでは、第2スパークプラグ34側で燃焼
によりイオンが発生していないので、放電による減衰が
生じていない。なお、上述したのと同様に第1スパーク
プラグ32側のシリンダは排気サイクルにあり、イオン
が存在していないため電荷の放電は発生せず、この第1
スパークプラグ32側は、何ら第2スパークプラグ34
側の電荷に影響を与えるものではない。
【0030】なお、第2スパークプラグ34側で燃焼に
よりイオンが発生せず放電がない状態で、図中に示すよ
うに緩やかな減衰電圧s2が現れるのは、コンデンサC
と並列に1MΩ程度の抵抗器Rが接続されているためで
ある。ここで、抵抗器RをコンデンサCと並列に接続し
た理由は、第1には二次電圧検出回路40の入力段に設
けられているオペアンプ(図示せず)へ入力バイアス電
流を供給するためである。即ち、通常オペアンプは、入
力に数10nA程度の電流の出入りがあるので、その電
流がコンデンサに流入出しないように別に電流の経路を
設ける必要があるからである。また、第2の理由は、セ
ンサ22、24、コンデンサCに蓄えられた電荷を逃が
すためである。即ち、完全なコンデンサの直列回路は、
その接続点に蓄えられた電圧は直流的に不安定であり、
何らかの原因で異常電荷が蓄積された場合(例えば静電
気など)に接続点の電圧が長時間に渡って高い電圧に維
持されることとなり、減衰波形の検出に影響を与える可
能性があるからである。なお、この抵抗器Rは、センサ
22、24及びコンデンサCと組み合わされ時定数10
ms程度のハイパスフィルタを構成する。
【0031】この失火検出回路40は、特開平6−13
7250号に記載された二次電圧検出回路の様な公知の
回路であり、減衰電圧s1又はs2を処理してロウレベ
ルd又はeを出力する(図中参照)。即ち、ECU1
0は、第1スパークプラグ32にて放電を生ぜしめるた
めに出力端子10aからパルスa送出する際、及び、第
2スパークプラグ34にて放電を生ぜしめるために出力
端子10bからパルスb送出する際に、出力端子10c
からパルスcを二次電圧検出回路40側へ送出する(図
2参照)。二次電圧検出回路40は、このパルスcを
受信し、それをタイミング信号として用いて、減衰電圧
S1又はS2を演算処理して、パルス出力d又はeを出
力する。この出力端子40cからのロウレベルの信号
を、ECU10が各気筒に装填されたスパークプラグの
失火のデータとして読み込む。
【0032】上述したように本発明の第1実施態様にお
いては、燃焼行程にある気筒のスパークプラグに対して
正電極の電圧を印加し、該正電位値の減衰特性に基づき
二次電圧検出回路40が検出を行うため、燃焼の有無を
正確に判別することができる。
【0033】引き続き、本発明の第2実施態様につい
て、図3及び図4を参照して説明する。上述した第1実
施態様においては、所謂“おつり”電圧を用いて、放電
終了後のスパークプラグに電圧を印加し、失火の有無を
検出した。このおつり電圧を用いる方式は、構造が簡素
で廉価である反面、おつり電圧が比較的ばらつきが大き
いため、失火を非常に高い精度で検出することは困難で
ある。このため、第2実施態様においては、スパークプ
ラグへの点火用の電圧とは別に、燃焼検出用の電圧を印
加するいわゆるセカンドチャージ方式を採用する。
【0034】図3は、第2実施態様に係る内燃機関のデ
ィストリビュータレスイグナイタ式点火装置の構成を示
している。図1を参照して上述した第1実施態様の構成
とは、イグニッションコイルTの二次巻線T2とハイテ
ンションコード42、44との間に第1ダイオードD
1、第2ダイオードD2が介挿されている点を除き、ほ
ぼ同様に構成されている。ここで、第1、第2ダイオー
ドD1、D2は共に、二次巻線T2の第1端子Ta’と
第2端子Tb’側にアノードが、また、ハイテンション
コード42、44側にカソードが接続されている。
【0035】この第2実施態様においては、上述したよ
うにスパークプラグに点火用の電圧を印加した後に、燃
焼検出用の電圧を印加する。例えば、第1スパークプラ
グ32へ数十KVの正電圧を印加し放電を発生せしめた
後に、数KVの燃焼検出用の正電圧を印加する。ここ
で、第1、第2ダイオードD1、D2としては、逆方向
の耐電圧が数百V以上で、数KV以下であって、また、
火花電流が流れる際に電流×逆方向の耐電圧の電力が熱
エネルギとして消費されるため、最大定格電力が数W程
度のものを選んで取り付けてある。このため、上記第1
スパークプラグ32にて放電を発生させるためイグニッ
ションコイルTの二次巻線の第1端子Ta’に発生した
正極性の高電圧は、順方向に接続された第1ダイオード
を介して、第1スパークプラグ32へ数十KVの正電位
として印加されて放電を発生せしめる。また、この際に
発生した二次巻線の第2端子Tb’に発生した負極性の
高電圧により、逆方向に接続されているダイオードD2
の逆阻止耐圧を越えて電流が流れ、第2スパークプラグ
34に負電圧として印加されて放電を発生せしめる。
【0036】点火用の電圧に続き、燃焼検出のために二
次巻線T2の第1端子Ta’にて発生された数KVの正
極性の高電圧が、第1スパークプラグ32のハイテンシ
ョンコード42に印加される。この際に第2端子Tb’
に発生した負極性の電圧が、逆方向に接続されているダ
イオードD2の逆阻止耐圧を越えてた際には、該ダイオ
ードD2を介して電流が流れ、ハイテンションコード4
4とアースの間の浮遊容量に電荷が蓄積される。しかし
ながら、このハイテンションコードとアースの間の浮遊
容量に蓄積された電荷は、ダイオードD1に阻まれて、
上記第1スパークプラグ32のハイテンションコード4
2とアースの間の浮遊容量に蓄積された電荷と打ち消し
合うことがない。なお、上述した第2端子Tb’に発生
した負極性の電圧が、逆方向に接続されているダイオー
ドD2の逆阻止耐圧を越えない場合にも、ハイテンショ
ンコード42とアースの間の浮遊容量は、電荷が蓄積さ
れるが、その場合も、ダイオードD1によって、上記第
1スパークプラグ32のハイテンションコード42とア
ースの間の浮遊容量に蓄積された電荷は打ち消されるこ
とがない。即ち、図示の極性に第1、第2ダイオードD
1、D2を介挿することにより、燃焼検出用にハイテン
ションコード42又はハイテンションコード44とアー
スの間の浮遊容量に蓄積された電荷が、他方のハイテン
ションコードあるいは二次巻線とアースの間の浮遊容量
に蓄積された電荷との再結合によって消滅することがな
くなる。
【0037】引き続き、このディストリビュータレスイ
グナイタ式点火装置の動作について図4の波形図を参照
して説明する。ECU10が、第1スパークプラグ32
側のシリンダ圧縮サイクルにおける所定のタイミング
で、出力端子10aから図4に示すようにパルス信号
a1を出力する。これよりトランジスタTR1がターン
オフする際にイグニッションコイルTの一次巻線T1に
流れる数Aの電流を遮断し、二次巻線T2の第1端子T
a’に正極性の高電圧を発生させ、この高電圧が、絶縁
破壊を発生せしめる10KV以上まで昇圧(図4のピ
ーク電圧p)して第1スパークプラグ32に火花放電を
せしめ、該シリンダ内で圧縮された混合気を燃焼させる
と共に、排気サイクルにある第2スパークプラグ34に
は負電位を印加して火花放電をせしめる。そして、アー
ク放電による1KV程度の低電圧がしばらく続く(図中
にqで示す)。このアーク放電の終了後、おつり電圧r
が発生して一旦上昇した後速やかな減衰電圧s1を示し
て、ハイテンションコードの電圧は減衰する。
【0038】該ECU10は、減衰電圧s1の減衰した
後の所定のタイミングでパルスa2(図2)を発生
し、イグニッションコイルTに失火検出用の電圧を発生
させる。この電圧が、スパークプラグ32へ加えられた
後の減衰波形は、該スパークプラグ32で正常に着火さ
れた時と、失火したときで異なる。即ち、正常に着火さ
れた時はイオンが発生しており、スパークプラグ32に
加えられた電圧は、該イオンを介して放電が生じるため
速やかに減衰していく(図4の波形v1参照)。
【0039】他方、ECU10は、第2スパークプラグ
34側のシリンダ圧縮サイクルにおける所定のタイミン
グで、出力端子10bからに示すようにパルス信号b
1を出力する。これにより絶縁破壊を発生せしめる10
KV以上まで昇圧(図4のピーク電圧p)した後、ア
ーク放電による1KV程度の低電圧がしばらく続く(図
中にqで示す)。このアーク放電の終了後、おつり電圧
rが発生して一旦上昇する。ここで、第2スパークプラ
グ34が装着された気筒が正常に燃焼しなかった場合
は、緩やかな減衰電圧s2を示して減衰していく。
【0040】該ECU10は、更に所定のタイミングで
パルスb2(図4)を発生し、イグニッションコイル
Tに失火検出用の電圧を発生させる。ここで、第2スパ
ークプラグ34側で、失火した際には、イオンが発生し
ないため、スパークプラグ34に加えられた電荷は、放
電されず緩やかに減衰していくが、図では、おつり電圧
が存在するため、失火検出用の電圧変動が現れていな
い。
【0041】二次電圧検出回路40は、センサ22、2
4からの信号電圧入力に対してロウレベルd又はeを出
力する(図中参照)。即ち、ECU10は、第1スパ
ークプラグ32にて失火検出用の電圧を生ぜしめるため
に出力端子10aからパルスa2送出する際、及び、第
2スパークプラグ34にて失火検出用の電圧を生ぜしめ
るために出力端子10bからパルスb2を送出する際
に、出力端子10cからパルスcを失火検出回路40側
へ送出する(図4参照)。失火検出回路40は、この
パルスcを受信し、それをタイミング信号として用い
て、上記センサ22、24からの入力信号を処理してパ
ルス出力d又はeを出力する。この出力端子40cから
のロウレベルの信号を、ECU10が各気筒に装填され
たスパークプラグの失火のデータとして読み込む。
【0042】上述したように本発明の第2実施態様にお
いては、燃焼行程にある気筒のスパークプラグに対して
放電用とは別に検出用の正電極の電位を印加し、該正電
位値の減衰特性に基づき二次電圧検出回路40が検出を
行うため、燃焼の有無を正確に判別することができる。
【0043】引き続き、本発明の第3実施態様につい
て、図5を参照して説明する。上述した第1、第2実施
態様では、イグニッションコイルTの中点にバッテリ1
2を接続し、該中点と第1端子Ta及び第2端子Tbと
の間で印加する電流の方向を切り換えたが、この第2実
施態様では、後述する電流切換回路により通電方向を切
り換えて、第1端子Taと第2端子Tbとの間で電流の
反転させるように構成されている。
【0044】この電流切換回路は、サイリスタSC1、
SC2と、トランジスタTR1、TR2とから成り、ト
ランジスタTR1は一次巻線T1の第1端子Taにコレ
クタが接続され、トランジスタTR2は第2端子Tbに
コレクタが接続されている。それぞれのトランジスタT
R1、TR2のコレクタには、サイリスタSC1、SC
R2のカソードが接続され、また、トランジスタTR
1、TR2のベース及びサイリスタSC1、SC2のゲ
ートは、ECU10の出力端子10a、10bに接続さ
れている。このサイリスタSC1、SC2のアノード
は、バッテリ12に接続されている。
【0045】引き続き、第3実施態様に係る内燃機関の
ディストリビュータレスイグナイタ式点火装置の動作に
ついて説明する。通常時に、ECU10は、サイリスタ
SC1、SC2のゲート及びトランジスタTR1、TR
2のベースにハイレベルの信号を印加して、サイリスタ
SC1、SC2をオフに、また、トランジスタTR1、
TR2をオンにしている。ここで、第1スパークプラグ
32の装着されている気筒が燃焼行程となると、所定の
タイミングで、ECU10は、出力端子10aからロウ
レベルの信号を送出し、サイリスタSC1をオンに、ま
た、トランジスタTR1をオフにする。これによりバッ
テリ12からの電流が、サイリスタSC1から、一次巻
線T1の第1端子Ta及び第2端子Tbを介して、オン
状態にあるトランジスタTR2に流れる。そして、EC
U10が、出力端子10aの信号を再びハイレベルにす
ることにより、イグニッションコイルTの一次巻線T1
の電流を遮断し、二次巻線T2の第1端子Ta’に正極
性の高電圧を発生させ、第1スパークプラグ32に電圧
を印加して放電せしめる。その後、上述した第1実施態
様と同様に、おつり電圧の減衰特性に基づき、二次電圧
検出回路40が燃焼の有無を検出する。
【0046】その後、第2スパークプラグ34の装着さ
れている気筒が燃焼行程となると、所定のタイミング
で、ECU10は、出力端子10bからロウレベルの信
号を送出し、サイリスタSC2をオンに、また、トラン
ジスタTR2をオフにする。これによりバッテリ12か
らの電流が、サイリスタSC2から、一次巻線T1の第
2端子Tb及び第1端子Taを介して、オン状態にある
トランジスタTR1に流れる。そして、ECU10が、
出力端子10bの信号を再びハイレベルにすることによ
り、二次巻線T2の第1端子Tb’に正極性の高電圧を
発生させ、第2スパークプラグ34に電圧を印加させ
る。
【0047】引き続き、本発明の第4実施態様について
図6及び図7を参照して説明する。第1乃至第3実施態
様では、両極性ディストリビュータレスイグニッション
システムを用いて、第1スパークプラグ32及び第2ス
パークプラグ34に対して、電圧の極性を切り換えるこ
とにより、燃焼行程にある気筒に装填されている側に正
極性の電圧を、また、排気行程側の気筒に装填されてい
る側に負極性の電圧を印加した。これに対して、第4実
施態様の点火装置では、単極性ディストリビュータレス
イグニッションシステムを用いて、燃焼行程にある気筒
に装填されている側のスパークプラグにのみ正極性の電
圧を印加するように構成されている。
【0048】即ち、第4実施態様の内燃機関のディスト
リビュータレスイグナイタ式点火装置では、図1を参照
して上述した第1実施態様の回路構成に加えて、イグニ
ッションコイルTの二次巻線T2の第1、第2端子T
a’、Tb’にそれぞれ、アノードを接地したダイオー
ドD3、D4を接続している。このため、第1スパーク
プラグ32の装着されている気筒が燃焼行程となって、
二次巻線T2の第1端子Ta’に正電極の電圧が発生
し、第1スパークプラグ32にて放電を発生する際に、
第2端子Tb’に発生した負電圧に対して、ダイオード
D4を介して電流が流れるため、第2スパークプラグ3
4には高い負電圧が印加されず、放電が発生することが
ない。同様に第2スパークプラグ34の装着されている
気筒が燃焼行程となって、正電圧が印加される際に、第
1スパークプラグ32へ高い負電圧が印加されることが
ない。
【0049】引き続き、第4実施態様に係る内燃機関の
ディストリビュータレスイグナイタ式点火装置の動作に
ついて、図7を参照して説明する。第1スパークプラグ
32の装着されている気筒が燃焼行程となると、所定の
タイミングで、ECU10は、出力端子10aからパル
ス信号aを送出し(図7の参照)、トランジスタTR
1をオン・オフし、イグニッションコイルTの二次巻線
T2の第1端子Ta’に正極性の高電圧が発生させる。
この高電圧が、絶縁破壊を発生せしめる10KV以上ま
で昇圧(図7のピーク電圧p)して第1スパークプラ
グ32に火花放電をせしめるが、上述したように第2ス
パークプラグ34には火花放電をせしめない。そして、
アーク放電による1KV程度の低電圧がしばらく続く
(図中にqで示す)。このアーク放電の終了後、おつり
電圧rが発生する。この時、該高電圧の継続時間とハイ
テンションコード42とアースの間の浮遊容量に応じた
電荷が該ハイテンションコード42に蓄積される。この
とき、ハイテンションコード42とアースの間の浮遊容
量に蓄積された電荷は、第1実施態様とは異なりイグニ
ッションコイルTの二次巻線T2のプラス側とマイナス
側とで再結合しない。おつり電圧rと第1スパークプラ
グ32の放電とにより形成される速やかな減衰電圧s1
を図中に示す。
【0050】引き続き、ECU10が、第2スパークプ
ラグ34側のシリンダ圧縮サイクルにおける所定のタイ
ミングで、出力端子10bからに示すようにパルス信
号bを出力する。これよりイグニッションコイルの二次
巻線T2の第2端子Tb’に正極性の高電圧が発生さ
れ、この高電圧(図7のピーク電圧p)が第2スパー
クプラグ34に火花放電をせしめる。そして、アーク放
電による1KV程度の低電圧がしばらく続く(図中にq
で示す)。このアーク放電の終了後、おつり電圧rが発
生して一旦上昇する。この時、当該高電圧の継続時間と
ハイテンションコード44の容量に応じた電荷が該ハイ
テンションコード44に蓄積される。その後ゆるやかに
減衰する。このおつり電圧rにより形成される緩やかな
減衰電圧s2を図中に示す。
【0051】図7のに示す速やかな減衰電圧s1は、
当該第1スパークプラグ32側のシリンダで燃焼があっ
た場合を示している。即ち、シリンダ内で燃焼がありイ
オンが発生すると、ハイテンションコード42とアース
の間の浮遊容量に蓄積された電荷が該イオン中に放電さ
れ、ハイテンションコードの電圧は急速に減衰してい
く。また、第2スパークプラグ34の電位を示すの緩
やかな減衰電圧s2は失火時の減衰波形を示している。
ここでは、第2スパークプラグ34側で燃焼によりイオ
ンが発生していないので、放電による減衰が生じていな
い。これらの減衰特性に基づき、二次電圧検出回路40
が失火の有無を検出する。
【0052】なお、上述した第3、第4実施態様におい
ては、おつり電圧を用いる内燃機関のディストリビュー
タレスイグナイタ式点火装置を例示したが、これらの回
路構成においても、第2実施態様と同様にセカンドチャ
ージを行い、失火検出用の電圧を点火用とは別に印加す
ることも可能である。
【0053】従来技術に係る両爆システムにおいては、
一方のスパークプラグに正電圧が印加され、他方のスパ
ークプラグに負電圧が印加されるため、正電圧でも負電
圧でも同様に放電を行い得る両極性のスパークプラグを
用いなければならなかったが、この第1乃至第4実施態
様では、廉価な単極性(正極性)のスパークプラグを用
いることができる。更に、第1〜第3実施態様によれ
ば、放電極性を交互に切り換えるため、中心電極の消耗
に偏りがなくなり、スパークプラグの寿命を長くするこ
とができる。また、第4実施態様によれば、排気行程に
あるスパークプラグに放電を生じせしめないため、スパ
ークプラグを長期に渡って安定して用いることができ
る。
【0054】
【効果】以上記述したように本発明の内燃機関のディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置によれば、両爆
システムにおいて、常に検出側の気筒に装着されたスパ
ークプラグに正電極の電圧を印加するため、確実に失火
を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様に係る内燃機関のディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置の構成を示す回
路図である。
【図2】図1に示す内燃機関のディストリビュータレス
イグナイタ式点火装置の動作時における波形図である。
【図3】本発明の第2実施態様に係る内燃機関のディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置の構成を示す回
路図である。
【図4】図3に示す内燃機関のディストリビュータレス
イグナイタ式点火装置の動作時における波形図である。
【図5】本発明の第3実施態様に係る内燃機関のディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置の構成を示す回
路図である。
【図6】本発明の第4実施態様に係る内燃機関のディス
トリビュータレスイグナイタ式点火装置の構成を示す回
路図である。
【図7】図6に示す内燃機関のディストリビュータレス
イグナイタ式点火装置の動作時における波形図である。
【図8】両極ディストリビュータレスイグニッションシ
ステムの構成を示す回路図である。
【図9】従来技術の燃焼状態検出装置の構成を示す回路
図である。
【符号の説明】
10 ECU 22、24 センサ 32 第1スパークプラグ 34 第2スパークプラグ 40 失火検出回路 42、44 ハイテンションコード T イグニッションコイル TR1、TR2 トランジスタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次巻線と二次巻線とを有するイグニッ
    ションコイルと、 該一次巻線にバッテリからの電流を断続して流す一次電
    流断続手段と、 前記二次巻線の両端子の各々にハイテンションコードを
    介して接続された一対のスパークプラグと、 を備えたディストリビュータレスイグナイタ式点火装置
    であって、 前記スパークプラグに印加される二次電圧の減衰特性を
    検出する二次電圧検出回路を有する燃焼状態検出装置を
    備え、且つ、 前記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
    側のスパークプラグへ正電圧を印加するように、通電方
    向を反転しながら前記一次巻線にバッテリからの電流を
    断続して流すことを特徴とする燃焼状態検出装置を備え
    た内燃機関の点火装置。
  2. 【請求項2】 一次巻線と二次巻線とを有するイグニッ
    ションコイルと、 前記一次巻線の中点に接続されたバッテリと、 前記一次巻線の両端の端子のそれぞれに接続された一対
    のスイッチング素子と、 前記スイッチング素子を制御して該一次巻線にバッテリ
    電流を断続して流す一次電流断続手段と、 前記二次巻線の両端子の各々にハイテンションコードを
    介して接続された一対のスパークプラグと、 を備えた、ディストリビュータレスイグナイタ式点火装
    置であって、前記スパークプラグに印加される二次電圧
    の減衰特性を検出する二次電圧検出回路を有する燃焼状
    態検出装置を備え、且つ、 前記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
    側のスパークプラグへ正電圧を印加するように、前記一
    対のスイッチング素子の一方をオン又はオフして前記一
    次巻線に、バッテリからの電流を断続して流すことを特
    徴とする燃焼状態検出装置を備えた内燃機関の点火装
    置。
  3. 【請求項3】 前記イグニッションコイルの二次巻線の
    両端子に、アノード側の接地された一対のダイオードの
    カソードを接続したことを特徴とする請求項2の燃焼状
    態検出装置を備えた内燃機関の点火装置。
  4. 【請求項4】 一次巻線と二次巻線とを有するイグニッ
    ションコイルと、 前記一次巻線の中点に接続されたバッテリと、 前記一次巻線の両端の端子のそれぞれに接続された一対
    のスイッチング素子と、 前記スイッチング素子を制御して該一次巻線にバッテリ
    からの電流を断続して流す一次電流断続手段と、 前記二次巻線の両端子の各々にハイテンションコードを
    介して接続された一対のスパークプラグと、 を備えたディストリビュータレスイグナイタ式点火装置
    であって、 前記スパークプラグに印加される二次電圧の減衰特性を
    検出する二次電圧検出回路を有する燃焼状態検出装置を
    備え、且つ、 前記二次巻線の前記両端子と前記ハイテンションコード
    との間に、アノードを該二次巻線側へ接続し、カソード
    を該スパークプラグ側へ接続するように一対のダイオー
    ドを介挿し、 前記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
    側のスパークプラグへ正電圧を印加して放電を生ぜしめ
    た後に、燃焼状態検出用の正電圧をスパークプラグへ再
    度印加するように、前記一対のスイッチング素子の一方
    をオン又はオフして前記一次巻線に、バッテリからの電
    流を断続して流すことを特徴とする燃焼状態検出装置を
    備えた内燃機関の点火装置。
  5. 【請求項5】 一次巻線と二次巻線とを有するイグニッ
    ションコイルと、 バッテリと、 前記バッテリの少なくとも一方の端子と前記一次巻線の
    両端子との間に接続された一対のスイッチング回路と、 前記スイッチング回路を制御して該一次巻線にバッテリ
    からの電流を断続して流す一次電流断続手段と、 前記二次巻線の両端子の各々にハイテンションコードを
    介して接続された一対のスパークプラグと、 を備えた、ディストリビュータレスイグナイタ式点火装
    置であって、 前記スパークプラグに印加される二次電圧の減衰特性を
    検出する二次電圧検出回路を有する燃焼状態検出装置を
    備え、且つ、 前記一次電流断続手段が、燃焼行程の気筒に装着された
    側のスパークプラグへ正電圧を印加するように、前記一
    対のスイッチング回路をオン又はオフして通電方向を切
    り換えながら前記一次巻線にバッテリからの電流を断続
    して流すことを特徴とする燃焼状態検出装置を備えた内
    燃機関の点火装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014185535A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関

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JP2014185535A (ja) * 2013-03-22 2014-10-02 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関

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