JPH09242653A - パワーユニットスイング型自動二輪車のキック始動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メインスタンドを畳んだ状態で、エンジンを
始動しようと、キックレバーを操作すると、踏下げる足
の踵部分がメインスタンドの足掛け部に当って、キック
レバーを踏下げることができず、メインスタンドを立て
た状態でないとエンジン始動ができないパワーユニット
スイング型自動二輪車のキック始動装置を得ること。 【解決手段】 パワーユニット１の前部下面にメインス
タンド７を軸着し、パワーユニット１の側面にキックレ
バー１１を連結し、キックレバー１１先端のキックペタ
ル１２の使用位置の直後に、畳んだメインスタンド７の
足掛け部１２を並設するようにしたこと。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、パワーユニット
スイング型自動二輪車のキック始動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】小型のスクーター型などの自動二輪車で
は、エンジンから後輪までを一体に形成したパワーユニ
ット型に作られ、パワーユニットの前下端をフレームに
軸着し、パワーユニットとフレームの間に取付けたクッ
ションで、パワーユニットが揺動してクッションできる
ようにしている。又、この種の車は、エンジンと後輪を
連結するクラッチに、回転数依存クラッチを用い、運転
操作の簡易化を図っている。

【０００３】エンジンは、キック始動装置で始動させる
が、エンジン始動後、乗車して走行する体勢をとる前
に、エンジンを不用意に空吹かしさせて回転を上げる
と、回転数依存クラッチが接続して、運転者の意に反し
て、後輪が回り始める不都合が生じる。

【０００４】一方、パワーユニットの前下部には、メイ
ンスタンド（センタースタンド）が設けられていて、駐
車するときは、メインスタンドを下向きに立て、後輪を
浮かせて、車体を立った状態で保つようにしている。そ
して、パワーユニット側面に連結したキックレバーの前
側に、メインスタンドの足掛け部を配置し、メインスタ
ンドを畳んだ状態、即ち、後輪が接地している状態で、
キックレバーを踏下げて、エンジンを始動しようとする
と、キックレバーと、キックレバーを踏下げる足が、メ
インスタンドの足掛け部に当って、キックレバーを十分
に踏下げることができず、メインスタンドを立てて、後
輪を浮かした状態でないと、エンジンの始動ができない
ようにして、安全を図っている。例えば、特公平２−１
４９９１号公報参照。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】冷えたエンジンを始動
するときは、キックレバーを数回踏下げないとエンジン
の始動ができない。しかし、運転停止直後のエンジンを
再び始動するような暖機状態のエンジンでは、僅かにク
ランキングするだけで、エンジンの始動ができる。この
ような場合には、足の爪先でキックレバーを操作して、
足がメインスタンドの足掛け部に当らないような踏下げ
形をすれば、キックレバーをストローク一ぱいまで踏下
げることができなくても、或程度のクランキングが可能
でエンジンの始動ができ、メインスタンドを畳んだ状態
でも、エンジン始動ができる不都合がある。

【０００６】かかる点に鑑み、この発明は、メインスタ
ンドを畳んだ状態で、エンジンを始動しようと、キック
レバーを操作すると、踏下げる足の踵部分がメインスタ
ンドの足掛け部に当って、キックレバーを踏下げること
ができず、メインスタンドを立てた状態でないとエンジ
ンの始動ができないパワーユニットスイング型自動二輪
車のキック始動装置を得ることを課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明のパワーユニットスイング型自動二輪車の
キック始動装置は、パワーユニットの前部下面にメイン
スタンドを軸着し、パワーユニットの側面にキックレバ
ーを連結し、キックレバー先端のキックペタルの使用位
置の直後に、畳んだメインスタンドの足掛け部を並設す
るようにしたことにある。

【０００８】メインスタンドを畳んだ状態で、キックレ
バーのキックペタルを外側に曲げ出して使用位置にする
と、キックペタルの直後にメインスタンドの足掛け部が
並ぶ。このため、キックペタルに足を乗せて踏下げよう
としても、踏下げる足の踵部分がメインスタンドの足掛
け部に当り、キックペタルを踏下げることができなく
て、エンジンの始動ができない。エンジンを始動すると
きは、メインスタンドを下向きに立てて後輪を浮かす
と、メインスタンドの足掛け部が、キックペタルから離
れ、キックペタルを踏下げるとことができるようになっ
て、エンジンの始動ができる。このとき不用意にエンジ
ン回転を上げても、後輪が空転するだけで支障が生じな
い。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１乃
至図３によって説明する。パワーユニット１は、前部に
エンジン２を備え、後部に後輪３を回転自在に支承して
あり、エンジン２と後輪３は、パワーユニット１内に装
着した回転数依存クラッチや伝導ギヤーを介して連結し
てある。パワーユニット１は、前下端に突出させたアー
ム４の先端をフレーム５に軸着し、パワーユニット１の
後部とフレーム５の後部との間に、クッション筒６を連
結し、クッション筒６を伸縮させ、パワーユニット１を
揺動させてクッションできるようにしてある。

【００１０】パワーユニット１の前下部には、メインス
タンド７の基端を回動自在に軸着する。メインスタンド
７は、後側に跳上げて畳むようにしてあり、使用すると
きは、側方に突出させた足掛け部８に足を掛け、フレー
ム５の後部を持上げて後輪３を浮かせて下側に回動させ
て立て、前輪９とメインスタンド７でフレームを支え立
てて駐車できるようにする。メインスタンド７は、畳ん
だ位置と立てた位置を、メインスタンド７とフレーム５
の間に張設したバネで保持するようにしてある。

【００１１】パワーユニット１の側面には、スターター
軸１０を突設してあって、キックレバー１１の基端を締
着して連結する。キックレバー１１の先端には、キック
ペタル１２を前側から側方まで回動し、使用時に側方を
向けることができるように軸着してある。而して、キッ
クペタル１２を側方に出して使用位置にしたとき、メイ
ンスタンド７を畳んだ状態で、足掛け８がキックペタル
１２の直後に並ぶようにする。

【００１２】メインスタンド７を畳んだ状態で、キック
ペタル１２を使用位置にして、踏下げようとすると、踏
下げる足の踵部分がメインスタンド７の足掛け部８に当
り、抵抗が大きくて、キックペタル１２を踏下げてエン
ジン２を始動することができない。エンジン２を始動す
るときは、メインスタンド７を立てると、足掛け部８が
下側に離れるので、キックペタル１２を踏下げて、始動
作業ができる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、この発明は上述の
ように構成したので、メインスタンドを畳んであるとき
に、キックペタルを踏下げようとすると、踏下げる足の
踵部分がメインスタンドの足掛け部に当って抵抗が大き
く、キックペタルを踏下げて、エンジンを始動すること
ができない。エンジンを始動するときは、メインスタン
ドを立てると、足掛け部が下側に離れるので、キックペ
タルを踏下げることができるようになって、エンジン始
動ができる。この状態では、後輪が浮いているので、不
用意にエンジン回転を上げても、車体が動くことがな
い。

【００１４】メインスタンドの足掛け部分が、若干長く
なるが、自動二輪車でオフロードで主に使用するもので
は、車輪の外径の大きいものに変更して地上高を高くす
るので、この場合、メインスタンドも長いものが必要に
なり、足掛け部分の位置が最適になる。又、キックレバ
ーは、キックペタル部分がキックレバーの先端で回動す
るものの外に、キックレバーの根本で、キックレバーと
キックペタルが一体に回動するものがあるが、キックペ
タルが、キックレバーの先端で回動するものの方が、加
工が簡単で安価に生産できて、コストダウンが図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態のキック始動装置を示す側面
図である。

【図２】キック始動装置を示す平面図である。

【図３】本発明の実施形態に係る車両全体の側面図であ
る。

【符号の説明】

１ パワーユニット ７ メインスタンド ８ 足掛け部 １１ キックレバー １２ キックペタル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パワーユニットの前部下面にメインスタ
   ンドを軸着し、パワーユニットの側面にキックレバーを
   連結し、キックレバー先端のキックペタルの使用位置の
   直後に、畳んだメインスタンドの足掛け部を並設するよ
   うにしたことを特徴とするパワーユニットスイング型自
   動二輪車のキック始動装置。