JPH0924236A - プラズマ法排ガス浄化装置 - Google Patents

プラズマ法排ガス浄化装置

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JPH0924236A
JPH0924236A JP7175724A JP17572495A JPH0924236A JP H0924236 A JPH0924236 A JP H0924236A JP 7175724 A JP7175724 A JP 7175724A JP 17572495 A JP17572495 A JP 17572495A JP H0924236 A JPH0924236 A JP H0924236A
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通孝 古林
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賢士 保田
Nobuyuki Yoshida
信之 吉田
Hiroyuki Daiku
博之 大工
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量生産が可能であるプラズマ法排ガス浄化
装置を提供する。 【解決手段】 放電電極3は、金属製薄板をプレス加工
することにより、複数の放電針5が、金属板4に隆起状
に一体に形成されたものである。この放電電極3に、複
数の放電針5にそれぞれ対応する複数の放電針挿入用貫
通孔8があけられた絶縁物7が被せられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ゴミや産業廃棄
物の燃焼処理において燃焼炉から出る排ガス、および産
業用ボイラーから出る排ガス、そしてトンネルや屋内駐
車場内において自動車から出る排ガスを処理対象とする
プラズマ法排ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】煙道の内部に少なくとも1つの放電電極
および少なくとも1つの対向電極が交互に設けられてな
る反応器と、両電極に接続された高電圧パルス発生電源
とを備え、両電極間に高電圧パルスを連続的に印加する
ことにより非平衡プラズマを発生させ、排ガスが反応器
中を通過する間に排ガス中の有害ガス成分を捕集しやす
い形態もしくは無害な形態に転換するプラズマ法排ガス
浄化装置は、従来より知られている(公表特許公報昭6
3−500020号公報参照)。電極としては、放電電
極がワイヤ型、対向電極がプレート型であるものが知ら
れている。そして、排ガスの通過方向にプレートを長く
するとともにワイヤを多数本設置することにより1つの
電極ユニットを形成し、この電極ユニットを排ガスの通
過方向と直角の方向に複数配置することによりスケール
アップして、大量の排ガス処理ができるようにしてい
る。しかし、これらの電極を使用したプラズマ法排ガス
浄化装置では、ワイヤの長さ方向に間欠的にプラズマが
発生する特徴を持つので、発生するプラズマに疎の部分
ができてプラズマと排ガスとの接触効率が良くないと言
う問題があった。
【0003】そこで、本出願人は、先に、複数の放電針
を備えた放電電極と平板状の対向電極とを備えたプラズ
マ法排ガス浄化装置を提案した(特願平7−4374
6)。このプラズマ法排ガス浄化装置によると、放電針
先端に強い電界が発生し、電極間に放電が起こりやす
く、しかも、放電針1本1本と平板との間の放電である
ため、放電範囲を広げるには放電針の本数を増やすこと
によって達成でき、スケールアップにも適しているとい
う利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の複数の放電針を
備えた放電電極を得るには、金属平板に孔をあけるとと
もに、針を必要本数製造し、針を金属板の孔のあいた部
分に1本ずつ溶接していく必要があり、複数の放電針を
備えた放電電極を得る工程が複雑になって、大量生産に
向いていないという問題があった。
【0005】この発明の目的は、電極間に放電が起こり
やすくかつスケールアップにも適しており、しかも、大
量生産が可能であるプラズマ法排ガス浄化装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明によるプラズマ
法排ガス浄化装置は、煙道の内部に少なくとも1つの放
電電極および少なくとも1つの対向電極が交互に設けら
れてなる反応器と、両電極に接続された高電圧パルス発
生電源とを備え、両電極間に高電圧パルスを連続的に印
加することにより非平衡プラズマを発生させ、排ガスが
反応器中を通過する間に排ガス中の有害ガス成分を捕集
しやすい形態もしくは無害な形態に転換するプラズマ法
排ガス浄化装置において、放電電極が、金属板に隆起状
に一体に形成された複数の放電針を備えていることを特
徴とするものである。このような放電電極は、金属製薄
板を例えばプレス加工することにより得ることができ
る。
【0007】放電針の先端が、尖っていることが好まし
い。尖りの形状としては、円錐状、山形などがある。ま
た、放電電極に、複数の放電針にそれぞれ対応する複数
の放電針挿入用貫通孔があけられた絶縁物が被せられて
いることが好ましい。これらにより、電源により両電極
間に高電圧がかかり、放電針と対向電極との間の絶縁抵
抗が破壊されてプラズマが通る時、プラズマの発生を針
先に集中させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】図4は、本発明が対象とするプラ
ズマ法排ガス浄化装置を示すもので、同図に示すよう
に、プラズマ法排ガス浄化装置は、煙道(11)の内部に複
数の放電電極(13)および複数の対向電極(14)が交互に設
けられてなる反応器(10)と、両電極(13)(14)に接続され
た高電圧パルス電源(12)とを備えている。処理される排
ガス(18)は両電極(13)(14)の間を通される。
【0009】対向電極(14)はプレート型である。放電電
極(13)は、対向電極(14)と同じ面積の金属板(15)と、金
属板(15)上に設けられた多数の放電針(16)とよりなる。
放電電極(13)は、ステンレス等の良好な導電性材料から
なり、放電針(16)の先端部は0.1cm〜1cmの直径
を有している。放電針(16)の基端部の直径は任意である
が、放電針(16)は、円錐状、山形などとされて、その先
端部が尖っているほうが好ましい。放電針(16)の先端部
を尖った形状とすることにより、電界強度を大きくする
ことができる。金属板(15)上における放電針(16)の存在
密度は、放電電圧、電流、排ガス(18)中のダスト濃度、
排ガス(18)の性状等を考慮して決められるが、通常、
0.1〜10本/平方cm程度である。放電針(16)の長
さも放電電圧、電流等の諸条件によって任意に設計され
るものであるが、通常は0.1cmから10cmの間の
値が採用される。
【0010】排ガス量の増大に対して装置をスケールア
ップするには、排ガス(18)の流れ方向と平行に配置され
た複数の放電電極(13)および複数の対向電極(14)を排ガ
ス(18)の流れ方向およびこれと直角方向に増やしていく
ことにより、容易に行い得る。また、スケールアップ時
には、放電針(16)は金属板(15)の両面に設けられる。図
4に示した反応器(10)は、放電電極(13)を3枚、対向電
極(14)を4枚配置したもので、両端の電極はいずれも対
向電極(14)となされている。放電電極(13)と反応器(10)
外壁とはセラミック製の絶縁体によって電気的に絶縁さ
れている。高圧パルス電源(12)と各電極(13)(14)とをつ
なぐ導線(17)も同様に反応器(10)外壁と絶縁されてい
る。
【0011】NOxとSOxを含む被処理排ガス(18)
は、ダクト(19)から反応器(10)中に入る。放電電極(13)
と対向電極(14)との間には、高電圧パルスが印加される
ことにより非平衡プラズマ(パルスストリーマコロナ)
(21)が発生している。このプラズマは、円錐状であり、
放電針(16)の先端部分と対向電極(14)との間には密に存
在しているが、放電針(16)の先端部分と放電電極(13)と
の間には存在していない。被処理排ガス(18)は反応器(1
0)中を通過する間にプラズマ(21)と接触し、これにより
排ガス(18)中に各種ラジカルが発生する。このラジカル
によって排ガス(18)中のNOxとSOxは酸化されて、
NO2 とSO3 に変化する。このように変化した有害ガ
ス成分を含む排ガス(18)はダクト(20)を通って後流に設
けた捕集部(図示略)に移動する。
【0012】図1および図2は、本発明のプラズマ法排
ガス浄化装置のプラズマ発生用電極の概念図であり、放
電電極(3) 、対向電極(14)および両電極(3)(14) に接続
された高電圧パルス発生電源(12)とを備えており、放電
電極(3) は、金属製薄板をプレス加工することにより、
複数の放電針(5) が、金属板(4) に隆起状に一体に形成
されたものである。さらに、この放電電極(3) に、複数
の放電針(5) にそれぞれ対応する複数の放電針挿入用貫
通孔(8) があけられた絶縁物(7) が被せられている。
【0013】また、図3は、従来の製造法により得られ
たプラズマ発生用電極の概念図であり、放電電極(13)、
対向電極(14)および両電極(13)(14)に接続された高電圧
パルス発生電源(12)とを備えており、放電電極(13)は、
金属板(15)に複数の放電針(16)を溶接することにより形
成されたものである。
【0014】
【実施例】以下の表1および表2に、本発明の放電電極
(3) と従来の製造法により得られた放電電極(13)とを用
いて、パルスプラズマ(21)の発生効率及び放電電極(3)
(13) の生産面を比較した結果を示す。表1および表2
において、は、2mmの鋭い放電針(16)を金属板(15)
(厚さ2mm)に取り付けた従来のものを示し、は、
放電針(6) となる2mmの尖りを出した金属板(5) (厚
さ0.3mm)に放電針挿入用貫通孔(8) のあいた絶縁
板(7) を貼った本発明のものを示す。およびとも
に、放電電極(3)(13) と対向電極(14)間の距離は、20
mm、放電電極(3)(13) の金属板(5(15)の大きさは、2
0×60mmとされている。
【0015】
【表1】 この表1は、両電極(3)(13)(14) 間におけるパルスプラ
ズマ(21)の発生効率を比較したもので、この表から、同
じ入力電圧に対して同じ電流が出力されていることが分
かる。NOからNO2 への変換量も同量であることが確
認できた。
【0016】しかも、ここで1ユニットの体積を調べる
と、 電極:20×60×(20+2+2)=28800m
3 電極:20×60×(20+2+0.3)=2676
0mm3 であり、同性能の装置を作る場合約7%の装置体積の縮
小につながることも分かる。すなわち、金属板(5)(15)
の厚み減少分だけ、装置を小さくすることができ、しか
も、絶縁板(7) の重量は金属に比べて軽いので、装置の
軽量化も図ることができる。
【0017】
【表2】 この表2は、各放電電極(3)(13) の生産工程を比較した
ものである。ここで、金属板(5)(15) の厚さは、:2
mm、:0.3mmとし、およびともに、金属板
(5)(15) 面積は、1m2 、金属板(5)(15) から突出した
放電針(6)(16)の高さは2mm、放電針(6)(16) のピッ
チ20mmとされている。表2から、の従来のもので
は、孔あけおよび溶接に手間がかかり、これに比べて、
の本発明のものでは、プレスのみによって放電電極
(3) が得られるので、大量生産が可能であることがわか
る。
【0018】
【発明の効果】この発明のプラズマ法排ガス浄化装置に
よると、放電針が、金属板に隆起状に一体に形成されて
いるから、薄板を例えばプレス加工することにより得る
ことができ、大量生産が可能である。
【0019】放電針の先端が、尖っているものでは、電
界強度を大きくすることができ、また、放電電極に、複
数の放電針にそれぞれ対応する複数の放電針挿入用貫通
孔があけられた絶縁物が被せられているものでは、プラ
ズマの発生を針先により集中させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ法排ガス浄化装置の電極の概
念を示す斜視図である。
【図2】同放電電極の要部の拡大断面図である。
【図3】従来のプラズマ法排ガス浄化装置の電極の概念
を示す斜視図である。
【図4】プラズマ法排ガス浄化装置を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
(3) 放電電極 (5) 金属板 (6) 放電針 (7) 絶縁板 (8) 放電針挿入用貫通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大工 博之 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立 造船株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 煙道の内部に少なくとも1つの放電電極
    および少なくとも1つの対向電極が交互に設けられてな
    る反応器と、両電極に接続された高電圧パルス発生電源
    とを備え、両電極間に高電圧パルスを連続的に印加する
    ことにより非平衡プラズマを発生させ、排ガスが反応器
    中を通過する間に排ガス中の有害ガス成分を捕集しやす
    い形態もしくは無害な形態に転換するプラズマ法排ガス
    浄化装置において、放電電極が、金属板に隆起状に一体
    に形成された複数の放電針を備えていることを特徴とす
    るプラズマ法排ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 放電針の先端が、尖っていることを特徴
    とする請求項1のプラズマ法排ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 放電電極に、複数の放電針にそれぞれ対
    応する複数の放電針挿入用貫通孔があけられた絶縁物が
    被せられていることを特徴とする請求項1または2のプ
    ラズマ法排ガス浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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