JPH09241728A - 粗材の冷却方法及び粗材冷却装置 - Google Patents

粗材の冷却方法及び粗材冷却装置

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JPH09241728A
JPH09241728A JP5487096A JP5487096A JPH09241728A JP H09241728 A JPH09241728 A JP H09241728A JP 5487096 A JP5487096 A JP 5487096A JP 5487096 A JP5487096 A JP 5487096A JP H09241728 A JPH09241728 A JP H09241728A
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Hiroichi Shirakawa
博一 白川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合金元素を増加を抑制しつつ、残留応力の低減
や亀裂の抑制に有利な効果を奏する粗材の冷却方法及び
粗材冷却装置を提供すること。 【解決手段】高温状態の粗材2を常温領域まで冷却する
過程において、粗材2の引張強度特性が急激に変化する
温度領域において、粗材2を徐冷する。具体的には、粗
材冷却装置1の保温箱10の収容室13に高温状態の粗
材2を収容する。粗材2の引張強度特性が急激に変化す
る温度領域に降温したら、開口窓15の開口度を大きく
するシャッタ開放操作を行う。温度領域を経過したら開
口窓15を閉じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温状態の粗材を
冷却する粗材の冷却方法、及び、その方法に使用できる
粗材冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高温状態の粗材を冷却する場合につい
て、溶湯が凝固した鋳造品である鉄系粗材を例にとって
説明する。従来より鋳造工程によれば、一般的には、溶
解した高温の金属溶湯が鋳型のキャビティに注入され、
溶湯が凝固した後に型ばらしが行われ、その後に鋳造品
である粗材が取り出され、更に粗材が大気中に放置され
て常温付近まで空冷される。
【0003】上記した鋳造工程によれば、粗材の型ばら
しの目標温度は規定されており、その目標温度に基づい
て、粗材の型ばらし工程が実行される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
従来の技術によれば、型ばらし直後の高温状態の粗材が
そのまま空冷されると、粗材において冷却アンバランス
が発生し易く、粗材の残留応力が誘発され易い。特に冷
却速度にアンバランスが発生しがちの粗材の内部と表面
とでは、大きな残留応力が発生されがちである。
【0005】この様な残留応力の影響で、亀裂や変形が
粗材に発生し易くなる。特に粗材が薄肉部分と厚肉部分
とをもつ場合には、残留応力の影響で亀裂や変形が粗材
に発生し易くなる。上記した残留応力の問題を軽減する
には、鋳型内に粗材を埋設したまま粗材を徐冷する時間
を長くして、粗材の冷却速度を緩慢とすれば良い。しか
しこの場合には鋳型内冷却工程に要する時間が長くな
り、生産能率及び設置スペースの面でも不利である。更
にA1 変態点を通過する速度も緩慢となり、粗材の材料
強度の面で不利となる。A1 変態点の通過速度は、材料
強度に大きな影響を与えるからである。
【0006】従って上記した場合には材料強度の確保の
ために、粗材に含有される合金元素量を必要以上に増加
させることとなり、コストの面で不利である。本発明は
上記した実情に鑑みなされたものであり、合金元素を増
加を抑制しつつ、残留応力の低減や亀裂の抑制に有利な
効果を奏する粗材の冷却方法及び粗材冷却装置を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は粗材の冷却方
法について鋭意開発を進め、引張強度特性が急激に変化
する温度領域をもつ粗材に着目した。以下、代表的な粗
材である鉄系粗材を例にとって、図5及び図6を参照し
て説明する。図5の横軸は温度を示し、縦軸は引張強度
(σB )、耐力(σ0.2 )、伸び(δ)を示す。図5の
特性線から理解できる様に、鉄系粗材の場合には、粗材
の温度が高くなるにつれて、粗材の引張強度(σB )や
耐力(σ0.2 )が低下し、伸び(δ)が大きくなるとい
う傾向がある。つまり粗材の温度が低くなるにつれて、
粗材の引張強度(σB )や耐力(σ0.2 )が大きくな
り、伸び(δ)が小さくなるという傾向がある。更に図
5の特性線から理解できる様に、鉄系粗材によれば、6
50〜500°Cの温度領域では、引張強度特性が急激
に変化する。この温度領域を粘性−弾性境界温度領域と
呼ぶ知見者もいる。
【0008】上記した温度領域の冷却速度が速いと、粗
材における残留引張応力や残留圧縮応力が大きくなるこ
とに本発明者は着目した。特に冷却が遅れる側の厚肉部
においては、残留引張応力が大きくなる。この残留応力
のメカニズムについては次の様に推察される。即ち、図
6に示すモデル試験を参照して説明を加えると、図6に
示す様に薄肉部(棒1)の端部と厚肉部(棒2)の端部
とを橋架部3で連結した構造をもつモデル試験片が冷却
されると、熱伝導率が小さな鋳型に埋設されている状態
では、試験片の冷却速度が緩慢であるため、厚肉部と薄
肉部との温度差はあまりない。
【0009】しかし型ばらしされた後では、モデル試験
片は空冷される。空冷の際には、熱容量が小さな薄肉部
の冷却速度は速いものの、熱容量が大きな厚肉部の冷却
速度は薄肉部に比較してゆっくりである。従って薄肉部
が非粘性領域に降温しても、厚肉部はまだ粘性領域であ
り、厚肉部においては応力が基本的には解放されると考
えられる。
【0010】しかし厚肉部も650〜500°Cの温度
領域よりも降温すれば、厚肉部も非粘性領域となるため
応力解放機能が低下し、厚肉部が自身の熱収縮に対抗す
る。結果として、厚肉部には引張応力が残留し、一方、
薄肉部には圧縮圧力が残留する。本発明者は、上記の様
に引張強度特性が急激に変化する温度領域において、粗
材を徐冷すれば、粗材における残留応力や亀裂の低減を
図り得ることに着目し、試験で確認し、本発明を完成し
た。
【0011】即ち、請求項1に係る粗材の冷却方法は、
高温状態の粗材を常温領域まで冷却する過程において、
粗材の引張強度特性が急激に変化する温度領域におい
て、粗材を徐冷することを特徴とするものである。請求
項2に係る粗材の冷却方法は、請求項1において、高温
状態の粗材と、粗材を収容可能な収容室及び開口窓を備
えた保温箱と開口窓の開口度を可変に閉じる開閉シャッ
タとをもつ箱状の粗材冷却装置とを用い、粗材冷却装置
の収容室に高温状態の粗材を収容し、粗材の引張強度特
性が急激に変化する温度領域までは、開口窓の開口度を
大きくするシャッタ開放操作を行い、粗材の引張強度特
性が急激に変化する温度領域において、開口窓の開口度
を小さくするか開口窓を閉塞するシャッタ閉塞操作を行
い、粗材が該温度領域よりも実質的に降温したら開閉シ
ャッタの開口度を大きくするシャッタ開放操作を行うこ
とを特徴とするものである。
【0012】請求項3に係る粗材冷却装置は、引張強度
特性が急激に変化する温度領域をもつ粗材を冷却するも
のであって、粗材を収容可能な収容室を区画する箱体
と、収容室と外気とを連通する開口窓と、開口窓の開口
度を可変に閉じる開閉シャッタとを備えた保温箱と、保
温箱の収容室内の粗材の温度を直接または間接的に検知
する温度検知手段と、温度検出手段による検知に基づい
て開閉シャッタを開閉制御して開口窓の開口度を調整す
るシャッタ開閉手段とを具備してなることを特徴とする
ものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明方法で用いる代表的な粗材
としては、鉄系粗材がある。鉄系粗材としては鋳造品、
熱間鍛造品を採用できる。鉄系粗材によれば、徐冷する
上記温度領域は650〜500°Cである。徐冷の形態
としては、後述する実施例の様に、開口窓をもつ保温箱
に粗材を収容すると共に、開口窓の開口面積を小さくす
る形態を採用できる。
【0014】更に徐冷の形態としては、粗材やその粗材
を収容している保温箱の内部を加熱手段で別途、保温加
熱する操作を行う形態でも良い。なお加熱手段として
は、発熱ヒータや誘導加熱コイル等を採用できる。請求
項2に係る粗材の冷却方法によれば、箱状の粗材冷却装
置を用いる。この粗材冷却装置は、粗材を収容可能な収
容室及び開口窓を備えた保温箱と、開口窓を開閉可能に
閉じる開閉シャッタとをもつ。
【0015】そして、箱状の粗材冷却装置の収容室に高
温状態の粗材を収容する収容操作を行い、その後に、粗
材の引張強度特性が急激に変化する温度領域において、
シャッタ閉塞操作を行い、開閉シャッタを閉じる。その
後、上記温度領域よりも粗材が降温したら、冷却速度を
速めても実質的に支障はないため、シャッタ開放操作を
行い、開閉シャッタを開く。
【0016】請求項3に係る粗材冷却装置によれば、保
温箱の箱体には、保温性を確保すべく断熱材が内張りさ
れていることが好ましい。開口窓は、保温箱の上部、特
に天井部に設けられていることが好ましい。開閉シャッ
タは、開口窓の開口度を可変に閉じるものであり、その
構造は適宜選択できる。更に温度検知手段は、収容室内
の粗材の温度を直接または間接的に検知するものであ
る。この場合には、収容室内の空気の温度を検知し、そ
の温度に基づいて粗材の温度を推測することにしても良
い。
【0017】シャッタ開閉手段としては、温度検出手段
による検知に基づいて開閉シャッタを開閉して開口窓の
開口度を調整するものである。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は使用状態における粗材冷却装置の断面図を
示す。図2は粗材冷却装置の模式的斜視図を示す。この
粗材冷却装置1は保温箱10を備えている。保温箱10
は、粗材2を収容する収容室13を区画する金属板製の
箱体12と、収容室13と外気とを連通する開口窓とし
ての天井窓15と、天井窓15を開閉可能に閉じる開閉
シャッタ17とを備えている。
【0019】開閉シャッタ17は、シャッタ開閉手段と
して機能する油圧または空圧式のシリンダ3により開閉
作動される。開閉シャッタ17の作動により、天井窓1
5の開口度は可変となる。図1に示す様に、箱体12の
下面開口12xが形成されている。箱体12の壁体12
cの内面には、カオウール等の断熱材18が内張されて
いる。断熱材18は保温性を向上させる。更に保温箱1
0には、作業者等が収容室13の内部を観察するための
覗き窓10eが設けられ、更に、覗き窓10eを開閉す
る蓋10fが設けられている。
【0020】保温箱10には温度検知手段としての温度
センサ3Xが装備されている。温度センサ3Xは、収容
室13内の空気の温度を検出することにより、収容室1
3内の粗材2の温度を間接的に検知するものである。温
度センサ3Xの検知信号は制御装置4に入力され、これ
に応じて制御装置4からの制御信号が信号線4iを経て
シリンダ3の駆動回路に入力され、シリンダ3が作動す
る。なおシリンダ3や制御装置4は、保護カバー4mに
覆われて保護されている。
【0021】本実施例によれば、保温箱10の収容室1
3に粗材2を収容した状態で粗材2を降温させ、このと
きにおける粗材2の降温温度と保温箱10の収容室13
の温度との関係を予め測定されている。一般的には粗材
2の温度と収容室13の温度との間には相関性が得られ
る。即ち粗材2が降温すれば、収容室13の温度が低下
する傾向が得られる。従って収容室13の温度を温度セ
ンサ3Xで検知すれば、粗材2の温度を推測できる。図
3の特性線Hはこの関係の一例を模式的に示すものであ
る。なお特性線Hの形態は、粗材2の種類等に応じて相
違する。
【0022】本実施例によれば、予め、開閉シャッタ1
7を開放作動させて天井窓15を開放させておく。高温
状態の粗材2は、パレット6上の保持台60に載せられ
ている。ロボットや作業者により、粗材2の上方から、
保温箱10はパレット6に載置される。従ってこの粗材
2は保温箱10の収容室13に収容される。この状態で
は図1に示す様に、粗材2は保温箱10に覆われてい
る。
【0023】本実施例で用いる粗材2は、縦方向に貫通
する空洞2pを備えている。粗材2は型ばらし直後の鋳
鉄系の鋳造品であり、具体的には内燃機関用のシリンダ
ブロックである。空洞2pはシェル中子で成形されてお
り、シリンダボアとして機能する。空洞2pにはシェル
中子の残留物が付着している。なお粗材2の冷却速度
は、砂型の鋳型に粗材2が埋設されているときには、1
〜2〔°C /min〕と極めて緩慢である。
【0024】粗材2が保温箱10に収容されていると
き、温度センサ3Xにより収容室13の温度は検知され
ており、これにより粗材2の温度は間接的に検知されて
いる。パレット6には、風穴として機能する縦方向に貫
通する冷却風導入孔63が形成されている。冷却風導入
孔63は砂落とし孔も兼ねる。天井窓15が開放すれ
ば、保持台60の冷却風導入孔63から空気が天井窓1
5に向けて上方に流れ易くなる。即ち、下から上に空気
が流れる『煙突効果』が得られ、『煙突効果』で流れる
風により粗材2の冷却が促進される。
【0025】粗材2は放熱するものの、下方から上方に
向かう冷却風により、粗材2は比較的速い速度で空冷さ
れる。換言すれば、天井窓15を実質的に全開すれば、
通常の空冷に近い冷却状態が得られる。この場合には冷
却の程度は粗材2の種類にもよるが、例えば10〜50
〔°C /min〕程度にできる。この様に本実施例によ
れば、保温箱10に粗材2を収容した直後では、シャッ
タ開放操作を継続しておき、天井窓15を開口させてお
く。一般的には全開とする。
【0026】粗材2がある温度域まで降温したら、制御
装置4はシャッタ閉塞操作を行い、シリンダ3を作動し
て開閉シャッタ17を閉塞させて天井窓15を閉じる。
一般的には全閉とする。従って『煙突効果』は得られな
くなり、下から上への風は流れにくくなる。これにより
収容室13内の粗材2の放熱の影響が大きくなり、保温
箱10の収容室13が降温しにくくなる。よって収容室
13の温度が維持される。従って粗材2の引張強度特性
が急激に変化する温度領域、つまり650〜500°C
においては粗材2の冷却速度は緩慢となり、粗材2が徐
冷される。この様に650〜500°C の温度領域で粗
材2は徐冷されるので、粗材2の残留応力は軽減または
回避される。
【0027】徐冷の程度は、粗材2の種類にもよるが6
〜8〔°C /min〕程度にできる。そして粗材2の引
張強度特性が急激に変化する温度領域、つまり500°
C の温度領域よりも、粗材2が実質的に降温したら、制
御装置4はシャッタ開放操作を行い、シリンダ3により
開閉シャッタ17を開放作動させ、天井窓15の開口度
を大きくする。一般的には天井窓15を全開とする。
【0028】シャッタ開放操作を開始する時期として
は、粗材2のうち冷却の遅い部位が500°C よりも降
温した時点を採用できる。この様にすれば天井窓15が
開放しているので、前述同様に、保持台60の冷却風導
入孔63から空気が天井窓15に向けて上方に流れ易く
なり、所謂『煙突効果』が得られる。よって粗材2の冷
却が促進され、通常の空冷に近いか或いは同様の冷却速
度が得られる。
【0029】図4は、粗材2の冷却時間と粗材2の温度
との関係を示すグラフである。特性線Kは、粗材2を鋳
型内に埋設したまま粗材2を冷却した比較例に係る冷却
過程を示す。特性線P1は、引張強度特性が急激に変化
する温度領域を保温箱10を用いて徐冷した本実施例に
係り、粗材2の厚肉部の冷却過程を示す。特性線P2
は、引張強度特性が急激に変化する温度領域を保温箱1
0を用いて徐冷した本実施例に係り、粗材2の薄肉部の
冷却過程を示す。
【0030】特性線S1は、保温箱10を用いずに粗材
2を空冷した比較例に係り、粗材2の厚肉部の冷却過程
を示す。特性線S2は、保温箱10を用いずに粗材2を
空冷した比較例に係り、粗材2の薄肉部の冷却過程を示
す。図4から理解できる様に本実施例に係る特性線P1
によれば、比較例に係る特性線S1よりも徐冷効果が認
められる。本実施例に係る特性線P2によれば、比較例
に係る特性線S2よりも徐冷効果が認められる。特性線
S1、S2による冷却過程と、特性線P1、P2による
冷却過程とを比較すれば、粗材2の温度が800〜70
0°C 付近から、保温箱10による徐冷効果が認められ
る。
【0031】以上説明した様に本実施例によれば、粗材
2の引張強度特性が急激に変化する温度領域を徐冷する
ため、粗材2の残留応力等を軽減または回避するのに有
利であり、従って残留応力の軽減を目的とする焼鈍熱処
理の廃止または簡略化を図り得る。ところで鉄系の粗材
2の場合には、前述の様にA1 変態点(文献によれば一
般的には723°C )を降温する冷却速度が材料強度に
大きな影響を与えると言われている。即ち鉄系材料を空
冷する場合には、A1 変態点の通過速度は大きい方が好
ましいと、一般的には言われている。結晶粒の微細化の
ためと推察されている。
【0032】この点本実施例によれば、前述した様に6
50〜500°C の温度領域では徐冷を図るものの、粗
材2の温度がその温度領域に降温するまでの間は、天井
窓15を開放して冷却風導入孔63から導入される冷却
風を期待する。そのため、上記温度に到達するまでの粗
材2の冷却速度は、速いものである。従って粗材2のA
1 変態点の通過速度を確保でき、材料強度の確保に有利
である。よって、粗材2に含まれる合金元素を必要以上
に増加させずとも良く、或いは、増加するとしてもその
量を抑え得る。
【0033】更に本実施例によれば、上記温度領域の徐
冷を図るものの、その温度領域よりも低い温度では、天
井窓15を開放して冷却風導入孔63から導入される冷
却風を期待する。そのため、徐冷した後では粗材2の冷
却速度は速いものであり、生産能率の確保に有利であ
る。更に粗材2の空洞2pをシェル中子で成形した場合
には、鋳造後の粗材2の空洞2pの内面にはシェル中子
の残量物が付着している。この残留物と空気中の酸素と
の接触性が向上すれば、型ばらし後における残留物の焼
け性が促進され、残留物が粗材2の空洞2pから落下し
易くなると言われている。この点本実施例によれば天井
窓15が開放されている状態では、粗材2よりも下方に
配置されている冷却風導入孔63から上方の天井窓15
に向かう冷却風を期待できるため、図1の矢印Y1に示
す様に、粗材2の空洞2pの内部にも冷却風を通過させ
るのに有利となる。故に、粗材2の空洞2pの内面に付
着しているシェル中子の残量物と空気との接触性が向上
する。よって、残留物の焼けを促進させる効果、ひいて
は残留物の除去性を向上する効果を期待できる。なお除
去された残留物は、冷却風導入孔63から排出される。
【0034】
【発明の効果】本発明方法によれば、引張強度特性が急
激に変化する粗材の温度領域を徐冷するため、合金元素
を増加を抑制しつつ、粗材における残留応力や亀裂を抑
制するのに有利である。本発明装置によれば、開閉シャ
ッタの閉塞操作により開口窓の開口面積を調整するた
め、粗材の徐冷を図り得る。そのため、合金元素を増加
を抑制しつつ、粗材における残留応力や亀裂を抑制する
のに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】粗材冷却装置を用いて粗材を徐冷している状態
を示す断面図である。
【図2】粗材冷却装置の模式的斜視図である。
【図3】粗材の温度と収容室内の温度との関係を示すグ
ラフである。
【図4】粗材の冷却過程を示すグラフである。
【図5】鉄系粗材の温度と引張強度、耐力、伸びとの関
係を示すグラフである。
【図6】モデル試験片の構成図である。
【符号の説明】
図中、1は粗材冷却装置、10は保温箱、12は箱体、
13は収容室、15は天井窓(開口窓)、17は開閉シ
ャッタ、3はシリンダ(シャッタ開閉手段)、3は温度
センサ(温度検知手段)、4は制御装置を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温状態の粗材を常温領域まで冷却する過
    程において、該粗材の引張強度特性が急激に変化する温
    度領域において、該粗材を徐冷することを特徴とする粗
    材の冷却方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、高温状態の粗材と、該
    粗材を収容可能な収容室及び開口窓を備えた保温箱と該
    開口窓の開口度を可変に閉じる開閉シャッタとをもつ箱
    状の粗材冷却装置とを用い、 該粗材冷却装置の該収容室に高温状態の該粗材を収容
    し、該粗材の引張強度特性が急激に変化する温度領域ま
    では、該開口窓の開口度を大きくするシャッタ開放操作
    を行い、 該粗材の引張強度特性が急激に変化する温度領域におい
    て、該開口窓の開口度を小さくするか該開口窓を閉塞す
    るシャッタ閉塞操作を行い、 該粗材が該温度領域よりも実質的に降温したら該開閉シ
    ャッタの開口度を大きくするシャッタ開放操作を行うこ
    とを特徴とする粗材の冷却方法。
  3. 【請求項3】引張強度特性が急激に変化する温度領域を
    もつ粗材を冷却するものであって、 該粗材を収容可能な収容室を区画する箱体と、該収容室
    と外気とを連通する開口窓と、該開口窓の開口度を可変
    に閉じる開閉シャッタとを備えた保温箱と、 該保温箱の収容室内の該粗材の温度を直接または間接的
    に検知する温度検知手段と、 該温度検出手段による検知に基づいて該開閉シャッタを
    開閉制御して該開口窓の開口度を調整するシャッタ開閉
    手段とを具備してなることを特徴とする粗材冷却装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016125081A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 トヨタ自動車株式会社 シリンダブロックの熱処理装置及びシリンダブロックの熱処理方法

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JP2016125081A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 トヨタ自動車株式会社 シリンダブロックの熱処理装置及びシリンダブロックの熱処理方法

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