JPH09241691A - 粉末洗剤組成物 - Google Patents

粉末洗剤組成物

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JPH09241691A
JPH09241691A JP4872096A JP4872096A JPH09241691A JP H09241691 A JPH09241691 A JP H09241691A JP 4872096 A JP4872096 A JP 4872096A JP 4872096 A JP4872096 A JP 4872096A JP H09241691 A JPH09241691 A JP H09241691A
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soap
detergent composition
fine powder
carbonate
powder
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JP4872096A
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Tetsuo Shimizu
徹男 志水
Matsuo Hisada
松尾 久田
Hideki Goto
英樹 後藤
Futaba Shimizu
双葉 志水
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FUTABA CHEMICAL
FUTABA KAGAKU KK
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FUTABA CHEMICAL
FUTABA KAGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、又は
複合石鹸の優れた洗浄力、易無燐化性、相溶性、易溶解
性、低温安定性(耐寒性)泡切れ、すすぎ性などの優れ
た特性を消失させることなく具有させかつ天ぷら油火災
の初期消火にも使用できる粉末洗剤組成物を提供するこ
と。 【構成】カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、又は
複合石鹸に、高温で熱分解して炭酸ガスを発生する炭酸
塩、又は炭酸カルシウムを多量に含む天然物の微粉末が
配合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粉末洗剤組成物に関
し、特には、カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、
又は複合石鹸に、高温で熱分解して炭酸ガスを発生する
炭酸塩、又は炭酸カルシウムを多量に含む天然物の微粉
末が配合されているところに特徴を有する粉末洗剤組成
物に関するものであり、洗浄剤であるとともに天ぷら油
火災時に専用消火器の代用物として初期消火手段に使用
できる粉末洗剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の粉末洗剤組成物は知られ
ていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、油火災の場合、
水をかけてもかえって火の拡大することがあり、水分を
含むものを投入するとほとんど投下直後に火災の拡大が
起こるため、消火利用物として使用できないことはよく
知られている。また、従来生活の知恵として、天ぷら油
火災のような油火災の場合には、水に濡らした毛布や雑
巾、バスタオルなどで油面を覆い酸素(空気)との接触
を遮断させるという所謂窒息作用を利用した初期消火方
法が知られているが、消火者が平常心を失ってうまく投
入できず油面を完全に被って窒息させることが難しく、
また、水に濡らした毛布や雑巾などの自重で鍋が転倒し
消火者が火傷を負うことがあるなどの問題があった。
【0004】近時、天ぷら油に着火した火を消すための
初期消火器又は用具として、例えば粉末消火器、二酸化
炭素消火器、泡消火器、強化液消火器等に代表される専
用消火器や、「消火フラワー」などが開発され市販され
ている。しかしながら、これら専用消火器などは、充填
されている消火剤や強化液などが時間の経過とともに劣
化してその消火機能が低下するため、使用有効期限終了
後速やかに買い換え又は詰め替えの必要があった。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み鋭意創案さ
れたものであって、その目的とするところは、カリ石
鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、又は複合石鹸に、熱
分解して炭酸ガスを発生する炭酸塩が配合されていると
ころに特徴を有する粉末洗剤組成物であって、カリ石
鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、又は複合石鹸の優れ
た洗浄力、易無燐化性、相溶性、易溶解性、低温安定性
(耐寒性)泡切れ、すすぎ性などの優れた特性を消失さ
せることなく具有させかつ天ぷら油火災時に、専用消火
器の代用物として初期消火手段に使用できる粉末洗剤組
成物を提供することである。
【0006】他の目的は、自然界に放置すると加水分解
や土壌中の微生物などによる生分解等によって完全に分
解するという安全性に優れた洗浄剤組成物を提供するこ
とである。
【0007】なお、本発明の粉末洗剤組成物は、JIS
規格(JIS K−3303−1984)において第2
種に規格される「粉末洗濯石鹸」に包含されるものがあ
る。しかし、この「粉末洗濯石鹸」に含まれる例えば炭
酸ナトリウムに代表される炭酸塩は一般にはビルダーと
して添加されているものである。第1種に規格されるも
のにあっては、天然油脂をアルカリでケン化する時に使
用するアルカリのうち未反応のアルカリを中和するため
に生成されるいわば不純物として残存するものであり、
本発明の粉末洗剤組成物のように、熱分解させて炭酸ガ
スを発生させるために配合させる炭酸塩とは自ずからそ
の配合(存在)目的が異なるものである。熱分解させて
炭酸ガスを発生させこの炭酸ガスを油火災の初期消火に
活用するという目的で、家庭用(台所用)洗剤の中にか
かる炭酸塩が意図的に配合された粉末洗剤組成物は知ら
れていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の粉末洗
剤組成物は、「カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合
物、又は複合石鹸に、貝類の貝殻の微粉末、甲殻動物の
外殻の微粉末、卵の卵殻の微粉末、又はいかの甲(骨)
の微粉末からなる微粉末群より選択された少なくとも1
以上の微粉末が配合されている」処に特徴を有するもの
を、請求項2の発明の粉末洗剤組成物は、「カリ石鹸、
ソーダ石鹸、これらの混合物、又は複合石鹸に、アルカ
リ金属、又はアルカリ土類金属の炭酸塩からなる群から
選択された少なくとも1以上が配合され、該炭酸塩が少
なくとも1000℃以下の温度で熱分解され炭酸ガスを
発生する」処に特徴を有するものを、請求項3の発明の
粉末洗剤組成物は、「請求項2記載の粉末洗剤組成物
に、貝類の貝殻の微粉末、甲殻動物の外殻の微粉末、卵
殻の微粉末、又はいかの甲(骨)の微粉末からなる微粉
末群より選択された少なくとも1以上の微粉末が配合さ
れている」処に特徴を有するものを、それぞれその内容
とするものである。
【0009】本発明の粉末洗剤組成物は、「石鹸」の具
有する付着物を溶遊させるという働き(洗浄力)と、微
粉末状の例えば貝類の貝殻の摩擦によって付着物を被洗
浄面から分離させるという働きとの相乗効果により、洗
浄効果はより増大されることとなり、洗浄効率を高める
ことができる。
【0010】また、例えば発火した天ぷら油に本発明の
粉末洗剤組成物を投入すると、炭酸塩を天ぷら油の燃焼
炎で熱分解せしめ大量の炭酸ガスを発生させることがで
きる。そして、天ぷら油から蒸発する水蒸気と、石鹸
(粉末洗剤組成物)に水和水として含まれていた水及び
湿気に由来する水蒸気とによって石鹸が溶解され、炭酸
ガス及び水蒸気とのバブリング作用が加わり、洗濯機を
回したときのように大量の泡を泡立たせることができ、
この石鹸の泡の表面に未溶解の粉末洗剤と不燃性の酸化
物が付着され水蒸気と炭酸ガスの気泡を含む石鹸の泡
と、これら炭酸塩の熱分解により多量に発生した消火性
を具有する炭酸ガス自体とで、燃え盛る天ぷら油の表面
を完全に覆うことができ、天ぷら油の表面への酸素(空
気)の供給を遮断せしめた所謂窒息状態とすることがで
きる。すなわち、初期消火のための擬消火剤として使用
することができる。
【0011】なお、前記「炭酸塩」とは、約1000℃
以下の温度で熱分解され大量の炭酸ガスが発生するとい
う化学的性質を有するものを指し示し、熱分解温度が約
400℃である炭酸ナトリウム、熱分解温度が約80℃
である炭酸水素ナトリウム、熱分解温度が約400℃で
あるセスキ炭酸ナトリウム、熱分解温度が約220℃で
ある炭酸カリウムナトリウム、熱分解温度が約825℃
である沈降炭酸カルシウムとか軽質炭酸カルシウムとか
コロイド性炭酸カルシウムとか呼ばれている炭酸カルシ
ウム、熱分解温度が約700℃である塩基性炭酸マグネ
シウムなどを例示することができ、これらは無水物であ
っても水和物であっても或いはこれらを含む複塩などで
あっても構わないが、水和物であることが好ましい。
【0012】また、前記炭酸塩は、特には炭酸カルシウ
ムをその主たる構成成分とする天然物の微粉末であって
もよく、この天然物の微粉末としては、貝類の貝殻の微
粉末、甲殻動物の外殻の微粉末、卵殻の微粉末、又はい
かなどの甲(骨)の微粉末などを例示することができ
る。
【0013】特に、請求項3の発明の粉末洗剤組成物
は、請求項2の働きに、請求項1の粉末洗剤組成物に配
合された微粉末の貝殻の働きが相加的に加わるものであ
る。
【0014】
【発明に実施の形態】本発明に係る粉末洗剤組成物の実
施の形態を、実施例に基いてさらに詳細に説明する。
【0015】まず、前記「カリ石鹸」とはその主たる洗
剤としての有効成分が高級脂肪酸のカリウム塩であるも
のを指し示し、前記「ソーダ石鹸」とはその主たる洗剤
としての有効成分が高級脂肪酸のナトリウム塩であるも
のを指し示す。ただし、高級脂肪酸を特に限定するもの
ではない。構成高級脂肪酸の炭素数は何個であってもよ
く、炭素数の異なる高級脂肪酸の混合物であってもよ
く、高級脂肪酸は飽和高級脂肪酸であってもよく不飽和
高級脂肪酸であってもよくこれらの混合物であってもよ
い。要する処、「家庭用品品質表示法に基づく表示」の
「品質」の欄に「カリ石鹸」又は「ソーダ石鹸」と表示
できるものであればよい。
【0016】また、前記「複合石鹸」とは、純石鹸成分
に純石鹸成分以外の界面活性剤が配合されその主な有効
洗浄成分が純石鹸成分と、純石鹸成分以外の界面活性剤
が総量あたり30%を限度として配合されている石鹸
と、洗浄補助剤として炭酸塩以外の塩類が純石鹸成分に
配合されている石鹸とを指し示す。洗浄補助剤として配
合される炭酸塩以外の塩類としては、例えばけい酸ナト
リウム、アルミノけい酸塩等を例示できる。
【0017】前記「カリ石鹸」、「ソーダ石鹸」、「こ
れらの混合物」、及び「複合石鹸」は、いずれも公知の
様々な製造方法により製造することができ、市販されて
いるものを購入して使用することもできる。
【0018】つぎに、貝類の貝殻としては例えばカキの
貝殻に代表されるような産業廃棄物でありその処分に困
っているものを使用すると、産業廃棄物の有効利用がで
き、原料の確保が容易でかつ安価であるから、好まし
い。カキの貝殻をきれいに洗って乾燥した後、公知の粉
砕機で粉砕して微粉末とすることにより製造することが
できる。但し、得られた微粉末の粒度を特に限定するも
のではないが、その粒経は小さければ小さいほどい好ま
しい。洗剤としての使い勝手に優れ、被洗浄物の表面に
傷が付き難いからであり、また、燃え盛る油の中に投げ
込んだ際、鍋などの底に沈むことなく油の表面に浮遊さ
せることができるので高温の燃焼炎でその主成分である
炭酸カルシウムを燃焼させることができ、炭酸ガスの発
生効率を高めることができ、石鹸の泡の表面に不燃性の
微粉末状の酸化物を未溶解の粉末洗剤とともに付着せし
めることができるからである。それ故、天ぷら油の表面
への酸素(空気)の供給を十分に遮断せしめ所謂窒息状
態とすることができ、初期消火のための擬消火剤として
使用することができるようになるからである。
【0019】特に、微粉末化したカキの貝殻の粒度が2
00μm以上であると、被洗浄物の表面に傷が付き易
く、洗剤自体がざらざらであるため洗剤としての使い勝
手がきわめて悪い。また、微粉末化したカキの貝殻の粒
度が100μm以上であると、燃え盛る油の中に投げ込
んだ際、鍋などの底にほとんどが沈み油の表面に浮遊さ
せることができないため、高温の燃焼炎でその主成分で
ある炭酸カルシウムを燃焼させることができないから、
炭酸ガスの発生効率がきわめて悪い。そして、石鹸の泡
の表面に不燃性の微粉末状の酸化物を未溶解の粉末洗剤
とともに付着せしめることができないから、天ぷら油の
表面への酸素(空気)の供給を十分に遮断せしめ所謂窒
息状態とすることができず、初期消火のための擬消火剤
として使用することができない。それ以上に、カキの貝
殻が所謂沸騰石として作用するため、油が周りに飛び散
りかえって炎が拡大する結果となるという問題が生じ
る。
【0020】すなわち、微粉末化したカキの貝殻の粒度
はその粒度分布が問題であるのではなく、粒度が100
μm以上のものを全く含まないということが重要な要件
である。微粉末化したカキの貝殻の粒度は50μm未満
であることが好ましい。
【0021】なお、炭酸カルシウムをその主要な構成成
分とする天然物としてはカキ以外の貝類の貝殻、甲殻動
物の外殻、卵の卵殻、或いはいかの甲(骨)などがあ
り、これらの微粉末を利用することもできる。その微粉
末化及び粒度の調整などは、カキの貝殻と同様であるか
ら繰り返し述べない。
【0022】次に、本発明に係る粉末洗剤組成物は、全
重量の5〜70%の水を含んでいることが好ましい。但
し、この「水」は、所謂湿気及び水和水のトータル量を
指し示すものである。湿気としての水が多すぎるもの
や、固化して非粉末状となるものは好ましくない。当然
のことである。
【0023】本発明の粉末洗剤組成物に配合される石鹸
の配合割合は一般に0.5〜60%が適当であり、微粉
末化させた天然物の配合割合は一般に5〜97%が適当
であるが、これらの配合割合は適宜変更してよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明の代表的な実施例について説明
するが、本発明の要旨を越えない限り、これらの実施例
により本発明が制限されるものではない。なお、全ての
実施例において配合されている所謂「石鹸」の具有する
付着物を溶遊させるという働き(洗浄力)と、微粉末状
の例えば貝殻の摩擦によって付着物を被洗浄面から分離
させるという働きと、これらの相乗効果により洗浄効果
がより増大され洗浄効率を高めることができる、という
それぞれの作用効果については繰り返して述べない。
【0025】実施例1の粉末洗剤組成物は、「水」13
重量%と、ソーダ石鹸5重量%と、粒経が1〜50μm
の炭酸ナトリウム(10水和物)82重量%とから構成
されており、ソーダ石鹸はパルミチン酸ナトリウムをそ
の主たる有効洗浄成分とする高級脂肪酸のナトリウム塩
である。
【0026】実施例1の粉末洗剤組成物200gを発火
した天ぷら油(てんぷら鍋の直径は34cmであり、市
販のサラダ油500mlが入れてある)に投入すると、
てんぷら油を周りに飛散させることなく約4〜7秒で天
ぷら油の火を消すことができ、初期消火のための擬消火
剤として使用することができることがわかった。
【0027】この時、洗濯機を回したときのように大量
の泡が泡立ち、この泡で燃え盛る天ぷら油の表面が完全
に覆われることからみて、つぎの消火メカニズムが推察
できる。なお、室温に放置された炭酸ナトリウムは10
水和物として存在し、100℃以上に加熱されると次の
化学式(1)で示すように水和水を放出して無水和物と
なることは、周知の事実である。 Na2CO3・10H2O → Na2CO3 +10H2O ・・(1)
【0028】すなわち、粉末洗剤組成物に配合された炭
酸ナトリウムが燃え盛る天ぷら油の燃焼炎(約1200
℃)により熱分解され大量の炭酸ガスが発生する。ま
た、天ぷら油から蒸発する水蒸気と、石鹸(粉末洗剤組
成物)に水和水として含まれていた水及び湿気に由来す
る水蒸気とによって石鹸が溶解され、炭酸ガス及び水蒸
気とのバブリング作用が加わり、洗濯機を回したときの
ように大量の泡が泡立つ。そして、この石鹸の泡の表面
に未溶解の粉末洗剤と不燃性の酸化物が付着され、更
に、炭酸塩の熱分解により発生した炭酸ガス自体の消火
性が相乗的に加わるため、天ぷら油の表面は酸素(空
気)の供給が遮断された所謂窒息状態となるゆえ、短時
間で天ぷら油の火が消えるという消火メカニズムであ
る。
【0029】なお、この粉末洗剤組成物は、「水」が5
〜30重量%、ソーダ石鹸が57〜42重量%、炭酸ナ
トリウムが38〜28重量%の範囲から任意に設計変更
できるものである。ソーダ石鹸に代えてカリ石鹸を使用
してもよい。
【0030】また、熱分解温度が約400℃である炭酸
ナトリウムに代えて、熱分解温度が約80℃である炭酸
水素ナトリウム、熱分解温度が約400℃であるセスキ
炭酸ナトリウム、熱分解温度が約220℃である炭酸カ
リウムナトリウム、熱分解温度が約825℃である沈降
炭酸カルシウムとか軽質炭酸カルシウムとかコロイド性
炭酸カルシウムとか呼ばれている炭酸カルシウム、熱分
解温度が約700℃である塩基性炭酸マグネシウムなど
を使用することができる。これらは無水物であっても水
和物であっても或いはこれらを含む複塩などであっても
構わないが、水和物であると、粉末洗剤組成物に乾燥し
た状態でかつ多量の水を含有させることができるから好
ましい。
【0031】実施例2の粉末洗剤組成物は、水分13重
量%と、ソーダ石鹸5重量%と、粒経が5〜30μmの
カキの貝殻微粉末82重量%とから構成されており、ソ
ーダ石鹸はパルミチン酸ナトリウムをその主たる有効洗
浄成分とする高級脂肪酸のナトリウム塩である。
【0032】実施例2の粉末洗剤組成物を発火した天ぷ
ら油の中に投げ入れると、てんぷら油を周りに飛散させ
ることなく約5〜8秒で天ぷら油の火を消すことがで
き、実施例1の粉末洗剤組成物と同様に初期消火のため
の擬消火剤として使用することができることがわかっ
た。
【0033】この時、洗濯機を回したときのように大量
の泡が泡立ち、この泡で燃え盛る天ぷら油の表面が完全
に覆われることからみて、粉末洗剤組成物に配合された
カキの貝殻微粉末の主たる構成成分が炭酸カルシウムで
あることからみて、その消火のメカニズムは、実質的に
は実施例1の粉末洗剤組成物と同様であると推察でき
る。すなわち、繰り返すこととなるが、炭酸カルシウム
が燃え盛る天ぷら油の燃焼炎(約1200℃)により炭
酸ガスと酸化カルシウムに熱分解されるから、この反応
により大量の炭酸ガスが発生する。また、天ぷら油から
蒸発する水蒸気と、粉末洗剤組成物中に含まれていた湿
気に由来する水蒸気とによって石鹸が溶解され、炭酸ガ
ス及び水蒸気とのバブリング作用が加わり、洗濯機を回
したときのように大量の泡が泡立つ。そして、この石鹸
の泡の表面に未溶解の粉末洗剤と不燃性の酸化物(酸化
カルシウム)が付着され、更に、炭酸カルシウムの熱分
解により発生した炭酸ガス自体の消火性が相乗的に加わ
るため、天ぷら油の表面は酸素(空気)の供給が遮断さ
れた所謂窒息状態となるゆえ、短時間で天ぷら油の火が
消えるというメカニズムである。
【0034】実施例3の粉末洗剤組成物は、水13重量
%と、市販の粉末合成洗剤(純石鹸分に界面活性剤が総
量あたり20%配合されているもの)5重量%と、粒経
が5〜30μmのカキの貝殻微粉末82重量%とから構
成されているものであり、この粉末洗剤組成物を発火し
た天ぷら油の中に投げ入れると、約5〜8秒で天ぷら油
の火を消すことができ、実施例1の粉末洗剤組成物と同
様に初期消火のための擬消火剤として使用することがで
きることがわかった。
【0035】つぎに示す表1は、直径が34cmのてん
ぷら鍋に使用済みサラダ油500mlを入れ加熱発火さ
せた場合の消火実験のデーターである。 表1 利用物 使用量 消火に要する時間 湿った砂 カップ 5杯(500g) 消火できず 濡れた雑巾 2枚 消火できず 防災シート 1杯 消火できず 鍋蓋 鍋口に合うもの 消火できず 鍋蓋 鍋口より大きいもの 消火できず 濡れ新聞 5枚 30〜40秒 台所用液体洗剤 1本(500ml) 20〜30秒 水シャワー 50ml/秒 10〜20秒 水シャワー 200ml/秒 8〜10秒 消火フラワー 1束 (100g) 15〜20秒 濡れ毛布 1枚 15〜25秒 濡れバスタオル 1枚 10〜15秒 専用消火器 50ml/秒 3〜5秒 実施例1 カップ 2杯(200g) 4〜7秒 実施例2 カップ 2杯(200g) 5〜8秒 実施例3 カップ 2杯(200g) 5〜8秒
【0036】このデータからみて、本実施例の粉末洗剤
組成物の消火効果は、強化液消火器より劣るけれども、
濡れた雑巾、消火フラワー、濡れ毛布或いは濡れバスタ
オルよりも優れていることは明らかである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る粉末
洗剤組成物は、天然由来の高級脂肪酸塩を主たる洗浄成
分とする所謂「石鹸」の具有する洗浄力、易無燐化性、
耐硬水性、相溶性、易溶解性、低温安定性(耐寒性)泡
切れ、すすぎ性などの優れた作用効果を奏することに加
えて、つぎのような格別の作用効果を奏する。
【0038】(1) 「石鹸」の具有する付着物を溶遊させ
るという働き(洗浄力)と、微粉末状の例えば貝類の貝
殻の摩擦によって付着物を被洗浄面から分離させるとい
う働きとの相乗効果により、洗浄効果はより増大される
こととなり、洗浄効率を高めることができる。 (2) 例えばカキの貝殻のような産業廃棄物を有効に活用
することができ、 (3) 自然環境を破壊することがない。 (4) 強化液消火器の代用物として使用可能でありかつ有
効な初期消火手段となる。
【0039】最後に、本発明の粉末洗剤組成物は、専用
の強化液消火器が身近にない場合に強化液消火器の代用
物として有効な初期消火手段となるものではあるが、洗
浄効果を有する専用の消火剤として開発したものではな
い。油火災の初期消火手段として、専用の消火器を備え
万が一の災害に対処することが最も重要である。本発明
を誤って理解したり認識してはいけない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志水 双葉 愛知県名古屋市中区栄五丁目8番28号 株 式会社フタバ化学内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、
    又は複合石鹸に、貝類の貝殻の微粉末、甲殻動物の外殻
    の微粉末、卵の卵殻の微粉末、又はいかの甲(骨)の微
    粉末からなる微粉末群より選択された少なくとも1以上
    の微粉末が配合されていることを特徴とする粉末洗剤組
    成物。
  2. 【請求項2】カリ石鹸、ソーダ石鹸、これらの混合物、
    若しくは複合石鹸に、アルカリ金属又はアルカリ土類金
    属の炭酸塩からなる群より選択された少なくとも1種以
    上が配合され、該炭酸塩が少なくとも1000℃以下で
    熱分解して炭酸ガスを発生することを特徴とする粉末洗
    剤組成物。
  3. 【請求項3】前記粉末洗剤組成物に、貝類の貝殻の微粉
    末、甲殻動物の外殻の微粉末、卵の卵殻の微粉末、又は
    いかの甲(骨)の微粉末からなる微粉末群より選択され
    た少なくとも1以上の微粉末が配合されていることを特
    徴とする請求項2記載の粉末洗剤組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007302840A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Takenet:Kk 洗濯用洗剤組成物
CN105907492A (zh) * 2016-04-26 2016-08-31 湖北神地农业生物技术有限公司 一种天然果蔬清洗粉及其制备方法
RU2671820C1 (ru) * 2018-07-06 2018-11-07 Юлия Алексеевна Щепочкина Способ изготовления мыла
CN116396806A (zh) * 2023-03-01 2023-07-07 集美大学 一种含壳类废弃物的去污剂及其制备方法

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