JPH09241653A - 粘結剤添加による高炉用コークス製造方法 - Google Patents
粘結剤添加による高炉用コークス製造方法Info
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- JPH09241653A JPH09241653A JP5436196A JP5436196A JPH09241653A JP H09241653 A JPH09241653 A JP H09241653A JP 5436196 A JP5436196 A JP 5436196A JP 5436196 A JP5436196 A JP 5436196A JP H09241653 A JPH09241653 A JP H09241653A
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Abstract
留分を装入炭に添加して混合後、乾留することにより非
微粘結炭を0〜60wt%含む装入炭を使用して高強度
の高炉用コークスを製造する方法を提示する。 【解決手段】 コークス製造時に発生するコールタール
中の軽質留分を分離除去し、前記コールタール中のオイ
ル分が20wt%以下で、ヘキサンに不溶でトルエン可
溶成分を40〜80wt%、およびトルエンに不溶な成
分を残りの0〜40wt%含むタール重質成分を回収し
た後、原料炭に添加して混合し、コークス炉に装入して
乾留しコークスを製造することを特徴とする高炉用コー
クス製造方法。
Description
造プロセスにおいて高強度のコークスを得るためのコー
クス製造方法を提示する。
は、原料炭の構成は粘結性の高い粘結炭を約80wt%
以上と残りの前記原料炭中の約20wt%以下を粘結性
の低い非微粘結炭を配合した原料炭をコークス炉に装入
して乾留することにより高炉用コークス原料炭を製造し
ている。非微粘結炭は粘結炭に比べて埋蔵量が多く、価
格が安価であるため、前記非微粘結炭の配合割合を増加
させることにより原料炭の価格を低減させることが可能
となる。そこで、従来より原料炭に粘結剤を添加して原
料炭の粘結性を向上させることにより原料炭中の非微粘
結炭の使用割合を増加させる方法の開発が実施されてお
り、以下のような方法が提案されている。例えば、アス
ファルト等の石油系重質留分を原料炭に添加し石炭の粘
結性を向上させることにより、粘結炭の配合割合を削減
して非微粘結炭の配合割合を増加させ、良質なコークス
を製造する方法が「石炭化学と工業」(三共出版
(株)、昭和52年版、p.315)等に公表されてい
る。しかし、アスファルトの単純添加では原料炭の流動
性は向上するが、原料炭の膨張性が増加しないため、高
強度の高炉用コークスが製造できないという問題点があ
る。
のコークスを製造するために、例えば、石炭化学と工業
(三共出版編、昭和52年版、p.253)に記載され
ているように、石炭を高温高圧下で液化反応させて得ら
れる溶剤精製炭(またはSRCという)をバインダーと
して原料炭に添加する方法が提案されている。しかし、
このSRC製造法は石炭液化反応プロセスの設備コスト
およびランニングコストが非常に高いため、パイロット
プラント規模の研究開発は終了しているものの、未だ実
機化されていないのが現状である。
を低減させる方法として、安価で多量の粘結剤を安定的
に製造する方法を確立し、良質な粘結剤を原料炭に添加
することにより原料炭の粘結性を向上させ、原料炭中の
非微粘結炭の使用割合を増加させる方法の開発が必要と
されていた。
粘結剤を添加することにより、原料炭の粘結性を向上さ
せ、原料炭中の非微粘結炭の使用割合を増加させ、高強
度の高炉用コークスを製造する方法の開発が望まれてい
た。
るための粘結剤の改質方法、および粘結剤添加方法を提
示することを目的とする。
ス製造方法に関する。より詳しく述べると、本発明は、
非微粘結炭を0〜60wt%含む原料炭にタール中の重
質留分を添加して混合後、乾留することにより高強度の
高炉用コークスを製造することを特徴とする粘結剤添加
による高炉用コークス製造方法である。また、タールを
200〜350℃で蒸留してタール中のヘキサン可溶分
を20wt%以下とし、ヘキサン不溶でトルエン可溶成
分を40〜80wt%、トルエンに不溶な成分を残りの
0〜40wt%に調整したタール重質留分を原料炭に添
加して混合後、乾留することを特徴とする粘結剤添加に
よる高炉用コークス製造方法である。
明する。
方法を示す図である。1はコークス炉、2はタール分離
改質設備、3は原料炭と粘結剤の混合装置を各々示す。
コークス炉1で乾留すると、コークスが約70〜80w
t%、タールが約3〜5wt%、ガスが約15〜27w
t%程度発生する。コークス炉1で発生したタールは蒸
留設備2により軽質留分と重質留分に分離し、重質留分
を混合設備3に送液する。ここで、軽質留分とは、BT
X等を主成分とするタール軽質油およびフェノール類、
ナフタリン類等を主成分とするタール中質油を示してお
り、これらの成分は化学原料として付加価値の高いもの
である。これに対して重質留分とはクレオソート油、ア
ントラセン油、中ピッチ等を主成分とするタール重質油
を示す。原料炭は3mm以下の粒度が75〜80wt%
程度以上となるように予め粒度調整しておく。原料炭と
前記タール分離改質設備で分離したタール重質留分を混
合設備3で混合した後、コークス炉1に装入して乾留
し、コークスを製造する。
造プロセスをシミュレート可能な乾留試験装置により、
表1に示す性状の石炭を用いてコークスを製造する方法
について検討した。タール中の成分は図2に示すように
ヘキサン、トルエン、キノリンの各溶剤により分子量別
に分離される。本明細書では、ヘキサン可溶分をオイル
分、ヘキサンに不溶でトルエンに可溶な成分をγ(ガン
マ)レジン、トルエンに不溶でキノリンに可溶な成分を
β(ベータ)レジン、キノリンに不溶な成分をα(アル
ファ)レジンとする。
蒸留してタール中のオイル分を20wt%以下に低下さ
せ、γレジンを40〜80wt%、βレジンとαレジン
の合計を残りの0〜40wt%に調整したタール重質留
分をタール分離改質留設備から回収して原料炭に添加す
ることにより、原料炭の流動性、および膨張性を著しく
向上させることが可能となる。この結果、装入炭中の非
微粘結炭の使用割合を増加させても高強度の高炉用コー
クスを製造可能となることが判明した。
た場合と比べて、オイル分を20wt%以下で、かつγ
レジンを40〜80wt%、βレジンとαレジンの合計
を残りの0〜40wt%に調整したタール重質留分を添
加した方がコークス強度が著しく向上することが判明し
た。
改質設備より回収されるタール中のオイル分は高付加価
値な化学原料として、タール重質留分は原料炭の粘結剤
として有効に使用することにより大きなメリットを創出
することが可能となる。
ールからタール重質留分を安定的に分離回収する方法と
しては蒸留による方法が好ましく、蒸留方法としては、
減圧蒸留方法、常圧蒸留方法、および溶剤抽出方法など
が有るが、特に蒸留塔内のコーキングを防止する観点か
ら減圧蒸留方法が好ましい。
うにBTX等を主成分とするオイル分を20wt%以
下、かつγレジンを40〜80wt%、βレジンとαレ
ジンの合計が残りの0〜40wt%含むタール重質留分
を減圧蒸留設備から回収する方法が望ましい。
分離したオイル分が20wt%以下、かつγレジンを4
0〜80wt%、およびβレジンとαレジンの合計を0
〜40wt%含むタール重質留分を原料炭に添加した場
合の原料炭の流動性、および膨張性について調査した。
ル分が20wt%以下で、かつγレジンを40〜80w
t%、およびβレジンとαレジンの合計を残りの0〜4
0wt%含むタール重質留分を原料炭に添加した場合は
オイル分が20wt%超でγレジンを40wt%未満含
むタールを原料炭に添加した場合に比べて、原料炭の流
動性の向上効果が著しく、かつ流動開始温度が低下する
ため、流動範囲が増加することが判明した。これは、即
ち、原料炭の粘結性が向上していることを示すものであ
る。
40〜80wt%含むタール重質留分を原料炭に添加し
た場合はγレジンを40wt%未満含むタールを原料炭
に添加した場合と比べて、原料炭の膨張性は従来の1.
5倍以上まで大幅に増加することが判明した。
により分離したタール中のγレジン含有量とコークス強
度の関係について鋭意、調査検討した。この結果、図5
に示すようにタール中のγレジンが40wt%未満の場
合に比べて、タール中のγレジンの含有量が40wt%
以上の場合はコークス強度が著しく向上することが判明
した。
ついて検討した。図1に本発明に関するコークス製造設
備のフローを示す。コークス炉1で発生したタールを蒸
留設備2で200〜350℃で蒸留してタール中のヘキ
サン可溶分を20wt%以下、ヘキサンに不溶でトルエ
ンに可溶な成分を40〜80wt%、トルエンに不溶な
成分を残りの0〜40wt%に調整して得られるタール
重質留分を得る。混合設備3で前記タール重質留分を原
料炭に対して重量比で2〜10wt%添加して混合後、
コークス炉1で乾留する。原料炭は水分7%以下を含む
50〜100℃の乾燥炭、あるいは水分7〜12%を含
む常温の湿炭のいずれでも良い。混合設備3で前記ター
ル重質留分と混合した石炭を、コークス炉1で乾留して
コークスを製造した。原料炭とタール重質留分の混合設
備としては回転式ドラムミキサーおよび攪拌羽根付きミ
キサー等が好ましい。
含む原料炭を用いても強度が高いコークスを製造するこ
とができる。
の粘結性が低下しコークス強度が低下するため、非微粘
結炭の使用割合の上限は60wt%とすることが好まし
い。本発明でタール中の重質留分とは常圧での沸点が3
00℃以上の成分を示す。本発明のタールは例えば、タ
ール重質留分を添加した原料炭をコークス炉で乾留した
際に発生するタールを原料として蒸留塔で蒸留して分離
回収したものである。通常、コークス炉からのタールの
発生量は対装入炭あたり、3〜4wt%程度であり、こ
のうち重質留分は約60〜70wt%程度である。装入
炭にタール重質留分を添加してコークス炉で乾留する
と、前記タールのうち約40〜60wt%が再度タール
として回収される。即ち、装入炭に添加するタール量に
よって規定されるため、本発明者らが検討した結果、装
入炭に対するタール重質留分の添加量は5wt%程度が
好ましい。
K 2151 に記載されているドラム強度試験法によ
り測定し、コークス試料を150回転後に15mm篩上
の残存した重量比で表したものを示す。
(CI)が80%以下の石炭を示す。粘結力指数(C
I)とは石炭利用技術用語辞典(社団法人燃料協会編、
昭和58年版)p.255に記載されているように0.
25mm以下の石炭1gに0.25〜0.30mmの粉
コークス9gを混ぜ、磁性るつぼで900℃、7分間乾
留した後、0.42mmでふるい分けし、ふるい上に残
存した重量の百分率で表示する方法である。
01 に記載されているギーセラープラストメーターに
より測定した値である。
801 に記載されているディラトメーターにより測定
した値である。
0wt%,粘結炭を60wt%含む原料炭(B配合)に
ドラムミキサーでタール重質留分を10wt%添加した
後、コークス炉に装入して乾留した。原料炭は乾燥機で
150℃に予熱し、水分を2.0%に調整したものを用
いた。粘結剤を添加した原料炭をコークス炉の炉温12
00℃、16時間で乾留した。原料炭に添加したタール
重質留分は減圧蒸留塔により減圧蒸留塔の塔頂温度25
0℃、塔頂圧力270torrで蒸留して前記減圧蒸留
塔留底から流出した流出液で、オイル分の割合が4wt
%でヘキサン不溶でトルエン可溶成分の割合が79wt
%で、ヘキサン不溶分が17wt%のものである。
られたコークスの強度は85.0%と高く、高強度のコ
ークスが製造できた。
0wt%含む原料炭(B配合)にドラムミキサーでオイ
ル分が56%でヘキサン不溶でトルエン可溶成分を39
%,およびヘキサン不溶分を5wt%含むタールを原料
炭に対して10wt%添加した後、コークス炉に装入し
て乾留した。原料炭は乾燥機で150℃に予熱し、水分
を2.0%に調整したものを用いた。粘結剤を添加した
原料炭をコークス炉の炉温1200℃、16時間で乾留
した。この結果、図5の(○)に示すように、得られた
コークスの強度は83.5%と低い。
wt%,粘結炭を60wt%含む原料炭(B配合)にド
ラムミキサーでオイル分が23wt%でヘキサン不溶で
トルエン可溶成分を26wt%,およびヘキサン不溶分
を51wt%含むタール重質留分を原料炭に対して10
wt%添加した後、コークス炉に装入して乾留した。原
料炭は乾燥機で150℃に予熱し、水分を2.0%に調
整したものを用いた。粘結剤を添加した原料炭をコーク
ス炉の炉温1200℃、16時間で乾留した。この結
果、図5の(△)に示すように、得られたコークスの強
度は81.0%と低く、高炉用コークスとしての強度が
不充分である。
0wt%,粘結炭を40wt%含む原料炭(A配合)に
ドラムミキサーでタール重質留分を10%添加した後、
コークス炉に装入して乾留した。原料炭は乾燥機で15
0℃に予熱し、水分を2.0%に調整したものを用い
た。粘結剤を添加した原料炭をコークス炉の炉温120
0℃、16時間で乾留した。原料炭に添加したタール重
質留分は減圧蒸留塔により減圧蒸留塔の塔頂温度250
℃、塔頂圧力270torrで蒸留して前期減圧蒸留塔
留底から流出した流出液で、オイル分が4%でヘキサン
不溶でトルエン可溶成分の割合が79%,およびヘキサ
ン不溶分が17wt%のものである。この結果、図6の
(●)に示すように、得られたコークスの強度は84.
5%と高く、高強度のコークスが製造できた。
0wt%含む原料炭(A配合)にドラムミキサーでオイ
ル分が56%でヘキサン不溶でトルエン可溶成分を39
%、およびヘキサン不溶分を5wt%含むタールを原料
炭に対して10%wt添加した後、コークス炉に装入し
て乾留した。原料炭は乾燥機で150℃に予熱し、水分
を2.0%に調整したものを用いた。粘結剤を添加した
原料炭をコークス炉の炉温1200℃、16時間で乾留
した。この結果、図6の(○)に示すように、得られた
コークスの強度は81.5%と低く、高炉用コークスと
しての強度が不充分である。
wt%,粘結炭を60wt%含む原料炭(A配合)にド
ラムミキサーでオイル分が23%でヘキサン不溶でトル
エン可溶成分を26%,およびヘキサン不溶分を51w
t%含むタール重質留分を原料炭に対して10wt%添
加した後、コークス炉に装入して乾留した。原料炭は乾
燥機で150℃に予熱し、水分を2.0%に調整したも
のを用いた。粘結剤を添加した原料炭をコークス炉の炉
温1200℃、16時間で乾留した。この結果、図6の
(△)に示すように、得られたコークスの強度は78.
0%と低く、高炉用コークスとしての強度が不充分であ
る。
ークス製造プロセスにおいて安価な非微粘結炭の使用割
合を大幅に増加させ、高強度の高炉用コークスを製造す
ることが可能となった。本発明の技術的、経済的な効果
は非常に大きい。
を示す図。
ルの区分を示す図。
す図。
す図。
添加量に対するドラム強度の関係を示す図。
添加量に対するドラム強度の関係を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 非微粘結炭を0〜60wt%含む原料炭
にタール中の重質留分を添加して混合後、乾留すること
により高強度の高炉用コークスを製造することを特徴と
する粘結剤添加による高炉用コークス製造方法。 - 【請求項2】 タールを200〜350℃で蒸留してタ
ール中のヘキサン可溶分を20wt%以下、ヘキサンに
不溶でトルエンに可溶な成分を40〜80wt%、トル
エンに不溶な成分を残りの0〜40wt%に調整したタ
ール重質留分を原料炭に添加して混合後、乾留すること
を特徴とする請求項1記載の粘結剤添加による高炉用コ
ークス製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05436196A JP3816979B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 粘結剤添加による高炉用コークス製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05436196A JP3816979B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 粘結剤添加による高炉用コークス製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09241653A true JPH09241653A (ja) | 1997-09-16 |
JP3816979B2 JP3816979B2 (ja) | 2006-08-30 |
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ID=12968515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05436196A Expired - Lifetime JP3816979B2 (ja) | 1996-03-12 | 1996-03-12 | 粘結剤添加による高炉用コークス製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3816979B2 (ja) |
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JP2007002052A (ja) * | 2005-06-22 | 2007-01-11 | Nippon Steel Corp | 高強度コークスの製造方法 |
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KR100983369B1 (ko) * | 2003-12-23 | 2010-09-20 | 주식회사 포스코 | 장입탄 밀도 증가를 위한 정량 오일 공급장치 |
JP2016222790A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | Jfeスチール株式会社 | フェロコークス原料の成型方法及びフェロコークスの製造方法 |
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-
1996
- 1996-03-12 JP JP05436196A patent/JP3816979B2/ja not_active Expired - Lifetime
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