JPH09241182A - 光開始剤及びそれを用いた光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光開始剤及びそれを用いた光硬化性樹脂組成物

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JPH09241182A
JPH09241182A JP7147896A JP7147896A JPH09241182A JP H09241182 A JPH09241182 A JP H09241182A JP 7147896 A JP7147896 A JP 7147896A JP 7147896 A JP7147896 A JP 7147896A JP H09241182 A JPH09241182 A JP H09241182A
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meth
acrylate
phenyl
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derivative
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Application number
JP7147896A
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English (en)
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Yasuho Mukai
哉須浦 向井
Takuhiko Jinno
卓彦 神野
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Koei Chemical Co Ltd
Original Assignee
Koei Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線照射により光開始剤としての機能及び
紫外線吸収剤としての機能の2つの機能を発現する光開
始剤を提供すること、並びに当該光開始剤を用いた光硬
化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 一般式(1): 【化1】 (R1はアクリロイル基、アセチル基、ベンゾイル基又
はフェニルスルホニル基、R2はアルキル基又はアルコ
キシ基)で示されるサリチル酸フェニル誘導体からなる
光開始剤、並びに分子中に1個以上の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導
体及び上記一般式(1)で示されるサリチル酸フェニル
誘導体を含有する光硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光開始剤及びそれ
を用いた光硬化性樹脂組成物に関し、詳しくは光開始剤
としての機能及び紫外線吸収剤としての機能を発現する
光開始剤及びそれを用いた光硬化性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光開始剤としての機能を有する化
合物としては、ベンゾフェノン系化合物(4−ヒドロキ
シベンゾフェノン系化合物)、ベンゾインアルキルエー
テル系化合物、アントラキノン系化合物、ケタール系化
合物、チオキサントン系化合物等が知られている。しか
しながら、これらの化合物は、紫外線吸収剤としての機
能を有していない。
【0003】また、紫外線吸収剤としての機能を有する
化合物としては、ベンゾフェノン系化合物(2−ヒドロ
キシベンゾフェノン系化合物)、ベンゾトリアゾール系
化合物、ベンゾエート系化合物、シアノアクリレート系
化合物等が知られている。しかしながら、これらの化合
物は光開始剤としての機能を有していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光開
始剤としての機能及び紫外線吸収剤としての機能の2つ
の機能を発現する光開始剤を提供すること並びに当該光
開始剤を用いた光硬化性樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を行った。その結果、特定の構
造を有するサリチル酸フェニル誘導体が、紫外線の照射
を受けると光開始剤としての機能及び紫外線吸収剤とし
ての機能の2つの機能を発現すること、そして当該特定
構造のサリチル酸フェニル誘導体及び分子中に1個以上
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アク
リル酸エステル誘導体を含有する樹脂組成物に紫外線を
照射すると該組成物が硬化し且つ得られた硬化物は紫外
線暴露による黄変が抑制されることを見出し本発明を完
成した。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(1):
【化3】 (式中、R1はアクリロイル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基又はフェニルスルホニル基を表し、R2はアルキル
基又はアルコキシ基を表す。)で示されるサリチル酸フ
ェニル誘導体からなることを特徴とする光開始剤、並び
に当該サリチル酸フェニル誘導体及び前記(メタ)アク
リル酸エステル誘導体を含有することを特徴とする光硬
化性樹脂組成物に関する。
【0007】本発明の一般式(1)で示されるサリチル
酸フェニル誘導体(以下、サリチル酸フェニル誘導体
(1)という。)の上記2機能の発現は、サリチル酸フ
ェニル誘導体(1)が紫外線照射により紫外線を吸収し
て、一般式(2):
【0008】
【化4】 (式中、R1及びR2は上記と同じ。)で示される化合物
及び一般式(3):
【0009】
【化5】 (式中、R1及びR2は上記と同じ。)で示される化合物
に光フリース転位して、前者が光開始剤としての機能
を、そして後者が紫外線吸収剤としての機能を夫々発現
することによると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のサリチル酸フェニル誘導
体(1)において、式中、R1はアクリロイル基、アセ
チル基、ベンゾイル基又はフェニルスルホニル基を表
し、R2はアルキル基又はアルコキシ基を表す。R2で表
されるアルキル基としては、メチル基、エチル基等の低
級アルキル基を挙げることができ、アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基を挙
げることができる。
【0011】サリチル酸フェニル誘導体(1)の具体例
としては、2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニル、
2−アクリロイルオキシ−3−メチル安息香酸フェニ
ル、2−アクリロイルオキシ−4−メチル安息香酸フェ
ニル、2−アクリロイルオキシ−5−メチル安息香酸フ
ェニル、2−アクリロイルオキシ−3−メトキシ安息香
酸フェニル等の2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニ
ル類、2−アセトキシ安息香酸フェニル、2−アセトキ
シ−3−メチル安息香酸フェニル、2−アセトキシ−4
−メチル安息香酸フェニル、2−アセトキシ−5−メチ
ル安息香酸フェニル、2−アセトキシ−3−メトキシ安
息香酸フェニル等の2−アセトキシ安息香酸フェニル
類、2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル、2−ベン
ゾイルオキシ−3−メチル安息香酸フェニル、2−ベン
ゾイルオキシ−4−メチル安息香酸フェニル、2−ベン
ゾイルオキシ−5−メチル安息香酸フェニル、2−ベン
ゾイルオキシ−3−メトキシ安息香酸フェニル等の2−
ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル類、2−フェニルス
ルホニルオキシ安息香酸フェニル、2−フェニルスルホ
ニルオキシ−3−メチル安息香酸フェニル、2−フェニ
ルスルホニルオキシ−4−メチル安息香酸フェニル、2
−フェニルスルホニルオキシ−5−メチル安息香酸フェ
ニル、2−フェニルスルホニルオキシ−3−メトキシ安
息香酸フェニル等の2−フェニルスルホニルオキシ安息
香酸フェニル類を挙げることができる。
【0012】サリチル酸フェニル誘導体(1)は、アル
カリ又は第三級アミン存在下、下記一般式(4):
【0013】
【化6】 (式中、R2は上記と同じ。)で示される化合物(以
下、化合物(4)という。)をアクリル酸ハライド、安
息香酸ハライド、酢酸ハライド又はベンゼンスルホン酸
ハライドと反応させる方法により容易に得ることができ
る。
【0014】化合物(4)としては、例えば、2−ヒド
ロキシ安息香酸フェニル、2−ヒドロキシ−3−メチル
安息香酸フェニル、2−ヒドロキシ−4−メチル安息香
酸フェニル、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸フェ
ニル、2−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸フェニル
等を挙げることができる。
【0015】アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等が、第三級アミンとしてはトリエチルアミ
ン、ピリジン等が挙げられる。
【0016】アクリル酸ハライドとしては、アクリル酸
クロリド、アクリル酸ブロミド等を挙げることができ、
安息香酸ハライドとしては、安息香酸クロリド、安息香
酸ブロミド等を、酢酸ハライドとしては、酢酸クロリ
ド、酢酸ブロミド等を、ベンゼンスルホン酸ハライドと
しては、ベンゼンスルホン酸クロリド、ベンゼンスルホ
ン酸ブロミド等を挙げることができる。
【0017】反応は、例えば、化合物(4)とアルカリ
水溶液との混合溶液又は化合物(4)と第三級アミンと
有機溶剤との混合溶液を0〜5℃に保持しながら、該溶
液中にアクリル酸ハライド、安息香酸ハライド、酢酸ハ
ライド又はベンゼンスルホン酸ハライドを滴下して行え
ばよい。
【0018】化合物(4)1モルに対して、アクリル酸
ハライド、安息香酸ハライド、酢酸ハライド又はベンゼ
ンスルホン酸ハライドは1〜2モル、アルカリ又は第三
級アミンは1〜2モルのモル比で使用される。有機溶剤
としては、トルエン、テトラヒドロフラン等を使用すれ
ばよい。
【0019】このようにして製造されたサリチル酸フェ
ニル誘導体(1)は、紫外線の照射を受けて光開始剤と
しての機能及び紫外線吸収剤としての機能を発現する化
合物であると共に、種々の重合性オリゴマー、重合性モ
ノマーとの相溶性にも優れている。したがって、塗料、
成形材料等の成分として好適に使用でき、上記2機能を
備えた製品を提供できる。
【0020】即ち、本発明の分子中に1個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸
エステル誘導体(以下、(メタ)アクリル酸エステル誘
導体という。)及びサリチル酸フェニル誘導体(1)を
含有する光硬化性樹脂組成物は、紫外線の照射により硬
化し、そして得られた硬化物は紫外線暴露による黄変が
抑制される耐候性に優れた物品となる。
【0021】本発明の光硬化性樹脂組成物における(メ
タ)アクリル酸エステル誘導体としては、分子中に1個
以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する(メタ)
アクリレートモノマー(以下、(メタ)アクリレートモ
ノマーという。)、分子中に2個以上の(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有する(メタ)アクリレートオリゴマ
ー(以下、(メタ)アクリレートオリゴマーという。)
等の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の少なく
とも1種である。なお、(メタ)アクリロイルオキシ基
とはアクリロイルオキシ基、メタアクリロイルオキシ基
を、(メタ)アクリル酸エステル誘導体とはアクリル酸
エステル誘導体、メタアクリル酸エステル誘導体を意味
し、(メタ)アクリレートモノマー及び(メタ)アクリ
レートオリゴマーについても同様である。
【0022】(メタ)アクリレートモノマーとしては、
分子中に1個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
単官能(メタ)アクリレートモノマー(以下、単官能
(メタ)アクリレートモノマーという。)、分子中に2
個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する2官能(メ
タ)アクリレートモノマー(以下、2官能(メタ)アク
リレートモノマーという。)及び分子中に少なくとも3
個の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する多官能(メ
タ)アクリレートモノマー(以下、多官能(メタ)アク
リレートモノマーという。)が挙げられる。(メタ)ア
クリレートモノマーは1種又は2種以上使用できる。
【0023】単官能(メタ)アクリレートモノマーの具
体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシ
エチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキ
シエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレ
ート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレートの他、カルボキシル基含有の(メタ)アクリレ
ートモノマーとして、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルヘキサヒドロフタル酸、カルボキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコ
ハク酸、N−(メタ)アクリロイルオキシ−N´,N´
−ジカルボキシ−p−フェニレンジアミン、4−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルトリメリット酸などが挙
げられる。また、単官能(メタ)アクリレートモノマー
には、N−ビニルピロリドンのようなビニル基含有モノ
マー及び4−(メタ)アクリロイルアミノ−1−カルボ
キシメチルピペリジンのような(メタ)アクリロイルア
ミノ基含有モノマーが包含される。
【0024】2官能(メタ)アクリレートモノマーとし
ては、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
類、ポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリ
レート類、ハロゲン置換アルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート類、脂肪族ポリオールのジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールA又はビスフェノールFの
アルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート
類、ビスフェノールA又はビスフェノールFのエポキシ
ジ(メタ)アクリレート類等が代表的なものであるが、
これらに限定されるものではなく種々のものが使用でき
る。2官能ジ(メタ)アクリレートモノマーの具体例と
しては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノ
ナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ートの他、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4
−(メタ)アクリロイルオキシエトキシエトキシフェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイ
ルオキシエトキシエトキシシクロヘキシル]プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキ
シエトキシフェニル]メタン、水添ジシクロペンタジエ
ニルジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート類が挙げ
られる。
【0025】多官能(メタ)アクリレートモノマーとし
ては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3価以上の脂
肪族ポリオールのポリ(メタ)アクリレートが代表的な
ものであり、その他に、3価以上のハロゲン置換ポリオ
ールのポリ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキ
レンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物のトリ
(メタ)アクリレート、1,1,1−トリス[(メタ)
アクリロイルオキシエトキシエトキシ]プロパン、トリ
ス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)
アクリレート類が挙げられる。
【0026】(メタ)アクリレートオリゴマーとして
は、2官能以上の多官能ウレタン(メタ)アクリレート
オリゴマー(以下、多官能ウレタン(メタ)アクリレー
トオリゴマーという。)、2官能以上の多官能ポリエス
テル(メタ)アクリレートオリゴマー(以下、多官能ポ
リエステル(メタ)アクリレートオリゴマーとい
う。)、2官能以上の多官能エポキシ(メタ)アクリレ
ートオリゴマー(以下、多官能エポキシ(メタ)アクリ
レートオリゴマーという。)などが挙げられる。(メ
タ)アクリレートオリゴマーは、1種又は2種以上使用
できる。
【0027】多官能ウレタン(メタ)アクリレートオリ
ゴマーとしては、1分子中に少なくとも1個の(メタ)
アクリロイルオキシ基及び水酸基を有する(メタ)アク
リレートモノマーとポリイソシアネートとのウレタン化
反応生成物、ポリオール類をポリイソシアネートと反応
させて得られるイソシアネート化合物と1分子中に少な
くとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸基
を有する(メタ)アクリレートモノマーとのウレタン化
反応生成物などが挙げられる。
【0028】ウレタン化反応に用いられる1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイルオキシ基及び水酸
基を有する(メタ)アクリレートモノマーとしては、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)
アクリレートなどが挙げられる。
【0029】ウレタン化反応に用いられるポリイソシア
ネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リ
ジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、これら
ジイソシアネートのうち芳香族のイソシアネート類を水
素添加して得られるジイソシアネート(例えば、水素添
加トリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイ
ソシアネートなどのジイソシアネート)、トリフェニル
メタントリイソシアネートなどのジ又はトリのポリイソ
シアネート、或はジイソシアネートを多量化させて得ら
れるポリイソシアネートなどが挙げられる。
【0030】ウレタン化反応に用いられるポリオールと
しては一般的に芳香族、脂肪族及び脂環式のポリオール
の他、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル等が使用される。通常、脂肪族及び脂環式のポリオー
ルとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチロールエタン、ト
リメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジメチ
ロールヘプタン、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロ
ールブチリオン酸、グリセリン、水添ビスフェノールA
などが挙げられる。
【0031】ポリエステルポリオールとしては、前記の
ポリオール類と多塩基性カルボン酸(無水物)との脱水
縮合反応により得られるものである。多塩基性カルボン
酸の具体的な化合物としては、(無水)コハク酸、アジ
ピン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、
(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘ
キサヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸などが挙げられる。
【0032】また、多官能ポリエステル(メタ)アクリ
レートオリゴマーは、(メタ)アクリル酸、多塩基性カ
ルボン酸(無水物)及びポリオールの脱水縮合反応によ
り得られる。脱水縮合反応に用いられる多塩基性カルボ
ン酸(無水物)としては、(無水)コハク酸、アジピン
酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、(無
水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、ヘキサ
ヒドロ(無水)フタル酸、(無水)フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸などが挙げられる。また、脱水縮合
反応に用いられるポリオールとしては、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、ジメチロールヘプタン、ジメチロー
ルプロピオン酸、ジメチロールブチリオン酸、グリセリ
ン、水添ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0033】また、多官能エポキシ(メタ)アクリレー
トオリゴマーはポリグリシジルエーテルと(メタ)アク
リル酸との付加反応により得られる。ポリグリシジルエ
ーテルとしては、エチレングリコールジグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ト
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6
−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0034】本発明の光硬化性樹脂組成物におけるサリ
チル酸フェニル誘導体(1)の使用量は、(メタ)アク
リル酸エステル誘導体100重量部に対して1〜20重
量部、好ましくは3〜15重量部である。サリチル酸フ
ェニル誘導体(1)の使用量が、上記範囲よりも少ない
と本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化速度が低下し、ま
た上記範囲よりも多いと硬化後の硬化物が着色する。
【0035】また本発明の光硬化性樹脂組成物には、目
的に応じて、溶剤、種々の添加剤、例えば増粘剤、酸化
防止剤、光安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、艶消し
剤、増感剤などを配合しても差し支えない。
【0036】溶剤としては、エチルアルコール、n−プ
ロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノ
アルキルエーテル類等のアルコール系溶剤、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類などが挙げられる。
【0037】本発明の光硬化性樹脂組成物は、通常、適
切な溶剤と混合して合成樹脂成形品、金属、木材等の種
々の基材の表面に塗布した後、その塗布面に100mJ
/cm2以上のエネルギーを照射すれば、サリチル酸フ
ェニル誘導体(1)が光開始剤及び紫外線吸収剤として
の機能を発現して当該樹脂組成物を硬化し、基材表面に
硬度、耐候性等に優れた硬化被膜を形成する。通常は紫
外線を照射して硬化せしめるが、紫外線以外の活性エネ
ルギー線、例えば、α線、β線、γ線、電子線等を照射
して硬化せしめることもできる。このように本発明の光
硬化性樹脂組成物は、紫外線等の活性エネルギー線の照
射により種々の基材の保護被膜を形成する塗料として有
用である。
【0038】本発明の光硬化性樹脂組成物を表面塗布す
る合成樹脂成形品の基材としては、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂の区別なく使用され、例えば、ポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネート、ポリアリルジグリコー
ルカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリスチロール、P
VC、ポリエステル樹脂、アセテート樹脂等が用いられ
る。また、合成樹脂成形品の形状としては、一般の成形
品の他、シート、フィルム等も対象となる。
【0039】塗布の方法としては、カーテンフロー塗
装、スプレー塗装、ロール塗装、浸漬法等公知の方法を
適宜用いればよい。要は所望の均一な厚みと、平滑な表
面が得られる方法であればよく、被塗布物の形状に応じ
て、適宜選ぶことができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例をもって、本発明を更に具体的
に説明する。例中、部はすべて重量部基準である。
【0041】製造例1 2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニルの製造 攪拌機、温度計、均圧管付き滴下ロートを備えた1リッ
トル丸底フラスコ内に、2−ヒドロキシ安息香酸フェニ
ル64.2部、トリエチルアミン33.3部、トルエン
642部を仕込み、攪拌し、氷浴中0〜5℃でアクリル
酸クロリド29.9部を滴下ロートより30分で滴下し
た。滴下後、室温で2時間攪拌を続け反応させた。反応
終了後、反応液を5%炭酸ナトリウム水溶液500部で
2回洗浄した。静置分液したトルエン層に無水硫酸マグ
ネシウムを30部加え、一昼夜放置後、無水硫酸マグネ
シウムを濾過し、減圧下、40〜50℃でトルエンを除
去し、粗結晶を得た。得られた組結晶をシクロヘキサン
で再結晶して2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニル
64.3部(収率80%)を得た。
【0042】製造例2 2−アセトキシ安息香酸フェニルの製造 製造例1のアクリル酸クロリド29.9部の代わりに酢
酸クロリド25.9部を用いた以外は製造例1と同様に
して2−アセトキシ安息香酸フェニル69.1部(収率
90%)を得た。
【0043】製造例3 2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニルの製造 製造例1のアクリル酸クロリド29.9部の代わりに安
息香酸クロリド46.4部を用いた以外は製造例1と同
様にして2−ベンゾイルオキシ安息香酸フェニル83.
0部(収率87%)を得た。
【0044】製造例4 2−フェニルスルホニルオキシ安息香酸フェニルの製造 製造例1のアクリル酸クロリド29.9部の代わりにベ
ンゼンスルホン酸クロリド58.3部を用いた以外は製
造例1と同様にして2−フェニルスルホニルオキシ安息
香酸フェニル90.3部(収率85%)を得た。
【0045】実施例1〜4 製造例1、2、3又は4で得たサリチル酸フェニル誘導
体(1)5部、UA−306H[商品名、共栄社油脂工
業(株)製ウレタンアクリレートオリゴマー]40部、
EB−1830[商品名、ダイセル・ユーシービー
(株)製ポリエステルアクリレートオリゴマー]30
部、A−400[商品名、新中村化学工業(株)製ポリ
エチレングリコール#400ジアクリレート]25部か
らなる組成物に、混合溶剤としてイソプロピルアルコー
ル/酢酸ブチル/エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(重量比:40/40/20)150部を加え、不揮
発分が40重量%に調整した。その調整液を2mm厚の
ポリカーボネートシートにバーNo.16のバーを使用
してバーコートし被膜を形成させ、60℃で3分間乾燥
後、当該シートを空気中にて高圧水銀灯(アイグラフィ
ックス社製、アイキュアーUE021−403C、50
0V、H02−L41(2))を用いて150mmの距
離から120W/cm、5秒間紫外線を照射した。いず
れのサリチル酸フェニル誘導体(1)を用いた場合も、
紫外線の照射により被膜が硬化し、紫外線照射前後の被
膜の紫外線スペクトルにおいて、紫外線照射前の被膜に
は見られなかった260nm及び340nmをピークと
する吸収が紫外線硬化後の被膜に認められた。紫外線照
射後の被膜の硬度、及び耐候性試験結果を表1に示す。
【0046】比較例1 2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニルを使用しない
以外は、実施例1と同様にして被膜を形成させ、紫外線
を照射した。結果を表1に示す。
【0047】比較例2 2−アクリロイルオキシ安息香酸フェニルの代わりにイ
ルガキュアー184(商品名、チバガイギー製1ーヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン)5部を使用した
以外は、実施例1と同様に行った。紫外線照射後の被膜
の硬度、及び耐候性試験結果を表1に示す。
【0048】
【表1】 1)硬度の測定は、JIS K5400の鉛筆引っ掻き
試験に準ずる。 2)耐候性試験は、試験機スーパーUVテスターを使用
し、紫外線暴露12時間・湿潤暴露12時間サイクル1
00時間での黄変度(YI値)を示す。黄変度の測定
は、JIS K7103の黄変度試験法に準ずる。 3)被膜が硬化せず測定できなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、R1はアクリロイル基、アセチル基、ベンゾイ
    ル基又はフェニルスルホニル基を表し、R2はアルキル
    基又はアルコキシ基を表す。)で示されるサリチル酸フ
    ェニル誘導体からなることを特徴とする光開始剤。
  2. 【請求項2】 分子中に1個以上の(メタ)アクリロイ
    ルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル誘導体
    及び一般式(1): 【化2】 (式中、R1はアクリロイル基、アセチル基、ベンゾイ
    ル基又はフェニルスルホニル基を表し、R2はアルキル
    基又はアルコキシ基を表す。)で示されるサリチル酸フ
    ェニル誘導体を含有することを特徴とする光硬化性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるサリチル酸フェ
    ニル誘導体の使用量が、分子中に1個以上の(メタ)ア
    クリロイルオキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステ
    ル誘導体100重量部に対して1〜20重量部である請
    求項2記載の光硬化性樹脂組成物。
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WO2009110496A1 (ja) * 2008-03-07 2009-09-11 富士フイルム株式会社 (メタ)アクリレート化合物、これを用いた硬化性組成物、光ナノインプリント用組成物、並びにこれらの硬化性組成物の硬化物およびその製造方法

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US8282872B2 (en) 2008-03-07 2012-10-09 Fujifilm Corporation (Meth)acrylate compound, curable composition using the same, curable composition for photo-nanoimprints, cured product of curable composition and method for manufacturing cured product

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