JPH0924054A - 外科的処置に用いられる皮膚準備用トレイ - Google Patents

外科的処置に用いられる皮膚準備用トレイ

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JPH0924054A
JPH0924054A JP8178278A JP17827896A JPH0924054A JP H0924054 A JPH0924054 A JP H0924054A JP 8178278 A JP8178278 A JP 8178278A JP 17827896 A JP17827896 A JP 17827896A JP H0924054 A JPH0924054 A JP H0924054A
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tray
solution
swabs
embossing
swab
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JP8178278A
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Lawrence Partika
パーティカ ローレンス
Vivekanand Arya
アーヤ ヴィヴェカナンド
Christopher Johnson
ジョンソン クリストファー
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Becton Dickinson and Co
Original Assignee
Becton Dickinson and Co
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    • A—HUMAN NECESSITIES
    • A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B50/00—Containers, covers, furniture or holders specially adapted for surgical or diagnostic appliances or instruments, e.g. sterile covers
    • A61B50/30—Containers specially adapted for packaging, protecting, dispensing, collecting or disposing of surgical or diagnostic appliances or instruments
    • A61B50/33—Trays
    • A—HUMAN NECESSITIES
    • A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61B—DIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B50/00—Containers, covers, furniture or holders specially adapted for surgical or diagnostic appliances or instruments, e.g. sterile covers
    • A61B50/30—Containers specially adapted for packaging, protecting, dispensing, collecting or disposing of surgical or diagnostic appliances or instruments
    • A61B2050/3008—Containers specially adapted for packaging, protecting, dispensing, collecting or disposing of surgical or diagnostic appliances or instruments having multiple compartments

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定に支持され、処置中におけるトレイの撓
みと溶液の飛散とを防止する。 【解決手段】 溶液と、該溶液を患者に塗布する１本以
上の塗布用スワブ５０とが用いられる医学的処置に使用
される準備用トレイ１０であり、１対の対向側部２２，
２４と、スワブおよび溶液等が入れておかれる各種エン
ボス部３０，３２，３４，３６とを有する平面状の薄板
２０を含む。この薄板の一方の対向側部２２上に、指穴
２６を設けることができる。このトレイ１０はさらに、
溶液をある量だけ保持する液槽エンボス部３６と連通す
る押圧面３８を含む。使用者は、この押圧面に塗布用ス
ワブを押し付けて圧搾して、スワブに吸収されている余
分な溶液を排除することができ、排除された溶液は、液
槽エンボス部へと戻る。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科的処置に用い
られる皮膚準備用トレイの改良に関し、特に、安定化構
造を有し、右利きおよび左利きのいずれの施術者でも手
軽に操作することができる皮膚準備用トレイの改良に関
する。
【０００２】なお、本明細書の記述は本件出願の優先権
の基礎たる米国特許出願第０８／４９９，３４０号（１
９９５年７月７日出願）の明細書の記載に基づくもので
あって、当該米国特許出願の番号を参照することによっ
て当該米国特許出願の明細書の記載内容が本明細書の一
部分を構成するものとする。
【０００３】
【従来の技術】患者の外科的処置に取りかかる前に、施
術者は、皮膚穿刺部位を消毒して、雑菌が皮膚を通して
不注意にも導入されることを防ぐ必要がある。消毒は一
般的にはヨー素溶液等の抗微生物液を用いて行なわれ、
この抗微生物液に浸した塗布用スワブが使用される。施
術者は通常的に円を描くような動作で抗微生物液を塗布
し、これによって皮膚の所望の部位を消毒する。１本の
スワブでは所望の部位を十分に消毒することができない
場合は、施術者は、使用したスワブを廃棄して、新しい
スワブを抗微生物液に浸す。一旦スワブを皮膚に接触さ
せてしまうと、正しい処置法として、これを再び抗微生
物液に浸さないことが求められる。
【０００４】施術者のこうした尽力を補助するために、
皮膚準備用トレイは、所定の外科的処置において施術者
が用いる予めパッケージ化された外科キットと一緒にし
ばしば使用される。皮膚準備用トレイは、外科キットの
取外し不能な一部分として組み込まれることもあれば、
外科キットから取り外すことができるユニットとして含
められることもあり、通常的に外部の溶液供給源から供
給されるヨー素溶液等の抗微生物液がある量だけ入れて
おかれる液槽部と、１本以上の塗布用スワブが載せてお
かれる部分と、施術者が一旦液槽部に浸したスワブから
余分な抗微生物液を排除するのを補助する何らかの種類
の剛質面、すなわち「圧力パッド」部とを特徴として有
しうる。液槽部またはスワブ保持部または加圧パッド部
の各々は、一体構造の皮膚準備用トレイ内に一括して組
み込まれることもあれば、そうでないこともある。一体
的な取外し不能の皮膚準備用トレイをその一部分として
組み込んだ外科キットの例として、「包帯交換キット
（Dressing Change Kits）」と題する米国特許第４，１
７０，３００号および「予め滅菌された医学的処置キッ
ト・パッケージ（Pre-Sterilized Medical Procedure K
it Packages ）」と題する米国特許第４，５２３，６７
９号があげられる。取外し可能なトレイまたは仕切区画
を有した外科キットの例としては、「カテーテル法用パ
ッケージ（Catheterization Package ）」と題する米国
特許第４，２２６，３２８号、「モジュラ式外科パッケ
ージの構成システム（Modular Surgical Packaging Sys
tem ）」と題する米国特許第５，１７８，２８２号およ
び「使い捨て肝臓生検トレイ（Disposable Liver Biosp
y Tray）」と題する米国特許第３，９８７，８９５号が
あげられる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】皮膚準備用トレイを設
計する上で考慮しなければならないことの１つは、抗微
生物液を外科キットのその他の器具から隔離して、これ
らの器具が、外部の溶液供給源または液槽部そのものの
いずれかから不意に跳ね返った溶液でも汚染されないよ
うにすることである。たとえば、器具上に落下したヨー
素溶液の飛沫は、ある種の患者ではヨー素アレルギー反
応を引き起こしうるからである。こうした理由から、一
部の外科キットは、皮膚準備用トレイそのものが外科キ
ットから取外し可能か否かにかかわりなく、外科キット
自体からも皮膚準備用トレイからも取外し可能な液槽部
を特徴として有する。このような構成では、患者の皮膚
を消毒するのに必要な全ての構成部品を、患者に隣接し
て提供される一般的な作業領域内に配置する上で不都合
なことが明らかになる場合がある。
【０００６】取外し可能な皮膚準備用トレイに付随する
１つの問題は、皮膚準備用トレイが使用中に不安定にな
りうるという点である。たとえば、患者に隣接して安定
な平坦面がなければ、施術者は、皮膚準備用トレイを一
方の手で保持しながら、もう一方の手でスワブを操作す
ることが必要になる。多くの皮膚準備用トレイは、適切
な補強構造を持たない肉薄の熱可塑性材料で作られてお
り、人間工学の面から理想的な設計には達しておらず、
溶液を跳ね返らせずに操作するのに最適であるとは言え
ない圧力パッド部が組み込まれていることがある。設計
によって、これらのトレイは一般的に、施術者の左また
は右のどちらか一方の手で保持するのにより適したもの
になっている。
【０００７】加えて、一部の皮膚準備用トレイは、特定
の処置の際に用いられる塗布用スワブ等の各種器具の配
置に関して最適な設計には達していない。一部のトレイ
では、施術者は塗布用スワブを、パッケージ化構造にし
たがってトレイ上に配置されたとおりの該スワブの元来
の向きから徒に回転させたり、さもなくばうまく対処し
たりしなければならない。一般的にどちらの手も既にふ
さがっているので、そのために施術者は無用の負担を課
せられることとなる。言うまでもないが、そのために溶
液の望ましくない跳ね返りが起こることもありうる。
【０００８】何よりも、施術者が塗布用スワブから余分
な溶液を絞り出すときに加える圧力によって皮膚準備用
トレイが撓むことがあり、その結果、溶液が跳ね返る確
率が高くなる。圧力パッドがトレイ内のどこに配置され
ているかによって、そして支持体となる施術者の手に対
する準備用トレイとの人間工学的な適合性によって、施
術者が溶液を跳ね返らせることなしに塗布用スワブまた
はトレイそのものを操作することは不可能な場合があ
る。従来の皮膚準備用トレイは左利きまたは右利きのい
ずれの施術者にも適しているかもしれないが、その一方
で、普遍的な操作性と安定性とを１つの設計で兼備させ
ることができれば、製造費用の有意な削減が達成され
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明の一形態は、使用
者の手で保持されて、溶液と、該溶液をある量だけ吸収
しうる１本以上の塗布用スワブとを用いる医学的処置に
使用されうる準備用トレイであって：対向する側部を有
し、使用者の手で保持されるように形状付けられた比較
的平面状の薄板と；前記平面状薄板上に前記１本以上の
塗布用スワブを受け入れる凹部を形成する少なくとも１
つのスワブ用エンボス部と；前記平面状薄板上に前記溶
液をある量だけ受け入れる深さを有した凹部を形成する
液槽エンボス部とを具え、前記平面状薄板は、前記１本
以上の塗布用スワブを押し付けて圧搾することにより前
記１本以上の塗布用スワブが吸収した溶液の量を調整す
る押圧面を有しており、該押圧面は、前記１本以上の塗
布用スワブから絞り出された溶液を前記液槽エンボス部
内に回収するよう前記液槽エンボス部と連通し、前記押
圧面は、前記平面状薄板が手の指の間に保持されたと
き、前記押圧面が使用者の手で支持されるように実質的
に前記平面状薄板の１対の前記対向側部間に配置されて
いることを特徴とする。
【００１０】また、本発明によれば、前記対向側部の少
なくとも一方は、前記平面状薄板が手で保持されたとき
に、前記使用者の手の指を受け入れる開口を画成するこ
とを特徴とする。
【００１１】さらに、本発明によれば、前記押圧面は、
前記液槽エンボス部と連通して前記１本以上の塗布用ス
ワブから絞り出された前記溶液を前記液槽エンボス部へ
と送る１本以上の導液路を画成することを特徴とする。
【００１２】さらに、本発明によれば、前記押圧面は、
前記平面状薄板内にある深さを有した凹部を画成してお
り、前記液槽エンボス部が画成する前記凹部は、前記押
圧面が画成する該凹部よりも深いことを特徴とする。
【００１３】さらに、本発明によれば、前記トレイが熱
可塑性材料により形成されていることを特徴とする。
【００１４】さらに、本発明によれば、前記トレイが外
科キットの取外し可能な一部分として形状付けられてい
ることを特徴とする。
【００１５】さらに、本発明によれば、前記１本以上の
塗布用スワブの各々は、自由端部と、溶液吸収性パッド
を具備した反対側端部とを有する細長いハンドルを含
み、前記少なくとも１つのスワブ用エンボス部は、前記
液槽エンボス部に隣接し前記１本以上の塗布用スワブの
各々の自由端部を受け入れる凹部を画成する第１のエン
ボス部と；前記１本以上の塗布用スワブの各々のそれぞ
れの細長ハンドルを受ける凹部を画成する細長エンボス
部と；前記１本以上の塗布用スワブの各々の溶液吸収性
パッドを受け入れる凹部を画成する第２のエンボス部と
を具えたことを特徴とする。
【００１６】さらに、本発明によれば、前記細長エンボ
ス部は、前記第１および第２のエンボス部と連通するこ
とを特徴とする。
【００１７】さらに、本発明によれば、前記第１のエン
ボス部が画成する凹部は、細長ハンドルの自由端部の各
々を実質的に互いに隣接して保持するように形状付けら
れ、前記第２のエンボス部は、細長ハンドルの吸収性パ
ッドの各々を互いに離間させて保持するように形状付け
られた比較的円弧状の凹部を画成することを特徴とす
る。
【００１８】さらに、本発明によれば、前記比較的平面
状の薄板に形成された１本以上の補強リブをさらに具え
たことを特徴とする。
【００１９】本発明によれば、皮膚準備処理用の改良さ
れた皮膚準備用トレイが提供される。この皮膚準備用ト
レイは、支持面上に載置されても、あるいは使用者の左
または右のいずれの手でも保持され得、外科キットの取
外し可能な構成部分として組み込まれうる。
【００２０】この皮膚準備用トレイは、対をなす対向側
部を有しかつ使用者の手で保持されるように形状付けら
れた比較的平面状の薄板面を含む。この薄板面に、該薄
板面の一方の対向側部上に構成される少なくとも１つの
手指穴または指穴を設けて、使用者が開いた手でトレイ
を保持するときに握持しやすくすることができる。皮膚
準備用トレイは、皮膚準備処理のさまざまな構成部品を
受け入れる複数個のエンボス部を有する。たとえば、凹
部を画成する液槽エンボス部を設けて、抗微生物液をあ
る量だけ容れておくことができる。１つ以上のスワブ用
エンボス部は、患者の皮膚に抗微生物液を塗布するため
の塗布用スワブを１本以上受け入れる凹部を画成する。
このスワブ用エンボス部は、塗布用スワブを、消毒処理
のさまざまな段階で施術者が操作しやすい最適な位置で
受け入れるように形状付けられうる。
【００２１】皮膚準備用トレイはさらに、施術者が塗布
用スワブに吸収された抗微生物液の量を調整するのを補
助する押圧面を有する。準備用トレイの平面状薄板面内
の凹部をなすエンボス部として画成されうるこの押圧面
は、１本以上の導液路を内蔵したものであってもよい。
押圧面は、液槽エンボス部と連通するように設けられ、
平面状薄板上の、実質的に施術者が左手または右手のい
ずれの手でも支持しやすい部分に配置される。このよう
に、押圧面が施術者の開いた手で支持されるので、施術
者はトレイを過度に撓ませることなしに、押圧面を利用
して塗布用スワブを圧搾することができる。
【００２２】使用時には、皮膚準備用トレイは、面また
は施術者の左手あるいは右手のいずれの手でも支持され
うる。１つ以上の指穴は、使用者が開いた手のひらで薄
板を支持しながら、薄板の対向側部を手指で握持するこ
とを可能とする。押圧面そのものが開いた手で支持され
るので、施術者が所望の大きさの力を加えて塗布用スワ
ブを押圧面に押し付けて圧搾しても、準備用トレイが撓
む危険はなくなる。したがって溶液の跳ね返りが大体に
おいて防がれる。
【００２３】望むなら、平面状薄板に１つ以上の補強リ
ブを組み込んで、構造的な完全性を高めることができ
る。１つの実施形態において、この補強リブは、皮膚準
備用トレイの１つ以上のスワブ用エンボス部および押圧
面と連通する平面状薄板内のリブエンボス部として構成
されうる。さらに、外科キットから準備用トレイを持ち
上げるのにも、使用時における準備用トレイのその他の
取扱いにも便利な方法として、垂直方向に配向された指
つまみを設けてもよい。
【００２４】以下、添付図面を参照して、本発明をさら
に詳細に説明する。
【００２５】
【発明の実施の形態】次に、同じ参照符号が同じ構成部
分を示す図面を参照すると、図１〜１０に、本発明にし
たがった皮膚準備用トレイ１０の一実施例が示されてい
る。熱可塑性材料から一体成形されうるこの皮膚準備用
トレイは、比較的平面状の面すなわち薄板２０を含む。
薄板２０は、好ましくは施術者が手でトレイ１０を保持
しうるように形成された対をなす対向側部２２，２４を
含む。望むなら、薄板２０に、平面状薄板２０の一方の
対向側部内の切り欠きまたはその他の形態をとる少なく
とも１つの手指穴または指穴（へこみ）２６を設けるこ
とができる。本明細書では、指穴２６は、１つの対向側
部２２に形成されて図示されている。図９および図１０
に示すように、皮膚準備用トレイ１０は、使用者の開い
た左手（図９）または右手（図１０）１００のいずれの
手でも支持されうる。指穴２６は、対向側部２２に沿っ
て開口をなしており、開いた手の親指１０２か、あるい
は小指、薬指、中指または人差し指１０４を受け入れ
る。望むなら、たとえば使用者の開いた手１００が平均
的な大きさよりも小さい場合等に皮膚準備用トレイ１０
の操作性を一層高めるために、追加の指穴２６′を指穴
２６の反対側の対向側部２２に設けることができる。さ
らに薄板２０上に実質的に垂直に配向される指つまみ６
０を設けて、施術者が皮膚準備用トレイ１０を容易に把
持しかつ操作することができるようにしてもよい。
【００２６】皮膚準備用トレイ１０は、外科キット１２
の取外し可能な構成部分として構成されうる。図２に示
すように、外科キット１２は、所定の外科的処置に用い
られる注射器や採血管等のさまざまな器具１４を特徴と
して有しうる。皮膚準備用トレイは、該皮膚準備用トレ
イ１０の各部分に与えられた特定の形状および構造に適
合する形状を有した外科キット１２の凹部１６内に保持
されうる。１つの構成では、平面状薄板２０の縁部分２
３は、外科キット１２の台部分１７により支持されう
る。このように構成すると、皮膚準備用トレイは、該ト
レイが外科キット１２の周縁部分と共に平面をなす態様
で該外科キット内に収容されうる。望むなら、薄板２０
の面上にスペーサ２５を組み込むことは、皮膚準備用ト
レイ１０と該トレイにより保持されている各種器具と
を、外科キット１２を完成させるためにトレイ上に配置
されうるガーゼや包帯やパッドまたはその他の物品（図
示せず）から隔離するのに役立つ。外科キット１２と皮
膚準備用トレイ１０とを総合的に設計することによっ
て、小型化が促進されると同時にパッケージ化および取
扱いが容易になる。
【００２７】皮膚準備用トレイ１０に、皮膚準備処置中
に用いられるさまざまな器具または構成部品を入れてお
くための凹部を構成する複数個のエンボス部を設ける
か、さもなくば成形することができる。皮膚準備用トレ
イ１０の１つの用途として、ヨー素溶液等の抗微生物液
を用いる消毒処置があり、この抗微生物液は、施術者に
より、外科用の塗布用スワブを用いて施される。図に
は、このような塗布用スワブの例が符号５０で示されて
いる。塗布用スワブ５０は、当業者に公知のさまざまな
形状または構造を呈しうるが、１つの構成では、塗布用
スワブ５０は、自由端部５２と反対側端部５６とを有す
る相対的に細長い、好ましくは平らなハンドル５４を含
む。細長ハンドル５４は、使用者の指１０２，１０４で
把持されるようになっている１対の相対的に幅広の平ら
な側面５７を特徴として有する。湾曲部分５５は、反対
側端部５６で終端する細長ハンドル５４に沿って設けら
れる。塗布用スワブ５０の反対側端部５６に固着される
か、さもなくば取り付けられることが一般的な溶液吸収
性の海綿状パッド５８は、抗微生物液をある量だけ吸収
して患者に塗布するために用いられる。ここでは、湾曲
部分５５は、反対側端部５６と一緒になって、海綿状パ
ッドを細長ハンドルに対してある角度に配向する（図３
参照）。
【００２８】いかなる塗布用スワブ５０であっても、塗
布用スワブは皮膚準備用トレイ１０上において、施術者
が該塗布用スワブを操作しかつ使用する上で最も勝手の
よい位置か、さもなくば最適な位置に配置されることが
有利である。したがって、本明細書に示されている構成
の塗布用スワブ５０の場合、皮膚準備用トレイ１０は、
塗布用スワブ５０の構造を形成する各部分を受けるため
のさまざまな凹部を構成する複数のスワブ用エンボス部
３０，３２および３４を具備する。凹部を構成する第１
のエンボス部３４は、平面状薄板２０の一方の対向側部
２４に隣接して設けられる。この第１のエンボス部３４
は、薄板２０より下に位置する底面３４ａを含む。本明
細書に示されているように、第１のエンボス部３４は、
塗布用スワブ５０の自由端部５２を受ける。１つ以上の
細長エンボス部３２は、第１のエンボス部３４から発出
しており、個別の細長エンボス部３２の各々が、塗布用
スワブ５０の個別の細長ハンドル５４を直立させた態様
で受ける凹部を構成する。この細長エンボス部３２は、
薄板２０の対向端部２４に隣接する第２のエンボス部３
０のところで終端する。本明細書に示すように、第２の
エンボス部３０は、塗布用スワブの反対側端部５６と海
綿状パッド５８とを受け入れる。第１のエンボス部３４
と同様に、第２のエンボス部３０もまた同じく薄板２０
より下に位置する底面３０ａを特徴として有する。
【００２９】それぞれのスワブ用エンボス部３０，３２
および３４が構成する凹部の深さは、塗布用スワブの自
由端部５２が第１のエンボス部３４によって構成される
凹部内に実質的に保持され、海綿状パッド５８が第２の
エンボス部３０によって構成される凹部の内部に実質的
に受けられ、細長ハンドル５４がトレイの薄板２０と好
ましくは実質的に共平面をなす直立した態様で保持さ
れ、かつ施術者が指で直ちに取り出すことができる位置
に側面５７が配置されるように選択されうる。塗布用ス
ワブを指でうまく取り出すことができるようになる一方
で、この包括的な構成は、外科キット１２におけるパッ
ケージ化スペースの節約にも寄与する。
【００３０】施術者が個別の塗布用スワブ５０を指で一
層操作しやすくするために、第２のエンボス部３０を薄
板２０の対向端部２４の全域にわたって円弧状の態様に
構成してもよいことが分かるであろう。図示されている
ように、細長エンボス部３２の各々を第１のエンボス部
３４から扇形の態様に拡散させることにより、塗布用ス
ワブの細長ハンドル５４は、互いに離間されて、施術者
が個別の塗布用スワブ５０の各々を指で取り出すときに
邪魔にならなくなる。加えて、上記構成はさらに外科キ
ット１２におけるパッケージ化スペースの節約にも寄与
する。たとえば、塗布用スワブ５０の各々を互いに平行
に離間させたならば、一般的により大きなスペースを要
することになるからである。
【００３１】何よりも、このようにすると、塗布用スワ
ブの細長ハンドル５４が、薄板２０がなす面から直立し
た態様で保持されて、施術者は指で細長ハンドルの側面
５７を容易に把持することができるようになる。トレイ
１０が施術者の開いた手１００で保持されているとき、
海綿状パッド５８は、施術者から離反して患者の方を指
すことが分かるであろう。このように配置することによ
り、処置の各段階、すなわち溶液の吸収時、圧搾時およ
び患者への塗布時に、施術者は塗布用スワブを、皮膚準
備用トレイ１０内に載せられたとおりの該スワブの元来
の向きから徒に回転させたり、さもなくばうまく対処し
たりする必要がなくなる。
【００３２】言うまでもないが、当業者には、スワブ用
エンボス部３０，３２，３４以外にもスワブ用エンボス
部のまた別の構成が可能であることが認識されよう。た
とえば、個別のスワブ用エンボス部３０，３２および３
４の１つ以上を互いに結合させてもよい。さらにまた、
複数のエンボス部を構成する代わりに、１つの総合的な
スワブ用エンボス部を形成するか、さもなくば構成し
て、該エンボス部に全ての塗布用スワブ５０を保持させ
てもよい。
【００３３】皮膚準備用トレイ１０はさらに、外部の供
給溶液源から供給されうるヨー素溶液等の抗微生物液８
０をある量だけ容れておかれる深さを有した液槽エンボ
ス部３６を具備する。この液槽エンボス部３６は、薄板
２０より下に位置する底面３６ａを特徴として有する。
図１、図３、図７および図８に示すように、スワブ用エ
ンボス部３０，３４および液槽エンボス部３６の底面３
０ａ，３４ａおよび３６ａの各々に実質的に共平面をな
させて、準備用トレイ１０が面上に載置されたときに容
易に安定性を得られるようにすることが好適である。
【００３４】医学的処置において抗微生物液８０等の溶
液を患者に塗布しようとする施術者は、トレイから塗布
用スワブ５０の内の１本を取り上げ、海綿状パッド５８
を液槽エンボス部３６内に浸して、該パッドに溶液８０
をある量だけ吸収させるようにする。パッド５８は、患
者に塗布することが必要な量または望ましい量を上回る
量の溶液８０を吸収しうることが一般的である。したが
って、皮膚準備用トレイ１０はさらに押圧面３８を具備
しており、施術者は、この押圧面に塗布用スワブの海綿
状パッド５８を押し付けて圧搾し、該パッドが吸収する
溶液の量、さもなくば該パッドに保持される溶液の量を
調整する。
【００３５】前記のように、押圧面３８は、薄板２０の
上において、該薄板の１対の対向端部２２の中間に位置
する。本明細書では薄板２０の面内のエンボス部として
示されている押圧面３８は、液槽エンボス部３６と連通
する位置にある。１本以上の導液路エンボス部４０を押
圧面３８上に設けて、液体の流れを液槽エンボス部３６
に導くのに役立つようにしてもよい。押圧面３８が構成
する凹部の深さは、液槽エンボス部３６が構成する凹部
の深さよりも浅いことが好ましい。こうすることによ
り、塗布用スワブの海綿状パッド５８から絞り出された
余分な溶液８２は、液槽エンボス部３６に容れられてい
る前記量の溶液８０の方へと流れて戻る。（図４および
５参照）。
【００３６】押圧面３８は、本明細書ではエンボス部と
して示されているが、当業者には、望むなら、押圧面３
８を薄板２０と共平面をなす態様に設けてもよいことが
認識されよう。導液路エンボス部４０をそのまま残存さ
せて、余分な溶液８２を液槽エンボス部３６へと導いて
もよい。うねまたはその他の阻止部（図示せず）を押圧
面３８のまわりに配して、海綿状パッド５８の圧搾中に
おける押圧面からの溶液の不用意な跳返りを防ぐことが
できる。
【００３７】押圧面３８を準備用トレイ１０の対向側部
２２の中間に位置付けることにより、該押圧面３８が施
術者の右（図１０）または左（図９）の開いた手１００
で容易に支持されうることが認識されよう。したがっ
て、トレイ１０が撓む危険が減少し、それと同時に、液
槽エンボス部３６に入れられている溶液または押圧面３
８から跳ね返った溶液が飛散することがいずれも少なく
なる。このように、押圧面３８は、施術者が溶液の飛散
をあまり心配せずに、塗布用スワブに保持されている溶
液８０の量を調整する手軽な方法となる。
【００３８】特に該トレイが面上に載置される場合に、
皮膚準備用トレイ１０をさらに撓みにくくするため、さ
もなくば該トレイの安定性をさらに高めるために、１本
以上の補強リブ７０を薄板２０上に設けることができ
る。この補強リブ７０は、本明細書ではスワブ用エンボ
ス部３２，３４の１つと液槽エンボス部とのいずれとも
連通するリブエンボス部として構成されている。望むな
ら、補強リブ７０を薄板２０と一体化したリブとして構
成することも可能である。
【００３９】同様に理解されるように、押圧面に力を加
えたときに該押圧面が撓む確率をさらに低下させるため
に、第２のエンボス部３０を薄板２０上において押圧面
３８が位置する部分に隣接して連続部分３１まで延長す
ることができる。第２のエンボス部の連続部分３１も同
様に薄板２０より下に位置する底面３１ａを有していて
もよい。底面３１ａと底面３０ａ，３４ａおよび３６ａ
とに共平面をなさせて、これによって皮膚準備用トレイ
を面上に載置したときの該トレイの安定性を一層高める
ことができる。
【００４０】各種のスワブ用エンボス部３０，３２，３
４の形状と構造と配置とを必要または要望に応じて変更
あるいは修正して、本明細書に示されている塗布用スワ
ブ５０の形状とは異なる形状の塗布用スワブを適切な本
数だけ収容させることができ、その場合も塗布用スワブ
を施術者が操作しやすい態様でトレイ１０上に配置する
という主要な考慮事項は依然として影響を受けないであ
ろうことを、当業者は認識するであろう。本明細書に示
されているさまざまなエンボス部はいずれも平面状薄板
２０と一体的に形成され得、あるいは必要または要望に
応じて別途製作されて薄板２０に固着される別々の構成
部品として形成されうる。さらに、支持脚またはその他
の付属体を、共平面をなす底面３０ａ，３４ａ，３６ａ
または３１ａと併せて用いるか、さもなくば前記底面の
代わりに用いて、皮膚準備用トレイが面上において安定
的に支持されるようにしてもよい。さらにまた、薄板２
０と各種エンボス部とを所定の外科キット１２の所定の
部分に納まる形状にしうることも認識されるであろう。
【００４１】上記のとおり、本発明にしたがった準備用
トレイ１０は、前述の課題に対処するのに供用される。
液槽と連通しかつ施術者の開いた手で支持される押圧面
を設けることによって、該トレイが撓みにくくなり、こ
れによって溶液の跳返りと、溶液の跳返りから起こりう
る関係者の被害とが防がれる。構造上の具体的な構成部
分は、前記トレイが面上に載置されるときの安定性にさ
らに寄与する。処置を遂行する上で必要な全ての構成部
品は、小じんまりとした態様で一括して収容される。塗
布用スワブは、該塗布用スワブをトレイから取り出して
液槽に浸すときも、その後で余分な溶液を排除して、塗
布用スワブを患者の皮膚の所望の部位に向って移動させ
るときも、施術者がうまく対処する必要なく該スワブを
操作するのに最も都合のよい態様で皮膚準備用トレイ上
に保持される。この準備用トレイは、常に押圧面の安定
性を保ちながら、使用者のどちらの手でも等しく容易に
保持されうる。
【００４２】当業者には、添付の特許請求の範囲の精神
および範囲を外れることなく、本発明のさらにまた別の
形態を工夫し得、本発明は、本明細書に示した特定の具
体的な形態に制限されるものではないことが認識され、
かつ理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にしたがった皮膚準備用トレイの一実施
例と、該トレイ上においてスワブ用エンボス部内に保持
されている複数の塗布用スワブとの斜視図である。
【図２】皮膚準備用トレイが外科キットから取外し可能
であることを示す図１の皮膚準備用トレイの斜視図であ
る。
【図３】トレイ上のスワブ用エンボス部から取り出され
た塗布用スワブを示す図１の皮膚準備用トレイの斜視図
である。
【図４】トレイの液槽エンボス部内に塗布用スワブを浸
して、液槽エンボス部内に入れられている溶液をある量
だけ吸収させるようにしている様子を示す図１の線４−
４における部分断面図である。
【図５】塗布用スワブをトレイの押圧面に押し付けて圧
搾し、余分な溶液を塗布用スワブから液槽エンボス部に
戻している様子を示す図４の皮膚準備用トレイの第２の
部分断面図である。
【図６】塗布用スワブがスワブ用エンボス部内になく、
押圧面に押し付けられている塗布用スワブが破線で示さ
れている図１の皮膚準備用トレイの平面図である。
【図７】塗布用スワブが載置かれていない皮膚準備用ト
レイの側面図である。
【図８】皮膚準備用トレイの底面図である。
【図９】使用者のそれぞれ左手（図９）または右手（図
１０）のいずれでも支持される皮膚準備用トレイを示す
斜視図である。
【図１０】使用者のそれぞれ左手（図９）または右手
（図１０）のいずれでも支持される皮膚準備用トレイを
示す斜視図である。
【符号の説明】
１０ 皮膚準備用トレイ ２０ 薄板 ２２ 対向側部 ２４ 対向側部 ２６ 指穴 ３０ スワブ用エンボス部（第２のエンボス部） ３２ スワブ用エンボス部 ３４ スワブ用エンボス部（第１のエンボス部） ３６ 液槽エンボス部 ３８ 押圧面 ４０ 導液路エンボス部 ５０ 塗布用スワブ ５２ 自由端部 ５４ ハンドル ５８ 海面状パッド ７０ 補強リブ
フロントページの続き (71)出願人 595117091 １ ＢＥＣＴＯＮ ＤＲＩＶＥ， ＦＲＡ ＮＫＬＩＮ ＬＡＫＥＳ， ＮＥＷ ＪＥ ＲＳＥＹ 07417−1880， ＵＮＩＴＥＤ ＳＴＡＴＥＳ ＯＦ ＡＭＥＲＩＣＡ (72)発明者 ヴィヴェカナンド アーヤ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 フ ェアビュー モーニングサイド アヴェニ ュ 359 (72)発明者 クリストファー ジョンソン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 リ ングウッド ウッドランド ロード 17

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 使用者の手で保持されて、溶液と、該溶
    液をある量だけ吸収しうる１本以上の塗布用スワブとを
    用いる医学的処置に使用されうる準備用トレイであっ
    て：対向する側部を有し、使用者の手で保持されるよう
    に形状付けられた比較的平面状の薄板と；前記平面状薄
    板上に前記１本以上の塗布用スワブを受け入れる凹部を
    形成する少なくとも１つのスワブ用エンボス部と；前記
    平面状薄板上に前記溶液をある量だけ受け入れる深さを
    有した凹部を形成する液槽エンボス部とを具え、 前記平面状薄板は、前記１本以上の塗布用スワブを押し
    付けて圧搾することにより前記１本以上の塗布用スワブ
    が吸収した溶液の量を調整する押圧面を有しており、該
    押圧面は、前記１本以上の塗布用スワブから絞り出され
    た溶液を前記液槽エンボス部内に回収するよう前記液槽
    エンボス部と連通し、前記押圧面は、前記平面状薄板が
    手の指の間に保持されたとき、前記押圧面が使用者の手
    で支持されるように実質的に前記平面状薄板の１対の前
    記対向側部間に配置されていることを特徴とする準備用
    トレイ。
  2. 【請求項２】 前記対向側部の少なくとも一方は、前記
    平面状薄板が手で保持されたときに、前記使用者の手の
    指を受け入れる開口を画成することを特徴とする請求項
    １に記載の準備用トレイ。
  3. 【請求項３】 前記押圧面は、前記液槽エンボス部と連
    通して前記１本以上の塗布用スワブから絞り出された前
    記溶液を前記液槽エンボス部へと送る１本以上の導液路
    を画成することを特徴とする請求項１に記載の準備用ト
    レイ。
  4. 【請求項４】 前記押圧面は、前記平面状薄板内にある
    深さを有した凹部を画成しており、前記液槽エンボス部
    が画成する前記凹部は、前記押圧面が画成する該凹部よ
    りも深いことを特徴とする請求項３に記載の準備用トレ
    イ。
  5. 【請求項５】 前記トレイが熱可塑性材料により形成さ
    れていることを特徴とする請求項１に記載の準備用トレ
    イ。
  6. 【請求項６】 前記トレイが外科キットの取外し可能な
    一部分として形状付けられていることを特徴とする請求
    項１に記載の準備用トレイ。
  7. 【請求項７】 前記１本以上の塗布用スワブの各々は、
    自由端部と、溶液吸収性パッドを具備した反対側端部と
    を有する細長いハンドルを含み、 前記少なくとも１つのスワブ用エンボス部は、 前記液槽エンボス部に隣接し前記１本以上の塗布用スワ
    ブの各々の自由端部を受け入れる凹部を画成する第１の
    エンボス部と；前記１本以上の塗布用スワブの各々のそ
    れぞれの細長ハンドルを受ける凹部を画成する細長エン
    ボス部と；前記１本以上の塗布用スワブの各々の溶液吸
    収性パッドを受け入れる凹部を画成する第２のエンボス
    部とを具えたことを特徴とする請求項１に記載の準備用
    トレイ。
  8. 【請求項８】 前記細長エンボス部は、前記第１および
    第２のエンボス部と連通することを特徴とする請求項７
    に記載の準備用トレイ。
  9. 【請求項９】 前記第１のエンボス部が画成する凹部
    は、細長ハンドルの自由端部の各々を実質的に互いに隣
    接して保持するように形状付けられ、前記第２のエンボ
    ス部は、細長ハンドルの吸収性パッドの各々を互いに離
    間させて保持するように形状付けられた比較的円弧状の
    凹部を画成することを特徴とする請求項８に記載の準備
    用トレイ。
  10. 【請求項１０】 前記比較的平面状の薄板に形成された
    １本以上の補強リブをさらに具えたことを特徴とする請
    求項１に記載の準備用トレイ。
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