JPH0923905A - 留め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具 - Google Patents

留め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具

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JPH0923905A
JPH0923905A JP17470295A JP17470295A JPH0923905A JP H0923905 A JPH0923905 A JP H0923905A JP 17470295 A JP17470295 A JP 17470295A JP 17470295 A JP17470295 A JP 17470295A JP H0923905 A JPH0923905 A JP H0923905A
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JP
Japan
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fastener
main body
needle
clothes
pin
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JP17470295A
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English (en)
Inventor
Kiyohiro Sugano
粹寛 菅野
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JIYATETSUKUSU KK
Original Assignee
JIYATETSUKUSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣類に対する挿通状態または挟持状態で着脱
自在にする際に、簡単に装着することができ、しかも装
着後の安定性が充分に確保できるので装着後に容易に外
れてる虞がなく、かつ衣類の生地を傷めることのない留
め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具の提供。 【解決手段】 衣類に対する挿通状態または挟持状態で
着脱自在にする留め具であって、本体2側に固定される
軸支孔部を穿設した軸支部材3a、3bと軸支部材の近
傍に形成される把持部5と二股に分岐される分岐部6−
1、6−2の端部に形成される針状部位とを一体形成し
てなり、揺動自在に設けられる回動部材と本体側に移動
付勢する付勢部材とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、留め具及びこの留
め具を使用した表示具と装飾具に係り、例えば衣類等の
被装飾着体に装着する留め具及びこの留め具を使用した
名札、ブローチ、アクセサリー等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1964(昭和39)年11月24日に
日本国で出願された実用新案出願公告の昭和44−39
26号では、ピン杆を有する基片と本体である基片の両
先端を接続した構成を有する掛止具が開示されている。
この開示によれば、バネの付勢方向は、本体側の基片に
向けられるため、ユーザーは、被装着体にピン杆を挿通
させた後に、ピン杆を開いていた力を解除すれば装着で
きるという利点がある。しかしながら、ピン杆の先端を
受け止める本体側の基片の構成には、V字形状の切欠き
部を有する突片が設けられており、その切欠き部でピン
杆の先端を受け止めるため、ピン杆に挿通された被装着
体は、容易にピン杆の先端まで到達することが可能とな
る。これは、ピン杆の先端が突片から容易に外れる要因
となる。
【0003】従って、かかる提案においては、装着状態
を確実に保持するための構成に欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】名札またはブローチ等
のアクセサリーにおいて衣類に対する挿通状態または挟
持状態で着脱自在にするための留め具とこの留め具を使
用した名札、装飾具において、従来のものは基本的には
1本のピンまたは挟持部材を衣類に対する挿通状態また
は衣類のポケットに対する挟持状態で着脱自在に保持す
るものである。
【0005】したがって、例えば胸ポケットに対して名
札を装着する場合には、把持部材を把持して1本の挟持
部材を開く状態に保持してから、胸ポケット内側に入れ
るようにして、把持部材の解除によりトーションバネの
作用により挟持する状態で保持するようにしている。
【0006】また、胸ポケットが設けられていない場合
が多い女性用衣服に対してアクセサリー類を装着するた
めには、アクセサリー裏面に設けられた1本のピンを衣
類に対する挿通状態にして装着するようにしている。
【0007】しかしながら、上記の従来構成になる名
札、アクセサリー類によれば、1本のピンまたは挟持部
材により衣類に対する挿通状態または挟持状態で着脱自
在にすることを基本にしていることから、装着後の安定
性が充分でなかった。この結果名札、アクセサリー類が
装着後に容易に外れてしまうという問題点が指摘されて
いる。特に、大型のものに脱落傾向がある。
【0008】そこで、挟持部材の挟持力を高めることで
簡単には外れないようにする等の対策を施しているもの
もあるが、このように挟持力を高めると衣類の生地を傷
めるばかりか、装着時に挟持部材を開く状態にする際の
力がより高くなる不具合がある。
【0009】したがって、本発明は上述の問題点に鑑み
てなされたものであり、衣類に対する挿通状態または挟
持状態で着脱自在にする際に、簡単に装着することがで
き、しかも装着後の安定性が充分に確保できるので装着
後に容易に外れてる虞がなく、かつ衣類の生地を傷める
ことのない留め具及びこの留め具を使用した表示具と装
飾具の提供を目的としている。
【0010】また、上記目的に加えて、且つ操作性に優
れ、且つ安全性が高く、本体サイズに適合した最適な形
状の留め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具の
提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、目的
を達成するために、本発明の留め具によれば、衣類に対
する挿通状態または挟持状態で着脱自在にする留め具で
あって、本体側に固定されるとともに、軸支孔部を穿設
した軸支部材と、前記軸支部材の近傍に形成される把持
部と、該把持部に対向する部位から二股に分岐される分
岐部と、該分岐部の端部に形成される針状部位とを一体
形成してなり、前記軸支孔部において揺動自在に設けら
れる回動部材と、前記分岐部を前記本体側に移動付勢す
る付勢部材とを具備してなり、前記挿通状態または前記
挟持状態にすることを特徴としており、把持部に対向す
る部位から二股に分岐される分岐部が本体に対して常時
当接するようにして、本体を確実に保持するように働
く。
【0012】また、本発明の留め具は、前記針状部位の
近傍において、衣類への挿通の際に前記回動部材を前記
本体側に移動する力を発生するための段差部が形成され
ていることを特徴としている。
【0013】また、本発明の留め具は、前記分岐部は、
前記本体の形状に応じてその全長が変えられるととも
に、前記針状部位を収納する収納部を具備することを特
徴としている。
【0014】また、本発明の留め具を使用した表示具に
よれば、衣類に対する挿通状態または挟持状態で着脱自
在にする留め具を使用した名札であって、名札本体側に
固定されるとともに、軸支孔部を穿設した軸支部材と、
前記軸支部材の近傍に形成される把持部と、該把持部に
対向する部位から二股に分岐される分岐部と、該分岐部
の端部に形成される針状部位とを一体形成してなり、前
記軸支孔部において揺動自在に設けられる回動部材と、
前記分岐部を前記本体側に移動付勢する付勢部材とを具
備してなり、前記挿通状態または前記挟持状態にするこ
とを特徴としている。
【0015】また、本発明の留め具を使用した表示具に
よれば、前記針状部位の近傍において、衣類への挿通の
際に前記回動部材を前記本体側に移動する力を発生する
ための段差部が形成されていることを特徴としている。
【0016】また、本発明の留め具を使用した表示具に
よれば、前記分岐部は、前記針状部位を収納する収納部
を具備することを特徴としている。
【0017】また、本発明の留め具を使用した装飾具に
よれば、衣類に対する挿通状態または挟持状態で着脱自
在にする留め具を使用した装飾具であって、装飾具本体
側に固定されるとともに、軸支孔部を穿設した軸支部材
と、前記軸支部材の近傍に形成される把持部と、該把持
部に対向する部位から二股に分岐される分岐部と、該分
岐部の端部に形成される針状部位とを一体形成してな
り、前記軸支孔部において揺動自在に設けられる回動部
材と、前記分岐部を前記本体側に移動付勢する付勢部材
とを具備してなり、前記挿通状態または前記挟持状態に
することを特徴としている。
【0018】また、本発明の留め具を使用した装飾具に
よれば、前記針状部位の近傍において、衣類への挿通の
際に前記回動部材を前記本体側に移動する力を発生する
ための段差部が形成されていることを特徴としている。
【0019】そして、本発明の留め具を使用した装飾具
によれば、前記分岐部は、前記本体の形状に応じてその
全長が変えられるとともに、前記針状部位を収納する収
納部を具備することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下において、添付図面を参照し
て本発明に係わる好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】図1は衣類に対する挿通状態または挟持状
態で着脱自在にする留め具を使用した名札1を裏面側か
ら見た外観斜視図である。
【0022】本図において、名札1は種々の形状、形態
から構成されるものであるが、図示の場合には透明樹脂
シート材料からなる本体2を二つ折り状態に加工して、
合わせ目2aを図示のように形成して、この合わせ目2
a中に所望の氏名他を記入したシート(不図示)を挿入
して、名札を構成するものである。
【0023】以上のように構成される名札1の本体2の
裏面の略中心上方部位には、軸体4を挿入するために左
右方向に一対の軸支孔部を穿設した軸支部材3a、3b
が固定されている。
【0024】一方、この軸支部材3a、3bには板金加
工されて図示の形状にされた把持部5と、この把持部5
の内側面において溶接等により固定されるとともに図示
のように二股に分岐される分岐部6であって、その両端
部6−1、6−2において針状部位6a−1、6a−2
を一体形成た部材が軸体4により揺動自在に設けられて
いる。
【0025】また、このように部材を揺動自在に設ける
ための軸体4と、軸支部材3a、3bで挟まれる部位の
間には後述するトーションバネであって、両端部6−
1、6−2及び針状部位6a−1、6a−2を本体2側
に常時移動付勢する付勢部材が内蔵されている。
【0026】さらに、本体2の裏面上において、針状部
位6a−1、6a−2が当接する部位には、例えばビニ
ルチューブを長手方向に半分に切断して構成される収納
部7であって、図示のように上方に開口した部品が接着
等により固定されており、針状部位6a−1、6a−2
の内、特に先端部分を常時保護するようにしている。こ
のようにして、取り扱い上の危険性を排除できるように
している。
【0027】さらにまた、例えば胸ポケットに対して名
札1を装着する場合には、上記の把持部5を握り締めて
両端部6−1、6−2が本体2から離れる状態にしてか
ら、針状部位6a−1、6a−2の部分がポケット内側
に入るようにして、把持部5を解除することによりトー
ションバネの作用によりポケットを前後方向から挟持す
る際に、針状部位6a−1、6a−2の先端部が収納部
7内に潜入することで名札を確実に保持できるようにし
ている。
【0028】以上のようにして、特に大型の名札、認識
表等において装着後の安定性が充分に確保でき装着後に
容易に外れることがなくなった。
【0029】続いて、図2は衣類に対する挿通状態また
は挟持状態で着脱自在にする留め具を使用したブローチ
1を裏面側から見た外観斜視図である。図1において、
既に説明済みの構成には同一符号を付して説明を割愛す
ると、本図において、ブローチ1は周知の種々の形状、
形態から構成されるものであるが、図示の場合には猫を
形取った本体2であって、頭部における幅寸法が臀部に
おける幅寸法よりも大幅に小さい場合を示したものであ
る。
【0030】以上のように構成されるブローチ1の本体
2の裏面の略中心上方部位には、軸体4を挿入するため
に左右方向に一対の軸支孔部を穿設した軸支部材3a、
3bが固定されている。
【0031】一方、この軸支部材3a、3bには板金加
工されて図示の形状にされた把持部5と、この把持部5
の内側面において溶接等により固定されるとともに図示
のように二股に分岐される分岐部6であって、その両端
部6−1、6−2において段差部6b−1、6b−2と
これに連続する針状部位6a−1、6a−2とが一体形
成された部材が、軸体4により揺動自在に設けられてい
る。また、両端部6−1、6−2は図示のように本体2
の形状に応じて全長L1、L2になるようにそれぞれ設
定されている。。
【0032】さらに、本体2の裏面上において、針状部
位6a−1、6a−2が当接する部位には、収納部7が
配設されており、左右から針状部位6a−1、6a−2
を保護して取り扱い上の危険性を排除できるようにして
いる。
【0033】以上の構成のブローチを衣類に装着する際
には、把持部5を握り締めて両端部6−1、6−2が本
体2から離れる状態にしてから、針状部位6a−1、6
a−2の部分が生地に潜入するようにしてから、把持部
5を解除することによりトーションバネの作用により、
針状部位6a−1、6a−2の先端部が収納部7内に潜
入することでブローチ1を確実に保持できるようにな
る。
【0034】以上のようにして、特に大型のブローチで
あって、上下方向に幅寸法が大きく異なる場合におい
て、装着後の安定性が充分に確保でき装着後に容易に外
れることがなくなった。また、衣類に挿入して装着する
場合において、2本の針状部位6a−1、6a−2によ
り保持されるので、ブローチ自体の重力が分散されて生
地を傷めることがなくなった。
【0035】図3は、把持部5と両端部6−1、6−2
を構成した外観斜視図であって、本図において、把持部
5はワイヤー状の棒状部材を図示のように曲げ加工し
て、一体形成している。また、軸体4を挿通状態に保持
する貫通孔部5bが板部材5aに穿設されており、この
板部材を把持部5に溶接して構成している。このように
構成することで、より安価に提供することができる。
【0036】以降は、ブローチ31の各変形例について
述べる。
【0037】先ず、図4はブローチ31の正面図であ
る。また、図5は図4のA‐A矢視断面図である。図6
は図4はブローチ31の要部断面図である。図4、5、
6において、ブローチ31は、大別して、本体32と留
め具33とを有している。本体32はダイヤや真珠の装
飾品を搭載した装飾部32a、32bを有し、留め具3
は衣服に装着するための機構を有するレバー38とこの
レバーから分岐したピン35−1、35−2とからな
る。
【0038】本体32は、後方において、留め具33の
レバー38を軸34によって回転自在に軸支する接続部
39を有し、更に、少なくとも、レバー38より前方に
延びるように取り付けられたピン35−1、35−2の
各先端部35aを受け止めて収納するピン収納部36−
1、36−2をピン35−1、35−2に対向する面に
設けている。ピン収納部36−1、36−2は、即断面
U字形状を有していると共に、下方に延びる側部36
a、36bの上面にそれぞれ鋭角な突起を有している。
【0039】ピン35−1、35−2の全容は、本体3
2が有する動体の長さに応じて可変に設定される。ま
た、ピン35−1、35−2は、各先端部35aの軸方
向に対して本体32側に向かって湾曲させた各湾曲部3
5b−1、35b−2を有している。この湾曲部35b
による曲がりによって、ピン35−1、35−2本体の
軸方向に対して段差部を形成しており、これは、後述す
るが、ピン35−1、35−2に挿通された衣服のずれ
にブレーキをかけるように機能する。
【0040】留め具33を軸支する接続部39では、ピ
ン35−1、35−2が、軸4を軸に矢印P1で示され
る方向に回転するように、ねじりコイルバネ37の端部
37aと37bとは、それぞれ、接続部39の底部39
aとレバー38の底部38eに圧接するように配され、
このとき、ねじりコイルバネ37の端部37bは、レバ
ー38、即ち、留め具33を右回りに回転させるように
作用する。これによって、ピン35−1、35−2の各
先端部35aは、矢印P2方向の障害となるピン収納部
36−1、36−2の各底部36aに圧接する。
【0041】レバー38及び接続部39は、それぞれU
字形状を有している。レバー38のU字形状の内側に
は、接続部39のU字形状が逆向きの状態で噛み合い、
これによって、2ヶ所の噛み合い部が形成される。図5
において、レバー38に設けられた孔部38b、38d
及び接続部39に設けられた孔部39b、39cによっ
て、一連の挿通孔を形成する。この挿通孔に軸体4が挿
通されるときには、ねじりコイルバネ37の端部37
a、37bは、図5において、後方を向くように取り付
けられる。
【0042】レバー38は、指を押し当て易くするため
に、図6及び図7に示されるように、後方に延びる押圧
部38fを有している。この押圧部38fの長さは、指
を押し当てるのに十分な面積とブローチ31全体の美的
感覚を損なわない、外観上のバランスを損なうサイズで
無ければ、特に限定されるものでは無い。また、レバー
38とピン35−1、35−2との接続部位は、蝶付け
等の技術によって接合すれば良い。
【0043】また、上述した本体32及び留め具33の
材質としては、ゴールド、シルバー、プラチナ、真鍮等
が好適である。
【0044】次に、装着方法ついて説明すると、図7〜
図10はブローチの操作手順を説明する側面図である。
図7において、まず、ユーザーは、人差し指61と親指
62とを用いて本体32の装飾部32bと留め具33を
つまみ、レバー38の押圧部38fを矢印U3のしめす
方向に押し上げるように操作して、ピン35−1、35
−2の各先端部35aを、矢印D3のしめす方向に、ピ
ン収納部36−1、36−2から離間させる。ユーザー
は、ピン35−1、35−2の先端部35aを衣服63
の内側に入り込ませると、今度は逆に、先端部35aを
衣服63の外側に出るように通す。このようにして、レ
バー38に与えるU2方向への押圧力を解除する。この
圧力が解除されると、レバー38、即ち、留め具33
は、ねじりコイルバネ37の付勢によって、初期状態に
復元される。このときブローチ31の動作においては、
ユーザーは単純にピン35−1、35−2の先端を開く
ための力を解除するだけで良い。このため、ユーザーは
単にブローチ35から手を離すだけで良くなる。また、
衣服63がピン35−1、35−2の先端の方向にずれ
ても、各湾曲部36bがストッパとして機能し、各先端
部35aまでの衣服63の移動を阻止することができ
る。また、ピン収納部36−1、36−2の側部36
a、36bに設けられた突起が衣服63を摺動させるた
め、衣服のずれを食い止める効果が得られる。
【0045】従って、被装着体である衣服に対して、装
着状態を確実に保持することができる。また、ピン35
−1、35−2の先端を開く操作が1回で済むことと、
ピン35−1、35−2を衣服63に挿通させた後のピ
ン35−1、35−2に対する付加的な手間が何一つ要
求されないため、操作が極めて簡単、即ち、操作性を向
上したブローチが得られる。
【0046】同時に部品点数が少ないことから構成が極
めて簡単となり、また、コスト的に安価に製造すること
ができる。さらに、構成が極めて簡単ということは、ブ
ローチの外観において、美的感覚を阻害することもな
く、留め具の構成に影響されずにブローチ本体を自由に
設計することができる。
【0047】さて、上記のものは発条体として、ねじり
コイルバネが使用されていたが、本発明はこれに限定さ
れず、板バネを用いても良い。
【0048】ここで、別変形例について、図11と図1
2の側面図に基づき説明すると、図11において、ブロ
ーチ1は、装飾部72a、72bを有した本体72と、
この留め具72の後方に設けられた接続部79に軸支さ
れた留め具73とを有している。接続部79に軸支する
構成に関しては、レバー78に接合されたピン75の先
端部75aを付勢する方向は、図面後方である。本体7
2においては、ピン75の先端部75aを受け止めるピ
ン収納部76は、前方に底部76c−1が向くように取
り付けられている。
【0049】ユーザーの操作手順は、前述した変形例と
同様に行われるが、唯一異なる点として、本体72に対
する留め具73の回転方向の違いがある。装着後のブロ
ーチ71においては、図12に示されるように、衣服8
1が湾曲部75b−1を介してほぼピン収納部76−1
までずれて移動した場合、ピン75−1に対して矢印S
で示される方向に引き下ろす力、あるいは、移動させる
力が加わる。しかしながら、図12に示される状態にお
いては、ピン75−1が移動、即ち、回転を許される図
面前方のみに限られている。従って、ピン75−1は矢
印D3’の示す方向へは回転せず、ユーザがブローチ7
1を手順に則って取り外さない限り、ブローチ71は装
着状態を維持できる。
【0050】また、装着状態において、留め具73の回
転面は、衣服81に対してほぼ平行に形成されるため、
装着状態の保持を確実にすることができる。
【0051】図13は、実施例のピンを変形した側面図
である。まず、図13(a)に示される例では、ピン1
55の外周面に複数の突起155aが設けられており、
また、図13(b)に示される例では、ピン165の外
周面に複数の窪み165aが設けられている。更に、図
13(c)、(d)に示される例では、断面8角形をし
たねじり構造のピン175が使用されている。
【0052】以上の各ピンの形状は、摺動する衣服に対
しての摩擦力を向上させる機能を有している。従って、
ブローチが衣服から簡単に脱落することを防止できる。
【0053】次に、レバーの押圧部の構成を変形した事
例ついて説明する。
【0054】図14はレバーを変形した要部を示す側面
断面図である。先ず、図14(a)において、レバー1
88の後端部、即ち、押圧部189が、θで示される角
度で下方に屈折した形状を有している。また、図14
(b)に示される例では、レバー198の後端部に凹面
上の押圧部199が設けられている。更に、図14
(c)に示される例では、レバー208の後端部におい
て、レバー208の長手方向と交わる方向に、複数本の
溝を配した押圧部209が設けられている。尚、この溝
を配す方向は、レバー208の長手方向であっても良
い。このように、レバーに対して指の当て易さ及び指の
引っ掛かりを向上できるため、ブローチ脱着時に良好な
操作性を得ることができる。また、指の引っ掛かりを向
上させたことによって、サイズの小さいブローチ(止め
具)に対しても、不備なくピンの開閉を行うことができ
る。
【0055】図15は変形例の要部の構成を示す側面断
面図である。本図に示されるように、ピン215の先端
部215aを受け取るピン収納部216aは、少なくと
も一方の側部216bから後方、即ち、不図時のレバー
方向に向かって突出する鋭利な突起216aを有してい
る。このために、ブローチが衣服に装着された後、衣服
がピン収納部216までずれて移動しても、突起216
aが、人体に傷害を与えること無く、衣服に刺さり、そ
れ以上のピン収納部216側への移動を食い止めること
ができる。
【0056】図16は別構成を示す側面断面図であり、
図17は図16のD−D’矢視断面図である。
【0057】両図において、ブローチ本体222に取り
付けられたピン収納部226は断面Y字形状に設けら
れ、上記湾曲部35bが形成するピン先端部とピン本体
との段差分を側部226a、226bの高さで補い、各
側部226a、226bが別れる部位を底部226cと
して、ピン255が収納される。ピン収納部226の側
部226a、226bには、それぞれ、底部226cの
位置で後方に向かって突出する起伏228a、228b
を有している。
【0058】このように、ピン225の軸方向におい
て、ピン先端部とピン本体との間に段差を形成しなくて
も、段差に代わり、側部226a、226bにそれぞれ
設けられた突起228a、228bが直接に衣服のずれ
を受け留める。この結果、装着中の衣服のずれが規制さ
れ、ブローチが容易に衣服から外れることを防止するこ
とができる。勿論、ピン収納部226の側部226a、
226bより突出する突起によっても、衣服のずれを抑
える効果が得られる。
【0059】図18別変形例の要部の構成を示す側面断
面図である。本図において、ピン235をほぼ直線的に
設け、ピン収納部36−1、36−2と同様のピン収納
部236を有した構成である。尚、本変形例において
も、側部236a、236bは、それぞれ後方に向かっ
て突出する突起238a、238bを有している。ま
た、本体232はピン235に対する方向と逆の方向に
孤を描くように湾曲した湾曲部232aを有している。
この湾曲部232aによって、ピン236に挿通される
衣服の厚みを吸収できる空間が、本体232とピン23
5との間に形成される。以上の構成によれば、衣服がず
れてた場合、ピン収納部236の側部236a、236
bに設けられた突起238a、238bが直接に衣服に
接するため、装着中の衣服のすれが規制され、ブローチ
が容易に衣服から外れることを防止することができる。
【0060】次に、実施例及びその変形例では、ピン収
納部はピン先端部を受け留めるのみの不動構成であった
が、本発明はこれに限定されるものではなく、ピンがピ
ン収納部に収納される動作に追動して、カバーがピン先
端部外部に露出しないように覆うようにしても良い。
【0061】図19から図24は別実施例の要部の構成
を示す側面断面図である。図19に示されるブローチの
要部において、本体242には、不図示の接続部の位置
から前方(図面左)に向かって所定の位置まで傾斜する
凹所242aの先端(図面左端)にピン収納部246が
隠れるように取り付けられていう。凹所242aは、ピ
ン245の本体と先端部245aとの軸方向での段差分
の窪み量をほぼ有している。
【0062】ピン収納部246は,対向する舌状の側部
を2枚有すると共に、両側部の先端部に掛け渡した軸2
48によって断面F字形状の追動体247を回転自在に
軸支した構成を有している。図19に示される対動体2
47において、ピン245が上方に押圧している上板材
は、装着前のブローチの初期状態及び装着後のブローチ
の状態のときに、ピン245の先端部245aを受け取
るピン受板247aである。また、ピン受板247aと
ほぼ平行に併設された板材は、装着前のブローチの初期
状態及び装着後のブローチの状態のときに、ピン受板2
47aによって受け取られている老いん245の先端部
245aを覆う被覆板247bである。平行関係にある
ピン受板247aと被覆板247aとを接続する接続板
247dは、被覆板247bと交差するいいに軸248
を通している。また、追動体247は、軸248を通す
位置から接続板247dの延長方向に向かって突出する
ストッパ247cを有している。ここで、追動体247
の材質は、前述した本体や留め具と同様の材質で良い。
【0063】動作を操作手順を述べると、まず、図19
に示される初期状態から、ユーザーは、不図時のレバー
を操作して、図20に示されるように、矢印D4で示さ
れる方向に、ピン245を回転させる。この操作によっ
て、ピン245の先端部245aは、追動体247のピ
ン受板247aから離れ、被覆板247bの側面に当接
し、追動体247を軸248を中心に矢印R2で示され
る方向に回転、即ち、追動させる。ピン245の先端部
245aが収納状態から完全に開放される位置まで操作
が行われる。
【0064】この状態で、第1実施例と同様に、ユーザ
ーは先端部245を衣服251に挿通させる。ピン24
5が対動体247から離れたときには、対動体247は
自由に回転することが可能となる。しかしながら、対動
体247が矢印R2方向へ回転する場合、ストッパ24
7cはピLン収納部246に受け止められるため、対動
体247のR2方向への回転が規制される。この規制位
置と上記ピン245の開放位置との位置関係において、
対動体247が多少回転できる角度が設定されている。
【0065】次に、ユーザーは、自由に回転する対動体
247を上記規制位置にセットし、不図時のレバーに与
えてた力を開放する。この操作によって、衣服251に
挿通されたピン245は、留め具が元の状態に復元する
動作に従って、矢印う4で示される方向に回転する。こ
の回転によって、先端部245aは、まず、ピン受板2
47aの先端247dに当接し押し上げ、ピン受板24
7a、即ち、対動体247を矢印R3で示される方向に
回転させる。さらに、ピン245は、初期状態まで回転
し、衣服251に装着される。
【0066】以上説明したように、ピン全体をほぼ本体
内部に収納することにいより、装着時において衣服への
密着度が増し、これによって留め具の部分を軸にしてブ
ローチ全体が傾くことを無くすことができる。また、ピ
ン全体をほぼ本体内部に収納することは、安全性を向上
することができる。ブローチを装着装置の代表例として
挙げたが、例えば、真珠のネックレスに取り付けるオー
プンクリップ、2連の真珠のネックレスに取り付けるシ
ヨートナー、タイピン、または、髪のセットに使用する
ピンにも適応できる。尚、直接、髪等の人体にセットす
る装飾装置の場合、ピンの先端を必要以上に鋭利に設け
ないようにすれば良い。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
衣類に対する挿通状態または挟持状態で着脱自在にする
際に、簡単に装着することができ、しかも装着後の安定
性が充分に確保できるので装着後に容易に外れてる虞が
なく、かつ衣類の生地を傷めることのない留め具及びこ
の留め具を使用した表示具と装飾具を提供することがで
きる。
【0068】また、上記効果に加えて、操作性に優れ、
安全性が高く、かつまた本体サイズに適合した最適な形
状の留め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具を
提供することができる。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の発明の実施の形態になる外観斜視図で
ある。
【図2】 第2の発明の実施の形態になる外観斜視図で
ある。
【図3】 回動部材の外観斜視図である。
【図4】 第2の発明の実施の形態の変形例の側面図で
ある。
【図5】 図4のA‐A’矢視断面図である。
【図6】 図4の変形例の動作説明図である。
【図7】 図4の変形例の動作説明図である。
【図8】 図4の変形例の動作説明図である。
【図9】 図4の変形例の動作説明図である。
【図10】 図4の変形例の動作説明図である。
【図11】 第2の発明の実施の形態の別変形例の側面
図である。
【図12】 図11の変形例の動作説明図である。
【図13】(a)ピンの形状を示した側面図、(b)ピ
ンの形状を示した側面図、(c)ピンの断面図、(d)
ピンのC‐C’矢視断面図である。
【図14】 把持部の要部断面図である。
【図15】 第2の発明の実施の形態の別変形例の側面
図である。
【図16】 第2の発明の実施の形態の別変形例の側面
図である。
【図17】 図16のD‐D’矢視断面図である。
【図18】 第2の発明の実施の形態の別変形例の側面
図である。
【図19】 第2の発明の実施の形態の別変形例の側面
図である。
【図20】 図19の変形例の動作説明図である。
【図21】 図19の変形例の動作説明図である。
【図22】 図19の変形例の動作説明図である。
【図23】 図19の変形例の動作説明図である。
【図24】 図19の変形例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 名札、ブローチ 2 本体部 4 軸体 5 把持部 6 分岐部 7 収納部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣類に対する挿通状態または挟持状態で
    着脱自在にする留め具であって、 本体側に固定されるとともに、軸支孔部を穿設した軸支
    部材と、 前記軸支部材の近傍に形成される把持部と、該把持部に
    対向する部位から二股に分岐される分岐部と、該分岐部
    の端部に形成される針状部位とを一体形成してなり、前
    記軸支孔部において揺動自在に設けられる回動部材と、 前記分岐部を前記本体側に移動付勢する付勢部材とを具
    備してなり、 前記挿通状態または前記挟持状態にすることを特徴とす
    る留め具。
  2. 【請求項2】 前記針状部位の近傍において、衣類への
    挿通の際に前記回動部材を前記本体側に移動する力を発
    生するための段差部が形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の留め具。
  3. 【請求項3】 前記分岐部は、前記本体の形状に応じて
    その全長が変えられるとともに、前記針状部位を収納す
    る収納部を具備することを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の留め具。
  4. 【請求項4】 衣類に対する挿通状態または挟持状態で
    着脱自在にする留め具を使用した表示具であって、 表示具本体側に固定されるとともに、軸支孔部を穿設し
    た軸支部材と、 前記軸支部材の近傍に形成される把持部と、該把持部に
    対向する部位から二股に分岐される分岐部と、該分岐部
    の端部に形成される針状部位とを一体形成してなり、前
    記軸支孔部において揺動自在に設けられる回動部材と、 前記分岐部を前記本体側に移動付勢する付勢部材とを具
    備してなり、 前記挿通状態または前記挟持状態にすることを特徴とす
    る留め具を使用した表示具。
  5. 【請求項5】 前記針状部位の近傍において、衣類への
    挿通の際に前記回動部材を前記本体側に移動する力を発
    生するための段差部が形成されていることを特徴とする
    請求項4に記載の留め具を使用した表示具。
  6. 【請求項6】 前記分岐部は、前記針状部位を収納する
    収納部を具備することを特徴とする請求項4または請求
    項5に記載の留め具を使用した表示具。
  7. 【請求項7】 衣類に対する挿通状態または挟持状態で
    着脱自在にする留め具を使用した装飾具であって、 装飾具本体側に固定されるとともに、軸支孔部を穿設し
    た軸支部材と、 前記軸支部材の近傍に形成される把持部と、該把持部に
    対向する部位から二股に分岐される分岐部と、該分岐部
    の端部に形成される針状部位とを一体形成してなり、前
    記軸支孔部において揺動自在に設けられる回動部材と、 前記分岐部を前記本体側に移動付勢する付勢部材とを具
    備してなり、 前記挿通状態または前記挟持状態にすることを特徴とす
    る留め具を使用した装飾具。
  8. 【請求項8】 前記針状部位の近傍において、衣類への
    挿通の際に前記回動部材を前記本体側に移動する力を発
    生するための段差部が形成されていることを特徴とする
    請求項7に記載の留め具を使用した装飾具。
  9. 【請求項9】 前記分岐部は、前記本体の形状に応じて
    その全長が変えられるとともに、前記針状部位を収納す
    る収納部を具備することを特徴とする請求項7または請
    求項8に記載の留め具を使用した装飾具。
JP17470295A 1995-07-11 1995-07-11 留め具及びこの留め具を使用した表示具と装飾具 Withdrawn JPH0923905A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009082671A (ja) * 2007-10-02 2009-04-23 Kaname Mizuta 取付けピン
JP2009183376A (ja) * 2008-02-04 2009-08-20 Takefumi Meguro ブローチ金具

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