JPH09239053A - ガス噴射器具 - Google Patents

ガス噴射器具

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JPH09239053A
JPH09239053A JP4906896A JP4906896A JPH09239053A JP H09239053 A JPH09239053 A JP H09239053A JP 4906896 A JP4906896 A JP 4906896A JP 4906896 A JP4906896 A JP 4906896A JP H09239053 A JPH09239053 A JP H09239053A
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JP
Japan
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gas
injection
cylinder
holder
screwing operation
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JP4906896A
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English (en)
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Kunio Tanaka
邦夫 田中
Chiaki Saito
千秋 斉藤
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HIKARI DENKI KK
JOY SUTOTSUKU JAPAN KK
Original Assignee
HIKARI DENKI KK
JOY SUTOTSUKU JAPAN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボンベの開封操作が容易であり、開封直後の噴
射の向きを容易に制御することができるガス噴射器具を
提供すること。 【解決手段】内部に高圧の液化ガスが充填されたボンベ
1にホルダー4を取付け、このホルダー4に手動により
回転操作される捩じ込み操作リング12を螺合し、この
捩じ込み操作リング12に刺し針17および噴射ノズル
15を取付け、上記捩じ込み操作リング12を螺進入さ
せた場合に刺し針17が前記ボンベ1の封止板3を破っ
て内部の液化ガスを噴射ノズル15より外部に噴射させ
るようにしたしたことを特徴とするガス噴射器具であ
る。一方の片手でホルダー4またはボンベ1を把持し、
他方の片手で捩じ込み操作リング12を掴んでこの捩じ
込み操作リング12を回転操作することができ、開封さ
れた瞬間のガスの噴射方向を容易に制御することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧の液化ガスを
充填したボンベを手動操作により開封し、このボンベ内
の液化ガスを噴射させるようにしたガス噴射器具に係
り、例えば初期消火用の消火ガス噴射器具やごみ類のガ
ス吹き付け掃除用噴射器具などに用いて有効な簡易手動
操作型の小形ガス噴射器具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に消火器は、粉末式または泡水式で
あり、ボンベから噴射された粉末消火剤または泡水消火
剤で火元の酸素を減酸させたり、または火元と空気との
接触を遮断(酸素の取り入れを遮断)して消火するよう
になっている。しかしながら、このような粉末式や泡水
式の消火器では、消火活動の後に火元およびその周辺の
物体に多量の粉末消火剤や泡水消火剤が付着するため、
その後始末に多大な手間を要するという不具合がある。
また、この種の粉末式や泡水式の消火器は、使用する場
所によっては、例えばコンピュータ室や電子機器の周辺
でコンピュータや電子機器が火元でないにも拘らず使用
すると、粉末消火剤や泡水消火剤がコンピュータや電子
機器に降りかかり、これら機器が使用不能になるといっ
た心配もある。
【0003】このようなことから、上記粉末式や泡水式
の消火器に代わり、フロンガスやハロンガスを使用した
ガス噴射式消火器が考えられるが、フロンガスやハロン
ガスはオゾン層の破壊物質であり、地球環境汚染という
社会的および世界的視野から使用が禁止されている。
【0004】そこで、特開平7−313615号公報に
記載されているようなガス噴射式消火器具が提案されて
いる。この種のガス噴射式消火器具は、容量95cc程度
の小形液化炭酸ガスボンベまたは液化窒素ガスボンベを
用い、このガスボンベから炭酸ガスまたは窒素ガスを噴
射させて、火元の初期消火にあたらせようとするもので
ある。
【0005】上記ガスボンベ内には液化炭酸ガスまたは
液化窒素ガスが封入されており、端部の封止板を破る
と、液化炭酸ガス重量1g当たり約500mlの気化炭酸
ガス(液化窒素ガスの場合は重量1gが約800mlの気
化窒素ガス)が膨脹して発生し、したがって容量95cc
のボンベであれば液化炭酸ガスが約60g充填可能であ
るから30リットルの炭酸ガスを放出させることができ
る。また、ボンベを開封したとき、噴射口の開口径にも
よるが6〜8秒程度の噴射が続き、しかも噴射距離は充
填されている液化ガスの量および噴射口径にもよるが、
2〜3mに達する。
【0006】このようなガスボンベを用いると、液化炭
酸ガスが開封により気化するときの温度低下により超マ
イナス温度(−30℃〜−40℃)の炭酸ガスが噴射さ
れるようになり、よって火元やその周囲温度を冷やすか
ら火元を発火点以下に冷却し、この冷却作用で消火を促
す。またボンベから噴射される炭酸ガスの噴射圧力で火
元を叩き、この圧力叩き付け作用で消火を促進し、加え
て炭酸ガスの拡散による酸欠作用で消火をなすことがで
きる。
【0007】なお、一般に、消火のために必要な酸欠状
態は、空気中21%の酸素を15%以下にすればよいと
いわれており、気化量が室内容積の約1/4、すなわち
室内容積が120リットル以下の部屋であれば容量95
cc(60g)の炭酸ガスボンベ1本で消火が可能であ
る。
【0008】よって、液化炭酸ガスまたは液化窒素ガス
を封入した容量95ccのボンベを用いれば初期消火に有
効であり、しかも、噴射される消火剤がガスであるから
消火が終了すれば拡散し、よって後始末に手間を要せ
ず、かつ周辺の品物を汚損することがなく、前記コンピ
ュータ室や電子機器の回りで使用しても、コンピュータ
や電子機器が火災で損傷しない限りはこれらコンピュー
タや電子機器を消火剤で損傷させるといった心配がなく
なるなどの利点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載されたガス噴射式消火器具は、ばねにより付勢
されたプッシャーを外部から叩いて衝撃を与えることに
よりこのプッシャーをばねの力に抗して叩き込み、これ
によりプッシャーに取付けた撃針をボンベの封止板に突
き刺してボンベを開封するようになっている。そして、
ボンベが開封されるとプッシャーの反対側に開口された
噴射孔から高圧の炭酸ガスが噴射されるようになってい
る。
【0010】このような構造の場合、外部からプッシャ
ーに衝撃を与えてボンベを開封する構造であるから、プ
ッシャーを手で叩くとその衝撃でボンベに姿勢が変わ
り、噴射孔の向きが変動する心配がある。開封した瞬間
に噴射孔が火元に向かっておればよいが、噴射孔の向き
が操作する者の身体や顔に向くと超低温の高圧炭酸ガス
が操作する者の身体や顔に噴射されるようになり、操作
者が低温火傷を負うなどの心配がある。特に、プッシャ
ーに大きな押圧力を与えるためプッシャーを床や壁、柱
などに打ち付けて衝撃を与えるような使用であると、衝
撃を与えたとき噴射孔の向きが不所望な方向に向く心配
があり、噴射ガスが予期しない方向に噴射される虞れが
ある。
【0011】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、開封操作が容易で
あり、開封直後の噴射の向きを容易に制御することがで
きるガス噴射器具を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、端部が封止板にて閉封され、内部に
高圧の液化ガスが充填されたボンベと;上記ボンベに取
付けられたホルダーと;上記ホルダーに螺合され、手動
により回転操作された場合に上記ホルダーに螺進入され
る捩じ込み操作部材と;この捩じ込み操作部材に設けら
れ、この捩じ込み操作部材を上記ホルダーに螺進入させ
た場合に前記ボンベの封止板を破って内部の液化ガスを
噴射させる刺し針と;上記捩じ込み部材に設けられ、上
記刺し針によって破られた封止板から噴射される気化ガ
スを案内して外部に向けて噴射させる噴射ノズルと;を
具備していることを特徴とするガス噴射器具である。
【0013】本発明のガス噴射器具は、消火用ガス噴射
器具に限らず、例えばガスの噴射により付着ごみを吹き
飛ばして掃除する掃除用ガス噴射器具、酸素供給ガス噴
射器具など、要するにボンベに充填されたガスを噴射す
る器具を含む。
【0014】消火用ガス噴射器具に適用した場合は、一
般家庭の居住室、旅館やホテルの客室、事務所、病院、
学校、飲食店、台所、厨房、自動車や船舶、航空機、配
電室、ボイラー室、暖房機室、保管庫、コンピュータ
室、ガス器具など、種々の出火の心配のある場所に備え
て防災用として装備しておくことができる。
【0015】ホルダーはボンベの全体を覆っていても、
またはボンベの一部を覆っていても構わないが、ボンベ
と一体的に結合されていることが望ましい。捩じ込み操
作部材はリング形状、レバー形状、ハンドル形状など、
いづれの構造であってもよく、要するに片手で回転操作
できるものであればよい。
【0016】なお、不使用時に捩じ込み操作部材がホル
ダーに対して相対的に回転するのを防止するために、回
転防止の安全ピンを備えていても、または備えなくても
構わない。
【0017】請求項1の発明によれば、一方の片手でホ
ルダーまたはボンベを把持し、他方の片手で捩じ込み操
作部材を掴み、この状態で噴射ノズルの噴射方向を定め
ておいて捩じ込み操作部材を回転操作すると、捩じ込み
操作部材がホルダーに螺進入し、この捩じ込み操作部材
に取付けた刺し針がボンベの封止板を破って内部の液化
ガスを噴射させるようになる。ボンベから噴射された液
化ガスは瞬時に気化ガスとなって噴射ノズルより外部に
向けて噴射される。したがって、開封された瞬間のガス
の噴射方向を容易に制御することができ、操作する者の
身体などに噴射されるのを防止することができる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1に記載のガス
噴射器具において、捩じ込み操作部材に、噴射ノズルか
ら噴射されるガスから手指を保護する保護ガード部材が
設けられていることを特徴とする。
【0019】請求項2の発明であれば、捩じ込み操作部
材に保護ガード部材が設けられているから、この保護ガ
ード部材は捩じ込み操作部材を操作する他方の手を噴射
ノズルから噴射される高圧低温のガスから保護し、安全
性が向上する。
【0020】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2に記載のガス噴射器具において、捩じ込み操作部材に
は、噴射ノズルから噴射されるガスの噴射角を調整する
調整リングが取付けられていることを特徴とする。
【0021】請求項3の発明であれば、捩じ込み操作部
材に調整リングを設けたから、この調整リングを操作す
れば噴射されるガスの噴射角を調整することができる。
なお、調整リングと前記保護ガード部材は一体に形成し
てもよく、また別体に形成してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図示する一
実施の形態にもとづき説明する。本実施例は、簡易手動
操作型消火ガス噴射器具に適用した例を示し、図1は消
火ガス噴射器具の断面図、図2は前面を示す図、図3は
図1の III−III 線に沿う断面図、図4は捩じ込み操作
リングを回転操作してガスが噴射される状態を示す主要
部の断面図、図5は同主要部を分解した斜視図、図6は
操作状態を示す消火ガス噴射器具の全体の斜視図であ
る。
【0023】図において1は液化炭酸ガスボンベであ
る。ボンベ1は、例えば深絞り用冷間圧延鋼板からなる
外径40mm、全長130mm程度の密封容器形状をなして
おり、胴部1aの先端に小径首部1bを有し、この首部
1bの外周には雄ねじ部2が形成されている。首部1b
の先端面はボンベ1と一体の封止板3(図4に示す)に
より気密に閉塞されている。このボンベ1は、例えば内
容積が95ccであり、液化炭酸ガスが60g程度充填さ
れている。液化炭酸ガスは気化すると超マイナス温度
(−30℃〜−40℃)のガス状になり、60g×50
0倍の気化量になる。したがって、空気中の酸素含有率
21%を15%の酸欠状態にさせようとする場合、室内
の容積が上記気化量の4倍以下であれば酸欠による消火
を促す。
【0024】このようなボンベ1にはホルダー4が取付
けられている。ホルダー4はAES樹脂などの合成樹脂
からなり、上記ボンベ1の首部1bに被冠されている。
このホルダー4の中央部には、上記首部1bに形成され
た雄ねじ部2と螺合する雌ねじ孔5が形成されていると
ともにこの雌ねじ孔5に連続してガイド孔6が設けられ
ている。また、ホルダー4の外周には軸方向に沿って段
差7が形成されており、この段差7の先端側の小径部に
は雄ねじ部8が形成されているとともに、後端側の大径
部はボンベ1の肩部を覆うように形成されている。この
ようなホルダー4は、上記中央部に形成された雌ねじ孔
5をボンベ1の首部1bの雄ねじ部2に螺合することに
よってボンベ1に取付けられている。これによりボンベ
1の先端面に形成した封止板3がガイド孔6に臨んでい
る。そして、ホルダー4の外周に形成された後端側の大
径部はボンベ1の肩部を覆っている。
【0025】上記ホルダー4にはカバー10が取付けら
れている。このカバー10もAES樹脂などの合成樹脂
からなり、上記ボンベ1の胴部を覆う有底円筒形に形成
されている。このカバー10は上記ボンベ1の胴部を底
部側から覆うようにして被せられており、上端の開口部
は上記ホルダー4に連結されている。ホルダー4とカバ
ー10の連結は、圧入、係止または接着剤による固定で
あり、これらホルダー4とカバー10は相対的に回転し
ないように固着されている。このような構造によりボン
ベ1の外周は全体の亘りホルダー4とカバー10とで覆
い隠されている。
【0026】なお、カバー10の下端には、本例の消火
ガス噴射器具を部屋の壁や柱などに取付けたフック(図
示しない)に引っ掛けるための引掛け孔11が形成され
ている。
【0027】上記ホルダー4の先端には、捩じ込み操作
部材としての捩じ込み操作リング12が取付けられてい
る。捩じ込み操作リング12は内周面に雌ねじ部13を
有しており、この雌ねじ部13は前記雄ねじ部8に螺合
されている。したがって、捩じ込み操作リング12を回
転操作すると、上記雄ねじ部8と雌ねじ部13のねじ係
合作用により捩じ込み操作リング12は回転しつつ軸方
向に移動するようになっている。
【0028】捩じ込み操作リング12の中央部には噴射
ノズル15が圧入や接着剤等により固定されている。噴
射ノズル15は前記深絞り用冷間圧延鋼板からなる封止
板3よりも堅い金属材料、例えばSUSからなり、前記
ホルダー4の中央部に形成されたガイド孔6に進入可能
な外径を有している。そして、この噴射ノズル15の中
心部には噴射孔16が形成されており、この噴射孔16
は先端に向かって拡径するテーパ孔となっている。ま
た、上記噴射ノズル15の下端には刺し針17が一体に
形成されている。この刺し針17は、上記捩じ込み操作
リング12が螺進入されたときに前記ボンベ1の封止板
3を突き破って封止板3に孔を開けるものである。
【0029】上記捩じ込み操作リング12の下端は、前
記ホルダー4の大径部に重なって被されており、この重
なり部には安全ピン18が取付けられている。安全ピン
18は合成樹脂からなり、図3に示すように、外端部に
引き抜き用摘み19を有するとともに内端部に二股状の
挾持部20を有している。そして、上記重なり部の捩じ
込み操作リング12およびホルダー4には側方に開口す
る係止孔21がこれら捩じ込み操作リング12およびホ
ルダー4に連続して形成されており、この係止孔21に
上記安全ピン18が外側方から嵌め込まれている。この
安全ピン18は、挾持部20がボンベ1の首部1bを挾
むように嵌まり込んでおり、またこの挾持部20の外端
部に形成した係止突起22が上記係止孔21の内面に圧
入により摩擦係合することで係止孔21に係止してい
る。
【0030】このような安全ピン18を係止孔21に差
し込みむと、この安全ピン18が捩じ込み操作リング1
2の回動を阻止するようになり、したがってこの状態で
は捩じ込み操作リング12を回転操作することができな
い。そして、引き抜き用摘み19を握って安全ピン18
を外側方に引き抜くと、捩じ込み操作リング12をホル
ダー4に対して回動させることが可能になる。
【0031】前記捩じ込み操作リング12の先端には保
護ガード部材としてのガードリング25が取付けられて
いる。本実施例ではこのガードリング25が噴射ノズル
15から噴射されるガスの噴射角を調整する調整リング
を兼ねている。ガードリング25は合成樹脂からなり、
筒形をなして捩じ込み操作リング12の先端に被せられ
ている。そして、捩じ込み操作リング12の外周面には
軸方向に延びる複数のガイド溝26…が形成されている
とともに、ガードリング25の内面にはこれらガイド溝
26…に摺接する摺動突起27…が形成されており、こ
れらガイド溝26…と摺動突起27…の案内作用でガー
ドリング25は捩じ込み操作リング12に対して軸方向
にスライド可能となっており、したがってガードリング
25は捩じ込み操作リング12に対して伸縮移動可能と
なっている。
【0032】このガードリング25の先端面には開口部
28…が形成されており、その中央部には噴射ノズル1
5に向かって細くなる円錐テーパ形の噴射角調整ニード
ル29が形成されている。噴射角調整ニードル29は噴
射ノズル15の噴射孔16に対向しており、上記ガード
リング25を捩じ込み操作リング12に対して伸長させ
た場合は噴射角調整ニードル29が噴射ノズル15から
遠ざかり、これにより噴射孔16から噴射されるガスの
噴射広がり角(噴射角)を小さくし、また上記ガードリ
ング25を捩じ込み操作リング12に対して短縮させた
場合は噴射角調整ニードル29が噴射ノズル15に近づ
き、これにより噴射孔16から噴射されるガスの噴射角
を大きくするようになっている。
【0033】このような構成の簡易手動操作型消火ガス
噴射器具の使用例を説明する。図6に示すように、消火
ガス噴射器具のカバー10部分を一方の手で握り、捩じ
込み操作リング12を他方の手で握る。この状態で噴射
ノズル15の噴射孔16を噴射しようとする対象物、例
えば火元に向ける。このような姿勢で他方の手で捩じ込
み操作リング12を回し、この捩じ込み操作リング12
をホルダー4に対して短くなる方向に操作する。する
と、捩じ込み操作リング12に取付けられている噴射ノ
ズル15がホルダー4のガイド孔6内に進入し、先端に
設けられた刺し針17がボンベ1の封止板3につき刺さ
る。
【0034】これにより、図4に示すように、封止板3
が開封され、ボンベ1に充填されていた液化炭酸ガスが
封止板3の開口より噴射され、噴射ノズル15の噴射孔
16を通じて前方に噴射される。この噴射ガスはガード
リング25の内部を通り、先端面の開口部28…から前
方に噴射される。
【0035】液化炭酸ガスがボンベ1から噴射されると
き、大気に開放されるから急激に膨脹して気化し、この
炭酸ガスは超マイナス温度(−30℃〜−40℃)のガ
ス状になり、しかも60g×500倍の気化量になる。
【0036】このような炭酸ガスを火元に向けて噴射し
た場合は、超マイナス温度(−30℃〜−40℃)の炭
酸ガスが噴射されるから、火元やその周囲温度を冷やす
ことになり、この冷却作用で消火を促す。また噴射距離
はボンベに充填されている液化ガスの量や噴射孔16の
大きさにもよるが、直線距離で2m〜3mに達するから
その噴射圧力で火元を叩くようになり、この圧力叩き付
け作用で消火を促進しる。さらに、炭酸ガスの拡散によ
る酸欠作用で消火を行うことができる。
【0037】このような噴射の時間は、ボンベに充填さ
れている液化ガスの量や噴射孔16の大きさにもよる
が、6〜8秒程続く。したがって、噴射の方向を火元に
正しく定めておけば、上記冷却作用および圧力叩き付け
作用ならびに酸欠作用の3つの作用で迅速に消火するこ
とができる。
【0038】しかも噴射された炭酸ガスは消火が終了す
れば拡散するから後始末に手間を要せず、かつ周辺の品
物を汚損することがなく、例えばコンピュータ室や電子
機器の回りで使用しても、コンピュータや電子機器が火
災で損傷しない限りはこれらコンピュータや電子機器を
ガスで汚染したり損傷するといった心配はない。
【0039】本実施例の消火ガス噴射器具の構造によれ
ば、捩じ込み操作リング12を回転操作して刺し針17
をボンベ1の封止板3につき刺して開封する構造である
から、図6より判る通り、噴射孔16の向きを目標とす
る火元に正しく定めて消火ガス噴射器具を保持しておく
ことができ、噴射開始の瞬間から火元に噴射することが
できる。また、狙い方向が目標から若干ずれていても、
両手で消火ガス噴射器具を握っているから、噴射方向の
修正を素早く行うことができる。よって、短時間に噴射
が終わる虞れのあるガス噴射消火であるにも拘らず、目
標に向けて確実に噴射することができる。
【0040】特に、本実施例の消火ガス噴射器具は、両
手で握って操作するので、噴射の方向が操作する者の身
体や顔に向くのを確実に阻止することができ、安全操作
が可能である。
【0041】また、捩じ込み操作リング12の先端にガ
ードリング25を取付けてあるから、捩じ込み操作リン
グ12を握って回動操作する手が誤って捩じ込み操作リ
ング12の先端面、すなわち噴射孔16の前面に回り込
むのをガードリング25が阻止する。このため、操作す
る手が超マイナス温度の噴射ガスに触れるのが防止さ
れ、安全性が高い。特に、ガードリング25を捩じ込み
操作リング12の先端へ延ばすと、手の保護が一層確実
になる。
【0042】また、ガードリング25に噴射角調整ニー
ドル29を設けたのでガードリング25を捩じ込み操作
リング12に対して伸縮操作すれば噴射角調整ニードル
29が噴射ノズル15の噴射孔16に接離変位させるこ
とができる。すなわち、ガードリング25を捩じ込み操
作リング12に対して伸長させた場合は噴射角調整ニー
ドル29が噴射ノズル15から遠ざかり、これにより噴
射孔16から噴射されるガスの噴射角が小さくなる。よ
って噴射ガスを遠くに向けて噴射させることができ、火
元に直接噴射して圧力叩き付け消火などに有効である。
また上記ガードリング25を捩じ込み操作リング12に
対して短縮させた場合は噴射角調整ニードル29が噴射
ノズル15に近づき、これにより噴射孔16から噴射さ
れるガスの噴射角を大きくすることができる。この場合
は、炭酸ガスを部屋の素早く拡散させることができ、酸
欠消火などに有効である。
【0043】なお、上記実施例では、ボンベ1をカバー
10で覆ったが、このカバー10は必ずしも必要なもの
ではなく、カバー10を用いずにボンベ1の一部が剥き
出しの場合であってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り請求項1の発明によれ
ば、一方の片手でホルダーまたはボンベを把持し、他方
の片手で捩じ込み操作部材を掴んで捩じ込み操作部材を
回転操作することができ、ガス噴射器具の姿勢を容易に
制御できるから、開封された瞬間のガスの噴射方向を容
易に制御することができ、よって操作する者の身体など
にガスが噴射される等の不具合を防止することができ
る。また、構造が簡単であり、部品点数も少なくてす
む。
【0045】請求項2の発明であれば、捩じ込み操作部
材に保護ガード部材が設けられているから、この保護ガ
ード部材は捩じ込み操作部材を操作する他方の手を噴射
ノズルから噴射される高圧低温のガスから保護し、安全
性が向上する。請求項3の発明であれば、捩じ込み操作
部材に調整リングを設けたから、この調整リングを操作
すれば噴射されるガスの噴射角を調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、簡易手動操作型
消火ガス噴射器具の断面図。
【図2】同実施例の消火ガス噴射器具の前面を示す図。
【図3】図1の III−III 線に沿う断面図。
【図4】捩じ込み操作リングを回転操作してガスが噴射
される状態を示す主要部の断面図。
【図5】同主要部の分解した斜視図。
【図6】同実施例の消火ガス噴射器具の操作状態を示す
斜視図。
【符号の説明】
1…ボンベ 3…封止板 4…ホルダー 8…雄ねじ部 10…カバー 12…捩じ込み操作リング 13…雌ねじ部 15…噴射ノズル 16…噴射孔 18…安全ピン 25…ガードリング 29…噴射角調整ニードル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部が封止板にて閉封され、内部に高圧
    の液化ガスが充填されたボンベと;上記ボンベに取付け
    られたホルダーと;上記ホルダーに螺合され、手動によ
    り回転操作された場合に上記ホルダーに螺進入される捩
    じ込み操作部材と;この捩じ込み操作部材に設けられ、
    この捩じ込み操作部材を上記ホルダーに螺進入させた場
    合に前記ボンベの封止板を破って内部の液化ガスを噴射
    させる刺し針と;上記捩じ込み部材に設けられ、上記刺
    し針によって破られた封止板から噴射される気化ガスを
    案内して外部に向けて噴射させる噴射ノズルと;を具備
    していることを特徴とするガス噴射器具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガス噴射器具におい
    て、 上記捩じ込み操作部材には、上記噴射ノズルから噴射さ
    れるガスから手指を保護する保護ガード部材が設けられ
    ていることを特徴とするガス噴射器具。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のガス噴
    射器具において、 上記捩じ込み操作部材には、上記噴射ノズルから噴射さ
    れるガスの噴射角を調整する調整リングが取付けられて
    いることを特徴とするガス噴射器具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389006B1 (ko) * 2000-05-30 2003-06-25 이희영 압축공기를 이용한 출혈점 탐색 및 처리기구
JP2006333892A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Air Water Sol Kk 消火ガス噴射器具およびその製造方法
JP2013165976A (ja) * 2013-04-08 2013-08-29 Yuki Sokenbi Club:Kk 美顔器

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