JPH092387A - ジェットポンプ式推進装置のステアリング機構 - Google Patents

ジェットポンプ式推進装置のステアリング機構

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JPH092387A
JPH092387A JP7159682A JP15968295A JPH092387A JP H092387 A JPH092387 A JP H092387A JP 7159682 A JP7159682 A JP 7159682A JP 15968295 A JP15968295 A JP 15968295A JP H092387 A JPH092387 A JP H092387A
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Yasuhiko Henmi
恭彦 逸見
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Yamaha Marine Co Ltd
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    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63HMARINE PROPULSION OR STEERING
    • B63H11/00Marine propulsion by water jets
    • B63H11/02Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water
    • B63H11/10Marine propulsion by water jets the propulsive medium being ambient water having means for deflecting jet or influencing cross-section thereof

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 方向転換時にジェット水流が漏れて出力が低
下することのないジェットポンプ式推進装置のステアリ
ング機構を提供すること。 【構成】 プロペラを内蔵し、当該プロペラの回転力で
一端から水を吸い上げ他端からジェット水流として水を
放出する固定管の後部に、固定管と連通し、かつステア
リングの操作に応じて回動するように可動管を回動可能
に設け、前記固定管と可動管との間に、これらの管の隙
間からジェット水流が漏れるのを防止する漏れ防止部材
を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水上走航船で使用され
るジェットポンプ式推進装置のステアリング機構の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水上走航船に使用される推進
装置としては、一端が船体下方に開口し、他端が船体後
方に開口する円筒状のノズル管の内部にプロペラ、いわ
ゆるインペラを設け、このインペラをエンジンで回転さ
せることによりノズル管が前記船体下方の開口部から水
を吸い込んで、この水をジェット水流として船体後方の
開口部から船体後方に向けて噴射する、いわゆるジェッ
トポンプ形式を採用しているものがある。この形式の推
進装置には、一般的にノズル管の後端部に船体の水平面
上で左右方向に回動可能に円筒状のディフレクタノズル
を取り付け、このディフレクタノズルをハンドルで操作
して左右に回動させてジェット水流の噴射方向を変えて
船体の方向転換を行うステアリング機構が採用されてい
る。図7は前記推進装置におけるステアリング機構の構
成を説明する概略構成図を示しており、図7(a)は直
進時を、又図7(b)は方向転換時の状態を各々示して
いる。尚、図中30はノズル管を、31はディフレクタ
ノズルを示し、また、矢印はジェット水流の流れ方向を
示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した形式
のステアリング機構は、円筒状のディフレクタノズル3
1を回動させることでノズル管30からのジェット水流
をディフレクタノズル31の内壁に当て、そこからジェ
ット水流を内壁に沿って下流端の噴射開口に案内するこ
とで流れ方向を変えているのであるが、図7(b)に示
すように、この方向転換時に、ジェット水流の一部がデ
ィフレクタノズルの内壁に衝突するために逆流してディ
フレクタノズルとノズル管との間の隙間から漏れてしま
い一時的に出力が低下してしまうという問題がある。と
ころで、ジェットポンプ式の推進装置を採用している水
上走航船は、停船時には船体の下部が水中に浸かってい
るが、走航中は推進力によって浮上してほぼ完全に水上
に浮いて走航するため、エンジンの排気出口をノズル管
が設けられている隔室(以下、単にジェット隔室と称す
る。)と同じ室内に設けるものがある。このジェット隔
室は前述のように走行中はほとんど水上に露出するた
め、その後端部(即ち船体の後端部)は完全に開口され
そこからノズル管が後方外部に露出し、また、排気ガス
もこの開口から外部に排気されている。この形式の水上
走航船において、前記したようにノズルからのジェット
水流の漏れが生ずると、走行中に漏れたジェット水流が
ジェット隔室内に侵入し、ウォータカーテンのように排
気出口を塞いで排気抵抗を高くしエンジン出力を低下さ
せるという問題も合わせて生ずる。本発明は上記した従
来の問題点を解決し、方向転換時にジェット水流が漏れ
て出力が低下することのないジェットポンプ式推進装置
のステアリング機構を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本発明に係るジェットポンプ式推進装置のステア
リング機構は、プロペラを内蔵し、当該プロペラの回転
力で一端から水を吸い上げ他端からジェット水流として
水を放出する固定管の後部に、固定管と連通し、かつス
テアリングの操作に応じて回動するように可動管を回動
可能に設け、前記固定管と可動管との間に、これらの管
の隙間からジェット水流が漏れるのを防止する漏れ防止
部材を設けたことを特徴とするものである。好ましくは
前記漏れ防止部材は弾性部材で構成され得、この場合、
前記漏れ防止部材を環状に形成して、固定管の後端部に
後方に延長するように設けてもよい。また、前記漏れ防
止部材は、船体が直進時のジェット水流の流れ方向に沿
って延長するように設けるのが好ましい。前記固定管は
ノズル管とノズル管の後部に上下方向に回動可能に取り
付けられたトリムリングを含むことができ、その場合、
前記可動管をトリムリングに左右に回動可能に取り付け
て、前記漏れ防止部材はトリムリングに装着され得る。
前記漏れ防止部材は、固定部材における可動管の回動中
心を通る円周上に設けられ得る。この場合、固定管はノ
ズル管で構成され得、前記可動管をノズル管の後部に上
下方向に回動可能に取り付けたトリムリングで構成し
て、前記漏れ防止部材は前記ノズル管の外周にノズル管
と一体的に設けられ得る。
【0005】
【作用】上記したように構成した本発明のジェットポン
プ式推進装置のステアリング機構は、内蔵されたプロペ
ラを回転させてプロペラの回転力で固定管の内部にジェ
ット水流を流しながら可動管を回動させてジェット水流
の流れ方向を変える場合に、固定管と可動管との間に設
けられた漏れ防止部材で、固定管と可動管との間の隙間
からジェット水流の一部が逆流して漏れるのを防止す
る。漏れ防止部材を弾性部材で構成した場合には、ジェ
ット水流の水圧によって漏れ防止部材が適当に変形して
前記隙間の液密性を高め、また、漏れ防止部材を環状に
形成して固定部材の後端部に後方に延びるように設けた
場合には、前記漏れ防止部材は可動管のあらゆる動きに
対応してジェット水流が逆流しそうな部分でジェット水
流の漏れを防止する。前記漏れ防止部材を、船体が直進
時のジェット水流の流れ方向に沿って延長させた場合に
は前記漏れ防止部材は直進時でもジェット水流の障害物
になることなく、ジェット水流をガイドしてその直進性
を高める。前記固定管をノズル管とノズル管の後部に上
下方向に回動可能に取り付けられたトリムリングで構成
し、前記可動管をトリムリングに左右に回動可能に取り
付けて、前記漏れ防止部材をトリムリングに装着した場
合には、前記漏れ防止部材は可動管の左右の回動に応じ
て可動管とトリムリングとの間に生ずる隙間を塞いでジ
ェット水流の漏れを防止する。前記漏れ防止部材を、固
定部材における可動管の回動中心を通る円周上に設ける
と、漏れ防止部材によって可動管の回動動作が制限され
ることなくジェット水流の漏れは防止され得、また、固
定管をノズル管で構成し、可動管をノズル管の後部に上
下方向に回動可能に取り付けたトリムリングで構成した
場合には、漏れ防止部材はトリムリングの上下方向の回
動に応じて固定管とトリムリングとの間に生ずる隙間を
狭くしてジェット水流の漏れを防止する。
【0006】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明に係るステ
アリング機構の一実施例について説明する。図1は本発
明に係るステアリング機構を採用した水上走行船の一部
破断側面図であり、図2はステアリング機構周辺を拡大
して示す平面断面図を各々示している。
【0007】図中1は水上走行船を示している。この水
上走行船1は、乗員が船体2の上に設けられたシート3
に跨って座り、このシート3の前方に設けられた走行ハ
ンドル4を掴んで走航するように構成されている。前記
船体2の内部の略中央部分には2サイクル2気筒エンジ
ン5が搭載されており、このエンジン5からクランク軸
(図示せず)に連結されたドライブシャフト6が船体の
後方に向けて延長し、船体後方底部に搭載されたジェッ
トポンプ式推進装置20を駆動するように構成されてい
る。
【0008】前記エンジン5は右舷側に吸気装置(図示
せず)が接続され、左舷側に排気装置7が接続されてお
り、吸気装置の気化器には船体前部に搭載された燃料タ
ンク8から燃料が供給されるように構成されている。排
気装置7は、排気膨脹室を有する上流側排気管9と、連
通ホース10を介して上流側排気管9に接続されたウォ
ータロック11と、このウォータロック11に連結され
た下流側排気管12とから構成されている。前記下流側
排気管12は前述のとおり一端がウォータロック11に
連結され、他端は船体後方底部に形成されたポンプ隔室
13の側壁14で開口しており、ウォータロック11内
の排気ガスは、この下流側排気管12を通してポンプ隔
室13から外部に排気される。前記ウォータロック11
は、この水上走航船1が転覆した時等に排気装置7を水
が逆流してエンジン5に水が侵入するのを防止するため
のもので、その内部に水を有る程度溜めることができる
構造になっており、前記ポンプ隔室13より左舷側に配
置されている。
【0009】前記ポンプ隔室13は、船体2の後方底部
を上方に向けて凹陥させて形成されており、その底部は
船底プレート15によって閉鎖され、後部だけが船体後
方に向けて開口している。このポンプ隔室13は、停船
している時は、船体2の下方が水中に沈んでいるので前
記後部の開口から水が侵入して内部は水で満たされてい
るが、走航中は推進力で船体が水面S上に浮き上がるの
で内部に水は侵入せずに、エンジンの排気抵抗にならな
い。
【0010】当該ポンプ隔室13の内部にはジェットポ
ンプ式推進装置20が収納されている。ジェットポンプ
式推進装置20は、ノズル管21、トリムリング22及
びディフレクタノズル23で構成されている。前記ノズ
ル管21は、円筒状の上流管21a及び下流管21bを
二つの連結管21c,21dで直列に連結して一本の導
管にされている。上流管21aは前側下方に向けて斜め
に傾斜するように形成されており、その前端21eは船
底プレート15に連結され水中に開口している。また上
流管21aの略中央付近には前方からドライブシャフト
6が液密に挿入されており、ドライブシャフト6は上流
管21aを貫通してほぼ連結管21cの付近まで延長
し、その連結管21cに対応する位置にプロペラ24が
取り付けられている。前記プロペラ24はエンジン5が
駆動するとドライブシャフト6と共に回転してノズル管
21の前端21eの開口から吸い込まれて後端から噴射
されるジェット水流を作り出す。またノズル管21の下
流管21bにはトリムリング22及びディフレクタノズ
ル23が取り付けられており、これらで推進装置20の
ステアリング機構を構成している。
【0011】以下、前記ステアリング機構について詳細
に説明する。図3及び図5は推進装置20におけるステ
アリング機構周辺を、ノズル管21(下流管21c)の
中心軸で水面S(図1参照)に対して水平に切断した部
分断面図で、図3は直進時を、図5が方向転換時を各々
示している。また、図4及び図6は図3におけるA−A
断面図で、図4は直進時を図6は方向転換時を各々示し
ている。図3に示すように下流管21b(ノズル管)の
後部には環状のトリムリング22が水面Sに対して上下
に回動自在に水平方向に延在するボルト22a及び22
bで取り付けられている。トリムリング22には図4に
示すように船体後方に向けて若干テーパ状に縮径してい
るディフレクタノズル23が水面Sに対して左右に回動
自在に鉛直方向に延在するボルト23a及び23bで取
り付けられている。なお、このトリムリング22は不図
示の操作レバーによって上下に回動され得る。また、船
体のトリムを変化させたい場合において、操縦者はこの
操作レバーを操作することによってトリムを変化させる
ことが可能になる。ディフレクタノズル23は、その両
側部が、ボルト22aおよび22bを逃げるために部分
的に外方に膨出している。このため、この膨出部ではト
リムリング22とディフレクタノズル23との隙間が広
くなっている。従ってこの膨出部に対応する部分では漏
れ防止部材25を部分的に後方に延長させている。ま
た、このディフレクタノズル23の外面にはステアリン
グレバー23cが側方に向けて一体的に突設されてお
り、このステアリングレバー23cは、不図示のステア
リングシャフトを介してハンドル4の不図示の操舵軸に
連結されている。従って、ハンドル4および不図示の操
作レバーの操作でディフレクタノズル23がトリムリン
グ22を介してノズル管21に対して上下左右に回動し
て、ノズル管21からのジェット水流の噴射方向を変化
させ船体を方向転換させると共に船体の姿勢(トリム)
を変化させる。
【0012】トリムリング22の後端部には弾性部材で
成形されたリング状の漏れ防止部材25が密閉的に装着
されている。この漏れ防止部材25はディフレクタノズ
ル23の内壁に向けて船体後方に延長しており、船体の
直進時、即ちディフレクタノズル23がトリムリング2
2(ノズル管21)と同軸上にある時には図3に示すよ
うにジェット水流の流れに沿って真っ直ぐ伸びて、ジェ
ット水流の流れをガイドしている。この時図3では漏れ
防止部材25の後端部とディフレクタノズル23の内壁
との間に僅かな隙間が形成されている。代わりに直進時
でも漏れ防止部材25の後端部をディフレクタノズル2
3の内壁に接触させてもよい。その場合漏れ防止部材2
5の後端部は単にジェット水流の流れをガイドするため
にディフレクタノズル23の内壁まで延長しているだけ
で、特にそこでシール機能を果たしているわけではな
い。例えば、図5に示すようにハンドル4の操作でディ
フレクタノズル23を左舷側に回動させて左旋回する
と、ジェット水流はディフレクタノズル23の内壁に衝
突して流れ方向を変えるのであるが、この時、ジェット
水流はディフレクタノズル23の下流方向だけでなく、
ディフレクタノズル23の上流方向(即ち逆流方向)に
も流れようとするため、その水圧によって前記漏れ防止
部材25はディフレクタノズル23の内壁に液密に押圧
され、その結果、その部分におけるディフレクタノズル
23と漏れ防止部材25との間の隙間、即ち、ディフレ
クタノズル23とトリムリング22との間の隙間は完全
に塞がれ、ジェット水流が逆流してディフレクタノズル
23とトリムリング22との間の隙間から漏れるのを防
止する。また、図4に示すように、ノズル管21におけ
る下流管21bの外面の、前記トリムリング22の連結
ボルト22a及び22bの中心を通過する円周上には、
トリムリング22の内面に向けて延長する環状の漏れ防
止部材26が一体的に形成されており、これによりトリ
ムリング22の内面とノズル管21の外面との間の隙間
を最小限に保ち、当該隙間からのジェット水流の漏れを
最小限に抑えている。
【0013】以上説明したように構成された推進装置2
0はノズル管21の上部に設けられた一対のブラケット
21f,21g(図2参照)によってポンプ隔室13の
上壁16にボルト・ナット等の適当な固定手段で固定さ
れる。
【0014】本実施例のジェットポンプ式推進装置20
のステアリング機構は、トリムリング22に弾性材料で
成形した環状の漏れ防止部材25を設け、ディフレクタ
ノズル23がハンドル操作によって上下左右に回動した
時にジェット水流の一部が逆流してディフレクタノズル
23とトリムリング22との間の隙間から漏れる可能性
のある部分では前記漏れ防止部材25がジェット水流の
水圧によってディフレクタノズル23の内面に液密に押
圧され、ジェット水流の漏れを防止すると共にジェット
水流をディフレクタノズル23の下流開口に向けてガイ
ドするように構成されているので、走航時の方向転換中
の出力損失が非常に少なくなるという効果を奏し、ま
た、特に本実施例のようにポンプ隔室13の側壁14に
排気装置7を開口させている場合には、前記したジェッ
ト水流の漏れによって走行中にポンプ隔室13に水が入
って、排気装置7の排気抵抗となったり、また漏れたジ
ェット水流がウォータカーテンのように排気装置7の排
気出口を塞いで排気を困難にする等の問題もなくなると
いう効果を奏する。また、本実施例では漏れ防止部材2
5を環状の弾性部材で成形し、それをトリムリング22
に取り付けるように構成しているので、既存のジェット
ポンプ式推進装置のステアリング機構にも簡単に採用す
ることができるという効果を奏する。さらに、本実施例
においてはノズル管21の外周にも一体的に漏れ防止部
材26を設けて、ノズル管21とトリムリング22との
間の隙間を最小限に抑えているので前記漏れ防止部材2
5と合わせて推進装置20のジェット水流の漏れを著し
く減少させることができ、方向転換時の出力損失を最小
限に抑えることができるという効果を奏する。
【0015】本実施例では、トリムリング22に漏れ防
止部材25を設けてトリムリング22とディフレクタノ
ズル23との間に生ずる隙間を塞ぐように構成されてい
るが、漏れ防止部材25を設ける部材は本実施例に限定
されることなく、例えば、ディフレクタノズル23側に
設けてもよい。また、本実施例では、ノズル管21に漏
れ防止部材26を一体に設けてノズル管21とトリムリ
ング22との間の隙間を最小限に抑えているが、この漏
れ防止部材26は本実施例に限定されることなく、例え
ば、トリムリング22の内周に設けてもよく、また必ず
しも設ける部材と一体に成形しなくてもよく、例えば、
弾性部材で別体に形成してもよい。さらに、本実施例で
は二つの漏れ防止部材25及び26を設けているが、こ
れは本実施例に限定されることなく、何れか一方でも、
十分にジェット水流の漏れを防止することができること
は言うまでもない。さらにまた、本実施例ではノズル管
21にトリムリング22を設け、トリムリング22にデ
ィフレクタノズル23を設けたステアリング機構を例に
挙げて説明しているが、トリムリング22は必ずしも設
ける必要はなく、例えば、ノズル管に直接ディフレクタ
ノズル23を回動自在に取り付けてもよいことはもちろ
んである。
【0016】
【発明の効果】以上説明した本発明のジェットポンプ式
推進装置のステアリング機構によれば、内蔵されたプロ
ペラを回転させてプロペラの回転力で固定管の内部にジ
ェット水流を流しながら可動管を回動させてジェット水
流の流れ方向を変える場合に、ジェット水流が可動管に
衝突して逆流しようとしても固定管と可動管との間に設
けられた漏れ防止で、ジェット水流の逆流を阻止し、固
定管と可動管との間の隙間からジェット水流の一部が逆
流して漏れるのを防止することができ、結果として方向
転換中の出力の損失を最小限に抑えることができるとい
う効果を奏する。また、漏れ防止部材を弾性部材で構成
した場合には、漏れ防止部材がジェット水流の水圧によ
って適当に変形することができ、それによって前記隙間
の液密性を高めることができるという効果を奏する。さ
らにまた、漏れ防止部材を環状に形成して固定部材の後
端部に後方に延びるように設けると、前記漏れ防止部材
は可動管のあらゆる動きに対応してジェット水流が逆流
しそうな部分でジェット水流の漏れを防止することがで
きるという効果奏する。前記漏れ防止部材を、船体が直
進時のジェット水流の流れ方向に沿って延長させた場合
には前記漏れ防止部材は直進時でもジェット水流の障害
物にならない上に、ジェット水流をガイドしてその直進
性を高めることができるという効果を奏する。直進時に
おいて漏れ防止部材の後端と可動管の内面との間に隙間
を形成させている一方、可動管を少なくとも回動範囲い
っぱいまで回動させた時に固定管からのジェット流が可
動管の内面に衝突する部分において漏れ防止部材の後端
が可動管の内面に当接するように漏れ防止部材の前後長
さおよび硬度を設定した場合には可動管を回動させた時
にジェット水流が逆流して漏れるのを防止できるのはも
ちろん、直進時において漏れ防止部材と可動管の内面と
の間に隙間を形成しているので、可動管をわずかに回動
させた状態では漏れ防止部材が可動管の内面に当たるこ
とはなく、弾性部材の磨耗を防止できるという効果を奏
する。前記固定管をノズル管とノズル管の後部に上下方
向に回動可能に取り付けられたトリムリングで構成し、
前記可動管をトリムリングに左右に回動可能に取り付け
て、前記漏れ防止部材をトリムリングに装着した場合に
は、前記漏れ防止部材は可動管の左右の回動に応じて可
動管とトリムリングとの間に生ずる隙間を塞いでジェッ
ト水流の漏れを防止することができるという効果を奏す
る。前記漏れ防止部材を、固定部材における可動管の回
動中心を通る円周上に設けると、漏れ防止部材によって
可動管の回動動作が制限されることなくジェット水流の
漏れは防止することができるという効果を奏し、また、
固定管をノズル管で構成し、可動管をノズル管の後部に
上下方向に回動可能に取り付けたトリムリングで構成し
た場合には、漏れ防止部材はトリムリングの上下方向の
回動に応じて固定管とトリムリングとの間に生ずる隙間
を狭くしてジェット水流の漏れを防止することができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るステアリング機構を採用した水
上走行船の一部破断側面図である。
【図2】 ステアリング機構周辺を拡大して示す平面断
面図である。
【図3】 直進時の推進装置のステアリング機構周辺を
示す水平断面図である。
【図4】 直進時の図3におけるA−A断面図である。
【図5】 方向転換時の推進装置のステアリング機構周
辺を示す水平断面図である。
【図6】 図4における方向転換時を示す断面図であ
る。
【図7】 従来の推進装置のステアリング機構の構成を
説明する概略構成図である。
【符号の説明】
1 水上走航船 2 船体 3 シート 4 ハンドル 5 エンジン 6 ドライブシャフト 7 排気装置 8 燃料タンク 9 上流側排気管 10 連通ホース 11 ウォータロック 12 下流側排気管 13 ポンプ隔室 14 側壁 15 船底プレート 16 上壁 20 ジェットポンプ式推進装置 21 ノズル管 21a 上流管 21b 下流管 21c 連結管 21d 連結管 21e 前端 21f ブラケット 21g ブラケット 22 トリムリング 22a ボルト 22b ボルト 23 ディフレクタノズル 23a ボルト 23b ボルト 24 プロペラ 25 漏れ防止部材 26 漏れ防止部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロペラを内蔵し、当該プロペラの回転
    力で一端から水を吸い上げ他端からジェット水流として
    水を放出する固定管の後部に、固定管と連通し、かつス
    テアリングの操作に応じて回動するように可動管を回動
    可能に設け、 前記固定管と可動管との間に、これらの管の隙間からジ
    ェット水流が漏れるのを防止する漏れ防止部材を設けた
    ことを特徴とするジェットポンプ式推進装置のステアリ
    ング機構。
  2. 【請求項2】 前記漏れ防止部材を弾性部材で構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のジェットポンプ式推
    進装置のステアリング機構。
  3. 【請求項3】 前記漏れ防止部材を環状に形成し、固定
    管の後端部に後方に延長するように設けたことを特徴と
    する請求項2に記載のジェットポンプ式推進装置のステ
    アリング機構。
  4. 【請求項4】 前記漏れ防止部材を、船体が直進時のジ
    ェット水流の流れ方向に沿って延長させたことを特徴と
    する請求項2又は3に記載のジェットポンプ式推進装置
    のステアリング機構。
  5. 【請求項5】 直進時において漏れ防止部材の後端と可
    動管の内面との間に隙間を形成させている一方、可動管
    を少なくとも回動範囲いっぱいまで回動させた時に固定
    管からのジェット流が可動管の内面に衝突する部分にお
    いて漏れ防止部材の後端が可動管の内面に当接するよう
    に漏れ防止部材の前後長さおよび硬度が設定されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のジェットポンプ式推
    進装置のステアリング機構。
  6. 【請求項6】 前記固定管がノズル管とノズル管の後部
    に上下方向に回動可能に取り付けられたトリムリングと
    を含み、前記可動管をトリムリングに左右方向に回動可
    能に取り付け、前記漏れ防止部材をトリムリングに装着
    したことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載
    のジェットポンプ式推進装置のステアリング機構。
  7. 【請求項7】 前記漏れ防止部材を、固定管の外面にお
    ける可動管の回動中心を通る円周上に設けたことを特徴
    とする請求項1に記載のジェットポンプ式推進装置のス
    テアリング機構。
  8. 【請求項8】 前記固定管がノズル管から成り、前記可
    動管がノズル管の後部に上下方向に回動可能に取り付け
    られたトリムリングから成り、前記漏れ防止部材が前記
    ノズル管の外周にノズル管と一体的に設けられたことを
    特徴とする請求項7に記載のジェットポンプ式推進装置
    のステアリング機構。
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