JPH09238047A - 縦結合型弾性表面波共振子フィルタ - Google Patents

縦結合型弾性表面波共振子フィルタ

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JPH09238047A
JPH09238047A JP8347588A JP34758896A JPH09238047A JP H09238047 A JPH09238047 A JP H09238047A JP 8347588 A JP8347588 A JP 8347588A JP 34758896 A JP34758896 A JP 34758896A JP H09238047 A JPH09238047 A JP H09238047A
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center
electrodes
resonator filter
center distance
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 挿入損失の増大を招くことなく、高い選択度
を得ることができ、かつ量産性に優れた縦結合型SAW
共振子フィルタを得る。 【解決手段】 圧電基板11上に、くし型電極14a,
14bからなる第1のインターデジタル電極と、くし型
電極12a,12bよりなる第2のインターデジタル電
極と、くし型電極13a,13bからなる第3のインタ
ーデジタル電極とを形成してなり、第1〜第3のインタ
ーデジタル電極が形成されている領域の表面波伝搬方向
両側に反射器15a,15bを形成してなり、最も近接
し合っている第1のインターデジタル電極の電極指と第
2のインターデジタル電極の電極指との中心間距離L1
と、最も近接し合っている第1のインターデジタル電極
の電極指と第3のインターデジタル電極の電極指との中
心間距離L2 とが異ならされている、縦結合型弾性表面
波共振子フィルタ10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦結合型弾性表面
波共振子フィルタに関し、より詳細には、電極構造を改
良することにより選択度が高められた縦結合型弾性表面
波共振子フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種通信機器の帯域通過型フィル
タとして、弾性表面波(以下、SAW)フィルタが使わ
れている。帯域通過型フィルタでは、通過帯域幅の確保
及び高選択特性を有することが求められ、従って、例え
ば高周波段に用いられるSAWフィルタにおいても、目
的とする通過帯域幅の確保及び高選択特性が要求されて
いる。
【0003】特に、CT−1、CT−1+ 及びCT−2
などの規格のコードレス電話におけるRF段用SAWフ
ィルタでは、セットに使用する中間周波段(IF)フィ
ルタにもよるが、中心周波数から±20MHz離れた点
及び±40MHz離れた点における減衰量が十分な大き
さとされることが重要であり、より選択度の高いフィル
タが要求されている。また、IF用フィルタにおいて
も、隣接チャンネル間の選択特性が重要である。
【0004】他方、低損失化、帯域外減衰量の拡大及び
小型化の観点からは、SAWフィルタの中でも、SAW
共振子を用いたフィルタが有効であることが知られてい
る。例えば、36°YカットX伝搬LiTaO3 などの
圧電単結晶基板上に、表面波伝搬方向に沿ってインター
デジタル(以下、ID)電極を等間隔に3個配置して、
該ID電極が設けられている領域の表面波伝搬方向両側
に反射器電極を設けてなる縦結合型SAW共振子フィル
タを多段接続したフィルタが提案されている。このよう
な構成のフィルタでは、損失の低減及び小型化を図るこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の縦結合型SAW共振子フィルタでは、通過帯域
よりも高域側の阻止域における減衰量が十分な大きさに
ならないという問題があった。
【0006】すなわち、図7に上記従来の縦結合型SA
W共振子フィルタを2段接続したフィルタの挿入損失−
周波数特性の一例を示す。なお、図7において、実線B
は、実線Aで示した特性の要部を、挿入損失のスケール
を拡大して、すなわち縦軸の右側のスケールによって表
した特性を示す。
【0007】図7は、通過帯域が864〜868MHz
として設定された上記従来の縦結合型SAW共振子フィ
ルタを多段接続した構造の特性であるが、通過帯域より
も高域側において、ID電極の応答による持ち上がり
(これを、図7に矢印Cで示す)が存在し、従って88
6〜906MHz付近における減衰量が十分な大きさと
なっていないことがわかる。
【0008】上記ID電極の応答は、ID電極内におけ
る内部反射によって生じるので、上記ID電極の応答レ
ベルは、ID電極の電極指の膜厚や線幅に依存する。従
って、上記所望でないID電極による応答レベルを低減
する方法としては、製造工程において、電極指の膜厚を
厚くしたり、線幅を細くしたりすることにより、上記周
波数領域における減衰量を確保する方法を採用せざる得
なかった。
【0009】しかしながら、電極指の膜厚を厚くする
と、表面波がID電極内を伝搬する際の減衰量が増大
し、挿入損失が増大する。また、電極指の線幅を細くし
た場合には、電極指における電気抵抗が増大し、やはり
挿入損失が増大することになる。
【0010】従来、SAWフィルタにおける選択度を高
める設計方法としては、新位相重み付け法(信学技報U
S81−22)や、ID電極の一部をスプリット構造と
し、ID電極における内部反射を抑制する方法が知られ
ている。
【0011】しかしながら、前者の方法では、重み付け
が施されたID電極を設計する作業が煩雑となり、間引
くべき電極指の本数が多くなる。その結果、インピーダ
ンスが増大したり、あるいはID電極の長さが長くなっ
たりするという問題がある。
【0012】また、後者の方法では、スプリット電極の
電極指の幅が通常の電極指すなわちソリッド電極の場合
に比べて半分となるため、800MHz帯以上のフィル
タに用いた場合には、ドライエッチングなどの高度なプ
ロセス技術が必要となる。加えて、ソリッド電極とスプ
リット電極とが混在することにより、各ID電極におけ
る電極指の幅を管理することが難しくなり、歩留りが低
下する大きな原因となる。
【0013】よって、本発明の目的は、挿入損失の増大
を招くことなく、高い選択度を得ることができ、かつ量
産性に優れた縦結合型SAW共振子フィルタを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の広い局面によれ
ば、上記課題を達成するために、圧電基板もしくは基板
上に圧電薄膜を形成してなる圧電性基板と、前記圧電基
板上にもしくは前記圧電薄膜に接するように形成された
第1〜第3のID電極とを備え、前記第2,第3のID
電極が、前記第1のID電極により励受信される表面波
の伝搬方向において、前記第1のID電極の両側に形成
されており、前記第1〜第3のID電極の設けられてい
る領域の表面波伝搬方向両側に形成された第1,第2の
反射器をさらに備え、前記第1〜第3のID電極のそれ
ぞれは、1以上の電極指を有する一対のくし型電極から
なり、最も近接し合っている第1のID電極の電極指と
第2のID電極の電極指との中心間距離L1 と、最も近
接し合っている第1のID電極の電極指と第3のID電
極の電極指との中心間距離L2 とが異ならされている、
縦結合型SAW共振子フィルタが提供される。
【0015】本発明のSAW共振子フィルタでは、上記
第1〜第3のID電極が圧電基板もしくは圧電性基板に
構成されており、かつ第1〜第3のID電極の設けられ
ている領域の両側に第1,第2の反射器が設けられた縦
結合型SAW共振子フィルタにおいて、上記中心間距離
1 と中心間距離L2 とが異ならされているので、各中
心間距離L1 ,L2 で決まる2つの共振モードを利用す
ることにより、高選択特性が実現される。この理由につ
いては、後述の実施形態の説明において明らかにする。
【0016】本発明では、第1,第2の反射器は、表面
波伝搬方向と直交するように配置された複数本の電極指
を有し、該反射器の電極指ピッチで決まる波長をλとし
たときに、中心間距離L1 が式(1)
【0017】
【数8】
【0018】の関係を満たし、中心間距離L2 が式
(2)
【0019】
【数9】
【0020】の関係を満たし、かつ中心間距離L1 と中
心間距離L2 とが、下記の式(3)
【0021】
【数10】
【0022】を満たすように設定され、それによって後
述の実施形態の説明から明らかなように、目的とする帯
域幅を確実に確保することができ、かつ選択度に優れた
縦結合型SAW共振子フィルタを提供することができ
る。
【0023】本発明において、上記圧電基板としては、
LiTaO3 、LiNbO3 、水晶などの圧電単結晶あ
るいはチタン酸ジルコン酸鉛系圧電セラミックスを用い
ることができる。また、基板上に圧電薄膜を形成してな
る圧電性基板としては、アルミナなどの絶縁性セラミッ
クスやその他の絶縁性材料よりなる絶縁性基板や前述し
た圧電基板などの上面に、ZnO、AlNなどの圧電薄
膜を形成したものを用いることができる。
【0024】第1〜第3のID電極は、上記圧電基板上
に形成されてもよく、あるいは上記圧電薄膜に接するよ
うに形成されてもよい。なお、圧電薄膜に接するように
形成される態様としては、圧電薄膜上に第1〜第3のI
D電極を形成した態様、及び基板と圧電薄膜との間に第
1〜第3のID電極を形成した態様の双方を含むものと
する。
【0025】第1〜第3のID電極は、適宜の導電性材
料により構成することができ、例えば、AlまたはAl
合金などを例示することができる。第1〜第3のID電
極は、それぞれ、1以上の電極指を有しかつ互いの電極
指が間挿し合っている1対のくし型電極からなる。
【0026】第1,第2の反射器は、上記のようにSA
Wを第1,第2の反射器間の領域に閉じ込めるために設
けられており、通常、表面波伝搬方向と直交するように
配置された複数本の電極指を有する。第1,第2の反射
器についても、適宜の導電性材料で形成することができ
るが、好ましくは、第1〜第3のID電極と同一の材料
により構成され、例えばAlまたはAl合金により構成
することができる。
【0027】本発明の縦結合型SAW共振子フィルタの
特徴は、上記第1〜第3のID電極と第1,第2の反射
器とを有する3電極型のSAW共振子フィルタにおい
て、上記中心間距離L1 と中心間距離L2 とが異ならさ
れていることにあり、それによって後述の実施形態の説
明から明らかなように、上記2つの中心間距離で決まる
2つの共振モードを利用することにより選択度が高めら
れる。
【0028】また、本発明の他の局面では、圧電基板も
しくは基板上に圧電薄膜を形成してなる圧電性基板と、
前記圧電基板上に、もしくは前記圧電薄膜に接するよう
に形成された第1〜第X(Xは4以上の整数)のインタ
ーデジタル電極とを備え、前記第2〜第Xのインターデ
ジタル電極は、前記第1のインターデジタル電極により
励受信される表面波の伝搬方向に沿って形成されてお
り、前記第1〜第Xのインターデジタル電極の設けられ
ている領域の表面波伝搬方向両側に形成された第1,第
2の反射器をさらに備え、前記インターデジタル電極の
それぞれは、1以上の電極指を有する一対のくし型電極
からなり、隣接するインターデジタル電極間の最も近接
し合っている電極指間の中心間距離を、L1 ,L2 …L
X-1 としたとき、前記中心間距離が、
【0029】
【数11】
【0030】の関係を満たし(但し、iは1以上、X/
2以下の整数、jは1以上、X/2未満の整数)、前記
反射器の電極ピッチで決まる表面波の波長をλとしたと
きに、前記中心間距離LS 、LA が、
【0031】
【数12】
【0032】の関係を満たすか、あるいは、
【0033】
【数13】
【0034】の関係を満たし、かつ前記中心間距離LS
と中心間距離LA とが、下記の式(10)
【0035】
【数14】
【0036】を満たすように設定され、それによって目
的とする帯域幅を確実に確保することができ、かつ選択
度に優れた縦結合型SAW共振子フィルタを提供するこ
とができる。
【0037】また、本発明の特定的な局面では、1つの
基板上に、本発明の縦結合型SAW共振子フィルタが複
数形成され、該複数の縦結合型SAW共振子フィルタが
縦続接続されて、縦結合型SAW共振子フィルタ装置が
構成される。すなわち、1つの基板上において、本発明
の縦結合型SAW共振子フィルタを複数形成してもよ
く、また、この複数のSAW共振子フィルタを縦続接続
することにより、より選択度の優れたフィルタを提供す
ることが可能となる。
【0038】また、本発明の別の特定的な局面によれ
ば、本発明に係る縦結合型SAW共振子フィルタの圧電
基板もしくは圧電性基板上に、さらに別の縦結合型SA
W共振子フィルタ、横結合型SAW共振子フィルタ及び
SAW共振子を用いたトラップのうち少なくとも1つの
素子が構成され、かつ本発明の縦結合型SAW共振子フ
ィルタに電気的に接続されたSAW共振子フィルタ装置
が提供される。
【0039】このように、本発明に係るSAW共振子フ
ィルタ装置は、他のSAW共振子フィルタやトラップと
電気的に接続されてもよく、その場合、上記のように好
ましくは、SAW共振子フィルタを構成するための圧電
基板もしくは圧電性基板に他の素子をも構成することに
より、小型でありかつ一体型のSAW共振子フィルタ装
置を提供することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
することにより、本発明を明らかにする。図1は、本発
明の一実施形態に係るSAW共振子フィルタを説明する
ための平面図である。
【0041】SAW共振子フィルタ10は、平面形状が
矩形の圧電基板11を用いて構成されている。本実施形
態では、圧電基板11は、36°YカットX伝搬LiT
aO 3 からなる。
【0042】圧電基板11の中央領域には、第1のID
電極を構成する一対のくし型電極として、くし型電極1
4a,14bが形成されている。くし型電極14aは、
アース電位に接続され、くし型電極14bは入出力端子
22に接続される。くし型電極14a,14bは、それ
ぞれ、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する。
【0043】上記くし型電極14a,14bで構成され
る第1のID電極の表面波伝搬方向両側に、第2,第3
のID電極が構成されている。すなわち、くし型電極1
2a,12bからなる第2のID電極と、くし型電極1
3a,13bよりなる第3のID電極が構成されてい
る。
【0044】くし型電極12a,12b及びくし型電極
13a,13bは、くし型電極14a,14bと同様
に、互いに間挿し合う複数本の電極指を有する。もっと
も、第2,第3のID電極では、電極指の数が少ない方
のくし型電極12b,13bが第1のID電極の電極指
の数の多い方のくし型電極14aと同じ側に配置されて
いる。
【0045】くし型電極12b,13bは共通接続され
て入出力端子21に接続され、他方、くし型電極12
a,13aはアース電位に接続される。上記第1〜第3
のID電極が形成されている領域の表面波伝搬方向両側
に、反射器15a,15bが形成されている。反射器1
5a,15bは、それぞれ、等ピッチで配置されてお
り、かつ表面波伝搬方向に直交する方向に延びる複数本
の電極指を有する。
【0046】上記くし型電極12a〜14b及び反射器
15a,15bは、圧電基板11上に、AlまたはAl
合金を全面に成膜した後、フォトリソグラフィ及びエッ
チングの工程を経て構成されている。
【0047】本実施形態の特徴は、上記第1のID電極
と第2のID電極の互いに最も近接し合う電極指の中心
間距離L1 の値が、上述した式(1)の範囲とされてお
り、第1のID電極と第3のID電極との互い最も近接
し合う電極指の中心間距離L 2 が上述した式(2)を満
たすように設定されており、かつ中心間距離L1 とL 2
とが、上述した式(3)を満たすように設定されている
ことにある。なお、λは上記反射器15a,15bにお
ける電極指ピッチで決定される波長を示す(図1を参照
されたい)。
【0048】本実施形態のSAW共振子フィルタでは、
中心間距離L1 ,L2 が上記条件を満たすように設定さ
れているため、従来のSAW共振子フィルタに比べて選
択度を高めることができる。以下、本実施形態のSAW
共振子フィルタの動作原理及び設計条件を説明する。
【0049】先ず、一般的に利用されている縦結合型S
AW共振子フィルタの動作原理を説明する。図1は、本
発明の一実施形態に係るSAW共振子フィルタを示す図
であるが、従来の3電極型の縦結合型SAW共振子フィ
ルタも、上記中心間距離L1 ,L2の関係を除いては、
ほぼ同一の構造を有するため、図1を利用して従来の縦
結合型SAW共振子フィルタの動作原理を説明する。従
来の3電極構成の縦結合型SAW共振子フィルタにおい
ては、第1のID電極(くし型電極14a,14b)と
第2のID電極(くし型電極12a,12b)との互い
に最も近接し合う電極指間の中心間距離L1 と、第1の
ID電極(くし型電極14a,14b)と第3のID電
極(くし型電極13a,13b)との互いに最も近接し
合う電極指の中心間距離L2 は、等しくされている。す
なわち、L1 =L2 =Lである。
【0050】図2に、上記のように中心間距離L1 ,L
2 が等しくされている従来の3電極型の縦結合型SAW
共振子フィルタにおいて、反射器電極の電極指の本数を
0本とした場合の周波数特性を示す。図2において、矢
印Dは第1のID電極と第2のID電極との間の多重反
射または第1のID電極と第3のID電極との間の多重
反射による共振モードと考えられ、矢印EはID電極自
身の内部共振モードと考えられている。
【0051】従来の縦結合型共振子フィルタでは、上記
矢印D,Eで示す2つの共振モードにより、あるいはこ
れらの共振モードと反射器15a,15bを付加した場
合に矢印Eで示す共振モードより低周波数側に生じる反
射器15a,15b間の多重反射による共振モードとに
より、縦結合型2重モードフィルタや縦結合型3重モー
ドフィルタを実現している。
【0052】上記原理を用いた従来の縦結合型共振子フ
ィルタを2段縦続接続したフィルタの代表的な特性が前
述した図7に示されている。前述したように、この構造
のフィルタは、低損失ではあるが、通過帯域よりも高周
波側の選択度が高くない。すなわち、中心周波数から+
20〜30MHz程度高い周波数領域における減衰量
は、多くとも25dB程度である。
【0053】ところで、上述した共振モードDと共振モ
ードEの共振周波数は前記中心間距離L(=L1 =L
2 )の値で決まる。そこで、図3に、前記中心間距離L
をパラメータとして、共振モードDと共振モードEの共
振周波数の相対的な位置関係を示す。図3の特性は、第
1のID電極を構成している電極指の本数、すなわちく
し型電極14a,14bの電極指の本数の和を57本、
第2のID電極(くし型電極12a,12b)の電極指
の本数を31本、第3のID電極(くし型電極13a,
13b)の電極指の数を31本、反射器15a,15b
の電極指の本数を、それぞれ、0本とし、圧電基板11
として36°YカットX伝搬LiTaO3基板を用い、
中心周波数が866MHzのSAWフィルタの場合の結
果を示す。
【0054】共振モードEの共振周波数は中心間距離L
の値に依存しないのに対し、共振モードDの共振周波数
は、Lの値が多くなるにつれて低くなることがわかる。
また、中心間距離Lが0.45λ付近になると、共振モ
ードDは共振モードEにモード変換し始める。さらに、
中心間距離Lの値が大きくなると、完全にモード変換
し、高域側から新たな共振モードDが現れることがわか
る。
【0055】これに対して、本発明の上記実施形態で
は、中心間距離L1 とL2 を異ならすことにより、2つ
の共振モードDが励振される。これを、図4を参照して
説明する。
【0056】図4は、第1のID電極の電極指の本数す
なわちくし型電極14a,14bの電極指の本数の和を
57本、第2のID電極の電極指の本数すなわちくし型
電極12a,12bの電極指の本数の和を31本、同様
に第3のID電極の電極指の数を31本とし、反射器1
5a,15bの電極指の数をそれぞれ150本とした場
合の結果である。
【0057】図4のF及びGは、それぞれ、比較のため
に示した特性であり、Fの場合にはL1 =L2 =0.2
5λとされており、Gの特性の場合にはL1 =L2
0.62λとされている。これに対して、図4のHの特
性では、L1 =0.25λ、L 2 =0.62λと異なら
されている。
【0058】図4のF及びGの何れの特性においても共
振モードは2つ生じており、周波数の高い側のピークが
前記共振モードDに相当する。また、周波数の低い側の
ピークは前記共振モードEに相当する。また、図4の
F,Gの特性では、反射器のストップバンドの端部に、
ちょうど共振モードEが重なっているため、ピークが乱
れている。
【0059】これに対して、図4のHでは、共振モード
Eはほとんど見られなくなり、2つの共振モードDのみ
が現れる。周波数の高い側の共振モードDは、中心間距
離L 2 で決定される第1のID電極(くし型電極14
a,14b)と、第3のID電極(くし型電極13a,
13b)との間の多重反射による共振モードであり、他
方、周波数の低い側の共振モードDは、中心間距離L1
で決まる第1のID電極(くし型電極14a,14b)
と第2のID電極(くし型電極12a,12b)との間
の多重反射による共振モードである。
【0060】また、第1〜第3のID電極における電極
指交叉幅を調整したり、外部整合回路を付加することに
より、図4のIの特性で示すように、良好な特性の2重
モードフィルタを提供することができる。
【0061】ところで、上記図4のH及びIに示した特
性のSAW共振子フィルタの帯域幅は、上記中心間距離
1 の値と中心間距離L2 の値の差で決定され、これら
を調整することにより帯域幅は自由に調整することがで
きる。これを、図3を参照して説明する。
【0062】いま、例えば、中心間距離L1 =0.25
λとし、くし型電極12a,12bと、くし型電極14
a,14bとの間の共振モードDが生じる共振周波数
(図3の矢印Jで示すように相対値で0MHzとな
る。)を基準とすると、L2 =0.62λの場合には、
くし型電極13a,13bと、くし型電極14a,14
bとの間の共振モードDは、図3の矢印Kで示すよう
に、相対的に10MHz高いところに生じる。これら2
つの共振モードDを用いることにより、8〜900MH
z帯で、帯域幅が10MHz程度の帯域フィルタを得る
ことができる。
【0063】上記帯域幅を拡げるには、中心間距離L1
の値を上記の値より大きくするか、あるいは中心間距離
2 の値を上記の値より小さくすればよい。逆に、帯域
幅を狭めるには、中心間距離L1 を小さくするか、中心
間距離L2 を大きくすればよい。図3に示した特性の条
件では、理論的には最大40MHzまでの帯域幅を有す
るフィルタを実現することができる。
【0064】図3では、中心間距離L1 =0.12λ及
び中心間距離L2 =0.25λの場合にも、同様のフィ
ルタを構成し得ると考えられるが、位相の関係上、中心
間距離0.12λの共振モードDと中心間距離0.25
λの共振モードDとは結合せず、中心間距離0.25λ
の共振モードDと共振モードEとが結合した2重モード
フィルタとなる。
【0065】従って、中心間距離L1 と中心間距離L2
との関係は、波長λとしたとき、上述した式(1)及び
式(2)を満たす必要がある。さらに、
【0066】
【数15】
【0067】式(11)の条件では、2つの共振モード
Dの周波数差が0となり、さらに位相が180°ずれる
ことになるため、2重モードフィルタとはならない。従
って、式(1)〜式(3)を満たすように中心間距離L
1 ,L2 が定められることが必要である。
【0068】なお、中心間距離L1 ,L2 の関係は、位
相を決定しているものであるため、くし型電極の表面波
伝搬方向外側端の電極指を除去したり、あるいは単に電
極指を付加したりした場合には、それを考慮して中心間
距離L1 ,L2 の関係を求めねばならない。
【0069】すなわち、図1に示した構造に代えて、図
8(a)に示すように、くし型電極12bの電極指の数
を1本増加させたり、図8(b)に示すように、くし型
電極14bの電極指を1本増加させると、中心間距離
は、見かけ上、L´1 (=L1−1/2λ)に変わる
が、表面波の位相関係は変わらないため、得られるフィ
ルタ特性は同じとなる。
【0070】同様に、図9(a)及び(b)は、それぞ
れ、くし型電極12aあるいはくし型電極14aの電極
指を図1に示した構造から1本減らした場合の構成を示
し、これらにおいても、中心間距離L”1 =(L1 +1
/2λ)となるが、得られるフィルタ特性は同じであ
る。
【0071】上記図8及び図9を参照して行った説明は
中心間距離L1 が見かけ上変わる場合の説明であるが、
中心間距離L2 についても同様である。すなわち、中心
間距離L1 ,L2 は、最も近接し合っている両側の電極
指がアース電位に接続されている場合、あるいは、一方
が入力端、他方が出力端に接続されている場合の中心間
距離である。
【0072】なお、上記中心間距離の関係が上述した式
(1)〜(3)に示した条件を満たす上で、くし型電極
12aとくし型電極14aの最も近接する電極指間、く
し型電極13aとくし型電極14aの隣接する電極指
間、あるいはその両方をくし型電極を構成する導電性材
料で接続してもよい。このようにくし型電極12aとく
し型電極14aとの隣接する電極指間をつなげた構造例
を図10に示す。
【0073】図10に示す構造では、くし型電極12a
とくし型電極14aの最も近接し合う電極指がくし型電
極と同じ導電性材料からなる電極材17により埋められ
ている。
【0074】上記図8(a),(b),図9(a),
(b)及び図10から明らかなように、本発明における
中心間距離L1 ,L2 を考える場合には、第1のID電
極における位相と、第2,第3のID電極における表面
波の位相との関係が変わらないように決定する必要があ
る。
【0075】本発明のSAW共振子フィルタを具体的な
実験例に基づき説明する。中心周波数が866MHzで
あるCT−2方式用コードレス電話のRFフィルタに適
用した場合の特性の一例を図5に示す。
【0076】図5に示した特性は、図11(a)に示し
た2段縦続接続型のSAW共振子フィルタ装置の特性で
ある。図11(a)から明らかなように、ここでは、S
AW共振子フィルタ32,33が矩形の圧電基板34上
に構成されている。SAW共振子フィルタ32は、図1
に示したSAW共振子フィルタ10と同様の電極構造を
有する。従って、対応するID電極及び反射器について
は、同一の参照番号を付することにより、その詳細な説
明は省略する。
【0077】また、SAW共振子フィルタ33について
も、SAW共振子フィルタ32と同様の電極構造を有す
るため、SAW共振子フィルタ32の各電極の参照符号
に、プラス30の参照符号を付することにより、その説
明は省略する。
【0078】図11(a)から明らかなように、SAW
共振子フィルタ32のくし型電極14bが、SAW共振
子フィルタ33のくし型電極44bに接続されて、SA
W共振子フィルタ32,33が縦続接続されている。
【0079】SAW共振子フィルタ32,33の具体的
な構成は、以下の通りとした。すなわち、くし型電極及
び反射器を構成するAlよりなる電極材の膜厚を、表面
波の波長をλとしたときに、λの3.6%、第1〜第3
のID電極の電極指の本数を、それぞれ、第1のID電
極=65本、第2,第3のID電極=37本とし、反射
器15a,15b,45a,45bの電極指の本数を1
50本、中心間距離L 1 =0.30λ、中心間距離L2
=0.64λとし、圧電基板34としては36°Yカッ
トX伝搬LiTaO3 を用いた。
【0080】図5から明らかなように、上記2段縦続接
続型のSAW共振子フィルタ装置31では、−4dB帯
域幅は約13MHz、すなわち、比帯域幅で1.5%が
得られ、通過帯域近傍の周波数領域における選択特性が
優れていることがわかる。また、減衰量の確保が強く求
められている866MHz+20MHzの位置では、3
0dBと非常に大きな減衰量の得られていることがわか
る。
【0081】なお、図5にMで示す曲線の特性は、Lで
示す特性の要部を縦軸の挿入損失を拡大して、すなわち
縦軸の右側のスケールで挿入損失を表した場合の特性を
示す。
【0082】また、上記SAW共振子フィルタ装置31
において、周知技術である間引き重み付け法を組み合わ
せたことにより改善された特性を、図6に示す。図6の
特性Oは、特性Nの要部を、縦軸の挿入損失を拡大して
示す特性である。図6から明らかなように、間引き重み
付けを組み合わせることにより、より一層通過帯域近傍
の阻止域における減衰特性を改善することができ、86
6MHz+20MHzの周波数位置において、45dB
以上の減衰量の得られていることがわかる。
【0083】従って、図5及び図6に示した特性から明
らかなように、本発明を利用することにより、電極指を
ソリッド電極のままで、通過帯域よりも高域側の阻止域
における減衰量を結果的に改善することができ、従って
周波数が高い場合に高度なプロセス技術を必要とするス
プリット電極構造を作製しなくてよいため、生産性を低
めることなく高周波化に対応し得ることがわかる。
【0084】なお、図11(a)では、SAW共振子フ
ィルタ32とSAW共振子フィルタ33とが、上記のよ
うに接続されていたが、図11(b)に示すように、S
AW共振子フィルタ32のくし型電極12b,13b
を、SAW共振子フィルタ33のくし型電極43b,4
2bと接続してもよい。
【0085】図12は、本発明の第4の実施形態にかか
る縦結合型SAW共振子フィルタを示す略図的平面図で
ある。上述した第1〜第3の実施形態では、3個のID
電極を有する縦結合型SAW共振子フィルタに応用した
例を説明したが、図12に示すように、4つ以上のID
電極を有する多電極型のSAW共振子フィルタにも本発
明を適用することができる。
【0086】すなわち、図12に示すSAW共振子フィ
ルタ51では、圧電基板52上に、複数のID電極53
〜58が表面波伝搬方向に沿って配置されている。ま
た、ID電極53〜58が形成されている領域の表面波
伝搬方向両側に反射器59,60が配置されている。圧
電基板52、ID電極53〜58及び反射器59,60
を構成する材料については、第1〜第3の実施形態のS
AW共振子フィルタと同様のものを用いることができ
る。
【0087】このように4個以上のID電極53〜58
が形成されている縦結合型SAW共振子フィルタ51に
おいては、下記の式(4)〜(10)を満たすようにI
D電極及び反射器を構成することにより、第1〜第3の
実施形態にかかる縦結合型SAW共振子フィルタの場合
と同様の効果を得ることができる。
【0088】すなわち、ID電極53〜58は、隣接し
合っているID電極における最も近接し合っている電極
指間の中心間隔が、
【0089】
【数16】
【0090】の関係を満たすように構成されている。な
お、iは1以上、X/2以下の整数、jは1以上、X/
2未満の整数である。従って、Ls=L1 =L3 =L5
……、LA =L2 =L4 =L6 ……となる。また、反射
器59,60の電極指ピッチで定まる表面波の波長λと
したときに、上記中心間距離Ls 及びLA が、
【0091】
【数17】
【0092】上記式(6)及び(7)を満たすように、
あるいは
【0093】
【数18】
【0094】上記式(8)及び(9)を満たすように定
められている。さらに、上記中心間距離LS と中心間距
離LA とは、下記の式(10)
【0095】
【数19】
【0096】を満たすように設定されている。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、第1〜第3のID電極
を用いた縦結合型SAW共振子フィルタにおいて、上記
中心間距離L1 と、中心間距離L2 とを異ならせること
により、中心間距離L1 ,L2 で共振周波数が決定され
る2つの共振モードを利用した、選択度に優れた2重モ
ード縦結合型SAW共振子フィルタを提供することがで
きる。
【0098】すなわち、従来の縦結合型SAW共振子フ
ィルタでは、通過帯域よりも高周波数側の阻止域におい
て、ID型電極の応答が存在するため、この付近におけ
る減衰量が十分でなかった。これに対して、上記新しい
2重モード縦結合型SAW共振子フィルタでは、中心間
距離L1 ,L2 を異ならせることにより、これらの中心
間距離により決定される2つの共振モードが励振される
ため、通過帯域よりも高域側の阻止域における減衰量を
効果的に改善することができる。
【0099】さらに、上述した式(1)〜(3)を満た
すように、中心間距離L1 ,L2 が設定されているの
で、目的とする帯域幅を確実に確保することができ、か
つ選択度も高められる。
【0100】また、本発明では、上記のように電極指間
の中心間距離L1 ,L2 を異ならせるだけでよいため、
プロセス的に高度な技術を必要としない。よって、従来
のSAW共振子フィルタと同様の生産性を維持すること
ができる。加えて、周知技術である電極間引き重み付け
法を併用すれば、より一層良好な選択度特性を得ること
ができる。
【0101】さらに、ID電極が3つの縦結合型弾性表
面波共振子フィルタだけでなく、図12に示したように
ID電極が4つ以上形成されている場合でも、請求項2
に記載のように前記中心間距離を設定することにより請
求項1に記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【0102】なお、同一圧電基板もしくは圧電性基板上
において、複数のSAW共振子フィルタを縦続接続した
り、他のSAW共振子フィルタやトラップなどの他のS
AW素子を接続した場合には、種々の用途に応じた縦結
合型SAW共振子フィルタ装置を一体型の素子として提
供することができ、しかも、その場合においても、本発
明の縦結合型SAW共振子フィルタは、そのような接続
構成の差異によっても影響されず、十分な選択特性を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るSAW共振子フィル
タを説明するための平面図。
【図2】図1に示した構造を有する従来のSAW共振子
フィルタ、すなわち中心間距離L1 =L2 の場合の反射
器の電極指の本数が0の場合の周波数特性を示す図。
【図3】図1に示した構造のSAW共振子フィルタにお
いてL=L1 =L2 とした場合の中心間距離Lと、相対
的な共振周波数の関係を示す図。
【図4】図1に示した電極構造を有する実施形態のSA
W共振子フィルタ装置の動作原理を説明するための図。
【図5】図11(a)に示した実施形態に係るSAW共
振子フィルタ装置の挿入損失−周波数特性を示す図。
【図6】図11(a)に示したSAW共振子フィルタ装
置において間引き重み付け法を採用した場合の挿入損失
−周波数特性を示す図。
【図7】従来のSAW共振子フィルタの挿入損失−周波
数特性の一例を示す図。
【図8】(a)及び(b)は、電極指を付加した場合
に、中心間距離が見かけ上変化することを説明するため
のID電極が構成されている部分の略図的平面図。
【図9】(a),(b)は、電極指を削除した場合に、
中心間距離が見かけ上変化することを説明するためのI
D電極が形成されている部分の略図的平面部。
【図10】近接するID電極間において近接し合ってい
る電極指間を電極材料で連ねた場合の電極指間距離を説
明するための略図的平面図。
【図11】(a)及び(b)は、本発明の第2,第3の
実施形態に係るSAW共振子フィルタ装置を示す平面
図。
【図12】本発明の第4の実施形態に係るSAW共振子
フィルタ装置を示す平面図。
【符号の説明】
10…縦結合型SAW共振子フィルタ 11…圧電基板 12a,12b…第2のID電極を構成するくし型電極 13a,13b…第3のID電極を構成するくし型電極 14a,14b…第1のID電極を構成するくし型電極 15a,15b…反射器 31…SAW共振子フィルタ装置 32,33…縦結合型SAW共振子フィルタ 34…圧電基板 42a,42b…第2のID電極を構成するくし型電極 43a,43b…第3のID電極を構成するくし型電極 44a,44b…第1のID電極を構成するくし型電極 45a,45b…反射器 51…SAW共振子フィルタ 52…圧電基板 53〜58…ID電極 59,60…反射器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板もしくは基板上に圧電薄膜を形
    成してなる圧電性基板と、 前記圧電基板上にもしくは前記圧電薄膜に接するように
    形成された第1〜第3のインターデジタル電極とを備
    え、 前記第2,第3のインターデジタル電極は、前記第1の
    インターデジタル電極により励受信される表面波の伝搬
    方向において、前記第1のインターデジタル電極の両側
    に形成されており、 前記第1〜第3のインターデジタル電極の設けられてい
    る領域の表面波伝搬方向両側に形成された第1,第2の
    反射器をさらに備え、 前記第1〜第3のインターデジタル電極のそれぞれは、
    1以上の電極指を有する一対のくし型電極からなり、 最も近接し合っている第1のインターデジタル電極の電
    極指と第2のインターデジタル電極の電極指との中心間
    距離L1 と、最も近接し合っている第1のインターデジ
    タル電極の電極指と第3のインターデジタル電極の電極
    指との中心間距離L2 とが異ならされており、前記第
    1,第2の反射器が、表面波伝搬方向と直交するように
    配置された複数本の電極指を有し、該反射器の電極指ピ
    ッチで決まる表面波の波長をλとしたときに、 前記中心間距離L1 が、式(1) 【数1】 の関係を満たし、前記中心間距離L2 が、式(2) 【数2】 の関係を満たし、かつ前記中心間距離L1 と中心間距離
    2 とが、下記の式(3) 【数3】 を満たすように設定されている、縦結合型弾性表面波共
    振子フィルタ。
  2. 【請求項2】 圧電基板もしくは基板上に圧電薄膜を形
    成してなる圧電性基板と、 前記圧電基板上に、もしくは前記圧電薄膜に接するよう
    に形成された第1〜第X(Xは4以上の整数)のインタ
    ーデジタル電極とを備え、 前記第2〜第Xのインターデジタル電極は、前記第1の
    インターデジタル電極により励受信される表面波の伝搬
    方向に沿って形成されており、 前記第1〜第Xのインターデジタル電極の設けられてい
    る領域の表面波伝搬方向両側に形成された第1,第2の
    反射器をさらに備え、 前記インターデジタル電極のそれぞれは、1以上の電極
    指を有する一対のくし型電極からなり、 隣接するインターデジタル電極間の最も近接し合ってい
    る電極指間の中心間距離を、L1 ,L2 …LX-1 とした
    とき、前記中心間距離が、 【数4】 の関係を満たし(但し、iは1以上、X/2以下の整
    数、jは1以上、X/2未満の整数)、 前記反射器の電極ピッチで決まる表面波の波長をλとし
    たときに、前記中心間距離LS 、LA が、 【数5】 の関係を満たすか、あるいは、 【数6】 の関係を満たし、かつ前記中心間距離LS と中心間距離
    A とが、下記の式(10) 【数7】 を満たすように設定されている、多電極型の縦結合弾性
    表面波共振子フィルタ。
  3. 【請求項3】 1つの基板上に、請求項1または2に記
    載の縦結合型弾性表面波共振子フィルタが複数形成され
    ており、該複数の縦結合型弾性表面波共振子フィルタが
    縦続接続されている、弾性表面波共振子フィルタ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の縦結合型弾性
    表面波共振子フィルタの前記圧電基板もしくは圧電性基
    板上に、さらに縦結合型弾性表面波共振子フィルタ、横
    結合型弾性表面波共振子フィルタ、及び弾性表面波共振
    子を用いたトラップのうち少なくとも1つの素子が構成
    されており、かつ前記請求項1または2に記載の縦結合
    型弾性表面波共振子フィルタに電気的に接続されてい
    る、弾性表面波共振子フィルタ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100440730C (zh) * 2003-06-18 2008-12-03 松下电器产业株式会社 电子部件及其制造方法
JPWO2007040052A1 (ja) * 2005-10-03 2009-04-16 株式会社村田製作所 弾性波フィルタ装置及びデュプレクサ
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