JPH09236534A - レーザ回折/散乱式粒度分布測定方法及び装置 - Google Patents

レーザ回折/散乱式粒度分布測定方法及び装置

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JPH09236534A
JPH09236534A JP8043401A JP4340196A JPH09236534A JP H09236534 A JPH09236534 A JP H09236534A JP 8043401 A JP8043401 A JP 8043401A JP 4340196 A JP4340196 A JP 4340196A JP H09236534 A JPH09236534 A JP H09236534A
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laser diffraction
scattering type
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Taketo Kishi
武人 岸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度のサンプルに対し、多重散乱の発生を
極めて少なくするとともに、サンプル層の厚さの不均一
や、サンプルの変質による測定データの誤差をなくすよ
うにする。 【解決手段】 対向する2枚のガラス板1、2を完全に
重なり合わないようにずらせて合わせる。すると、端部
では例えば、ガラス板2の方がガラス板1よりもはみだ
してしまう部分が生じる。2枚のガラス板はその表面の
研磨状態等により、完全に密着しているわけではなく、
わずかではあるが、所定の厚みの隙間(ギャップ)が生
じている。ここで、上記ガラス板2のはみだした部分に
スポイト3内の試料4を滴下するようにすれば、毛管現
象の作用により、滴下された試料がガラス板1と2の隙
間に吸い込まれてゆき、均一の厚さに試料をセットでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希釈すると粒子の
状態が変わってしまうような、高濃度サンプル試料の粒
度分布測定に用いられるレーザ回折/散乱式粒度分布測
定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハンドクリーム、乳液、軟膏、顔料な
ど、希釈すると粒子の状態が変わってしまうような高濃
度サンプル試料の粒度分布測定においては、湿式測定で
は凝集を起こし、正確な測定結果が得られないおそれが
あるため、希釈せずに測定を行うようにしており、試料
をそのままスライドガラスに挟み込んで測定を行ってい
る。
【0003】この粒度分布測定に用いられるレーザ回折
/散乱式粒度分布測定装置は図5に示すように構成され
ている。レーザ光源11から発生したレーザ光は光学レ
ンズ12で集光され、次の光学レンズ13で平行光に変
換される。光学レンズ13からの平行光は測定ボックス
内の専用ホルダー15に固定されたスライドガラス14
に入射する。
【0004】スライドガラス14に挟み込まれた試料に
よってレーザ光は回折/散乱を起こし、この回折/散乱
光が集光レンズ16によって集光された後、集光レンズ
16の焦点に置かれた前方回折/散乱光センサー17に
よって検出される。この検出信号は増幅器18で増幅さ
れ、次のA/D変換器19でデジタル信号に変換された
後、制御通信部20を用いてパソコン21等にデータを
送り、試料の粒度分布を測定するようにしている。
【0005】ところで、従来、スライドガラス14に試
料を配置するときには、多重散乱光の発生を低減させる
ために少量のサンプル試料を2枚のスライドガラスの間
に挟み込んだ後、試料の層の厚さを均一にかつ薄くする
ようにしており、このために専用のプレス器等を用い、
一定時間スライドガラスに荷重を加えて試料を引き伸ば
していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、粘性の小さい試料を測定する際、試料がスライド
ガラスの中で均一に広がらず、試料に偏り(むら)がで
きるため、正確な粒度分布データが得られず、再現性も
悪いものであった。
【0007】また、サンプルをセットする場合に試料が
広い範囲で空気に直接触れるために、試料が乾燥して、
粒度分布が変わったり、気泡が混入するため、正確な粒
度分布測定ができないという問題があった。
【0008】本発明は、上記課題を解決するために創案
されたもので、高濃度の試料に対し、多重散乱の発生を
極めて少なくするとともに、サンプル層の厚さの不均一
や、サンプルの変質による測定データの誤差を少なくす
るレーザ回折/散乱式粒度分布測定方法とその装置を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレーザ回折/散乱式粒度分布測定方法は、
レーザ光をサンプル層に照射することによって生じる回
折/散乱光の強度分布を測定するレーザ回折/散乱式粒
度分布測定方法において、前記サンプル層が、対向する
2枚の透光性の板材の間に設けられた隙間の一端に試料
を滴下することによって形成されることを特徴としてい
る。
【0010】また、この方法に用いる装置は、レーザ光
をサンプル層に照射することによって生じる回折/散乱
光の強度分布を測定するレーザ回折/散乱式粒度分布測
定装置において、サンプルを保持する部材を、2枚の透
光性の板材と、これらに挟み込まれるとともに、一部が
はみ出すように配置されたもう一枚の透光性の板材とで
構成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を、以下、図面
に基づいて説明する。
【0012】図1は本発明によるレーザ回折/散乱式粒
度分布測定方法における試料セット方法を示す。
【0013】1、2は透光性の板材の一種、すなわち、
スライドガラス、カバーガラス等の適当な厚みを持つガ
ラス板、3はスポイト、4は測定対象となる試料であ
る。
【0014】図に示すように試料をセットする場合に
は、対向する2枚のガラス板1、2を完全に重なり合わ
ないようにずらせて合わせる。すると、端部では例え
ば、ガラス板2の方がガラス板1よりもはみだしてしま
う部分が生じる。
【0015】2枚のガラス板はその表面の研磨状態等に
より、完全に密着しているわけではなく、わずかではあ
るが、所定の厚みの隙間(ギャップ)が生じている。
【0016】ここで、上記ガラス板2のはみだした部分
にスポイト3内の試料4を滴下するようにすれば、毛管
現象の作用により、滴下された試料がガラス板1と2の
隙間に吸い込まれてゆき、均一の厚さに試料をセットで
きる。
【0017】この方法を用いて行うサンプル試料のセッ
トの具体例を示すのが図2である。5、7はスライドガ
ラス、6はカバーガラス、8は固定用テープ、9はスポ
イト、スプーン、スパチュラ等の試料導入器具である。
【0018】スライドガラス5と7の間にカバーガラス
6を挟んで合わせる。このとき、カバーガラス6の端を
一部スライドガラスから出すように設置する。図ではカ
バーガラス6の奥の方の部分がスライドガラス5、6の
接合部より外へ出ている。
【0019】上記のように設置できたら、固定用テープ
8を接合したスライドガラスの両端に巻き付けて固定す
る。
【0020】次にスライドガラスの接合部よりも外へ出
ているカバーガラス6の一部に試料導入器具9で試料を
滴下すると、カバーガラス6とスライドガラス5との間
に生じているわずかな隙間に沿って毛管現象の作用で試
料が引き込まれていき、カバーガラス6の面積の部分だ
けに試料が均一に拡散する。
【0021】このようにして、試料がセットされたスラ
イドガラス全体を図3に示すレーザ回折/散乱式粒度分
布測定装置の専用ホルダー15に取り付けて測定を行
う。
【0022】測定は、レーザダイオード等のレーザ光源
11から発生したレーザ光が光学レンズ12、13によ
るビームエキスパンダによって拡大されて平行光とな
り、この平行レーザ光が専用ホルダー15に取り付けら
れたスライドガラスに入射し、スライドガラス内に形成
されたサンプル試料の粒子径の大きさに応じてレーザ光
が回折/散乱を生じ、この回折/散乱光が集光レンズ1
6で集光され、リングデテクタ等で構成される前方回折
/散乱光センサー17で検出される。
【0023】前方回折/散乱光センサー17で検出され
た信号は増幅器18で増幅され、増幅された信号はA/
D変換器19でデジタル信号に変換された後、制御通信
部20を介してパソコン21等に送られて処理される。
【0024】次に、従来法による粒度分布測定結果と本
発明方法による粒度分布測定結果との比較例を図3、図
4により説明する。
【0025】インクをサンプルに用いて測定を行った。
横軸は粒子径を示し、縦軸は相対粒子量(全粒子量に対
する割合)を示す。また、棒グラフは各粒子径範囲の相
対粒子量を示し、折れ線グラフはある粒子径までの相対
粒子量の累積値を示す。図からわかるように、従来法で
はほとんどの測定粒子が粒子径約80〜100μmまで
に集中して存在することになり、一方、本発明方法で
は、測定粒子が粒子径約0.7〜100μmまでに適切
に存在することになる。
【0026】本来、インクの粒子はその粒子径は一定の
範囲で分布するはずなので、従来法による測定結果が正
確ではなく、径が80〜100μmまでの気泡の影響を
強く受けていることがわかる。
【0027】なお、上記の実施例では透光性の板材とし
て、スライドガラス、カバーガラス等のガラス板を使用
したが、アクリル板等を使用しても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法は透光
性の板材の間に一定の厚さの隙間を設けた後、その隙間
の一端に試料を滴下し、毛管現象を利用して板材の間に
サンプル層を設けるようにしているので、むらのない均
一なサンプル層を作ることができ、再現性が向上すると
ともに、試料の性質にかかわらず希釈する必要がないの
で、凝集の心配がない。また、試料が空気に直接広範囲
に触れないので、試料の乾燥を防ぐことができ、気泡の
混入も防ぐことができるので、正確な粒度分布測定が行
える。
【0029】また、本発明装置は、2枚の透光性の板材
に1枚の透光性の板材を完全に挟み込まずに、一部はみ
出すようにしておき、このはみ出した部分に試料を滴下
して、中間の板材とその上下いずれかの板材との間にサ
ンプル層を形成するようにしているので、上記と同様な
効果が得られるとともに、簡便な手段で迅速に均一なサ
ンプル層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ回折/散乱式粒度分布測定方法
における試料セット方法を示す図である。
【図2】サンプル試料のセットの具体例を示す図であ
る。
【図3】インクを試料とした場合の従来法による粒度分
布測定結果を示す図である。
【図4】インクを試料とした場合の本発明法による粒度
分布測定結果を示す図である。
【図5】レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置の構成を
示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光をサンプル層に照射することに
    よって生じる回折/散乱光の強度分布を測定するレーザ
    回折/散乱式粒度分布測定方法において、前記サンプル
    層は、対向する2枚の透光性の板材の間に設けられた隙
    間の一端に試料を滴下することによって形成されること
    を特徴とするレーザ回折/散乱式粒度分布測定方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光をサンプル層に照射することに
    よって生じる回折/散乱光の強度分布を測定するレーザ
    回折/散乱式粒度分布測定装置において、サンプルを保
    持する部材を、2枚の透光性の板材と、これらに挟み込
    まれるとともに、一部がはみ出すように配置されたもう
    一枚の透光性の板材とで構成したことを特徴とするレー
    ザ回折/散乱式粒度分布測定装置。
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