JPH09235606A - 高炉内壁のプロフィール測定方法 - Google Patents

高炉内壁のプロフィール測定方法

Info

Publication number
JPH09235606A
JPH09235606A JP4127496A JP4127496A JPH09235606A JP H09235606 A JPH09235606 A JP H09235606A JP 4127496 A JP4127496 A JP 4127496A JP 4127496 A JP4127496 A JP 4127496A JP H09235606 A JPH09235606 A JP H09235606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blast furnace
profile
wall
furnace
coordinate system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4127496A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Saito
慎治 斎藤
Yoshihisa Nakamura
義久 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP4127496A priority Critical patent/JPH09235606A/ja
Publication of JPH09235606A publication Critical patent/JPH09235606A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Blast Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高炉内面プロフィールの測定誤差を小さくする
とともに、耐火レンガの残存厚や炉体の真円度などの絶
対値測定を可能とする。 【解決手段】高炉炉体1を基準とした座標系における位
置が既知であるターゲット5をプロフィール測定機4に
よって、高炉1の炉壁損耗プロフィール12と同時に測
定する。ターゲット5の高炉座標系における位置および
プロフィール測定機4によって測定された前記ターゲッ
ト5の相対的座標に基づいて、前記プロフィール測定機
4によって測定された相対的プロフィールを高炉座標系
におけるプロフィール値に変換して高炉内壁の絶対値的
プロフィールを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉内壁のプロフ
ィールを測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉の内壁は、一般的には冷却板または
ステーブと耐火レンガとの組み合わせによって構成され
ているが、高炉のうち、シャフト(炉胸)上部は、操業
中であっても比較的低い温度であるため、シャフト上部
の内壁耐火レンガとしては、約600mm〜800mm程度
の厚みをもつシャモット質あるいは高アルミナ質のもの
が用いられている。
【0003】しかし、シャフト上部の内壁には、「壁
付」と呼ばれる付着物が生成することがある。この付着
物が成長した場合は、炉内の還元ガスが偏流を起こして
適正な還元作用を果たせなくなり、これが炉況不安定操
業の要因となる。また、炉壁に張り巡らされた耐火物
は、降下された鉱石等の原料との接触による損耗や、炉
内の熱負荷変動、浸食性ガスアタックによって亀裂、剥
離が生じ、損耗、溶損が生じやすい。このような付着物
の成長や炉壁の損耗は、円周方向、高さ方向に均一に進
行することはきわめて少ないため、操業開始時には、円
周方向、高さ方向に均一であったプロフィールが不均一
となる。
【0004】高炉内壁のプロフィールが円周方向や高さ
方向に不均一となると、コークスと焼結鉱の混合層が発
生するばかりではなく、炉内還元ガスの流れも不均一と
なるなど操業上大きな問題となる。また、炉壁の損耗部
では鉄皮にホットスポットが生じ、変形、亀裂等の発生
原因となり炉体寿命を短縮させる大きな原因となる。
【0005】上記問題の対策として、付着物が成長した
場合には、装入鉱石量の減量およびスラグ成分調整を行
った後、ダイナマイトを使用して付着物の除去作業を行
い、また損耗が生じた場合には、耐火物吹付による炉壁
補修作業を行っている。このようにして、高炉内壁のプ
ロフィールが円周方向、高さ方向に均一となるようにし
ていた。
【0006】このような付着物の除去作業や炉壁補修作
業を効率的に実施するために、一般に、作業前に高炉内
壁のプロフィールを測定することが行われている。この
プロフィール測定方法として、従来においては、炉壁補
修作業と合わせて高炉内壁のプロフィールの測定を行う
方法が主に開示されている。
【0007】たとえば、第1先行例として、特開平4−
136110号公報においては、不定形耐火物吹付ノズル保持
フレームの上端をベルレス高炉の原料装入用分配シュー
トに係止して、該吹付ノズル保持フレームの上下方向に
沿って、該ノズルを安定して昇降させる上下走行装置を
設け、吹付ノズルの吹付方向の俯仰角を変更できるよう
な機構を設けて、局所的な炉内壁面形状に対応させた炉
内壁補修装置が開示されている。
【0008】同公報には、吹付ノズルの上下方向の位
置、吹付ノズルと炉壁の距離、分配シュートの傾斜角
度、およびフレームの傾斜角度を計測し、これらの計測
データを演算処理して、高炉内壁のプロフィールを測定
する方法が開示されている。
【0009】また、第2先行例として、特開昭60− 484
85号公報においては、高炉内に挿入されたビームの先端
に4本のワイヤーケーブルが取り付けられているととも
に、旋回装置を備えた架台がこれらの4本のワイヤーケ
ーブルで昇降自在に吊り下げられており、この架台に、
補修材の吹付けノズル、テレビカメラ、温度計、レーザ
ー距離測定機等の検知機器を搭載した補修装置を設置
し、前記架台を旋回させながら前記検知機器で炉壁損傷
深さなどの測定を行い、この測定データに基づいて、炉
壁の補修を行う炉内壁の自動吹付け補修方法が開示され
ている。
【0010】同公報には、架台にレーザー距離測定機を
搭載し、この架台を昇降させるとともに旋回させ、炉内
壁までの距離を炉内壁全面にわたって測定し、この測定
値を演算処理することによって、炉内壁のプロフィール
を測定する方法が開示されている。
【0011】さらに、第3先行例として、「鉄と鋼 C
AMP−ISIJ Vol.7(1994)−975頁」にお
いては、レーザー距離測定装置が取り付けられている昇
降機をアームの先端に設置し、このアームの先端ととも
にレーザー距離測定装置が取り付けられた昇降機を炉頂
開口部から炉内に挿入した後、レーザー距離測定装置に
よって炉内壁との距離を測定しながら昇降機によってレ
ーザー距離測定装置を昇降させて炉内全面との距離を測
定し、この測定値から縦・横割り・展開図による炉内イ
メージを作成して炉内面のプロフィールを測定する方法
が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記第1先行
例においては、炉壁のプロフィール測定は、吹付ノズル
の上下方向の位置、炉壁との距離、分配シュートの傾斜
角度、フレームの傾斜角度といった複数の測定項目を演
算処理することにより総合的に行われるため、各々の測
定項目の測定誤差が相乗されて、全体としての誤差が大
きくなり、正確なプロフィールを得ることが困難であっ
た。また、旋回シュートからノズルまで延びているフレ
ームが長いため、フレームに撓みが生じやすいなどの理
由により、測定誤差がさらに大きくなりやすいものであ
った。しかも、吹付ノズル等を保持しているフレーム
は、ベルレス高炉の原料装入用分配シュートに係止され
ているので、ベル高炉の内壁のプロフィールを測定する
ことはできない。
【0013】一方、上記第2先行例および第3先行例に
おいては、アームを用いて炉内に挿入されたワイヤーな
どに吊り下げられた距離計により測定を行っているの
で、距離計を昇降させる際のワイヤーの振動や炉内のガ
ス流によって距離計が揺れるため、測定されたプロフィ
ールに誤差が生じることが多かった。しかも、距離測定
装置を炉内に挿入する作業および炉内から取り出す作業
に多くの時間を要するため、測定機器を設置し始めてか
ら片付け終わるまでに要する時間が非常に長くなる問題
もある。
【0014】さらに、上記の各従来技術においては、測
定されたプロフィールは、距離計などの測定機器との相
対的な凹凸情報のみによって構成されるので、実際の高
炉内壁の耐火レンガの残存厚、あるいは高炉内壁の真円
度などの絶対値計測ができないなどの問題があった。
【0015】そこで、本発明の課題は、ベルレス高炉お
よびベル高炉のいずれにおいても、測定機器の設置から
片付けまでの付帯的な作業を含めて、短時間で炉内壁面
のプロフィールを測定できるようにするとともに、その
測定精度を向上させることにある。また、他の課題は、
高炉内壁の耐火レンガの残存厚、あるいは高炉の真円度
といった高炉炉壁の絶対値計測を可能とすることにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した請求
項1に係る高炉内壁のプロフィール測定方法は、高炉の
外側であって、高炉の内側と外側を連通する開口部を通
じて高炉内壁を睨む位置、または前記開口部に、高炉に
対する位置が変化しないようにプロフィール測定機を設
置し、このプロフィール測定機により前記開口部を通し
て高炉内壁のプロフィール測定を行うことを特徴とする
ものである。
【0017】本発明においては、高炉の内部と外部を連
通する開口部、具体的にはマンホール、アーマ取替用開
口部、分配シュート取替用開口部などを利用し、高炉の
外側であってこの開口部を通じて高炉内壁を睨む位置、
または前記開口部に対しプロフィール測定機を設置し
て、高炉内壁のプロフィールを測定するものである。し
たがって、ベルレス高炉の原料装入用分配シュートに距
離計を設ける必要などはないため、ベル高炉はもちろん
ベルレス高炉であってもその内壁のプロフィールを測定
することができる。また、距離計を高炉の内部に挿入し
たり、それを高炉の内部から取り出したりする作業を必
要としないため、測定機器の設置から片付けまでを含め
た測定作業を、きわめて短時間で終了することができ
る。
【0018】ここで、本発明において、プロフィール測
定機としては、たとえば従来用いられていたレーザー距
離測定装置により、測定範囲内におけるレーザー距離測
定装置と測定対象面との距離を測定し、その測定値を演
算処理することによりプロフィールを測定する装置など
を用いることができる。
【0019】また本発明では、好ましくは後述のように
プロフィール測定機による高炉内壁の相対的プロフィー
ルおよび基準点の相対的座標位置を測定し、あとは演算
処理によって高炉内壁の絶対値的プロフィールを特定す
るため、測定項目は非常に少なく、測定誤差が相乗的に
大きくなることはない。しかも、プロフィール測定機
は、マンホールなどの開口部やこれらの開口部を通じて
炉内測定できる炉体デッキなどの高炉の外部に設置する
ので、測定機器をワイヤーで吊す場合のように、高炉内
におけるワイヤーの揺れに伴う測定誤差などは発生しな
い。したがって、上記従来の方法と比較して、測定精度
は大きく向上する。
【0020】また、上記課題を解決した請求項2に係る
高炉内壁のプロフィール測定方法は高炉炉体を基準とし
た座標系における位置が既知である基準点を高炉の内部
に設定するとともに、高炉の外側であって高炉の内側と
外側を連通する開口部を通じて前記基準点および高炉内
壁を睨む位置、または前記開口部に、高炉に対する位置
が変化しないようにプロフィール測定機を設置し、この
プロフィール測定機によって、プロフィール測定機設置
位置を原点とした前記基準点の相対的座標および高炉内
壁の相対的プロフィールを測定した後、前記基準点の高
炉炉体を基準とした座標位置および前記プロフィール測
定機によって測定された前記基準点の相対的座標に基づ
いて、前記相対的プロフィールを前記高炉炉体を基準と
した座標系による絶対値的プロフィールに変換すること
を特徴とするものである。
【0021】なお、本明細書において、「相対的プロフ
ィール」とは、プロフィール測定機を基準とする相対的
なプロフィールを意味し、「絶対値的プロフィール」と
は、高炉炉体を基準とする座標系(高炉座標系)におけ
るプロフィールを意味するものである。
【0022】プロフィール測定機によって測定されたプ
ロフィールは相対的プロフィールであり、この相対的プ
ロフィールのみから絶対値的プロフィールを得ることは
できない。このため、プロフィール測定機による測定の
みでは高炉内壁の耐火レンガの残存厚、あるいは高炉の
真円度などを特定することはできない。
【0023】そこで、本発明においては、高炉との位置
関係が明確である基準点、すなわち高炉座標系における
座標位置が明確である基準点およびプロフィール測定機
によって測定された基準点の相対的座標に基づいて、相
対的プロフィールを絶対値的プロフィールに変換するた
め、さらには高炉内壁の耐火レンガの残存厚や高炉の真
円度などを特定することができる。絶対値的プロフィー
ルを特定するための基準となる基準点としては、たとえ
ばプロフィール測定機が高炉内壁を測定するために利用
される開口部以外の開口部を利用し、この開口部から基
準点となるターゲットを垂下・固定したものを用いるこ
とができる。もちろん、前記基準点は高炉座標系におけ
る座標値が既知である。
【0024】また、請求項3に係る本発明は、前記基準
点を固定基準点として、高炉炉体に形成してある複数の
開口部より請求項2記載のプロフィール測定を行い、こ
れらの複数回のプロフィール計測で得られた絶対値的プ
ロフィールを境界条件の一致により連続させ、少なくと
も炉内内壁の全周にわたるプロフィール測定を行うもの
である。
【0025】本発明においてプロフィール測定を行う
際、1つの開口部から測定できる範囲は限られてしま
い、1つの開口部のみから測定を行うのでは、炉内全周
にわたってそのプロフィールを測定することはできな
い。一方、高炉には、通常、複数のマンホールが周方向
に離間して形成されているとともに、同様の配置で複数
のアーマ取替用開口部、分配シュート取替用開口部が形
成されていることが多い。そこで、本発明において好ま
しくは、それらの開口部のうちの一つを利用して、上記
した高炉内壁をプロフィール測定を行った後、他の開口
部を利用して、同様のプロフィール測定を行う。このよ
うなプロフィール測定を適宜複数回行い、これらの複数
回のプロフィール計測で得られた絶対値的プロフィール
を境界条件の一致により連続させることにより炉壁全周
のプロフィールを求め、これから炉壁レンガの残存厚や
高炉内壁の真円度などを特定することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により具体的に説明する。図1は、本発明に係るプロフ
ィール測定が行われる高炉の縦断面図、図2はその2−
2線断面図である。
【0027】本実施形態においては、ベル高炉1の内壁
のプロフィール測定を行う例を示しており、ベル高炉1
の上方部中央位置には、原料を装入する大ベル2が吊設
されている。また、高炉1の炉頂部には、周方向に離間
して複数のマンホール3A、〜3Dが形成されており、
このうちの一つのマンホール3Aには、専用の固定治具
4Aによってプロフィール測定機4が固定され、他の一
つのマンホール3Bには、ターゲット5が固定されてい
る。また、高炉1の炉頂部におけるマンホール3A〜3
Dが形成されている位置のさらに上方には、アーマ取替
え口6、6…がやはり高炉1の周方向に離間して形成さ
れている。
【0028】プロフィール測定機4は、図3に示すよう
に、炉体デッキ7に設置された制御ボックス8に接続さ
れており、制御ボックス8の指示により高炉内壁の相対
的プロフィールおよびターゲット5の相対的位置を測定
し、測定結果を制御ボックス8に出力する。このプロフ
ィール測定機4は、図4に示すように、たとえばマンホ
ール3を通して炉体1の内壁の相対的プロフィールを測
定できるように三脚9などに固定して炉体デッキ7に設
置することもできる。
【0029】一方、ターゲット5は、たとえばマンホー
ル取付用ネジ穴に専用の固定具で固定される支持棒5A
を有し、このターゲット支持棒5Aに支持されたターゲ
ット板5Bが、ターゲット支持棒5Aに垂下・固定され
ている。ターゲット板5Bには、図5に示すように、絶
対値的プロフィールを測定する際の基準となり、測定を
行った際の座標値が容易に得られるように特徴的な形状
をしている基準点5a〜5cが同一平面上に設けられて
いる。また、前記基準点5a〜5cは夫々高炉炉体を基
準とする座標系における座標位置も明らかである。
【0030】さて、次に高炉1の内壁の絶対値的プロフ
ィールを特定する方法について説明する。本実施形態で
は、最初に、プロフィール測定機4を原点とした3次元
座標系「プロフィール座標系」と、高炉1の中心に原点
を置いた3次元座標系「高炉座標系」を設定する。そし
て、「プロフィール座標系」において高炉1の内壁の相
対的プロフィールを測定し、続いて「プロフィール座標
系」に表されている相対的プロフィールを「高炉座標
系」に変換する補正を行って高炉1の内壁の絶対値的プ
ロフィールを特定する。
【0031】そこで、まず「プロフィール座標系」にお
ける高炉1の内壁の相対的プロフィールを測定する方法
について説明する。
【0032】高炉1の内壁は、操業当初は、図1に仮想
線で示すように、一定の傾斜角度を有するテーパー形状
の初期プロフィール11とされているが、操業が進むに
つれて、たとえば実線で示すように、炉壁の損耗による
凹部12a、付着物の付着による凸部12bが形成され
た炉壁損耗プロフィール12となる。
【0033】プロフィール測定は休風時に行われるが、
休風時は、原料13の原料レベルが図1の位置まで減尺
されている。高炉1の内壁のプロフィールを測定するに
あたり、図1および図2に示すように、ターゲット5が
含まれるように測定範囲Kを設定する。この測定範囲K
内において、基準点5a〜5cの相対的座標位置および
高炉1の内壁の相対的プロフィールを測定する。
【0034】測定により得られたデータは、制御ボック
ス8に取り込まれ、「プロフィール座標系」におけるX
YZ座標値ですべて表される。制御ボックス8において
は、「プロフィール座標系」に表された相対的プロフィ
ールを「高炉座標系」への座標変換する演算式を求めて
からこの演算処理を行う。以下、この演算式の求め方に
ついて説明する。
【0035】「プロフィール座標系」から「高炉座標
系」への座標変換を行うために用いられる演算式はたと
えば座標変換行列Tで表され、この座標変換行列Tは、
X軸、Y軸、Z軸それぞれの軸を中心とした回転および
平行移動を含めて同次座標系で次の(1)式のように表
すことができる。
【0036】
【数1】
【0037】いま、高炉1と基準点5a〜5cの位置関
係は一定かつ明確であるため、「高炉座標系」における
基準点5a〜5cの座標値は、すべて既知とされてい
る。一方、「プロフィール座標系」における基準点5a
〜5cの座標値も測定によりすべて認識されている。し
たがって、「プロフィール座標系」における基準点5a
〜5cが「高炉座標系」における基準点5a〜5cと重
なるように変換する式は演算により求めることができ
る。この変換式が座標変換行列Tであり、「プロフィー
ル座標系」から「高炉座標系」への変換式である。
【0038】続いて、基準点5a〜5cの「プロフィー
ル座標系」における座標値、および「高炉座標系」にお
ける座標値を用いて、座標変換行列Tを求める具体的な
方法の一例を以下に説明する。
【0039】基準点5a〜5cの「高炉座標系」におけ
る座標値を、それぞれ、 a1 =(Xa1、Ya1、Za1) b1 =(Xb1、Yb1、Zb1) c1 =(Xc1、Yc1、Zc1) とする。これらの座標値より、3点a1 、b1 、c1
含む平面の法線ベクトルを求めることができ、その単位
ベクトル[n1 ](以下、ベクトル記号を鉤括弧表示と
する。)を(α1 、β1 、γ1 )とする。
【0040】一方、基準点5a〜5cの「プロフィール
座標系」における座標値を、それぞれ、 a2 =(Xa2、Ya2、Za2) b2 =(Xb2、Yb2、Zb2) c2 =(Xc2、Yc2、Zc2) とする。これらの座標値より、3点a2 、b2 、c2
含む平面の法線ベクトルを求めることができ、その単位
ベクトル[n2 ]を(α2 、β2 、γ2 )とする。
【0041】単位ベクトル[n1 ]と[n2 ]が求めら
れたならば、単位ベクトル[n1 ]と単位ベクトル[n
2 ]が平行となるように、ベクトル[n2 ]を、X軸を
中心としてθ、Y軸を中心としてψ回転させる。この演
算式は次の(2)式で表すことができる。
【0042】
【数2】
【0043】この(2)式にα1 、β1 、γ1 およびα
2 、β2 、γ2 の各値を代入して、(2)式を解くこと
により、θおよびψが求まる。
【0044】このように求められた(2)式を用いて、
3つの基準点a2 、b2 、c2 を、X軸を中心にθ、Y
軸を中心にψ回転させて、それぞれ a3 =(Xa3、Ya3、Za3) b3 =(Xb3、Yb3、Zb3) c3 =(Xc3、Yc3、Zc3) に変換する。
【0045】このとき方向ベクトル[a1 1 ]と方向
ベクトル[a3 3 ]とが平行となるように、a3 、b
3 、c3 をそれぞれZ軸を中心にθ回転させる。この演
算式は次の(3)式で表すことができる。
【0046】
【数3】
【0047】この(3)式にa1 、b1 およびa3 、b
3 の各座標を代入して、(3)式を解くことによりφが
求まる。
【0048】そして、a1 とa3 、b1 とb3 、c1
3 がそれぞれ重なりあうように、a3 〜c3 を含む平
面を平行移動する際の平行移動成分を、X軸方向、Y軸
方向、Z軸方向それぞれl、m、nとすると、座標変換
行列Tは、次の(4)式で表すことができる。
【0049】
【数4】
【0050】この(4)式に、(2)式および(3)式
で求めたθ、ψ、φを代入し、さらにたとえばa2 をa
1 に変換するときに(4)式をあてはめて、l、m、n
を求めることができる。そして、これらl、m、nを座
標変換行列Tに代入することにより座標変換行列Tを求
めることができる。
【0051】かくして求められた座標変換行列Tが、
「プロフィール座標系」を「高炉座標系」に変換する座
標変換行列である。このとき、ターゲット5の高炉1に
対する座標位置は一定かつ既知であり、このターゲット
5に基づいて変換座標行列Tを特定することから、プロ
フィール測定機の設置位置、設置姿勢などに起因する絶
対値的プロフィールの誤差は発生しない。したがって、
プロフィール測定機4を設置する際には、高炉1に対す
る位置が変化しないように設置すること以外に特別の注
意を払う必要はないため、測定機器の設置時間を大幅に
短縮することができる。
【0052】但し、上記実施形態に示したように、1つ
のマンホール3Aを通して行った測定のみでは、高炉内
壁全周にわたる範囲を測定することはできず、したがっ
て高炉の真円度などを特定することができない。高炉の
真円度などを測定する場合には、たとえば周方向に離間
している他の開口部において、同様のプロフィール測定
を行い、それらの測定結果を境界条件の一致により繋ぎ
合わせることによって、高炉1の内壁全周にわたるプロ
フィール測定が可能となる。
【0053】具体的には、たとえば図2に示すように、
マンホール3が高炉外周にわたって90°づつ離間して
4つ形成されている場合には、各マンホール3A〜3D
から、対向する位置に対して、中心角度が90°+δと
なる角度範囲でプロフィール測定を行い、重なり合う測
定部分を設けることにより、各マンホールを介して測定
されたプロフィールを容易に繋ぎ合わせることができ
る。なお、このときにターゲット5は、プロフィール測
定機4が設置されているマンホールの向かい側のマンホ
ールに固定するのが好適である。
【0054】また、高さ方向に異なる位置のプロフィー
ル測定を行う際には、たとえばプロフィール測定機4を
マンホール3や三脚9に取り付ける際の取り付け角度を
変えて、測定範囲を変更すればよい。
【0055】このようにして、高炉炉壁の上下方向およ
び周方向の全域に亘り絶対値的プロフィールが得られた
ならば、高炉座標系による高炉炉壁の所期プロフィール
11形状と比較することにより、耐熱レンガの残存厚や
炉体の真円度などを把握することができ、この測定結果
に基づいて炉壁溶損部に適切な補修を施すことができる
とともに、炉況と操業の関係を解析することにより、高
炉の延命並びに操業安定に大きく貢献することができる
ようになる。
【0056】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、ベ
ルレス高炉およびベル高炉のいずれにおいても、測定機
器の設置から片付けまでの付帯的な作業を含めて、短時
間で炉内壁面のプロフィールを測定することができると
ともに、その測定精度が大幅に向上する。また、高炉内
壁の耐火レンガの残存厚あるいは高炉の真円度といった
高炉炉壁の絶対値的なプロフィールを求めることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高炉測定が行われる高炉の縦断面
図である。
【図2】その2−2線矢視図である。
【図3】図1におけるプロフィール測定機の設置部分拡
大図である。
【図4】その他の例のプロフィール測定機機の設置部分
拡大図である。
【図5】ターゲットの拡大斜視図である。
【符号の説明】 1…高炉、3…マンホール、4…プロフィール測定機、
5…ターゲット、11…初期プロフィール、12…炉壁
損耗プロフィール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高炉の外側であって高炉の内側と外側を連
    通する開口部を通じて高炉内壁を睨む位置、または前記
    開口部に、高炉に対する位置が変化しないようにプロフ
    ィール測定機を設置し、このプロフィール測定機により
    前記開口部を通して高炉内壁のプロフィール測定を行う
    ことを特徴とする高炉内壁のプロフィール測定方法。
  2. 【請求項2】高炉炉体を基準とした座標系における位置
    が既知である基準点を高炉の内部に設定するとともに、 高炉の外側であって高炉の内側と外側を連通する開口部
    を通じて前記基準点および高炉内壁を睨む位置、または
    前記開口部に、高炉に対する位置が変化しないようにプ
    ロフィール測定機を設置し、 このプロフィール測定機によって、プロフィール測定機
    設置位置を原点とした前記基準点の相対的座標および高
    炉内壁の相対的プロフィールを測定した後、 前記基準点の高炉炉体を基準とした座標位置および前記
    プロフィール測定機によって測定された前記基準点の相
    対的座標に基づいて、前記相対的プロフィールを前記高
    炉炉体を基準とした座標系による絶対値的プロフィール
    に変換することを特徴とする高炉内壁のプロフィール測
    定方法。
  3. 【請求項3】前記基準点を固定基準点として、高炉炉体
    に形成してある複数の開口部より請求項2記載のプロフ
    ィール測定を行い、これらの複数回のプロフィール計測
    で得られた絶対値的プロフィールを境界条件の一致によ
    り連続させ、少なくとも炉内内壁の全周にわたるプロフ
    ィール測定を行うことを特徴とする高炉内壁のプロフィ
    ール測定方法。
JP4127496A 1996-02-28 1996-02-28 高炉内壁のプロフィール測定方法 Withdrawn JPH09235606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127496A JPH09235606A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 高炉内壁のプロフィール測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4127496A JPH09235606A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 高炉内壁のプロフィール測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09235606A true JPH09235606A (ja) 1997-09-09

Family

ID=12603875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4127496A Withdrawn JPH09235606A (ja) 1996-02-28 1996-02-28 高炉内壁のプロフィール測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09235606A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008121105A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 China Steel Corp 高炉炉体のセメント吹付け厚さと跳ね返り量の測定方法
KR101408352B1 (ko) * 2012-10-19 2014-06-17 대우조선해양 주식회사 잠수함의 진원도 측정 장치 및 방법
KR20190084087A (ko) * 2016-12-12 2019-07-15 아르셀러미탈 용융된 금속을 수용하도록 의도된 리셉터클의 내화성 라이닝의 마모를 측정하기 위한 방법 및 디바이스

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008121105A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 China Steel Corp 高炉炉体のセメント吹付け厚さと跳ね返り量の測定方法
KR101408352B1 (ko) * 2012-10-19 2014-06-17 대우조선해양 주식회사 잠수함의 진원도 측정 장치 및 방법
KR20190084087A (ko) * 2016-12-12 2019-07-15 아르셀러미탈 용융된 금속을 수용하도록 의도된 리셉터클의 내화성 라이닝의 마모를 측정하기 위한 방법 및 디바이스
US11268766B2 (en) 2016-12-12 2022-03-08 Arcelormittal Process and device for measuring wear of a refractory lining of a receptacle intended to contain molten metal

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7924438B2 (en) Method for measuring wear in the refractory lining of a metallurgical melting vessel
US7422675B2 (en) Process for changing anodes in an electrolytic aluminum production cell including adjustment of the position of the anode and device for implementing the process
US8072613B2 (en) System for measuring the inner space of a container and method of performing the same
JP5987605B2 (ja) コークス炉の炉壁診断方法およびコークス炉の炉壁補修方法
JP3274021B2 (ja) コンテナーのライニングの摩耗を測定する方法、およびコンテナー
US8083982B2 (en) Method for repairing a protective lining of an industrial reaction or transport vessel
JP5867449B2 (ja) コークス炉の炉壁診断方法およびコークス炉の炉壁補修方法
JPH07316614A (ja) 高炉の炉内壁補修装置
CN109238154A (zh) 一种基于激光定标测距的连铸钢包壁厚测量方法
KR20080042653A (ko) 고로 로체에 대한 숏크리트 두께 및 스프링백량의측정방법
JPH09235606A (ja) 高炉内壁のプロフィール測定方法
JP2013159800A (ja) 高炉炉壁プロフィールの測定装置及び方法並びに高炉炉壁の損耗量検出方法
JP3018943B2 (ja) 高炉炉壁プロフィール測定方法及びその装置
JP2006112966A (ja) 高炉内装入物の表面形状測定方法および測定装置
JP6099527B2 (ja) 炉内耐火物損耗状態の測定方法
AU2005284068B2 (en) Method of changing an anode of a cell for the production of aluminium by means of electrolysis, including an adjustment of the position of the anode, and device for performing same
JP7131507B2 (ja) 干渉判定システム、干渉判定方法、及び工事方法
JPH06212223A (ja) 炉中原料混合物の表面輪郭測定装置
RU221616U1 (ru) Манипулятор для выполнения торкретирования промышленного оборудования
JPH10237517A (ja) 炉壁プロフィール測定装置及びこの装置を用いた測定方法
JPH05256584A (ja) 溶融炉炉壁の損傷部の補修方法及び装置
JP7472890B2 (ja) 補修管理方法および補修管理システム
JPH07126635A (ja) コークス炉の炉壁補修方法
JP2022165866A (ja) 補修システムおよび補修方法
JPS63192554A (ja) 消耗ライニングの厚み測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030506