JP2013159800A - 高炉炉壁プロフィールの測定装置及び方法並びに高炉炉壁の損耗量検出方法 - Google Patents

高炉炉壁プロフィールの測定装置及び方法並びに高炉炉壁の損耗量検出方法 Download PDF

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Yoshiteru Hashimoto
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Abstract

【課題】炉内の任意の場所の炉壁耐火物のプロフィールを正確に知る。
【解決手段】炉壁プロフィール計6は、3軸傾斜角度計で計測した炉壁プロフィール計6の炉体座標に対しての傾斜角度及び方位角度と、レーザ距離計で計測した高炉全周の炉壁までの距離を、計算装置11に送る。3次元計測機1は、電子経緯儀で計測した炉壁プロフィール計6の炉体での位置を計測するための水平角・鉛直角と、レーザ距離計で計測した炉壁プロフィール計までの距離から炉壁プロフィール計6の3次元座標位置を計算して計算装置11に送る。計算装置11は、炉壁プロフィール計6及び前記3次元計測機1から送られた計測データを用いて求めた炉壁の3次元形状をプロフィール座標から炉体座標へ座標変換して炉壁のプロフィールを得る。
【効果】従来、作業者の目視によって頼っていた部分が解消され、炉壁補修を精度よく実施できて高炉の炉命延長、炉況の安定化に寄与できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉炉壁のプロフィールを測定する装置、及びこの装置を用いて高炉炉壁のプロフィールを測定する方法、並びに、この方法で測定した高炉炉壁のプロフィールを用いた高炉炉壁の損耗量検出方法に関するものである。
高炉は、稼働年数が経過するにつれて、鉱石原料の接触、熱負荷等により炉内耐火物が浸食されていく。このため、炉況安定と炉体寿命延長を目的として、炉内耐火物の吹き付け補修を行い、炉内耐火物プロフィールの維持に努めている。
しかしながら、炉内耐火物の吹き付け補修は、現状は目視に頼っているので、プロフィールの定量的な判断が行えないのが実情である。そのため、炉内耐火物の定量的なプロフィール測定技術が求められている。
例えば特許文献1には、シャフト吹付け装置にレーザ距離測定器を搭載してシャフト吹付け装置と共に炉内中心部に挿入し、炉壁までの距離を測定して測定結果を基に損耗量を算出し、シャフト吹付け装置を制御して吹付けを行う技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1には、シャフト吹付け装置の炉中心への位置決め方法について記載されておらず、溶融炉内での位置と傾斜角度が確定できないため、シャフト吹付け装置に搭載された測定装置が溶融炉内のどの位置を計測しているか正確には分からない。そのため、相対的な炉壁プロフィール計測はできるものの、炉心軸を中心とした絶対値形状を計測することができないという問題がある。
また、特許文献2には、炉本体との3次元位置関係が明確なサウジングウエイトを炉内基準点として、少なくとも2点のサウジングウエイトを、距離測定センサーを搭載した炉壁プロフィール測定装置で測定できる視野範囲内に垂下し、炉壁プロフィールの炉本体に対する絶対値形状を測定する技術が開示されている。
この特許文献2で開示された技術は、特許文献1で開示された技術が有する問題を解決して炉芯軸を中心とした炉壁の絶対値形状を求めることが出来る。しかしながら、炉内の基準点としているサウジングウエイトが1点で吊るされた状態であるため、高炉炉内の熱風の影響により振れて精度良く計測することができないという問題がある。
また、特許文献3には、ベルレス型高炉の炉心軸に搭載されている分配シュートに昇降駆動装置を設置し、この昇降駆動装置によってプロフィール計を下降する一方、分配シュートを旋回させて炉壁プロフィールを測定する方法が開示されている。
この特許文献3で開示された技術も、特許文献1で開示された技術が有する問題を解決して炉芯軸を中心とした炉壁の絶対値形状を求めることが出来る。しかしながら、分配シュートが搭載されているベルレス型高炉を対象としているので、分配シュートを設置していないベル型高炉に適用することができない。
特開平5−256584号公報 特開平10−237517号公報 特許第3018943号公報
本発明が解決しようとする問題点は、炉心軸を中心とした絶対値形状を計測することができないという点である。また、炉芯軸を中心とした炉壁の絶対値形状を求めることが出来ても、高炉炉内の熱風の影響により振れて精度良く計測することができなかったり、ベル型高炉に適用することができないという点である。
本発明は、前記した従来の問題点を全て解決できる高炉炉壁プロフィール測定装置、及びその装置を使用した高炉炉壁プロフィール測定方法、並びに、この方法で測定した高炉炉壁のプロフィールを用いた高炉炉壁の損耗量検出方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置は、
炉壁プロフィール計の炉体を中心とした3次元座標に対しての傾斜角度及び方位角度を計測する3軸傾斜角度計、炉壁までの距離を計測するレーザ距離計、及びレーザ距離計による計測を高炉全周で行うための回転台が搭載された炉壁プロフィール計と、
この炉壁プロフィール計の炉体での位置を計測するために水平角・鉛直角を計測する電子経緯儀、炉壁プロフィール計までの距離を計測するレーザ距離計、及び水平角・鉛直角・炉壁プロフィール計までの計測距離をもとに炉壁プロフィール計の前記炉体を中心とした3次元座標位置を計算する計算機器を搭載した3次元計測機と、
前記炉壁プロフィール計及び前記3次元計測機からの計測データを統合して高炉全体の炉壁形状を求める計算装置と、
を備えたことを最も主要な特徴としている。
上記構成の本発明装置を用いて高炉の炉壁プロフィールを測定するには、
炉壁プロフィール計の炉内での位置を3次元計測機で計測して計算装置に送る一方、
炉壁プロフィール計に搭載した3軸傾斜角度計で計測した炉壁プロフィール計の炉体中心に対する傾斜角度及び方位角度と、炉壁プロフィール計に搭載したレーザ距離計により計測した複数個所の炉壁までの距離を計算装置に送り、
計算装置は、3次元測定機から送られた炉壁プロフィール計の炉体を中心とした3次元座標での位置データと、炉壁プロフィール計から送られた複数個所の炉壁プロフィール計を中心とした3次元座標での炉壁までの距離及び炉壁プロフィール計の前記炉体中心に対する傾斜角度及び方位角度を用いて、炉壁の3次元形状を、炉壁プロフィール計を中心とした3次元座標から炉体を中心とした3次元座標へ座標変換して炉壁のプロフィールを得る。これが本発明の高炉炉壁プロフィール測定方法である。
また、上記本発明の高炉炉壁プロフィール測定方法により測定した高炉全体の炉壁プロフィールと、建設当時の炉壁プロフィールを対比して炉壁損耗量を算出することで炉壁の損耗状況を計算することができる。これが本発明の高炉炉壁の損耗量検出方法である。
本発明によれば、炉内の任意の場所の炉壁耐火物のプロフィールを正確に知ることができるので、従来、作業者の目視によって頼っていた部分が解消される。従って、炉壁補修を精度よく実施することができ、高炉の炉命延長、炉況の安定化に寄与することができる。
本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置を高炉に設置した状態を示す縦断面図である。 本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置を構成する電子経緯儀の測定原理を説明する図である。 本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置を構成する3軸傾斜角度計の測定原理を説明する図である。
本発明は、従来技術の問題点を全て解決するという目的を、炉壁プロフィール計の炉体を中心とした3次元座標(以下、炉体座標という。)での位置を確定したうえで、炉壁プロフィール計で炉壁プロフィールを測定することで実現した。
以下、本発明の高炉炉壁プロフィール測定に関する技術を図1〜図3を用いて説明する。
先に説明した特許文献2,3で開示された技術では、高炉での位置関係が明確なサウジングウエイト或いは分配シュートを用いて炉壁プロフィール計の炉体での位置を確定したうえで、炉芯軸を中心とした炉壁プロフィールを測定している。
しかしながら、サウジングウエイトは炉内に1点吊りされているので熱風の影響を受けやすく、また分配シュートはベルレス型高炉にしか設置されていないので特許文献3で開示された技術をベル型高炉に適用することが出来ない。
そこで、本発明では、図1に示すように、高炉2の炉内が見渡せる炉頂の高炉開口部3の近辺に3次元計測機1を設置し、例えば大ベル4とアーマープレート5の間の間隔Aから炉内に挿入された炉壁プロフィール計6の炉内での位置を測定し、この測定データを炉外に設置した計算装置11に送るのである。
すなわち、炉内の炉壁プロフィール計6の位置を、炉外に設置されて炉体座標での位置が明確な3次元計測機1にて計測することにより、炉壁プロフィール計6の炉体座標での位置を確定するのである。
この3次元計測機1は、鉛直軸と水平軸の2軸によって回転する望遠鏡を有する電子経緯儀と、距離を測るレーザ距離計と、計算機器を搭載している。
このうち、電子経緯儀は、エンコーダにより3次元計測機1と炉壁プロフィール計6間の水平角θhと鉛直角θvを計測するものである。また、レーザ距離計は、3次元計測機1から炉壁プロフィール計6までの距離Dを計測するものである。そして、これら電子経緯儀で計測した前記水平角θh及び鉛直角θvと、前記レーザ距離計で計測した距離Dから、計算機器は炉壁プロフィール計6の炉内での位置(X0、Y0、Z0)を下記数式1により求める(図2参照)。
Figure 2013159800
ところで、前記炉壁プロフィール計6は、図1に示すように、炉頂マンホール8より炉内に挿入される東西南北4本の吊りチェーン7によって懸垂することで、炉内での熱風による振れを防止している。この吊りチェーン7にはそれぞれガイドロール9及びウインチ10が設置されており、炉内に挿入された炉壁プロフィール計6を昇降することができる。
また、この炉壁プロフィール計6には、炉壁までの距離を測るレーザ距離計と、炉壁プロフィール計6の高炉中心に対するX,Y軸の傾斜角度θx、θyとZ軸の方位角度θzを監視する3軸傾斜角度計と(図3参照)、前記レーザ距離計で高炉全周における前記距離を測定するためにレーザ距離計を回転させる回転台が内蔵されている。
そして、この炉壁プロフィール計6の炉内での高さ位置毎の、回転台を回転させて計測した高炉全周における炉壁までの距離と、炉壁プロフィール計6の高炉中心に対する前記傾斜角度θx、θyと方位角度θzを前記計測装置11に送るのである。
計算装置11は、炉壁プロフィール計6により測定した炉壁までの距離を、炉壁プロフィール計6の高炉中心に対する前記傾斜角度θx、θyと方位角度θzに基づいて補正し、その後、3次元計測機1により測定した炉壁プロフィール計6の炉内での位置から炉壁プロフィールを求めて表示する。
すなわち、前記3次元計測機1と、前記炉壁プロフィール計6と、前記計算装置11を備えたものが本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置である。
そして、高炉2の炉壁プロフィールを測定するには、本発明の高炉炉壁プロフィール測定装置を使用して以下のように行う。
先ず、炉壁プロフィール計測前に3次元計測機器1の炉体での位置を確定するために、炉体座標での位置が明確な既知の基準点を測定して校正を行う。
次に、ウインチ10を駆動して測定したい位置まで炉壁プロフィール計6を昇降させて停止する。炉壁プロフィール計6が停止したら、高炉2の炉内が見渡せる炉頂の高炉開口部3の近辺に設置してある3次元計測機1で炉壁プロフィール計6の炉内での位置を計測し、計測したデータを計算装置11に送信する。
そして、炉壁プロフィール計6の高炉中心に対する傾斜角度θx、θyと方位角度θzを3軸傾斜角度計で計測した後、レーザ距離計を回転台で回転させて高炉2の全周における炉壁までの距離を測定し、これらのデータを計算装置11に送信する。
計測装置11は、前記3次元測定機1から送られた炉壁プロフィール計6の炉体座標での位置データと、炉壁プロフィール計6から送られた炉壁プロフィール計6を中心とした3次元座標(以下、プロフィール座標という。)での炉壁までの距離及び炉壁プロフィール計6の炉体座標での傾斜角度及び方位角度を用いて、炉壁の3次元形状をプロフィール座標から炉体座標へ座標変換する。
このように、炉壁プロフィール計6の測定結果を絶対座標である炉体座標に変換すれば、炉壁プロフィール計6を任意の複数位置で計測した場合の結果を統合することで、炉壁の正確なプロフィールを得ることができる。
これが本発明の高炉炉壁プロフィール測定方法である。この本発明の高炉炉壁プロフィール測定方法によれば、炉壁プロフィール計6の炉体座標での位置を確定したうえで、炉壁プロフィール計6で炉壁プロフィールを測定することにより、炉芯軸を中心とした炉壁の絶対値形状を精度良く計測することができる。
ところで、高炉2の炉壁損耗量は、高炉2の建設初期の耐火物形状と炉壁プロフィール計の計測結果を比較することにより求めることができる。従って、前記本発明の高炉炉壁プロフィール測定方法により測定した炉壁のプロフィールと建設初期の高炉炉壁の3D CADデータを対比させることで炉壁の損耗状況を計算することができる。これが本発明の高炉炉壁の損耗量検出方法である。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
上記の例はベル型高炉を対象としたものについて説明したが、本発明は、炉頂に開口部を確保することができ、開口部より炉内部を見渡せる条件であれば、ベル型高炉に限定されず、ベルレス型高炉にも適用できる。
1 3次元計測機
2 高炉
3 高炉開口部
4 大ベル
5 アーマープレート
6 炉壁プロフィール計
7 吊りチェーン
8 炉頂マンホール
9 ガイドロール
10 ウインチ
11 計算装置

Claims (3)

  1. 高炉炉壁プロフィールを計測する装置であって、
    炉壁プロフィール計の炉体を中心とした3次元座標に対しての傾斜角度及び方位角度を計測する3軸傾斜角度計、炉壁までの距離を計測するレーザ距離計、及びレーザ距離計による計測を高炉全周で行うための回転台が搭載された炉壁プロフィール計と、
    この炉壁プロフィール計の炉体での位置を計測するために水平角・鉛直角を計測する電子経緯儀、炉壁プロフィール計までの距離を計測するレーザ距離計、及び水平角・鉛直角・炉壁プロフィール計までの計測距離をもとに炉壁プロフィール計の前記3次元座標位置を計算する計算機器を搭載した3次元計測機と、
    前記炉壁プロフィール計及び前記3次元計測機からの計測データを統合して高炉全体の炉壁形状を求める計算装置と、
    を備えたことを特徴とする高炉炉壁プロフィール測定装置。
  2. 請求項1に記載の高炉炉壁プロフィール測定装置を使用して高炉炉壁プロフィールを測定する方法であって、
    炉壁プロフィール計の炉内での位置を3次元計測機で計測して計算装置に送る一方、
    炉壁プロフィール計に搭載した3軸傾斜角度計で計測した炉壁プロフィール計の炉体中心に対する傾斜角度及び方位角度と、炉壁プロフィール計に搭載したレーザ距離計により計測した複数個所の炉壁までの距離を計算装置に送り、
    計算装置は、3次元測定機から送られた炉壁プロフィール計の炉体を中心とした3次元座標での位置データと、炉壁プロフィール計から送られた複数個所の炉壁プロフィール計を中心とした3次元座標での炉壁までの距離及び炉壁プロフィール計の前記炉体中心に対する傾斜角度及び方位角度を用いて、炉壁の3次元形状を、炉壁プロフィール計を中心とした3次元座標から炉体を中心とした3次元座標へ座標変換して炉壁のプロフィールを得ることを特徴とする高炉炉壁プロフィール測定方法。
  3. 請求項2に記載の方法で測定した高炉全体の炉壁プロフィールと、建設当時の炉壁プロフィールを対比して炉壁損耗量を算出することを特徴とする高炉炉壁の損耗量検出方法。
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