JPH09235564A - 炭化水素の熱分解方法および熱分解設備 - Google Patents

炭化水素の熱分解方法および熱分解設備

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JPH09235564A
JPH09235564A JP3984096A JP3984096A JPH09235564A JP H09235564 A JPH09235564 A JP H09235564A JP 3984096 A JP3984096 A JP 3984096A JP 3984096 A JP3984096 A JP 3984096A JP H09235564 A JPH09235564 A JP H09235564A
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induction heating
heating
frequency induction
hydrocarbons
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JP3984096A
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Kenji Matsumura
憲二 松村
Akira Horie
明 堀江
Hiroshi Harada
啓 原田
Yutaka Terauchi
豊 寺内
Masaaki Hanaoka
正明 花岡
Hideaki Mitsuki
秀明 満木
Kenji Sato
健二 佐藤
Yukio Mishima
征雄 美島
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱炉の小型化を達成し、かつ高温加熱域で
の加熱制御を容易に行ない得る炭化水素の熱分解方法お
よび熱分解設備を提供することにある。 【解決手段】 本発明の熱分解方法では、原料炭化水素
に対する予熱域での加熱を加熱炉の燃焼熱により行なっ
たのち、高温加熱域での熱分解を誘導加熱装置の誘導加
熱により行なっている。また、本発明の熱分解設備1
は、原料炭化水素に対する予熱域での加熱を燃焼熱によ
って行なう加熱炉2と、高温加熱域での熱分解を互いに
並列接続された複数本の誘導加熱加熱管10による誘導
加熱によって行なう誘導加熱装置3とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素の熱分解
方法および熱分解設備に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフサやLPGの炭化水素の熱分解によ
ってエチレンを製造するプラントでは、従来から油また
はガスの燃焼、あるいは油とガスとの混燃によるバーナ
ー輻射熱を熱源とした1基の加熱炉により、原料炭化水
素を予熱段階から分解反応工程に至る全温域において加
熱していた。図7は、従来のエチレン分解炉の一構成例
を示したもので、分解炉Aに供給された原料炭化水素
(矢印a)は、対流部A1において希釈用スチーム(矢
印b)と混合され、予熱コイルBにより混合原料として
予熱されたのち、輻射部A2の反応管Cに送り込まれ
て、フロアーバーナーDおよびサイドバーナーEによっ
て熱分解され、分解ガス(矢印c)は反応管Cから急速
冷却用の熱交換器Fを介して取り出される。なお、反応
管Cの出口における分解ガスの温度は、原料がナフサの
場合 850℃前後、また原料がLPGの場合 880℃前後に
制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、1基の加熱
炉によって予熱域から分解反応を伴う高温域までの加熱
を実施するには、加熱炉を最高温度に耐え得る構造とす
る必要があり、このため必然的に加熱炉の規模が大きな
ものとなってしまい、プラントの肥大化や、加熱炉の建
設に関わるコストの増大を招く不都合があった。また、
原料炭化水素の分解反応工程における最終的な高温域で
は、精密な加熱制御を必要とするのであるが、バーナー
輻射熱を熱源としている加熱炉では、バーナー輻射熱に
よって炉内を全体加熱しているために、加熱制御が間接
的なものとならざるを得ず、図7に示したエチレン分解
炉のように、サイドバーナーEを備えた分解炉であって
も加熱制御が十分ではなく、加熱制御の不良に起因して
運転トラブルを招く虞れがあった。本発明は上記実状に
鑑みて、加熱炉の小型化を可能とするとともに、高温域
での加熱制御を容易に実施することができ、さらにメン
テナンスの容易化をも成し得る炭化水素の熱分解方法お
よび熱分解設備の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべ
く、本発明に関わる炭化水素の熱分解方法では、原料炭
化水素に対する予熱域での加熱を加熱炉における燃焼熱
によって行ない、次いで原料炭化水素に対する高温域で
の熱分解を誘導加熱装置における誘導加熱によって行な
っている。また、本発明に関わる炭化水素の熱分解設備
は、原料炭化水素に対する予熱域での加熱を燃焼熱によ
って行なう加熱炉と、互いに並列接続された複数本の誘
導加熱管を備えるとともに原料炭化水素に対する高温域
での熱分解を誘導加熱によって行なう誘導加熱装置とを
具備している。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づいて、本発明を詳細に説明する。図1から図6は、本
発明に関わる炭化水素の熱分解方法および熱分解設備
を、炭化水素の熱分解によってエチレンを製造するため
のプラント施設に適用した例を示している。
【0006】図1に示す如く、本発明に関わる熱分解設
備1は、加熱炉2と高周波誘導加熱装置3とを具備して
おり、原料炭化水素は前工程から移送管4を介して加熱
炉2に導入され(矢印a)、この加熱炉2において加熱
されたのち高周波誘導加熱装置3に導入され(矢印
b)、この高周波誘導加熱装置3において熱分解された
のち次工程へ送られる(矢印c)。
【0007】加熱炉2は、油またはガスの燃焼、あるい
は油とガスとの混燃によるバーナー輻射熱を熱源とし、
原料炭化水素を予熱域において加熱するものである。な
お、この加熱炉2は、通常の素材を用いた極く一般的な
構造であり、その構成は周知なので詳細な説明は省略す
る。
【0008】一方、高周波誘導加熱装置3は、予熱後の
原料炭化水素を高周波誘導加熱により高温域(約 850〜
880 ℃)において加熱するもので、図1および図2
(a)に示す如く複数個(実施例では4個)の加熱ユニ
ット5、5…を、分岐配管6i、6oによって互いに並
列に接続することにより構成されている。
【0009】また、図2(b)に示す如く加熱ユニット
5、5…は、ユニットサポート7を介して1つに束ねた
態様で配設されており、これら加熱ユニット5、5…、
分岐配管6i、6o、およびユニットサポート7によっ
て、1つのユニットモジュールMが構成されている。
【0010】このユニットモジュールMを構成している
1つの加熱ユニット5は、図3および図4に示すよう
に、互いに並列に接続された複数本(実施例では4本)
の高周波誘導加熱管10、10…と、これら高周波誘導
加熱管10、10…を収容するシールケース20とを具
備している。
【0011】すなわち、4個の加熱ユニット5、5…を
具備しているユニットモジュールMでは、合計4個のシ
ールケース20、20…と、合計16本の高周波誘導加
熱管10、10…とを有することとなる。
【0012】高周波誘導加熱管10、10…は、原料炭
化水素の流通する加熱管11と、該加熱管11に巻回さ
れた誘導電流発生用のコイル12とを備え、分岐配管6
iから延びる分岐配管8iと、分岐配管6oへ延びる分
岐配管8oとを介して、互いに並列に接続されている。
【0013】一方、シールケース20は、両端の閉じら
れた円筒形状を呈しており、分岐配管8iを支持する端
部固定パネル21と、分岐配管8oを支持する端部固定
パネル22とを有するとともに、分岐配管8iを囲繞す
るサイドケース23と、分岐配管8oを囲繞するサイド
ケース24とを有している。
【0014】さらに、シールケース20は、加熱管サポ
ート9、9を介して、高周波誘導加熱管10、10…を
支持するとともに囲繞する円筒状の中央ケース25を有
しており、これら高周波誘導加熱管10、10…、加熱
管サポート9、9および中央ケース25によって加熱管
ブロックNが構成されている。なお、図4に示すよう
に、高周波誘導加熱管10、10…は、加熱ユニット5
を可及的にコンパクト化するべく、加熱管サポート9、
9を介して1つに束ねた態様で配設されている。
【0015】図3に示す如く、端部固定パネル21とサ
イドケース23、および端部固定パネル22とサイドケ
ース24は、それぞれガスケットG1を介装して互いに
ボルト締めされており、またサイドケース23およびサ
イドケース24と中央ケース25とは、それぞれガスケ
ットG2を介装して互いにボルト締めされており、もっ
てシールケース20の内部空間は外部と遮断された状態
にある。
【0016】このシールケース20の内部空間は、例え
ば窒素ガス等の不活性ガス雰囲気に保持されており、こ
の不活性ガスは端部固定パネル21に接続されている導
入配管31を介して、図示していないガス供給源から微
量、かつ微圧力でシールケース20の内部へ供給されて
いる。
【0017】一方、端部固定パネル22には、シールケ
ース20の内部における不活性ガスをフレーアーライン
へ送り出すためのガス排気管32が接続されており、こ
のガス排気管32にガスモニターを設けておくことで、
万一のプロセス液体の漏洩を検知することができる。さ
らに、端部固定パネル21と端部固定パネル22とに
は、各々後述する電源端子40とコイル冷却水端子50
とが取り付けられている。
【0018】サイドケース23におけるフランジ23a
の基部、サイドケース24におけるフランジ24aの基
部、さらに中央ケース25におけるフランジ25aの基
部には、高周波誘導加熱管10、10…からの発熱に起
因する、シールケース20の伸縮を吸収する目的で、大
きな曲率で曲面加工された伸縮吸収部Rが各々設けられ
ている。
【0019】一方、図5に示す如く高周波誘導加熱管1
0は、原料炭化水素の流通する加熱管11と、この加熱
管11を囲繞する誘導電流発生用のコイル12とを具備
し、これら加熱管11およびコイル12は保温材14に
よって覆われている。なお、上記保温材14はコイル1
2の下(加熱管11とコイル12との間)、あるいはコ
イル12の上(外周域)のどちらにでも外装可能であ
る。
【0020】上記コイル12は、銅チューブを巻回する
ことによって製作されており、コイル12における端部
12aと端部12bとの間には、該コイル12に高周波
電流を供給するための高周波ジェネレータ100が接続
されているとともに、コイル12の両端部は一対のコイ
ル冷却水端子50に各々接続され、これらコイル冷却水
端子50を介してコイル12の内部に冷却水が通水され
ている。
【0021】一方、加熱管11の導入側端部(図5中の
左方端部)11iと排出側端部(図5中の右方端部)1
1oとには、それぞれ導入側温度センサーSiと排出側
温度センサーSoとが取り付けられており、これらのセ
ンサーSi、Soからの温度検出信号は上記高周波ジェ
ネレータ100に入力される。
【0022】図6に示すように、電源端子40は絶縁材
料のブロック41にコネクタ42をモールディングして
構成されており、またコイル冷却水端子50は絶縁材料
のブロック51に分岐流路51aを形成して構成されて
いる。
【0023】コイル冷却水端子50の分岐流路51aに
は、高周波誘導加熱管10、10…のコイル12を構成
する銅チューブの端部が取り付けられているとともに、
冷却水流路としてのパイプ52が接続されている。
【0024】一方、電源端子40のコネクタ42は、給
電ワイヤー43を介して高周波ジェネレーター100に
接続されているとともに、コイル12の端部に各々給電
ワイヤー44、44…を介して接続されている。
【0025】なお、電源端子40とコイル冷却水端子5
0とは、共に端部固定パネル21と端部固定パネル22
とに設けられており、コイル12を構成している銅チュ
ーブへは、一方のコイル冷却水端子50を介して冷却水
が供給され、他方のコイル冷却水端子50を介して冷却
水が排出される。
【0026】上述した如き構成の熱分解設備1におい
て、先に述べたように前工程から移送管4(図1参照)
を介して加熱炉2に導入された原料炭化水素は、加熱炉
2におけるバーナー輻射熱により予熱されることとな
る。
【0027】ここで、上述の如く原料炭化水素を予熱す
るための加熱炉2、言い換えれば高温域での加熱を行な
うことのない加熱炉2は、予熱域での比較的低い温度範
囲において耐え得る構造であれば良いためにコンパクト
化が可能となる。
【0028】このように、加熱炉2がコンパクト化する
ことにより、熱分解設備1の全体規模を可及的かつ経済
的に縮小し得るとともに、基礎の製作や接続配管類の周
辺関連設備も含めた現場工事を大幅に削減でき、もって
熱分解設備1、延いてはプラント全体の建設工期を大幅
に短縮することが可能となる。
【0029】一方、加熱炉2において予熱された原料炭
化水素は、先に述べたように高周波誘導加熱装置3へ送
り込まれ、この高周波誘導加熱装置3での高周波誘導加
熱により、約 850〜880 ℃の温度にて熱分解される。
【0030】高周波誘導加熱装置3を構成する高周波誘
導加熱管10では、コイル12に高周波ジェネレータ1
00から出力される高周波電力が印加され、加熱管11
に誘導電流が流れることによって該加熱管11が加熱さ
れており、原料炭化水素は加熱管11を流通する際に該
加熱管11の熱によって加熱されることとなる。
【0031】このとき、導入側センサSiおよび排出側
センサSoは、加熱管11における導入側端部と排出側
端部との温度を示す信号を高周波ジェネレータ100に
入力し、この高周波ジェネレータ100は、導入側セン
サSiと排出側センサSoとによって検出された温度の
差を演算し、この温度差が所定の目標値となるようにコ
イル12に対する高周波電力の供給量を制御する。
【0032】これによって、高周波誘導加熱装置3へ送
り込まれた原料炭化水素は、高周波誘導加熱管10にお
ける加熱管11を通過することにより、高温域における
所定の温度に加熱されることとなる。
【0033】ここで、高周波誘導加熱管10を流通する
原料炭化水素は、誘導電流によって熱せられた加熱管1
1と接触することで、該加熱管11によって直接に加熱
されるため、原料炭化水素に対する精密な加熱制御が可
能となる。
【0034】このように、原料炭化水素を高温域におい
て熱分解する工程を、高周波誘導加熱装置3において行
なうことで、原料炭化水素に対する精密な加熱制御が可
能となり、もって加熱炉で高温域加熱を行っていた従来
設備に比較して、加熱制御の不良に基づく運転トラブル
の発生を可及的に防止することが可能となる。
【0035】また、原料炭化水素を熱分解するための高
周波誘導加熱装置3を、原料炭化水素を予熱するための
加熱炉2と独立させて設けたことで、加熱炉2および高
周波誘導加熱装置3に対する各々のメンテナンス作業が
容易なものとなる。
【0036】一方、高周波誘導加熱装置3において原料
炭化水素を加熱している際、万一、高周波誘導加熱管1
0等からガスが漏洩した場合でも、漏洩ガスは不活性ガ
ス雰囲気を保持したシールケース20の内部へ流出する
に留まり、装置外部へ不用意に飛散することはない。な
お、漏洩ガスはシールケース20内の不活性ガスととも
に、ガス排気管32を介してフレーアーライン等へ送り
出されて安全に処理されることとなる。
【0037】また、上記シールケース20には、上述し
た如く大きな曲率で曲面加工された伸縮吸収部Rが各所
に設けられており、高周波誘導加熱管10、10…の発
熱に起因するシールケース20の伸縮が、これら伸縮吸
収部Rによって有効に吸収されることで、熱変形による
シールケース20の破損等が未然に防止される。
【0038】ところで、高周波誘導加熱装置3における
加熱ユニット5のメンテナンスを実施する際には、サイ
ドケース23とサイドケース24とを取り外した後、分
岐配管8iおよび分岐配管8oと各高周波誘導加熱管1
0、10…との接続(フランジ結合)を解いて加熱管ブ
ロックN(図3参照)を取り出すことにより、高周波誘
導加熱管10およびシールケース20を各々容易にメン
テナンスすることができる。
【0039】また、加熱ユニット5における高周波誘導
加熱管10が損傷した場合には、上述した作業手順で加
熱管ブロックNを取り外した後、損傷している高周波誘
導加熱管10のみ、あるいは加熱管ブロックNを交換す
れば良いので、高周波誘導加熱装置3の復旧作業を極め
て容易かつ短時間で終了させることができる。
【0040】さらに、高周波誘導加熱装置3における加
熱ユニット5、5…、および分岐配管6i、6o等は、
1つのユニットモジュールMを構成しているので、熱分
解設備1を建設する場合には、工場で予め製作したユニ
ットモジュールMを現場に据付け、高周波誘導加熱装置
3を構築して他の設備と接続するのみで良く、もって熱
分解設備1、延いてはプラント全体の建設工期を大幅に
短縮できる。
【0041】なお、上述した高周波誘導加熱装置3の加
熱ユニット5は、4個の高周波誘導加熱管10を具備し
ているが、加熱すべき原料炭化水素の流量や加熱温度等
の諸条件に鑑みて、適宜に高周波誘導加熱管10の本数
を設定することができ、また高周波誘導加熱管10の長
さも、該管10の管径、該管10を流通する原料炭化水
素の流量および流速、さらには加熱温度等の諸条件に鑑
みて、適宜に設定し得るものであることは言うまでもな
い。
【0042】さらに、高周波誘導加熱装置3におけるユ
ニットモジュールMを構成する加熱ユニット5の設置数
も、原料炭化水素の流量等の諸条件に基づいて、適宜に
設定し得ることは勿論であり、また熱分解設備としての
設計条件の違いに対しては、ユニットモジュールMの設
置数を増減させたり、複数のユニットモジュールMを互
いに直列、あるいは互いに並列に接続することによって
容易に対応することが可能である。
【0043】また、上述した熱分解設備1においては、
高周波誘導管10を備えた高周波誘導加熱装置3を用
い、予熱後の原料炭化水素を高周波誘導加熱により熱分
解するよう構成しているが、高周波誘導加熱のみなら
ず、 50Hz または 60Hz の商用周波数の電流による誘導
加熱によって、原料炭化水素を熱分解するように構成す
ることも可能である。
【0044】さらに、誘導加熱においては上述の如く 5
0Hz または 60Hz の商用周波数の電流、高周波誘導加熱
においては 2000Hz の汎用高周波の電流を用いるのが一
般的であるが、電流の周波数は誘導加熱および高周波誘
導加熱の何れにおいても、適宜に選択し得ることは勿論
である。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述した如く、本発明に関わる炭
化水素の熱分解方法では、原料炭化水素に対する予熱域
での加熱を加熱炉における燃焼熱によって行ない、次い
で予熱後の原料炭化水素の熱分解を誘導加熱装置におけ
る誘導加熱によって行なっている。また、本発明に関わ
る炭化水素の熱分解設備は、原料炭化水素に対する予熱
域での加熱を燃焼熱によって行なう加熱炉と、互いに並
列接続された複数本の誘導加熱管を備えるとともに原料
炭化水素に対する高温加熱域での熱分解を誘導加熱によ
って行なう誘導加熱装置とを具備している。すなわち、
本発明によれば、加熱炉は予熱域での加熱のみを行なう
ので、比較的低い温度範囲において耐え得る構造であれ
ば良いため、その規模は必然的に小さいものとなり、も
って熱分解設備の全体規模をコンパクト化し得るととも
に、建設コストの削減が達成され、かつ工期を大幅に短
縮することが可能となる。また、本発明によれば、誘導
加熱装置の誘導加熱管において、原料炭化水素を誘導加
熱により直接に加熱しているので、高温域における精密
な加熱制御を容易に実施することができ、もって加熱制
御の不良に基づく運転トラブルの発生を未然に防止する
ことが可能となる。さらに、本発明によれば、加熱炉と
誘導加熱装置とを互いに独立させたことにより、それぞ
れのメンテナンス作業の容易化が達成されることとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる炭化水素の熱分解設備を示す概
念的な全体図。
【図2】(a)および(b)は本発明に関わる熱分解設
備の高周波誘導加熱装置を示す概念図。
【図3】高周波誘導加熱装置における加熱ユニットを示
す概念的な展開断面図。
【図4】高周波誘導加熱装置における加熱ユニットを示
す概念的な断面図。
【図5】高周波誘導加熱装置における高周波誘導加熱管
の構成および加熱制御系を示す概念図。
【図6】高周波誘導加熱装置における加熱ユニットの電
源端子およびコイル冷却水端子を示す要部断面図。
【図7】従来の一般的なエチレン分解炉を示す概念図。
【符号の説明】
1…熱分解設備、 2…加熱炉、 3…高周波誘導加熱装置、 5…加熱ユニット、 10…高周波誘導加熱管、 11…加熱管、 12…コイル、 20…シールケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺内 豊 神奈川県横浜市南区別所一丁目14番1号 日揮株式会社横浜事業所内 (72)発明者 花岡 正明 神奈川県横浜市南区別所一丁目14番1号 日揮株式会社横浜事業所内 (72)発明者 満木 秀明 神奈川県横浜市南区別所一丁目14番1号 日揮株式会社横浜事業所内 (72)発明者 佐藤 健二 神奈川県横浜市南区別所一丁目14番1号 日揮株式会社横浜事業所内 (72)発明者 美島 征雄 神奈川県横浜市南区別所一丁目14番1号 日揮株式会社横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料炭化水素に対する予熱域での加
    熱を加熱炉における燃焼熱によって行ない、次いで原料
    炭化水素に対する高温域での熱分解を誘導加熱装置にお
    ける誘導加熱によって行なうことを特徴とする炭化水素
    の熱分解方法。
  2. 【請求項2】 原料炭化水素に対する予熱域での加
    熱を燃焼熱によって行なう加熱炉と、 互いに並列接続された複数本の誘導加熱管を備え、原料
    炭化水素に対する高温域での熱分解を誘導加熱によって
    行なう誘導加熱装置と、 を具備して成ることを特徴とする炭化水素の熱分解設
    備。
  3. 【請求項3】 誘導加熱装置は、互いに並列に接続
    された複数本の誘導加熱管を収容し、かつ内部が不活性
    ガスの雰囲気に保持されたシールケースを具備して成る
    ことを特徴とする請求項2記載の炭化水素の熱分解設
    備。
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