JPH09232616A - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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JPH09232616A
JPH09232616A JP8031580A JP3158096A JPH09232616A JP H09232616 A JPH09232616 A JP H09232616A JP 8031580 A JP8031580 A JP 8031580A JP 3158096 A JP3158096 A JP 3158096A JP H09232616 A JPH09232616 A JP H09232616A
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JP
Japan
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layer
type
conductivity
junction
gap layer
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JP8031580A
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English (en)
Inventor
Satoshi Murakami
聡 村上
Hiroshi Nishino
弘師 西野
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線検出装置に関し、二波長カラーセンサ
におけるスペクトルクロストークを低減する。 【解決手段】 互いに向きが逆方向の二つのpn接合を
構成する一導電型ワイドギャップ層2、逆導電型ワイド
ギャップ層3、及び、一導電型ナローギャップ層4から
なる三層構造の内の一導電型ワイドギャップ層2に、一
導電型ワイドギャップ層2において発生したキャリア1
0が順バイアス側のpn接合の電位障壁を乗り越えるこ
とを阻止する電位勾配を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線検出装置に関
するものであり、特に、スペクトルクロストークを防止
するためのバンド・ギャップ構造を設けた、二つの波長
に対して感度を有する赤外線検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、10μm帯近傍の赤外線を検知す
る赤外線検知素子としては、Cd比が0.2近傍のHg
CdTeを用いたpn接合ダイオードが用いられている
が、近年、赤外線検出装置の高機能化のために二つの波
長に感度を有する、二つのpn接合を設けたカラーセン
サが提案されている(必要ならば、T.N.Casse
lman,G.R.Chapman,K.Kosai,
J.M.Myrosznyk,E.F.Schult
e,and O.K.Wu,Extended Abs
tract of “THE 1991 U.S.WO
RKSHOP onthe PHYSICS and
CHEMISTRY on MERCURY CADM
IUM TELLURIDE and OTHER I
I−VICOMPOUNDS,p.141−142,1
991、及び、E.R.Blazejewski,J.
M.Arias,G.M.Williams,M.Za
ndian,and J.Pasko,J.Vac.S
ci.Technol.,vol.B10,1992,
p.1626−1632参照)。
【0003】ここで、従来提案されている二波長カラー
センサの基本的構成及び原理を図4を参照して説明す
る。 図4(a)参照 従来提案されている二波長カラーセンサは、CdZnT
e基板やGaAs基板(ここでは、CdZnTe基板3
1)上に、より短波長を吸収するMWIR(Mid−w
avelenghth Infrared)吸収層(こ
こでは、n型Hg0.72Cd0.28Te層32)、共通ベー
スとなるSWIR(Short Wavelength
Infrared)層(ここでは、p型Hg0.68Cd
0.32Te層33)、及び、より長波長を吸収するLWI
R(Long Wavelenghth Infrar
ed)吸収層(ここでは、n型Hg0.78Cd0.22Te層
34)を順次堆積させたのち、メサエッチングしてn型
Hg0.78Cd0.22Te層34に素子電極35を、また、
n型Hg0.72Cd0.28Te層32に共通電極36を設け
たものであり、バックツーバックダイオード(back
−to−backdiode)の構造となる。
【0004】この場合、CdZnTe基板31は3〜1
0μmの波長の赤外線に対して透明であるので、CdZ
nTe基板31を窓層として、CdZnTe基板31側
から検出すべき光を照射する。
【0005】図4(b)参照 この二波長カラーセンサの共通電極36に対して素子電
極35の電圧を高くすると、n型Hg0.78Cd0.22Te
層34側のpn接合が逆バイアス状態となって受光部と
して機能し、一方、n型Hg0.72Cd0.28Te層32側
のpn接合は順バイアス状態となって、通常の順方向ダ
イオードとして機能する。なお、HgCdTe系半導体
においては、禁制帯幅が非常に小さく、且つ、電子の有
効質量が非常に小さいので、pn接合を形成した場合、
通常はn型層は縮退状態となる。
【0006】この場合、n型Hg0.78Cd0.22Te層3
4においては5〜8μm近傍の波長の赤外線に感度を有
し、このn型Hg0.78Cd0.22Te層34において赤外
線を吸収することによって発生した電子38と正孔37
の対は、光電流として図において矢印で示す方向に流れ
る。
【0007】図4(c)参照 また、共通電極36に対して素子電極35の電圧を低く
した場合には、n型Hg0.72Cd0.28Te層32側のp
n接合が逆バイアス状態となって受光部として機能し、
一方、n型Hg0.78Cd0.22Te層34側のpn接合は
順バイアス状態となって、通常の順方向ダイオードとし
て機能する。
【0008】この場合、n型Hg0.72Cd0.28Te層3
2においては4μm近傍以下の波長の赤外線に感度を有
し、このn型Hg0.72Cd0.28Te層32において赤外
線を吸収することによって発生した電子40と正孔39
の対は、光電流として図において矢印で示す方向に流れ
る。
【0009】したがって、共通電極36と素子電極35
との間に印加する電圧の向きによって感度波長を制御す
ることができ、資源探査衛星等に搭載する多波長カラー
センサとして期待されるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この様な二波
長カラーセンサにおいては、意図した感度波長域以外の
波長の赤外線に対しても感度を有してしまうという、所
謂スペクトルクロストークの問題が発生する問題があ
る。
【0011】ここで、図5を参照して、スペクトルクロ
ストークを説明する。 図5参照 共通電極36に対して素子電極35の電圧を高くした場
合を考えると、n型n型Hg0.78Cd0.22Te層34側
のpn接合が逆バイアス状態となって受光部として機能
するが、この二波長カラーセンサにn型Hg0.78Cd
0.22Te層34の感度波長域以外のより短波長の赤外線
を入射した場合、本来、受光部を構成していないn型H
0.72Cd0.28Te層32側において光吸収が生じて電
子40及び正孔39の電子−正孔対が生成される。
【0012】この生成された電子40の一部は、順バイ
アス状態のn型Hg0.72Cd0.28Te層32側のpn接
合の電子40に対する電位障壁の高さが低いので、図の
矢印で示すように、このpn接合を乗り越えてn型Hg
0.78Cd0.22Te層34側に達して光電流となり、受光
部を構成するn型Hg0.78Cd0.22Te層34において
感度を有さない波長領域の赤外線が検出されることにな
り、このような、現象をスペクトルクロストークとい
う。
【0013】したがって、本発明は、二波長カラーセン
サにおけるスペクトルクロストークを低減することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1(a)及び(b)参照 (1)本発明は、一導電型ワイドギャップ層2、逆導電
型ワイドギャップ層3、及び、一導電型ナローギャップ
層4の少なくとも三層構造から構成され、且つ、互いに
向きが逆方向の二つのpn接合を有する赤外線検出装置
において、一導電型ナローギャップ層4側のpn接合が
逆バイアス状態になったとき、一導電型ワイドギャップ
層2において発生したキャリア(図においては電子1
0)が順バイアス状態の他方のpn接合の電位障壁を乗
り越えることを阻止する電位勾配を一導電型ワイドギャ
ップ層2に設けたことを特徴とする。
【0015】この様に、二波長カラーセンサを構成する
赤外線検出装置の短波長検出側の一導電型ワイドギャッ
プ層2、即ち、MWIR吸収層に所定の電位勾配を形成
することによって、スペクトルクロストークを低減する
ことができる。
【0016】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、三層構造がHgCdTeを用いたnpn構造からな
り、且つ、一導電型ワイドギャップ層2を他方のpn接
合から離れるにしたがってCd比xが小さくなるn型H
1-x Cdx Teで構成したことを特徴とする。
【0017】npn構造の場合には、組成勾配を設けた
効果は、HgCdTe系半導体の特性としてほとんど伝
導帯側に現れ、価電子帯側には逆バイアス状態の一方の
側のpn接合から流れ込んできた正孔7に対する電位障
壁がほとんど形成されないので、組成勾配だけで充分で
あり、逆に、不純物濃度勾配と合わせて用いた場合に
は、正孔7に対する電位障壁が形成されることになる。
【0018】(3)また、本発明は、上記(1)におい
て、三層構造がHgCdTeからなり、且つ、一導電型
ワイドギャップ層2を他方のpn接合から離れるにした
がって導電型決定不純物濃度が高くなる一導電型HgC
dTeで構成したことを特徴とする。
【0019】この様に、一導電型ワイドギャップ層2を
他方のpn接合から離れるにしたがって導電型決定不純
物濃度が高くなる一導電型HgCdTeで構成すること
によって、npn構造の場合には伝導帯側に電子10の
回り込みを阻止する電位勾配を形成することができ、ま
た、pnp構造の場合には価電子帯側に正孔9の回り込
みを阻止する電位勾配を形成することができる。
【0020】(4)また、本発明は、上記(3)におい
て、三層構造がHgCdTeを用いたpnp構造からな
り、且つ、一導電型ワイドギャップ層2を他方のpn接
合から離れるにしたがってCd比xが小さくなるp型H
1-x Cdx Teで構成したことを特徴とする。
【0021】pnp構造の場合、不純物濃度分布によっ
て電位勾配を形成した場合、伝導帯側においては、逆バ
イアス状態の一方の側のpn接合から流れ込んできた電
子8に対する電位障壁も構成するので、組成勾配を合わ
せて用いることによって、伝導帯側の電位障壁をなくす
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図2
を参照して説明する。 図2(a)参照 まず、3〜10μmの波長に対して透明なCdZnTe
基板11上に3〜5μmの波長に感度を有するMWIR
吸収層となる、n型Hg1-x Cdx Te層12を形成す
る。
【0023】このn型Hg1-x Cdx Te層12のCd
比xは、CdZnTe基板11側における0.27から
最終値の0.29まで単調増加するように変化させて組
成勾配を形成すると共に、I(沃素)またはInを添加
して1×1015cm-3の電子濃度にする。
【0024】次いで、共通のベース層となるp型Hg
0.68Cd0.32Te層13、及び、5〜10μmの波長に
感度を有するLWIR吸収層となる、n型Hg0.78Cd
0.22Te層14を順次成長させる。
【0025】この場合に、p型Hg0.68Cd0.32Te層
13には、AsまたはSbを添加して正孔濃度が1×1
17cm-3になるようにすると共に、n型Hg0.78Cd
0.22Te層14には、I(沃素)またはInを添加して
電子濃度が1×1015cm-3になるようにする。
【0026】次いで、n型Hg0.78Cd0.22Te層14
乃至n型Hg1-x Cdx Te層12をメサエッチングし
たのち、Inを用いてn型Hg0.78Cd0.22Te層14
上に素子電極15を、一方、n型Hg1-x Cdx Te層
12上には共通電極16を形成する。
【0027】図2(b)参照 この場合、HgCdTe系半導体の特性として組成勾配
の影響がほとんど伝導帯側に現れるため、n型Hg1-x
Cdx Te層12の伝導帯側に電子20に対する電位勾
配が形成され、電子20がn型Hg1-x Cdx Te層1
2とp型Hg0. 68Cd0.32Te層13とによって形成さ
れるpn接合の電位障壁を越えて回り込むことを阻止す
る。
【0028】したがって、共通電極16に対して素子電
極15に印加する電圧を高くした場合、n型Hg0.78
0.22Te層14とp型Hg0.68Cd0.32Te層13と
によって形成されるpn接合が逆バイアスとなり、n型
Hg0.78Cd0.22Te層14の光吸収によって発生した
電子18及び正孔17からなる電子−正孔対が光電流と
なるが、3〜5μmの波長の光が入射した場合には、n
型Hg1-x Cdx Te層12において光吸収によって電
子20及び正孔19からなる電子−正孔対が発生する。
【0029】この内、電子20は印加されている電界に
よって、順バイアスpn接合を乗り越えてn型Hg0.78
Cd0.22Te層14側に回り込もうとするが、組成勾配
によって形成された伝導帯側の電位勾配によって図の破
線の矢印の方向への力が加わり、回り込みが阻止され
る。
【0030】その結果、共通電極16に対して素子電極
15に印加する電圧を高くした場合には、3〜5μmの
波長の赤外線には感度を有さないことになり、所謂スペ
クトルクロストークが防止される。
【0031】一方、共通電極16に対して素子電極15
に印加する電圧を低くした場合、5〜10μmの波長の
赤外線が入射した場合には、n型Hg0.78Cd0.22Te
層14側において光吸収によって電子−正孔対が発生
し、電子18が順バイアスpn接合を越えてn型Hg
1-x Cdx Te層12側に回り込もうとするが、n型H
0.78Cd0.22Te層14とp型Hg0.68Cd0.32Te
層13とによって形成されるpn接合の電位障壁は、n
型Hg1-x Cdx Te層12とp型Hg0.68Cd0. 32
e層13とによって形成されるpn接合の電位障壁より
高いので、電子の回り込みの確率が小さくなり、それ程
問題にならない。
【0032】しかし、より確実にスペクトルクロストー
クを防止するためには、n型Hg0. 78Cd0.22Te層1
4とn型Hg1-x Cdx Te層12との両方に電位勾配
を形成すれば良い。
【0033】この第1の実施の形態における電位勾配の
形成は、組成勾配によって形成しているが、不純物濃度
勾配によって形成しても良い。即ち、n型Hg1-x Cd
x Te層12において、CdZnTe基板11側が最も
不純物濃度が高くなるようにし、CdZnTe基板11
から離れるにしたがって不純物濃度が単調減少するよう
にしても、伝導帯側に同様の電位勾配が形成される。
【0034】ただし、この場合、価電子帯も伝導帯と平
行になるように傾き、この傾きによって価電子帯側に形
成される電位勾配は、正常な光電流を構成する正孔17
に対する電位障壁となるので、組成勾配により電位勾配
を形成した場合に比べて多少効率が劣ることになる。
【0035】次に、図3を参照して本発明の第2の実施
の形態であるpnp構造の二波長カラーセンサを説明す
る。まず、3〜10μmの波長に対して透明なCdZn
Te基板21上に3〜5μmの波長に感度を有するMW
IR吸収層となる、p型Hg1-x Cdx Te層22を形
成する。
【0036】このp型Hg1-x Cdx Te層22のCd
比xは、CdZnTe基板21側における0.27から
最大値の0.29まで単調増加するように変化させて組
成勾配を形成すると共に、AsまたはSbの濃度がCd
ZnTe基板21側から単調増加するようにを添加し
て、pn接合近傍の正孔濃度が1×1015cm-3程度に
なるようにする。
【0037】次いで、共通のベース層となるn型Hg
0.68Cd0.32Te層23、及び、5〜10μmの波長に
感度を有するLWIR吸収層となる、p型Hg0.78Cd
0.22Te層24を順次成長させる。
【0038】この場合に、n型Hg0.68Cd0.32Te層
23には、IまたはInを添加して電子濃度が1×10
17cm-3になるようにすると共に、p型Hg0.78Cd
0.22Te層24には、AsまたはSbを添加して正孔濃
度が1×1015cm-3になるようにする。
【0039】次いで、p型Hg0.78Cd0.22Te層24
乃至p型Hg1-x Cdx Te層22をメサエッチングし
たのち、Auを用いてp型Hg0.78Cd0.22Te層24
上に素子電極25を、一方、p型Hg1-x Cdx Te層
22上には共通電極26を形成する。
【0040】図3(b)参照 この場合、上述の様にHgCdTe系半導体の特性とし
て、組成勾配の影響がほとんど伝導帯側に現れるが、不
純物濃度勾配による影響は伝導帯及び価電子帯の両側に
現れるので、p型Hg1-x Cdx Te層22の伝導帯側
においては組成勾配の影響と不純物濃度勾配の影響とが
略相殺して電位勾配が形成されず、したがって、正常の
光電流を構成する電子28に対する電位障壁は形成され
ない。
【0041】一方、価電子帯側においては、不純物濃度
勾配の影響によって正孔29に対する電位勾配が形成さ
れ、この電位勾配は、正孔29がp型Hg1-x Cdx
e層22とn型Hg0.68Cd0.32Te層23とによって
形成されるpn接合の電位障壁を越えて回り込むことを
阻止する方向に働く。
【0042】したがって、共通電極26に対して素子電
極25に印加する電圧を低くした場合、p型Hg0.78
0.22Te層24とn型Hg0.68Cd0.32Te層23と
によって形成されるpn接合が逆バイアスとなり、p型
Hg0.78Cd0.22Te層24において光吸収によって発
生した電子28及び正孔27からなる電子−正孔対が光
電流となるが、3〜5μmの波長の光が入射した場合に
は、p型Hg1-x Cd x Te層22において光吸収によ
って電子30及び正孔29からなる電子−正孔対が発生
する。
【0043】この内、正孔29は印加されている電界に
よって、順バイアスpn接合を乗り越えてp型Hg0.78
Cd0.22Te層24側に回り込もうとするが、不純物濃
度勾配によって形成された価電子帯の電位勾配によって
図の破線の矢印の方向への力が加わり、回り込みが阻止
される。
【0044】その結果、共通電極16に対して素子電極
15に印加する電圧を低くした場合には、3〜5μmの
波長の赤外線には感度を有さないことになり、所謂スペ
クトルクロストークが防止される。
【0045】なお、この第2の実施の形態においても、
より確実にスペクトルクロストークを防止するために
は、p型Hg0.78Cd0.22Te層24とp型Hg1-x
x Te層22との両方に電位勾配を形成すれば良い。
【0046】また、この第2の実施の形態における電位
勾配の形成は、不純物濃度勾配と組成勾配とによって形
成しているが、不純物濃度勾配のみによって形成しても
良い。
【0047】即ち、p型Hg1-x Cdx Te層22にお
いて、CdZnTe基板21側が最も不純物濃度が高く
なるようにし、CdZnTe基板21から離れるにした
がって不純物濃度が単調減少するようにすると価電子帯
に電位勾配が形成され、スペクトルクロストークを防止
するように作用する。
【0048】ただし、この場合は、同時に、伝導帯側に
も価電子帯と平行な電位勾配が形成され、この伝導帯側
の電位勾配は、正常な光電流を構成する電子28に対す
る電位障壁となる。
【0049】なお、上記の各実施の形態の説明において
は、基板としてCdZnTeを用いているが、CdZn
Teに限られるものではなく、GaAs基板等の他の基
板を用いても良いものである。
【0050】また、本発明の実施の形態においては、赤
外線吸収層を形成する半導体として特定組成比のHgC
dTe系半導体を用いているが、記載されている組成比
に限られるものではなく、検出しようとする波長に応じ
て適宜組成を変更し得るものであり、さらに、HgZn
Te、HgMnTe等の他の半導体を用いても良いもの
である。
【0051】また、本発明の実施の形態においては、基
板として検出波長に対して透明な基板を用い、基板側に
MWIR吸収層を設け、トップ層にLWIR吸収層を設
けて、基板側から光を照射するようにしているが、基板
側にLWIR吸収層を設け、トップ層にMWIR吸収層
を設けて、トップ層側から光を照射するようにしても良
いものである。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、MWIR吸収層及びL
WIR吸収層を有する二波長カラーセンサの、少なくと
もMWIR吸収層側にキャリアの回り込みを阻止する電
位勾配を形成するための組成勾配或いは不純物濃度勾配
を形成したので、スペクトルクロストークが低減され、
赤外線検出装置の検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図4】従来の二波長カラーセンサの説明図である。
【図5】スペクトルストロークの説明図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 一導電型ワイドギャップ層 3 逆導電型ワイドギャップ層 4 一導電型ナローギャップ層 5 素子電極 6 共通電極 7 正孔 8 電子 9 正孔 10 電子 11 CdZnTe基板 12 n型Hg1-x Cdx Te層 13 p型Hg0.68Cd0.32Te層 14 n型Hg0.78Cd0.22Te層 15 素子電極 16 共通電極 17 正孔 18 電子 19 正孔 20 電子 21 CdZnTe基板 22 p型Hg1-x Cdx Te層 23 n型Hg0.68Cd0.32Te層 24 p型Hg0.78Cd0.22Te層 25 素子電極 26 共通電極 27 正孔 28 電子 29 正孔 30 電子 31 CdZnTe基板 32 n型Hg0.72Cd0.28Te層 33 p型Hg0.68Cd0.32Te層 34 n型Hg0.78Cd0.22Te層 35 素子電極 36 共通電極 37 正孔 38 電子 39 正孔 40 電子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型ワイドギャップ層、逆導電型ワ
    イドギャップ層、及び、一導電型ナローギャップ層の少
    なくとも三層構造から構成され、且つ、互いに向きが逆
    方向の二つのpn接合を有する赤外線検出装置におい
    て、前記一導電型ナローギャップ層側のpn接合が逆バ
    イアス状態になったとき、前記一導電型ワイドギャップ
    層において発生したキャリアが順バイアス状態の他方の
    pn接合の電位障壁を乗り越えることを阻止する電位勾
    配を前記一導電型ワイドギャップ層に設けたことを特徴
    とする赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 上記三層構造がHgCdTeを用いたn
    pn構造からなり、且つ、上記一導電型ワイドギャップ
    層を上記他方のpn接合から離れるにしたがってCd比
    xが小さくなるn型Hg1-x Cdx Teで構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の赤外線検出装置。
  3. 【請求項3】 上記三層構造がHgCdTeからなり、
    且つ、上記一導電型ワイドギャップ層を上記他方のpn
    接合から離れるにしたがって導電型決定不純物濃度が高
    くなる一導電型HgCdTeで構成したことを特徴とす
    る請求項1記載の赤外線検出装置。
  4. 【請求項4】 上記三層構造がHgCdTeを用いたp
    np構造からなり、且つ、上記一導電型ワイドギャップ
    層を上記他方のpn接合から離れるにしたがってCd比
    xが小さくなるp型Hg1-x Cdx Teで構成したこと
    を特徴とする請求項3に記載の赤外線検出装置。
JP8031580A 1996-02-20 1996-02-20 赤外線検出装置 Withdrawn JPH09232616A (ja)

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JP8031580A JPH09232616A (ja) 1996-02-20 1996-02-20 赤外線検出装置

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