JPH09231865A - スライド操作型スイッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を少なくして小型化が図れるととも
に、防塵性に優れて動作不良が発生しにくく、さらにス
ライダの係合個所が外れるという不測の事故を起こす虞
がないスライド操作型スイッチ装置。 【解決手段】 有底箱形の接点収納室５ａや該収納室５
ａの外壁面とすき間５ｂを介して対向する帯状係合壁５
ｃを設けたハウジング５と、すき間５ｂよりも幅広な外
向きフック７ａを有して接点収納室５ａの外壁面に沿っ
て配置される係止片７ｂを設けて該収納室５ａが蓋閉で
きるスライダ７とを、帯状係合壁５ｃを撓ませて外向き
フック７ａをすき間５ｂ内へ挿通することにより組み合
わせ、帯状係合壁５ｃの底部に外向きフック７ａを摺動
可能に係合させる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、可動接点を固設し
たスライダをスライド操作することによりスイッチング
を行うスイッチ装置で、例えば電源スイッチや電圧切替
用スイッチなどとして好適なスライド操作型スイッチ装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スライド操作型スイッチ装置としては、
従来、複数の端子を列状に固設した基板と、長孔を有し
て前記基板を覆う箱形のケースと、このケース内に往復
移動可能な状態で収納されて操作子を前記長孔から突出
させているスライダと、このスライダに固設されて前記
各端子の接点部と接触可能な可動接点とを備え、ケース
の長孔に沿ってスライダの操作子を往復移動させると可
動接点が所望の端子と接離するように構成したものが広
く知られている。しかしながら、このように構成される
スライド操作型スイッチ装置は部品点数が多く、しかも
基板とケースを一体化するための特別な構造が必要で、
例えば成形時にスライドコアを用いて取付孔を形成した
り、あるいは取付板等の別部品を追加しなければならな
いため、部品コストや組立コストが嵩んでしまい、安価
に製造できないという不具合があった。

【０００３】そこで、コストダウンを図った従来技術と
して、図８，９に示すような部品点数の少ないスライド
操作型スイッチ装置が提案されている。ここで、図８は
該スイッチ装置の長手方向に沿う断面図、図９は該スイ
ッチ装置の幅方向に沿う断面図であって、これらの図に
示すように、該スイッチ装置は、複数の端子１を列状に
固設して各端子１の接点部１ａを上面に露出させている
基板２と、これらの接点部２ａを覆う箱形に成形されて
基板２に対し往復移動可能なスライダ３と、このスライ
ダ３の内部に固設されて各接点部１ａと接触可能な板ば
ね製の可動接点４とを備えて構成されており、スライダ
３の側壁の複数個所に突設した内向きフック３ａが基板
２と摺動可能に係合させてあるので、スライダ３をスラ
イド操作することにより、可動接点４にて導通される端
子１どうしの組合せが変更できるようになっている。つ
まり、図８の状態では左端と中央に位置する二つの端子
１どうしが可動接点４にて導通されているが、図８にお
いてスライダ３を図示右方向へ所定量移動させれば、こ
れら二つの端子１どうしの導通が解除されるとともに、
右端と中央に位置する二つの端子１どうしが可動接点４
にて導通されることになるので、接点回路が切り替えら
れることとなる。また、このスライド操作型スイッチ装
置は、端子１を固設した基板２と可動接点４を固設した
スライダ３とを組み合わせるだけで構成できるので、少
なくとも前記ケースが不要となって部品点数が低減し、
かつ組立性も向上するという利点があり、コストダウン
が図りやすくなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図８，
９に示す従来のスライド操作型スイッチ装置は、内向き
フック３ａを有する箱形のスライダ３を防塵性の高い形
状に設計できないため、該スライダ３内へ侵入した塵埃
等が可動接点４や接点部１ａに接触して動作不良を引き
起こす虞があった。すなわち、スライダ３を成形する際
には、該スライダ３の天板部の複数個所に内向きフック
３ａに対応した透孔３ｂ（図９参照）を形成しなければ
ならず、また、長手寸法を抑えるため、スライダ３に端
子１との衝突を回避するための逃げ溝３ｃ（図８参照）
を設けなければならないことも多いため、これらの透孔
３ｂや逃げ溝３ｃからスライダ３内へ塵埃等の異物が侵
入しやすかった。さらに、かかる従来のスライド操作型
スイッチ装置は、各内向きフック３ａを自身の弾性で基
板２に係合させているだけなので、係合状態の内向きフ
ック３ａを基板２から外すことは困難ではなく、それゆ
えスライダ３が基板２から外れるという不測の事故が発
生する危険性があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、有底箱形の接
点収納室や該収納室の外壁面とすき間を介して対向し若
干の弾性変形が可能な帯状係合壁を設けたハウジング
と、前記すき間よりも幅広な外向きフックを有して前記
接点収納室の外壁面に沿って配置される係止片を設けて
該収納室が蓋閉できるスライダとを、前記帯状係合壁の
撓みを利用して前記外向きフックを前記すき間内へ挿通
して、該帯状係合壁の底部に該外向きフックを摺動可能
に係合させた状態で組み合わせるようにした。これよ
り、部品点数を少なくして小型化が容易に行え、かつ防
塵性が高まり、しかも係合個所の脱落事故を確実に防止
することができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明のスライド操作型スイッチ
装置では、有底箱形の接点収納室を設けたハウジング
と、前記接点収納室に圧入等により固設されて該収納室
内に接点部を露出させる端子と、前記ハウジングに往復
移動可能な状態で保持されて前記接点収納室の開口部を
蓋閉するスライダと、このスライダに固設されて前記接
点収納室内で前記端子の前記接点部と接触可能な可動接
点とを備え、前記スライダに、先端部に外向きフックを
有し前記接点収納室の外壁面に沿って配置される係合片
を設けるとともに、前記ハウジングに、前記外向きフッ
クの厚さよりも幅狭なすき間を介して前記接点収納室の
外壁面と対向し、かつ前記スライダの移動方向に沿って
延びて該外向きフックの該すき間への挿通時に弾性変形
する帯状係合壁を設け、この帯状係合壁の底部に前記外
向きフックを摺動可能に係合させる構成とした。

【０００７】このように構成されるスライド操作型スイ
ッチ装置は、端子を固設したハウジングと可動接点を固
設したスライダとを組み合わせるだけで構成できるの
で、部品点数が少なくて小型化も容易であり、また、ス
ライダに外向きフックを設けても、該スライダの成形時
に接点収納室を蓋閉する部分に透孔を形成する必要はな
いので、該接点収納室が密閉しやすく、高い防塵性が得
られる。さらにまた、このスイッチ装置においては、ス
ライダの係止片をハウジングの前記すき間内へと挿入す
る組立工程で、帯状係合壁を撓ませることにより外向き
フックを幅狭な該すき間内へ挿入できるとともに、この
外向きフックが該すき間を貫通した時点で該帯状係合壁
の撓みが解消されることから、外向きフックを再び該す
き間内へ入れ戻すことは困難であり、それゆえ、帯状係
合壁の底部に外向きフックを摺動可能に係合させた状態
で組み合わせたハウジングとスライダとが、組立後に外
れてしまうことはない。

【０００８】

【実施例】実施例を図面を参照して説明すると、図１は
本発明によるスライド操作型スイッチ装置の一実施例を
示す外観図、図２は図１に示すスイッチ装置の分解斜視
図、図３は図１に示すスイッチ装置の長手方向に沿う断
面図、図４は図１に示すスイッチ装置の幅方向に沿う断
面図、図５は図４のＡ部を拡大した説明図である。

【０００９】これらの図に示すスライド操作型スイッチ
装置は、有底箱形の接点収納室５ａを設けたハウジング
５と、この接点収納室５ａに列状に圧入固定されて該収
納室５ａ内に接点部６ａを露出させている三本の端子６
と、ハウジング５に往復移動可能な状態で保持されて接
点収納室５ａの上部開口を蓋閉するスライダ７と、この
スライダ７に固設されて接点収納室５ａ内で各端子６の
接点部６ａと接触可能な板ばね製の可動接点８とを備え
て構成されており、前記スライダ７の複数個所には、先
端部に外向きフック７ａを有し前記接点収納室５ａの外
壁面に沿って配置される係合片７ｂが設けてある。ま
た、前記ハウジング５には、幅狭なすき間５ｂを介して
接点収納室５ａの外壁面と対向し前記スライダ７の移動
方向に沿って延びる一対の帯状係合壁５ｃが設けてあ
り、図４，５に示すように、外向きフック７ａの厚さｔ
₁よりも該すき間５ｂのクリアランスｔ₂のほうが狭くな
るように（つまりｔ₁＞ｔ₂となるように）寸法設定して
ある。ただし、板厚に比して長手寸法が十分に長い各帯
状係合壁５ｃには、長手方向両端部を除いて若干の弾性
が付与されているので、その撓みを利用して、外向きフ
ック７ａを上方からすき間５ｂ内へ挿入して貫通させる
ことができ、これにより、帯状係合壁５ｃの底部に外向
きフック７ａを摺動可能に係合させた状態で、スライダ
７をハウジング５に組み付けることができる。

【００１０】こうしてスライダ７をハウジング５に組み
付けると、スライダ７を図３の左右方向（つまり長手方
向）に沿ってスライド操作することにより、可動接点８
にて導通される端子６どうしの組合せが変更できるの
で、所望のスイッチングが行える。すなわち、図３の状
態では右端と中央に位置する二つの端子６どうしが可動
接点８にて導通されているが、図３においてスライダ７
を図示左方向へ所定量移動させれば、これら二つの端子
６どうしの導通が解除されるとともに、左端と中央に位
置する二つの端子６どうしが可動接点８にて導通される
ことになるので、接点回路が切り替えられることとな
る。

【００１１】上述したスライド操作型スイッチ装置は、
端子６を固設したハウジング５と可動接点８を固設した
スライダ７とを組み合わせるだけで構成できるので、部
品点数が少なくて済み、小型化も容易である。また、こ
のスイッチ装置は、スライダ７に内向きではなく外向き
のフック７ａが設けてあるので、該スライダ７の成形時
に接点収納室５ａを蓋閉する部分に透孔を形成する必要
はなく、それゆえ、接点収納室５ａよりも往復移動量分
だけ長くしたスライダ７によって該収納室５ａを密閉す
ることができ（図３参照）、各端子６の接点部６ａや可
動接点８に塵埃等の異物が付着しにくい高い防塵性が得
られている。さらに、このスイッチ装置においては、ス
ライダ７の係止片７ｂをハウジング５のすき間５ｂ内へ
と挿入する組立工程で、帯状係合壁５ｃを撓ませること
により外向きフック７ａを幅狭なすき間５ｂ内へ挿入で
きるとともに、この外向きフック７ａが該すき間５ｂを
貫通した時点で該帯状係合壁５ｃの撓みが解消されるこ
とから、外向きフック７ａを再び該すき間５ｂ内へ入れ
戻すことは困難であり、それゆえ、帯状係合壁５ｃの底
部に外向きフック７ａを摺動可能に係合させた状態で組
み合わせたハウジング５とスライダ７とが、組立後に外
れてしまうことはない。すなわち、このスイッチ装置
は、防塵性が高めてあるので品質面での信頼性に優れ、
かつ係合個所の脱落事故が確実に防止できるようにして
あるので強度面での信頼性にも優れている。

【００１２】図６は本発明の他の実施例を示すスライド
操作型スイッチ装置の長手方向に沿う断面図、図７は図
６に示すスイッチ装置の幅方向に沿う断面図であって、
図１〜５と対応する部分には同一符号が付してある。

【００１３】図６，７に示すスイッチ装置は、ハウジン
グ５の接点収納室５ａに計八本の端子６を列状に固設す
るとともに、スライダ７に二つの可動接点８を固設し
て、各可動接点８がそれぞれ、四本の端子６に接離して
三通りの切替ポジションが選択できるように設計してあ
る。つまり本実施例の場合、前記実施例に比べてスライ
ダ７の往復移動量が二倍になっており、仮に接点収納室
５ａの上部開口をスライダ７のみで蓋閉しようとすると
該スライダ７をかなり長尺な形状に設計しなければなら
ない。そこで本実施例では、接点収納室５ａの上部開口
の長手方向両端部を金属板等からなる蓋体９にて覆うこ
とにより、接点収納室５ａからはみ出さない比較的短い
スライダ７が使用できるようにしてあり、もって製品の
小型化を促進している。なお、本実施例においても前記
実施例と同様に、外向きフック７ａを有する係合片７ｂ
がスライダ７の複数個所に設けてあるとともに、幅狭な
すき間５ｂを介して接点収納室５ａの外壁面と対向する
一対の帯状係合壁５ｃがハウジング５に設けてあり、こ
れらの帯状係合壁５ｃの撓みを利用して外向きフック７
ａをすき間５ｂ内へ挿入して貫通させることができる。
したがって、帯状係合壁５ｃの底部に外向きフック７ａ
を摺動可能に係合させた状態で、スライダ７をハウジン
グ５に組み付けることができ、組立後にスライダ７とハ
ウジング５との係合個所で脱落事故が発生する虞はな
い。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によるスラ
イド操作型スイッチ装置は、有底箱形の接点収納室や該
収納室の外壁面とすき間を介して対向し若干の弾性変形
が可能な帯状係合壁を設けたハウジングと、前記すき間
よりも幅広な外向きフックを有して前記接点収納室の外
壁面に沿って配置される係止片を設けて該収納室が蓋閉
できるスライダとを、前記帯状係合壁の撓みを利用して
前記外向きフックを前記すき間内へ挿通することにより
組み合わせ、もって帯状係合壁の底部に外向きフックを
摺動可能に係合させるように構成したため、部品点数が
少なくて小型化が容易に行えるという効果を奏し、ま
た、防塵性が高くて動作不良を起こしにくく、ハウジン
グとスライダとの係合個所が組立後に外れる虞もないこ
とから、品質面や強度面での信頼性が大幅に高まるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるスライド操作型スイッチ装置の一
実施例を示す外観図である。

【図２】図１に示すスイッチ装置の分解斜視図である。

【図３】図１に示すスイッチ装置の長手方向に沿う断面
図である。

【図４】図１に示すスイッチ装置の幅方向に沿う断面図
である。

【図５】図４のＡ部を拡大した説明図である。

【図６】本発明の他の実施例を示すスライド操作型スイ
ッチ装置の長手方向に沿う断面図である。

【図７】図６に示すスイッチ装置の幅方向に沿う断面図
である。

【図８】従来技術を示すスライド操作型スイッチ装置の
長手方向に沿う断面図である。

【図９】図８に示す従来のスイッチ装置の幅方向に沿う
断面図である。

【符号の説明】

５ ハウジング ５ａ 接点収納室 ５ｂ すき間 ５ｃ 帯状係合壁 ６ 端子 ６ａ 接点部 ７ スライダ ７ａ 外向きフック ７ｂ 係合片 ８ 可動接点 ９ 蓋体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底箱形の接点収納室を設けたハウジン
   グと、前記接点収納室に固設されて該収納室内に接点部
   を露出させる端子と、前記ハウジングに往復移動可能な
   状態で保持されて前記接点収納室の開口部を蓋閉するス
   ライダと、このスライダに固設されて前記接点収納室内
   で前記端子の前記接点部と接触可能な可動接点とを備え
   たスライド操作型スイッチ装置であって、 前記スライダに、先端部に外向きフックを有し前記接点
   収納室の外壁面に沿って配置される係合片を設け、 前記ハウジングに、前記外向きフックの厚さよりも幅狭
   なすき間を介して前記接点収納室の外壁面と対向し、か
   つ前記スライダの移動方向に沿って延びて該外向きフッ
   クの該すき間への挿通時に弾性変形する帯状係合壁を設
   け、 この帯状係合壁の底部に前記外向きフックを摺動可能に
   係合させたことを特徴とするスライド操作型スイッチ装
   置。
2. 【請求項２】 請求項１の記載において、前記端子が前
   記接点収納室に圧入固定されていることを特徴とするス
   ライド操作型スイッチ装置。