JPH09230051A - 放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法 - Google Patents
放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法Info
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- JPH09230051A JPH09230051A JP3226596A JP3226596A JPH09230051A JP H09230051 A JPH09230051 A JP H09230051A JP 3226596 A JP3226596 A JP 3226596A JP 3226596 A JP3226596 A JP 3226596A JP H09230051 A JPH09230051 A JP H09230051A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 外部ガンマ線源を必要とすることなく、ま
た、放射性廃棄物固化体に密度分布及び放射能分布が存
在していても、放射能量を好適に測定することができる
放射能量測定方法の提供が望まれている。 【解決手段】 ゲルマニウム検出器13の前方には、コ
リメータ15を配設する。放射性廃棄物固化体7は、コ
リメータによって領域a、領域b及び領域cに区分さ
れ、各領域ごとに密度を測定する。具体的には、密度
は、核種からの第1ガンマ線計数率と第2ガンマ線計数
率との比から、又はグロスの計数率と核種から放出され
るガンマ線の計数率との比から、又はグロスの線量率と
核種から放出されるガンマ線の線量率との比から求めら
れる。得られた密度によって放射能濃度を補正し、放射
性廃棄物固化体全体の放射能量を求める。
た、放射性廃棄物固化体に密度分布及び放射能分布が存
在していても、放射能量を好適に測定することができる
放射能量測定方法の提供が望まれている。 【解決手段】 ゲルマニウム検出器13の前方には、コ
リメータ15を配設する。放射性廃棄物固化体7は、コ
リメータによって領域a、領域b及び領域cに区分さ
れ、各領域ごとに密度を測定する。具体的には、密度
は、核種からの第1ガンマ線計数率と第2ガンマ線計数
率との比から、又はグロスの計数率と核種から放出され
るガンマ線の計数率との比から、又はグロスの線量率と
核種から放出されるガンマ線の線量率との比から求めら
れる。得られた密度によって放射能濃度を補正し、放射
性廃棄物固化体全体の放射能量を求める。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容器に収容された
放射性物質の放射能量の測定方法に関するものである。
放射性物質の放射能量の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、放射性廃棄物固化体に含まれる放
射能量を、該放射性廃棄物固化体が収容された容器を破
壊することなく測定する方法及び装置としては、様々な
技術があった。例えば、特開昭63−273084号公
報には、ガンマ線検出器と、ガンマ線検出器へ入射する
放射線を絞るコリメータと、放射性廃棄物を収容する容
器を回転及び昇降させるターンテーブルとからなる放射
能量測定装置が開示されている。この放射能量測定装置
では、同じ強度の2つの放射能が放射性廃棄物内で半径
方向に離間している際、その2つの放射能からの応答値
がほぼ等しくなるように、コリメータでガンマ線検出器
へ入射する放射線を絞ることにより、放射性廃棄物の放
射能量を測定することができる。
射能量を、該放射性廃棄物固化体が収容された容器を破
壊することなく測定する方法及び装置としては、様々な
技術があった。例えば、特開昭63−273084号公
報には、ガンマ線検出器と、ガンマ線検出器へ入射する
放射線を絞るコリメータと、放射性廃棄物を収容する容
器を回転及び昇降させるターンテーブルとからなる放射
能量測定装置が開示されている。この放射能量測定装置
では、同じ強度の2つの放射能が放射性廃棄物内で半径
方向に離間している際、その2つの放射能からの応答値
がほぼ等しくなるように、コリメータでガンマ線検出器
へ入射する放射線を絞ることにより、放射性廃棄物の放
射能量を測定することができる。
【0003】また、特開平1−101489号公報に
は、ゲルマニウム検出器に取り付けられたコリメータの
開度調節によって、被測定物の円柱座標における中心軸
方向、半径方向又は角度方向に区切られたガンマ線計測
領域範囲のそれぞれについて核種濃度を計測する放射性
核種計測方法が開示されている。この放射性核種計測方
法では、放射性廃棄物の上下方向(中心軸方向)に分割
した領域においてコリメーション角度を変化させ、仮想
的な円環状の領域ごとに放射能濃度を求めていたので、
核種濃度が不均一な場合でも精度の高い核種濃度計測が
可能である。
は、ゲルマニウム検出器に取り付けられたコリメータの
開度調節によって、被測定物の円柱座標における中心軸
方向、半径方向又は角度方向に区切られたガンマ線計測
領域範囲のそれぞれについて核種濃度を計測する放射性
核種計測方法が開示されている。この放射性核種計測方
法では、放射性廃棄物の上下方向(中心軸方向)に分割
した領域においてコリメーション角度を変化させ、仮想
的な円環状の領域ごとに放射能濃度を求めていたので、
核種濃度が不均一な場合でも精度の高い核種濃度計測が
可能である。
【0004】更に、特開昭62−80578号公報に
は、測定試料から放出されるガンマ線を複数に分割され
た領域ごとに測定するガンマ線検出器と、このガンマ線
検出器に対して前記測定試料を挟んで対向する位置に配
設された外部ガンマ線源と、前記ガンマ線検出器からの
検出信号を処理しガンマ線スペクトルデータとして記憶
するガンマ線測定装置と、前記ガンマ線スペクトルデー
タからガンマ線測定量を演算する演算装置とからなる放
射能濃度測定装置が開示されている。この放射能濃度測
定装置では、装置試料の密度の違いによるガンマ線の吸
収効果を補正して測定することより、放射能量を測定す
る。
は、測定試料から放出されるガンマ線を複数に分割され
た領域ごとに測定するガンマ線検出器と、このガンマ線
検出器に対して前記測定試料を挟んで対向する位置に配
設された外部ガンマ線源と、前記ガンマ線検出器からの
検出信号を処理しガンマ線スペクトルデータとして記憶
するガンマ線測定装置と、前記ガンマ線スペクトルデー
タからガンマ線測定量を演算する演算装置とからなる放
射能濃度測定装置が開示されている。この放射能濃度測
定装置では、装置試料の密度の違いによるガンマ線の吸
収効果を補正して測定することより、放射能量を測定す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際に放射性
廃棄物を固化したものには、放射性廃棄物がセメント等
と共にドラム缶に充填されて固化されるため、密度分布
及び放射能分布が存在する。そのため、以上に説明した
従来の技術には、各々次のような問題がある。まず、特
開昭63−273084号公報に開示されている放射能
量測定装置では、放射性廃棄物から放出される直接線
(直接放射線)を計測することにより放射能量を測定す
るため、特に放射性廃棄物の径方向密度が均一でない場
合には、必ずしも精度が良いとはいえない問題がある。
廃棄物を固化したものには、放射性廃棄物がセメント等
と共にドラム缶に充填されて固化されるため、密度分布
及び放射能分布が存在する。そのため、以上に説明した
従来の技術には、各々次のような問題がある。まず、特
開昭63−273084号公報に開示されている放射能
量測定装置では、放射性廃棄物から放出される直接線
(直接放射線)を計測することにより放射能量を測定す
るため、特に放射性廃棄物の径方向密度が均一でない場
合には、必ずしも精度が良いとはいえない問題がある。
【0006】また、特開平1−101489号公報に開
示されている放射性核種計測方法では、放射性廃棄物の
平均密度を用いて放射性廃棄物内のガンマ線吸収効果を
補正しているので、実際の密度分布を考慮した補正と違
い、その補正が十分でないという問題点がある。
示されている放射性核種計測方法では、放射性廃棄物の
平均密度を用いて放射性廃棄物内のガンマ線吸収効果を
補正しているので、実際の密度分布を考慮した補正と違
い、その補正が十分でないという問題点がある。
【0007】更に、特開昭62−80578号公報に開
示されている放射能濃度測定装置では、密度の高い放射
性廃棄物で実施しようとすると、強力な外部ガンマ線源
が必要になるという問題がある。
示されている放射能濃度測定装置では、密度の高い放射
性廃棄物で実施しようとすると、強力な外部ガンマ線源
が必要になるという問題がある。
【0008】従って、本発明は、上述した問題を解決す
るためのものであって、外部ガンマ線源を必要とするこ
となく、また、放射性廃棄物固化体に密度分布及び放射
能分布が存在していても、放射能量を好適に測定するこ
とができる放射能量測定方法を提供することを目的とす
る。
るためのものであって、外部ガンマ線源を必要とするこ
となく、また、放射性廃棄物固化体に密度分布及び放射
能分布が存在していても、放射能量を好適に測定するこ
とができる放射能量測定方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本発明の放射能量測定方法では、ほぼ円柱状の放射
性廃棄物固化体を、半径方向には所定の半径範囲で区切
られる複数の領域に仮想的に分割し、高さ方向には所定
の高さ範囲で複数に仮想的に分割し、前記放射性廃棄物
固化体を相対的に回転昇降してコリメータ付ガンマ線ス
ペクトル検出器によりガンマ線を測定し、前記所定の高
さ範囲につき前記領域ごとの分割片につき密度を求め、
該分割片からの各核種の直接線の計数率に対し、前記求
めた密度に基づいて直接線の減衰を補正して各分割片で
の各核種の放射線濃度を算出する。
め、本発明の放射能量測定方法では、ほぼ円柱状の放射
性廃棄物固化体を、半径方向には所定の半径範囲で区切
られる複数の領域に仮想的に分割し、高さ方向には所定
の高さ範囲で複数に仮想的に分割し、前記放射性廃棄物
固化体を相対的に回転昇降してコリメータ付ガンマ線ス
ペクトル検出器によりガンマ線を測定し、前記所定の高
さ範囲につき前記領域ごとの分割片につき密度を求め、
該分割片からの各核種の直接線の計数率に対し、前記求
めた密度に基づいて直接線の減衰を補正して各分割片で
の各核種の放射線濃度を算出する。
【0010】前記密度は、該領域に含まれた複数のガン
マ線を放出する核種からの第1ガンマ線計数率と第2ガ
ンマ線計数率との比から求めてもよいし、グロスの計数
率と前記領域に含まれた核種から放出されるガンマ線の
計数率との比から求めてもよいし、グロスの線量率と前
記領域に含まれた核種から放出されるガンマ線の線量率
との比から求めてもよい。
マ線を放出する核種からの第1ガンマ線計数率と第2ガ
ンマ線計数率との比から求めてもよいし、グロスの計数
率と前記領域に含まれた核種から放出されるガンマ線の
計数率との比から求めてもよいし、グロスの線量率と前
記領域に含まれた核種から放出されるガンマ線の線量率
との比から求めてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態すなわ
ち実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する
が、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとす
る。図1には、本発明の放射能量測定方法に使用する放
射能量測定装置5が概略的に示されている。放射能量測
定装置5は、放射性廃棄物固化体7が中に入るドラム缶
9と、ドラム缶9を昇降させたり回転させたりするため
の回転昇降台11と、放射性廃棄物固化体7から放出す
るガンマ線を測定するゲルマニウム検出器13と、ドラ
ム缶9及びゲルマニウム検出器13の間に配設されたコ
リメータ15と、ゲルマニウム検出器13の測定結果か
らガンマ線の分析等を行う信号処理部17と、信号処理
部17及び回転昇降台11と接続する計算機19とから
構成されている。放射性廃棄物固化体7は、図示しない
装置で重量を計測した後、回転昇降台11の回転軸心と
放射性廃棄物固化体7の長手方向軸心とが一致するよう
に、回転昇降台11上に配設する。放射性廃棄物固化体
7は、軽水炉で生じた低レベルの放射性廃棄物であり、
セメント等と一緒にドラム缶9に充填され固化されたも
のである。ドラム缶9内には、複数の放射性核種が存在
し密度分布や放射能分布を有する。したがって、放射性
廃棄物固化体7の含有放射能量を外部からガンマ線検出
器を用いて非破壊で測定するためには、固化体の密度分
布及び放射能分布を補正して測定する必要がある。
ち実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する
が、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとす
る。図1には、本発明の放射能量測定方法に使用する放
射能量測定装置5が概略的に示されている。放射能量測
定装置5は、放射性廃棄物固化体7が中に入るドラム缶
9と、ドラム缶9を昇降させたり回転させたりするため
の回転昇降台11と、放射性廃棄物固化体7から放出す
るガンマ線を測定するゲルマニウム検出器13と、ドラ
ム缶9及びゲルマニウム検出器13の間に配設されたコ
リメータ15と、ゲルマニウム検出器13の測定結果か
らガンマ線の分析等を行う信号処理部17と、信号処理
部17及び回転昇降台11と接続する計算機19とから
構成されている。放射性廃棄物固化体7は、図示しない
装置で重量を計測した後、回転昇降台11の回転軸心と
放射性廃棄物固化体7の長手方向軸心とが一致するよう
に、回転昇降台11上に配設する。放射性廃棄物固化体
7は、軽水炉で生じた低レベルの放射性廃棄物であり、
セメント等と一緒にドラム缶9に充填され固化されたも
のである。ドラム缶9内には、複数の放射性核種が存在
し密度分布や放射能分布を有する。したがって、放射性
廃棄物固化体7の含有放射能量を外部からガンマ線検出
器を用いて非破壊で測定するためには、固化体の密度分
布及び放射能分布を補正して測定する必要がある。
【0012】以下、図2及び図3をもとに、本発明の実
施形態である放射能量非破壊測定方法を説明する。ゲル
マニウム検出器13は、その前方にコリメータ15があ
るため、ある特定の範囲からのガンマ線のみを検出でき
るようになっている。本実施形態での放射能量の測定
は、放射性廃棄物固化体7を仮想的に切断した所定領域
ごとに行う。まず、高さ方向に関しては、図2に示され
るように、放射性廃棄物固化体7が上下方向に5つの高
さ範囲に区分されるように、コリメータ15の上下方向
の開口幅を合わせる。
施形態である放射能量非破壊測定方法を説明する。ゲル
マニウム検出器13は、その前方にコリメータ15があ
るため、ある特定の範囲からのガンマ線のみを検出でき
るようになっている。本実施形態での放射能量の測定
は、放射性廃棄物固化体7を仮想的に切断した所定領域
ごとに行う。まず、高さ方向に関しては、図2に示され
るように、放射性廃棄物固化体7が上下方向に5つの高
さ範囲に区分されるように、コリメータ15の上下方向
の開口幅を合わせる。
【0013】横方向(水平方向)に関しては、放射性廃
棄物固化体7を複数の領域(本実施形態では、半径方向
に3つの領域)に区分するが、半径方向の密度分布及び
放射能濃度分布がゆるやかである場合には、2つの領域
に区分してもよいし、逆に前記分布が半径方向に急激に
変化している場合には、3つ以上の領域に区分してもよ
い。更に、本実施形態では、各領域の面積が等しくなる
ように区分する。図3に示されるように、放射性廃棄物
固化体7の最も外側の円筒状部分を領域aとし、その内
側の円筒状部分を領域b、さらにその内側の円柱状部分
を領域cとする。そして、回転昇降台11による放射性
廃棄物固化体7の回転及び昇降は、1回転もしくは所定
回転すると、測定の対象となる高さ範囲が上又は下に変
化するように螺旋状に放射性廃棄物固化体7を動かす
か、又は、1回転もしくは所定回転後に、測定の対象と
なる高さ範囲が上又は下にずれるように段階的に放射性
廃棄物固化体7を動かす。そして、放射性廃棄物固化体
7が回転及び昇降してる間、ゲルマニウム検出器13に
より全高さ範囲にわたってガンマ線の計測を行う。ま
ず、全高さ範囲における領域aのガンマ線データを計測
し、次に、全高さ範囲における領域bのガンマ線デー
タ、更に、全高さ範囲における領域cのガンマ線データ
について同様に計測する。
棄物固化体7を複数の領域(本実施形態では、半径方向
に3つの領域)に区分するが、半径方向の密度分布及び
放射能濃度分布がゆるやかである場合には、2つの領域
に区分してもよいし、逆に前記分布が半径方向に急激に
変化している場合には、3つ以上の領域に区分してもよ
い。更に、本実施形態では、各領域の面積が等しくなる
ように区分する。図3に示されるように、放射性廃棄物
固化体7の最も外側の円筒状部分を領域aとし、その内
側の円筒状部分を領域b、さらにその内側の円柱状部分
を領域cとする。そして、回転昇降台11による放射性
廃棄物固化体7の回転及び昇降は、1回転もしくは所定
回転すると、測定の対象となる高さ範囲が上又は下に変
化するように螺旋状に放射性廃棄物固化体7を動かす
か、又は、1回転もしくは所定回転後に、測定の対象と
なる高さ範囲が上又は下にずれるように段階的に放射性
廃棄物固化体7を動かす。そして、放射性廃棄物固化体
7が回転及び昇降してる間、ゲルマニウム検出器13に
より全高さ範囲にわたってガンマ線の計測を行う。ま
ず、全高さ範囲における領域aのガンマ線データを計測
し、次に、全高さ範囲における領域bのガンマ線デー
タ、更に、全高さ範囲における領域cのガンマ線データ
について同様に計測する。
【0014】図1に戻り、信号処理部17は、ゲルマニ
ウム検出器13の計測結果よりガンマ線スペクトルを求
める。信号処理部17により算出されたガンマ線スペク
トルのデータは、計算機19に送られる。同時に、計算
機19には、回転昇降台11からのデータ(放射性廃棄
物固化体7の昇降高さや回転等のデータ)も送られる。
ウム検出器13の計測結果よりガンマ線スペクトルを求
める。信号処理部17により算出されたガンマ線スペク
トルのデータは、計算機19に送られる。同時に、計算
機19には、回転昇降台11からのデータ(放射性廃棄
物固化体7の昇降高さや回転等のデータ)も送られる。
【0015】計算機19では、送られてきたデータをも
とに、後述する第1方法又は第2方法又は第3方法によ
って、密度を算出するための所定の計数率比もしくは線
量率比を計算する。そして、代表核種の放出ガンマ線の
直接線(非散乱線)の計数値から密度による直接線の減
衰を補正して、代表核種の各区分片の放射能濃度を求め
る。他の核種についても同様にして放出ガンマ線の直接
線の計数値から密度による減衰を補正して、各区分片の
放射能密度を求める。代表核種及び他の核種の各領域の
放射能密度に該当領域の体積を乗じて加算すると、代表
核種及び他の核種の固化体中に含まれている放射能量を
求めることができる。
とに、後述する第1方法又は第2方法又は第3方法によ
って、密度を算出するための所定の計数率比もしくは線
量率比を計算する。そして、代表核種の放出ガンマ線の
直接線(非散乱線)の計数値から密度による直接線の減
衰を補正して、代表核種の各区分片の放射能濃度を求め
る。他の核種についても同様にして放出ガンマ線の直接
線の計数値から密度による減衰を補正して、各区分片の
放射能密度を求める。代表核種及び他の核種の各領域の
放射能密度に該当領域の体積を乗じて加算すると、代表
核種及び他の核種の固化体中に含まれている放射能量を
求めることができる。
【0016】次に、放射性廃棄物固化体7がコバルト6
0とセシウム137とを含む場合を例に、計算機19で
行われる密度及び放射能濃度の算出方法について説明す
る。密度の計算は、領域a、領域b及び領域cの各領域
ごとに行う。コバルト60は、1.17Mevと1.3
3Mevのガンマ線を放出し、セシウム137は、0.
662Mevのガンマ線を放出する。密度補正のための
代表核種として、本実施形態ではコバルト60を選択す
る。その理由は、複数のガンマ線を放出し、後述する第
2方法及び第3方法に対しては1.33Mevのガンマ
線のエネルギが一番高いことによる。
0とセシウム137とを含む場合を例に、計算機19で
行われる密度及び放射能濃度の算出方法について説明す
る。密度の計算は、領域a、領域b及び領域cの各領域
ごとに行う。コバルト60は、1.17Mevと1.3
3Mevのガンマ線を放出し、セシウム137は、0.
662Mevのガンマ線を放出する。密度補正のための
代表核種として、本実施形態ではコバルト60を選択す
る。その理由は、複数のガンマ線を放出し、後述する第
2方法及び第3方法に対しては1.33Mevのガンマ
線のエネルギが一番高いことによる。
【0017】まず、図3の(a)に示されるように、ゲ
ルマニウム検出器13が領域aから放出されるガンマ線
のみを計測できるようにコリメータ15の水平方向の開
口幅を合わせ、回転昇降台11によって放射性廃棄物固
化体7を回転させて、領域aからのガンマ線の計数率を
測定する。次に、図3の(b)に示されるように、ゲル
マニウム検出器13が領域a及び領域bからのガンマ線
のみを計測できるように、コリメータ15の水平方向の
開口幅を合わせ、同様に放射性廃棄物固化体7を回転さ
せて、領域a及び領域bからのガンマ線の計数率を測定
する。更に、図3の(c)に示されるように、ゲルマニ
ウム検出器13が領域a、領域b及び領域cからのガン
マ線を計測できるように、コリメータ15の水平方向の
開口幅を合わせ、同様に放射性廃棄物固化体7を回転さ
せて、領域a、領域b及び領域cからのガンマ線の計数
率を測定する。
ルマニウム検出器13が領域aから放出されるガンマ線
のみを計測できるようにコリメータ15の水平方向の開
口幅を合わせ、回転昇降台11によって放射性廃棄物固
化体7を回転させて、領域aからのガンマ線の計数率を
測定する。次に、図3の(b)に示されるように、ゲル
マニウム検出器13が領域a及び領域bからのガンマ線
のみを計測できるように、コリメータ15の水平方向の
開口幅を合わせ、同様に放射性廃棄物固化体7を回転さ
せて、領域a及び領域bからのガンマ線の計数率を測定
する。更に、図3の(c)に示されるように、ゲルマニ
ウム検出器13が領域a、領域b及び領域cからのガン
マ線を計測できるように、コリメータ15の水平方向の
開口幅を合わせ、同様に放射性廃棄物固化体7を回転さ
せて、領域a、領域b及び領域cからのガンマ線の計数
率を測定する。
【0018】手順1 以上のようにして測定された測定値のうち、図3の
(a)に示される測定で得られた領域aにおける計測値
より、次のいずれかの方法で領域aの密度ρaを求め
る。
(a)に示される測定で得られた領域aにおける計測値
より、次のいずれかの方法で領域aの密度ρaを求め
る。
【0019】第1方法:コバルト60の1.17Mev
の直接線(非散乱線)の計数率N1とコバルト60の
1.33Mevの直接線の計数率N2とを領域aにおけ
るゲルマニウム検出器からの測定より求める。ここで、
領域aでのガンマ線の吸収効果は、密度が大きい程増加
し、放出されるガンマ線のエネルギが大きいと小さくな
るので、N1/N2比と密度とは、図5に示す関係とな
る。図5の関係は、放射性廃棄物固化体7の寸法や、上
述した図3の(a)〜(c)による放射性廃棄物固化体
7の区分態様を設定すれば求まり、同図5を用いて、得
られたN1/N2比より領域aの密度ρaが求まる。
尚、図5においては、各領域での放射能濃度は均一と
し、N1/N2比は当該領域のみからの直接線計数率比
である。
の直接線(非散乱線)の計数率N1とコバルト60の
1.33Mevの直接線の計数率N2とを領域aにおけ
るゲルマニウム検出器からの測定より求める。ここで、
領域aでのガンマ線の吸収効果は、密度が大きい程増加
し、放出されるガンマ線のエネルギが大きいと小さくな
るので、N1/N2比と密度とは、図5に示す関係とな
る。図5の関係は、放射性廃棄物固化体7の寸法や、上
述した図3の(a)〜(c)による放射性廃棄物固化体
7の区分態様を設定すれば求まり、同図5を用いて、得
られたN1/N2比より領域aの密度ρaが求まる。
尚、図5においては、各領域での放射能濃度は均一と
し、N1/N2比は当該領域のみからの直接線計数率比
である。
【0020】第2方法:他の核種の影響を受けないグロ
スの計数率NGをゲルマニウム検出器によるスペクトル
データより次式によって設定する。
スの計数率NGをゲルマニウム検出器によるスペクトル
データより次式によって設定する。
【0021】
【数1】
【0022】ここで、Eは、ガンマ線のエネルギ、E2
は、代表核種コバルト60のエネルギすなわち1.33
Mev、E3は、セシウム137の放出ガンマ線のエネ
ルギより高い値であり、ここでは0.7Mevとする。
また、N(E)は、エネルギスぺクトルで、ゲルマニウ
ム検出器で測定される計数率のエネルギ分布か、もしく
は検出器内でのコンプトン効果を補正した検出器への入
射エネルギ分布である。
は、代表核種コバルト60のエネルギすなわち1.33
Mev、E3は、セシウム137の放出ガンマ線のエネ
ルギより高い値であり、ここでは0.7Mevとする。
また、N(E)は、エネルギスぺクトルで、ゲルマニウ
ム検出器で測定される計数率のエネルギ分布か、もしく
は検出器内でのコンプトン効果を補正した検出器への入
射エネルギ分布である。
【0023】ゲルマニウム検出器では、マルチチャンネ
ルアナライザーを用いてエネルギに対応するチャンネル
別の計数率が得られるので、(1)式の積分は、各チャ
ンネルの計数率もしくは補正した計数率を該当するチャ
ンネル領域で加算することになる。コバルト60の1.
33Mevの直接線の計数率をN2とし、グロスの計数
率(0.7Mev以上)をNGとすると、NG/N2
は、図6に示されるように、領域aの密度と共に増加す
る。図6に示すNG/N2と密度との対応関係は、放射
性廃棄物固化体7の寸法や、上述した図3の(a)〜
(c)による放射性廃棄物固化体7の区分態様を設定し
ておけば求まり、同図6をもとに、測定値より求めたN
G/N2の値より領域aの密度ρaが求まる。尚、図6
においては、各領域での放射能濃度は均一とし、NG/
N2は当該領域のみからのガンマ線の線量率比である。
ルアナライザーを用いてエネルギに対応するチャンネル
別の計数率が得られるので、(1)式の積分は、各チャ
ンネルの計数率もしくは補正した計数率を該当するチャ
ンネル領域で加算することになる。コバルト60の1.
33Mevの直接線の計数率をN2とし、グロスの計数
率(0.7Mev以上)をNGとすると、NG/N2
は、図6に示されるように、領域aの密度と共に増加す
る。図6に示すNG/N2と密度との対応関係は、放射
性廃棄物固化体7の寸法や、上述した図3の(a)〜
(c)による放射性廃棄物固化体7の区分態様を設定し
ておけば求まり、同図6をもとに、測定値より求めたN
G/N2の値より領域aの密度ρaが求まる。尚、図6
においては、各領域での放射能濃度は均一とし、NG/
N2は当該領域のみからのガンマ線の線量率比である。
【0024】第3方法:他の核種の影響を受けないグロ
スの線量率DGをゲルマニウム検出器によるスペクトル
データより設定する。
スの線量率DGをゲルマニウム検出器によるスペクトル
データより設定する。
【0025】
【数2】
【0026】ここで、E3、E2は、上記第2方法と同
じであり、φ(E)は、ゲルマニウム検出器のスペクト
ルデータより検出器の効率も考慮して逆算したエネルギ
Eの検出器への入射ガンマ線束であり、K(E)は、エ
ネルギEに対する線量換算係数である。
じであり、φ(E)は、ゲルマニウム検出器のスペクト
ルデータより検出器の効率も考慮して逆算したエネルギ
Eの検出器への入射ガンマ線束であり、K(E)は、エ
ネルギEに対する線量換算係数である。
【0027】DG/D2は、図7に示すように、密度と
共に増加する傾向にある。代表核種コバルト60の1.
33Mevの直接線の計数率より、コバルト60の1.
33Mevの直接線による線量率D2を求める。そし
て、図7に示すようなDG/D2と密度との対応関係
は、放射性廃棄物固化体7の寸法や、上述した図3の
(a)〜(c)による放射性廃棄物固化体7の区分態様
を設定しておけば求まり、同図7をもとに測定値より求
めたDG/D2の値より領域aの密度ρaが求まる。
尚、図7においては、各領域での放射能濃度は均一と
し、DG/D2は当該領域のみからのガンマ線の線量率
比である。
共に増加する傾向にある。代表核種コバルト60の1.
33Mevの直接線の計数率より、コバルト60の1.
33Mevの直接線による線量率D2を求める。そし
て、図7に示すようなDG/D2と密度との対応関係
は、放射性廃棄物固化体7の寸法や、上述した図3の
(a)〜(c)による放射性廃棄物固化体7の区分態様
を設定しておけば求まり、同図7をもとに測定値より求
めたDG/D2の値より領域aの密度ρaが求まる。
尚、図7においては、各領域での放射能濃度は均一と
し、DG/D2は当該領域のみからのガンマ線の線量率
比である。
【0028】手順2 測定されたコバルト60の1.33Mevの直接線の計
数率N2から上記手順1のいずれかの方法で求めたρa
を用い、次の式より領域aの放射能濃度Saを算出す
る。
数率N2から上記手順1のいずれかの方法で求めたρa
を用い、次の式より領域aの放射能濃度Saを算出す
る。
【0029】
【数3】
【0030】ここで、N2は、代表核種コバルト60の
1.33Mevの直接線の計数率、Saは、領域aのコ
バルト60の放射能濃度、I(γ)は、コバルト60の
1.33MeVの放射能当りの放出率(100%)、η
dは、検出器の効率、μmは、代表エネルギ(1.33
Mev)の質量吸収係数、ρaは、領域aの密度、X
は、ガンマ線の発生地点から検出器までの距離のうち領
域aを横ぎる長さ、Lは、ガンマ線の発生地点から検出
器までの距離である。
1.33Mevの直接線の計数率、Saは、領域aのコ
バルト60の放射能濃度、I(γ)は、コバルト60の
1.33MeVの放射能当りの放出率(100%)、η
dは、検出器の効率、μmは、代表エネルギ(1.33
Mev)の質量吸収係数、ρaは、領域aの密度、X
は、ガンマ線の発生地点から検出器までの距離のうち領
域aを横ぎる長さ、Lは、ガンマ線の発生地点から検出
器までの距離である。
【0031】積分領域Vは、図3の(a)に示されるよ
うに、領域aのうちゲルマニウム検出器13によってガ
ンマ線が計測される部分(図3の(a)の点描部分)で
あり、放射性廃棄物固化体7の高さ方向には、上述した
ように区分された放射性廃棄物固化体7の高さ範囲のう
ち、図2に示されるように、ゲルマニウム検出器13に
よってガンマ線を計測する際にコリメータ15によって
設定されたガンマ線の測定対象となる部分(図2の点描
部分)である。
うに、領域aのうちゲルマニウム検出器13によってガ
ンマ線が計測される部分(図3の(a)の点描部分)で
あり、放射性廃棄物固化体7の高さ方向には、上述した
ように区分された放射性廃棄物固化体7の高さ範囲のう
ち、図2に示されるように、ゲルマニウム検出器13に
よってガンマ線を計測する際にコリメータ15によって
設定されたガンマ線の測定対象となる部分(図2の点描
部分)である。
【0032】(3)式は、図8に示す対応関係となり、
代表核種の直接線の計数率N2と放射能濃度Saは比例
するので、直接線の計数率より放射能濃度を算出するこ
とができる。尚、図8において各領域での放射能濃度は
均一とし、図中の計数率は当該領域のみからの直接線計
数率である。
代表核種の直接線の計数率N2と放射能濃度Saは比例
するので、直接線の計数率より放射能濃度を算出するこ
とができる。尚、図8において各領域での放射能濃度は
均一とし、図中の計数率は当該領域のみからの直接線計
数率である。
【0033】手順3 領域aの密度ρaと代表核種の放射能濃度Saを用い、
図3の(b)に示す測定で得られた計数率から、領域a
の寄与分を計算して差し引くこよにより、領域bのみか
らの計数率を求める。この計数率から領域bのN1/N
2、NG/N2又はDG/D2等の指標を用い、該指標
と密度との対応関係(図5、図6又は図7)から、上記
の方法1、方法2又は方法3のいずれかの方法により、
領域bの密度ρbが求まる。領域bからの直接線の計数
率とρa、ρbとを用いて、手順2と同様な方法により
領域bの放射能濃度Sbを求める。
図3の(b)に示す測定で得られた計数率から、領域a
の寄与分を計算して差し引くこよにより、領域bのみか
らの計数率を求める。この計数率から領域bのN1/N
2、NG/N2又はDG/D2等の指標を用い、該指標
と密度との対応関係(図5、図6又は図7)から、上記
の方法1、方法2又は方法3のいずれかの方法により、
領域bの密度ρbが求まる。領域bからの直接線の計数
率とρa、ρbとを用いて、手順2と同様な方法により
領域bの放射能濃度Sbを求める。
【0034】手順4 領域a、領域bの密度ρa、ρbと、放射能濃度Sa、
Sbとを用い、図3の(c)に示す測定で得られたた計
数率から、領域a、領域bの奇与分を計算して差し引く
ことにより領域cのみからの計数率が求まる。そして、
この計数率を用い、手順3と同様にして領域cのN1/
N2、NG/N2又はDG/D2を求め、第1方法、第
2方法又は第3方法により、領域cの密度ρcが求ま
る。領域cからの直接線の計数率と密度ρa、ρb、ρ
cとを用いて、手順3と同様な方法で領域cの放射能濃
度Scを求める。
Sbとを用い、図3の(c)に示す測定で得られたた計
数率から、領域a、領域bの奇与分を計算して差し引く
ことにより領域cのみからの計数率が求まる。そして、
この計数率を用い、手順3と同様にして領域cのN1/
N2、NG/N2又はDG/D2を求め、第1方法、第
2方法又は第3方法により、領域cの密度ρcが求ま
る。領域cからの直接線の計数率と密度ρa、ρb、ρ
cとを用いて、手順3と同様な方法で領域cの放射能濃
度Scを求める。
【0035】以上の手順で、横断面の密度分布によるガ
ンマ線の吸収効果を補正しながら、全高さ方向につい
て、図3の(a)〜(c)に示すように円筒状又は円柱
状に区分した放射性廃棄物固化体7の領域a、領域b及
び領域cの各々についての放射能濃度を算出する。ま
た、代表核種以外の他の核種の放射能分布は、求められ
た密度分布を基に該当核種の各領域からの直接線の計数
率を基に、代表核種と同様な手順で算出する。そして最
後に、放射性廃棄物固化体7の区分した各領域の体積
を、各領域に該当する放射能濃度に乗じて加算すること
により、放射性廃棄物固化体7全体に含まれる各核種の
放射能量を求めることができる。
ンマ線の吸収効果を補正しながら、全高さ方向につい
て、図3の(a)〜(c)に示すように円筒状又は円柱
状に区分した放射性廃棄物固化体7の領域a、領域b及
び領域cの各々についての放射能濃度を算出する。ま
た、代表核種以外の他の核種の放射能分布は、求められ
た密度分布を基に該当核種の各領域からの直接線の計数
率を基に、代表核種と同様な手順で算出する。そして最
後に、放射性廃棄物固化体7の区分した各領域の体積
を、各領域に該当する放射能濃度に乗じて加算すること
により、放射性廃棄物固化体7全体に含まれる各核種の
放射能量を求めることができる。
【0036】尚、上記実施形態によって説明してきた本
発明は、図3の(a)〜(c)に示した態様で放射能量
を測定することを限定しているわけではない。すなわ
ち、以下に説明する改変実施形態である図4の(a)〜
(c)に示される態様で放射能量を測定していてもよ
い。尚、計算機19での計算については、上述したよう
に、図5〜図7に示される各領域の曲線が上記実施形態
の場合の曲線とは異なるものの、その基本的な計算手順
は同様なため、説明は省略する。放射性廃棄物固化体7
は、図4に示されるように、最も外側の円筒状部分を領
域a、その内側の円筒状部分を領域b、更にその内側の
円柱状部分を領域cとする。そして、各領域ごとのガン
マ線の計測に際しては、まず、図4の(a)に示される
ように、ゲルマニウム検出器13が領域aから放出され
るガンマ線のみを計測できるようにコリメータ15の水
平方向の開口幅を合わせるが、本改変実施形態では、測
定できる領域aの部分がコリメータ15の開口の中心軸
線において左右対称になるように、コリメータ15の開
口幅を合わせる。また、領域b及び領域cについても、
図4の(b)に示されるように、測定できる領域bと領
域cの部分がコリメータ15の開口の中心軸線において
左右対称になるように、コリメータ15の開口幅を合わ
せる。図4の(a)の測定値から図4の(b)の測定値
を引くと、図4の(a)の点描部分の領域aからのガン
マ線が計測できる。図4の(b)の測定値から図4の
(c)の測定値を引くと、図4の(b)の点描部分の領
域b及び領域cの一部からのガンマ線が計測できる。さ
らに、図4の(c)の測定値からは、領域cを含む点描
部分からのガンマ線が計測できる。
発明は、図3の(a)〜(c)に示した態様で放射能量
を測定することを限定しているわけではない。すなわ
ち、以下に説明する改変実施形態である図4の(a)〜
(c)に示される態様で放射能量を測定していてもよ
い。尚、計算機19での計算については、上述したよう
に、図5〜図7に示される各領域の曲線が上記実施形態
の場合の曲線とは異なるものの、その基本的な計算手順
は同様なため、説明は省略する。放射性廃棄物固化体7
は、図4に示されるように、最も外側の円筒状部分を領
域a、その内側の円筒状部分を領域b、更にその内側の
円柱状部分を領域cとする。そして、各領域ごとのガン
マ線の計測に際しては、まず、図4の(a)に示される
ように、ゲルマニウム検出器13が領域aから放出され
るガンマ線のみを計測できるようにコリメータ15の水
平方向の開口幅を合わせるが、本改変実施形態では、測
定できる領域aの部分がコリメータ15の開口の中心軸
線において左右対称になるように、コリメータ15の開
口幅を合わせる。また、領域b及び領域cについても、
図4の(b)に示されるように、測定できる領域bと領
域cの部分がコリメータ15の開口の中心軸線において
左右対称になるように、コリメータ15の開口幅を合わ
せる。図4の(a)の測定値から図4の(b)の測定値
を引くと、図4の(a)の点描部分の領域aからのガン
マ線が計測できる。図4の(b)の測定値から図4の
(c)の測定値を引くと、図4の(b)の点描部分の領
域b及び領域cの一部からのガンマ線が計測できる。さ
らに、図4の(c)の測定値からは、領域cを含む点描
部分からのガンマ線が計測できる。
【0037】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
の本発明の放射能量測定方法によれば、ほぼ円柱状の放
射性廃棄物固化体を、半径方向には所定の半径範囲で区
切られる複数の領域に仮想的に分割し、高さ方向には所
定の高さ範囲で複数に仮想的に分割し、前記放射性廃棄
物固化体を相対的に回転昇降してコリメータ付ガンマ線
スペクトル検出器によりガンマ線を測定し、前記所定の
高さ範囲につき前記領域ごとの分割片につき密度を求
め、該分割片からの各核種の直接線の計数率に対し、前
記求めた密度に基づいて直接線の減衰を補正して各分割
片での各核種の放射線濃度を算出するので、前記放射性
廃棄物固化体以外のガンマ線源を必要とせずかつ前記放
射性廃棄物固化体の密度分布及び放射能分布に応じた補
正が可能に、該放射性廃棄物固化体に含有される核種の
放射性量を測定することができるので、放射性廃棄物固
化体の平均密度を用いる場合に比べて、実際の放射能量
をより高精度に測定することができる。
の本発明の放射能量測定方法によれば、ほぼ円柱状の放
射性廃棄物固化体を、半径方向には所定の半径範囲で区
切られる複数の領域に仮想的に分割し、高さ方向には所
定の高さ範囲で複数に仮想的に分割し、前記放射性廃棄
物固化体を相対的に回転昇降してコリメータ付ガンマ線
スペクトル検出器によりガンマ線を測定し、前記所定の
高さ範囲につき前記領域ごとの分割片につき密度を求
め、該分割片からの各核種の直接線の計数率に対し、前
記求めた密度に基づいて直接線の減衰を補正して各分割
片での各核種の放射線濃度を算出するので、前記放射性
廃棄物固化体以外のガンマ線源を必要とせずかつ前記放
射性廃棄物固化体の密度分布及び放射能分布に応じた補
正が可能に、該放射性廃棄物固化体に含有される核種の
放射性量を測定することができるので、放射性廃棄物固
化体の平均密度を用いる場合に比べて、実際の放射能量
をより高精度に測定することができる。
【図1】 本発明の放射能量測定方法に使用する放射能
量測定装置の概略図である。
量測定装置の概略図である。
【図2】 放射性廃棄物固化体の高さ方向の区分を説明
する図である。
する図である。
【図3】 半径方向に区分された放射性廃棄物固化体の
各領域について、本実施形態によるガンマ線スペクトル
の測定を説明する図である。
各領域について、本実施形態によるガンマ線スペクトル
の測定を説明する図である。
【図4】 改変実施形態によるガンマ線スペクトルの測
定を説明する図である。
定を説明する図である。
【図5】 計数率比N1/N2と密度との関係を示す図
である。
である。
【図6】 計数率比NG/N2と密度との関係を示す図
である。
である。
【図7】 線量率比DG/D2と密度との関係を示す図
である。
である。
【図8】 計数率N2と密度との関係を示す図である。
5…放射能量測定装置、7…放射性廃棄物固化体、11
…回転昇降台、13…ゲルマニウム検出器(コリメータ
付ガンマ線スペクトル検出器)、15…コリメータ、1
7…信号処理部、19…計算機、a,b,c…領域、ρ
a,ρb,ρc…密度、Sa,Sb,Sc…放射能濃
度。
…回転昇降台、13…ゲルマニウム検出器(コリメータ
付ガンマ線スペクトル検出器)、15…コリメータ、1
7…信号処理部、19…計算機、a,b,c…領域、ρ
a,ρb,ρc…密度、Sa,Sb,Sc…放射能濃
度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蜂谷 尚之 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 上原 丘 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 ほぼ円柱状の放射性廃棄物固化体を、半
径方向には所定の半径範囲で区切られる複数の領域に仮
想的に分割し、高さ方向には所定の高さ範囲で複数に仮
想的に分割し、前記放射性廃棄物固化体を相対的に回転
昇降してコリメータ付ガンマ線スペクトル検出器により
ガンマ線を測定し、前記所定の高さ範囲につき前記領域
ごとの分割片につき密度を求め、該分割片からの各核種
の直接線の計数率に対し、前記求めた密度に基づいて直
接線の減衰を補正して各分割片での各核種の放射線濃度
を算出する、放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226596A JPH09230051A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3226596A JPH09230051A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09230051A true JPH09230051A (ja) | 1997-09-05 |
Family
ID=12354184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3226596A Pending JPH09230051A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 放射性廃棄物固化体の放射能量測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09230051A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014098651A (ja) * | 2012-11-15 | 2014-05-29 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | 放射性物質量の推定方法 |
CN104035117A (zh) * | 2013-03-08 | 2014-09-10 | 中国原子能科学研究院 | 一种放射性废物量就地估算方法 |
KR101458118B1 (ko) * | 2014-05-30 | 2014-11-21 | 주식회사 고도기술 | 방사성 폐기물의 비규격 고체 시료에 대한 비방사능 측정방법 |
JP2015169455A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | エヌ・エム・ピイビジネスサポート株式会社 | 放射線測定方法、コリメータおよび放射線測定装置 |
CN112630816A (zh) * | 2020-11-09 | 2021-04-09 | 中核四0四有限公司 | 一种消除或减弱γ无损检测系统层间串扰的方法 |
JP2022062498A (ja) * | 2020-10-08 | 2022-04-20 | 日本原子力発電株式会社 | 放射能濃度評価装置 |
JP2022062500A (ja) * | 2020-10-08 | 2022-04-20 | 日本原子力発電株式会社 | 放射能濃度評価方法 |
CN114488254A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-05-13 | 中国原子能科学研究院 | 一种射线发射率测量用探测装置及探测系统 |
-
1996
- 1996-02-20 JP JP3226596A patent/JPH09230051A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014098651A (ja) * | 2012-11-15 | 2014-05-29 | Kobelco Eco-Solutions Co Ltd | 放射性物質量の推定方法 |
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JP2015169455A (ja) * | 2014-03-05 | 2015-09-28 | エヌ・エム・ピイビジネスサポート株式会社 | 放射線測定方法、コリメータおよび放射線測定装置 |
KR101458118B1 (ko) * | 2014-05-30 | 2014-11-21 | 주식회사 고도기술 | 방사성 폐기물의 비규격 고체 시료에 대한 비방사능 측정방법 |
JP2022062498A (ja) * | 2020-10-08 | 2022-04-20 | 日本原子力発電株式会社 | 放射能濃度評価装置 |
JP2022062500A (ja) * | 2020-10-08 | 2022-04-20 | 日本原子力発電株式会社 | 放射能濃度評価方法 |
CN112630816A (zh) * | 2020-11-09 | 2021-04-09 | 中核四0四有限公司 | 一种消除或减弱γ无损检测系统层间串扰的方法 |
CN114488254A (zh) * | 2022-01-11 | 2022-05-13 | 中国原子能科学研究院 | 一种射线发射率测量用探测装置及探测系统 |
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