JPH05180942A - ドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置 - Google Patents

ドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置

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JPH05180942A
JPH05180942A JP34577891A JP34577891A JPH05180942A JP H05180942 A JPH05180942 A JP H05180942A JP 34577891 A JP34577891 A JP 34577891A JP 34577891 A JP34577891 A JP 34577891A JP H05180942 A JPH05180942 A JP H05180942A
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JP
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drum
collimator
radioactivity
radiation
radiation detector
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Masahiro Kondo
正弘 近藤
Shin Tamada
玉田  慎
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ドラム缶詰放射性廃棄物の放射能強度を短時
間、かつ、高精度に測定できる放射能測定装置を提供す
る。 【構成】MCA12の不感時間を演算器13で評価し、
不感時間が最適な値となるようにコリメータ駆動装置
4、及び移動架台駆動装置5を制御してコリメータ3の
開口度、及びドラム缶1とコリメータ3間の距離を変え
る。 【効果】MCAの不感時間の変化に応じて、測定体系の
幾何を調節するので、放射能測定精度を向上させること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所から発生
する放射性廃棄物をドラム缶等の放射性廃棄物貯蔵容器
(以下、ドラム缶と記す)に詰めた物の放射能を非破壊
的に測定する放射能測定装置に係り、特に、高線量率ド
ラム缶、及び低線量率ドラム缶のγ線放出核種の放射能
を簡便に定量するのに好適な放射能測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ドラム缶詰廃棄物を埋設処分(保管)す
る放射性廃棄物貯蔵施設に輸送するためには、ドラム缶
詰廃棄物に含有している放射能を核種別に評価・定量す
る必要がある。従来、ドラム缶内の放射能を定量する手
法・装置として、特開昭62−179684号公報に示されたも
のが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−179684号公
報に示された放射能測定方法は、ドラム缶内から放出す
る放射線を2種類の放射線検出器で測定する。
【0004】高線量率ドラム缶に対応するため、高計数
率測定が可能な第1の放射線検出器(プラスチックシン
チレーション検出器,放射線エネルギ弁別は不可能)で
ドラム缶内の廃棄物が放出する放射線の総計数値を測定
し、放射線エネルギ弁別が可能な第2の放射線検出器
(NaI(Tl)シンチレーション検出器、高計数率測
定は不可能)でドラム缶の放射性核種の強度比率を測定
する。この総計数値と放射性核種の強度比率から高線量
率ドラム缶内の放射能を定量する。しかし、この測定方
法は、放射線検出器の種類及び設置形体が異なり、各放
射線検出器の間で幾何学的効率、並びに、ピーク効率を
補正しなければならないと云う問題がある。
【0005】また、強度比率による補正を実施している
ため、低線量率ドラム缶の放射能測定は誤差が大きいと
云う問題点がある。
【0006】本発明の目的は、ドラム缶内の放射能レベ
ルが高線量率であっても、低線量率であっても、正確な
ドラム缶内放射能を測定することができるドラム缶詰放
射性廃棄物の放射能測定装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、放射線検出
器に入射する放射線量を最適化する手段を設けることで
達成できる。
【0008】このためには、ドラム缶周囲に放射線検出
器を配置し、その放射線検出器の前面に開口度を可変で
きるコリメータと、ドラム缶とコリメータ間の距離を制
御・調節可能な機器を装備する。コリメータを通過して
入射するドラム缶からの放射線を計測装置で測定する。
その計測装置の不感時間を求め、その不感時間の値より
コリメータの開口度、及びドラム缶とコリメータ間の距
離を調節し、計測装置の不感時間を最適な値にすること
で、目的は達成される。
【0009】
【作用】以下、手段の作用について述べる。ドラム缶内
の放射能を短時間かつ正確に求めるためには、放射線検
出器に入射する放射線量を最適化する必要がある。何故
ならば、放射線検出器で測定される放射線計数値はポア
ソン分布に従うため、測定誤差を小さくしようとするな
らば、数多く計数しなければならず、低線量率ドラム缶
の測定の場合、短時間測定が難しくなる。また、放射線
検出器及び放射線検出器の信号を処理する計測装置には
処理時間が存在し、処理中は他の放射線を測定できず数
え落しが発生する。従って、高線量率ドラム缶の測定の
場合、放射線計数率が増加するため計測装置の不感時間
の増加、即ち、数え落しが増加し、正確な放射線計数値
が得られなくなる。放射線検出器の動作時間に比べて放
射線検出器信号を処理する計測装置の動作時間は圧倒的
に遅いため、問題点を改善するには、計測装置の不感時
間が最適となるように放射線量(放射線検出器に入射す
る量)を制御すれば良い。
【0010】放射能が点線源の場合、放射線検出器に入
射する放射線量は、S/4πR2で近似することができ
る。但し、Sは放射線検出器の放射線有感面積、Rは点
線源と放射線検出器間の距離である。従って、問題解決
の手段は、計測装置の不感時間をモニタし、不感時間の
値で放射線検出器の放射線有感面積の調節、及び、線源
と放射線検出器間距離の調節、即ち、放射線束密度の調
節である。
【0011】このためには、ドラム缶周囲に放射線検出
器を配置し、その放射線検出器の前面に開口度を可変で
きるコリメータを設け放射線検出器とコリメータを一体
化することによって、このコリメータの開口度によって
放射線検出器の放射線有感面積を変えられる。また、ド
ラム缶とコリメータ(放射線検出器)間の距離を制御・
調節可能な機器を装備することで放射線束密度を変えら
れる。
【0012】コリメータを通過して入射するドラム缶か
らの放射線を放射線検出器と計測装置で測定する。その
計測装置の処理率から不感時間を求め、その不感時間の
値よりコリメータの開口度、及びドラム缶とコリメータ
間の距離を調節することにより、計測装置の不感時間を
最適化できる。
【0013】この結果、ドラム缶内の放射能レベルが高
線量率であっても、低線量率であっても、正確なドラム
缶内放射能測定が可能になる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1から図4によ
り説明する。図1は本発明に係る放射能測定システムの
ブロック図である。図2及び図3は本発明に係る測定幾
何の原理図であり、図2は本発明の放射線測定系の縦断
面図、図3は該放射線測定系の横断面図である。図4は
本発明に係る放射能測定システムの構成図である。先
ず、図2及び図3を用いて放射能測定の幾何について説
明する。
【0015】原子力発電所から発生する放射性廃棄物を
詰めたドラム缶1から放出される放射線、例えば、γ線
を測定するために、ドラム缶1と対向した位置に放射線
検出器2を配置する。この放射線検出器2として、高純
度Ge半導体放射線検出器、NaI(Tl)シンチレー
ション検出器等のγ線エネルギを弁別測定可能な放射線
検出器を用いることができる。測定対象であるドラム缶
1の放射能の強度範囲は、数十pCi/g〜数μCi/
g(数Bq/g〜数百kBq/g)と広く、一測定系
(幾何学的効率)でカバーすることは不可能である。こ
の問題点を解決するためには幾何学的効率を調節する必
要がある。この幾何学的効率を連続的に可変できるよう
にするために、放射線検出器の前面に開口度を自由に可
変できるコリメータ3を設置する。図中には示していな
いが放射線検出器1とコリメータ3は一体的に構築、即
ち、放射線検出器1の放射線受光面の前面にコリメータ
3を固定配置する。この時、幾何学的効率は放射線検出
器1とコリメータ3が一体的に構築されていることか
ら、コリメータ3の垂直方向開口度θと水平方向開口度
ω、及びドラム缶1とコリメータ3間の距離Lで決定す
ることができる。
【0016】ドラム缶1内の放射性廃棄物の密度及び放
射能分布は、通常、非均質であるので、ドラム缶1の極
一部の領域だけ放射線測定して放射能を評価すると誤差
が大きくなる。そこで、ドラム缶1を測定領域S毎にス
テップ測定すると、放射能評価誤差は小さくなる。従っ
て、幾何学的効率を定める時は、測定領域Sが同じくな
るようθ,ω,Lを調節する。図2,図3の(a)は低
線量率ドラム缶測定時の幾何系を、(b)は高線量率ド
ラム缶測定時の幾何系を示している。このように、低線
量率ドラム缶測定時はコリメータ2の垂直方向開口度θ
a と水平方向開口度ωa を広く、及びドラム缶1とコリ
メータ2間の距離La を短くする。逆に、高低線量率ド
ラム缶測定時はθb とωb を狭く、Lb を長くする。こ
れが本発明に係るγ線測定に於る幾何系の最適化の基本
原理である。
【0017】次に、放射能測定幾何の最適化原理を用い
た本発明に係る放射能測定システムの構成及び放射能測
定・解析要領について図1及び図4を用いて説明する。
但し、説明を簡単にするためにドラム缶1には単一エネ
ルギE0 のγ線を放出する核種のみが存在している場合
を示す。
【0018】ドラム缶1はドラム缶回転駆動装置7によ
り回転方向(R方向)に移動可能であり、また、ドラム
缶昇降駆動装置8によりドラム缶長軸方向(H方向)に
移動可能である。ドラム缶回転駆動装置7及びドラム缶
昇降駆動装置8は、制御装置15の指令のもとで稼働す
る。なお、ドラム缶回転駆動装置7はドラム缶昇降駆動
装置8の上に設置されている。架台10にはガイドボー
ルねじ9が取付けてあり、ガイドボールねじ9に沿って
ドラム缶昇降駆動装置8は昇降移動する。このドラム缶
昇降駆動装置8でドラム缶1をステップ走査すれば図1
に示した測定領域S毎の放射線測定が可能となる。ドラ
ム缶回転駆動装置7でドラム缶1を回転駆動することに
より測定領域Sを回転方向のあらゆる位置からの放射線
測定が可能となる。または、ドラム缶1を回転させなが
ら放射線測定すれば、測定領域Sの平均的な放射能の測
定が可能となる。
【0019】ドラム缶1内の放射性廃棄物から放出され
るγ線は放射線検出器2により測定される。放射線検出
器2の前面には、放射線検出2がドラム缶1の長軸方向
Hの一断面、即ち、測定領域Sのスライス断面内の放射
能から放出したγ線のみを測定できるようにコリメータ
3が設けられている。放射線検出器2の出力信号はリニ
アアンプ11で波形整形及び増幅され、γ線エネルギス
ペクトル測定に敵した信号となり、該信号はマルチ・チ
ャンネル・アナライザ装置12(Multi−CannelAnalyzer
以下、MCAと記す)に入力される。MCA12では
ドラム缶1の廃棄物で放出され、ドラム缶1を透過して
きたγ線に起因するエネルギスペクトルを測定する。M
CA12の内部では、アナログ信号であるリニアアンプ
11の出力信号を離散化したディジタル信号に変換し、
そのディジタル信号の値分布(γ線エネルギスペクト
ル)を得ている。即ち、MCA12はアナログ信号をデ
ィジタル信号に変換する処理時間等が存在し、この処理
時間内に入力したγ線信号(リニアアンプ11の出力信
号)は全てキャンセルされγ線測定ができない。これを
不感時間と云う。通常のMCA12の不感時間は十数μ
秒であり、高線量率ドラム缶の測定時、例えば、γ線線
計数率が104cps程度で15%の測定エラーとなる。
【0020】放射線検出器2で測定される放射線計数値
はポアソン分布に従うため、測定誤差を小さくしようと
するならば、数多く計数しなければならず、低線量率ド
ラム缶の測定時、短時間測定が難しくなる。また、放射
線検出器2の動作時間はMCA12の動作時間(処理時
間)比べて圧倒的に速い。
【0021】従って、ドラム缶の放射能を短時間かつ高
精度で測定するためには、MCA12 の不感時間をモニタし
不感時間を最適化する必要がある。
【0022】そのために、MCA12の不感時間を演算
器13で評価し、不感時間が最適となるコリメータ3の
開口度θ,ω、及びドラム缶1とコリメータ3間の距離
Lを計算し制御器15に指令を出す。制御器15は指令
に基づきコリメータ3の開口度θ,ωに対応する制御量
をコリメータ駆動装置4に、ドラム缶1とコリメータ3
間の距離Lに対応する制御量を移動架台駆動装置5に出
力する。コリメータ駆動装置4は図に記載していないコ
リメータ3の開口部を形成する部材を稼働させることに
より開口部を最適化コントロールする。また、移動架台
駆動装置5はガイドレール6上を移動することにより該
距離Lを調節する。このようにMCA121の不感時間を最適
化した後、ドラム缶回転駆動装置7によりドラム缶1を
回転させながらドラム缶1の一断面の放射線測定を行
う。
【0023】ドラム缶昇降駆動装置8を用いてドラム缶
1をステップ移動させ、このMCA12の不感時間を最適化
した一断面の放射線測定をドラム缶1の全断面について
行なう。
【0024】次に、MCA12の不感時間が最適となる
条件について述べる。MCA12の不感時間は少ないほ
ど良いが、ドラム缶1の非破壊放射能測定場合、放射線
検出器2の校正誤差等を考慮すれば数%程度の発生はド
ラム缶1の放射能評価・定量に特に問題がない。不感時
間(率)は、MCA12の一γ線信号の処理時間とMC
A12に入るγ線線計数率の積で表わすできるので、演
算器13及び制御器15は、処理時間とγ線線計数率の
積値を数%程度となるようコリメータ3の開口度θ,
ω、及びドラム缶1とコリメータ3間の距離Lをコント
ロールし、γ線測定上の測定精度(ポアソン確率分布に
於る)が確保できるまで測定に時間を掛けるように制御
すれば良い。
【0025】以上のことから、ドラム缶一断面のMCA
12の不感時間を最適化したγ線エネルギスペクトル得
ることができ、そのγ線エネルギスペクトルのE0 に対
応する非散乱線に起因した強度と散乱線に起因した強度
からドラム缶1の一断面内の放射能強度を演算器13で
評価する。これをドラム缶1の全ての断面について放射
能測定及び定量・評価を行い、演算器13は全ての断面
内放射能強度を合算し、ドラム缶1内の総放射能強度を
算出する。その結果をディスプレイあるいはプリンタか
らなる出力装置14から出力される。
【0026】また、演算器13は、マイクロコンピュー
タ等を用いてソフト的に構成し、前記処理を実施するこ
とができる。
【0027】次に、このように構成された放射能測定装
置の演算器13の放射能評価・定量方法について説明す
る。ドラム缶1から放出するγ線エネルギスペクトル
(γ核種から放出されドラム缶内で散乱されないで透過
してきた非散乱線と一旦ドラム缶内で散乱後に透過して
きた散乱線からなる)はドラム缶の密度及び放射能分布
に依存して変化する。このγ線エネルギスペクトル情報
を利用すれば、密度及び放射能分布を直接測定すること
なくドラム缶内の密度及び放射能分布の影響、即ち、γ
線の減衰量を補正することができる。ドラム缶1の一断
面スライスから放出したγ線を測定する場合、スライス
中心位置と放射線検出器2の中心位置が一致していれ
ば、E0の非散乱線計数率は次式で表わすことができ
る。
【0028】
【数1】
【0029】ここに、Pi :ドラム缶1の高さ方向のi
位置で測定したE0 の非散乱線計数率 Gi :ドラム缶1のiスライスにある線源から放出した
γ線に対する放射線検出器2の幾何学的効率 βi :ドラム缶1のiスライスにある線源から放出した
γ線が放射線検出器2に達するまでの減衰率 Ai :ドラム缶1のiスライスの放射能強度 i :ドラム缶1のスライス番号 一方、散乱線は非散乱線がドラム缶1内の廃棄物と一旦
散乱したものの一部が検出器で測定される。その散乱す
る度合いはドラム缶内の密度及び放射能分布さらに廃棄
物種類に依存する。廃棄物種類による散乱確率は0.5
MeV 以上の高エネルギγ線に対しては依存度が小さ
い。従って、放射線検出器で測定する散乱線強度は次式
で与えることができる。
【0030】
【数2】
【0031】ここに、Ci :i位置で測定した散乱線計
数率(E0 による散乱線) α :非散乱線がドラム缶1内で散乱後に検出器2に入
射する確率 ここで、散乱線の計数率が検出器と同じ高さにあるスラ
イスの密度及び放射能分布に大きく依存するので、
(1)式と(2)式からβを消去でき、次式を導出でき
る。
【0032】
【数3】
【0033】幾何学的効率Gi は測定体系、即ち、コリ
メータ3の水平開口度ω及び垂直開口度θ並びにドラム
缶1とコリメータ3間の距離Lが決定すれば予め計算す
ることが可能であり、確率定数αを校正実験等によって
求めて置けば、(3)式よりスライス内放射能強度を定
量できる。ドラム缶内の全放射能強度はスライス放射能
の総和として求めることができる。
【0034】
【数4】
【0035】ここに、AT :ドラム缶内の全放射能強度 次に確率定数αの求める方法について述べる。(3)式
より次式を導くことができる。
【0036】
【数5】
【0037】ここに、PO :空気層での非散乱線の計数
率 確率定数αは非散乱線Pと散乱線Cの2つの変数の関数
になっており、これを簡単に求めることはできない。し
かし、(5)式の左辺は(3)式で示した非散乱線の減
衰割合の補正項なっている。さらに、この補正項は散乱
線Cと非散乱線Pの比(C/P)の関数である。そこ
で、この補正項を
【0038】
【数6】
【0039】で近似し、放射能強度が既知である線源を
校正用ドラム缶内に設置し、校正用ドラム缶内の密度を
種々に変えて測定したときのE0 の非散乱線Pと散乱線
Cから(6)式の関数の係数a,bを校正定数として最
小二乗法によって求める。
【0040】以上の説明ではドラム缶1に単一エネルギ
0 のγ線のみ放出する核種だけが存在すると仮定した
が、実際の測定では複数の核種、又は多数のγ線を放出
する核種(分技崩壊核種)が廃棄物内に含有している。
即ち、複数のγ線を放射線検出器2は測定しているた
め、低エネルギγ線の非散乱線及び散乱線領域に高エネ
ルギγ線の散乱線が入り、低エネルギγ線用いて上記γ
線減衰補正を実施すると誤差が多くなる。従って、最も
高いエネルギを有するγ線による散乱線に着目してαを
求め、その比率はγ線エネルギによって変化しないとし
て、低エネルギの非散乱線の減衰量を補正するれば良
い。また、散乱線領域はE0 のコンプトンエッジ以上の
エネルギをもち、かつ、領域幅が広くなるように設定す
る。
【0041】以上のことから、ドラム缶詰放射性廃棄物
の放射能を短時間に、かつ高精度に測定可能となる。
【0042】次に、本発明の変形例を図5を用いて説明
する。この実施例ではMCA12の不感時間をモニタす
るための予備測定を、本測定の前に必ず実施しなければ
ならなかった。そのため、ドラム缶1の全測定時間が長
くなる可能性がある。本変形例は、この問題点を改善す
るものである。ドラム缶1の表面線量率と放射線検出器
2に入射する放射線強度はほぼ比例することから、ドラ
ム缶1の表面線量率を測定する放射線線量率計16をド
ラム缶1の周囲に配置する。この放射線線量率計16と
してプラスチック・シンチレーション検出器,電離箱等
を用いることができる。ドラム缶1を昇方向で測定する
場合は、放射線線量率計16を放射線検出器2の上部に
設置し、放射線検出器2が見込むドラム缶1の一断面上
の断面スライスの線量率を放射線線量率計16で測定
し、その線量率値(信号)を演算器13に出力する。演
算器13の中には、線量率値に対するMCA12の不感
時間を示す対応表を持っており、該線量率信号によって
MCA12の不感時間を評価することができる。
【0043】また、本実施例では、ドラム缶1とコリメ
ータ3間との距離Lを可変するために、コリメータ3が
ガイドレール3上を移動する機構、移動架台駆動装置4
を設けた。しかし、コリメータ3を固定しドラム缶1を
ドラム缶水平方向に移動させる機構を装備すれば同じ効
果を得ることができる。
【0044】さらに、本実施例では、放射線検出器2を
ドラム缶1の周囲に1個のみ配置し、ドラム缶回転駆動
装置7によりドラム缶1を回転させながら一断面の平均
の放射線スペクトルを測定した。しかし、ドラム缶1の
回転移動を止め、放射線検出器2(コリメータ3を含
む)をドラム缶1の周囲を回す機構を装備しても、同じ
効果が得られる。また、放射線検出器2を複数個ドラム
缶1の周囲に配置しても同等な効果が得られる。
【0045】ドラム缶1の長軸方向の移動についても同
様で、ドラム缶1を長軸移動する代わりに放射線検出器
2(コリメータ3を含む)がドラム缶1の長軸方向に移
動可能とする機構を装備することで、測定領域S毎のス
テップ測定が可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明は、放射線計測装置の不感時間を
最適化した放射能測定が可能となり、短時間かつ高精度
測定が可能なドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置
を提供できる。また、γ線エネルギスペクトルのみでド
ラム缶内γ線減衰量を補正するなど装置の簡略化が図れ
ているため低コストのドラム缶詰放射性廃棄物の放射能
測定装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射能測定システムの一実施例を示す
ブロック図。
【図2】本発明に係る測定幾何の原理を示す放射能測定
系の縦断面図。
【図3】本発明に係る測定幾何の原理を示す放射能測定
系の横断面図。
【図4】本発明の放射能測定システムの一実施例を示す
説明図。
【図5】本発明の計測装置の不感時間を直接測定するこ
となく不感時間を実質的にモニタする実施例を示したブ
ロック図。
【符号の説明】
1…ドラム缶、2…放射線検出器、3…コリメータ、4
…コリメータ駆動装置、5…移動架台駆動装置、7…ド
ラム缶回転駆動装置、8…ドラム缶昇降駆動装置、12
…マルチ・チャンネル・アナライザ装置、13…演算
器、15…制御器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力発電所から発生する放射性廃棄物を
    詰めたドラム缶の放射能を非破壊的に測定する装置に於
    いて、 ドラム缶の周囲に放射線検出器と前記放射線検出器の前
    面に開口度を可変できるコリメータを装備し、前記放射
    線検出器と前記コリメータとを一体的に構成し、前記ド
    ラム缶と前記コリメータ間の距離を変えられる機構を備
    えたことを特徴とするドラム缶詰放射性廃棄物の放射能
    測定装置。
  2. 【請求項2】請求項1に於いて、 前記放射線検出器の信号を処理する計測装置を装備し、
    該計測装置の不感時間に基づいて、前記コリメータの開
    口度、並びに、前記ドラム缶と前記コリメータ間の距離
    を制御するドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置。
  3. 【請求項3】請求項1に於いて、 前記コリメータの開口度、及び、前記ドラム缶と前記コ
    リメータ間の距離をモニタし、前記コリメータの開口
    度、並びに、前記ドラム缶と前記コリメータ間の距離の
    値から幾何学的効率を演算する手段と、幾何学的効率値
    よりドラム缶詰放射性廃棄物の放射能量を演算する手段
    を備えたドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置。
  4. 【請求項4】請求項1に於いて、 前記ドラム缶を長軸方向に移動させることのできる機構
    を装備し、前記ドラム缶を長軸方向に走査しながら、前
    記コリメータの開口度、並びに、前記ドラム缶と前記コ
    リメータ間の距離を可変するドラム缶詰放射性廃棄物の
    放射能測定装置。
JP34577891A 1991-12-27 1991-12-27 ドラム缶詰放射性廃棄物の放射能測定装置 Pending JPH05180942A (ja)

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