JPH09229933A - p53蛋白質に対する自己抗体検出法 - Google Patents
p53蛋白質に対する自己抗体検出法Info
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- JPH09229933A JPH09229933A JP12412396A JP12412396A JPH09229933A JP H09229933 A JPH09229933 A JP H09229933A JP 12412396 A JP12412396 A JP 12412396A JP 12412396 A JP12412396 A JP 12412396A JP H09229933 A JPH09229933 A JP H09229933A
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- peptide
- protein
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 p53癌抑制遺伝子産物(p53蛋白
質)のN末端からのアミノ酸配列が1−112ペプチ
ド、108−310ペプチド、306−393ペプチ
ド、1−393ペプチドからなる群から選ばれる各ペプ
チド全体又はその一部、あるいはこれらの混合物を用い
て、p53蛋白質に対する自己抗体を検出する。 【効果】 再現性の高い正確な癌の診断が可能となる。
質)のN末端からのアミノ酸配列が1−112ペプチ
ド、108−310ペプチド、306−393ペプチ
ド、1−393ペプチドからなる群から選ばれる各ペプ
チド全体又はその一部、あるいはこれらの混合物を用い
て、p53蛋白質に対する自己抗体を検出する。 【効果】 再現性の高い正確な癌の診断が可能となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、p53蛋白質(p
53癌抑制遺伝子産物)に対する自己抗体を検出するた
めの免疫測定方法及び測定用キットに関するものであ
る。p53蛋白質に対する自己抗体は担癌患者の血中に
特異的に出現するものであり、したがって、本発明は、
自己抗体を単に測定する方法を提供するだけでなく、癌
の診断にも利用することができる。
53癌抑制遺伝子産物)に対する自己抗体を検出するた
めの免疫測定方法及び測定用キットに関するものであ
る。p53蛋白質に対する自己抗体は担癌患者の血中に
特異的に出現するものであり、したがって、本発明は、
自己抗体を単に測定する方法を提供するだけでなく、癌
の診断にも利用することができる。
【0002】
【従来の技術】393アミノ酸からなる核内リン酸化蛋
白質をコードし、癌抑制遺伝子であるp53癌抑制遺伝
子は、種々のヒト癌において高頻度に欠失と点突然変異
が認められ(Science,Vol.262,p.1
980,1993.12.24)、変異型p53蛋白質
は非常に長い半減期を有することから、癌細胞ではその
発現が増加し、蓄積することが知られている。一方、担
癌患者においては、血中にp53蛋白質と反応する自己
抗体が出現することがウエスタンブロット法及び免疫沈
降法等で認められている。
白質をコードし、癌抑制遺伝子であるp53癌抑制遺伝
子は、種々のヒト癌において高頻度に欠失と点突然変異
が認められ(Science,Vol.262,p.1
980,1993.12.24)、変異型p53蛋白質
は非常に長い半減期を有することから、癌細胞ではその
発現が増加し、蓄積することが知られている。一方、担
癌患者においては、血中にp53蛋白質と反応する自己
抗体が出現することがウエスタンブロット法及び免疫沈
降法等で認められている。
【0003】これらのことから、p53蛋白質の異常蓄
積は癌組織に特徴的であると考えられ、また、このp5
3蛋白質に対する自己抗体の検出は、特異性が高い癌診
断薬に応用可能である。
積は癌組織に特徴的であると考えられ、また、このp5
3蛋白質に対する自己抗体の検出は、特異性が高い癌診
断薬に応用可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、特異性が高く再現性も有する極めて信頼性の高
い癌診断システムに応用することのできる、p53蛋白
質に対する自己抗体の検出システムを提供することであ
る。
目的は、特異性が高く再現性も有する極めて信頼性の高
い癌診断システムに応用することのできる、p53蛋白
質に対する自己抗体の検出システムを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に鋭意研究を行った結果、本発明者らは、p53蛋白質
のペプチド断片(つまりp53蛋白質中の特定のアミノ
酸配列からなるペプチド)が自己抗体と特異的に結合す
ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、p53蛋白質全体ではなくそれを構成するペプチド
断片が自己抗体と特異的に結合するという新しい知見に
基づいてなされたものであって、担体に固定した該ペプ
チド断片、及び、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体
を用いることを基本的技術思想とするp53蛋白質に対
する自己抗体の測定方法に関するものである。
に鋭意研究を行った結果、本発明者らは、p53蛋白質
のペプチド断片(つまりp53蛋白質中の特定のアミノ
酸配列からなるペプチド)が自己抗体と特異的に結合す
ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、p53蛋白質全体ではなくそれを構成するペプチド
断片が自己抗体と特異的に結合するという新しい知見に
基づいてなされたものであって、担体に固定した該ペプ
チド断片、及び、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体
を用いることを基本的技術思想とするp53蛋白質に対
する自己抗体の測定方法に関するものである。
【0006】その測定原理は、該ペプチド断片をマイク
ロプレートその他の担体に固相化しておき、これに該自
己抗体を含有すると予想されるサンプルを適用して該ペ
プチド断片と反応結合させ、次いで酵素等で標識した抗
ヒトイムノグロブリン抗体を適用して該自己抗体に反応
結合せしめた後、基質発色剤等を反応させて吸光度の測
定を行うことよりなる。また、本発明の測定方法には、
上記した方法のほか、ウエスタンブロット法、免疫組織
染色法、及び免疫沈降法等も包含される。以下、本発明
について詳述する。
ロプレートその他の担体に固相化しておき、これに該自
己抗体を含有すると予想されるサンプルを適用して該ペ
プチド断片と反応結合させ、次いで酵素等で標識した抗
ヒトイムノグロブリン抗体を適用して該自己抗体に反応
結合せしめた後、基質発色剤等を反応させて吸光度の測
定を行うことよりなる。また、本発明の測定方法には、
上記した方法のほか、ウエスタンブロット法、免疫組織
染色法、及び免疫沈降法等も包含される。以下、本発明
について詳述する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明を実施するには、p53蛋
白質(そのアミノ酸配列を図1に示す)を構成する特定
のペプチド断片を使用するが、これらのペプチド断片は
次のようにして作製する。
白質(そのアミノ酸配列を図1に示す)を構成する特定
のペプチド断片を使用するが、これらのペプチド断片は
次のようにして作製する。
【0008】ヒト線維芽細胞等の細胞のSV40ウイル
ス、E1アデノウイルス、E6パピローマウイルス等に
よるトランスフォーマントから抽出したmRNAからc
DNAを作製し、これをPCR法によって増幅した後制
限酵素で切断し、断片をベクターに組み込み、得られた
発現ベクターで大腸菌等の宿主を形質転換し、必要あれ
ば誘導処理した後、宿主を培養し、菌体溶解物から目的
とする融合蛋白質を抽出し、精製する。このようにし
て、p53のGST融合蛋白質を、例えばN末端ドメイ
ン(p53蛋白質のN末端からのアミノ酸配列が1−1
12のペプチド)、コアドメイン(108−310ペプ
チド)、C末端ドメイン(306−393ペプチド)、
及び全長(1−393ペプチド)について作成する。
ス、E1アデノウイルス、E6パピローマウイルス等に
よるトランスフォーマントから抽出したmRNAからc
DNAを作製し、これをPCR法によって増幅した後制
限酵素で切断し、断片をベクターに組み込み、得られた
発現ベクターで大腸菌等の宿主を形質転換し、必要あれ
ば誘導処理した後、宿主を培養し、菌体溶解物から目的
とする融合蛋白質を抽出し、精製する。このようにし
て、p53のGST融合蛋白質を、例えばN末端ドメイ
ン(p53蛋白質のN末端からのアミノ酸配列が1−1
12のペプチド)、コアドメイン(108−310ペプ
チド)、C末端ドメイン(306−393ペプチド)、
及び全長(1−393ペプチド)について作成する。
【0009】p53ペプチド断片(以下、p53ペプチ
ドということもある)は、上記のように遺伝子組換え技
術によるほか、p53蛋白質についてはその全アミノ酸
配列が既知であるので(例えば、Mol. Cell. Biol., Vo
l.15, No.7, 1985, p.1601-1610)、酵素分解等によっ
て各種のペプチド断片に切断して作成してもよいし、市
販の自動ペプチド合成装置を用いても容易に作成するこ
とができる。また、本発明においては、上記した各ペプ
チド断片の全体のほか、その一部も使用できるし、それ
らの混合物も使用でき、これらも上記p53ペプチドに
包含される。
ドということもある)は、上記のように遺伝子組換え技
術によるほか、p53蛋白質についてはその全アミノ酸
配列が既知であるので(例えば、Mol. Cell. Biol., Vo
l.15, No.7, 1985, p.1601-1610)、酵素分解等によっ
て各種のペプチド断片に切断して作成してもよいし、市
販の自動ペプチド合成装置を用いても容易に作成するこ
とができる。また、本発明においては、上記した各ペプ
チド断片の全体のほか、その一部も使用できるし、それ
らの混合物も使用でき、これらも上記p53ペプチドに
包含される。
【0010】p53ペプチドの固相化担体の調製は、蛋
白質を固相面に結合する既知の方法を用いて容易に行う
ことができる。例えば、固相化担体としては、通常、ビ
ーズ、マイクロプレート、チューブ等が用いられる。こ
れらの固相面にp53ペプチドを結合する方法として
は、物理吸着、化学結合等既知の固定化技術が適宜利用
できる。
白質を固相面に結合する既知の方法を用いて容易に行う
ことができる。例えば、固相化担体としては、通常、ビ
ーズ、マイクロプレート、チューブ等が用いられる。こ
れらの固相面にp53ペプチドを結合する方法として
は、物理吸着、化学結合等既知の固定化技術が適宜利用
できる。
【0011】このようにして固相化したp53ペプチド
と自己抗体含有サンプルとを接触させると、p53蛋白
質に対する自己抗体のみが特異的にp53ペプチドと結
合する。そこで、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体
を加えると、該抗体は自己抗体と結合するので、この標
識を利用して測定を行うことができる。
と自己抗体含有サンプルとを接触させると、p53蛋白
質に対する自己抗体のみが特異的にp53ペプチドと結
合する。そこで、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体
を加えると、該抗体は自己抗体と結合するので、この標
識を利用して測定を行うことができる。
【0012】標識としては、酵素、ラジオアイソトー
プ、FITCやローダミンといった蛍光物質等常用され
る標識が適宜使用される。
プ、FITCやローダミンといった蛍光物質等常用され
る標識が適宜使用される。
【0013】標識酵素としては、西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP)、ウシ小腸アルカリフォスファター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオ
キシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される
酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合しEIAで常
用される発色基質が適宜使用される。発色基質として
は、例えばHRPの場合は、3,3′,5,5′−テト
ラメチルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、
TMBZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、
p−ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフ
ォスファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフ
ェート、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等
が使用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニト
ロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチル
ウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド等が使用
される。
ダーゼ(HRP)、ウシ小腸アルカリフォスファター
ゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオ
キシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される
酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合しEIAで常
用される発色基質が適宜使用される。発色基質として
は、例えばHRPの場合は、3,3′,5,5′−テト
ラメチルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、
TMBZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、
p−ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフ
ォスファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフ
ェート、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等
が使用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニト
ロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチル
ウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド等が使用
される。
【0014】酵素と基質とを反応させ、各基質にそれぞ
れ特有の吸光度又は蛍光光度を測定し、もって自己抗体
の測定を行うものである。以下、本発明の実施例につい
て述べる。
れ特有の吸光度又は蛍光光度を測定し、もって自己抗体
の測定を行うものである。以下、本発明の実施例につい
て述べる。
【0015】
【実施例1:p53のGST融合蛋白質の作製】4種類
のp53ペプチド、すなわちN末端からのアミノ酸配列
が1−112ペプチド、108−310ペプチド、30
6−393ペプチド、1−393ペプチドとGST(グ
ルタチオンSトランスフェラーゼ)との融合蛋白質を以
下により作製した。
のp53ペプチド、すなわちN末端からのアミノ酸配列
が1−112ペプチド、108−310ペプチド、30
6−393ペプチド、1−393ペプチドとGST(グ
ルタチオンSトランスフェラーゼ)との融合蛋白質を以
下により作製した。
【0016】ヒト線維芽細胞WI−38のSV40トラ
ンスフォーマントであるWI−38VA13よりRNA
を抽出した。抽出は、AGPC法を用いて、次のように
して行った。
ンスフォーマントであるWI−38VA13よりRNA
を抽出した。抽出は、AGPC法を用いて、次のように
して行った。
【0017】(AGPC法試薬の調製) (1)1M クエン酸ナトリウム(pH7.0) クエン酸三ナトリウム 29.4g H2O 80ml クエン酸を加え溶解して、pH7.0にあわせる。H2
Oで100mlとし、オートクレーブして使用する。 (2)D液 GTC(グアニジウムチオシアネート) 236.3g(4M) ザルコシル 2.5g(0.8%) 1M クエン酸ナトリウム(pH7.0) 12.5ml(25mM) H2O 250ml 85℃で加温溶解する。室温に戻し、水で496mlに
あわせる。径0.45μMボトルトップフィルターで濾
過して保存する。使用時に保存溶液50mlに対して2
−ME 360μl(0.1M)を加える。 (3)2M 酢酸ナトリウム(pH4.0) 酢酸ナトリウム トリハイドレート 27.2g H2O 10ml 酢酸でpH4.0にあわせる。H2Oを加えて100m
lとする。径0.45μmボトルトップフィルターで濾
過して使用する。
Oで100mlとし、オートクレーブして使用する。 (2)D液 GTC(グアニジウムチオシアネート) 236.3g(4M) ザルコシル 2.5g(0.8%) 1M クエン酸ナトリウム(pH7.0) 12.5ml(25mM) H2O 250ml 85℃で加温溶解する。室温に戻し、水で496mlに
あわせる。径0.45μMボトルトップフィルターで濾
過して保存する。使用時に保存溶液50mlに対して2
−ME 360μl(0.1M)を加える。 (3)2M 酢酸ナトリウム(pH4.0) 酢酸ナトリウム トリハイドレート 27.2g H2O 10ml 酢酸でpH4.0にあわせる。H2Oを加えて100m
lとする。径0.45μmボトルトップフィルターで濾
過して使用する。
【0018】(AGPC法の操作) (1)D液0.5mlを加え、細胞をとかす。 (2)D液0.5mlに対し、 2M 酢酸ナトリウム 50μl フェノール 0.5ml クロロホルム/イソアミルアルコール(49/l) 100μl を順次加え、1種類いれるごとに、チューブを2〜3回
振り、混ぜる。 (3)全部いれたら、10秒間激しく混ぜた後、15分
間氷冷する。 (4)10,000xgで20分間遠心すると、DNA
は中間層に行くので、水層を別のチューブに移す。DN
Aを吸い取らないように注意する。 (5)イソプロパノール0.5mlを加え、−20℃で
1時間以上冷やす。次に、10分間遠心し、RNAを沈
殿させる。 (6)沈殿を0.5mlのD液に再び溶解する。イソプ
ロパノール0.5mlを加え、−20℃で1時間以上置
く。 (7)遠心してRNAを沈殿させ、沈殿を80%エタノ
ールで洗い、乾燥させた後、水に溶解する。
振り、混ぜる。 (3)全部いれたら、10秒間激しく混ぜた後、15分
間氷冷する。 (4)10,000xgで20分間遠心すると、DNA
は中間層に行くので、水層を別のチューブに移す。DN
Aを吸い取らないように注意する。 (5)イソプロパノール0.5mlを加え、−20℃で
1時間以上冷やす。次に、10分間遠心し、RNAを沈
殿させる。 (6)沈殿を0.5mlのD液に再び溶解する。イソプ
ロパノール0.5mlを加え、−20℃で1時間以上置
く。 (7)遠心してRNAを沈殿させ、沈殿を80%エタノ
ールで洗い、乾燥させた後、水に溶解する。
【0019】このようにして抽出したmRNAから、次
の反応条件にて、ReverseTranscript
ase(RT)反応によりcDNAを作成した。RT反
応は、GIBCO/BRLのReverse Tran
scriptase(商品名 Superscript)を使用し
た。反応組成は次のとおりである。50mM Tris
−HCl(pH8.3)、75mM KCl、3mM
MgCl2、10mM dNTP、7.5μg/mlの
ランダム ヘキサマー、RNasin(プロメガ社、R
Naseインヒビター)を1000U/ml、RNas
eH-(リバース トランスクリプターゼ)を200,
000U/ml。
の反応条件にて、ReverseTranscript
ase(RT)反応によりcDNAを作成した。RT反
応は、GIBCO/BRLのReverse Tran
scriptase(商品名 Superscript)を使用し
た。反応組成は次のとおりである。50mM Tris
−HCl(pH8.3)、75mM KCl、3mM
MgCl2、10mM dNTP、7.5μg/mlの
ランダム ヘキサマー、RNasin(プロメガ社、R
Naseインヒビター)を1000U/ml、RNas
eH-(リバース トランスクリプターゼ)を200,
000U/ml。
【0020】次に、制限酵素BamHIの認識配列を5
´末端に有するPCRprimerにて増幅後、Bam
HIにて消化し、pGEX−5X−2ベクターのBam
HI部位に組み込んだ。シークエンス法にてインサート
が正しく組み込まれていることを確認した後、大腸菌B
L21(DE3),LysS(Novagen社)にト
ランスフォーム後、0.1mMのイソプロピルチオベー
タガラクトシド(IPTG)にて37℃、2時間あるい
は25℃、6時間誘導をかけた。大腸菌の細胞ライゼイ
トより目的の融合蛋白質をグルタチオンセファロースを
用いたアフィニティークロマトグラフィー法にて抽出、
精製した。各発現蛋白質は、p53を認識している抗体
を用いたウエスタンブロッティング法で確認した。
´末端に有するPCRprimerにて増幅後、Bam
HIにて消化し、pGEX−5X−2ベクターのBam
HI部位に組み込んだ。シークエンス法にてインサート
が正しく組み込まれていることを確認した後、大腸菌B
L21(DE3),LysS(Novagen社)にト
ランスフォーム後、0.1mMのイソプロピルチオベー
タガラクトシド(IPTG)にて37℃、2時間あるい
は25℃、6時間誘導をかけた。大腸菌の細胞ライゼイ
トより目的の融合蛋白質をグルタチオンセファロースを
用いたアフィニティークロマトグラフィー法にて抽出、
精製した。各発現蛋白質は、p53を認識している抗体
を用いたウエスタンブロッティング法で確認した。
【0021】すなわち、各発現蛋白質(p53(1−1
12)、p53(108−310)、p53(306−
393)、p53(1−393))について、N−末端
からのアミノ酸配列が46−55ペプチドを特異的に認
識するモノクローナル抗体(pAb 1801)、同2
12−217ペプチド認識モノクローナル抗体(pAb
240)、同371−380ペプチド認識モノクローナ
ル抗体(pAb421)(これらのモノクローナル抗体
は、既知であり、市販されている)を用いて、その反応
性を調べ、下記表1の結果を得た。
12)、p53(108−310)、p53(306−
393)、p53(1−393))について、N−末端
からのアミノ酸配列が46−55ペプチドを特異的に認
識するモノクローナル抗体(pAb 1801)、同2
12−217ペプチド認識モノクローナル抗体(pAb
240)、同371−380ペプチド認識モノクローナ
ル抗体(pAb421)(これらのモノクローナル抗体
は、既知であり、市販されている)を用いて、その反応
性を調べ、下記表1の結果を得た。
【0022】
【表1】
【0023】上記結果から明らかなように、各p53ペ
プチドのGST融合蛋白質は、それぞれ対応する各抗体
と正確に反応しており、上記によって得られた各発現蛋
白質が目的とする各p53ペプチドであることが確認さ
れた。
プチドのGST融合蛋白質は、それぞれ対応する各抗体
と正確に反応しており、上記によって得られた各発現蛋
白質が目的とする各p53ペプチドであることが確認さ
れた。
【0024】
【実施例2:血中p53自己抗体の検出】ヒト線維芽細
胞WI−38のSV40トランスフォーマントであるW
I−38VA13を抗原として、常法にしたがってウエ
スタンブロット法により各種癌患者血清についてスクリ
ーニングを行った。得られた結果を下記表2に示すが、
この結果から明らかなように、健常成人0.0%に対し
て胃癌、肺癌、大腸癌の各患者血清中に野生型p53癌
抑制遺伝子産物に対する自己抗体を検出した。
胞WI−38のSV40トランスフォーマントであるW
I−38VA13を抗原として、常法にしたがってウエ
スタンブロット法により各種癌患者血清についてスクリ
ーニングを行った。得られた結果を下記表2に示すが、
この結果から明らかなように、健常成人0.0%に対し
て胃癌、肺癌、大腸癌の各患者血清中に野生型p53癌
抑制遺伝子産物に対する自己抗体を検出した。
【0025】
【表2】
【0026】
【実施例3:p53のGST融合蛋白質を用いた血中p
53自己抗体の検出(ウエスタンブロット法)】p53
(1−112)、p53(108−310)、p53
(306−393)、p53(1−393)の各ペプチ
ドのGST融合蛋白質について、それぞれ、Laemm
liの方法にしたがって12.5%SDSポリアクリル
アミドゲルにて電気泳動した後、バイオラッド社製のウ
エスタンブロット装置で全融合蛋白質をニトロセルロー
スメンブレン(ミリポア社)に電気的に転写した。
53自己抗体の検出(ウエスタンブロット法)】p53
(1−112)、p53(108−310)、p53
(306−393)、p53(1−393)の各ペプチ
ドのGST融合蛋白質について、それぞれ、Laemm
liの方法にしたがって12.5%SDSポリアクリル
アミドゲルにて電気泳動した後、バイオラッド社製のウ
エスタンブロット装置で全融合蛋白質をニトロセルロー
スメンブレン(ミリポア社)に電気的に転写した。
【0027】このメンブレンを5% 脱脂粉乳含有リン
酸緩衝液に室温で一晩浸した後、この希釈用緩衝液で4
00倍希釈した血清を室温にて反応させた。次いで0.
1%Tween 20含有リン酸緩衝液(TPBS)で
洗浄した後、希釈用緩衝液で8000倍に希釈したヤギ
抗ヒトIgG抗体(シグマ社)のペルオキシダーゼ標識
物と反応させ、ルミノール酸化反応を利用したECL法
(アマシャム社)にて検出した。その結果、各p53ペ
プチドのGST融合蛋白質との反応が確認された。
酸緩衝液に室温で一晩浸した後、この希釈用緩衝液で4
00倍希釈した血清を室温にて反応させた。次いで0.
1%Tween 20含有リン酸緩衝液(TPBS)で
洗浄した後、希釈用緩衝液で8000倍に希釈したヤギ
抗ヒトIgG抗体(シグマ社)のペルオキシダーゼ標識
物と反応させ、ルミノール酸化反応を利用したECL法
(アマシャム社)にて検出した。その結果、各p53ペ
プチドのGST融合蛋白質との反応が確認された。
【0028】
【実施例4:EIAによる血中p53自己抗体の測定】
各p53合成ペプチドのGST融合蛋白質をそれぞれ用
いて、酵素免疫測定法(EIA)による血中p53自己
抗体の測定を次のようにして行った。
各p53合成ペプチドのGST融合蛋白質をそれぞれ用
いて、酵素免疫測定法(EIA)による血中p53自己
抗体の測定を次のようにして行った。
【0029】各p53合成ペプチドのGST融合蛋白質
をリン酸緩衝液で0.6μg/mlの濃度に希釈し、5
0μlずつ96穴マイクロプレート(ヌンク社製)に加
えた後、2時間室温に放置して、p53合成ペプチド固
相化マイクロプレートを作製した。TPBSで洗浄後、
5% 脱脂粉乳含有TPBSを1ウエル当り200μl
加え、24時間4℃に放置してブロッキングを行なっ
た。
をリン酸緩衝液で0.6μg/mlの濃度に希釈し、5
0μlずつ96穴マイクロプレート(ヌンク社製)に加
えた後、2時間室温に放置して、p53合成ペプチド固
相化マイクロプレートを作製した。TPBSで洗浄後、
5% 脱脂粉乳含有TPBSを1ウエル当り200μl
加え、24時間4℃に放置してブロッキングを行なっ
た。
【0030】5% 脱脂粉乳含有TPBSにて50倍に
希釈した血清検体を50μlずつ添加後2時間反応させ
た。TPBSで洗浄後、5% 脱脂粉乳含有TPBSに
て50000倍に希釈したヤギ抗ヒトIgG抗体のペル
オキシダーゼ標識物を50μlずつ添加後、室温で2時
間反応させた。TPBSで洗浄後、過酸化水素とO−フ
ェニレンジアミンの混合溶液を添加後30分反応させ、
硫酸を添加後492nmにおける吸光度を測定した。p
53蛋白に対する自己抗体の存在がウエスタンブロット
法で認められなかった正常人血清の吸光度の平均+3*
標準偏差をカットオフ値として、それ以上の吸光度を示
すものを陽性として、ウエスタンブロット法の結果と比
較した。結果を下記表3に示す。
希釈した血清検体を50μlずつ添加後2時間反応させ
た。TPBSで洗浄後、5% 脱脂粉乳含有TPBSに
て50000倍に希釈したヤギ抗ヒトIgG抗体のペル
オキシダーゼ標識物を50μlずつ添加後、室温で2時
間反応させた。TPBSで洗浄後、過酸化水素とO−フ
ェニレンジアミンの混合溶液を添加後30分反応させ、
硫酸を添加後492nmにおける吸光度を測定した。p
53蛋白に対する自己抗体の存在がウエスタンブロット
法で認められなかった正常人血清の吸光度の平均+3*
標準偏差をカットオフ値として、それ以上の吸光度を示
すものを陽性として、ウエスタンブロット法の結果と比
較した。結果を下記表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明により、p53蛋白質のペプチド
断片がp53蛋白質に対する自己抗体に特異的に結合す
るという新知見に基づく、該自己抗体の測定システムが
はじめて開発された。p53ペプチドは特異性が高いた
め、本測定法は再現性のある結果が得られ、癌の診断に
非常に有効である。また、p53ペプチドを用いる本測
定法ないし検出法としては、EIA、RIA、免疫組織
染色法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法等が挙げら
れ、これらの方法を総合的に利用することにより、更に
正確な癌の診断が可能となる。
断片がp53蛋白質に対する自己抗体に特異的に結合す
るという新知見に基づく、該自己抗体の測定システムが
はじめて開発された。p53ペプチドは特異性が高いた
め、本測定法は再現性のある結果が得られ、癌の診断に
非常に有効である。また、p53ペプチドを用いる本測
定法ないし検出法としては、EIA、RIA、免疫組織
染色法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法等が挙げら
れ、これらの方法を総合的に利用することにより、更に
正確な癌の診断が可能となる。
【0033】本発明によれば、自己抗体の測定方法が提
供されるだけでなく、p53ペプチド及び必要あればマ
イクロプレート、緩衝液、酵素標識抗体、発色基質等を
セットにした測定用キットも提供され、自己抗体の全測
定システムが有利に提供される。また、p53ペプチド
は特異性の高い腫瘍マーカーとして各種用途に利用する
ことができる。
供されるだけでなく、p53ペプチド及び必要あればマ
イクロプレート、緩衝液、酵素標識抗体、発色基質等を
セットにした測定用キットも提供され、自己抗体の全測
定システムが有利に提供される。また、p53ペプチド
は特異性の高い腫瘍マーカーとして各種用途に利用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】p53蛋白質のアミノ酸配列を示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 p53蛋白質を構成するペプチド断片を
固相化した担体、及び、標識した抗ヒトイムノグロブリ
ン抗体を使用すること、を特徴とするp53蛋白質に対
する自己抗体を検出する免疫測定方法。 - 【請求項2】 ペプチド断片が、野生型p53蛋白質の
N末端からのアミノ酸配列が1−112ペプチド、10
8−310ペプチド、306−393ペプチド、及び1
−393ペプチドからなる群から選ばれる各ペプチド全
体又はその一部、あるいはこれら2種以上の混合物であ
ること、を特徴とする請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 免疫測定方法が、放射免疫測定方法、酵
素免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、及び/又は、化学
発光免疫測定方法であること、を特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】 野生型p53蛋白質のN末端からのアミ
ノ酸配列が1−112ペプチド、108−310ペプチ
ド、306−393ペプチド、及び1−393ペプチド
からなる群から選ばれる各ペプチド全体又はその一部、
あるいはこれら2種以上の混合物を含有すること、を特
徴とするp53蛋白質に対する自己抗体の測定用キッ
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12412396A JPH09229933A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | p53蛋白質に対する自己抗体検出法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12412396A JPH09229933A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | p53蛋白質に対する自己抗体検出法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09229933A true JPH09229933A (ja) | 1997-09-05 |
Family
ID=14877501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12412396A Pending JPH09229933A (ja) | 1996-02-27 | 1996-02-27 | p53蛋白質に対する自己抗体検出法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09229933A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006084224A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Yamaguchi Univ | 肝細胞癌の新規腫瘍マーカーとしての機能を有する抗HHMIgG抗体、肝癌のスクリーニング法および肝癌進行度のマーカーとしての利用 |
JP2015172512A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | 学校法人北里研究所 | 生体試料中の疾患関連自己抗体の検出方法、キット及び検出装置 |
US9696319B2 (en) | 1998-05-11 | 2017-07-04 | Oncimmune Ltd. | Tumour markers |
-
1996
- 1996-02-27 JP JP12412396A patent/JPH09229933A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9696319B2 (en) | 1998-05-11 | 2017-07-04 | Oncimmune Ltd. | Tumour markers |
JP2006084224A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Yamaguchi Univ | 肝細胞癌の新規腫瘍マーカーとしての機能を有する抗HHMIgG抗体、肝癌のスクリーニング法および肝癌進行度のマーカーとしての利用 |
JP2015172512A (ja) * | 2014-03-11 | 2015-10-01 | 学校法人北里研究所 | 生体試料中の疾患関連自己抗体の検出方法、キット及び検出装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040601 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |