JP2014240772A - Ku70に対する自己抗体の免疫測定方法、それに用いるキットおよびそれを用いた癌判定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、癌判定に応用することのできる、Ku70に対する自己抗体の測定方法を提供することである。
【解決手段】検体中のKu70に対する自己抗体を、試薬としてのKu70抗原と反応させて、生成する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を標識抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA等により測定することにより、その自己抗体を測定することができ、それによって原発性肝細胞癌などの癌を判定することができる。
【選択図】なし
【解決手段】検体中のKu70に対する自己抗体を、試薬としてのKu70抗原と反応させて、生成する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を標識抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA等により測定することにより、その自己抗体を測定することができ、それによって原発性肝細胞癌などの癌を判定することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、Ku70に対する自己抗体を測定するための免疫測定方法、それに用いるキットおよびそれを用いた癌判定方法に関するものである。Ku70に対する自己抗体は、特に原発性肝細胞癌患者の血中に特異的に出現するものであり、したがって、本発明のKu70に対する自己抗体の免疫測定方法は、原発性肝細胞癌の判定に利用することができる。
Ku70は、二重鎖DNA切断に関与する蛋白質であり、Ku86と共にヘテロ二量体を形成し、そのKuヘテロ二量体は、DNA依存性プロテインキナーゼ等と共同で、二重鎖DNA切断を修復することができるとされている(非特許文献1)。
他方、アガロース2次元電気泳動に2D−DIGE法(two-dimensional fluorescence difference gel electrophrosis)を適用した改良アガロース2次元電気泳動法(非特許文献2)により、原発性肝細胞癌の癌部および周辺の非癌部組織の蛋白発現量の比較をプロテオーム解析により行ない、Ku86が癌部に多く発現されることが明らかになっている(非特許文献3)。また、原発性肝細胞癌患者において、Ku86に対する自己抗体の測定により原発性肝細胞癌の早期診断が可能であることが明らかになっている(非特許文献4および特許文献1)。更には、Ku86とその自己抗体との複合体の測定により原発性肝細胞癌の診断が可能であることも明らかになっている(特許文献2)。
更に、Kuヘテロ二量体の核や細胞質における高発現が、肝細胞癌培養細胞株や肝細胞癌組織で示されている(非特許文献5)。
他方、アガロース2次元電気泳動に2D−DIGE法(two-dimensional fluorescence difference gel electrophrosis)を適用した改良アガロース2次元電気泳動法(非特許文献2)により、原発性肝細胞癌の癌部および周辺の非癌部組織の蛋白発現量の比較をプロテオーム解析により行ない、Ku86が癌部に多く発現されることが明らかになっている(非特許文献3)。また、原発性肝細胞癌患者において、Ku86に対する自己抗体の測定により原発性肝細胞癌の早期診断が可能であることが明らかになっている(非特許文献4および特許文献1)。更には、Ku86とその自己抗体との複合体の測定により原発性肝細胞癌の診断が可能であることも明らかになっている(特許文献2)。
更に、Kuヘテロ二量体の核や細胞質における高発現が、肝細胞癌培養細胞株や肝細胞癌組織で示されている(非特許文献5)。
Li et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol.9, No.2, 832-837, 2002
Takeshi Tomonaga et al., Clin. Cancer Res. 2004;10:2007-2014
Masanori Seimiya et al., Hepatology 2008;48:519-30
Fumio Nomura et al., BBRC 421 2012 837-843
J.M. Luk et al., Proteomics 5 2005 1980-1986
本発明者らは、血液検体中のKu70の存在について研究を続けたところ、驚くべきことに、血液検体中にKu70に対する自己抗体が存在する場合があり、癌患者の場合、その自己抗体の量が多いことを見出した。したがって、本発明の目的は、癌判定に応用することのできる、Ku70に対する自己抗体の測定方法およびそれに用いるキットを提供することである。更に、本発明の目的は、Ku70に対する自己抗体の測定による癌判定方法を提供することである。
本発明者らは、検体中のKu70に対する自己抗体を、試薬としてのKu70抗原と反応させて、生成する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を標識抗ヒトイムノグロブリン抗体またはプロテインAにより測定することにより、その自己抗体を測定することができ、それによって癌判定が可能になることを見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、検体中のKu70に対する自己抗体と試薬としてのKu70抗原とを反応させ、生成するKu70に対する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、その自己抗体を測定することを特徴とする、Ku70に対する自己抗体の免疫測定方法に関する。
更に、本発明は、試薬成分として少なくともKu70抗原を含むことを特徴とする、Ku70に対する自己抗体免疫測定用キットに関する。
更に、本発明は、検体中のKu70に対する自己抗体を測定することにより、癌であることを判定する、癌判定方法に関する。
従って、本発明は、検体中のKu70に対する自己抗体と試薬としてのKu70抗原とを反応させ、生成するKu70に対する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、その自己抗体を測定することを特徴とする、Ku70に対する自己抗体の免疫測定方法に関する。
更に、本発明は、試薬成分として少なくともKu70抗原を含むことを特徴とする、Ku70に対する自己抗体免疫測定用キットに関する。
更に、本発明は、検体中のKu70に対する自己抗体を測定することにより、癌であることを判定する、癌判定方法に関する。
本発明においては、検体として血液由来検体を用いて、血液由来検体中に存在するKu70に対する自己抗体を免疫測定方法により簡単に測定でき、Ku70に対する自己抗体の量に基づいて原発性肝細胞癌などの癌患者を判定することができる。また、本発明の判定方法を、原発性肝細胞癌マーカーとして広く使用されているAFP(α−フェトプロテイン)やPIVKAII(protein induced by vitamin-K absence II)による判定と組み合わせることにより、更に高い診断能で原発性肝細胞癌などの癌患者を判定することができる。
本発明のKu70に対する自己抗体の免疫測定方法は、検体中のKu70に対する自己抗体と試薬としてのKu70抗原とを反応させ、生成するKu70に対する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、Ku70に対する自己抗体を測定することを特徴とする。
本発明において、検体とは、生体由来の試料が好適で、特に、血液由来検体が好適であり、血液由来検体としては、全血、血漿、血清を例示できる。
本発明の免疫測定方法の測定対象は、Ku70に対する自己抗体である。Ku70は、前記したとおり、二重鎖DNA切断に関与する蛋白質であり、その正式名は、ATP−dependent DNA helicase 2 subunit 1であり、別名としてXRCC6とも言われている。また、Ku70は、米国の国立生物工学情報センター(NCBI)の受け入れ番号(accession No)が P12956である、609個のアミノ酸からなる70kDaの蛋白質である。Ku70に対する自己抗体は、生体内でKu70蛋白質が高発現した時に生体内の自己免疫応答により産生されるKu70に対する抗体である。
本発明の免疫測定方法を実施するには、試薬としてのKu70抗原を用いる。試薬としてのKu70抗原としては、Ku70に対する自己抗体と抗原抗体反応しうる抗原であれば特に限定しないが、Ku70全長蛋白質、Ku70全長蛋白質の変異体であって該蛋白質と同様のKu70に対する自己抗体と抗原抗体反応しうる機能を有し且つ該アミノ酸配列と90%以上の相同性を有する蛋白質もしくはKu70全長蛋白質のアミノ酸配列において1個から数個(例えば、2から5個)のアミノ酸残基が欠失、置換もしくは付加したアミノ酸配列を有する蛋白質である変異体、Ku70の断片ペプチドであってKu70の自己抗体と抗原抗体反応しうるペプチドを例示できる。Ku70全長蛋白質は、Abnova社などより入手可能な市販品であってもよい。全アミノ酸配列が上記の通り既知であるので、Ku70全長蛋白質やその変異体は、遺伝子組換え技術によっても合成できる。本発明においてKu70の断片ペプチドを用いるときは、Ku70全長蛋白質を酵素分解等によって各種のペプチド断片に切断して作成してもよく、市販の自動ペプチド合成装置を用いても容易に作成することもできる。また、Ku70の断片ペプチドを遺伝子組み換え技術によっても作成することができる。
本発明においては、そのようにして得られたKu70全長蛋白質、その変異体や断片ペプチドを、Ku70に対する自己抗体と反応させ抗原抗体反応をするものを選択して試薬としてのKu70抗原として用いることができる。本発明においては、上記した各ペプチド断片の全体のほか、それらの一部、あるいは、それらの混合物も使用でき、これらも試薬としてのKu70抗原に包含される。
本発明においてKu70に対する自己抗体を免疫測定するには、例えば、試薬としてのKu70抗原をマイクロプレートその他の水不溶性担体に固相化しておき、得られる水不溶性担体に該自己抗体を含有すると予想される検体を適用して試薬としてのKu70抗原と抗原抗体反応させて結合させ、次いで酵素等で標識した、Ku70に対する自己抗体と結合する試薬、例えば、抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等を適用して該自己抗体に反応結合させる。
水不溶性担体の調製は、蛋白質を固相面に結合する既知の方法を用いて容易に行うことができる。例えば、固相化担体としては、通常、ビーズ、マイクロプレート、チューブ等が用いられる。これらの固相面に試薬としてのKu70抗原を結合する方法としては、物理吸着、化学結合等既知の固定化技術が適宜利用できる。
このようにして固相化したKu70抗原とその自己抗体含有検体とを接触させると、Ku70に対する自己抗体のみが特異的に試薬としてのKu70抗原と結合する。そこで、酵素等で標識した、Ku70に対する自己抗体と結合する試薬、例えば、抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等を加えると、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等はKu70に対する自己抗体と結合するので、この標識を利用して測定を行うことができる。
このようにして固相化したKu70抗原とその自己抗体含有検体とを接触させると、Ku70に対する自己抗体のみが特異的に試薬としてのKu70抗原と結合する。そこで、酵素等で標識した、Ku70に対する自己抗体と結合する試薬、例えば、抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等を加えると、標識した抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等はKu70に対する自己抗体と結合するので、この標識を利用して測定を行うことができる。
標識としては、酵素、ラジオアイソトープ、FITC、ローダミン、ルミノールといった蛍光物質、化学発光物質等常用される標識が適宜使用される。これらの各種標識を用いて、酵素免疫測定方法、放射免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、化学発光免疫測定方法等の方法により、Ku70に対する自己抗体を測定することができる。
酵素免疫測定方法に用いる標識酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウシ小腸アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合しEIAで常用される発色基質が適宜使用される。発色基質としては、例えばHRPの場合は、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、TMBZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、p−ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフォスファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフェート、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等が使用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド等が使用される。
放射免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、化学発光免疫測定方法等においても、通常用いられる公知の標識を採用することができる。
本発明の免疫測定方法においては、上記した方法のほか、ウエスタンブロット法、免疫組織染色法、ラテックス免疫比濁法及び免疫沈降法等の免疫測定法、液体クロマトグラフィー法によっても、Ku70に対する自己抗体を測定することができる。
酵素免疫測定方法に用いる標識酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウシ小腸アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素免疫分析法(EIA)に常用される酵素が適宜使用され、これらの酵素に適合しEIAで常用される発色基質が適宜使用される。発色基質としては、例えばHRPの場合は、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン(TMBZ)、TMBZ・HCl、TMBZ・PS、ABTS、o−フェニレンジアミン、p−ヒドロキシフェニル酢酸等が使用され、アルカリフォスファターゼの場合は、p−ニトロフェニルフォスフェート、4−メチルウンベリフェリルフォスフェート等が使用され、β−ガラクトシダーゼの場合は、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、4−メチルウンベリフェリルβ−D−ガラクトピラノシド等が使用される。
放射免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、化学発光免疫測定方法等においても、通常用いられる公知の標識を採用することができる。
本発明の免疫測定方法においては、上記した方法のほか、ウエスタンブロット法、免疫組織染色法、ラテックス免疫比濁法及び免疫沈降法等の免疫測定法、液体クロマトグラフィー法によっても、Ku70に対する自己抗体を測定することができる。
本発明の免疫測定方法は、試薬成分として少なくともKu70抗原を含む、Ku70に対する自己抗体免疫測定用キットにより実施することができる。Ku70抗原は、例えば、マイクロプレートなどの水不溶性担体に結合させた形態で、キットの試薬成分とすることができる。キットの他の試薬成分としては、酵素等で標識した、Ku70に対する自己抗体と結合する試薬、例えば、抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等が挙げられ、これらの抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインG、IgGポリクローナル抗体等は、採用する酵素免疫測定方法、放射免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、化学発光免疫測定方法などの測定方法に応じて、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、化学発光物質などの標識物で標識されたものが用いられる。その他の試薬成分として、界面活性剤、緩衝剤を適宜、加えてもよい。
本発明においては、Ku70に対する自己抗体を測定することにより、癌判定をすることができる。Ku70に対する自己抗体の量が多いと、原発性肝癌(原発性肝細胞癌、原発性胆管細胞癌など)、転移性肝癌等の肝癌、膀胱癌、乳癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、甲状腺癌、皮膚癌などの癌が疑われ、本発明によりKu70に対する自己抗体を測定することは、癌疾患の存在や判別に有効である。本発明においては、特に原発性肝細胞癌の判定に有効であり、初発原発性肝細胞癌や再発原発性肝細胞癌を判定することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら制限されるものではない。
実施例1
Ku70に対する自己抗体の測定
健常人、及び原発性肝細胞癌患者から採取した血清検体について、Ku70に対する自己抗体を、以下に具体的に説明する酵素免疫測定法(ELISA法)にて測定した。
実施例1
Ku70に対する自己抗体の測定
健常人、及び原発性肝細胞癌患者から採取した血清検体について、Ku70に対する自己抗体を、以下に具体的に説明する酵素免疫測定法(ELISA法)にて測定した。
1.方法
(1)Ku70のELISAプレートの作成
水不溶性担体としてELISAプレート(Nunc社製,Maxisorp)を用い、それにKu70としてXRCC6全長蛋白質(Abnova社製1μg/mL,100μL/well)を室温で1時間振とうして感作し、その後、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄を行った。ついで、NOF101(日油社製,300μL/well)にて室温で1時間振とうし、コーティングした。その後、サンプル血清の希釈液を添加する前に、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した。
(1)Ku70のELISAプレートの作成
水不溶性担体としてELISAプレート(Nunc社製,Maxisorp)を用い、それにKu70としてXRCC6全長蛋白質(Abnova社製1μg/mL,100μL/well)を室温で1時間振とうして感作し、その後、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄を行った。ついで、NOF101(日油社製,300μL/well)にて室温で1時間振とうし、コーティングした。その後、サンプル血清の希釈液を添加する前に、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した。
(2)Ku70に対する自己抗体の測定
検体として、健常人54症例から採取したサンプル血清、初発原発性肝細胞癌および再発原発性肝細胞癌の患者42症例から採取したサンプル血清を用いた。各サンプル血清は0.05%Tween20を含むPBSにて100倍に希釈し、それを100μL/wellずつKu70のELISAプレートに加え、室温で1時間振とうし、その後、そのプレートを0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した。検出はHRP標識されたプロテインA(Invitrogen社製)を0.5%Tween20を含むPBSにて4000倍に希釈し、100μL/wellずつ加え、室温で1時間振とうした。ついで、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した後、TMBを100μL/wellずつ加え、10分間室温で静置の後、反応停止剤として100μL/wellの1N硫酸を加えた。吸光度はマイクロプレートリーダー(BioRad社製)を用いて、波長450nmにて測定を行った。
検体として、健常人54症例から採取したサンプル血清、初発原発性肝細胞癌および再発原発性肝細胞癌の患者42症例から採取したサンプル血清を用いた。各サンプル血清は0.05%Tween20を含むPBSにて100倍に希釈し、それを100μL/wellずつKu70のELISAプレートに加え、室温で1時間振とうし、その後、そのプレートを0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した。検出はHRP標識されたプロテインA(Invitrogen社製)を0.5%Tween20を含むPBSにて4000倍に希釈し、100μL/wellずつ加え、室温で1時間振とうした。ついで、0.05%Tween20を含むPBS(300μL/well)で3回洗浄した後、TMBを100μL/wellずつ加え、10分間室温で静置の後、反応停止剤として100μL/wellの1N硫酸を加えた。吸光度はマイクロプレートリーダー(BioRad社製)を用いて、波長450nmにて測定を行った。
2.結果
Ku70のELISAプレートを用いてKu70に対する自己抗体を測定した結果を、図1に示す。有意差検定はKaleidaGraph4.0を用い、Wilcoxonの2標本検定にて統計処理した。
図1に示すように、健常人群と比較し、原発性肝細胞癌患者検体群には、Ku70に対する自己抗体の量が多く、明らかな有意差を認めた。したがって、Ku70に対する自己抗体の測定により、原発性肝細胞癌の判定が可能であることが明らかとなった。
Ku70のELISAプレートを用いてKu70に対する自己抗体を測定した結果を、図1に示す。有意差検定はKaleidaGraph4.0を用い、Wilcoxonの2標本検定にて統計処理した。
図1に示すように、健常人群と比較し、原発性肝細胞癌患者検体群には、Ku70に対する自己抗体の量が多く、明らかな有意差を認めた。したがって、Ku70に対する自己抗体の測定により、原発性肝細胞癌の判定が可能であることが明らかとなった。
以上に詳細に説明したように、血液由来検体などの検体中のKu70に対する自己抗体を、試薬としてのKu70抗原と反応させて、生成する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、その自己抗体を測定することができ、それによって、原発性肝細胞癌などの癌判定が可能である。このような判定を、原発性肝細胞癌マーカーとして広く使用されているAFPやPIVKAIIによる判定と組み合わせることにより、更に高感度で原発性肝細胞癌などの癌患者を判定することができる。
Claims (16)
- 検体中のKu70に対する自己抗体と試薬としてのKu70抗原とを反応させ、生成するKu70に対する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、その自己抗体を測定することを特徴とする、Ku70に対する自己抗体の免疫測定方法。
- 検体が血液由来検体である、請求項1に記載の免疫測定方法。
- 免疫測定方法が、酵素免疫測定方法、蛍光免疫測定方法、化学発光免疫測定方法、又は放射免疫測定方法である、請求項1または2に記載の免疫測定方法。
- 癌判定に用いるための、請求項1から3のいずれかに記載の免疫測定方法。
- 癌が原発性肝細胞癌である、請求項4に記載の免疫測定方法。
- 試薬成分として少なくともKu70抗原を含むことを特徴とする、Ku70に対する自己抗体免疫測定用キット。
- Ku70抗原が水不溶性担体に結合されている、請求項6に記載のキット。
- さらに、Ku70に対する自己抗体と結合する標識された試薬を含む、請求項7に記載のキット。
- Ku70に対する自己抗体と結合する標識された試薬が、抗ヒトイムノグロブリン抗体、プロテインA、プロテインGまたはIgGポリクローナル抗体である、請求項8に記載のキット。
- 癌判定に用いるための、請求項6から9のいずれかに記載のキット。
- 癌が原発性肝細胞癌である、請求項10に記載のキット。
- 検体中のKu70に対する自己抗体を測定することにより、癌であることを判定する、癌判定方法。
- 健常人由来の検体中のKu70に対する自己抗体の量に比べて、検体中のKu70に対する自己抗体の量が多い場合に、該検体は癌患者由来の検体であると判定する、請求項12に記載の癌判定方法。
- 検体中のKu70に対する自己抗体と試薬としてのKu70抗原とを反応させ、生成するKu70に対する自己抗体とKu70抗原との免疫複合体を測定することにより、その自己抗体を測定する、請求項12または13に記載の癌判定方法。
- 検体が血液由来検体である、請求項12から14のいずれかに記載の癌判定方法。
- 癌が原発性肝細胞癌である、請求項12から15のいずれかに記載の癌判定方法。
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