JPH09227563A - 複素環式化合物 - Google Patents

複素環式化合物

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JPH09227563A
JPH09227563A JP6514896A JP6514896A JPH09227563A JP H09227563 A JPH09227563 A JP H09227563A JP 6514896 A JP6514896 A JP 6514896A JP 6514896 A JP6514896 A JP 6514896A JP H09227563 A JPH09227563 A JP H09227563A
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JP6514896A
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English (en)
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Takashi Hirota
喬 廣田
Kenji Sasaki
健二 佐々木
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Pfizer Japan Inc
Original Assignee
Lederle Japan Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 呼吸器疾患あるいは循環器系疾患等の医療分
野で有用な治療薬となることが期待される新規な複素環
式化合物またはその薬理学的に許容される塩を提供す
る。 【解決手段】 一般式(I): 【化1】 式中、Rは、置換または未置換アミノ基を表し;Zは、
SまたはOを表し;A及びBは、両者が結合してベンゼ
ン環の存在、不存在を表し;nは、0、1または2の整
数を表す;で示される複素環式化合物またはその薬理学
的に許容される塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複素環式化合物に係
り、詳細には、気管支拡張作用、血圧降下作用、抗狭心
症作用並びにコレステロール低下作用等を有する新規複
素環式化合物及びその薬理学的に許容される塩に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現代人の食生活や生活環境の著しい変化
にともない、問題となる疾患も変化してきている。例え
ば喘息発作に代表されるアレルギー性呼吸器疾患や、血
中脂質の上昇に伴う循環器系障害は、現代人の代表的な
疾患とされ、患者数も増加してきている。特に最近では
スギ花粉等の飛散に伴う花粉症が大きな問題とされつつ
あり、これら疾患に対する治療剤が数多く提供され、医
療の現場で使用されてきている。しかしながら、副作用
が発現したり、効果が弱いなどの理由からいまだ特効薬
的となり得る医薬品は出現しておらず、更に優れた医薬
品の開発が精力的に行われているのが現状である。この
場合、上記疾患に対する新たな治療薬を開発するために
は、従来問題とされた副作用をより軽減し、かつ治療効
果の強い薬物の開発が必須であるといえる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはこれまで
に、優れた治療効果を有する医薬品の開発のため鋭意検
討を行ってきており、従来検討されていなかった縮合リ
ングを有する多環複素環式化合物について気管支拡張作
用、コレステロール低下作用等を検討した結果、種々多
様の薬理活性が認められることが判明し、そのいくつか
についてはすでに特許出願を完了している(特開平7−
316162)。本発明者らが提供している化合物は、
従来使用されている医薬品に比較し、副作用が低減し、
かつ強力な薬理活性を有するものであるが、今回更によ
りよい作用物質の提供を課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる実情に鑑み、優れ
た薬品の開発のため鋭意研究を行った結果、本発明者ら
は下記一般式(I)で示される複素環式化合物に気管支
拡張作用、コレステロール低下作用、血管平滑筋弛緩作
用、すなわち血圧降下作用、抗狭心症作用等が認めら
れ、これら化合物が優れた医薬品となり得ることを新規
に見出し本発明を完成させた。すなわち本発明は、次の
一般式(I):
【0005】
【化4】
【0006】式中、Rは、置換または未置換アミノ基を
表し;Zは、SまたはOを表し;A及びBは、両者が結
合してベンゼン環の存在、不存在を表し;nは、0、1
または2の整数を表す;で示される複素環式化合物また
はその薬理学的に許容される塩を提供する。上記式
(I)で示される複素環式化合物自体は、これまで文献
未記載の新規化合物であり、したがってこれら化合物群
に上述した薬理活性が認められることは従来全く知られ
ていなかったものである。
【0007】また本発明は、上記定義の態様により、具
体的には次の一般式(I−a)及び一般式(I−b):
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】式中、R、Z及びnは前記定義のとおりで
ある、で示される複素環式化合物及びその薬理学的に許
容される塩を提供するものである。更に本発明は、他の
態様において上記式(I)、(I−a)、(I−b)で
示される化合物またはその薬理学的に許容される塩を有
効成分として含有する気管支拡張作用剤、コレステロー
ル低下作用剤、血圧降下剤並びに狭心症治療剤を提供す
る。本発明が提供する複素環式化合物は、後記する薬理
作用の結果からも明らかなように、優れた医薬品として
現実の製品化が期待されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の化合物について詳
細に説明するが、式(I)、(I−a)、(I−b)中
において置換基「R」で示される置換アミノ基として
は、モノまたはジ低級アルキル置換アミノ基を意味し、
具体的にはモノメチルアミノ、モノエチルアミノ、ジメ
チルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、モ
ノプロピルアミノ、モノイソプロピルアミノ、ジプロピ
ルアミノ、ジイソプロピルアミノ、メチル(イソプロピ
ル)アミノ、モノ−tertブチルアミノ、ジ−ter
tブチルアミノ等が挙げられる。
【0012】したがって、本発明で提供される式(I)
で示される複素環式化合物の代表的な例としては、下記
表1および表2に記載される具体的化合物を挙げること
ができる。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】なお、本発明の複素環式化合物は、例えば
上記各表で例示された化合物を必要に応じて有機酸また
は無機酸等で処理することにより任意の薬理学的に許容
される塩として得ることもできる。一方、本発明にあっ
ては、なかでも、上記具体的化合物において、その薬理
作用の結果からみて、特に好ましい発明の態様として、
式(II):
【0016】
【化7】
【0017】式中、R及びnは前記定義のとおりであ
る、で示される複素環式化合物及びその薬理学的に許容
される塩であり、更にこれら化合物を有効成分として含
有するコレステロール低下作用剤、とりわけ肝コレステ
ロール低下作用剤である。また別の特に好ましい発明の
態様としては、式(III):
【0018】
【化8】
【0019】式中、R及びnは前記定義のとおりであ
る、で示される複素環式化合物及びその薬理学的に許容
される塩であり、またこれら化合物を有効成分として含
有する気管支拡張作用剤、とりわけ気管支筋弛緩作用
剤、喘息治療剤、さらに血管平滑筋弛緩作用剤、とりわ
け血圧降下剤、抗狭心症治療剤である。
【0020】本発明が提供する式(I)で示される複素
環式化合物は、例えば下記反応式に示す方法により製造
することができる。
【0021】
【化9】
【0022】上記反応式中、Ra 及びRb は、水素原子
または低級アルキル基を表し(但し、ともに水素原子で
ある場合を除く)、A、B、Z及びnは前記定義のとお
りである。上記反応式における製造工程を説明すれば以
下のとおりである。
【0023】工程は、式(IV)で示されるジシアノ
化合物を分子内転位反応(スマイル型転位反応)、次い
で分子内閉環反応に付して、本発明の目的化合物の一つ
である式(I−1)で示されるアミノ置換複素環式化合
物へ導く工程である。該反応は、有機溶媒中強塩基の存
在下実施されるが、用いることができる強塩基として
は、アルカリ金属アルコキサイド、例えばナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブ
トキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、
カリウム−t−ブトキシド;アルカリ金属水素化物、例
えば水素化ナトリウム等が挙げられ、なかでもカリウム
−t−ブトキシドが好ましく使用される。反応に使用す
る有機溶媒としては、反応に直接の影響を与えないもの
ならばどのような有機溶媒をも使用することができる
が、特にエーテル系有機溶媒、例えばエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、なかでもジオキサンが好結
果を与える。
【0024】反応温度及び反応時間は、使用する化合物
(IV)により適宜変更されため一概に限定し得ない
が、0℃〜150℃、好ましくは用いる溶媒の沸点付近
にて1〜20時間、好ましくは1〜10時間程度で行う
ことができる。反応の結果得られる式(I−1)で示さ
れる化合物は、反応混合物中より自体公知の方法(濃
縮、抽出、濾過、液性変換、クロマトグラフィー、再結
晶等)を適宜応用し、多くの場合化合物自体は結晶とし
て、あるいは塩の形の結晶として、単離することができ
る。
【0025】工程は、工程で得られた式(I−1)
で示されるアミノ化合物を、適当な有機溶媒中、塩基の
存在化に低級アルキルハロゲン化物と処理することによ
り本発明の目的化合物である式(I−2)で示される化
合物へ導く工程である。この場合、用いることができる
塩基としては、アルカリ金属炭酸化物、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム;アルカリ金属炭酸水素化物、
例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム;アルカ
リ金属アルコキサイド、例えばナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、
カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−
t−ブトキシド;アルカリ金属水素化物、例えば水素化
ナトリウム等が挙げられ、中でもアルカリ金属アルコキ
シドが好ましい。反応に使用する有機溶媒としては、反
応に直接の影響を与えないものならばどのような有機溶
媒をも使用することができ、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等のベンゼン系溶媒;エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒を用いることができる。
【0026】反応温度及び反応時間は、使用する化合物
(I−1)並びに低級アルキルハロゲン化物により適宜
変更されため一概に限定し得ないが、0℃〜150℃、
好ましくは15℃ないし用いる溶媒の沸点付近にて1〜
20時間、好ましくは1〜10時間程度で行うことがで
きる。なお、本工程において式(I−1)の化合物と反
応させる低級アルキルハロゲン化物としては、臭化メチ
ル、ヨウ化メチル、臭化エチル、ヨウ化エチル、臭化イ
ソプロピル、臭化−t−ブチル等、目的に応じた化合物
を適宜選択することができる。反応の結果得られる式
(I−2)で示される化合物は、反応混合物中より自体
公知の方法(濃縮、抽出、濾過、液性変換、クロマトグ
ラフィー、再結晶等)を適宜応用し、多くの場合化合物
自体は結晶として、あるいは塩の形の結晶として、単離
することができる。
【0027】以上の方法により、本発明の目的化合物で
ある式(I)で示される複素環式化合物を得ることがで
きる。この式(I)で示される化合物は、所望により薬
理学的に許容される塩としての化合物に誘導されるが、
このような塩の形成は、有機酸または無機酸で処理する
ことにより行われる。ここで用いられる有機酸として
は、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、トリフル
オロ酢酸、トリクロロ酢酸等の低級脂肪酸;安息香酸、
p−ニトロ安息香酸等の置換または未置換の安息香酸;
メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の
(ハロ)低級アルキルスルホン酸;ベンゼンスルホン
酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、p−ブロモベンゼ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸、2,4,6−トリ
イソプロピルベンゼンスルホン酸等の置換または未置換
のアリールスルホン酸;ジフェニルリン酸等の有機リン
酸を挙げることができる。また無機酸としては、例えば
塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、ホウフッ化水
素酸、過塩素酸、亜硝酸等が挙げられる。
【0028】なお、上記反応式中で出発原料として用い
られる式(IV)で示されるジシアノ化合物は、本発明
者らがすでに提供している特開平7−316162号公
報第17及び第18頁に記載される製造例1ないし製造
例3の方法に準じて適宜容易に製造することができる。
【0029】以上の方法により得られる本発明の式
(I)で示される化合物は、後述する薬理試験の結果か
らも明らかなとおり、気管支筋弛緩作用を有しており、
特に喘息症状を緩和させるために用いることができる。
また、肝コレステロール低下作用をも有していることが
判明した。さらに、血管平滑筋弛緩作用を有しており、
特に血圧降下作用、抗狭心症作用があることも判明し
た。したがって、本発明の式(I)で示される化合物
は、これらの作用を治療に応用し得る分野において有用
な医薬品となることが期待される。なかでも、特に好ま
しい本発明の形態は、式(V):
【0030】
【化10】
【0031】で示される化合物及びその薬理学的に許容
される塩を有効成分として含有する肝コレステロール低
下作用剤であり、また別の特に好ましい発明の形態は、
式(VI)および式(VII):
【0032】
【化11】
【0033】で示される化合物及びその薬理学的に許容
される塩を有効成分として含有する気管支筋弛緩作用
剤、血管平滑筋弛緩作用剤等の循環器系疾患治療剤であ
り、具体的には、喘息治療剤、血圧降下剤、狭心症治療
剤である。
【0034】本発明の化合物を上記の治療剤として使用
する場合には、通常行われている製剤化技術により種々
の剤型、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、トローチ剤、
液剤等の経口投与製剤とすることができる。上記製剤化
は、それ自他公知の方法によって行い得る。すなわち、
式(I)で示される化合物をデンプン、マンニトール、
乳糖等の賦形剤;カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤;結晶セ
ルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の
崩壊剤;タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢
剤;形質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜組み合わ
せて処方することにより錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒
剤またはトローチ剤を製造することができる。かかる経
口投与剤をヒトに投与する場合、患者の年齢及び症状に
より異なるが、その有効量、例えば通常一日10〜10
00mgを1〜3回に分けて経口投与するのが好まし
い。
【0035】更に本発明の化合物を注射投与することも
できる。この場合、例えば界面活性剤や分散剤等により
予め生理食塩水等の水担体に分散または可溶化しておい
ても良いし、あるいはまた、必要時にその都度分散また
は可溶化し得るように注射用結晶製剤または凍結乾燥製
剤としてもよい。上記水担体には前述の成分以外にpH
調整剤や安定化剤を任意成分として加えてもよい。かか
る注射剤の投与経路は特に限定されず、症状や患者の特
性に合わせて静脈内投与、動脈内投与、皮下投与、腹腔
内投与などが適宜選択される。これら投与は一気にして
もよいし、点滴等により徐々に投与してもよい。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の具体的化合物の製造例、そ
れら化合物の薬理効果及び毒性試験を記載することによ
り、本発明を詳細に説明する。なお、カッコ内の数字
は、それぞれの化合物番号を示す。 実施例1:
【0037】
【化12】
【0038】4−(2−シアノシクロペンテニルオキ
シ)ブチロニトリル(1)6.3g(36mmol)を
無水ジオキサン200mlに溶解し、カリウム−t−ブ
トキシド10g(89mmol)を加え、6時間還流し
た。反応終了後溶媒を留去し、残渣に氷水200mlを
加え、ベンゼン100mlで3回抽出を行った。有機層
を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し
た。得られた残留物をベンゼンより再結晶し、1.14
g(18%)の5−アミノ−1,2,7,8−テトラヒ
ドロ−6H−シクロペンタ[d]フロ[2,3−b]ピ
リジン(2)を肌色板状晶として得た。 IRcm-1:3400(NH)1 H−NMR(CDCl3 )δ:2.12(2H),
2.62(2H),2.75(2H),3.04(2
H),4.12(2H),4.55(2H) mp:154−156℃ 実施例2:
【0039】
【化13】
【0040】4−(2−シアノシクロヘキセニルオキ
シ)ブチロニトリル(3)8.2g(43mmol)を
無水ジオキサン200mlに溶解し、カリウム−t−ブ
トキシド12g(107mmol)を加え、6時間還流
した。反応終了後溶媒を留去し、残渣に氷水200ml
を加え、ベンゼン100mlで3回抽出を行った。有機
層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去
した。得られた残留物をベンゼンより再結晶し、1.2
3g(15%)の5−アミノ−1,2,6,7,8,9
−ヘキサヒドロフロ[2,3−c]イソキノリン(4)
を黄白色針状晶として得た。 IRcm-1:3450(NH)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.70−1.90
(4H),2.33(2H),2.53(2H),2.
99(2H),4.17(2H),4.55(2H) mp:184−187℃ 実施例3:
【0041】
【化14】
【0042】4−(2−シアノシクロヘプテニルオキ
シ)ブチロニトリル(5)7.4g(36mmol)を
無水ジオキサン200mlに溶解し、カリウム−t−ブ
トキシド10g(89mmol)を加え、6時間還流し
た。反応終了後、実施例1と同様処理し、ベンゼン−n
−ヘキサン混液から再結晶し、1.11g(15%)の
5−アミノ−1,2,7,8,9,10−ヘキサヒドロ
−6H−シクロヘプタ[d]フロ[2,3−b]ピリジ
ン(6)を褐色柱状晶として得た。 IRcm-1:3450(NH)1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.52−1.73
(4H),1.75−1.90(2H),2.50−
2.56(2H),2.61−2.66(2H),3.
07(2H),4.17(2H),4.53(2H) mp:141−143℃(分解) 実施例4:
【0043】
【化15】
【0044】2−シアノ−1−(3−シアノプロポキ
シ)−3,4−ジヒドロナフタレン(7)7.80g
(32.8mmol)を無水ジオキサン100mlに溶
解し、これにカリウム−t−ブトキシド5.52g(4
9.2mmol)を加え、1時間還流した。反応終了後
溶媒を留去し、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。
有機層を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を
留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムウロマト
グラフィ−に付し、ベンゼン−酢酸エチル(4:1)混
液にて溶出し、4.70g(60%)の5−アミノ−
1,2,6,7−テトラヒドロベンゾ[f]フロ[2,
3−c]イソキノリン(8)を淡黄色柱状晶として得
た。 IRcm-1:3180,3300(NH21 H−NMR(CDCl3 )δ:2.56(2H,d
d,J=5.8Hz;J=8.3Hz),2.87(2
H,dd,J=6.5Hz;J=8.3Hz),3.4
8(2H,t,J=8.4Hz),4.29(2H,b
rs,NH2 ),4.59(2H,t,J=8.4H
z),7.31(3H,m),7.64(1H,m) mp:235−237℃(n−ヘキサン−酢酸エチル) 実施例5:
【0045】
【化16】
【0046】6−シアノ−5−(3−シアノプロポキ
シ)−8,9−ジヒドロ−7H−ベンゾシクロヘプテン
(9)20g(79.4mmol)を無水ジオキサン1
50mlに溶解し、これにカリウム−t−ブトキシド1
3.4g(119.4mmol)を加え、1時間還流し
た。反応終了後、実施例4と同様処理し、シリカゲルカ
ラムウロマトグラフィ−に付し、ベンゼン−酢酸エチル
(1:1)混液にて溶出し、13.9g(70%)の5
−アミノ−1,2,7,8−テトラヒドロ−6H−ベン
ゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−d]フロ[2,3
−b]ピリジン(10)を黄色針状晶として得た。 IRcm-1:3170,3280(NH21 H−NMR(CDCl3 )δ:2.09(3H,
m),2.49(3H,m),2.88(1H,m),
3.44(1H,m),4.32(2H,s,N
2),4.56(2H,m),7.30(4H,m) mp:222−225℃(シクロヘキサン−酢酸エチ
ル)
【0047】以上のようにして製造された式(I)で示
される化合物は、その5−位のアミノ基を水酸基に変換
し、5−ヒドロキシ置換化合物へ導き、更に水酸基をハ
ロゲン化することにより、式(I)の置換基Rがハロゲ
ン原子に置き代わった5−ハロ置換化合物へ変換され
る。この5−ハロ置換化合物の5−位のハロゲン基は、
従来から医薬品化合物の側鎖置換基導入化合物として汎
用される種々の置換アルキレンアミノ化合物、置換アル
キレンヒドロキシ化合物、あるいは置換アルキレンメル
カプト化合物と反応させることにより、式(I)の5−
位を更に高度な置換基へと誘導することができ、これら
化合物にあっても種々の薬理効果が期待されるものであ
る。この場合の式(I)の置換基Rがハロゲン原子に置
き代わった5−ハロ置換化合物への変換は、例えば以下
のようにして行われる。
【0048】すなわち、まず第一に本発明の式(I)で
示される化合物を酸で処理することにより、5−位のア
ミノ基を水酸基に変換し、置換基Rが水酸基である式
(I)の化合物へ導く。かかる反応は、酸性水溶液中に
おいて式(I)の化合物を加熱還流することにより実施
される。このような酸性水溶液としては、好ましくは塩
酸、特に濃塩酸水溶液である。この反応により、ほぼ定
量的に式(I)の置換基Rがヒドロキシ基に置き代わっ
た化合物へ変換される。なお、かかる化合物にあって
は、5−位の置換基はヒドロキシ型及びオキソ型の化合
物の互変異性体の化合物として存在することは判明し
た。
【0049】次いで、かくして変換された式(I)の5
−位が水酸基の化合物をオキシハロゲン化リンで処理す
ることにより、式(I)の置換基Rがハロゲン原子に置
き代わった5−ハロ置換化合物へ誘導する。この反応
は、オキシハロゲン化リンと適当な溶媒中で、1〜10
時間、好ましくは1〜5時間程度加熱還流することによ
り実施される。ここで用いられるオキシハロゲン化リン
としてはオキシ塩化リン、オキシ臭化リン等が例示さ
れ、特にオキシ塩化リンが好ましい。この反応にあって
は用いるオキシハロゲン化リンの種類によって導入され
るハロゲン原子が選択されることとなり、例えばオキシ
塩化リンを使用すれば、式(I)の置換基Rがクロル原
子に置き代わった5−クロル置換化合物が得られること
となる。上記のようにして製造される化合物のいくつか
を以下に具体的に例示する。 5−オキソ−2,6,7−トリヒドロベンゾ[f]フロ
[2,3−c]イソキノリン(11): 針状晶結晶(ベンゼンより再結晶): mp198−201℃
【0050】
【化17】
【0051】5−クロロ−1,2,6,7−テトラヒド
ロベンゾ[f]フロ[2,3−c]イソキノリン(1
2): 針状晶結晶(シクロヘキサンより再結晶): mp161−163℃
【0052】
【化18】
【0053】5−クロロ−1,2,7,8−テトラヒド
ロ−6H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−
d]フロ[2,3−b]ピリジン(13): 板状晶結晶(シクロヘキサンより再結晶): mp127−128℃
【0054】
【化19】
【0055】薬理試験1高コレステロール食負荷マウ
スにおける脂質低下作用:BALB/cマウス(6週
齢、雄)に1%コレステロール及び0.5%コール酸を
添加したCE−2飼料(日本クレア製)を7日間与え、
実験的高コレステロール血症マウスを作製した。高コレ
ステロール食負荷5日目から被試験化合物1mg/Kg
を1日1回、静脈内投与し、これを3日間行った。7日
目に一晩絶食し、8日目にエーテル麻酔下、腹部大静脈
より採血した。血清は血液を1時間以上室温で放置した
後分離した。また同時に肝臓も採取し、0.25Mショ
糖溶液で10%ホモジネートに調製した。血清総コレス
テロール値は、コレステロールC−テストワコー(和光
純薬製)を用い、血清トリグリセリド値は、コレステロ
ール−G−テストワコー(和光純薬製)を用いて測定し
た。肝臓内総コレステロール及びトリグリセリド値は、
Bligh−Dyer法により総脂質を抽出した後、同
キットを用いて測定した。被験化合物としては、実施例
2で得た化合物(4)を用いた。測定結果は、コレステ
ロール値の場合、高コレステロール食負荷によるコレス
テロール値上昇の抑制率で示し、トリグリセリド値の場
合は、溶媒対照群(薬物非投与群)のトリグリセリド値
の低下率で示した。その結果を表3に示す。なお、血清
脂質において20%以上の抑制率を示した化合物を有効
とした。
【0056】
【表3】
【0057】表中の結果から、本発明化合物である化合
物(4)は、血清コレステロール並びに血清トリグリセ
リド濃度をそれほど低下させるものではないが、特に肝
コレステロールの低下が顕著であり、肝コレステロール
低下作用を有することを示している。
【0058】薬理試験2モルモット摘出気管収縮に対
する抑制作用:Hartley系雄性モルモットから気
管を摘出して、リング状標本を作製した。これをTyr
ode’s液を満たした37℃の液槽内に懸垂し、常時
95%炭酸ガス、5%炭酸ガスの混合ガスを通気して、
1gの張力を負荷した。気管の張力は、等尺性トランス
デューサーを用いて測定した。張力が安定した後、カル
バミルコリン・クロライド(CCh)10-6Mを添加し
収縮を惹起した。収縮安定後、被試験化合物を累積添加
し、弛緩反応を記録し最後にパパベリン10-5Mを添加
して最大弛緩を惹起させた。パパベリンによる弛緩を1
00%として弛緩率を計算し、各被試験化合物の30%
弛緩濃度を算出した。被試験化合物としては、上記実施
例で得られた化合物(8)および(10)を用いた。そ
の結果を表4に示した。
【0059】
【表4】
【0060】表中の結果からも明らかなとおり、本発明
化合物である化合物(8)および(10)には良好な気
管支筋筋拡張作用を有していることが判明する。
【0061】薬理試験3ラット摘出血管筋弛緩作用
SD系ラットを用い、頸動脈より放血致死後、胸部大動
脈を摘出し、長さ2〜3mmのリング状標本を作製し
た。標本はKrebs−Henseleit液を満たし
た液槽内に懸垂し、常時95%O2 及び5%Co2 混合
ガスを通気し、1gの張力を負荷した。血管の張力は等
尺性トランスジューサーを用いて測定した。約1.5時
間、張力を安定させた後実験を行った。phenyle
phrine(3×10-7M)を添加し、収縮が安定し
た後、0.005N−塩酸水溶液に溶解した化合物
(8)0.1,0.3,1,3及び10μg/mlを累
積的に添加した。弛緩率は、papaverine(1
-4M)添加によって生じる弛緩を100%として算出
した。50%の弛緩が得られる濃度をIC50として求め
た。化合物(8)のIC50は3.8μgであり、良好な
血管平滑筋弛緩作用を示していることが判明する。
【0062】薬理試験4毒性試験:本発明の化合物の
急性毒性試験を以下の方法で行った。ICR系雄性マウ
スを4週齢で購入し、約10日間の予備飼育の後実験に
供した。被試験化合物は、マウス体重10g当たり0.
1mlになるように1%カルボキシメチルセルロース液
に懸濁し、金属製胃ゾンデを用いて強制経口投与した。
なお、マウスは実験の前日から16時間絶食とした。投
与後の観察期間を14日間とし、14日後の生存率から
リッチフィールド・ウィルコクソン法によってLD50
を求めた。その結果、本発明の化合物はいずれも1.5
g/Kg以上であった。
【0063】
【発明の効果】本発明の式(I)で示される複素環式化
合物は、これまでに知られていない新規化合物であり、
しかも気管支筋弛緩作用並びに肝コレステロール低下作
用を有することから、医薬品として有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/47 ACF A61K 31/47 ACF C07D 495/04 105 C07D 495/04 105A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 式中、 Rは、置換または未置換アミノ基を表し;Zは、Sまた
    はOを表し;A及びBは、両者が結合してベンゼン環の
    存在、不存在を表し;nは、0、1または2の整数を表
    す;で示される複素環式化合物またはその薬理学的に許
    容される塩。
  2. 【請求項2】 一般式(I−a): 【化2】 式中、R、Z及びnは前記定義のとおりである、で示さ
    れる複素環式化合物またはその薬理学的に許容される
    塩。
  3. 【請求項3】 一般式(I−b): 【化3】 式中、R、Z及びnは前記定義のとおりである、で示さ
    れる複素環式化合物またはその薬理学的に許容される
    塩。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の化合物または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する
    気管支拡張作用剤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3に記載の化合物または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する
    喘息治療剤。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3に記載の化合物または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する
    血圧降下剤。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3に記載の化合物または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する
    コレステロール低下作用剤。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし3に記載の化合物または
    その薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する
    狭心症治療剤。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の化合物またはその薬理
    学的に許容される塩を有効成分として含有する肝コレス
    テロール低下作用剤。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載の化合物またはその薬
    理学的に許容される塩を有効成分として含有する気管支
    筋弛緩作用剤。
  11. 【請求項11】 請求項3に記載の化合物またはその薬
    理学的に許容される塩を有効成分として含有する喘息治
    療剤。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の化合物またはその薬
    理学的に許容される塩を有効成分として含有する血圧降
    下剤。
  13. 【請求項13】 請求項3に記載の化合物またはその薬
    理学的に許容される塩を有効成分として含有する狭心症
    治療剤。
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