JPH09227246A - 高強度無機質繊維成形体 - Google Patents

高強度無機質繊維成形体

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JPH09227246A
JPH09227246A JP5669196A JP5669196A JPH09227246A JP H09227246 A JPH09227246 A JP H09227246A JP 5669196 A JP5669196 A JP 5669196A JP 5669196 A JP5669196 A JP 5669196A JP H09227246 A JPH09227246 A JP H09227246A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1500℃の高温まで使用可能であり、加熱
による膨張や収縮が小さく、強度が高く、且つ耐高温ク
リープ性に優れた高強度無機質繊維成形体を提供する。 【解決手段】 アルミナ質繊維10〜70重量%と、ア
ルミノシリケート質繊維5〜30重量%と、平均粒径1
0μm以下のAl23粒子10〜80重量%と、SiC
粒子0.5〜10重量%と、MgO粒子又は加熱により
MgOとなる粒子0.1〜3重量%とが、耐熱性無機質
結合剤により相互に結合されてなる高強度無機質繊維成
形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品焼成用の
セラミックセッター等として使用されるセラミックファ
イバーボードのような、高強度で耐高温クリープ性に優
れた軽量な無機質繊維成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックコンデンサー、ア
ルミナ基板、フェライト、圧電体等の電子部品を焼成す
る場合、Al23質、ZrO2質、ムライト質などから
なるセラミックセッターの上に載せて焼成を行ってい
る。
【0003】しかし、従来のセラミックセッターはかさ
密度がほぼ2.0〜4.0g/cm3の範囲で、熱容量が
非常に大きい。このため、実際に従来のセラミックセッ
ターに電子部品を載せてトンネル炉で焼成を行う場合、
電子部品の焼成に必要なエネルギーはごく僅かであるた
め炉内の温度分布に殆ど影響しないが、セラミックセッ
ターの熱容量が非常に大きいために温度分布に影響を与
え、またエネルギーの殆どがセラミックセッターを加熱
することに使われるため、熱効率が極めて悪かった。
【0004】こららの問題を解決するため、セラミック
ス繊維を用いた軽量なセッターが提案されている。例え
ば、骨格となるアルミナ質繊維やアルミノシリケート質
繊維と、Al23粒子やムライト粒子とを、シリカゾル
等の耐熱性無機質結合剤と混合し、脱水成形した後、焼
成して製造される無機質繊維成形体からなるセッターが
ある。しかし、このような無機質繊維成形体からなるセ
ッターは、かさ密度が0.2〜1.5g/cm3程度と軽
量であるが、強度が小さいため実用に適さないという欠
点があった。
【0005】そこで、このような無機質繊維成形体の強
度を向上させる試みがなされ、例えば特公平1−552
22号公報には、アルミノシリケート質繊維にBN粒子
とSiO2ゾルを添加することにより、高温で昇華した
BN又は加熱により分解したBとSiO2ゾルとを反応
させ、生成するボロシリケートガラスで繊維の接触部を
融着する方法が記載されている。又、特公平1−552
21号公報には、アルミナ質繊維やアルミノシリケート
質繊維の表面に、B23などのホウ素化合物とシリカゾ
ルを沈着させ、加熱により上記と同様にボロシリケート
ガラスを形成させて繊維を融着する方法が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の無機質
成形体は、セラミックス繊維を主体とするため軽量では
あるが、まだ強度が十分ではなく、高温での熱収縮が起
こりやすく、ボロシリケートガラスやB23などの融点
が低いためにセッターなどとしての最高使用温度が低
く、耐高温クリープ性に劣るという欠点があった。
【0007】また、従来の無機質繊維成形体をセッター
として電子部品の焼成を行うと、セッターに含まれるボ
ロシリケートガラスやB23などが焼成部品と反応を起
こしやすいという問題があった。
【0008】本発明は、かかる従来の事情に鑑み、15
00℃の高温まで使用可能であり、加熱による膨張や収
縮が小さく、強度が高く、且つ耐高温クリープ性に優れ
た高強度無機質繊維成形体を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供する高強度無機質繊維成形体は、アル
ミナ質繊維10〜70重量%と、アルミノシリケート質
繊維5〜30重量%と、平均粒径10μm以下のAl2
3粒子10〜80重量%と、SiC粒子0.5〜10重
量%と、MgO粒子又は加熱によりMgOとなる粒子
0.1〜3重量%とが、耐熱性無機質結合剤により相互
に結合されてなる高強度無機質繊維成形体である。
【0010】かかる本発明の高強度無機質繊維成形体の
製造は、従来と同様の工程に従って行うことができる。
例えば、骨格繊維としてのアルミナ質繊維及びアルミノ
シリケート質繊維を水中に撹拌しながら分散させ、Al
23粒子、SiC粒子及びMgO粒子を加え、更にSi
2ゾルなどの耐熱性無機質結合剤を添加して混合した
後、澱粉で凝集させ、吸引成形などの手段により成形す
る。得られた高強度無機質繊維成形体は、そのままセッ
ターなどとして使用しても高温の炉内で焼結されるが、
通常はこの成形体を乾燥し、1200〜1500℃で焼
結してから使用に供する。
【0011】尚、SiC粒子の平均粒径は6μm以下、
及びMgO粒子の平均粒径は10μm以下であることが
好ましく、無機質結合剤としてはシリカゾルを用いるか
又はシリカゾルとアルミナゾルの組合せを用いることが
好ましい。また、成形体の成形方法は特に限定されない
が、好ましくは吸引濾過等により行う。
【0012】
【発明の実施の形態】骨格繊維として使用するアルミナ
質繊維は、Al23:SiO2の重量比が97〜70:
3〜30のものが好ましく、例えば英国ICI社製のサ
フィル、三菱化学(株)製のマフテックバルクファイバ
ー等がある。また、アルミノシリケート質繊維として
は、例えばイソライト工業(株)製のAl23:SiO
2の重量比が47:53の非晶質アルミノシリケートフ
ァイバー等を使用することができる。これらの骨格繊維
となるアルミナ質繊維及びアルミノシリケート質繊維の
平均直径は10μm以下であることが好ましい。
【0013】アルミナ質繊維の融点は1800℃以上で
あり、従って無機質繊維成形体の高温耐熱性と耐高温ク
リープ性はアルミナ質繊維の添加量によって大きく左右
される。このため、アルミナ質繊維の添加量は10重量
%以上とする必要があるが、70重量%を越えるとアル
ミナ質繊維同士が焼結しにくいのでもはや強度の増加は
期待できないうえ、アルミナ質繊維自体が非常に高価な
ためコストの増加につながる。よって、アルミナ質繊維
の添加量は10〜70重量%の範囲とする。
【0014】アルミノシリケート質繊維はSiO2の含
有量が多いため、耐熱性は低いが、粘性流動により焼結
しやすい特徴がある。このアルミノシリケート質繊維の
焼結により、焼結しにくいアルミナ質繊維がアルミノシ
リケート質繊維を仲介にして相互に焼結し、骨格繊維が
互いに強固に接合した構造となるため、無機質繊維成形
体の強度が向上する。従って、アルミノシリケート質繊
維の添加量は、少ないと強度の大きな増加が得られない
ので5重量%以上必要であり、逆に多すぎると無機質繊
維成形体の耐高温クリープ性が低下するので30重量%
以下とすることが望ましい。
【0015】アルミナ(Al23)粒子は平均粒径10
μm以下の易焼結性Al23粒子を使用し、特に平均粒
径が6μm以下のものが好ましい。粒子の粒径は無機質
繊維成形体の強度と耐クリープ性に大きく影響する。即
ち、Al23粒子の粒径が小さいほど、焼成時又は高温
使用時にAl23粒子同士、Al23粒子と繊維及びS
iC粒子等との間に表面拡散機構による焼結が起こり、
これらの界面に強いネックが形成される結果、高い強度
と優れた耐クリープ性が達成される。具体的には、Al
23粒子の平均粒径が10μmを越えると、上記した各
粒子との間及び繊維との間に強いネックを形成できず、
得られる無機質繊維成形体の強度と耐クリープ性が低下
する。
【0016】このように、Al23粒子の平均粒径が小
さいほど、焼結して他の粒子や繊維との間にネックを形
成しやすくなるが、簡単に入手し得るAl23粒子の平
均粒径には限界がある。そこで本発明では、Al23
子と共にMgO粒子又は加熱によりMgOに変化する粒
子を添加することにより、容易に強度の向上が達成でき
ることが判った。また、Al23粒子とMgO粒子の接
合部分を詳しく調べた結果、両者が接触部分で反応し
て、マグネシウムアルミニウムスピネル(MgAl
24)を生成していることが判明した。
【0017】この結果から、MgO粒子の添加により無
機質繊維成形体の強度が向上する理由は、生成したMg
Al24の結合効果と、Al23粒子と反応してその粒
子内に格子空孔を多量に生成し、Al23粒子同士、A
23粒子と繊維及びSiC粒子との間の焼結が促進さ
れるためと考えられる。
【0018】また、Al23粒子の添加量は10〜80
重量%の範囲とする。この添加量が10重量%未満では
焼結による強いネックの形成が十分ではなく、80重量
%を越えると相対的に骨格繊維の量が減少するので、得
られる無機質繊維成形体のかさ密度が必要以上に高くな
るうえ、無機質繊維成形体の耐スポーリング性も悪くな
るからである。MgO粒子又は加熱によりMgOとなる
粒子の添加量は、MgOに換算して0.1〜3重量%と
する。この添加量が0.1重量%未満では十分な焼結の
促進効果が得られず、3重量%を越えると焼結促進効果
がそれ以上期待できないうえ、低融点化合物を生成しや
すくなり、無機質繊維成形体の耐熱性が低下しやすいか
らである。
【0019】SiC粒子は、下記の化学式1及び化学式
2に示すように、焼成段階及び高温使用時において表面
に活性なSiO2層を生成し、このSiO2層とAl23
粒子及びアルミナ質繊維との間の反応焼結によりムライ
トを生成する:
【化1】SiC+2O2→SiO2+CO2
【化2】 2SiO2+3Al23→3Al23・2SiO2
【0020】上記のムライト形成反応によって、SiC
粒子は2つの重要な役割を果している。その1つは、S
iC粒子とAl23粒子及びAl23繊維との界面にム
ライト質の強いネックを形成し、相互に強く接合した三
次元構造をなす高強度の無機質繊維成形体を形成するこ
とである。特に上記の反応は殆ど液相を伴わず、表面あ
るいは体積拡散機構による焼結であるので、高温のクリ
ープ対してに非常に強い。しかも、界面に生成するムラ
イト質のネックの耐クリープ性は、Al23粒子同士又
はAl23粒子とAl23繊維との間で生成したアルミ
ナ質ネックよりも遥かに強いことが判明した。
【0021】SiC粒子の第2の重要な役割は、上記ム
ライト形成反応が大きな膨張を伴うため、骨格繊維の高
温での収縮を補償して、無機質繊維成形体としての高温
収縮をなくす方向に制御し得ることである。即ち、上記
化学式1による体積膨張は108%及び化学式2の体積
膨張は4.2%であるため、この大きな体積膨張により
高温における骨格繊維の収縮を補償して、体積変化を最
少に抑えることが可能となる。このため、本発明の高耐
熱性無機質繊維成形体は、焼成せずセッター等としてそ
のまま加熱炉に設置して使用しても、使用時の高温によ
る体積変化が殆どない。即ち、使用時に自然に焼成さ
れ、体積変化を起こすことなく、高強度と高い耐クリー
プ性が達成されるのである。
【0022】かかる2つの重要な役割を果すSiC粒子
の添加量は、0.5〜10重量%の範囲とし、好ましく
は1〜5重量%の範囲とする。この添加量が0.1重量
%未満では、上記ムライト形成反応によるネックの形成
と体積膨張の役割を十分に果すことができず、10重量
%を越えると過剰のSiO2を生成し、このSiO2が逆
に耐クリープ性に悪影響を与える恐れがあるからであ
る。また、SiC粒子は粒径が小さいほど上記ムライト
形成反応が起こりやすくなるので、その平均粒径は6μ
m以下が好ましく、1μm以下が更に好ましい。
【0023】以上説明したように、本発明においては、
易焼結性のアルミノシリケート質繊維が高耐熱性のアル
ミナ質繊維と焼結して強固な三次元の骨格構造を形成す
ると共に、Al23粒子とMgO粒子とSiC粒子が相
互に又はアルミナ質繊維やアルミノシリケート質繊維と
焼結し、例えば繊維−粒子−繊維のように架橋して三次
元骨格構造を更に強化する。その結果、本発明によれ
ば、1500℃まで使用可能であり、高温収縮などの体
積変化が非常に少ないうえ、高強度であって、耐高温ク
リープ性にも優れた軽量の無機質繊維成形体を得ること
ができる。
【0024】
【実施例】実施例1 アルミナ質繊維としてICI社製のサフィルHA(Al
23:97重量%、SiO2:3重量%、平均直径3μ
m)、アルミノシリケート質繊維としてイソライト工業
(株)製のカオウール(Al23:SiO2重量比=4
7:53、平均直径2.8μm)、Al23粒子(住友
化学工業(株)製)、SiC粒子(昭和電工(株)製の
Green Silicon Carbide)、及びMgO粒子(和光ケミ
カル(株)製、平均粒径2μm)を下記表1に示す割合
で8リットルの水に混合し、撹拌してスラリーを得た。
【0025】尚、Al23粒子とSiC粒子の平均粒径
は、表1に示すように変化させた。又、SiO2ゾル
(日産化学(株)製のST−40、SiO2含有率40
重量%)は、上記各成分の合計に対して外割りで7重量
%添加した。比較例の試料8においては、平均粒径10
μmのBN粒子を3重量%混合した。
【0026】
【表1】 Al2O3繊維 Al2O3−SiO2 Al2O3粒子 SiC粒子 MgO粒子試料 (wt%) 繊維(wt%) (wt%) (μm) (wt%) (μm) (wt%) 1 40 5 52 0.5 2.5 0.1 0.5 2 30 30 38.8 1 1 0.5 0.2 3 40 5 49.45 5 5 1 0.05 4 40 5 44 0.5 10 1 1 5* 40 5 52 40 2.5 0.5 0.5 6* 5 40 49 0.5 5 30 1 7* 40 5 54.9 5 − − 0.1 8* 20 77 − − − − BN 3 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0027】上記ごとく得られた各スラリーに、固形分
2%の澱粉水溶液を加えて凝集させ、真空吸引により成
形し、厚さ20mmの板状成形体を得た。各成形体を1
20℃で乾燥し、12500℃で2時間焼成してそれぞ
れ無機質繊維成形体を製造した。
【0028】得られた無機質繊維成形体のうち、本発明
例の試料1の電子顕微鏡写真(1000倍)を図1に、
比較例の試料8の電子顕微鏡写真(1000倍)を図2
に示した。図2の比較例の無機質繊維成形体では、BN
粒子がアルミノシリケート繊維やSiO2ゾルと反応
し、ボロシリケートガラスを生成して融着した三次元構
造を有している。これに対して本発明例の図1の試料1
では、Al23粒子とSiC粒子がアルミナ繊維やアル
ミノシリケート繊維と焼結により結合して、相互に三次
元構造を形成していることが判った。
【0029】次に、各無機質繊維成形体から、それぞれ
強度測定用として120×50×5mmの試験片とクリ
ープ測定用の120×20×5mmの試験片を加工し、
下記表2に示す曲げ強度及び耐クリープ性(1400℃
×24時間及び1500℃×24時間加熱後)を測定
し、その結果を表2に示した。尚、耐クリープ性は、図
3に示すように、上記長さ120mm×幅20mmの試
験片1の両端を長さ10mm×幅20mm×高さ15m
mの保持台2に保持し、試験片1の中央に20gの荷重
3を付加した時の試験片1の表面のたわみ量Sを測定
し、この値Sで耐クリープ性を評価した。
【0030】又、各試料について、かさ密度を測定する
と共に、1400℃×24時間及び1500℃×24時
間の加熱による線変化率を測定し、その結果を膨張は+
及び収縮は−として表2に併せて表示した。
【0031】
【表2】 かさ密度 曲げ強度 耐クリーフ゜性S(mm) 線 変 化 率 試料 (g/cm3) (kg/cm3) 1400℃ 1500℃ 1400℃ 1500℃ 1a 0.5 70 0 0 0 −0.1 1b 0.8 150 0 0 0 +0.1 2a 0.5 75 0 0.1 0 −0.10 2b 0.8 145 0 0.1 0 +0.2 3 0.8 140 0 0 0 0 4 0.8 130 0 0 0 +0.2 5* 0.5 25 0.5 2.0 +0.10 +1.0 6* 0.8 45 2.0 7.5 +0.2 −2.0 7* 0.8 80 1.0 3.0 −0.2 −1.5 8* 0.5 80 3.0 8.5 +0.1 −0.5 (注)表中の*を付した試料は比較例である。
【0032】本発明の試料1〜4は、1250℃×2時
間の加熱焼成された後の試料の曲げ強度が、かさ密度
0.5g/cm3の場合で70kg/cm2以上、かさ密
度0.8g/cm3の場合で130kg/cm2と非常に
高く、加熱による線変化率も非常に小さく、特に高温で
の耐クリープ性に優れていることが判る。
【0033】一方、比較例においては、試料5は平均粒
径が大きなAl23粒子を使用しているため焼結性が悪
く、各粒子間や繊維との間に十分なネックが形成され
ず、曲げ強度が極めて小さい。試料6はAl23質繊維
の量が少ないため高温での耐クリープ性が劣り、試料7
はSiC粒子を添加していないため高温で大きな収縮が
起こり、この収縮が耐クリープ性にも悪影響を与えてい
る。試料8はBN粒子のみを添加した例であり、これが
繊維やSiO2ゾルと反応してボロシリケートガラスを
形成するため、高い強度が得られる反面、ボロシリケー
トガラスの耐熱性が非常に低いため、高温での耐クリー
プ性が極めて劣化していることが判る。
【0034】実施例2 アルミナ質繊維サフィルHA(Al23:97重量%、
SiO2:3重量%、平均直径3μm)40重量%と、
アルミノシリケート質繊維カオウール(イソライト工業
(株)製、Al23:SiO2重量比=47:53、平
均直径2.8μm)15重量%と、SiC粒子(昭和電
工(株)製、平均粒径1μm)2重量%と、MgO粒子
(和光ケミカル(株)製、平均粒径1μm)0.5重量
%に、平均粒径を変化させたAl23粒子(住友化学工
業(株)製)42.5重量%を添加し、これにSiO2
有量40重量%のSiO2ゾル7重量%を加えて8リッ
トルの水に混合し、撹拌してスラリーを得た。
【0035】このスラリーに凝集剤として固形分2%の
澱粉水溶液を加えて凝集させ、吸引成形した板状成形体
を1300℃で2時間焼成して、それぞれ無機質繊維成
形体を製造した。得られた各無機質繊維成形体につい
て、実施例1と同様の強度測定用の試験片を作製し、曲
げ強度を測定した結果を図5に示した。図5から、Al
23粒子の平均粒径が10μm以下において、無機質繊
維成形体の曲げ強度の向上が著しいことが判る。
【0036】実施例3 アルミナ質繊維サフィルHA(Al23:97重量%、
SiO2:3重量%、平均直径3μm)40重量%と、
アルミノシリケート質繊維カオウール(イソライト工業
(株)製、Al23:SiO2重量比=47:53、平
均直径2.8μm)10重量%と、SiO2含有率40重
量%のシリカゾル7重量%に、平均粒径が共に1μmの
Al23粒子、SiC粒子、MgO粒子を全体が100
重量%となるように調整し、これを8リットルの水に入
れ、数分間撹拌してスラリーを形成した。このスラリー
に凝集剤として固形分2%の澱粉水溶液を加えて凝集さ
せ、吸引成形した板状成形体を1300℃で2時間焼成
して、それぞれ無機質繊維成形体を製造した。
【0037】得られた各無機質繊維成形体について、実
施例1と同様に作製した試験片を用いて1500℃×2
4時間の加熱における耐クリープ性、及び1500℃×
24時間の加熱による線変化率をそれぞれ測定し、得ら
れた耐クリープ性及び線変化率とSiC粒子の添加量の
関係を図6に示した。この図6のグラフから、SiC粒
子の添加量が0.5〜10重量%の範囲において、耐ク
リープ性及び線変化率が共に満足すべき値となることが
分かる。
【0038】実施例4 アルミナ質繊維サフィルHA(Al23:97重量%、
SiO2:3重量%、平均直径3μm)40重量%と、
平均粒径が1μmのSiC粒子2重量%と、共SiO2
含有率40重量%のシリカゾル7重量%に、アルミノシ
リケート質繊維カオウール(イソライト工業(株)製、
Al23:SiO2重量比=47:53、平均直径2.8
μm)と、平均粒径が共に1μmのAl23粒子及びM
gO粒子を全体が100重量%となるように調整し、こ
れを8リットルの水に入れ、数分間撹拌してスラリーを
形成した。このスラリーに凝集剤として固形分2%の澱
粉水溶液を加えて凝集させ、吸引成形した板状成形体を
1300℃で2時間焼成して、それぞれ無機質繊維成形
体を製造した。
【0039】得られた各無機質繊維成形体について、実
施例1と同様に作製した試験片を用いて1500℃×2
4時間の加熱における耐クリープ性を測定し、得られた
アルミノシリケート質繊維の添加量と耐クリープ性の関
係にいて図7に示した。この図7のグラフから、アルミ
ノシリケート質繊維の添加量が5〜30重量%の範囲に
おいて、耐クリープ性が満足すべき値となることが分か
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、1500℃の高温まで
使用可能であって、加熱による膨張や収縮が極めて小さ
いだけでなく、焼成時又は使用時の高温により焼成され
て極めて高い強度と優れた高温耐クリープ性が得られる
高強度無機質繊維成形体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す1000倍の顕微鏡写真である。
【図2】比較例の焼成した無機質繊維成形体の組織形状
を示す1000倍の顕微鏡写真である。
【図3】各実施例における無機質繊維成形体の耐クリー
プ性の測定方法を示す概略の説明図である。
【図4】各実施例における無機質繊維成形体の耐クリー
プ性の測定状態を示す概略の説明図である。
【図5】実施例2で得られた無機質繊維成形体における
Al23粒子の平均粒径と曲げ強度との関係を示すグラ
フである。
【図6】実施例3で得られた無機質繊維成形体における
SiC粒子の添加量と耐クリープ性及び線変化率との関
係を示すグラフである。
【図7】実施例4で得られた無機質繊維成形体における
アルミノシリケート質繊維の添加量と耐クリープ性との
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験片 2 保持台 3 荷重

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ質繊維10〜70重量%と、ア
    ルミノシリケート質繊維5〜30重量%と、平均粒径1
    0μm以下のAl23粒子10〜80重量%と、SiC
    粒子0.5〜10重量%と、MgO粒子又は加熱により
    MgOとなる粒子0.1〜3重量%とが、耐熱性無機質
    結合剤により相互に結合されてなる高強度無機質繊維成
    形体。
  2. 【請求項2】 SiC粒子の平均粒径が6μm以下、及
    びMgO粒子の平均粒径が10μm以下であることを特
    徴とする、請求項1に記載の高強度無機質繊維成形体。
  3. 【請求項3】 耐熱性無機質結合剤がシリカゾル又はシ
    リカゾルとアルミナゾルの組合せであることを特徴とす
    る、請求項1又は2に記載の高強度無機質繊維成形体。
  4. 【請求項4】 請求項1の高強度無機質繊維成形体が更
    に焼成されたことを特徴とする高強度無機質繊維成形
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008162852A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Nichias Corp 無機繊維質成形体、無機繊維質焼成体、不定形無機繊維質組成物及び不定形無機繊維質焼成体
CN116568982A (zh) * 2020-11-24 2023-08-08 霓佳斯株式会社 无机质成形体

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