JPH09227149A - テーパ型光ファイバの製造方法 - Google Patents

テーパ型光ファイバの製造方法

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JPH09227149A
JPH09227149A JP8040877A JP4087796A JPH09227149A JP H09227149 A JPH09227149 A JP H09227149A JP 8040877 A JP8040877 A JP 8040877A JP 4087796 A JP4087796 A JP 4087796A JP H09227149 A JPH09227149 A JP H09227149A
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JP
Japan
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optical fiber
speed
base material
diameter
set value
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JP8040877A
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English (en)
Inventor
Toshihisa Sasaki
俊央 佐々木
Yoshio Shimoyama
義夫 下山
Masatoshi Tanaka
正俊 田中
Toshikazu Omae
俊和 御前
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/02Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor
    • C03B37/025Manufacture of glass fibres or filaments by drawing or extruding, e.g. direct drawing of molten glass from nozzles; Cooling fins therefor from reheated softened tubes, rods, fibres or filaments, e.g. drawing fibres from preforms
    • C03B37/0253Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/02External structure or shape details
    • C03B2203/06Axial perturbations, e.g. twist, by torsion, undulating, crimped
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/10Internal structure or shape details
    • C03B2203/18Axial perturbations, e.g. in refractive index or composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2203/00Fibre product details, e.g. structure, shape
    • C03B2203/36Dispersion modified fibres, e.g. wavelength or polarisation shifted, flattened or compensating fibres (DSF, DFF, DCF)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2205/00Fibre drawing or extruding details
    • C03B2205/40Monitoring or regulating the draw tension or draw rate

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア径及びクラッド径がC/C一定という関
係を維持して共に長手方向に対しテーパ状に変化する第
2形態のテーパ型光ファイバを確実にかつ容易に得る。 【解決手段】 コア径及びクラッド径が共に長手方向に
わたり一定にされた線引用母材を用いて線引工程を行
う。線引工程で、所定の母材送り速度V0 を維持して一
定速度で母材を送りながら、線引速度(線速)Sを第1
設定値S1 から第2設定値S2 へ増速側に変更し、S2
を維持した遷移区間C2 を経た後、逆にS2からS1 へ
と減速側に変更する。S1 を維持した遷移区間C1 を経
た後、再びS2 への増速側変更を繰り返す。増速側及び
減速側への変更は、テーパ型光ファイバの必要条長に対
応する長さのテーパ化区間Tにおいて、線引速度Sが徐
々に連続して変化するように行う。逆に、線引速度を一
定に保ち続け、母材送り速度を増減変更させてもよい。
速度がゼロの状態から増速、または、所定速度からゼロ
に減速してもよい。線引工程と同時に、テーパ部分Ft
の両端位置に自動的にマーキングする、または、テーパ
部分Ft を両端位置で自動切断してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア径及び母材外
径が共に長手方向にわたり略同一の光ファイバ用母材か
ら、コア径及び光ファイバ外径が共に長手方向にわたり
徐々に変化するような後述の第2の形態に属するテーパ
型光ファイバの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ところで、「テーパ型光ファイバ」とい
う用語において、その形態及び用途等について明確な定
義は確立していないが、その形態だけについて分類する
と種々のものが考えられる。例えば、第1の形態とし
て、図1に示すように光ファイバ外径D1 が長手方向に
わたり略同一でかつコア径のみが長手方向に徐々にd1
からd2 へと変化してコアのみが長手方向に対しテーパ
状になっている光ファイバ、第2の形態として、図2に
示すように光ファイバ外径及びコア径が共に長手方向に
D1 からD2 及びd1 からd2 へと徐々に変化してコア
及びクラッドが共に長手方向に対しテーパ状になってい
る光ファイバ、また、第3の形態として、図3に示すよ
うにコア径d1 が長手方向にわたり略同一でかつ光ファ
イバ外径のみが長手方向にわたりD1 からD3 へと徐々
に変化してクラッドのみが長手方向に対しテーパ状にな
っている光ファイバ等の種々のものが考えられる。すな
わち、長手方向に対し、第1形態のテーパ型光ファイバ
は光ファイバ外径が一定でテーパ状コアを有する光ファ
イバであり、第2形態のテーパ型光ファイバはコア径と
クラッド径との比率(C/C)が一定で全体がテーパ状
の光ファイバであり、第3形態のテーパ型光ファイバは
コア径が一定でクラッドがテーパ状の光ファイバであ
る。
【0003】そして、上記第1の形態のテーパ型光ファ
イバについての製造方法としては、特開平6−3215
68号公報により提案されたものが知られている。この
ものの原理は、図4に示すように、比較的肉厚のクラッ
ドを有しコア径及びクラッド径が共に長手方向にわたり
一定の第1の母材aを作成し、この第1の母材aのクラ
ッドの外表面を切削してクラッド径が長手方向に徐々に
変化する略台錘形のテーパ形状の第2の母材bを作成す
る。次に、この第2の母材bの大径側部分等を加熱しな
がら延伸して細径化し母材外径が長手方向にわたり一定
にされた第3の母材cを作成する。そして、この第3の
母材cを線引用母材として用いて線引炉により線引する
ことにより、光ファイバ外径が長手方向にわたり一定で
かつコア径が長手方向に対し徐々に変化するテーパ状コ
アを有する図1に示す光ファイバを得るというものであ
る。この場合における線引は、従来と同様に線引速度を
上記光ファイバ外径の応じた一定値に固定し、かつ、こ
の一定線引速度により減少する体積分を補償して線引炉
内における母材の溶融部位置が所定位置になるように一
定の母材送り速度で上記第3の母材cを線引側に送るも
のである。
【0004】また、このような形態の第1の形態のテー
パ型光ファイバ、すなわち、光ファイバ外径が一定でテ
ーパ状コアを有する光ファイバの用途としては、光ファ
イバ外径は同じであるがコア径が互いに異なる2本の光
ファイバ、例えばマルチモード光ファイバとシングルモ
ード光ファイバとを互いに接続する場合に、その両光フ
ァイバ間に上記第1形態のテーパ型光ファイバを介在さ
せることにより上記の接続を可能にするという用途が提
案されている。
【0005】一方、上記第2の形態のテーパ型光ファイ
バ(図2参照)の製造方法としては、これを工業的に製
造する目的での製造方法は従来知られておらず、単に、
通常の光ファイバの線引工程の開始時もしくは終了時に
得られる線引先端部分もしくは線引末端部分であって、
本来は廃棄処分とされる不均一径の光ファイバ部分にお
いて、コア径及びクラッド径が共に長手方向に対し不均
一となる形態のものが得られるにすぎない。そして、上
記の第2形態のテーパ型光ファイバが実用上使用可能に
なれば、例えば、一端から入射する大パルスレーザ光の
入射効率を増大させて入射効率の改善を図るため、ある
いは、分散値を長手方向で制御して伝送パルスの圧縮を
行う等の用途に供することによりそれぞれの要求を満足
させることが可能になると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の線引
先端部分もしくは線引末端部分として得られる光ファイ
バ部分は、その両端のコア径及びクラッド径が不揃い
で、かつ、途中の形態が不均一であり、上記光ファイバ
部分を上記の用途に対し実用に供することはできないも
のである。このため、確実に所定値のコア径及びクラッ
ド径を有する一端から、それらよりも大きいもしくは小
さい所定値のコア径及びクラッド径を有する他端までC
/Cを一定に維持した状態で徐々に変化するという上記
第2形態のテーパ型光ファイバを製造するための製造方
法の出現が要請されている。
【0007】一方、上記の第2形態のテーパ型光ファイ
バを製造するために、上記第1形態のテーパ型光ファイ
バの製造方法における第2の母材b(図4参照)を線引
用母材として用い、従来法と同様に線引速度及び母材送
り速度をそれぞれ所定値で一定にして線引を行うことが
考えられる。しかし、この場合、線引用母材を作成する
ために、通常の母材よりもかなり肉厚のクラッドを有す
る第1の母材aを作成した上で、この第1の母材aのク
ラッドを切削加工して台錘形状の第2の母材bを作成す
るというそれぞれ手間のかかる2段階の工程を必要とす
る。その上、得られる光ファイバは、その外径は上記第
2の母材bの外形状に対応して長手方向に徐々に変化す
るテーパ状になるもののコア径は長手方向に略同一のも
のとなってしまい、コア径自体も長手方向に対し徐々に
変化するという第2形態のテーパ型光ファイバを得るこ
とはできない。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、上述の第2形
態のテーパ型光ファイバを確実にかつ容易に得ることが
できる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、コアとクラッドとを有する
光ファイバ用母材を作成する母材作成工程と、上記母材
の先端を溶融させながら線引して光ファイバを得る線引
工程とを備えたものを前提とする。このものにおいて、
上記線引工程で、コア径及び母材外径が共に長手方向に
わたり略同じに作成された母材を用いて線引を行い、か
つ、上記光ファイバの線引速度と、母材の母材送り速度
との間の速度差を線引の進行途中で相対的に増減変更さ
せながら線引を行うようにする構成とするものである。
【0010】上記の構成の場合、線引速度と母材送り速
度との間の速度差が線引加工の進行途上で相対的に増減
変更されるため、その増減変更に従い線引用母材のコア
及びクラッドの各径の線引に伴う細径化度合いが長手方
向に変化され、これにより、上記増減変更に応じて上記
コア径及びクラッド径が共に長手方向に対し変化するも
ののC/Cが一定という関係を維持して全体がテーパ状
の第2形態のテーパ型光ファイバが得られる。しかも、
コア径及びクラッド径が長手方向にわたり一定という通
常の母材を用いて線引することができるため、特殊形状
の母材を作成する必要がなく、上記第2形態のテーパ型
光ファイバの製造を容易に行うことが可能になる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、線引工程における光ファイバの線引速度
と、母材の母材送り速度との内のいずれか一方を一定に
しつつ、他方を増減変更させるようにするものである。
【0012】上記の構成の場合、請求項1記載の発明に
おける速度差の相対変更が線引速度と母材送り速度との
内の一方を一定にしつつ、他方を増減変更することによ
り行われるため、上記の速度差の相対変更制御を容易か
つ確実に行うことが可能になる。この結果、確実に所定
寸法の第2形態のテーパ型光ファイバを容易に得ること
が可能になる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、光ファイバの線引速度を一定にする一方、
母材の母材送り速度を増減変更させるようにするもので
ある。
【0014】上記の構成の場合、請求項2記載の発明の
増減変更の具体的な態様が特定される。そして、増減変
更する速度が母材送り速度であり、この母材送り速度が
線引速度に比べかなり小さいため、その増減変更による
影響、すなわち、増減変更を行う直前・直後における線
引される光ファイバの外径変動を比較的小さく抑えるこ
とが可能になる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の発
明において、母材の送り速度を第1設定値と第2設定値
との相互間で一気に増減変更させるようにするものであ
る。
【0016】上記の構成の場合、母材送り速度を例えば
第1設定値から第2設定値に増減変更すると、第1設定
値が第2設定値より高速である場合、母材送り速度が低
速側に変更されるため母材と線引される光ファイバとの
境界点である溶融部の位置が母材側に後退することにな
る。この際、上記の増減変更が一気に行われても、上記
溶融部位置の後退は瞬間的に行われるのではなく、タイ
ムラグを伴ってある一定の時間範囲で経時的に行われる
ため、この経時的に行われる溶融部位置の後退により、
母材のコア及びクラッドの細径化度合が長手方向に変化
して、第2形態のテーパ型光ファイバが得られる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項3記載の発
明において、母材の送り速度を第1設定値と第2設定値
との間で徐々に増減変更させるようにするものである。
【0018】上記の構成の場合、母材送り速度を例えば
高速側の第1設定値から低速側の第2設定値に増減変更
すると、母材と線引される光ファイバとの境界点である
溶融部の位置が母材側に後退することになる。この際、
上記の増減変更が徐々に行われるため、上記溶融部位置
の後退が徐々に行われ、この後退が行われる間において
母材のコア及びクラッドの細径化度合が長手方向に変化
して、第2形態のテーパ型光ファイバが得られる。従っ
て、この場合には、請求項4記載の発明の場合よりも長
い条長のテーパ型光ファイバが得られ、また、第1設定
値から第2設定値まで増減変更する時間間隔が長い程、
長い条長のものが得られる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項4または請
求項5記載の発明において、第1設定値または第2設定
値のいずれか一方がゼロ値とするものである。
【0020】上記の構成の場合、線引速度を一定に維持
した状態で、母材送り速度が所定値からゼロ値に変更、
すなわち、母材送りが一時停止される、もしくは、母材
が一時停止状態から所定値の母材送り速度で送られるよ
う変更される、または、母材送り速度を一定に維持した
状態で、線引速度が所定値からゼロ値に変更、すなわ
ち、線引が一時停止される、もしくは、一時停止状態か
ら所定値の線引速度で線引されるよう変更される。この
場合、増減変更する第1設定値と第2設定値とのいずれ
か一方がゼロ値であるため、その変更制御が容易に可能
となる。
【0021】請求項7記載の発明は、請求項2記載の発
明において、母材の母材送り速度を一定にする一方、光
ファイバの線引速度を増減変更させるようにするもので
ある。
【0022】上記の構成の場合、請求項2記載の発明の
増減変更の具体的な態様が特定される。そして、増減変
更する速度が線引速度であり、この線引速度が母材送り
速度より相対的に高速であるため、その増減変更範囲が
母材送り速度を増減変更する場合と比べ広いものとな
る。このため、増減変更により細径化度合を変化させ得
る長手方向範囲、すなわち、テーパ型光ファイバの条長
として上記の母材送り速度を増減変更する場合と比べ長
いものが得られる上、その条長の調整も容易なものとな
る。
【0023】請求項8記載の発明は、請求項7記載の発
明において、線引速度を第1設定値と第2設定値との相
互間で一気に増減変更させるようにするものである。
【0024】上記の構成の場合、線引速度を例えば第1
設定値から第2設定値に一気に増減変更すると、線引さ
れている光ファイバから母材の溶融部に作用する引張力
も急激に変更され、これにより、上記溶融部における溶
融形状が上記増減変更前のそれから急激に変化すること
になる。この溶融形状の変化の過程における母材から光
ファイバへの細径化度合の急激な変化によって、比較的
急勾配のテーパ型光ファイバを得ることが可能になる。
【0025】請求項9記載の発明は、請求項7記載の発
明において、線引速度を第1設定値と第2設定値との間
で徐々に増減変更させるようにするものである。
【0026】上記の構成の場合、線引速度を例えば第1
設定値から第2設定値に徐々に増減変更すると、上記溶
融部に作用する引張力も徐々に変更されるため、その溶
融部における溶融形状の変化に伴う母材から光ファイバ
への細径化度合の変化も徐々に生じ、これにより、比較
的緩勾配のテーパ型光ファイバを得ることが可能になる
上、その勾配の調節が上記増減変更の変更速度の調節に
より可能になる。
【0027】請求項10記載の発明は、請求項2記載の
発明において、線引速度と母材送り速度とを、線引され
る光ファイバの体積と、線引により母材が減少する母材
の体積減少分とが互いに等しくなるように設定するもの
である。
【0028】上記の構成の場合、線引速度と母材送り速
度との関係が、増減変更前においても、増減変更後にお
いても、光ファイバとして線引される体積と、線引によ
り母材から取り去られる体積減少分とが互いに等しくな
るように設定されるため、溶融部位置を一定に保った状
態で能率よく連続してテーパ型光ファイバの製造が可能
になる。しかも、増減変更による母材から光ファイバへ
の細径化度合の変更を確実に所定のものとすることが可
能になり、所定のコア径及びクラッド径の一端からその
一端とは異なる大または小の所定のコア径及びクラッド
径の他端まで、上記コア径及びクラッド径が所定条長範
囲で連続的に変化するテーパ型光ファイバを得ることが
可能になる。
【0029】請求項11記載の発明は、均一な材質の光
ファイバ用母材を作成する母材作成工程と、上記母材の
先端を溶融させながら線引して光ファイバを得る線引工
程とを備えたものを前提とする。このものにおいて、上
記線引工程で、母材外径が長手方向にわたり略同じに作
成された母材を用いて線引を行い、かつ、上記光ファイ
バの線引速度と、母材の母材送り速度との間の速度差を
線引の進行途中で相対的に増減変更させながら線引を行
うようにするする構成とするものである。
【0030】上記の構成の場合、請求項1記載の発明の
如くコア及びクラッドからなる光ファイバではなく均一
材質を有し、かつ、その外径が長手方向に連続的に変化
するような形態のテーパ型光ファイバを確実に製造する
ことが可能になる。
【0031】また、請求項12記載の発明は、請求項1
または請求項11において、進行途中に光ファイバの線
径を検出する線径検出手段と、進行途中に光ファイバの
外面にマーキングを付与するマーキング手段とを用い、
線引工程を進行させながら光ファイバの線径を線径検出
手段により検出し、検出された光ファイバの線径が所定
の線径値である時、その所定の線径値が検出された光フ
ァイバ位置に上記マーキング手段によりマーキングする
マーキング工程を上記線引工程と同時に行うようにする
ものである。
【0032】上記の構成の場合、線引されている途中の
光ファイバに対し所望の線径値の光ファイバ位置にマー
キングすることが可能になる。このため、必要とするテ
ーパ型光ファイバの両端の各線径値に基づいて、その各
線径値の光ファイバ位置に線引工程と同時に自動的にマ
ーキングすることが可能になり、線引工程の後にマーキ
ングされた光ファイバ位置で切断することにより、線引
工程後に光ファイバの線径を測定してテーパ型光ファイ
バ部分を特定するという作業が省略され、必要とするテ
ーパ型光ファイバが容易に得られることになる。
【0033】さらに、請求項13記載の発明は、請求項
1または請求項11において、進行途中に光ファイバの
線径を検出する線径検出手段と、進行途中に光ファイバ
を切断処理する切断手段とを用い、線引工程を進行させ
ながら光ファイバの線径を線径検出手段により検出し、
検出された光ファイバの線径が所定の線径値である時、
その所定の線径値が検出された光ファイバ位置で光ファ
イバを上記切断手段により切断処理する切断工程を上記
線引工程と同時に行うようにするものである。
【0034】上記の構成の場合、線引されている途中の
光ファイバを所望の線径値の光ファイバ位置で切断処理
することが可能になる。このため、必要とするテーパ型
光ファイバの両端の各線径値に基づいて、その各線径値
の光ファイバ位置で線引工程を行いつつ自動的に切断処
理することが可能になり、線引工程後に光ファイバの線
径を測定してテーパ型光ファイバ部分を特定した上でそ
のテーパ型光ファイバ部分を切断処理するという作業が
省略され、線引工程と同時に必要とするテーパ型光ファ
イバが容易に得られることになる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0036】まず、本発明の実施形態における線引工程
を実施するための装置について、図5に基づいて説明す
る。同図は光ファイバ用母材1から光ファイバ2を線引
するための一般的な装置を示し、3はヒータ4を有する
線引炉、5はダミー棒6を介して上記光ファイバ用母材
1を線引炉3の側に送る送り手段、7は光ファイバ2を
引き取るキャプスタン、8はレーザ光により光ファイバ
2の線径を検出する線径検出手段、9は上記キャプスタ
ン7の引き取り速度である線引速度と上記送り手段5に
よる母材送り速度とを制御する制御手段、10は線引さ
れた光ファイバ2の外周面を上記線径検出手段8による
線径検出後にコーティングするコーティング用ダイスで
ある。そして、上記母材1の先端部が線引炉3内に挿入
されヒータ4で加熱されることにより、その母材1の先
端が溶融して光ファイバ2に線引されるようになってい
る。
【0037】次に、上記線引工程で用いられる光ファイ
バ用母材(線引用母材)1としては、長手方向にわたり
コア径及びクラッド径が共に一定の通常の光ファイバを
線引する際に用いられる母材と同様に、コア及びクラッ
ドを有しそのコア径及びクラッド径が共に長手方向にわ
たり一定にされたものを用いる。このような光ファイバ
用母材1は従来公知のVAD法もしくはOVD法等の種
々の方法により作製すればよく、目的に応じ2層のMC
(Matched Clad)型、3層のDSC(Dual Shapped Cor
e )型等の屈折率分布形状を選択すればよい。さらに、
光ファイバ2にレーザ発振や増幅機能をもたせる場合に
は、コアとしてEr (エルビウム)、Nd (ネオジ
ム)、Tm (ツリウム)等の希土類元素をドープしたも
のを用いてもよい。
【0038】<第1実施形態>本発明のテーパ型光ファ
イバの製造方法に係る第1実施形態として、線引速度を
一定にして母材送り速度を相対的に増減変更するものを
以下に説明する。
【0039】本製造方法では、まず、上記の光ファイバ
用母材1を作成し(母材作成工程)、次に、この母材1
を送り手段5に把持させて線引炉3内に入れて線引工程
が行われる。この線引工程においては、図6に示すよう
に、所定の線引速度(線速)S0 を維持して一定速度で
線引を行いながら、母材送り速度Vを第1設定値V1か
ら第2設定値V2 へ増速側に変更し、この第2設定値V
2 を維持した遷移区間C2 を経た後、逆に第2設定値V
2 から第1設定値V1 へと減速側に変更する。そして、
この第1設定値V1 を維持した遷移区間C1 を経た後、
上記の増速側への変更を繰り返す。この際、上記の増速
側及び減速側への変更は、テーパ型光ファイバの必要条
長に対応する長さに設定したテーパ化区間Tにおいて、
母材送り速度Vが徐々に連続して変化するように行う。
【0040】このような母材送り速度Vの変更制御は制
御手段9により行われる。すなわち、製造したいテーパ
型光ファイバ部分(以下、単に「テーパ部」という。)
Ftの長さLt と、そのテーパ部Ft の一端側の光ファ
イバ外径(図6ではファイバ径と表示)D1 及び他端側
の光ファイバ外径D2 と、母材外径Rを入力設定し、次
の(1)式,(2)式の関係が成立するように第1及び
第2設定値V1 ,V2と、線引速度S0 を定める。
【0041】 V1 /V2 =(D2 /D1 )2 ……(1) S0 =(R/D1 )2 ・V1 =(R/D2 )2 ・V2 ……(2) この(1)式及び(2)式は次のようにして導かれるも
のである。すなわち、図7において、母材1から光ファ
イバ2が線引される際の母材1の溶融部10を線引炉3
(図5参照)のヒータ4に対し一定位置に位置付けるた
めには、光ファイバ2として線引される体積と、線引に
より減少する母材1の体積減少分とが同一になるように
母材送り速度Vと線引速度Sとを定めればよい。従っ
て、母材1の母材送り速度をV、母材外径をR、母材1
の断面積をAm 、光ファイバ2の線引速度をS、光ファ
イバ外径をd、光ファイバの断面積をAf とすると、 Af ・S=Am ・V となる。ここで、Af =πD2 、また、Am =πR2
あるため、 πD2 ・S=πR2 ・V であり、これを変形することにより、母材送り速度Vと
線引速度Sとの関係における必要条件として、 (V/S)=(D/R)2 ……(3) が得られる。
【0042】次に、線引速度Sを一定値S0 にして、光
ファイバ外径DをD1 からD2 に変更する場合について
検討してみると、まず、光ファイバ外径D1 の時の母材
送り速度Vの第1設定値V1 としては上記(3)式よ
り、 V1 =(D1 /R)2 ・S0 が得られ、これを変形して、 S0 =(R/D1 )2 ・V1 ……(4) が得られる。次に、光ファイバ外径D2 の時の母材送り
速度Vの第2設定値V2としては、同様に上記(3)式
より、 V2 =(D2 /R)2 ・S0 ……(5) が得られ、これに上記(4)式を代入して、 V2 =(D2 /R)2 ・(R/D1 )2 ・V1 =(D2
/D1 )2 ・V1 が得られる。従って、これを変形すると、上記の(1)
式が得られる。また、この時の線引速度S0 は、上記の
(4)式または(5)式から、上記の(2)式が得られ
る。
【0043】従って、線引速度Sを一定値S0 にして、
光ファイバ外径Dの一端がD1 、他端がD2 となるテー
パ部Ft (図2参照)を線引工程により作成するには、
テーパ化区間T(図6参照)において、母材送り速度V
を上記の(1)式及び(2)式を満足する第1設定値V
1 と第2設定値V2 との間で変更していくようにすれば
よく、例えばV1 からV2 の増速側に変更する場合には
第1設定値V1 の変更開始時点から第2設定値V2 到達
時点までに線引された光ファイバ部分により上記のテー
パ部Ft が得られる。また、線引用母材1のコア径とク
ラッド径(母材外径)とが長手方向に均一であるため、
上記の母材送り速度Vの変更により、線引されるテーパ
部Ft のクラッド径(光ファイバ外径)がD1 からD2
に徐々に変化するのみならず、コア径もd1 からd2に
徐々に変化したものになり(図2参照)、しかも、その
テーパ部Ft のコア径とクラッド径との比率も上記線引
用母材1のコア径とクラッド径との比率に対応して長手
方向にわたり一定値を維持するテーパ部Ft が得られ
る。そして、上記の場合に、第1設定値V1 を増速側に
変更して第2設定値V2 に到達させるまでの時間と、線
引速度S0 とに基づいて、テーパ部Ft の長さLt が定
まるため、上記時間の調整によりテーパ部Ftとして所
望の長さLt のものが得られる。つまり、コア径及びク
ラッド径の変化率として所望の変化率を有するテーパ部
Ft を得ることができる。そして、このテーパ部Ft ,
Ft ,…を線引された光ファイバからそれぞれ切断する
ことにより、必要な変化率でコア径及びクラッド径が共
に変化する第2形態のテーパ型光ファイバを得ることが
できる。
【0044】従って、本実施形態では線引用母材として
特殊な形態の母材を作成することなく、従来と同様のコ
ア径及びクラッド径が長手方向に一定の母材を線引用母
材として用いて線引することができ、上記特殊な形態の
母材(例えば従来の製造方法における第2の母材)を作
成するための切削工程やそれを線引用母材(同じく第3
の母材)にするための延伸工程等を省略することができ
る。そして、第2形態のテーパ型光ファイバを連続的に
製造することができ、第2形態のテーパ型光ファイバの
製造方法として工業的にかつ効率的に実施することがで
きるものを提供することができる。しかも、母材送り速
度の第1及び第2設定値の設定と、その速度変更の速度
変化率の設定との調整により、得られるテーパ部の径及
び条長を任意に調整することができ、確実に必要とする
径及び条長のテーパ型光ファイバを得ることができる。
【0045】なお、上記遷移区間C1 では母材送り速度
Vが第1設定値V1 に、線引速度SがS0 にそれぞれ一
定に維持されるため、線引される光ファイバ部分も一定
外径D1 のものが得られ、一方、上記遷移区間C2 では
母材送り速度Vが第2設定値V2 に線引速度SがS0 に
それぞれ一定に維持されるため、線引される光ファイバ
部分も一定外径D2 のものが得られる。
【0046】<第2実施形態>第2実施形態として、母
材送り速度を一定にして線引速度を相対的に増減変更す
るものを以下に説明する。
【0047】本第2実施形態の製造方法では、まず、上
記の母材作成工程を行うことにより線引用母材1を作成
し、次に、この母材1を送り手段5に把持させて線引炉
3内に入れて線引工程を行う。この線引工程において
は、図8に示すように、所定の母材送り速度V0 を維持
して一定速度で母材1を送りながら、線引速度(線速)
Sを第1設定値S1 から第2設定値S2 へ増速側に変更
し、この第2設定値S2を維持した遷移区間C2 を経た
後、逆に第2設定値S2 から第1設定値S1 へと減速側
に変更する。そして、この第1設定値S1 を維持した遷
移区間C1 を経た後、上記の増速側への変更を繰り返
す。この際、上記の増速側及び減速側への変更は、テー
パ型光ファイバの必要条長に対応する長さのテーパ化区
間Tにおいて、線引速度Sが徐々に連続して変化するよ
うに行う。
【0048】このような線引速度Sの変更制御は第1実
施形態と同様に制御手段9により行えばよい。すなわ
ち、製造したいテーパ部Ft の長さLt と、そのテーパ
部Ftの一端側の光ファイバ外径(図8ではファイバ径
と表示)D1 及び他端側の光ファイバ外径D2 と、母材
外径Rを入力設定し、次の(6)式,(7)式の関係が
成立するように線引速度Sとしての第1及び第2設定値
S1 ,S2 と、母材送り速度V0 とを定める。
【0049】 S1 /S2 =(D1 /D2 )2 ……(6) V0 =(D1 /R)2 ・S1 =(D2 /R)2 ・S2 ……(7) この(6)式及び(7)式は次のようにして導かれるも
のである。すなわち、光ファイバ外径D1 の時の線引速
度Sの第1設定値S1 としては第1実施形態において説
明した(3)式より、 S1 =(R/D1 )2 ・V0 が得られ、これを変形して、 V0 =(D1 /R)2 ・S1 ……(8) が得られる。次に、光ファイバ外径D2 の時の線引速度
Sの第2設定値S2 としては、同様に上記の(3)式よ
り、 S2 =(R/D2 )2 ・V0 ……(9) が得られ、これに上記(8)式を代入して、 S2 =(R/D2 )2 ・(D1 /R)2 ・S1 =(D1
/D2 )2 ・S1 が得られる。従って、これを変形すると、上記の(6)
式が得られる。
【0050】また、この時の母材送り速度V0 として
は、上記の(8)式または(9)式から、上記の(7)
式が得られる。
【0051】従って、母材送り速度Vを一定値V0 にし
て、光ファイバ外径Dの一端がD1、他端がD2 となる
テーパ部Ft (図2参照)を線引工程により作成するに
は、テーパ化区間T(図8参照)において、線引速度S
を上記の(6)式及び(7)式を満足する第1設定値S
1 と第2設定値S2 との間で変更していくようにすれば
よく、例えばS1 からS2 の増速側に変更する場合には
第1設定値S1 の変更開始時点から第2設定値S2 到達
時点までに線引された光ファイバ部分により上記のテー
パ部Ft が得られる。また、この第2実施形態において
も、線引用母材1のコア径とクラッド径(母材外径)と
が長手方向に均一であるため、上記の線引速度Sの変更
により、線引されるテーパ部Ft のクラッド径(光ファ
イバ外径)がD1 からD2 に徐々に変化するのみなら
ず、コア径もd1 からd2に徐々に変化したものになり
(図2参照)、しかも、そのテーパ部Ft のコア径とク
ラッド径との比率も上記線引用母材1のコア径とクラッ
ド径との比率に対応して長手方向にわたり一定値を維持
するテーパ部Ft が得られる。そして、上記の場合に、
第1設定値S1 を増速側に変更して第2設定値S2 に到
達させるまでの時間と、母材送り速度V0 とに基づい
て、テーパ部Ft の長さLt が定まるため、上記時間の
調整によりテーパ部Ft として所望の長さLt のものが
得られる。つまり、コア径及びクラッド径の変化率とし
て所望の変化率を有するテーパ部Ft を得ることができ
る。そして、このテーパ部Ft を線引された光ファイバ
から切断することにより、必要な変化率でコア径及びク
ラッド径が共に変化する第2形態のテーパ型光ファイバ
を得ることができる。
【0052】従って、本第2実施形態においても、第1
実施形態と同様に、線引用母材として特殊な形態の母材
を作成することなく、従来と同様のコア径及びクラッド
径が長手方向に一定の母材を線引用母材として用いて線
引することにより第2形態のテーパ型光ファイバを工業
的にかつ効率的に製造することができ、しかも、線引速
度の第1及び第2設定値S1 ,S2 の各設定と、その速
度変更の速度変化率の設定との調整により、得られるテ
ーパ部の径及び条長を任意に調整することができ、確実
に必要とする径及び条長のテーパ型光ファイバを得るこ
とができる。
【0053】なお、上記遷移区間C1 では線引速度Sが
第1設定値S1 に、母材送り速度VがV0 にそれぞれ一
定に維持されるため、線引される光ファイバ部分も一定
外径D2 のものが得られ、一方、上記遷移区間C2 では
線引速度Sが第2設定値S2に母材送り速度VがV0 に
それぞれ一定に維持されるため、線引される光ファイバ
部分も一定外径D1 のものが得られる。
【0054】<第3実施形態>本第3実施形態は、上記
の第1実施形態もしくは第2実施形態において、線引工
程と同時にマーキング工程を行うようにしたものであ
る。
【0055】この第3実施形態の場合、図5に示すよう
に、ダイス10よりも下流の所定位置、すなわち、コー
ティング済みの光ファイバ2′に沿った所定位置にマー
キング手段11が設けられている。このマーキング手段
11としては種々の方式のものが考えられるが、例えば
インキジェット方式のもので構成する場合について説明
すると、上記マーキンク手段11として、光ファイバ
2′の周囲もしくは半径方向の一方向から光ファイバ
2′に向けて配設された図示省略のノズルを設け、この
ノズルから瞬間的に噴射させたインキ微粒を静電的に加
速させて上記光ファイバ2′の長手方向所定位置に付着
させてマーキングを行うように構成すればよい。
【0056】上記マーキング手段11は制御手段9によ
り作動制御され、制御手段9から制御信号を受けてマー
キングを実行するようになっている。すなわち、上記制
御手段9には、光ファイバの外径d1 及びd2 の値と、
線径検出手段8からマーキング手段11のノズル間での
距離(光ファイバ2,2′に沿った距離)Lとが予め入
力設定されており、制御手段9は、線引工程進行中に上
記線径検出手段8による検出値が例えば上記のd1 であ
る時、そのd1 の光ファイバ2の検出位置が上記マーキ
ンク手段11に到達するまでの時間Ta をその時の線引
速度Sに基づいて、次の式(10)により演算する。
【0057】 Ta =L/S ……(10) そして、上記制御手段9は、この制御手段9に内蔵した
タイマが上記d1 の検出時点から時間Ta の経過した時
点でマーキングの実行が行われるよう上記マーキング手
段11に対し制御信号を発するようになっている。加え
て、上記線径検出手段8による検出値がd2 である時
も、上記と同様にして制御信号を発してマーキングを実
行させる。なお、上記の線引速度Sが増減変更されてい
る時には、単位時間毎の増減変更値で除した積分値を用
いればよい。
【0058】この第3実施形態の場合、コーティング済
みの光ファイバ2′の外表面であって、光ファイバ2の
外径がd1 とd2 との各位置に対し線引工程の進行途中
にマーキングを確実に付与することができる。このた
め、上記光ファイバ2′の巻取後、上記マーキング位置
で光ファイバ2′を切断するだけで、所望の寸法の第2
形態のテーパ型光ファイバを容易に得ることができ、マ
ーキングを施さない場合に必要となる、線径測定による
テーパ型光ファイバ部分の特定作業を省略することがで
きる。
【0059】なお、本第3実施形態では、コーティング
済みの光ファイバ2′に対しマーキングを実行する場合
であるため、マーキング手段11の配設位置はダイス1
0の下流位置であればいずれの位置でもよく、キャプス
タン7の上流側であると下流側であるとを問わない。
【0060】<第4実施形態>本第4実施形態は、上記
の第1実施形態もしくは第2実施形態において、線引工
程と同時に切断工程を行うようにしたものである。
【0061】この第4実施形態の場合、図5に示すよう
に、キャプスタン7よりも下流側であってコーティング
済みの光ファイバ2′に沿った所定位置に、光ファイバ
2′を切断処理するための切断手段12が設けられてい
る。この切断手段12は、線引工程において走行中の光
ファイバ2′を切断処理するように構成されており、例
えば、上記光ファイバ2′を挟んで相対向するように配
設されその光ファイバ2′と同期して光ファイバ2′に
沿って同方向に走行する一対の基台と、この基台間に設
けられた切断刃とで構成されている。
【0062】上記切断手段12は制御手段9により作動
制御され、制御手段9から制御信号を受けて上記基台の
走行と切断刃による切断とを実行するようになってい
る。すなわち、上記制御手段9には、光ファイバの外径
d1 及びd2 の値と、線径検出手段8からマーキング手
段11のノズル間での距離(光ファイバ2,2′に沿っ
た距離)Lとが予め入力設定されており、制御手段9
は、線引工程進行中に光ファイバ2′の進行方向先端側
の上記線径検出手段8による検出値が例えば上記のd1
である時、そのd1 の光ファイバ2の検出位置が上記マ
ーキンク手段11に到達するまでの時間Ta をその時の
線引速度Sに基づいて、第3実施形態と同様に式(1
0)により演算する。そして、上記制御手段9は、この
制御手段9に内蔵したタイマが上記d1 の検出時点から
時間Ta の経過した時点で切断処理が行われるよう上記
切断手段12に対し制御信号を発するようになってい
る。加えて、上記線径検出手段8による検出値がd2 で
ある時も、上記と同様にして制御信号を発して切断処理
を行う。なお、上記式(10)による演算において、上
記の線引速度Sが増減変更されている時には、第3実施
形態と同様に、単位時間毎の増減変更値で除した積分値
を用いればよい。
【0063】この第4実施形態の場合、コーティング済
みの光ファイバ2′から確実に所定のテーパ型光ファイ
バ部分を線引工程の進行途中に自動的に切断して第2形
態のテーパ型光ファイバを容易に得ることができる。こ
のため、上記の切断処理を行わない場合と比べ、光ファ
イバ2′の巻取後に線径測定によるテーパ型光ファイバ
部分の特定作業、及び、その特定した光ファイバ部分の
切断作業を省略することができる。
【0064】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種
々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第
1実施形態における母材送り速度Vの第1及び第2設定
値V1,V2 の内、低い側の第1設定値をゼロ値に設定し
てもよい。すなわち、母材送りを停止した状態で一定の
線引速度S0 で線引を開始し(第1遷移区間C1 )、上
記の線引速度S0 での線引を継続しながら途中から母材
1の送り出しを開始しその母材送り速度Vを第2設定値
V2 になるまで徐々に増速する。そして、第2遷移区間
C2 を経た後、母材送り速度をV2 から徐々に減速して
いって母材1の送り出しを停止するようにする。この場
合においても、図2に示すような第2形態のテーパ型光
ファイバを得ることができる。また、上記第2実施例に
おける線引速度Sの第1及び第2設定値S1,S2 の内、
低い側の第1設定値を上記と同様にゼロ値に設定しても
よい。すなわち、母材送りを一定の母材送り速度V0 で
送りながら線引速度Sをゼロ値から第2設定値S2 まで
徐々に増速していき(テーパ化区間T)、上記の母材送
り速度V0 と線引速度S2 とを維持する第2遷移区間C
2 を経た後、線引速度をS2 からゼロ値まで徐々に減速
していく(テーパ化区間T)。そして、線引速度がゼロ
値になったら第1遷移区間C1 を経ることなく線引速度
を再びゼロ値から第2設定値S2 まで徐々に増速するよ
うにする。この場合においても、図2に示すような第2
形態のテーパ型光ファイバを得ることができる。
【0065】上記第1及び第2実施形態では、第1設定
値V1 またはS1 と、第2設定値V2 またはS2 との間
の増減変更を徐々に行うようにしているが、これに限ら
ず、例えば一気に行うようにしてもよい。この場合にお
いても、速度変更に伴い溶融部10の溶融形状が変化
し、変更後の速度に対応した溶融形状に安定するまでの
間に第2形態のテーパ型光ファイバを得ることができ
る。
【0066】上記第1及び第2実施形態では、線引速度
S及び母材送り速度Vの内のいずれか一方を一定にし他
方を増減変更するようにしているが、これに限らず、上
記線引速度Sと母材送り速度Vとの速度差を相対的に変
更すればよいため、例えば母材送り速度Vと線引速度S
とを共に変更して両者間の相対速度差を変更するように
してもよい。
【0067】また、上記第1及び第2実施形態では、制
御手段9により速度の変更制御を行うようにしている
が、これに限らず、例えば手動により速度変更を行うよ
うにしてもよい。
【0068】さらに、上記第1及び第2実施形態では、
線引用母材としてコアとクラッドとを有するものを用い
て線引することにより、コアとクラッドとを有する光フ
ァイバを得るようにしているが、これに限らず、線引用
母材として均一材料のものを用いてクラッドとコアとの
区別のない例えばポリマークラッドファイバの線引を行
うようにしてもよい。この場合、光ファイバ外径の外径
が長手方向に徐々に変化するテーパ型のポリマークラッ
ドファイバを得ることができる。
【0069】
【実施例】
<第1実施例>第1実施形態の製造方法、すなわち、母
材送り速度の変更制御による製造方法に基づいて試作を
行った。
【0070】(目標諸元)ソリトンパルス(孤立波)伝
送におけるパルス圧縮に使用するための分散分布ファイ
バとして、+10〜+0.4psec(ピコセック)/
km/nm(ナノメータ)の分散勾配を有するよう、フ
ァイバ条長70mのテーパ部の一端側の光ファイバ外径
D1 が105μm、他端側の光ファイバ外径D2 が12
5μmとなる第2形態のテーパ型光ファイバを得ること
を目標とした。
【0071】(製造方法)コア径及びクラッド径が所定
比率で長手方向に均一になるように作成した母材外径R
が23.1mmの母材を用い、光ファイバ外径Dが12
5μmとなるように線引速度S及び母材送り速度Vを設
定した。すなわち、線引速度Sとして20m/min
に、母材送り速度Vとして0.6mm/minにそれぞ
れ設定し、まず、0.6mm/minの母材送り速度で
母材を送りつつ20m/minの線引速度で線引を開始
した。そして、上記線引速度を20m/minで一定に
維持しつつ、線引途中で上記母材送り速度をゼロ、すな
わち、母材送りを一気に停止し、光ファイバ外径が目標
外径である105μmに細くなった時点で線引作業を停
止した。
【0072】(製造結果及び考察)上記の線引の結果、
図9に示すように、母材送りを停止した時点から光ファ
イバ外径(図9にはファイバ径と表示)が125μmか
ら徐々にかつ滑らかに細径化され、ほぼ70mのファイ
バ条長(図9にはファイバ長と表示;ファイバ長の1目
盛りは10mを表す)分走行した後に105μmとなっ
た。この場合、光ファイバの条長1m当りの細径化され
る度合い、すなわち、外径変化率は0.35μm/mと
なった。また、その外径変化率は母材外径に依存すると
考えられ、このため、光ファイバ外径を125μmから
105μmにテーパ状に変化させるファイバ条長の調整
を行うには母材外径を調整する必要があると考えられ
る。つまり、上記外径変化率を上げてファイバ条長を短
縮化するには母材外径をより細くすればよいことにな
る。また、この場合、母材送りを光ファイバの一方の目
標外径に対応する所定速度から停止するように制御すれ
ばよいだけである上、その母材送りの停止制御を光ファ
イバの他方の目標外径に到達した時点で変更して再び上
記所定速度まで増速制御すればよいために、光ファイバ
の外径の制御を容易に行うことができ、かつ、目標外径
へのテーパ状の変更を確実に行うことができる。なお、
上記設定の母材送り速度(0.6mm/min)は実測
値では0.5856mm/minであった。
【0073】<第2実施例>上記第1実施例と同様の母
材送り速度の変更制御による製造方法に基づいて、第1
設定値からから第2設定値に増速側に変化させる増速側
制御の場合と、母材送り速度を所定の設定値からゼロ
(停止)に変化させる停止制御の場合とについて光ファ
イバの外径変化の特性比較を行った。
【0074】(目標諸元)テーパ部の一端側の光ファイ
バ外径D1 が125μm、他端側の光ファイバ外径D2
が400μmとなる第2形態のテーパ型光ファイバを得
ることを目標とした。
【0075】(製造方法)コア径及びクラッド径が所定
比率で長手方向に均一になるように作成した母材外径R
が10mmの母材と、15mmの母材との2種類のもの
を用い、増速側制御の場合、光ファイバ外径Dが125
μmとなるように線引速度S0 及び母材送り速度の第1
設定値V1 を設定し、上記線引速度S0 で光ファイバ外
径Dが400μmとなる母材送り速度の第2設定値V2
を設定して、上記の各母材について、線引速度S0 で一
定に維持しつつ、母材送り速度を第1設定値V1 から第
2設定値V2 に変化させた。また、停止制御の場合、上
記の2種類の母材について、線引速度S0 で一定に維持
しつつ、母材送り速度を第2設定値から一気に停止状態
になるように変化させ、光ファイバ外径が目標外径であ
る125μmに細くなった時点で線引作業を停止した。
【0076】(製造結果及び考察)上記の増速制御につ
いて母材外径が10mmの場合には図10に曲線A−1
0で、母材外径が15mmの場合には曲線A−15でそ
れぞれ示す特性となり、また、上記の停止制御について
母材外径が10mmの場合には図10に曲線B−10
で、母材外径が15mmの場合には曲線B−15でそれ
ぞれ示す特性となった。
【0077】これらの試験結果によれば、光ファイバ外
径が125μmと400μmとの間でテーパ状に変化す
る光ファイバの条長は、増速側制御の場合が停止制御の
場合よりも短くなり、かつ、母材外径が小径である方が
大径であるものよりも短くなるという特性のあることが
分かる。従って、母材送り速度の増減変更の場合、得ら
れるテーパ部(テーパ型光ファイバ)の条長の大小は母
材外径に依存することが分かる。
【0078】<第3実施例>第2実施形態の製造方法、
すなわち、線引速度の変更制御による製造方法に基づい
て試作を行った。
【0079】(目標諸元)第1実施例と同様にソリトン
パルス伝送におけるパルス圧縮に使用するための分散分
布ファイバとして、+10〜+0.4psec/km/
nmの分散勾配を有するよう、条長が比較的短尺でテー
パ部の一端側の光ファイバ外径D1 が105μm、他端
側の光ファイバ外径D2 が125μmとなる第2形態の
テーパ型光ファイバを得ることを目標とした。
【0080】(製造方法)コア径及びクラッド径が所定
比率で長手方向に均一になるように作成した母材外径R
が23.1mmの母材を用い、光ファイバ外径Dが12
5μmとなるように線引速度の第1設定値S1 及び母材
送り速度V0 を設定し、加えて、その母材送り速度V0
で光ファイバ外径Dが105μmとなるように線引速度
の第2設定値S2 を設定した。すなわち、線引速度の第
1設定値S1 として20m/minを、第2設定値S2
として31.25m/minを、母材送り速度V0 とし
て0.6mm/minをそれぞれ設定した。そして、ま
ず、0.6mm/minの母材送り速度V0 で母材を送
りつつ20m/minの線引速度で線引を開始した。そ
して、上記母材送り速度を0.6mm/minで一定に
維持しつつ、線引途中で上記線引速度を31.25m/
minに増速側に変更し、短時間の経過の後、線引速度
を再び20m/minに減速側に変更し、このような線
引速度の増速・減速を段階的に繰り返して線引を行っ
た。また、上記の母材外径とは異なる19.9mmの外
径を有する母材を用いて、上記の23.1mm外径の母
材の場合と同様の製造方法で線引を実施した。
【0081】(製造結果及び考察)上記の外径23.1
mmの母材を用いた線引の結果、図11に示すように、
第1設定値S1 (20m/min)の線引速度を第2設
定値S2 (31.25m/min)に増速すると、光フ
ァイバ外径が125μmから105μmに変化し、次
に、第2設定値S2 から第1設定値S1 に減速すると、
光ファイバ外径がほぼ100μmからほぼ120μmに
変化し、さらに、第1設定値S1 から第2設定値S2 に
増速すると、光ファイバ外径がほぼ125μmからほぼ
105μmに変化した。そして、上記線引速度の増速側
と減速側との変更制御によりほぼ5mの条長のテーパ部
が得られた。また、外径19.9mmの母材を用いて線
引を行った場合にも、上記の外径23.1mmの母材を
用いた場合と同様に光ファイバ外径が125μmと10
5μmとの間でテーパ状に変化するテーパ部が得られ
た。なお、本試作結果における光ファイバ外径の若干の
変動は装置の外乱によるものと考えられる。
【0082】今回の試作では、上記線引速度の変更の速
度変化率を比較的大きくして、つまり、極めて短時間で
変更しているため、これに対応してテーパ部の条長もほ
ぼ5mと比較的短尺のものが得られた。従って、この速
度変化率を調整することによりテーパ部の条長を変更調
整することができると考えられる。また、上記のテーパ
部の両端の光ファイバ外径の比率は、第1設定値S1 と
第2設定値S2 との両線引速度の比率によって定まるた
め、本第3実施例の場合には第1もしくは第2実施例の
如くテーパ部条長の母材外径に対する依存性はなく、異
なる外径の母材であっても、上記の線引速度についての
第1及び第2設定値の設定調整によって所望の条長で所
望の外径変化率のテーパ部の製造を行うことができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるテーパ型光ファイバの製造方法によれば、第
2形態のテーパ型光ファイバをコア径及びクラッド径が
長手方向に一定の通常の母材を用いて容易に製造するこ
とができ、しかも、線引速度と母材送り速度との間の速
度差の増減変更に応じて上記コア径及びクラッド径がC
/C一定という関係を維持して共に長手方向に対しテー
パ状に変化する第2形態のテーパ型光ファイバを確実に
得ることができる。
【0084】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加えて、請求項1記載の発明にお
ける速度差の相対変更を容易かつ確実に行うことがで
き、その結果、確実に所定寸法の第2形態のテーパ型光
ファイバを工業的に容易に得ることができる。
【0085】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の増減変更の具体的な方法を特定することがで
きる。そして、母材送り速度の増減変更による光ファイ
バの外径変動を比較的小さく抑えて、より正確な形状を
有する第2形態のテーパ型光ファイバを得ることができ
る。
【0086】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の発明による製造方法のより具体的な構成を特定する
ことができる。
【0087】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載の発明による製造方法のより具体的な構成を特定する
ことができる。そして、この場合、請求項4記載の発明
の場合よりも長い条長のテーパ型光ファイバを得ること
ができる。
【0088】請求項6記載の発明によれば、請求項4ま
たは請求項5記載の発明による効果に加えて、母材送り
速度の増減変更の変更制御を容易に行うことができる。
【0089】請求項7記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の増減変更の具体的な方法を特定することがで
きる。そして、線引速度の増減変更によりテーパ型光フ
ァイバの条長として上記の母材送り速度を増減変更する
場合と比べ長いものを得ることができる上、その条長の
調整も容易に行うことができる。
【0090】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の発明による製造方法のより具体的な構成を特定する
ことができる。そして、この場合、比較的急勾配のテー
パ型光ファイバを得ることができる。
【0091】請求項9記載の発明によれば、請求項7記
載の発明による製造方法のより具体的な構成を特定する
ことができる。そして、この場合、比較的緩勾配のテー
パ型光ファイバを得ることができる上、その勾配の調節
を線引速度の増減変更の変更速度の調節により容易に行
うことができる。
【0092】請求項10記載の発明によれば、請求項2
記載の発明による効果に加えて、溶融部位置を一定に保
った状態で能率よく連続してテーパ型光ファイバの製造
行うことができる。しかも、増減変更による母材から光
ファイバへの細径化度合の変更を確実に所定のものとす
ることができ、所望の形状を有する第2形態のテーパ型
光ファイバを確実に得ることができる。
【0093】請求項11記載の発明によれば、請求項1
記載の発明の如くコア及びクラッドからなる光ファイバ
ではなく、均一材質を有し、かつ、その外径が長手方向
に連続的に変化するような形態のテーパ型光ファイバを
容易かつ確実に製造することができる。
【0094】また、請求項12記載の発明によれば、請
求項1または請求項11による効果に加えて、必要とす
るテーパ型光ファイバの両端の各線径値に基づいて、そ
の各線径値の光ファイバ位置に線引工程と同時に自動的
にマーキングすることができ、線引工程の後にマーキン
グされた光ファイバ位置で切断することにより、線引工
程後に光ファイバの線径を測定してテーパ型光ファイバ
部分を特定するという作業を省略して、必要とするテー
パ型光ファイバを容易に得ることができる。
【0095】さらに、請求項13記載の発明によれば、
請求項1または請求項11による効果に加えて、必要と
するテーパ型光ファイバの両端の各線径値に基づいて、
その各線径値の光ファイバ位置で線引工程を行いつつ自
動的に切断処理することができ、線引工程後に光ファイ
バの線径を測定してテーパ型光ファイバ部分を特定した
上でそのテーパ型光ファイバ部分を切断処理するという
作業を省略して、線引工程と同時に必要とするテーパ型
光ファイバを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1形態のテーパ型光ファイバの部分正面図で
ある。
【図2】第2形態のテーパ型光ファイバの部分正面図で
ある。
【図3】第3形態のテーパ型光ファイバの部分正面図で
ある。
【図4】第1形態のテーパ型光ファイバの製造原理を示
す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態における線引工程を行うため
の装置を示す模式図である。
【図6】第1実施形態の線引工程における線引速度、母
材送り速度及び光ファイバ外径と、線引される光ファイ
バの長さとの関係図である。
【図7】速度設定方法を説明するための線引途中の母材
と光ファイバとの部分斜視図である。
【図8】第2実施形態の線引工程における線引速度、母
材送り速度及び光ファイバ外径と、線引される光ファイ
バの長さとの関係図である。
【図9】第1実施例における光ファイバ外径と光ファイ
バ長との関係図である。
【図10】第2実施例における光ファイバ外径と光ファ
イバ長との関係図である。
【図11】第3実施例における光ファイバ外径と光ファ
イバ長との関係図である。
【符号の説明】
1 線引用母材 2 光ファイバ 8 線径検出手段 11 マーキング手段 12 切断手段 V1 母材送り速度の第1設定値 V2 母材送り速度の第2設定値 S1 線引速度の第1設定値 S2 線引速度の第2設定値 D1 ,D2 光ファイバ外径,光ファイバのクラッド
径 d1 ,d2 光ファイバのコア径 Ft テーパ部(第2形態のテーパ型光ファイ
バ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 御前 俊和 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとクラッドとを有する光ファイバ用
    母材を作成する母材作成工程と、上記母材の先端を溶融
    させながら線引して光ファイバを得る線引工程とを備え
    たテーパ型光ファイバの製造方法において、 上記線引工程では、コア径及び母材外径が共に長手方向
    にわたり略同じに作成された母材を用いて線引を行い、
    かつ、上記光ファイバの線引速度と、母材の母材送り速
    度との間の速度差を線引の進行途中で相対的に増減変更
    させながら線引を行うようにすることを特徴とするテー
    パ型光ファイバの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 線引工程における光ファイバの線引速度と、母材の母材
    送り速度との内のいずれか一方を一定にしつつ、他方を
    増減変更させるようにすることを特徴とするテーパ型光
    ファイバの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 光ファイバの線引速度を一定にする一方、母材の母材送
    り速度を増減変更させるようにすることを特徴とするテ
    ーパ型光ファイバの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 母材の送り速度を第1設定値と第2設定値との相互間で
    一気に増減変更させるようにすることを特徴とするテー
    パ型光ファイバの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 母材の送り速度を第1設定値と第2設定値との間で徐々
    に増減変更させるようにすることを特徴とするテーパ型
    光ファイバの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5において、 第1設定値または第2設定値のいずれか一方がゼロ値で
    あることを特徴とするテーパ型光ファイバの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項2において、 母材の母材送り速度を一定にする一方、光ファイバの線
    引速度を増減変更させるようにすることを特徴とするテ
    ーパ型光ファイバの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 線引速度を第1設定値と第2設定値との相互間で一気に
    増減変更させるようにすることを特徴とするテーパ型光
    ファイバの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7において、 線引速度を第1設定値と第2設定値との間で徐々に増減
    変更させるようにすることを特徴とするテーパ型光ファ
    イバの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項2において、 線引速度と母材送り速度とを、線引される光ファイバの
    体積と、線引により母材が減少する母材の体積減少分と
    が互いに等しくなるように設定することを特徴とするテ
    ーパ型光ファイバの製造方法。
  11. 【請求項11】 均一な材質の光ファイバ用母材を作成
    する母材作成工程と、上記母材の先端を溶融させながら
    線引して光ファイバを得る線引工程とを備えたテーパ型
    光ファイバの製造方法において、 上記線引工程では、母材外径が長手方向にわたり略同じ
    に作成された母材を用いて線引を行い、かつ、上記光フ
    ァイバの線引速度と、母材の母材送り速度との間の速度
    差を線引の進行途中で相対的に増減変更させながら線引
    を行うようにすることを特徴とするテーパ型光ファイバ
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1または請求項11において、 進行途中に光ファイバの線径を検出する線径検出手段
    と、進行途中に光ファイバの外面にマーキングを付与す
    るマーキング手段とを用い、 線引工程を進行させながら光ファイバの線径を線径検出
    手段により検出し、検出された光ファイバの線径が所定
    の線径値である時、その所定の線径値が検出された光フ
    ァイバ位置に上記マーキング手段によりマーキングする
    マーキング工程を上記線引工程と同時に行うようにする
    ことを特徴とするテーパ型光ファイバの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1または請求項11において、 進行途中に光ファイバの線径を検出する線径検出手段
    と、進行途中に光ファイバを切断処理する切断手段とを
    用い、 線引工程を進行させながら光ファイバの線径を線径検出
    手段により検出し、検出された光ファイバの線径が所定
    の線径値である時、その所定の線径値が検出された光フ
    ァイバ位置で光ファイバを上記切断手段により切断処理
    する切断工程を上記線引工程と同時に行うようにするこ
    とを特徴とするテーパ型光ファイバの製造方法。
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