JPH09227131A - ゲル体の製造方法 - Google Patents

ゲル体の製造方法

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JPH09227131A
JPH09227131A JP3063596A JP3063596A JPH09227131A JP H09227131 A JPH09227131 A JP H09227131A JP 3063596 A JP3063596 A JP 3063596A JP 3063596 A JP3063596 A JP 3063596A JP H09227131 A JPH09227131 A JP H09227131A
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Takahisa Fukuoka
荘尚 福岡
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C1/00Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels
    • C03C1/006Ingredients generally applicable to manufacture of glasses, glazes, or vitreous enamels to produce glass through wet route
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/12Other methods of shaping glass by liquid-phase reaction processes

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  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾルゲル法によるガラスの製造において、製
造工程中でのゲルやガラスの割れを防ぐ。 【解決手段】 ゲル形成容器もしくは容器以外の箇所に
一端を固定した少なくとも1個の糸状体、棒状体もしく
は管状体を配置した容器中においてゾルをゲル化させる
ことによってゲルの乾燥時または焼成時に割れることが
ないゲル体の製造方法であり、糸状体等を取り除いた際
に得られる孔を利用して、成分の濃度分布を付与して屈
折率分布ガラス体の製造用のゲル体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゾルゲル法による
ゲル体の製造方法および屈折率分布を有したガラス等の
組成に分布を有したガラスやその前駆体となる組成に分
布を有したゲル体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多孔体を経由したガラスおよびセ
ラミックスの製造方法として、例えば、金属アルコキシ
ド、水ガラス、SiO2 などの酸化物粒子を原料とした
ゾルゲル法が知られている。これはコロイド粒子が分散
した溶液であるゾルを作製し、ゲル化させて湿潤ゲル多
孔体を作製し、これを乾燥、焼成して多孔質および緻密
なガラスまたはセラミックスを作製する方法である。こ
のとき、ゾルを所望形状の形に流し込んで、乾燥、焼成
すると最終的に得られたガラスやセラミックスは収縮す
るが、ゾルを流し込んだ型と相似形状のものが製造でき
る。また、屈折率分布を有するガラス体の製造方法とし
ても、ゾルゲル法が用いられている。例えば、特開平3
−295818号公報、特開昭61−183136号公
報には、少なくとも一種の屈折率分布を付与するための
金属成分を含有するシリカゾルを調製し、ゲル化させた
後に、この湿潤ゲルを上記金属成分を溶解、拡散しうる
処理液に浸漬し、金属成分の濃度分布を形成の後、乾
燥、焼成するという方法が提案されており、径方向に屈
折率分布を付与した径の細いロッド状のガラスを製造す
る方法に適用されていた。
【0003】従来のゾルゲル法によると多孔体の乾燥時
に割れが発生することが多く、大きな問題点であった。
とくに、多孔体の乾燥が十分でないときに減圧や加温等
の溶媒除去工程に移ると、多孔体が割れたり、あるいは
ゲル多孔体の細孔径が小さいと乾燥時に溶媒が蒸発しに
くく、毛細管力のために非常に割れやすく、また細孔径
が小さいと焼成時に発生する気体は放出されにくく応力
が発生して割れてしまったり、発泡することもあり、任
意形状の塊状物を得るには歩留まりが非常に悪かった。
【0004】そこで、ゾル中に可燃分解性の繊維を添加
し、ゲルを作製し乾燥後に、ゲルを加熱して可燃分解性
の繊維を分解して、所望の細孔径を有した多孔質ガラス
を作製する方法が特開昭61−232239号に示され
ている。この方法によって大きなバルク状の多孔質ガラ
スを作製し、さらにこれを緻密化することにより大型の
密なガラスを製造することができる。しかし、この方法
ではゾル中に繊維を添加するので、ゾルに繊維が均一に
混合しにくい。特に、ゾルの比重と添加する繊維の比重
が異なる場合は、繊維が浮いてしまったり、逆に沈んで
しまったりするので、ゲル化後のゲル体中の繊維の分布
が偏りやすい。従って、この方法により製造された多孔
質ガラスは、繊維により形成された細孔が偏在する多孔
質ガラスとなりやすい。したがって、これを焼結し緻密
化しても、繊維により形成された細孔が多い部分の収縮
は大きく、逆に細孔が少ない部分の収縮は小さくなる。
このように、収縮が部分により異なるので、所望の形状
の形にゾルを流し込んでも、最終的に得られた緻密なガ
ラスやセラミックスは、成型用の型と異なる形に変形
し、所望形状のものを製造することができなかった。
【0005】また、円柱状のゲルに組成に分布付与およ
び付与した組成の分布の固定を行う工程は、ゲルを溶液
に浸漬してゲル中の溶液の交換によって行っている。こ
の方法では、ゲルの周囲の処理液が徐々に拡散して浸透
していくため、屈折率に分布を有したガラス体で有効な
分布形状である放物線形状の分布を容易に付与すること
ができる。しかし、この工程で放物線形状の分布が得ら
れても、次の濃度分布固定工程でも、ゲルの周囲の処理
液が拡散によって徐々に浸透するため、固定はゲルの外
周部から行われるが、外周部の分布は固定されていても
中心部はまだ拡散によって濃度分布が続いているので、
中心部の分布形状が変化する傾向にあり、完全な放物線
型の分布を得ることは難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゾルゲル法
によるガラスの製造において、製造工程中でのゲルやガ
ラスの割れを防ぎ、所望形状の多孔体または緻密体を製
造するとともに、ガラス中に放物線状などの所望の形状
の屈折率分布を有するガラス体の製造に用いるゲル体の
製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ゾルゲル法に
よるゲル体の製造方法において、ゲル形成容器もしくは
容器以外の箇所に一端を固定した少なくとも1個の糸状
体、棒状体もしくは管状体を配置した容器中においてゾ
ルをゲル化させるゲル体の製造方法である。糸状体、棒
状体、管状体が短繊維の集合物、編み物、長繊維、中空
糸、管から選択されるたものから形成された前記のゲル
体の製造方法である。また、ゾルゲル法によるゲルまた
は緻密体の製造方法において、ゲル形成容器もしくは容
器以外の箇所に一端を固定した少なくとも1個の糸状
体、棒状体もしくは管状体を組成に分布を付与する方向
と直交する方向に配置させた容器中においてゾルをゲル
化させることによって組成に分布を有するゲル体の製造
方法である。処理液中においてゲルに組成に分布を付与
する工程の前もしくは後に、ゲル中から糸状体、棒状
体、管状体を除去する工程を有するゲル体の製造方法で
ある。ゲル中に配置する糸状体、棒状体、管状体の太
さ、数が一様に分布していないゲル体の製造方法であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のゲルの製造方法において
は、ゲル形成容器もしくは容器以外の箇所に少なくとも
一箇所において固定した糸状体、棒状体もしくは管状体
の少なくともいずれか1種(以下、これらを糸状体等と
も称す)を配置した容器中にゾルを流し込むと、容器に
配置した糸状体等の比重がゾルの比重と異なっていて
も、糸状体が容器もしくは容器以外の箇所において取り
付けられているので、糸状体等を所望の位置に配したゲ
ルを作製することができる。そして、糸状体等がゲル中
に存在することにより、大きな細孔径を有したゲルを作
製できるので、割れは発生しなくなり、さらに乾燥時や
焼成時に起こる収縮は糸状体等の太さ、あるいは分布に
より決定されるので、収縮も任意に調整することが可能
となり、大型の所望形状の緻密体を製造することができ
る。
【0009】本発明に用いることができる糸状体には、
天然繊維、化学繊維の短繊維を紡糸等の方法で糸状とし
たもの、長繊維のいずれも用いることができる。具体的
には、綿、麻などの植物繊維、羊毛、カシミア、モヘ
ア、絹等の動物繊維、アスベスト等の鉱物繊維、レーヨ
ン、銅アンモニアレーヨン、鹸化繊維、蛋白質繊維、ア
ルギン酸繊維等の再生繊維、アセテートなどの半合成繊
維、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化
ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリ
ル系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレ
ン系等の繊維、エラストマー繊維、フッ素樹脂系繊維、
ポリアセタール繊維等の合成繊維、金属繊維、ガラス繊
維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維等の無機
繊維を使用することができる。
【0010】また、棒状体には、合成樹脂、金属等から
なるものを用いることができる。また、中空糸としても
酢酸セルロース、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレ
ーヨン等からなるものを用いることができる。管状体に
は、各種の合成樹脂からなるものを用いることができ、
多孔質、あるいはイオンの選択的な透過性を有するもの
を用いることができる。また、糸状体等の径は、作成す
るゲル体の大きさ、組成等に応じて任意のものを用いる
ことができるが、糸状体等を取り除いた後にゲルの組成
の分布等に悪影響を及ぼさないようにするために、10
mm以下とすることが好ましい。
【0011】ゲル形成容器中への糸状体等の配置は、ゾ
ルと糸状体等の比重がほぼ同じ場合にはゾルを流し込む
容器の一部に糸状体等の一端を固定していると、所望の
位置に糸状体を配置することができる。比重が異なる場
合は、糸状体等とゾルの比重の違いを利用して、ゾルの
比重が糸状体等の比重より大きな場合には、図1にゲル
作製工程を説明するように、容器1の底部固定部3に、
糸状体2の一端を固定して重力または遠心力により、ゾ
ル4中に糸状体を所望の位置に配することができる。逆
に、ゾルの比重が糸状体等の比重より小さな場合には、
図2のように糸状体2の一端を容器の上部固定部5に固
定して重力または遠心力により繊維を所望の位置に配す
ることができる。また、磁化あるいは帯電した糸状体等
を用いて、糸状体等の反発力を利用して所望の位置に糸
状体等を配することができる。また、糸状体等の一端を
固定した状態でゾルを流し、流れの方向に糸状体等を流
して、所望の位置に糸状体等を配置することができる。
糸状体等の両端を容器に接続しておくか、糸状体等の一
端を容器に固定し、他端に錘を取付て、重力または遠心
力を加えれば比重の相違に関係なく所望の位置に糸状体
等を配することができる。
【0012】また、図3(a)は、ゲル形成容器の断面
を説明する図である。径方向に分布を有したガラスを作
製する場合、糸状体2を容器の上部固定部5と容器の下
部の糸状体が貫通する貫通孔7を設けた固定板6によっ
て固定されている。容器にゾルを流し込むと、軸方向に
糸状体を配したゲルができる。図3(b)は、固定板の
一例を示す平面図であり、固定板6には、糸状体を気密
に固定することができる貫通孔7が配置されており、中
心部ほど配置が密であることを示している。
【0013】このとき糸状体等として中空糸、もしくは
液体の透過する管状体を用いると、中空糸もしくは管状
体の孔を通して溶液の交換を行うことができる。すなわ
ち、ゲルから中空糸または管状体を取り除かないで、中
空糸または管状体側から濃度分布付与液がゲル中に拡散
しないようにゲルを濃度分布付与液に浸漬すると、通常
のゾルゲル法により組成に分布を有したゲルを作製する
場合と同様に濃度分布が付与される。次に、濃度分布固
定をするために中空糸または管状体の壁面からも固定液
が拡散するようにゲルを固定液に浸漬すると、ゲルの周
辺部と同様に中心部も速やかに固定され、形成された濃
度分布が正確に保持されるので、正確な放物線状の分布
が得られる。容器中の糸状体等の配置は、規則的である
ことが望ましく、濃度分布の固定やゲルの乾燥、焼結工
程でのゲルの収縮を考慮すると、特に同心円状であるこ
とが望ましい。
【0014】また、濃度分布を付与する工程で、糸状体
等として中空糸または管状体を用いるとともに、これら
の壁面から濃度分布付与液が拡散するようにゲルを濃度
分布付与液に浸漬すると、円柱状のゲルの側面とゲルの
内部から分布が付与される。中空糸または管状体でなく
ても、処理液を浸透させる作用がある中実体である糸状
体を用いることによっても、同様に円柱状ゲルの側面と
ゲル内部から分布が付与される。糸状体等の配置と中空
糸または管状体の壁面から拡散する濃度分布付与液の量
により、M型、W型、鋸歯状等の複雑な濃度分布形状を
付与することができる。ゲル中に糸状体等を残した状態
で処理液中に浸漬する場合には、処理液に対して化学的
な耐性の大きなものが好ましいが、糸状体等と処理液と
の濡れ性は、処理液の浸透にも大きな影響を及ぼすの
で、使用する処理液へに対する化学的な特性、濡れ性の
両者を考慮して糸状体等の材質が決定される。
【0015】ゲルから糸状体等の取り外しは、引き抜い
たり、溶解液に溶解させることによって行うことができ
る。引き抜きは、ゲルとの濡れ性の悪い糸状体等を用い
る場合に適しており、濡れ性の悪い糸状体等ではゲルに
損傷を与えることが少ない。具体的にはポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリエチレン、ポリアセター
ル、フッ素樹脂が好ましい。ゲルから糸状体等を引き抜
くときに、糸状体等を固定して、ゲルの自重で抜け落ち
るようにすると、鉛直方向にゲルは移動し、傷がつかな
いので好ましい。
【0016】溶解液に溶解させる場合は、溶解液に容易
に溶解するものであることが好ましく、植物繊維、動物
繊維を用いる場合は、酸やアルカリにより溶解させるこ
とができる。水溶性ビニロン等の水溶性繊維を用いた場
合には、水または温水中において溶解させることができ
る。ポリメチルペンテン繊維、ポリカーボネート繊維、
ポリ塩化ビニル繊維、ポリスチレン繊維、ポリエチレン
テレフタレート繊維、メチルメタクリレート・スチレン
共重合体繊維等は、それぞれの繊維を溶解する、強酸、
強塩基類、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ケトン、ア
ルデヒド、エステル、エーテル系の溶媒を用いて溶解す
ることが好ましい。
【0017】次に、ゲル中において濃度分布を固定する
方法について説明する。ゲル作製容器中に配置する糸状
体等の径あるいは本数に特定の分布を形成して容器中で
ゾルをゲル化させる。このようにして作製したゲルに
は、糸状体等により形成された孔の数または太さに特定
の分布を有している。先に述べた方法により糸状体等を
取り除くと、ゲルの内部に孔が形成されるので、表面積
が分布を有しているゲルを作製できる。このゲルを金属
アルコキシド溶液に浸漬すると、ゲルの表面と反応して
金属成分がゲル中に導入されるが、表面積に分布を有し
ているので、導入される金属成分の濃度にも分布が形成
される。次いで、濃度分布固定液に浸漬すると端面から
も固定液が拡散するので濃度分布は速やかに固定され
る。この後に、乾燥、焼成すると屈折率に分布を有した
ガラスを作製することができる。
【0018】例えば、図4に軸方向の平面で切断した断
面図を示すように、円筒状の容器1の中心付近の糸状体
2の本数が多く、周辺に向かって徐々に減少していくよ
うに糸状体2の配置量を分布させた容器中で金属塩を含
んでいるゾルをゲル化させ、糸状体を除去すると、図5
のような表面積に凸分布を有した湿潤ゲルを作製するこ
とができる。このゲルを前記金属塩の微結晶を生じさせ
るような処理液に浸漬すると、図6のような金属成分に
凸分布を有したゲルを作製できる。このゲルに、さらに
濃度分布付与すると、周辺部の金属成分が溶出された
り、交換されて濃度差が非常に大きくなるので、図7に
示した大きな濃度分布を付与することができる。濃度分
布は、ゲルの側面からだけでなく、端面からも濃度固定
液が進入するので濃度分布はすばやく固定される。この
後に、乾燥、焼成すると従来にない大きな屈折率差を持
つ屈折率に分布を有したガラスを作製することができ
る。
【0019】また、部分的に糸状体等を引き抜いたり、
引き抜かなかったりして濃度分布付与やその固定をする
ことにより、複雑な濃度分布を付与することができる。
例えばM型またはW型に濃度分布を付与するには、ゲル
の中心付近の糸状体等のみを除去し、濃度分布を付与す
ると、ゲルの側面と中心付近の穴より濃度分布が付与さ
れるので、屈折率を高める成分をゲル中から取り除く
か、屈折率を低くする成分をゲル中に導入すると、M型
に濃度分布を付与することができる。また、屈折率を低
くする成分をゲル中から取り除くか、屈折率を高くする
成分をゲル中に導入すると、W型に濃度分布を付与する
ことができる。中空糸を部分的に用いたり、部分的に溶
液をよく透過する中実糸を用いれば、糸状体等を除去す
るのと同じ効果を有する。
【0020】中空糸、管状体として特定の成分に対して
選択的な透過性を有するものを用いると、中空糸、管状
体の壁面を通じて特定の成分の濃度分布を形成すること
ができる。また、ゲルの側面に一方の極性の電極を設
け、糸状体等によって形成された孔に他方の電極を設け
て通電することによって電気泳動による駆動力を与える
ことによって濃度分布の形成を調整することも可能であ
る。
【0021】以上の説明は、円柱の径方向に屈折率等の
特性が分布したガラス体を作製する場合について述べた
が、軸方向に分布を有するガラス体も、ゲルの形状を直
方体にすれば同様にして作製することができる。また、
糸状体等によりゲルに形成した孔は、貫通孔であれば溶
液の交換は速くなるが、必ずしも貫通孔である必要はな
く、一方のみが開口していても溶液はゲルの内部を通し
てゲルの側面から排出される。また、ゲル中の糸状体等
や糸状体等による孔によって組成の分布付与が阻害され
ることがなく付与することが行われる。しかし、これを
利用して、例えば糸状体等の数を多くして、ゲル中の糸
状体等や糸状体等によって得られた孔を利用して、部分
的に組成の乱れを与えることにより、図11のように例
えば放物線状の屈折率分布の上に、規則的に屈折率が変
化している部分を作り、屈折率分布を有し、フレネルレ
ンズ効果を有するガラス体や図12のように屈折率分布
を有し、ローパスフィルター効果を有するガラス体を製
造することもできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明をさら
に説明する。 実施例1 881mlのSi(OCH34 に、1518mlのイ
ソプロパノール、107mlの1/100規定塩酸を加
えて30分間撹拌し、部分加水分解した後に426.4
gのTi(OC374 を添加してさらに30分間撹拌
した。次に720mlの2/100規定アンモニア水、
1987mlのイソプロパノール混合溶液を滴下して撹
拌して加水分解し、ゾルを調製した。400mm×40
0mm×300mmの直方体のポリプロピレン容器の蓋
に10mmの間隔で、直径500μmの1521本のパ
ーフルオロアルコキシ共重合体の長繊維の糸(密度2.
17g/cm3 )の一端を固定し、この容器にゾルを入
れ、密封してウェットゲルを作製した。このゲルを電気
炉で乾燥したが、ゲル化させた容器と相似形に収縮し、
かつ、割れは全く発生しなかった。さらに、乾燥ゲルを
焼結し、ガラス化したところ、変形はなく130mm×
130mm×100mmの直方体のガラスが得られた。
【0023】実施例2 30mlのSi(OCH34 と30mlのSi(OC2
54および12.4mlのB(OC253 の混合液
に、pH2の塩酸を25ml添加してゾルを調製し、
1.25mol/lの酢酸鉛水溶液を107.63m
l、酢酸15.35mlの混合液を添加し、撹拌混合し
た後に、旭硝子製の直径6μm、内径3μmの48本の
フッ素樹脂中空糸を5mmの間隔で一端を蓋に固定し、
もう一端を内径35mmの円筒型ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂製容器の下面の固定板に固定してゲル化させ
て、ウェットゲルを作製した。このゲルを中空糸の孔か
ら溶液が拡散しないように、中空糸の両端を溶液の外に
出して、濃度が0.61mol/1の酢酸鉛溶液に浸漬
後、イソプロパノール/アセトンの混合液に浸漬し、ゲ
ル中に均一に酢酸鉛の微結晶を沈澱させた。この後に、
酢酸を含んだ0.61mol/1の酢酸カリウムのエタ
ノール溶液に8時間浸漬した。これにより、酢酸鉛の微
結晶は溶解し、拡散により鉛成分に凸状の濃度分布が付
与され、酢酸カリウムはゲル内部に拡散してカリウム成
分に凹状の濃度分布が付与された。次いで、中空糸の壁
面から溶液が拡散するようにして、イソプロパノール/
アセトンの混合液に浸漬し、濃度分布を固定し、電気炉
で乾燥したが割れは発生しなかった。さらに、乾燥ゲル
を焼結しガラス化したところ、直径約13mmのガラス
ロッドが得られた。このガラスロッドを軸に直角に切断
して径方向の屈折率分布を測定したところ放物線状であ
った。
【0024】実施例3 120gのSi(OC254 に184gのエタノール
を加え、41.8gの1規定塩酸を加えて部分加水分解
し51.9gのチタンブトキシドTi(OC494
エタノールに溶解して混合した。その後に61.6gの
アルミニウムイソブトキシドAl(OC4 9 3 を添
加して2時間、60℃で撹拌した。酢酸水溶液に溶解し
た116.6gの酢酸ランタン1.5水和物を添加して
撹拌しゾルを調製した。このゾルを直径15μmのポリ
エチレンテレフタレートの糸(密度1.34g/c
3 )の一端を容器の蓋に取り付け、容器にゾルを流し
込んで蓋をして、図10に示すように、回転軸から20
0mmの距離に取り付けて300rpmで40分間回転
して遠心力を加えてゲル化させた。このゲルを0℃のエ
タノールに浸漬して酢酸ランタンを微結晶として固定
し、メタノール:水=6:4(体積比)の溶液に浸漬し
て、ランタンの濃度分布を付与した。この後に、糸の一
端を保持してゲルを吊り下げ、ゲルの自重により糸を取
り外した。この後に、アセトンに浸漬して濃度分布を固
定し、100℃で乾燥し、1080℃まで焼成してガラ
スを得た。このガラスロッドを軸に直角に切断して径方
向の屈折率分布を測定したところ、放物線状であった。
【0025】実施例4 実施例2と同様にしてゾルを調製し、円筒容器の中心部
の糸状体の配置が密に、周辺部になるにしたがって糸状
体の配置密度が低くなるように一端を容器の蓋に固定
し、もう一端を容器の底に固定した糸を30本、配置し
た容器に流し込んでゲル化させた。このゲルから糸を除
去し、濃度が0.61mol/lの酢酸鉛溶液に浸漬
後、イソプロパノール/アセトンの混合液に浸漬し、ゲ
ル中に酢酸鉛の微結晶を沈澱させた。この後に、電気炉
で乾燥したが、割れは発生しなかった。このとき、酢酸
鉛の濃度分布は中心部が高く、周辺部が低くなってい
た。さらに、乾燥ゲルを焼結しガラス化したところ、直
径約13mmのガラスロッドが得られた。このガラスロ
ッドを軸に直角に切断して径方向の屈折率分布を測定し
たところ、図8に示す放物線状であった。
【0026】実施例5 実施例4と同様にしてゲルを作製し、このゲルから繊維
を除去し、濃度が0.61mol/lの酢酸鉛溶液に浸
漬後、イソプロパノール/アセトンの混合液に浸漬し、
ゲル中に酢酸鉛の微結晶を沈澱させた。このとき、酢酸
鉛の微結晶は凸状の濃度分布を有していた。この後に、
酢酸を含んだ0.61mol/lの酢酸カリウムのエタ
ノール溶液に8時間浸漬した。これにより酢酸鉛の微結
晶は溶解し、鉛成分にさらに大きな凸状の濃度分布が付
与され、酢酸カリウムはゲル内部に拡散してカリウム成
分に凹状の濃度分布が付与された。そして、イソプロパ
ノール/アセトンの混合液に浸漬し、濃度分布を固定
し、電気炉で乾燥したが、割れは発生しなかった。さら
に、乾燥ゲルを焼結しガラス化したところ、直径約13
mmのガラスロッドが得られた。このガラスロッドを軸
に直角に切断して径方向の屈折率分布を測定したとこ
ろ、Δnは大きく図9に示す放物線状であった。
【0027】実施例6 176.2mlのSi(OCH3 4 に、151.8m
lのイソプロパノール、10.7mlの1/100規定
塩酸を加えて30分間撹拌し、部分加水分解した後に4
2.64gのチタンイソプロポキシドTi(OC37
4 を添加して、さらに30分間撹拌した。その後に、7
2.0mlの2/100規定アンモニア水、198.7
mlのイソプロパノール混合溶液を滴下して撹拌して加
水分解しゾルを調製した。このゾルを上面から固定板に
50μmの200本のポリスチレン糸を配置した内径7
cmのポリプロピレン容器に入れ密封しゲル化させた。
ゲルの中心部の糸だけを取り外し、このゲルを10重量
%の塩酸に浸漬して、ゲルの側面と中心部の孔より塩酸
を拡散させた。その後に、糸を全て取り外してエタノー
ルで洗浄後、100℃まで乾燥を行ったが、割れやクラ
ックは認められなかった。乾燥ゲルを管状炉中に入れ、
1230℃まで昇温したところ、直径約3cmの割れや
発泡のない澄明なガラス体が得られた。このガラスロッ
ドを軸に直角に切断して径方向の屈折率分布を測定した
ところ、M型の屈折率分布形状のガラスが得られた。
【0028】実施例7 実施例6と同様にしてゾルを作製し、このゾルを上面か
ら下面に直径約5mmの毛糸を配した内径7cmのポリ
プロピレン容器に入れ、密封しゲル化させた。このゲル
を濃度4規定の硝酸に浸漬して、濃度分布を付与しなが
ら繊維を溶解した。その後に、濃度分布を固定するため
にエタノールで洗浄した。このとき、端面からもエタノ
ールが進入し、素早く固定することができた。この後、
100℃まで乾燥を行ったが、割れやクラックは全く認
められなかった。次いで、乾燥ゲルを管状炉中に入れ、
1230℃まで昇温したところ、直径約3cmの割れや
発泡のない澄明なガラス体が得られた。このガラスロッ
ドを軸に直角に切断して径方向の屈折率分布を測定した
ところ、放物線状の屈折率分布形状のガラスが得られ
た。
【0029】
【発明の効果】以上のように、ゲル化を、少なくとも一
端を固定した糸状体、棒状体、管状体を設けた容器中に
おいて行うことによってゲル体を製造することにより、
ゲルやその後の焼成によるガラス作製時の割れを防ぎ、
所望形状の多孔体または緻密体を製造することができ
る。また、完全な放物線分布および複雑な分布形状の屈
折率等の組成に分布を有したガラス体等を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゾルの比重が糸状体等よりも大きな場合の糸状
体等の配置方法を説明する図である。
【図2】ゾルの比重が糸状体等よりも小さな場合の糸状
体等の配置方法を説明する図である。
【図3】径方向に分布を有したガラスを作製する場合の
糸状体等の配置を説明する図である。
【図4】軸方向の平面で切断した断面図であり、糸状体
等の分布を一様とせずに疎密に配置した状態を説明する
図である。
【図5】ゲルに形成される表面積の分布を説明する図で
ある。
【図6】金属成分の濃度分布を説明する図である。
【図7】金属成分の濃度分布を説明する図である。
【図8】本発明の一実施例の屈折率分布を説明する図で
ある。
【図9】本発明の他の実施例の屈折率分布を説明する図
である。
【図10】回転状態でのゲル化を説明する図である。
【図11】フレネルレンズ効果を有するガラス体の屈折
率分布を説明する図である。
【図12】ローパスフィルター効果を有するガラス体の
屈折率分布を説明する図である。
【符号の説明】
1…容器、2…糸状体、3…底部固定部、4…ゾル、5
…上部固定部、6…固定板、7…貫通孔、8…回転軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゾルゲル法によるゲル体の製造方法にお
    いて、ゲル形成容器もしくは容器以外の箇所に一端を固
    定した少なくとも1個の糸状体、棒状体もしくは管状体
    を配置した容器中においてゾルをゲル化させることを特
    徴とするゲル体の製造方法。
  2. 【請求項2】 糸状体、棒状体、管状体が短繊維の集合
    物、編み物、長繊維、中空糸、管から選択されるたもの
    から形成されたことを特徴とする請求項1記載のゲルま
    たは緻密体の製造方法である。
  3. 【請求項3】 ゾルゲル法によるゲル体の製造方法にお
    いて、ゲル形成容器もしくは容器以外の少なくとも一箇
    所に一端を固定した少なくとも1個の糸状体、棒状体も
    しくは管状体をゲル体の組成に分布を付与する方向と直
    交する方向に配置させた容器中においてゾルをゲル化さ
    せて組成に分布を形成することを特徴とするゲル体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 処理液中においてゲルに組成に分布を付
    与する工程の前もしくは後に、ゲル中から糸状体、棒状
    体、管状体を除去する工程を有することを特徴とする請
    求項3記載のゲル体の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゲル中に配置する糸状体、棒状体、管状
    体の太さ、数が一様に分布していないことを特徴とする
    請求項3〜4記載のゲル体の製造方法。
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