JPH09227113A - 無機多孔質膜の製造方法 - Google Patents
無機多孔質膜の製造方法Info
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- JPH09227113A JPH09227113A JP4081696A JP4081696A JPH09227113A JP H09227113 A JPH09227113 A JP H09227113A JP 4081696 A JP4081696 A JP 4081696A JP 4081696 A JP4081696 A JP 4081696A JP H09227113 A JPH09227113 A JP H09227113A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 より細孔の孔径を均一に形成し、高い特性を
有する無機多孔質膜を容易に製造する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン、アミン類から選ばれる少なくとも一種からなるテン
プレート剤、及び、水及び触媒量の酸を含むアルコキシ
シラン類溶液を主材としてなり、かつ、水とアルコキシ
シラン類とのモル比率(H2O/Si)が4以下であるp
H1〜2.5の無機材料組成物を、無機多孔質支持体上
に塗布、乾燥して非結晶性塗膜を形成する塗膜形成工
程、及び、前記非結晶性塗膜を前記加水分解による結晶
化をさせない低温かつ常圧の条件下で加熱処理する加熱
工程を行う。
有する無機多孔質膜を容易に製造する方法を提供するこ
と。 【解決手段】 アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン、アミン類から選ばれる少なくとも一種からなるテン
プレート剤、及び、水及び触媒量の酸を含むアルコキシ
シラン類溶液を主材としてなり、かつ、水とアルコキシ
シラン類とのモル比率(H2O/Si)が4以下であるp
H1〜2.5の無機材料組成物を、無機多孔質支持体上
に塗布、乾燥して非結晶性塗膜を形成する塗膜形成工
程、及び、前記非結晶性塗膜を前記加水分解による結晶
化をさせない低温かつ常圧の条件下で加熱処理する加熱
工程を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機多孔質膜の製
造方法に関する。
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機多孔質膜としては、強酸性、
若しくは、強アルカリ性条件下で、ゼオライトを水熱合
成した後、薄膜状に成形し無機多孔質膜として用いる、
もしくは、多孔質ガラス用材料を支持体上に塗布して薄
膜状に固化させ、無機多孔質膜に形成することが行われ
ている。
若しくは、強アルカリ性条件下で、ゼオライトを水熱合
成した後、薄膜状に成形し無機多孔質膜として用いる、
もしくは、多孔質ガラス用材料を支持体上に塗布して薄
膜状に固化させ、無機多孔質膜に形成することが行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の無機多
孔質膜のうち、ゼオライトを薄膜状に成形する技術につ
いては、水熱合成には、高価な設備を必要としたり、高
温高圧の高いエネルギー供給を必要とすること等から、
非常に高価な合成方法と言わざるを得なかったまた、得
られるゼオライトライトの結晶個々には、細かい径を有
する均一な「細孔」が形成されるものの、ゼオライトが
多結晶状態で得られるため、たとえその細孔の孔径が適
正なものでかつ大きさの揃った均一なものであったとし
ても、結晶粒子どうしの間に、前記細孔よりも大きく不
均一な「空隙」が生じるので、全体としては、緻密な細
孔を均一に有する無機多孔質膜にはならず、例えば、気
体分離用の分子ふるいとして用いるような高度な分離能
(細孔の特性)を必要とする用途には不適切なものとな
らざるを得なかった。また、多孔質ガラス材料を薄膜状
に形成するには、細かい径を有する均一な細孔が形成さ
れにくく、やはり、細孔の特性が高度に必要となる用途
には適用することが困難であった。特に、前記多孔質ガ
ラス用材料を支持体上に塗布して薄膜状に固化させる技
術にあっては、前記支持体の表面状態によっては、形成
された薄膜にピンホールやクラックが生じやすく、たと
え均一な細孔が形成できたとしても、やはり、全体とし
て均一でない「ムラのある」多孔質膜にならざるを得な
いという実情があった。
孔質膜のうち、ゼオライトを薄膜状に成形する技術につ
いては、水熱合成には、高価な設備を必要としたり、高
温高圧の高いエネルギー供給を必要とすること等から、
非常に高価な合成方法と言わざるを得なかったまた、得
られるゼオライトライトの結晶個々には、細かい径を有
する均一な「細孔」が形成されるものの、ゼオライトが
多結晶状態で得られるため、たとえその細孔の孔径が適
正なものでかつ大きさの揃った均一なものであったとし
ても、結晶粒子どうしの間に、前記細孔よりも大きく不
均一な「空隙」が生じるので、全体としては、緻密な細
孔を均一に有する無機多孔質膜にはならず、例えば、気
体分離用の分子ふるいとして用いるような高度な分離能
(細孔の特性)を必要とする用途には不適切なものとな
らざるを得なかった。また、多孔質ガラス材料を薄膜状
に形成するには、細かい径を有する均一な細孔が形成さ
れにくく、やはり、細孔の特性が高度に必要となる用途
には適用することが困難であった。特に、前記多孔質ガ
ラス用材料を支持体上に塗布して薄膜状に固化させる技
術にあっては、前記支持体の表面状態によっては、形成
された薄膜にピンホールやクラックが生じやすく、たと
え均一な細孔が形成できたとしても、やはり、全体とし
て均一でない「ムラのある」多孔質膜にならざるを得な
いという実情があった。
【0004】従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑
み、より細孔の孔径を均一に形成し、、高い特性を有す
る無機多孔質膜を容易に製造する方法を提供することに
ある。
み、より細孔の孔径を均一に形成し、、高い特性を有す
る無機多孔質膜を容易に製造する方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、アンモニウムイオン、ホスホニ
ウムイオン、アミン類から選ばれる少なくとも一種から
なるテンプレート剤、及び、水及び触媒量の酸を含むア
ルコキシシラン類溶液を主材としてなり、かつ、水とア
ルコキシシラン類とのモル比率(H2O/Si)が4以下
であるpH1〜2.5の無機材料組成物を、無機多孔質
支持体上に塗布、乾燥して非結晶性塗膜を形成する塗膜
形成工程、及び、前記非結晶性塗膜を前記加水分解によ
る結晶化をさせない低温かつ常圧の条件下で加熱処理す
る加熱工程を行うことにあり、その作用・効果は以下の
通りである。
の本発明の特徴構成は、アンモニウムイオン、ホスホニ
ウムイオン、アミン類から選ばれる少なくとも一種から
なるテンプレート剤、及び、水及び触媒量の酸を含むア
ルコキシシラン類溶液を主材としてなり、かつ、水とア
ルコキシシラン類とのモル比率(H2O/Si)が4以下
であるpH1〜2.5の無機材料組成物を、無機多孔質
支持体上に塗布、乾燥して非結晶性塗膜を形成する塗膜
形成工程、及び、前記非結晶性塗膜を前記加水分解によ
る結晶化をさせない低温かつ常圧の条件下で加熱処理す
る加熱工程を行うことにあり、その作用・効果は以下の
通りである。
【0006】〔作用効果〕酸触媒を含有するアルコキシ
シラン類は、縮重合することにより、アモルファス状の
酸化ケイ素(SiO2)(以下シリカと略称する)を生成
する。このシリカは、水とアルコキシシラン類とのモル
比率(H2O/Si)が小さい場合には、鎖状の高分子と
なると考えられている。そこで本発明者らは、テンプレ
ート剤を添加した状態で、前記アルコキシシラン類溶液
を、含水量が低く、重合速度の遅い条件下で縮重合させ
ると、鎖状のシリカが、前記テンプレート剤の周囲に集
合し、アモルファス状でかつ鎖状の高分子となり、前記
テンプレート剤により規格化された細孔となるのではな
いか、と考え、種々の反応条件を検討したところ、前記
無機材料組成物のpHが1〜2.5であれば、前記アル
コキシシラン類の縮重合速度が低く、緻密にゲル化する
ことから、水とアルコキシシラン類とのモル比率(H2
O/Si)が4以下で、かつ、pH1〜2.5の無機材
料組成物を、低温かつ常圧の条件下で加熱処理すること
によって、均一な孔径を多数有する非結晶状態の多孔質
構造を得られるという新知見を得た。
シラン類は、縮重合することにより、アモルファス状の
酸化ケイ素(SiO2)(以下シリカと略称する)を生成
する。このシリカは、水とアルコキシシラン類とのモル
比率(H2O/Si)が小さい場合には、鎖状の高分子と
なると考えられている。そこで本発明者らは、テンプレ
ート剤を添加した状態で、前記アルコキシシラン類溶液
を、含水量が低く、重合速度の遅い条件下で縮重合させ
ると、鎖状のシリカが、前記テンプレート剤の周囲に集
合し、アモルファス状でかつ鎖状の高分子となり、前記
テンプレート剤により規格化された細孔となるのではな
いか、と考え、種々の反応条件を検討したところ、前記
無機材料組成物のpHが1〜2.5であれば、前記アル
コキシシラン類の縮重合速度が低く、緻密にゲル化する
ことから、水とアルコキシシラン類とのモル比率(H2
O/Si)が4以下で、かつ、pH1〜2.5の無機材
料組成物を、低温かつ常圧の条件下で加熱処理すること
によって、均一な孔径を多数有する非結晶状態の多孔質
構造を得られるという新知見を得た。
【0007】本発明は、前記新知見に基づき成されたも
のであって、前記多孔質構造を得るには、前記無機材料
組成物を、無機多孔質支持体上に塗布、乾燥して非結晶
性塗膜を形成する塗膜形成工程、及び、前記非結晶性塗
膜を前記加水分解による結晶化をさせないような低温か
つ常圧の温和な条件下で加熱処理する加熱工程を行うだ
けの簡単な方法で、均一な孔径を多数有する非結晶状態
の多孔質膜を低エネルギーで合成できるようになった。
そのため、従来は、利用できなかったような、例えば、
気体分離用の分子ふるいとしての利用できる多孔質膜を
安価に提供する事が出来た。
のであって、前記多孔質構造を得るには、前記無機材料
組成物を、無機多孔質支持体上に塗布、乾燥して非結晶
性塗膜を形成する塗膜形成工程、及び、前記非結晶性塗
膜を前記加水分解による結晶化をさせないような低温か
つ常圧の温和な条件下で加熱処理する加熱工程を行うだ
けの簡単な方法で、均一な孔径を多数有する非結晶状態
の多孔質膜を低エネルギーで合成できるようになった。
そのため、従来は、利用できなかったような、例えば、
気体分離用の分子ふるいとしての利用できる多孔質膜を
安価に提供する事が出来た。
【0008】尚、前記テンプレート剤としては、テトラ
n−ブチルアンモニウムイオン((n−C4H9)4N+) 、
テトラn−プロピルアンモニウムイオン((n−C3H7)4
N+) 、テトラエチルアンモニウムイオン((C2H5)
4N+) 、テトラメチルアンモニウムイオン((CH3)
4N+) 、n−プロピルトリメチルアンモニウムイオン
((n−C3H7)(CH3)3N+) 、ベンジルトリメチルアン
モニウムイオン((C7H7)(CH3)3N+) 、テトラn−ブ
チルホスホニウムイオン((n−C4H9)4P+) 、ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムイオン((C7H7)(C6H5)3
P+)、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ
(2、2、2)オクタン、ピロリジン、n−プロピルア
ミン(n−C3H7NH2)、メチルキヌクリジン、である
と前記鎖状のシリカを集合させた状態で、さらにそのシ
リカを加水分解して縮重合させるのに好都合であるとと
もに、加熱処理により容易にシリカから除去されるの
で、そのテンプレート剤の大きさに規定される均一な径
の細孔を多数形成できる。また、前記無機材料組成物に
おける水とアルコキシシラン類とのモル比(H2O:S
i)が0.1〜150であると、前記シリカが鎖状に成
長しやすく、かつ、結晶化しにく、さらに、前記無機材
料組成物における酸が塩酸であり、その添加量が水に対
して1/105〜1/10であると、適度な重合条件が
得られるので好都合である。
n−ブチルアンモニウムイオン((n−C4H9)4N+) 、
テトラn−プロピルアンモニウムイオン((n−C3H7)4
N+) 、テトラエチルアンモニウムイオン((C2H5)
4N+) 、テトラメチルアンモニウムイオン((CH3)
4N+) 、n−プロピルトリメチルアンモニウムイオン
((n−C3H7)(CH3)3N+) 、ベンジルトリメチルアン
モニウムイオン((C7H7)(CH3)3N+) 、テトラn−ブ
チルホスホニウムイオン((n−C4H9)4P+) 、ベンジ
ルトリフェニルホスホニウムイオン((C7H7)(C6H5)3
P+)、1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ
(2、2、2)オクタン、ピロリジン、n−プロピルア
ミン(n−C3H7NH2)、メチルキヌクリジン、である
と前記鎖状のシリカを集合させた状態で、さらにそのシ
リカを加水分解して縮重合させるのに好都合であるとと
もに、加熱処理により容易にシリカから除去されるの
で、そのテンプレート剤の大きさに規定される均一な径
の細孔を多数形成できる。また、前記無機材料組成物に
おける水とアルコキシシラン類とのモル比(H2O:S
i)が0.1〜150であると、前記シリカが鎖状に成
長しやすく、かつ、結晶化しにく、さらに、前記無機材
料組成物における酸が塩酸であり、その添加量が水に対
して1/105〜1/10であると、適度な重合条件が
得られるので好都合である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、表1に示す無機材料組成物1を調整する。
この無機材料組成物を多孔質支持体の外表面にディップ
コーティングし、乾燥して塗膜を形成する(塗膜形成工
程)。得られた塗膜は、乾燥の後、焼成(加熱工程)
し、無機多孔質膜に形成する。同様に、無機材料組成物
2〜5についても塗膜形成工程、加熱工程を行い、無機
多孔質膜を形成した。尚、塗膜形成工程、加熱工程は交
互に3工程繰り返して行った。
する。まず、表1に示す無機材料組成物1を調整する。
この無機材料組成物を多孔質支持体の外表面にディップ
コーティングし、乾燥して塗膜を形成する(塗膜形成工
程)。得られた塗膜は、乾燥の後、焼成(加熱工程)
し、無機多孔質膜に形成する。同様に、無機材料組成物
2〜5についても塗膜形成工程、加熱工程を行い、無機
多孔質膜を形成した。尚、塗膜形成工程、加熱工程は交
互に3工程繰り返して行った。
【0010】
【表1】 但し、TEOS:テトラエトキシシラン TMOS:テトラメトキシシラン TPABr:臭化テトラプロピルアンモニウム TEABr:臭化テトラエチルアンモニウム TBABr:臭化テトラブチルアンモニウム TMABr:臭化テトラメチルアンモニウム であり、各数値はアルコキシシランに対するモル比である。
【0011】〔無機材料組成物の調整〕アルコキシシラ
ン、エタノール、水、塩酸を表1の組成比で混合、さら
に1時間攪拌することによりゾル状の組成物を得る事が
出来る。これに、所定量のテンプレート剤を加え、大気
中室温で2時間攪拌して無機材料組成物とする。
ン、エタノール、水、塩酸を表1の組成比で混合、さら
に1時間攪拌することによりゾル状の組成物を得る事が
出来る。これに、所定量のテンプレート剤を加え、大気
中室温で2時間攪拌して無機材料組成物とする。
【0012】〔塗膜形成工程〕多孔質支持体としては、
平均細孔径200nmの多孔質アルミナチューブを用い
る。前記無機材料組成物に前記多孔質支持体を浸漬して
おき、前記無機材料組成物の攪拌混合条件下、0.5m
m/秒の速度で引き上げて前記多孔質支持体表面に前記
無機材料組成物を塗布する(ディップコーティング)。
これを、室温で1時間乾燥して、塗膜とする。この操作
は6回繰り返して1工程とする。
平均細孔径200nmの多孔質アルミナチューブを用い
る。前記無機材料組成物に前記多孔質支持体を浸漬して
おき、前記無機材料組成物の攪拌混合条件下、0.5m
m/秒の速度で引き上げて前記多孔質支持体表面に前記
無機材料組成物を塗布する(ディップコーティング)。
これを、室温で1時間乾燥して、塗膜とする。この操作
は6回繰り返して1工程とする。
【0013】〔加熱工程〕乾燥して得られた塗膜は15
0℃に昇温後2時間加熱することにより、ガラス状の無
機多孔質膜として得られる。
0℃に昇温後2時間加熱することにより、ガラス状の無
機多孔質膜として得られる。
【0014】〔別実施形態〕上述の実施の形態では、テ
ンプレート剤として、TPABr、TEABr、TBA
Br、TMABrを用いたが、n−プロピルトリメチル
アンモニウムイオン((n−C3H7)(CH3)3N+) 、ベン
ジルトリメチルアンモニウムイオン((C7H7)(CH3)3
N+) 、テトラn−ブチルホスホニウムイオン((n−C4
H9)4P+) 、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン
((C7H7)(C6H5)3P+)、1,4−ジメチル−1,4
−ジアゾビシクロ(2、2、2)オクタン、ピロリジ
ン、n−プロピルアミン(n−C3H7NH2)、メチルキ
ヌクリジン、等を用いることもでき、テンプレート剤が
カチオンとして働くものである場合は、ハロゲン化物、
水酸化物等の形態で用いる事が出来る。要するに、アン
モニウムイオン、ホスホニウムイオン、アミン類から選
ばれる少なくとも一種からなる要素を備えたものであれ
ば良い。また、アルコキシシラン類としては、TEO
S、TMOS以外に、テトラプロポキシシラン(Si(O
C3H7)4)、テトラブトキシシラン(Si(OC4H9)4)等
を用いる事が出来、加水分解により縮重合してシリカを
生成可能な材料であれば良い。また、アルコキシシラン
と、ジルコニウム、アルミニウム、チタニウムのアルコ
キシド等の金属アルコキシドを混合したものでもよい。
また、水とアルコキシシラン類とのモル比(H2O:S
i) は、特に1〜4が望ましく、この様な条件下では、
前記シリカは、フラクタル次元の低い鎖状の高分子にな
りやすい。さらに、このような条件下で酸触媒として
は、塩酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエ
ンスルホン酸等が利用できるが、塩酸が特に望ましく、
先の無機材料組成物のpHを1〜2.5にする添加量で
ある場合に、特に重合速度を遅く出来る。
ンプレート剤として、TPABr、TEABr、TBA
Br、TMABrを用いたが、n−プロピルトリメチル
アンモニウムイオン((n−C3H7)(CH3)3N+) 、ベン
ジルトリメチルアンモニウムイオン((C7H7)(CH3)3
N+) 、テトラn−ブチルホスホニウムイオン((n−C4
H9)4P+) 、ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン
((C7H7)(C6H5)3P+)、1,4−ジメチル−1,4
−ジアゾビシクロ(2、2、2)オクタン、ピロリジ
ン、n−プロピルアミン(n−C3H7NH2)、メチルキ
ヌクリジン、等を用いることもでき、テンプレート剤が
カチオンとして働くものである場合は、ハロゲン化物、
水酸化物等の形態で用いる事が出来る。要するに、アン
モニウムイオン、ホスホニウムイオン、アミン類から選
ばれる少なくとも一種からなる要素を備えたものであれ
ば良い。また、アルコキシシラン類としては、TEO
S、TMOS以外に、テトラプロポキシシラン(Si(O
C3H7)4)、テトラブトキシシラン(Si(OC4H9)4)等
を用いる事が出来、加水分解により縮重合してシリカを
生成可能な材料であれば良い。また、アルコキシシラン
と、ジルコニウム、アルミニウム、チタニウムのアルコ
キシド等の金属アルコキシドを混合したものでもよい。
また、水とアルコキシシラン類とのモル比(H2O:S
i) は、特に1〜4が望ましく、この様な条件下では、
前記シリカは、フラクタル次元の低い鎖状の高分子にな
りやすい。さらに、このような条件下で酸触媒として
は、塩酸、硝酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、パラトルエ
ンスルホン酸等が利用できるが、塩酸が特に望ましく、
先の無機材料組成物のpHを1〜2.5にする添加量で
ある場合に、特に重合速度を遅く出来る。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。先の実施
の形態によって得られた無機多孔質膜を用いて窒素ガス
と炭酸ガスとの分離性能、及び、窒素ガスとヘリウムガ
スとの分離性能を測定したところ、表2のようになっ
た。
の形態によって得られた無機多孔質膜を用いて窒素ガス
と炭酸ガスとの分離性能、及び、窒素ガスとヘリウムガ
スとの分離性能を測定したところ、表2のようになっ
た。
【0016】
【表2】 但し、α(ガス1/ガス2)は、各温度において無機多
孔質膜を透過する純ガス1の透過速度P1と純ガス2の
透過速度P2の比である。
孔質膜を透過する純ガス1の透過速度P1と純ガス2の
透過速度P2の比である。
【0017】また、表2に用いたガス透過速度P1,P
2は、各温度において表3に示す値を示す。
2は、各温度において表3に示す値を示す。
【0018】
【表3】
【0019】表2より、本発明の無機多孔質膜は、高温
においても窒素に対して高い炭酸ガス分離性を示し、ナ
ノメーターオーダーの孔径に制御された均質な多孔質構
造が得られているものと考えられる。また、表3より、
十分なガス透過量が得られる事も分かり、気体分離膜と
して十分高い性能を発揮する事が証明できた。
においても窒素に対して高い炭酸ガス分離性を示し、ナ
ノメーターオーダーの孔径に制御された均質な多孔質構
造が得られているものと考えられる。また、表3より、
十分なガス透過量が得られる事も分かり、気体分離膜と
して十分高い性能を発揮する事が証明できた。
フロントページの続き (72)発明者 蔵岡 孝治 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院 大阪工業技術研究所内 (72)発明者 大西 孝明 茨城県竜ケ崎市向陽台5丁目6番 株式会 社クボタ基盤技術研究所内 (72)発明者 長田 和男 茨城県竜ケ崎市向陽台5丁目6番 株式会 社クボタ基盤技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 アンモニウムイオン、ホスホニウムイオ
ン、アミン類から選ばれる少なくとも一種からなるテン
プレート剤、及び、水及び触媒量の酸を含むアルコキシ
シラン類溶液を主材としてなり、かつ、水とアルコキシ
シラン類とのモル比率(H2O/Si)が4以下であるp
H1〜2.5の無機材料組成物を、無機多孔質支持体上
に塗布、乾燥して非結晶性塗膜を形成する塗膜形成工
程、及び、前記非結晶性塗膜を前記加水分解による結晶
化をさせない低温かつ常圧の条件下で加熱処理する加熱
工程を行う無機多孔質膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記テンプレート剤が、 テトラn−ブチルアンモニウムイオン((n−C4H9)4N
+) 、 テトラn−プロピルアンモニウムイオン((n−C3H7)4
N+) 、 テトラエチルアンモニウムイオン((C2H5)4N+) 、 テトラメチルアンモニウムイオン((CH3)4N+) 、 n−プロピルトリメチルアンモニウムイオン((n−C3
H7)(CH3)3N+) 、 ベンジルトリメチルアンモニウムイオン((C7H7)(CH
3)3N+) 、 テトラn−ブチルホスホニウムイオン((n−C4H9)4P
+) 、 ベンジルトリフェニルホスホニウムイオン((C7H7)(C
6H5)3P+)、 1,4−ジメチル−1,4−ジアゾビシクロ(2、2、
2)オクタン、 ピロリジン、 n−プロピルアミン(n−C3H7NH2)、 メチルキヌクリジン、の少なくとも一種のものである請
求項1記載の無機多孔質膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記無機材料組成物における水とアルコ
キシシラン類とのモル比(H2O:Si)が0.1〜10
である請求項1〜2のいずれかに記載の無機多孔質膜の
製造方法。 - 【請求項4】 前記無機材料組成物における酸が塩酸で
あり、その添加量が水1に対して1/105〜1/10
である請求項1〜3のいずれかに記載の無機多孔質膜の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4081696A JP3391622B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 気体分離膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4081696A JP3391622B2 (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 気体分離膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227113A true JPH09227113A (ja) | 1997-09-02 |
JP3391622B2 JP3391622B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=12591188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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1996
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