JPH09226486A - 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法Info
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- JPH09226486A JPH09226486A JP4112196A JP4112196A JPH09226486A JP H09226486 A JPH09226486 A JP H09226486A JP 4112196 A JP4112196 A JP 4112196A JP 4112196 A JP4112196 A JP 4112196A JP H09226486 A JPH09226486 A JP H09226486A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 衝撃緩衝効果の高い自動車用衝撃緩衝部材の
形状を提供するとともに、生産性が高い該部材の一体成
形法を提供する。 【解決手段】 中空部分を有する長尺の湾曲部と、長手
方向両端に設けられる自動車本体への取付部からなる熱
可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材1において、湾曲部
は長手方向に垂直な断面の外郭が自動車本体への取付側
から自動車前方に向けて狭まるテイパーをなす台形形状
であり、その台形断面中央にほぼ矩形で長手方向に連通
した中空部分9と、それに隣接し、前記中空部分よりも
小なる長手方向に連通した少なくとも一つの中空部分1
0を有する自動車用衝撃緩衝材とする。
形状を提供するとともに、生産性が高い該部材の一体成
形法を提供する。 【解決手段】 中空部分を有する長尺の湾曲部と、長手
方向両端に設けられる自動車本体への取付部からなる熱
可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材1において、湾曲部
は長手方向に垂直な断面の外郭が自動車本体への取付側
から自動車前方に向けて狭まるテイパーをなす台形形状
であり、その台形断面中央にほぼ矩形で長手方向に連通
した中空部分9と、それに隣接し、前記中空部分よりも
小なる長手方向に連通した少なくとも一つの中空部分1
0を有する自動車用衝撃緩衝材とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃緩衝効果の高
い熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方
法に関するものである。
い熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バンパー、バンパービーム等の自
動車用衝撃緩衝部材には、金属製のものが多用されてき
たが、強度的には問題ないものの、重量が大きく、腐食
し易い等の欠点があった。そのため、最近では、省資
源、軽量化の観点からプラスチック製のバンパー、バン
パービーム等が採用されるようになってきた。
動車用衝撃緩衝部材には、金属製のものが多用されてき
たが、強度的には問題ないものの、重量が大きく、腐食
し易い等の欠点があった。そのため、最近では、省資
源、軽量化の観点からプラスチック製のバンパー、バン
パービーム等が採用されるようになってきた。
【0003】このプラスチック製のバンパー、バンパー
ビーム等は、衝撃緩衝を向上する上で、中空構造を有す
る形状とするのが効果的であり、その製造方法として、
ブロー成形による一体成形や射出成形で表側と裏側を別
々に成形し、それらを二次加工で張り合わせることによ
り中空構造の成形品を成形する方法がある。しかし、ブ
ロー成形による一体成形では、中空構造の成形品を容易
に得られるが生産性に限界があることや形状の自由度が
乏しい等の問題がある。
ビーム等は、衝撃緩衝を向上する上で、中空構造を有す
る形状とするのが効果的であり、その製造方法として、
ブロー成形による一体成形や射出成形で表側と裏側を別
々に成形し、それらを二次加工で張り合わせることによ
り中空構造の成形品を成形する方法がある。しかし、ブ
ロー成形による一体成形では、中空構造の成形品を容易
に得られるが生産性に限界があることや形状の自由度が
乏しい等の問題がある。
【0004】また、射出成形では、成形機の大型化と高
い射出圧力に耐えうる金型が高価になる上、二次加工に
よる経費の増加等の問題がある。
い射出圧力に耐えうる金型が高価になる上、二次加工に
よる経費の増加等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、衝撃緩衝効
果の高い自動車用衝撃緩衝部材の形状を提供するととも
に、射出成形による生産性、形状の自由度を活かし、か
つ低圧成形による成形機の小型化を可能とする自動車用
衝撃緩衝部材の一体成形法を提供することを目的とする
ものである。
果の高い自動車用衝撃緩衝部材の形状を提供するととも
に、射出成形による生産性、形状の自由度を活かし、か
つ低圧成形による成形機の小型化を可能とする自動車用
衝撃緩衝部材の一体成形法を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成する方法を種々検討した結果、特定の形状を有す
る自動車用衝撃緩衝部材が衝撃緩衝が高く、座屈しにく
いことや移動コアを用いたガス注入射出成形により自動
車用衝撃緩衝部材の一体成形法が達成できることを見い
だし、本発明を完成した。
を達成する方法を種々検討した結果、特定の形状を有す
る自動車用衝撃緩衝部材が衝撃緩衝が高く、座屈しにく
いことや移動コアを用いたガス注入射出成形により自動
車用衝撃緩衝部材の一体成形法が達成できることを見い
だし、本発明を完成した。
【0007】本発明は、以下の通りである。 (1)中空部分を有する長尺の湾曲部と、長手方向両端
に設けられる自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹
脂製自動車用衝撃緩衝部材において、湾曲部は長手方向
に垂直な断面の外郭が自動車本体への取付側から自動車
前方に向けて狭まるテイパーをなす少なくとも一つの台
形形状からなり、その台形断面中央にほぼ矩形で長手方
向に連通した中空部分と、それに隣接し、前記中空部分
よりも小なる長手方向に連通した少なくとも一つの中空
部分を有することを特徴とする熱可塑性樹脂製自動車用
衝撃緩衝部材。 (2)湾曲部の断面外郭が隣接した二つの台形形状から
なる上記(1)に記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩
衝部材。
に設けられる自動車本体への取付部からなる熱可塑性樹
脂製自動車用衝撃緩衝部材において、湾曲部は長手方向
に垂直な断面の外郭が自動車本体への取付側から自動車
前方に向けて狭まるテイパーをなす少なくとも一つの台
形形状からなり、その台形断面中央にほぼ矩形で長手方
向に連通した中空部分と、それに隣接し、前記中空部分
よりも小なる長手方向に連通した少なくとも一つの中空
部分を有することを特徴とする熱可塑性樹脂製自動車用
衝撃緩衝部材。 (2)湾曲部の断面外郭が隣接した二つの台形形状から
なる上記(1)に記載の熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩
衝部材。
【0008】(3)中空部分を有する長尺の湾曲部と、
長手方向両端に設けられる自動車本体への取付部からな
る熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であ
って、型を閉じた状態で、金型に設置された移動コアを
突き出し、その移動コアの先端と金型の間に加圧ガスの
導入しながら、移動コアを後退させ、長手方向に垂直な
断面がほぼ矩形で、長手方向に連通した中空部分を形成
するようにしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材の製造方法。
長手方向両端に設けられる自動車本体への取付部からな
る熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であ
って、型を閉じた状態で、金型に設置された移動コアを
突き出し、その移動コアの先端と金型の間に加圧ガスの
導入しながら、移動コアを後退させ、長手方向に垂直な
断面がほぼ矩形で、長手方向に連通した中空部分を形成
するようにしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材の製造方法。
【0009】(4)上記(1)又は(2)に記載の熱可
塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、
型を閉じた状態で、金型に設置された少なくとも一つの
移動コアを突き出し、テーパー部に所望の中空部分を形
成するまで、加圧ガスを導入し、保圧するとともに、移
動コアの先端と金型の間に加圧ガスを導入しながら、移
動コアを後退させ、長手方向に垂直な断面がほぼ矩形
で、長手方向に連通した少なくとも一つの中空部分を形
成するようにしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂
製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法。なお、本発明にお
ける自動車前方とは、自動車の進行方向のみを意味する
ものではなく、自動車の外部空間側を意味し、本発明の
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材は、車体の前部と
後部の両方に適用できるものである。
塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、
型を閉じた状態で、金型に設置された少なくとも一つの
移動コアを突き出し、テーパー部に所望の中空部分を形
成するまで、加圧ガスを導入し、保圧するとともに、移
動コアの先端と金型の間に加圧ガスを導入しながら、移
動コアを後退させ、長手方向に垂直な断面がほぼ矩形
で、長手方向に連通した少なくとも一つの中空部分を形
成するようにしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂
製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法。なお、本発明にお
ける自動車前方とは、自動車の進行方向のみを意味する
ものではなく、自動車の外部空間側を意味し、本発明の
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材は、車体の前部と
後部の両方に適用できるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、詳細に説
明する。本発明における自動車用衝撃緩衝部材は、図1
〜4に示すように中空部分を有する長尺の湾曲部と、長
手方向両端に備えられる自動車本体への取付部からなる
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材であって、湾曲部
の外郭は、長手方向に垂直な断面が自動車本体への取付
側から自動車前方に向けて狭まるテイパーをなす台形形
状であり、その断面中央にほぼ矩形で長手方向に連通し
た少なくとも一つの中空部分と、それに隣接し、前記中
空部分よりも小なる長手方向に連通した少なくとも一つ
の中空部分を有することを特徴とする熱可塑性樹脂製自
動車用衝撃緩衝部材である。上記の断面で矩形の中空部
分とそれに隣接するテイパー部の中空部分を仕切る壁は
リブとしての役割をして、衝撃緩衝に有用である。ま
た、テイパー部の中空部分は衝撃緩衝部材の軽量化に役
立つものである。
明する。本発明における自動車用衝撃緩衝部材は、図1
〜4に示すように中空部分を有する長尺の湾曲部と、長
手方向両端に備えられる自動車本体への取付部からなる
熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材であって、湾曲部
の外郭は、長手方向に垂直な断面が自動車本体への取付
側から自動車前方に向けて狭まるテイパーをなす台形形
状であり、その断面中央にほぼ矩形で長手方向に連通し
た少なくとも一つの中空部分と、それに隣接し、前記中
空部分よりも小なる長手方向に連通した少なくとも一つ
の中空部分を有することを特徴とする熱可塑性樹脂製自
動車用衝撃緩衝部材である。上記の断面で矩形の中空部
分とそれに隣接するテイパー部の中空部分を仕切る壁は
リブとしての役割をして、衝撃緩衝に有用である。ま
た、テイパー部の中空部分は衝撃緩衝部材の軽量化に役
立つものである。
【0011】テイパー部は、少なくとも一方には必要で
あり、衝撃緩衝の面から、両側にあった方が好ましく。
このテイパー部の傾斜角度は、2〜20°の範囲に設定
するのが好ましく、5〜10°の範囲がより好適であ
る。上記の断面外郭が台形形状をなす突条が二つあるも
のが衝撃緩衝の面から好ましく、また、二つの台形に挟
まれた内側のテイパー部の傾斜角度は、外側のテイパー
部の傾斜角度より小さくするのが好ましく、3〜7°の
範囲に設定するのがよい。これに対して、外側のテイパ
ー部の傾斜角度は、5〜10°の範囲に設定するのがよ
い。また、上記の断面の肉厚は、自動車前面側が厚く、
車体への取付側に向けて、徐々に薄くしたり、長手方向
に、その中央部の肉厚が厚く、両端側に向けて、徐々に
薄くしたりするとよい場合がある。これは、衝撃緩衝部
材の軽量化や衝撃の形態による衝撃緩衝効果の向上に役
立つものである。
あり、衝撃緩衝の面から、両側にあった方が好ましく。
このテイパー部の傾斜角度は、2〜20°の範囲に設定
するのが好ましく、5〜10°の範囲がより好適であ
る。上記の断面外郭が台形形状をなす突条が二つあるも
のが衝撃緩衝の面から好ましく、また、二つの台形に挟
まれた内側のテイパー部の傾斜角度は、外側のテイパー
部の傾斜角度より小さくするのが好ましく、3〜7°の
範囲に設定するのがよい。これに対して、外側のテイパ
ー部の傾斜角度は、5〜10°の範囲に設定するのがよ
い。また、上記の断面の肉厚は、自動車前面側が厚く、
車体への取付側に向けて、徐々に薄くしたり、長手方向
に、その中央部の肉厚が厚く、両端側に向けて、徐々に
薄くしたりするとよい場合がある。これは、衝撃緩衝部
材の軽量化や衝撃の形態による衝撃緩衝効果の向上に役
立つものである。
【0012】さらに、衝撃緩衝部材の両端に取付け部が
設けられている。この取付け部は、自動車本体と勘合す
るような凹凸を設け、取付けた衝撃緩衝部材が擦れない
ようにするのが好ましい。例えば、図3のように、衝撃
緩衝部材に凹部を、自動車本体には凸部を設け、それを
挟持できるようにするとよい。また、自動車前面側から
取付けられるように衝撃緩衝部材に貫通穴を設け、ボル
ト、リベット、かしめ用部材等の接合手段により、取付
けするとよい。
設けられている。この取付け部は、自動車本体と勘合す
るような凹凸を設け、取付けた衝撃緩衝部材が擦れない
ようにするのが好ましい。例えば、図3のように、衝撃
緩衝部材に凹部を、自動車本体には凸部を設け、それを
挟持できるようにするとよい。また、自動車前面側から
取付けられるように衝撃緩衝部材に貫通穴を設け、ボル
ト、リベット、かしめ用部材等の接合手段により、取付
けするとよい。
【0013】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の製造方法
について、以下に図に基づいて説明する。本発明に使用
される金型は、上記のような構造の自動車用衝撃緩衝部
材の他、長尺方向に垂直な断面が矩形の中空部分を有す
る成形品に適用できるガス注入射出成形用の金型構造で
あり、移動コアと加圧ガスを導入部を有することを特徴
とするものである。例えば、射出成形機側の固定金型2
が、図5〜9に示すように自動車用衝撃緩衝部材に対応
した形状を有し、移動金型3と移動コア4は移動制御機
構を有する構造であり、射出ノズルから金型キャビティ
まではホットランナー6とし、樹脂が溶融状態を保つこ
とを可能とするものである。また、上記の図において固
定金型のキャビティ形状を左右反転して、固定金型側に
移動コアとその移動制御機構を有する構造であってもよ
い。この移動コア4の突出し部の形状及び体積は、矩形
の中空部分9の形状及び容積にほぼ対応するものであ
る。また、この移動コアは、温度調整が可能で、必要に
応じて、多分割にするのがよく、その油圧装置等を用い
た移動も個々に制御できる機構とするのがよい。
について、以下に図に基づいて説明する。本発明に使用
される金型は、上記のような構造の自動車用衝撃緩衝部
材の他、長尺方向に垂直な断面が矩形の中空部分を有す
る成形品に適用できるガス注入射出成形用の金型構造で
あり、移動コアと加圧ガスを導入部を有することを特徴
とするものである。例えば、射出成形機側の固定金型2
が、図5〜9に示すように自動車用衝撃緩衝部材に対応
した形状を有し、移動金型3と移動コア4は移動制御機
構を有する構造であり、射出ノズルから金型キャビティ
まではホットランナー6とし、樹脂が溶融状態を保つこ
とを可能とするものである。また、上記の図において固
定金型のキャビティ形状を左右反転して、固定金型側に
移動コアとその移動制御機構を有する構造であってもよ
い。この移動コア4の突出し部の形状及び体積は、矩形
の中空部分9の形状及び容積にほぼ対応するものであ
る。また、この移動コアは、温度調整が可能で、必要に
応じて、多分割にするのがよく、その油圧装置等を用い
た移動も個々に制御できる機構とするのがよい。
【0014】加圧ガスの導入部は、特に図示していない
が、該衝撃緩衝部材の前面部8及び上記のテーパー部7
に加圧ガスを導入できるような機能を有する。例えば、
それらの部分に効率良く加圧ガスを導入できるように、
前後退可能なピンを設置した金型である。加圧ガスに
は、窒素、ヘリウム等の不活性ガスあるいは空気等が用
いられるが一般的には窒素ガスが用いられる。その圧力
は、通常、3〜15MPaの範囲である。ピンは上記の
衝撃緩衝部材の成形において、溶融樹脂5が射出充填さ
れた後、加圧ガスを導入すると同時に、又は一定時間後
油圧装置等を用いて移動させる。金型内への突出し量や
使用するガスの圧力は溶融樹脂の溶融粘度等に依存する
ので、ガスの導入状態により適宜決定される。ピンの形
状は特に限定されない。
が、該衝撃緩衝部材の前面部8及び上記のテーパー部7
に加圧ガスを導入できるような機能を有する。例えば、
それらの部分に効率良く加圧ガスを導入できるように、
前後退可能なピンを設置した金型である。加圧ガスに
は、窒素、ヘリウム等の不活性ガスあるいは空気等が用
いられるが一般的には窒素ガスが用いられる。その圧力
は、通常、3〜15MPaの範囲である。ピンは上記の
衝撃緩衝部材の成形において、溶融樹脂5が射出充填さ
れた後、加圧ガスを導入すると同時に、又は一定時間後
油圧装置等を用いて移動させる。金型内への突出し量や
使用するガスの圧力は溶融樹脂の溶融粘度等に依存する
ので、ガスの導入状態により適宜決定される。ピンの形
状は特に限定されない。
【0015】本発明に使用できる射出成形機としては、
上記の金型を取り付けられ、その金型機能を十分に発揮
させ得るものであればよく、通常のガス注入射出成形用
の成形機であればよい。対象とする樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の熱可塑性樹脂またはこれらの熱可塑
性樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマ
ー等のエラストマー、タルク、マイカ、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤を添加したも
のが採用でき、主にポリプロピレン系樹脂を採用する場
合が多い。
上記の金型を取り付けられ、その金型機能を十分に発揮
させ得るものであればよく、通常のガス注入射出成形用
の成形機であればよい。対象とする樹脂としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等の熱可塑性樹脂またはこれらの熱可塑
性樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマ
ー等のエラストマー、タルク、マイカ、炭酸カルシウ
ム、ガラス繊維、炭素繊維等の無機充填剤を添加したも
のが採用でき、主にポリプロピレン系樹脂を採用する場
合が多い。
【0016】本発明の内、テイパー部にも中空部分10
を有する衝撃緩衝部材の製造方法をその手順に従って、
以下に説明する。 (1) 図5に示すように、上記の金型2、3を閉じ、移
動コア4を所定の位置まで突き出した状態とする。金型
キャビティ内に射出する溶融樹脂5は通常の射出成形と
同様に、使用する樹脂を適正に可塑化溶融して、金型キ
ャビティ内に充填させる。その充填させる量は、固定金
型2と移動コア4でほぼ決定される金型キャビティ容積
と最終的な衝撃緩衝部材の形状により適宜決定される。 (2) 図6に示すように、加圧ガスを、金型キャビティ
内に射出充填された溶融樹脂5が溶融状態にある時に導
入を開始する。溶融樹脂の一部と並行的に導入を開始し
ても、又は溶融樹脂を金型キャビティ内に射出充填させ
た後、すなわち射出充填後直ちに又は一定の時間後に導
入を開始してもよい。この加圧ガスは、先ず、衝撃緩衝
部材のテイパー部7の溶融樹脂中に導入される。
を有する衝撃緩衝部材の製造方法をその手順に従って、
以下に説明する。 (1) 図5に示すように、上記の金型2、3を閉じ、移
動コア4を所定の位置まで突き出した状態とする。金型
キャビティ内に射出する溶融樹脂5は通常の射出成形と
同様に、使用する樹脂を適正に可塑化溶融して、金型キ
ャビティ内に充填させる。その充填させる量は、固定金
型2と移動コア4でほぼ決定される金型キャビティ容積
と最終的な衝撃緩衝部材の形状により適宜決定される。 (2) 図6に示すように、加圧ガスを、金型キャビティ
内に射出充填された溶融樹脂5が溶融状態にある時に導
入を開始する。溶融樹脂の一部と並行的に導入を開始し
ても、又は溶融樹脂を金型キャビティ内に射出充填させ
た後、すなわち射出充填後直ちに又は一定の時間後に導
入を開始してもよい。この加圧ガスは、先ず、衝撃緩衝
部材のテイパー部7の溶融樹脂中に導入される。
【0017】(3) 次に、図7、8に示すように、衝撃
緩衝部材の前面部8の溶融樹脂中に加圧ガスを導入し、
移動コア4を後退させながら、衝撃緩衝部材の前面部8
の溶融樹脂中への加圧ガスの導入を継続させ、所定の矩
形の中空部分9を形成できるようにする。また、テイパ
ー部7への加圧ガスの導入は所望の中空部分10が形成
された後は保圧を目的とし、この中空部分を維持できる
ようにすればよい。それぞれへの加圧ガスの導入量及び
圧力は、中空部分間の壁を破らないように適宜調整す
る。温度調整可能な移動コア4により、これに接する溶
融樹脂5は冷却が始まっているので、この冷却された部
分が一種の壁を形成し、移動コアを後退させながら加圧
ガスを導入するとその壁に沿って、溶融樹脂5が移動し
ながら、中空部分が成長していく。 (4) 図9に示すように、移動コア4の後退が完了し、
所望の矩形の中空部分9が形成される。これの冷却・固
化を充分行ったのち、金型を開いて、成形された衝撃緩
衝部材を取り出す。その際、金型より加圧ガスを出し、
成形された衝撃緩衝部材を取り出し易くしてもよい。
緩衝部材の前面部8の溶融樹脂中に加圧ガスを導入し、
移動コア4を後退させながら、衝撃緩衝部材の前面部8
の溶融樹脂中への加圧ガスの導入を継続させ、所定の矩
形の中空部分9を形成できるようにする。また、テイパ
ー部7への加圧ガスの導入は所望の中空部分10が形成
された後は保圧を目的とし、この中空部分を維持できる
ようにすればよい。それぞれへの加圧ガスの導入量及び
圧力は、中空部分間の壁を破らないように適宜調整す
る。温度調整可能な移動コア4により、これに接する溶
融樹脂5は冷却が始まっているので、この冷却された部
分が一種の壁を形成し、移動コアを後退させながら加圧
ガスを導入するとその壁に沿って、溶融樹脂5が移動し
ながら、中空部分が成長していく。 (4) 図9に示すように、移動コア4の後退が完了し、
所望の矩形の中空部分9が形成される。これの冷却・固
化を充分行ったのち、金型を開いて、成形された衝撃緩
衝部材を取り出す。その際、金型より加圧ガスを出し、
成形された衝撃緩衝部材を取り出し易くしてもよい。
【0018】本発明の内、テイパー部に中空部分を有し
ない衝撃緩衝部材の製造方法は、上記の手順において、
テイパー部に加圧ガス導入等を省いた手順に従えばよ
い。本発明のガス注入射出成形によれば、低い樹脂圧の
下で成形できるので、通常の射出成形のような高圧に耐
え得る金型が要求されず、金型を小型化でき、同時にコ
ストも低減できる。また、それを取り付ける射出成形機
も小型なものまで使用できるようになる。さらに、ガス
注入射出成形によれば、射出成形の特長である高生産性
が可能で、形状の自由度も大きい。
ない衝撃緩衝部材の製造方法は、上記の手順において、
テイパー部に加圧ガス導入等を省いた手順に従えばよ
い。本発明のガス注入射出成形によれば、低い樹脂圧の
下で成形できるので、通常の射出成形のような高圧に耐
え得る金型が要求されず、金型を小型化でき、同時にコ
ストも低減できる。また、それを取り付ける射出成形機
も小型なものまで使用できるようになる。さらに、ガス
注入射出成形によれば、射出成形の特長である高生産性
が可能で、形状の自由度も大きい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、特別の中空構造を採用
することにより、衝撃緩衝効果の高い自動車用衝撃緩衝
部材が得られる。また、移動コア及び加圧ガス導入を特
徴とするガス注入射出成形により、高生産性で、形状の
自由度も大きく、かつ成形機の小型化を可能とする自動
車用衝撃緩衝部材の一体成形が可能となる。
することにより、衝撃緩衝効果の高い自動車用衝撃緩衝
部材が得られる。また、移動コア及び加圧ガス導入を特
徴とするガス注入射出成形により、高生産性で、形状の
自由度も大きく、かつ成形機の小型化を可能とする自動
車用衝撃緩衝部材の一体成形が可能となる。
【図1】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略断面形状
(中央部の断面A、場合によっては、断面C)
(中央部の断面A、場合によっては、断面C)
【図2】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略平面図
【図3】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略断面形状
(取付部の断面B)
(取付部の断面B)
【図4】本発明の自動車用衝撃緩衝部材の概略正面図
【図5】本発明の製造方法の概念図(金型への溶融樹脂
の充填)
の充填)
【図6】本発明の製造方法の概念図(テイパー部へのガ
ス充填)
ス充填)
【図7】本発明の製造方法の概念図(前面部へのガス充
填開始)
填開始)
【図8】本発明の製造方法の概念図(前面部へのガス充
填と移動コアの後退)
填と移動コアの後退)
【図9】本発明の製造方法の概念図(矩形の中空部分の
形成完了)
形成完了)
【図10】ブロー成形による自動車用衝撃緩衝部材 (a)
概要図 (b)中央断面図
概要図 (b)中央断面図
【図11】従来の射出成形による自動車用衝撃緩衝部材
1・・・ 自動車用衝撃緩衝部材 9・・・ 矩形
の中空部分 2・・・ 固定金型 10・・・ テイ
パー部の中空部分 3・・・ 移動金型 11・・・ テイ
パー部の傾斜角度 4・・・ 移動コア 12・・・ 自動
車取付け部 5・・・ 溶融樹脂 13・・・ 取付
け穴 6・・・ ホットランナー 14・・・ リブ 7・・・ テイパー部 15・・・ 中実
部 8・・・ 前面部 16・・・ 中空
部
の中空部分 2・・・ 固定金型 10・・・ テイ
パー部の中空部分 3・・・ 移動金型 11・・・ テイ
パー部の傾斜角度 4・・・ 移動コア 12・・・ 自動
車取付け部 5・・・ 溶融樹脂 13・・・ 取付
け穴 6・・・ ホットランナー 14・・・ リブ 7・・・ テイパー部 15・・・ 中実
部 8・・・ 前面部 16・・・ 中空
部
Claims (4)
- 【請求項1】 中空部分を有する長尺の湾曲部と、長手
方向両端に設けられる自動車本体への取付部からなる熱
可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材において、湾曲部は
長手方向に垂直な断面の外郭が自動車本体への取付側か
ら自動車前方に向けて狭まるテイパーをなす少なくとも
一つの台形形状からなり、その台形断面中央にほぼ矩形
で長手方向に連通した中空部分と、それに隣接し、前記
中空部分よりも小なる長手方向に連通した少なくとも一
つの中空部分を有することを特徴とする熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材。 - 【請求項2】 湾曲部の断面外郭が隣接した二つの台形
形状からなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂製自動車用
衝撃緩衝部材。 - 【請求項3】 中空部分を有する長尺の湾曲部と、長手
方向両端に設けられる自動車本体への取付部からなる熱
可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であっ
て、型を閉じた状態で、金型に設置された移動コアを突
き出し、その移動コアの先端と金型の間に加圧ガスの導
入しながら、移動コアを後退させ、長手方向に垂直な断
面がほぼ矩形で、長手方向に連通した中空部分を形成す
るようにしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂製自
動車用衝撃緩衝部材の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂製
自動車用衝撃緩衝部材の製造方法であって、型を閉じた
状態で、金型に設置された少なくとも一つの移動コアを
突き出し、テーパー部に所望の中空部分を形成するま
で、加圧ガスを導入し、保圧するとともに、移動コアの
先端と金型の間に加圧ガスを導入しながら、移動コアを
後退させ、長手方向に垂直な断面がほぼ矩形で、長手方
向に連通した少なくとも一つの中空部分を形成するよう
にしたガス注入射出成形による熱可塑性樹脂製自動車用
衝撃緩衝部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4112196A JPH09226486A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4112196A JPH09226486A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09226486A true JPH09226486A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12599627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4112196A Pending JPH09226486A (ja) | 1996-02-28 | 1996-02-28 | 熱可塑性樹脂製自動車用衝撃緩衝部材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09226486A (ja) |
-
1996
- 1996-02-28 JP JP4112196A patent/JPH09226486A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20041001 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050128 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050301 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050726 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |