JPH09226062A - 反射防止フイルム - Google Patents

反射防止フイルム

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JPH09226062A
JPH09226062A JP8065442A JP6544296A JPH09226062A JP H09226062 A JPH09226062 A JP H09226062A JP 8065442 A JP8065442 A JP 8065442A JP 6544296 A JP6544296 A JP 6544296A JP H09226062 A JPH09226062 A JP H09226062A
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JP
Japan
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refractive index
hard coat
coat layer
layer
high refractive
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JP8065442A
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English (en)
Inventor
Hiroko Suzuki
裕子 鈴木
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射防止フイルムにおいて、その最表層の
低屈折率層がハードコート層に対して優れた密着性を有
する反射防止フイルムを提供すること。 【解決手段】 透明基材フイルム上に、高屈折率を有す
るハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防
止フイルムにおいて、上記高屈折率ハードコート層が、
反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬化型樹脂
を主体として形成されていることを特徴とする反射防止
フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワープロ、コンピ
ュータ、テレビ、プラズマディスプレイパネル等の各種
ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板の表面、透
明プラスチック類からなるサングラスレンズ、度付メガ
ネレンズ、カメラ用ファインダーレンズ等の光学レン
ズ、各種計器のカバー、自動車、電車の窓ガラス等の表
面の反射防止に優れた反射防止フイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カーブミラー、バックミラー、ゴ
ーグル、窓ガラス、パソコン、ワープロ、プラズマディ
スプレイ等のディスプレイ、その他種々の商業ディスプ
レイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が用い
られており、これらの透明基板を通して物体や文字、図
形等の視覚情報を観察する場合、或いはミラーでは透明
基板を通して反射層からの像を観察する場合に、これら
の透明基板の表面が外光で反射して内部の視覚情報が見
えにくいという問題があった。
【0003】このような透明基板の反射を防止する方法
としては、従来、ガラスやプラスチックの表面に反射防
止塗料を塗布する方法、ガラス・プラスチック基材等の
透明基板の表面に、必要に応じてハードコート層を介し
て膜厚0.1μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜を蒸
着やスパッタリング、プラズマCVD法等の気相法によ
り形成する方法があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チックレンズ等のプラスチック製品の表面に電離放射線
硬化型樹脂を塗工してハードコート層とし、得られたハ
ードコート層上に膜厚0.1μm程度のMgF2やSi
2等の薄膜を蒸着によって形成して反射防止フイルム
を形成する方法では、ハードコート層に対するMgF2
やSiO2等の蒸着薄膜の密着性が不十分であり、反射
防止フイルムを繰り返し屈曲させると、これらの薄膜に
クラックが入ったり、薄膜が剥離したりする等の問題が
ある。
【0005】近年、塗布法によって優れた品質の薄膜を
得る方法として、無機又は有機超微粒子を酸性及び又は
アルカリ水溶液中に分散した分散液を、基板上に塗布
し、焼成する方法が提案されている。この製造方法によ
ると、大量生産や設備コスト面では有利であるが、製造
工程中に高温での焼成過程を必要とするため、プラスチ
ック基材には成膜が不可能なこと、又、基板と塗布膜と
の収縮度の違い等により皮膜の均一性が十分でなく、気
相法により得られる薄膜に比較した場合に、基材に対す
る密着性等において依然として性能が劣り、又、熱処理
に長時間(例えば、数十分間以上)を要し、生産性に劣
ると云う欠点を有する。従って、本発明の目的は、反射
防止フイルムにおいて、その最表層の低屈折率層がハー
ドコート層に対して優れた密着性を有する反射防止フイ
ルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、透明基材フイル
ム上に、高屈折率を有するハードコート層(以下単に高
屈折率ハードコート層という)及び低屈折率層を積層し
てなる反射防止フイルムにおいて、上記高屈折率ハード
コート層が、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射
線硬化型樹脂を主体として形成されていることを特徴と
する反射防止フイルムである。
【0007】本発明によれば、反射防止フイルムの高屈
折率ハードコート層を、反応性有機珪素化合物を含有す
る電離放射線硬化型樹脂を主体として形成することによ
って、低屈折率層が高屈折率ハードコート層に対して優
れた密着性を有する反射防止フイルムを、高価で複雑な
設備等を使用することなく経済的に提供することができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。図1は、本発明の反射防止フイル
ムの1例の断面を図解的に示す図である。この例の反射
防止フイルムは、透明基材フイルム1上に、高屈折率ハ
ードコート層2と低屈折率層3とを積層した例であり、
図中の符号4は必要に応じて積層される接着層又はプラ
イマー層である。図2に示す例は、上記図1に示す例に
おいて、表面に微細凹凸形状5を設け、反射防止フイル
ムに防眩性を付与した例である。
【0009】本発明において、上記透明基材フイルムと
しては、透明性のあるフイルムであればいずれのフイル
ムでもよく、例えば、トリアセチルセルロースフイル
ム、ジアセチルセルロースフイルム、アセテートブチレ
ートセルロースフイルム、ポリエーテルサルホンフイル
ム、ポリアクリル系樹脂フイルム、ポリウレタン系樹脂
フイルム、ポリエステルフイルム、ポリカーボネートフ
イルム、ポリスルホンフイルム、ポリエーテルフイル
ム、トリメチルペンテンフイルム、ポリエーテルケトン
フイルム、(メタ)アクリロニトリルフイルム等が使用
できるが、一軸又は二軸延伸ポリエステルが透明性及び
耐熱性に優れ、光学的に異方性が無い点で好適に用いら
れる。その厚みは、通常は8μm〜1000μm程度の
ものが好適に用いられる。
【0010】図1の例において、上記透明基材フイルム
の面に形成する高屈折率ハードコート層は、電離放射線
硬化型樹脂を使用して形成する。尚、本明細書におい
て、「ハードコート層」とは、JIS K5400で示
される鉛筆硬度試験でH以上の硬度を示すものをいう。
又、本発明において「高屈折率」及び「低屈折率」と
は、互いに隣接する層同士の相対的な屈折率の高低をい
う。
【0011】高屈折率ハードコート層を形成するのに好
適な電離放射線硬化型樹脂としては、好ましくはアクリ
レート系の官能基を有するもの、例えば、比較的低分子
量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ス
ピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオー
ルポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物の
(メタ)アクリレート等のオリゴマー又はプレポリマ
ー、及び反応性希釈剤としてエチル(メタ)アクリレー
ト、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、
メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノ
マー、並びに多官能モノマー、例えば、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート等を比較的多量に含有するものが使用できる。
【0012】更に、上記の電離放射線硬化型樹脂を紫外
線硬化型樹脂とするには、この中に光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベ
ンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テ
トラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン
類や、光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルア
ミン、トリーn−ブチルホスフィン等を混合して用いる
ことができる。
【0013】上記の電離放射線硬化型樹脂には、反応性
有機珪素化合物を含有させる。該反応性有機珪素化合物
としては、以下の如き化合物が挙げられる。 (1)珪素アルコキシド 例えば、RmSi(OR´)nで表される化合物であり、
ここでR、R´は炭素数1〜10のアルキル基を表し、
m+nは4であり、m及びnはそれぞれ整数である。更
に具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−
n−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、
テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−
ブトキシシラン、テトラペンタエトキシシラン、テトラ
ペンタ−iso−プロポキシシラン、テトラペンタ−n
−プロポキシシラン、テトラペンタ−n−ブトキシシラ
ン、テトラペンタ−sec−ブトキシシラン、テトラペ
ンタ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポ
キシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルエ
トキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルプロ
ポキシシラン、ジメチルブトキシシラン、メチルジメト
キシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。
【0014】(2)シランカップリング剤 例えば、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリ
メトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベン
ジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン・塩酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシ
ラザン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタ
デシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル]アンモニウムクロライド、γ−クロロプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、トリメチルクロロシラン等が挙げられ
る。
【0015】(3)電離放射線硬化性珪素化合物 電離放射線によって反応架橋する複数の基、例えば、重
合性二重結合基を有する分子量5,000以下の有機珪
素化合物が挙げられる。このような反応性有機珪素化合
物は、片末端ビニル官能性ポリシラン、両末端ビニル官
能性ポリシラン、片末端ビニル官能ポリシロキサン、両
末端ビニル官能性ポリシロキサン、或いはこれらの化合
物を反応させたビニル官能性ポリシラン、又はビニル官
能性ポリシロキサン等が挙げられる。具体的な化合物を
例示すれば下記の通りである。
【0016】 CH2=CH−(R12Si)n−CH=CH2 (A) (上記式中、a〜d及びnは、分子量が5,000以下
になる値である。) その他の化合物としては、3−(メタ)アクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシ
プロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロ
キシシラン化合物等が挙げられる。
【0017】本発明においては、高屈折率ハードコート
層は、前記電離放射線硬化型樹脂に上記の反応性有機珪
素化合物を添加して形成する。電離放射線硬化型樹脂に
添加する反応性有機珪素化合物の量は、両者の合計のう
ちの10〜100重量%であり、使用量が10重量%未
満であると、最表層に形成する低屈折率層の密着性向上
の効果が十分ではない。又、前記(3)の電離放射線硬
化性珪素化合物を電離放射線硬化型樹脂として用いる場
合には、これらの化合物を単独で使用して高屈折率ハー
ドコート層を形成することができる。
【0018】高屈折率ハードコート層を、上記の有機珪
素化合物を含む電離放射線硬化型樹脂から形成する場
合、硬化時に架橋密度が高くなりすぎると、可撓性が低
下し、得られる反射防止フイルムの屈曲時に高屈折率ハ
ードコート層にクラック等が入り易くなる場合がある。
この場合には高屈折率ハードコート層形成用組成物に、
非反応性の熱可塑性樹脂を組成物全体中で約50重量%
を占めるまでの量で混合することが好ましい。非反応性
の熱可塑性樹脂の添加量が多すぎるとハードコート性が
不十分になる場合がある。
【0019】非反応性樹脂としては主として熱可塑性樹
脂が用いられる。特に、電離放射線硬化型樹脂としてポ
リエステルアクリレートとポリウレタンアクリレートと
の混合物を使用した場合には、使用する熱可塑性樹脂と
してはポリメタクリル酸メチルアクリレート又はポリメ
タクリル酸ブチルアクリレートが、塗膜の硬度を高く保
つことができる。しかも、この場合、主たる電離放射線
硬化型樹脂との屈折率が近いので塗膜の透明性を損なわ
ず、透明性、特に、低ヘイズ値、高透過率、又、相溶性
の点において有利である。
【0020】以上の成分からなる高屈折率ハードコート
層の屈折率は通常1.48〜1.52程度であるが、高
屈折率ハードコート層の屈折率を更に向上させるため
に、高屈折率ハードコート層形成用樹脂組成物中に高屈
折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加することがで
きる。これにより高屈折率ハードコート層は更に屈折率
が向上するが、その好ましい値としては1.55〜2.
50である。
【0021】前記高屈折率を有する超微粒子は、その粒
径が5〜50nmで、屈折率が1.65〜2.7程度の
ものが好ましく、具体的には、例えば、ZnO(屈折率
1.90)、TiO2(屈折率2.3〜2.7)、Ce
2(屈折率1.95)、Sb2 5(屈折率1.7
1)、SnO2、ITO(屈折率1.95)、Y2
3(屈折率1.87)、La23(屈折率1.95)、
ZrO2(屈折率2.05)、Al23(屈折率1.6
3)等の微粉末が挙げられる。
【0022】又、高屈折率ハードコート層の屈折率を更
に向上させるために、高屈折率ハードコート層形成用樹
脂組成物中に、高屈折率成分の分子や原子を含んだ樹脂
を用いてもよい。前記屈折率を向上させる成分の分子及
び原子としては、F以外のハロゲン原子、S、N、Pの
原子、芳香族環等が挙げられる。以上の成分からなる高
屈折率ハードコート層は、以上の成分を適当な溶剤に溶
解又は分散させて塗工液とし、この塗工液を前記基材フ
イルムに直接塗布して硬化させるか、或いは離型フイル
ムに塗布して硬化させた後、適当な接着剤を用いて前記
透明基材フイルムに転写させて形成することもできる。
高屈折率ハードコート層の厚みは通常約3〜20μm程
度が好ましい。
【0023】上記高屈折率ハードコート層の硬化には、
通常の電離放射線硬化型樹脂の硬化方法、即ち、電子線
又は紫外線の照射によって硬化する方法を用いることが
できる。例えば、電子線硬化の場合にはコックロフトワ
ルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧
器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電
子線加速器から放出される50〜1000KeV、好ま
しくは100〜300KeVのエネルギーを有する電子
線等が使用され、紫外線硬化の場合には超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンア
ーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線
等が利用できる。
【0024】次に上記高屈折率高屈折率ハードコート層
の面に、低屈折率層を形成することにより本発明の反射
防止フイルムが得られる。低屈折率層としては、膜厚
0.08〜0.2μm程度のMgF2やSiO2等の薄膜
を真空蒸着法やスパッタリング、プラズマCVD法等の
気相法により形成する従来公知の方法、或いはSiO2
ゾルを含むゾル液から屈折率1.44以下のSiO2
ル膜を形成する方法等が挙げられる。本発明において低
屈折率層は、特にSiO2よりなることが、高屈折率ハ
ードコート層との密着性がより向上する為好ましい。
【0025】図2に示す例は、反射防止フイルムの表面
に微細凹凸形状5を設けて反射防止フイルムに防眩性を
付与したものである。微細凹凸形状の形成は、従来公知
のいずれの方法でもよいが、例えば、好ましい方法とし
て、高屈折率ハードコート層を転写法で形成する場合
に、転写材の基材フイルムとして表面に微細凹凸形状を
有するマットフイルムを用い、該フイルム上に高屈折率
ハードコート層用塗工液を塗布及び硬化させ、その後該
高屈折率ハードコート層を、必要に応じて接着剤等を介
して前記透明基材フイルム面に転写させ、微細凹凸形状
を高屈折率ハードコート層の表面に付与する方法が挙げ
られる。
【0026】その他の方法としては、前記透明基材フイ
ルム面に高屈折率ハードコート層用塗工液を塗布及び乾
燥させ、その状態で前記の如きマットフイルムをその樹
脂層の面に圧着させ、その状態で樹脂層を硬化させ、次
いでマットフイルムを剥離し、マットフイルムの微細凹
凸形状を高屈折率ハードコート層の表面に転写させる方
法が挙げられる。いずれにしても、このような微細凹凸
形状を有する高屈折率ハードコート層の表面に形成する
低屈折率層は薄膜であるので、低屈折率層の表面には上
記の微細凹凸形状5が現れる。
【0027】本発明の反射防止フイルムは、以上説明し
た各層の他に、各種機能を付与するための層を更に設け
ることができる。例えば、透明基材フイルムと高屈折率
ハードコート層との密着性を向上させるために接着層や
プライマー層を設けたり、又、ハード性能を向上させる
ために高屈折率ハードコート層を複数層とすることがで
きる。上記のように透明基材フイルムと高屈折率ハード
コート層との中間に設けられるその他の層の屈折率は、
透明基材フイルムの屈折率と高屈折率ハードコート層の
屈折率の中間の値とすることが好ましい。
【0028】上記他の層の形成方法は、上記のように透
明基材フイルム上に、所望の塗工液を直接又は間接的に
塗布して形成してもよく、又、透明基材フイルム上に高
屈折率ハードコート層を転写により形成する場合には、
予め離型フイルム上に形成した高屈折率ハードコート層
上に他の層(接着層等)となる塗工液を塗布し、その
後、各層が積層された離型フイルムと透明基材フイルム
とを、離型フイルムの積層面を内側にしてラミネート
し、次いで離型フイルムを剥離することにより、透明基
材フイルムに上記各層を転写してもよい。又、本発明の
反射防止フイルムの下面には、粘着剤が塗布されていて
もよく、この反射防止フイルムは反射防止すべき対象
物、例えば、偏光素子に貼着して用いることができる。
【0029】以上の如くして得られる本発明の反射防止
フイルムは、ワープロ、コンピュータ、テレビ、プラズ
マディスプレイパネル等の各種ディスプレイ、液晶表示
装置に用いる偏光板の表面、透明プラスチック類からな
るサングラスレンズ、度付メガネレンズ、カメラ用ファ
インダーレンズ等の光学レンズ、各種計器のカバー、自
動車、電車の窓ガラス等の表面の反射防止に有用であ
る。
【0030】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるの
は、特に断りのない限り重量基準である。 実施例1高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、固 形 分30%) 40部 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 10部 電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、固形分 90%) 2部 ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 3部
【0031】上記組成物を離型フイルム(麗光社製、M
C−19)上に乾燥時の膜厚が7μmになるように塗工
し、320mJの紫外線を照射した後、更に175Ke
V、7.5Mradで電子線照射を行って塗膜を硬化さ
せて高屈折率ハードコート層を形成した。この高屈折率
ハードコート層の表面に下記組成の2液型熱硬化性ウレ
タン系接着剤を乾燥時の膜厚が3〜20μmになるよう
に塗工して接着層を形成した。接着剤組成(Tg43℃) LX660(大日本インキ製) 4部 KW75(大日本インキ製、芳香族系ポリイソシアネート) 1部 酢酸エチル 16部
【0032】次に透明基材フイルムとしてTACフイル
ム(セルローストリアセテートフイルム)(FT−UV
−80、富士写真フイルム製、厚さ80μm)を上記接
着層を介してラミネートし、40℃で3日以上エージン
グして接着させた。接着後前記離型フイルムを剥離し
て、高屈折率ハードコート層をTACフイルムに転写し
た。この高屈折率ハードコート層上に低屈折率層として
SiOx膜を真空蒸着法により厚さ100nmになるよ
うに形成し、本発明の反射防止フイルムとした。
【0033】実施例2 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着
剤が湿気硬化型であるために接着剤塗工時に加湿した以
外は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを
得た。高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 12部 電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学製、固形分 25%) 2部 HX620(化学名:カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステル ネ オペンチルグリコールジアクリレート、日本化薬製、固形分100%) 3 部
【0034】実施例3 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外
は実施例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得
た。高屈折率ハードコート層用組成物 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 70部 熱可塑性アクリル樹脂(カプロラクトン変性DPHA、日本化薬製、固形分 100%) 10部
【0035】実施例4 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着
層を厚さ3〜10μmとなるように塗工した以外は実施
例1と同様にして本発明の反射防止フイルムを得た。高屈折率ハードコート層用組成物 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 100部
【0036】実施例5高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 12部 電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学 製、固形分90%) 2部 HX620(日本化薬製、固形分100%) 2部
【0037】離型フイルムとしてマットPETフイルム
(商品名:ルミラーE06、東レ製、25μm)を使用
し、その上に乾燥時の膜厚が7μmになるように上記組
成物を塗工し、320mJの紫外線を照射した後、更に
175KeV、7.5Mradで電子線照射を行って塗
膜を硬化させて高屈折率ハードコート層を形成した。こ
の高屈折率ハードコート層の表面に下記組成の2液型熱
硬化性ウレタン系接着剤を乾燥時の膜厚が3〜20μm
になるように塗工して接着層を形成した。接着剤組成(Tg43℃) LX660(大日本インキ製) 4部 KW75(大日本インキ製、芳香族系ポリイソシアネート) 1部 酢酸エチル 16部
【0038】次に透明基材フイルムとしてTACフイル
ム(FT−UV−80、富士写真フイルム製、厚さ80
μm)を上記接着層を介してラミネートし、40℃で3
日以上エージングして接着させた。接着後前記離型フイ
ルムを剥離して、防眩性高屈折率ハードコート層をTA
Cフイルムに転写した。この防眩性高屈折率ハードコー
ト層上に低屈折率層としてSiOx膜を真空蒸着法によ
り厚さ100nmになるように形成し、本発明のノング
レア反射防止フイルムを得た。
【0039】実施例6 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外
は実施例1と同様にして本発明の防眩性を有するノング
レア反射防止フイルムを得た。高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 シリコーンハードコート剤(商品名:X-12-2400、信越化学工業製、固形分 30%) 12部 電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレー ト、固形分90%) 2部 ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 12部
【0040】比較例1 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外
は実施例1と同様にして比較例の反射防止フイルムを得
た。高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学 製、固形分90%) 5部 HX620(日本化薬製、固形分100%) 1部
【0041】比較例2 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用し、接着
剤塗工時に加湿し、且つ接着層を3〜10μmとなるよ
うに塗工した以外は実施例1と同様にして比較例の反射
防止フイルムを得た。高屈折率ハードコート層用組成物 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 電離放射線硬化型樹脂(三菱化学製、カルボキシル基含有(メタ)アクリレー ト、固形分90%) 5部 ニトロセルロース(ザ・インクテック製、固形分25%) 8部
【0042】比較例3 下記の高屈折率ハードコート層用組成物を使用した以外
は実施例5と同様にして比較例の防眩性を有するノング
レア反射防止フイルムを得た。 ZrO2超微粒子トルエン分散液(商品名:NO.926、住友大阪セメント製、 固形分30%) 40部 電離放射線硬化型樹脂(カルボキシル基含有(メタ)アクリレート、三菱化学 製、固形分90%) 5部 HX620(日本化薬製、固形分100%) 1部
【0043】[評価試験]得られた実施例及び比較例の
各反射防止フイルムについて、以下に示す評価試験を行
った。その結果を表1に示す。 [評価方法及び評価基準] 1.鉛筆硬度試験 JIS K5400に示された試験方法及び評価基準に
従った。 2.反射率(%) 分光光度計にて測定した反射防止フイルムの最低反射率
(%)を本評価における反射率とした。
【0044】3.密着性A 碁盤目クロスカットによるテープ剥離試験を連続5回行
った時の低屈折率層の初期密着性の結果を本評価におけ
る密着性Aとした。 4.密着性B 65℃、95%RH、500hの耐湿熱試験後、碁盤目
クロスカットによるテープ剥離試験を連続5回行った時
の低屈折率層の密着性の結果を本評価における密着性B
とした。
【0045】表1:評価結果
【0046】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、特定の組
成の電離放射線硬化型樹脂組成物を用いて高屈折率ハー
ドコート層を形成することによって、その面に形成され
る低屈折率層の密着性を著しく向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止フイルムの1例の断面を説
明する図。
【図2】 本発明の反射防止フイルムの他の例の断面を
説明する図。
【符号の説明】
1:透明基材フイルム 2:高屈折率ハードコート層 3:低屈折率層 4:接着層又はプライマー層 5:微細凹凸形状
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 14/10 C23C 14/10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材フイルム上に、高屈折率を有す
    るハードコート層及び低屈折率層を積層してなる反射防
    止フイルムにおいて、上記高屈折率を有するハードコー
    ト層が、反応性有機珪素化合物を含有する電離放射線硬
    化型樹脂を主体として形成されていることを特徴とする
    反射防止フイルム。
  2. 【請求項2】 反応性有機珪素化合物が、高屈折率を有
    するハードコート層中の樹脂成分の10〜100重量%
    を占める請求項1に記載の反射防止フイルム。
  3. 【請求項3】 高屈折率を有するハードコート層が、そ
    の50重量%までの量の非反応性の熱可塑性樹脂を含む
    請求項1に記載の反射防止フイルム。
  4. 【請求項4】 高屈折率を有するハードコート層が、粒
    径が5〜50nmで、屈折率が1.65〜2.7である
    超微粒子を含む請求項1に記載の反射防止フイルム。
  5. 【請求項5】 表面に微細凹凸形状が形成されて、防眩
    性が付与されている請求項1に記載の反射防止フイル
    ム。
  6. 【請求項6】 低屈折率層が、無機化合物の層である請
    求項1に記載の反射防止フイルム。
  7. 【請求項7】 低屈折率層が、SiO2からなる層であ
    る請求項1に記載の反射防止フイルム。
  8. 【請求項8】 低屈折率層が、真空蒸着法により形成さ
    れている請求項1に記載の反射防止フイルム。
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