JPH09225782A - 加工ユニット及びトランスファマシン - Google Patents

加工ユニット及びトランスファマシン

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JPH09225782A
JPH09225782A JP3822996A JP3822996A JPH09225782A JP H09225782 A JPH09225782 A JP H09225782A JP 3822996 A JP3822996 A JP 3822996A JP 3822996 A JP3822996 A JP 3822996A JP H09225782 A JPH09225782 A JP H09225782A
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浩二 古賀
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二男 上野
Norikatsu Kai
昇克 甲斐
Hideyuki Arai
英幸 新井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、例えば車両のナックルのように左
右対称位置に組付けられるワークを加工するにあたり、
相対誤差を無くして効率良く加工することを目的とす
る。 【解決手段】 車両のナックルN、N等の対称的なワー
クを複数の加工ステーション〜に送り込みながら各
加工ステーション〜の加工機5、…で加工するよう
な第1、第2トランスファマシン1、2において、各加
工ステーション間を往復動するローダ4、…に昇降自在
な一対の把持部17、17を設け、この把持部17、1
7を相互の逆方向に旋回させて、ナックルN、Nの向き
を対称的に変換しながら搬送する。また、各加工ステー
ション〜にクランプ治具3、…を設け、載置された
ナックルN、Nを固定出来るようにし且つ固定したナッ
クルN、Nを水平軸まわりに傾動可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば左右一対の
ワークを搬送しながら加工するトランスファマシン及び
加工ユニットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2個のワークの姿勢を色々変化さ
せながら各種方向から加工する加工ユニットとして、例
えば実開平1−74049号のようなトラスファマシン
が知られている。この装置は、2個のワークを位置決め
載置せしめる一対のパレットと、このパレットを搬路に
沿って一定のピッチで搬送するトランスファバーと、2
個のワークを同時に加工する加工機を備えており、一対
のパレットを同時に所定の姿勢に変換させながら加工し
ていくようにしている。
【0003】また、これに似たような加工ユニットとし
て、例えば特公平1−50549号のような装置も知ら
れている。この装置もワークを載置固定せしめるパレッ
トと、このパレットを複数の加工ステーションに順次搬
送するトランスファバーを備えており、搬路の始端部と
終端部にパレットを反転させる反転装置を配設してい
る。そして、始端部の反転装置でパレットを反転させて
ワークをパレットの下方に配置し、加工時に発生する切
り屑がパレット上とか、ワーク上に堆積するのを防止す
るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な加工ユニットは、特に左右一対に組み合わされて使用
されるようなワークをバランス良く加工するのに各種不
具合があった。すなわち、特に前者の場合は、一対のワ
ークを載置固定するためのパレットが2個のため、各パ
レットの姿勢変換機構も各パレットごと設けなければな
らず、装置が大型化するとともに、組付け時の誤差を少
なくするため両者の加工部位、加工方向等に精度を持た
せようとすると、それぞれのパレットの姿勢変換量を精
密に管理しなければならず、設備費がかかる等の問題が
あった。
【0005】また、後者の場合はパレット上に載置固定
したワークを反転させて加工ステーション間を搬送する
ようにしているが、各加工ステーションでワークの姿勢
を変換することが出来ず、加工方向に制約が生じるとい
う問題があった。このため特に各種方向から加工する必
要のあるワークには不向きであった。
【0006】そこで、例えば左右一対に組み合わされて
使用され且つほぼ全周方向から加工する必要のあるワー
クに対して相対誤差を少なくして加工することが出来、
しかも簡易に構成出来る加工ユニット及びトランスファ
マシンが望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、請求項1において、一対の対称的なワークを
一対の把持部で把持して持上げた後、水平面内で任意の
向きに変換するローダと、載置された一対のワークをク
ランプした後、所定の水平軸まわりに任意の角度で傾動
するワーククランプ治具と、所定姿勢に変換された一対
のワークを所定方向から加工する加工機からなる加工ユ
ニットを構成した。
【0008】そして、ローダの一対の把持部によって一
対のワークを把持し、各ワークの向きを変換した後ワー
ククランプ治具上に載置し、ワーククランプ治具に固定
すると所定の角度で傾動させる。そして、ローダによる
向きの変換と、ワーククランプ治具の傾動の組合わせに
よってワークの姿勢変換を行い、例えば常に一定の方向
から加工機で加工する。この際、姿勢変換機能をローダ
とワーククランプ治具に分散させたため、姿勢変換機構
が簡素化される。また、ワーククランプ治具上の一対の
ワークは同じ角度で傾動するため、両ワーク間に加工角
度等の差が生じない。
【0009】また請求項2では、前記ローダによる一対
のワークの向きの変換は、前記一対の把持部を同期して
お互いに反対方向に旋回させることで対称的な向きに変
換されるようにした。そして、一対のワークの向きを同
期をとって対称的な位置にすることで、例えば車体の左
右に組込まれる対称部品を加工する際でも、両者間に位
相差のない状態で加工出来、組付け時のバランスを良好
に保つことが出来る。
【0010】また請求項3では、加工順に配置した複数
の加工ステーションのうち所定の加工ステーションに請
求項1又は請求項2に記載の加工ユニットを配設し、前
記ローダを隣接する加工ステーション間で往復動自在に
するとともに前記把持部を昇降自在にし、このローダの
把持部でワークを直接把持して下流の加工ステーション
に送り込むようにした。そして、特定の加工ステーショ
ンで加工が終えるとローダの把持部を降下させてワーク
クランプ治具上のワークを把持して持上げローダを下流
の加工ステーションに移動させる。そして例えばローダ
の移動中にワークの向きを対称的な姿勢に変換し、下流
の加工ステーションで把持部を降下させてワーククラン
プ治具上に載置する。そしてワークをワーククランプ治
具でクランプし所定の角度に傾動させて加工する。そし
てこの操作を繰り返し、ワークを順次下流に送っていき
ながら加工する。このように直接ワークを把持して搬送
することで、パレットごと搬送することに較べてローダ
の搬送機構の簡素化が図られ、しかも搬送中にワークの
向きを変換すれば一連の加工を効率的に行うことが出来
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで図1は本発明のトラ
ンスファマシンのレイアウトの一例を示す平面視図、図
2はトランスファマシンのローダを説明するための正面
視図、図3は同ローダの平面視図、図4は図1のX−X
方向矢視図、図5はワークの一例であるナックルの説明
図で(A)は平面図、(B)は正面図である。
【0012】本発明の加工ユニット及びトランスファマ
シンは、例えば車両の前輪のステアリング機構の一部を
構成する左右一対のナックルを加工する装置に適用さ
れ、このナックルNは、例えば図5に示すように、ロア
アームが結合されるロアアーム結合部aとか、タイロッ
ドが結合されるタイロッド結合部bとか、ダンパが結合
されるダンパ結合部c等が不規則な方向に張出して複雑
形状をなすとともに、各結合部a、b、c等には結合孔
等が形成されている。また、ほぼ中央部には、車軸を結
合するための結合孔dが形成されている。
【0013】そして、このようなナックルNは、例えば
鋳造等によって予め左右対称形の一対のナックル素材が
成形された後、本トランスファマシンで必要な箇所を機
械加工するようにしているが、このような加工は、例え
ば各結合部a、b、c等の孔明け加工とか、端面加工等
である。そしてこの際、加工方向は加工部位によって異
なっているため、例えばトランスファマシンのように加
工機を一定の方向に配置する場合は、ナックルN、Nの
向きを次々と変化させる必要がある。また、例えば各結
合部a、b、cの孔の向き等も3軸の基本座標軸方向か
ら微妙に傾いているため、向きを変化させただけでは充
分でなく、3次元的に姿勢を変化させなければならな
い。またこの際、左右のナックルN、Nを同一車両に組
み付けた場合にアンバランスが生じないよう、両者N、
Nの加工部位、加工方向等のバランスを図ることが望ま
しい。
【0014】そこで、本発明に係る加工ユニット及びト
ランスファマシンは、これらナックルN、N素材に対す
る一連の加工を効率良く、且つ組付時のバランスを良く
するよう配慮されたものであり、図1に示すような搬路
上流側の第1トランスファマシン1と、搬路下流側の第
2トランスファマシン2に適用されている。そしてこれ
ら第1、第2トランスファマシン1、2には、それぞれ
8ヵ所の加工ステーション〜が設けられている。
【0015】そして、これら各加工ステーション〜
には、一対のナックルN、Nをクランプするクランプ治
具3、…と、各加工ステーション〜に配設される加
工機5、…と、各加工ステーション〜に対応した複
数のローダ4、…(図2)が設けられており、前記ロー
ダ4、…(図2)は、クランプ治具3上のナックルN、
Nを把持した後、下流の隣の加工ステーションに向けて
搬送しクランプ治具3上に載置することが出来るよう、
搬路に沿って所定ピッチで往復動自在にされるととも
に、昇降自在な一対の把持部17、17を備えている。
そして各加工機5、…は、ワーク搬路に対して同一方向
側に配設されており、各加工軸が搬路と直交方向に進退
動自在にされている。
【0016】そして、例えば図1に示す上流側の加工ス
テーション〜のうち、クランプ治具3を二重枠で囲
った第2、第5、第6加工ステーション、、と、
下流側の加工ステーション〜のうち、第1、第2、
第6加工ステーション、、のクランプ治具3、…
は、搬路と平行な水平軸まわりに傾動自在にされてお
り、当該加工ステーションでは、例えば図4に示すよう
に傾動自在なクランプ治具3と、クランプされた一対の
ナックルN、Nを加工する加工機5と、ナックルN、N
を搬送するローダ4によって本加工ユニット7を構成し
ている。
【0017】以下、本加工ユニット7の詳細について順
次説明する。ローダ4、…は、図2に示すような単一の
移動用モータ8によって全てのローダ4、…が一斉に所
定ピッチで往復動するようにされるとともに、各ローダ
4、…に設けられた把持部17、17、…は、図3に示
すような単一の昇降用モータ10によって一斉に昇降す
るようにされている。(尚、図2では昇降用モータ10
を省略している。)
【0018】すなわち、図2、図3に示すようにワーク
搬路に沿って複数の架台11、…が立設されており、こ
の架台11、…の上部に取付けられたビーム12に対し
て、前記各ローダ4、…が摺動自在に取付けられてい
る。そして隣接する各ローダ4、4同士は連結バー13
によって連結されており、1つのローダ4を移動させる
と全てのローダ4、…が同時に移動するようにしてい
る。
【0019】そして、前記移動用モータ8は、前記ビー
ム12の中間部に取付けられており、後述するように、
移動用モータ8の出力軸に取付けたピニオンをラック1
4(図3)に噛合させ、このラック14を所定ピッチで
搬路方向に往復動させることが出来るようにしている。
そして図3に示すように、このラック14の両端部に一
対のローダ4、4を固定するとともに、中間部に前記昇
降用モータ10を固定し、この昇降用モータ10もビー
ム12に対して摺動自在にしている。そして、この昇降
用モータ10と左右のローダ4、4の間にも連結バー1
3、13を設け連結している。
【0020】また、昇降用モータ10は、各ローダ4、
…の把持部17、17、…を同時に昇降駆動出来るよう
にされ、昇降用モータ10の駆動によって各ローダ4、
…を貫く回転軸15を軸回りに回転させ、後述する各ロ
ーダ4、…に設けたピニオンラック機構によって後述す
る各昇降体6、…を一斉に昇降せしめるようにしてい
る。そして、左右一対の把持部17、17は、この各昇
降体6、…に対して後述する旋回機構16によってお互
いに逆方向に旋回自在とされている。
【0021】以上の構成を、図6乃至図10に基づいて
更に詳細に説明する。ここで、図6は移動用モータ8と
ローダ4の関係を示す側面視による部分断面図、図7は
ローダ4の内部構造を示す正面視による部分断面図、図
8は移動用モータ8のピニオンとラックの噛合状態を示
す平面図、図9は昇降用モータ10と回転軸15の関係
を示す側面視による部分断面図、図10は図9の正面視
による部分断面図である。
【0022】図6乃至図8に示すように、ビーム12に
取付けられた移動用モータ8の出力軸には、ピニオン2
0が取付けられ、このピニオン20が前記ラック14に
噛合している。そしてこのラック14の長さは、前述の
ように概ね各加工ステーション間のピッチ間隔と同一に
され、両側端部には一対のローダ4、4が結合されると
ともに、ラック14の中間部には昇降用モータ10が結
合されている。(図3)
【0023】そして、これらローダ4、…の支持枠2
8、…はビーム12に対して摺動自在とされ、前記移動
用モータ8の駆動によって各ローダ4、…は一斉に隣接
する加工ステーションのピッチ間隔で往復動することに
なる。因みに前記ピニオン20は、図8に示すように、
アイドルギヤ21を介してもう1個のピニオン22に噛
合しており、このピニオン22がラック14に噛合して
いる。そしてこのように2個のピニオン20、22をラ
ック14に噛合させることで、ピニオンにかかる負荷を
軽減させるようにしている。
【0024】前記昇降用モータ10は、図9及び図10
に示すように、ラック14に結合される枠体23の上部
に取付けられており、この枠体23はビーム12に対し
て摺動自在にされるとともに、この枠体23を左右に貫
いて前記回転軸15が設けられている。そして、昇降用
モータ10の出力軸には円筒ウォーム24が固着され、
この円筒ウォーム24が、回転軸15に固着されるウォ
ームホイール25に噛合している。また、この回転軸1
5は、各ローダ4、…を回転自在に貫いており(図
3)、昇降用モータ10の駆動によって軸回りに回転す
るようにしている。
【0025】また、図6及び図7に示すように、各ロー
ダ4、…には、回転軸15の回転によって支持枠28に
対して昇降自在な昇降体6、…が設けられており、各昇
降体6の昇降は、回転軸15に取付けられたピニオン2
6と、このピニオン26に噛合するラックバー27によ
って構成している。
【0026】そして各昇降体6は、前記ラックバー27
と、支持枠28を昇降自在に上下に貫く左右一対のガイ
ドバー30、30と、各ガイドバー30、30及びラッ
ク27の下端部に結合される旋回機構16と、この旋回
機構16の下方に突出する左右一対の把持部17、17
を備えており、前記回転軸15が回転することによって
ピニオン26、ラックバー27機構によって昇降体6全
体が昇降動するようにしている。尚、図中33はバラン
スシリンダである。
【0027】また、左右一対の把持部17、17は、旋
回機構16によって軸回りに相互に逆方向に同期して旋
回するようにされ、以下、旋回機構16の細部について
図11乃至図13に基づき説明する。ここで図11は旋
回機構16の正面視による半裁断面図、図12は同平面
視による半裁断面図、図13は図12のA−A線断面図
である。
【0028】図11乃至図13に示すように、旋回機構
16は、外枠34と、この外枠34の中央側面部に取付
けられた旋回用モータ35と、この旋回用モータ35の
出力軸に連結されるボールネジ36と、このボールネジ
36の螺合する螺合部材37と、この螺合部材37が固
着されるスライド板38を備え、このスライド板38は
外枠34の底面に取付けられたレール40、40に沿っ
て前後に摺動自在とされている。
【0029】そして、このスライド板38の摺動方向と
平行な両側端部には、ラック41、41が取付けられて
おり、このラック41、41に噛合するピニオン42、
42が把持部17、17の一部を構成する旋回軸43、
43の上端のギヤ43a、43aに噛合している。この
ため、旋回用モータ35が駆動すると、ボールネジ36
を介してスライド板38が進退動し、ラック41、4
1、ピニオン42、42を介して両方の旋回軸43、4
3が同期して逆方向に回転する。
【0030】ところで、前記把持部17は、前記旋回軸
43と、図14に示すような、旋回軸43の下方に内蔵
されるチャック用シリンダ44と、このチャック用シリ
ンダ44の作動によって拡縮自在な一対のチャックアー
ム45、45を備えており、このチャックアーム45、
45をナックルNの車輪結合孔d内に挿入した後、外側
に開いて結合孔の内径を保持するようにしている。ま
た、この把持部17には、上方から把持部17を降下さ
せた際、クランプ治具3の位置決め孔46に挿入される
位置決めピン47を設けている。ローダ4の構成は以上
の通りである。
【0031】次に、クランプ治具3の構成について図1
5及び図16に基づき説明する。ここで図15はクラン
プ治具の平面図、図16は同正面視による部分断面図で
ある。クランプ治具3は、搬路方向に沿って一対のナッ
クルN、Nを並べて位置決め固定出来るようにされ、基
台50に対して搬路と平行な水平軸P回りに傾動自在な
傾動台51と、この傾動台51の傾動を駆動する傾動用
モータ52を備えており、この傾動用モータ52の駆動
によって傾動台51を水平軸P回りに任意の角度で傾か
せることが出来るようにしている。
【0032】そして、傾動台51上には、一対のナック
ルN、Nを載置せしめることの出来る一対の受部53、
53を形成しており、この受部53、53の略中央部に
前記位置決め孔46、46が形成されるとともに、この
受部53、53の近傍にクランプ機構54、54を設け
ている。
【0033】そして、このクランプ機構54、54は、
クランプ用シリンダ55、55に沿って上下に移動自在
なクランプ用ロッド56、56と、このクランプ用ロッ
ド56、56に連結されるクランプアーム57、57を
備え、このクランプアーム57、57の中間部は、支持
アーム58、58の揺動ピン60、60によって枢支さ
れるとともに、先端部には、押圧部57a、57aが設
けられている。
【0034】そして、各受部53、53上にナックル
N、Nが載置されると、クランプ用シリンダ55、55
に沿ってクランプ用ロッド56、56を上昇させ、クラ
ンプアーム57、57の押圧部57a、57aによって
ナックルN、Nを上下に挟み込みクランプするようにし
ている。クランプ治具3は以上のように構成している。
【0035】次に、第1、第2トランスファマシン1、
2の各加工ステーション〜の加工機5、…の種類
と、各加工ステーション〜における加工の態様の概
略について図17及び図18に基づき説明する。ここで
図17は第1トランスファマシン1の各加工ステーショ
ン〜におけるナックルN、Nの加工姿勢と加工部位
を示し、図18は第2トランスファマシン21の各加工
ステーション〜におけるナックルN、Nの加工姿勢
と加工部位を示す。
【0036】まず、第1トランスファマシン1の第1加
工ステーションでは、図17に示すように、タイロ
ッド結合部b、bの各両端面のフライス加工を両頭フラ
イス加工機で行い、第2加工ステーションでは、に
示すように、ロアアームa、aの両端面のフライス加工
を2頭フライス加工機で行う。
【0037】この時、ナックルN、Nを第1加工ステー
ションから第2加工ステーションに移動させる際、
図17に示すように、ローダ4でナックルN、Nの向き
を90度変換して第2ステーションのクランプ治具3
に載置し固定した後、更にこのクランプ治具3を所定角
度傾動させて所定の姿勢にセットし加工する。
【0038】また、第3加工ステーションでは、に
示すように、ナックルN、Nの向きを180度変換した
後、タイロッド結合部b、bの結合孔のテーパドリル加
工を行い、第4加工ステーションでは、に示すよう
に、同結合後部b、bの結合孔のテーパリーマ加工を行
う。この時第3加工ステーションと第4加工ステーシ
ョンのナックルN、Nの向きは同一であり、同一ステ
ーションでドリル加工とリーマ加工を行うことも可能で
あるが、本実施例では、各加工ステーション〜にお
けるタクトタイムを同一にし、加工と搬送を同時に行う
ようにしているため、このように別の加工ステーション
、で加工するようにしている。
【0039】次に第5加工ステーションでは、に示
すようにナックルN、Nの向きを180度変換した上、
クランプ治具3を所定角度傾けてロアアーム結合部a、
aの結合孔のテーパドリル加工を行い、第6加工ステー
ションでは、に示すように、ナックルN、Nの向き
を178度35分変換し、クランプ治具3を所定角度傾
けてダンパ結合部c、cの結合孔の孔加工を行う。そし
て、第7加工ステーションでは、に示すように、ナ
ックルN、Nの向きを90度変換して、ダンパ結合部
c、cのダンパ締付孔のドリル加工を行い、第8加工ス
テーションでは、に示すように、同じ姿勢のまま同
ダンパ締付孔の一部のタップ加工を行う。
【0040】以下、図18に示す第2トランスファマシ
ン2での加工態様も同様な手順で行われ、ナックルN、
Nの向きを変換をローダ4で行いながら下流の加工ステ
ーションに送り込み、必要に応じ第1、第2、第6加工
ステーション、、ではクランプ治具3、…を傾動
させて加工する。
【0041】因みに、第1加工ステーションでは、ダ
ンパ結合部c、cの結合孔のすり割り加工を行い、第2
加工ステーションでは、ダンパ結合部c、cの結合孔
の歪矯正加工を行い、第3加工ステーションでは、ダ
ンパ結合部c、c周辺のサイド孔e、eのドリル加工を
行い、第4加工ステーションでは、同サイド孔e、e
のタップ加工を行う。また、第5加工ステーションで
は、ロアアーム結合部a、aのすり割り加工を行い、第
6加工ステーションでは、ロアアーム結合部a、aの
リーマ加工を行う。そして第7加工ステーションで
は、ダンパ結合部c、c周辺のバリ取り加工を行い、第
8加工ステーションでは、ロアアーム結合部a、a周
辺のバリ取り加工を行う。
【0042】そしてナックルN、Nをローダ4、…で搬
送する際は、把持部17、17でナックルN、Nを把持
して持上げた後、搬送中に旋回機構16によってお互い
に逆向きに回転させながら搬送し、ナックルN、Nの向
きを変換した状態で各加工ステーション〜のクラン
プ治具3、…の受部53、53上に載置する。そしてこ
のように各ナックルN、Nを同期して逆方向に旋回させ
ることで、左右の対称性が図られた状態で加工すること
が出来、組付時のバランスが良好となる。
【0043】また、この向きの変換を終えたナックル
N、Nが載置されるクランプ治具3、…のうち、傾動機
構を備えたクランプ治具3、…は、ナックルN、Nが載
置されるまでは水平姿勢を保持しており、ナックルN、
Nの載置及びクランプが完了した時点で傾動用モータ5
2が作動し、傾動台51が所定の角度にセットされる。
この際、一対のナックルN、Nが同一の傾動台51上に
固定されているため、両者の加工方向に差が生じにくく
なり、組付時のバランスを一層良好にすることが出来
る。そしてこのような加工の一連の繰り返しによってナ
ックルN、Nを製造する。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明は、請求項1のよう
に、一対の対称的なワークを把持して持上げた後、水平
面内で任意の向きに変換するローダと、向きが変換され
たワークをクランプした後、所定の水平軸まわりに任意
の角度で傾動するワーククランプ治具と、所定姿勢のワ
ークを所定方向から加工する加工機からなる加工ユニッ
トを構成したため、各種方向から加工する必要のある一
対のワークに対して効率的に加工することが出来、しか
も姿勢変換機構を簡素に構成出来る。
【0046】また請求項2のように、一対の把持部を同
期してお互いに反対方向に旋回させることでワークを対
称的な向きに変換すれば、例えば左右に組込まれる対称
部品を加工するような際、両者間に相対誤差が少ない状
態で加工することが出来、組付け時のバランスを良好に
保つことが出来る。また請求項3のように、加工順に配
置した複数の加工ステーションのうち所定の加工ステー
ションに請求項1又は請求項2に記載の加工ユニットを
配設し、ローダを隣接する加工ステーション間で往復動
自在にするとともに把持部を昇降自在にし、このローダ
の把持部でワークを直接把持して下流の加工ステーショ
ンに送り込むようにすれば、パレットごと搬送すること
に較べて搬送機構を簡素化出来、また一連のワークの加
工を効率良く行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファマシンのレイアウトの一
例を示す平面視図
【図2】トランスファマシンのローダを説明するための
正面視図
【図3】同ローダの平面視図
【図4】図1のX−X方向矢視図
【図5】ワークの一例であるナックルの説明図で(A)
は平面図、(B)は正面図
【図6】移動用モータとローダの関係を示す側面視によ
る部分断面図
【図7】ローダの内部構造を示す正面視による部分断面
【図8】移動用モータとラックの噛合状態を示す平面図
【図9】昇降用モータと回転軸の関係を示す側面視によ
る部分断面図
【図10】図9の正面視による部分断面図
【図11】旋回機構の正面視による半裁断面図
【図12】同平面視による半裁断面図
【図13】図12のA−A線断面図
【図14】把持部の先端を示す拡大図
【図15】クランプ治具の平面図
【図16】同正面視による部分断面図
【図17】第1トランスファマシンの加工姿勢と加工部
位の一例を示す説明図
【図18】第2トランスファマシンの加工姿勢と加工部
位の一例を示す説明図
【符号の説明】
1…第1トランスファマシン、2…第2トランスファマ
シン、3…クランプ治具、4…ローダ、5…加工機、7
…加工ユニット、8…移動用モータ、10…昇降用モー
タ、16…旋回機構、17…把持部、35…旋回用モー
タ、51…傾動台、52…傾動用モータ、54…クラン
プ機構、N…ナックル。
フロントページの続き (72)発明者 甲斐 昇克 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 新井 英幸 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の対称的なワークを一対の把持部で
    把持して持上げた後、水平面内で任意の向きに変換する
    ローダと、載置された一対のワークをクランプした後、
    所定の水平軸まわりに任意の角度で傾動するワーククラ
    ンプ治具と、所定姿勢に変換された一対のワークを所定
    方向から加工する加工機を備えたことを特徴とする加工
    ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加工ユニットにおい
    て、前記ローダによるワークの向きの変換は、前記一対
    の把持部が同期してお互いに反対方向に旋回することで
    対称的な向きに変換するようされたことを特徴とする加
    工ユニット。
  3. 【請求項3】 加工順に配置した複数の加工ステーショ
    ンのうち所定の加工ステーションに請求項1又は請求項
    2に記載の加工ユニットを配設し、前記ローダを隣接す
    る加工ステーション間で往復動自在にするとともに前記
    把持部を昇降自在にし、このローダの把持部でワークを
    直接把持して下流の加工ステーションに送り込むように
    したことを特徴とするトランスファマシン。
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