JPH09225641A - 開先溶接用長尺トーチ - Google Patents

開先溶接用長尺トーチ

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Publication number
JPH09225641A
JPH09225641A JP6537296A JP6537296A JPH09225641A JP H09225641 A JPH09225641 A JP H09225641A JP 6537296 A JP6537296 A JP 6537296A JP 6537296 A JP6537296 A JP 6537296A JP H09225641 A JPH09225641 A JP H09225641A
Authority
JP
Japan
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welding
shield gas
tip
primary
wire
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6537296A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Kobayashi
泰幸 小林
Nobumi Hiromoto
悦己 広本
Yasuyuki Yoshida
康之 吉田
Yukio Manabe
幸男 真鍋
Masaaki Momose
雅章 百瀬
Hiroshi Hamanaka
浩 浜中
Hideki Kiko
秀樹 寄高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、板厚200mmを超える極厚板の
突き合わせ溶接にも又溶接時の開先幅変動に追従できる
とともに、ブローホール等の溶接欠陥が発生することな
く高品質の超深型開先溶接を行う事の出来る長尺溶接ト
ーチの提供。 【解決手段】 ワイヤ送給の為のワイヤ案内管27、一
次シールドガス供給の為の1次側シールドガス管7、二
次シールドガス供給の為の2次側シールドガス管6、水
冷銅管出口4と水冷銅管入口5を有する細U字状の水冷
銅管30、及びこれらの管の外側に配設した一対の支持
用丸棒16を縦一列状に配設し、これを角棒状のグラフ
ァイト製上側支持棒17、中間に配した一対のリブ1
5、15及び下面に1次側シールドガス箱32を固設し
た2次側シールドガス箱33により一体的に支持固定し
て構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は開先溶接用長尺トー
チに係り、特に極厚板の大型鋼構造物製作時の狭開先溶
接用長尺トーチに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、厚板突合わせ溶
接には、溶着金属の量を減らし、能率向上を計るため、
開先幅を狭くした狭開先MAG溶接が適用されており、
現状では200mmtの板厚まで実績がある。上記溶接
法の代表例としては、図6に示すように、スネークナム
方式と図7に示すような回転アーク方式が提案されてい
る。
【0003】図6の縦断面図は、上記スネークナム方式
を示すが、母材間に形成された狭開先2内に挿入された
トーチ21内へワイヤ10が送給ローラ19によって供
給されるとともに、矯正ローラ20によって波形の形状
にワイヤに塑性変形が与えられ、ワイヤ送給案内管によ
り溶接チップまでガイドされ、開先底面との間でアーク
9を発生する。この時ワイヤ10に付加された矯正的な
曲りぐせによって、アーク9は左右に振られウィービン
グを行い、開先の両端部まで溶接ビードを広げることが
できる溶接トーチ構造である。
【0004】しかしながら図6に示す溶接トーチでは、
揺動板28の揺動角度を変えることにより、溶接ワイヤ
10の曲率半径を変えることは可能であるが、曲げぐせ
をつけた後、再び溶接トーチ21を通過するために、曲
率半径が変化すること、また曲げぐせをつけてから溶接
トーチ21の先端で溶接ワイヤが振動するまでには、溶
接トーチ21を通過するだけの時間的遅れがあることな
どの欠点があり、200mm以上となるような極厚板へ
の狭開先溶接には適用できない。
【0005】図7の縦断面図は、上記回転アーク方式を
示すが、母材間に形成された狭開先2内に挿入されたト
ーチ21内に設けてあるワイヤ通路の位置をトーチ21
の中心から偏心させ、このトーチ21を回転させること
によりワイヤ10及びアーク9をウィービングさせる溶
接トーチ構造である。
【0006】しかしながら図7に示す溶接トーチでは、
トーチ21にあるワイヤ通路を偏心させ、これを回転さ
せることで、ウィービングを行うことを特徴とするの
で、ウィービング量の調整ができなく、上記スネークナ
ム方式以上に溶接時の開先幅変動に追従できない点があ
る。
【0007】一方、図6及び図7の両方式の溶接トーチ
構造におけるアークシールド方法は、図8に示すような
サイドノズル方式及び図9に示すボックスシールド方
式、及び図10に示すようなシールド方式が提案され板
厚200mmtまで実施工されている。
【0008】図8は、溶接トーチ21と対称にサイドノ
ズル22を設け、溶接トーチ21と同様に狭開先内に挿
入させ、アーク9及び溶融池をシールドさせる溶接トー
チ21とは別体型の装置構造である。
【0009】かかるサイドノズル方式は、現在主として
使われている方式であるが、溶接の開始・終了部でサイ
ドノズル22の片方が開先外にあるため、完全にシール
ドできず、空気中の窒素及び酸素を大きく巻き込み、ブ
ローホール等の溶接欠陥が発生しやすい欠点がある。
【0010】図9は、内容積が一定のシールドボックス
24を被溶接部に装着し、不活性ガス等のシールドガス
23を送入して溶接することにより、空気中からの窒
素、酸素等の混入が防止できる。本方式はシールドガス
供給装置を溶接トーチと別に設けた装置構造である。
【0011】しかしながら前記図9に示すボックスシー
ルド方式は、板厚200mmまでアーク9及び溶融池を
シールドできるが、板厚200mmを超える極厚板の突
き合わせ溶接では、ボックス24から供給される不活性
ガスがアーク9まで届きにくい点がある。また、ボック
スシールドガス23の流量を多くすればアーク9まで届
くが、狭開先2においてシールドガス23が乱流とな
り、却って空気を巻き込みブローホール等の溶接欠陥が
発生し易くなる。
【0012】図10はガス供給口を有する外筒25及び
箱状シールドカバー26を設けると共にガス供給口から
シールドガスを供給してアーク及び溶融池をシールドさ
せることにより、ビード品質の向上を図るよう、溶接ノ
ズルに対して所定の間隔をあけ、同心円状に外筒25を
設けるシールドガス供給装置である。
【0013】しかしながら前記図10のシールドノズル
方式は、トーチ21に対して所定の間隔をあけ、同心円
状に外筒25を設け、さらに箱状のカバー26を設ける
ため、開先幅の大きい厚板溶接にしか適用できず、製作
コスト低減を図るための狭開先化に対応できない点があ
る。
【0014】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
板厚200mmを超える極厚板の突き合わせ溶接にも又
溶接時の開先幅変動に追従できるとともに、ブローホー
ル等の溶接欠陥が発生することなく高品質の超深型開先
溶接を行う事の出来る長尺溶接トーチを提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる技術的
課題に鑑み、請求項1記載の発明において、先端に偏心
した溶接ワイヤ送出孔を備えた溶接チップと、該溶接チ
ップを先端に備えたワイヤ案内管と、前記溶接ワイヤに
ウィービング運動させるため前記溶接チップを周方向に
所定角度往復回動させる手段と、前記溶接チップ近傍に
シールドガスを供給する一次シールドガス箱と、該一次
シールドガス箱の上方にあって、大気の侵入防止用のシ
ールドガスを供給する二次シールドガス箱と、前記一次
と二次のシールドガス箱にシールドガスを個別に若しく
は共通して供給するガス供給手段と、前記ワイヤ案内
管、シールドガス箱、シールドガス供給手段を含む溶接
手段を冷却する手段からなることを特徴とする極厚板溶
接用長尺トーチを提案する。
【0016】即ち本発明は大気の侵入防止用の2次シー
ルドガスの存在により、図9に示すボックスシールドを
不要にするとともに、前記2次シールドガスを供給する
二次シールド箱は、一次シールドガス箱の上方にあっ
て、溶接トーチの一部として開先内に侵入する為に超深
型開先溶接にも容易に適用可能であるとともにブローホ
ール等の溶接欠陥が発生することがない。又一次シール
ドガス箱により溶接チップ近傍に一次シールドガスを供
給する為に、図8に示すようなサイドノズルが不要にな
る。更に偏心した溶接ワイヤ送出孔を備えた溶接チップ
を周方向に所定角度往復回動させ、前記溶接ワイヤにウ
ィービング運動をさせるため前記溶接チップによりワイ
ヤに矯正の曲げぐせを与え往復回動を繰返しさせる為
に、板厚200mmを超える極厚板の突き合わせ溶接に
も又溶接時の開先幅変動に追従できるとともに、高品質
の超深型開先溶接を行う事の出来る。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の長
尺トーチであって、一次及び二次シールドガス箱及び溶
接チップ部を囲繞するスカート状耐熱布を設けた事を特
徴とするものである。これにより空気の巻き込みはな
く、アーク及び溶融池は完全にシールドされる為に、ブ
ローホール等の溶接欠陥が発生することがない。
【0018】請求項3記載の発明は請求項1記載の一次
シールドガス箱内に、カオウール等の(耐熱繊維塊)を
充填したことを特徴とするものである。これによりアー
ク9及び溶融池をシールドガス23が乱流から層流状に
局所的に直接シールドできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の形態を、
図示例と共に説明する。ただし、この実施形態に記載さ
れている構成部品の寸法、形状、その相対的位置等は特
に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれ
に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。図
1乃至図5は、本発明の実施態様を示す溶接トーチで、
図1は全体斜視図、図2はその正面図、図3は横断面
図、図4は溶接トーチの1次側シールド部の下面図、図
5は溶接トーチの2次側シールド部の詳細図を示す。図
において、本溶接トーチは、ワイヤ送給の為のワイヤ案
内管27、一次シールドガス供給の為の1次側シールド
ガス管7、二次シールドガス供給の為の2次側シールド
ガス管6、水冷銅管出口4と水冷銅管入口5を有する細
U字状の水冷銅管30、及びこれらの管の外側に配設し
た一対の支持用丸棒16を縦一列状に配設し、これを角
棒状のグラファイト製上側支持棒17、中間に配した一
対のリブ15、15及び下面に1次側シールドガス箱3
2を固設した2次側シールドガス箱33により一体的に
支持固定されている。尚、11は溶接ビードである。
【0020】支持棒17、リブ15、15及び2次側シ
ールドガス箱33はいずれも水平方向に平行に延在さ
れ、且つ狭開先2幅より小幅に設定し、溶接トーチが狭
開先2内に侵入可能に構成されている。ワイヤ案内管2
7は、上側支持棒17より突設させた上端に、回動リン
グ3を固設し、ワイヤ案内管27を所定角度周方向に回
動可能に構成するとともに絶縁材からなるセットカラー
18により回転自在に上側支持棒17に嵌合されてい
る。又ワイヤ案内管27の下端は、1次側シールドガス
箱32下方に突設し、その下端に溶接チップ8を固設す
る。
【0021】溶接チップ8は、ワイヤ案内管27と連通
するワイヤ孔の先端を偏心させ、溶接ワイヤが偏心した
状態で送出される送出孔8aを備えている。前記リブ1
5は溶接トーチの剛性向上の為に設ける。2次側シール
ドガス箱33はその両側面に2次側シールドガス孔12
を多数穿設し、該シールドガスが狭開先2に噴流可能に
構成する。
【0022】そして前記2次側シールドガス箱33上方
にスカート状に耐熱布29を巻回し、狭開先上方からの
空気巻き込みを遮断している。1次側シールドガス箱3
2は、図4に示すように下面側に溶接チップ8を挟んで
その両側に長穴状の1次側シールドガス孔13を穿孔し
ている。
【0023】又図2に示すように、1次側シールドガス
箱32内にはカオウール31が充填され、該シールドガ
スを層流状に流す。さらにカオウールがシールドガス圧
により吹き飛ばされるのを防ぐ為に、シールドガス箱3
2内壁面に金網34及び金網押え板35を配設してい
る。
【0024】つぎに本発明の特徴部分を詳細に説明する
に、母材1間に形成された狭開先2内にワイヤ10を挿
入し、シールドガス23を供給しつつ溶接を行う狭開先
溶接トーチ36において、上記狭開先2内に、ワイヤ案
内管27から溶接チップ8までワイヤ10はガイドさ
れ、溶接チップ8内の送出孔8aで溶接チップ中心軸を
中心に15°〜25°の角度に矯正され、回動リング3
の回動により回転角180°以下で、可逆的に往復運動
させながら、溶接を行うことができるように構成する。
【0025】又シールドガス供給については、1次側シ
ールドガス管7をワイヤ案内管27と隣接させ、アーク
9及び溶融池を直接保護できるよう下向きにシールドガ
ス23を噴流できる空間を設け、その空間にカオウール
31等のガラス繊維をつめ、シールドガス23を層流状
に流すことができるように構成するとともに、同時に、
1次側シールドだけでは、シールド範囲が限られてお
り、母材予熱の大気の熱対流により、空気中の窒素、酸
素を巻き込む恐れがあるため、狭開先内の広範囲にわた
って不活性ガス雰囲気が形成できる2次側シールドガス
孔12を設ける。
【0026】上記2次側シールドガス管6は、1次側シ
ールドガス管7と隣接させ、アーク9周辺を広範囲にわ
たりシールドできるように横向きに、すなわち、開先壁
に向かってシールドガス23を噴流できる空間を設け、
さらに上記空間に2mmφ以下の孔を100ヵ所以上あ
け、シールドガス23を層流状に流すように構成する。
【0027】更に2次側シールドガス孔12の上方に、
耐熱性及び弾力性の両方を備えた耐熱布29を、溶接用
長尺トーチの剛性を高める2本の棒16で溶接用長尺ト
ーチ36の全面にスカート状に2次側シールドガス孔1
2をおおうように包被し、2次側シールドガス孔12か
らのシールドガス23の噴流を利用し、上記耐熱布29
を狭開先2の壁面に密着させ、狭開先2の壁面と溶接用
長尺トーチ36とのすき間を完全になくし、狭開先2上
方からの空気の混入を完全に遮断し、2次側シールドガ
ス23を下向きに、かつ溶接方向及び溶接逆方向に流す
ように構成する。
【0028】かかる構成の狭開先溶接用長尺トーチ36
においては、ワイヤ案内管27を周期的に周方向に所定
角度往復回動させる装置(不図示)によりワイヤ案内管
27に往復回動を与えると、狭開先2内のワイヤ案内管
27は180°以下の回転角度でウィービングを行い、
ワイヤ案内管27先端に管軸心と15°〜20°の角度
で取付けてある溶接チップ8の送出孔8aから突出され
ているワイヤ10は、ワイヤリールの曲率半径の変化に
関係なく一定のウィービング量が得られ、又回転角度の
調整によりウィービング量の調整が容易となる。また、
溶接中開先幅が変化した場合でもワイヤ案内管27の回
転角度を増加あるいは減少させることで適正なウィービ
ング量(ウィービング幅)を得ることができ、急激な開
先幅変化があっても瞬時に対応・追従できる。
【0029】又母材1間に形成された狭開先2内にワイ
ヤ10を挿入し、シールドガス23を供給しながら溶接
を行う狭開先溶接において、ワイヤ案内管27と1次側
シールドガス管7、及び1次側シールドガス管7と2次
側シールドガス管6とをそれぞれ溶接進行方向に対し縦
一列に隣接させ、上記1次側シールドガス管7と2次側
シールドガス管6の先端に矩形の銅製の空間を設けた溶
接用長尺トーチ36で、1次側シールドガス管7の先端
の空間にカオウール31等のガラス繊維を2g〜4gつ
めることで、上記1次側ガス管先端にガス流量を25
(l/min)流すと、流速が33m/sから1.2m
/sと減少する。
【0030】すなわちアーク9及び溶融池をシールドガ
ス23が乱流から層流状に局所的に直接シールドでき
る。層流状でアーク9及び溶融池をシールドすれば、空
気を巻き込む恐れはないが、母材1の予熱による狭開先
2内の温度上昇により熱対流を引起こし、空気中の窒
素、酸素等を巻き込みブローホール等の溶接欠陥が発生
し易いため、2次側シールドガス管6先端の空間に2m
mφ以下の孔を100ヶ所以上あけ、開先2壁に向かっ
て50(l/min)噴流させる。
【0031】これにより不活性ガスの比重が空気の比重
より大きいため、アーク9及び溶融池に向かって、アー
ク9点を中心に高い位置と広範囲にわたって不活性ガス
雰囲気が形成でき、これにより空気を遮断し、アーク9
及び溶融池を囲むようにシールドされ溶接金属の酸化、
ブローホールの発生等の欠陥発生を防ぐことができる。
すなわち、狭開先内において、2次側シールドガスによ
る空気の遮断能力を高めると同時に、2次側シールドガ
スによってアーク9が乱されるのを防止し、1次側シー
ルドガスにより、アーク9及び溶融池を直接シールドで
き、而もワイヤ案内管27と縦方向一体型を構成出来
る。
【0032】又超深型溶接用長尺トーチの場合従来技術
では、極厚板突合わせ溶接の施行に際し、溶接時の熱応
力による急激な開先幅変動により、溶け込み不足等の融
合不良の溶接欠陥が生じるが、本実施形態においては溶
接用長尺トーチのワイヤ案内管27を溶接ヘッドに対し
て回動可能に接続することにより、狭開先2内を効率よ
く確実に溶接できる。
【0033】又超深型溶接用長尺トーチの場合従来技術
では、及び狭開先2内の熱対流等の溶接外乱により、空
気巻き込みによるブローホールの溶接欠陥が発生する。
本発明においても、1次側シールドガスのみでは、空気
を巻き込み、ブローホールが発生するが、2次側シール
ドガスを設けてある為に前記欠点が解消される。
【0034】更に溶接トーチを長尺にする場合、送行台
車の送行時の溶接トーチ先端に対する溶接トーチ振動、
ワイヤ送給時の溶接チップ8先端での接触抵抗による溶
接トーチ先端に対する溶接トーチ振動等で、溶接アーク
9が一定の方向性を持たず安定な溶接ができない点が挙
げられるが、溶接トーチの長さ方向の両端に2本の丸棒
16で支持することで長さ方向の剛性を確保でき、溶接
トーチの横方向にリブ15、15を上記の2本の棒16
に連結させることで剛性を確保できる。
【0035】更に本実施形態においては、溶接用長尺ト
ーチ36に耐熱布29をスカート状に2次側シールドガ
ス孔12をおおうように取付けることで、狭開先2上方
向からの空気の混入を完全に遮断でき、2次側シールド
ガスを、下向きにかつ溶接方向及び溶接逆方向に流すこ
とができる。又本実施形態においては、水冷銅管30と
ワイヤ案内管27を溶接方向に対して縦一列に隣接さ
せ、水冷銅管30をリブ15、15にろう付することで
リブ15、15を介して溶接トーチ全体が冷却でき、溶
接チップ8まで冷却できる。
【0036】1次側シールドガス管7から供給されるシ
ールドガス23は、最初に、1次側シールドガス箱32
に充満され、その後1次側シールドガス孔13から層状
に噴流するように構成され、1次側シールドガス箱32
内にカオウール31を詰め込み金網34でカオウール3
1がガス圧により吹き飛ばされるのを防いでいる。又2
次側シールドガス管6から供給されるシールドガス23
は、最初に、2次側シールドガス箱33に充満され、2
次側シールドガス孔12から噴流するように構成され
る。
【0037】
【実施例】次にかかる実施形態による実施例を以下に示
す。溶接方法はMAG溶接方法とし、溶接電源は通常の
パルス電源を使用した。そして図1に示すように、溶接
トーチの中央付近に溶接ワイヤ10通路用のワイヤ案内
管27を形成してあり、旋回リング3に上記ワイヤ案内
管27と溶接チップ8を連結させることにより、往復回
動リング3を往復運動させることで、ワイヤ10がワイ
ヤ案内管27を通り、溶接チップ8まで押し込まれ、溶
接チップ8の送出孔8aで15°〜25°のワイヤ10
の曲げが与えられ、ワイヤ10を回転角180°以下で
溶接チップ8の中心軸を中心とし往復回動できる。
【0038】この結果、溶接チップ8から押し出された
ワイヤ10は、アーク点において、一定の方向性をもち
往復回転運動するため、開先側壁面に対する溶け込み不
良等を生ずることなく溶接できる。シールドガス供給方
法は、図2に示すように、ワイヤ案内管27と1次側シ
ールドガス管7及び2次側シールドガス管6を、溶接方
向に対し縦一列に隣接させ、アーク9及び溶融池を不活
性ガスによりシールドさせる方法とした。そして狭開先
2溶接において、主に発生する溶接欠陥は、溶接中の大
気の巻き込みによるブローホールであり、そこで、1次
側シールドガス流量を10〜25(l/min)、2次
側シールドガス流量を25〜50(l/min)流すこ
とで、ブローホールのない良好な溶接ビードが得られる
ことがわかった。
【0039】溶接条件としては、溶接電流250
(A)、アーク電圧30(V)、溶接速度20(Cm/
min)、開先幅18(mm)、ウィービング幅14
(mm)、ウィービング速度40(サイクル/mi
n)、開先端停止時間0.2(s)、シールドガスAr
t20%CO2である。
【0040】図11に本発明により発明者らが狭開先内
にArt20%CO2の不活性ガスを流し、上記開先内
の酸素濃度分布を種々検討した結果を示すが、いずれも
空気の巻き込みはなく、アーク及び溶融池は完全にシー
ルドされている。この場合完全にシールドされている部
分は図11の(B)の部分で、1次側シールドガス流
量を10〜25(l/min)、2次側シールドガス流
量を25〜50(l/min)のいずれの場合でも溶接
ワイヤ10の周囲は完全に包囲されていることが理解さ
れる。
【0041】そして前記溶接条件で図12に示すように
積層溶接試験を行い、溶接ビード外観並びに断面マクロ
とX線検査で開先両端の溶け込み及びブローホールの有
無について溶接品質評価した結果、開先両端の溶け込み
量Aは1(mm)を確保でき、融合不良もなく良好な溶
接ビードが得られ、X線検査でJISZ3104に基づ
き2級で透過撮像した結果、合格であり、溶接用長尺ト
ーチ36を使用しての極厚板突合わせ溶接で、良好な溶
接部が得られることを確認している。
【0042】尚、本発明の好ましい実施例において、1
次側シールドガスを下向きに噴流できる空間に、カオウ
ール31を3(g)つめ込み、更にカオウール31が噴
き飛ばされるのを防ぐため金網34を使用するのがよ
い。これにより1次側シールドガス流量を25(l/m
in)流すと、流速が33(m/s)から1.2(m/
s)と層流状態に減少できる。
【0043】すなわちアーク9及び溶融池をシールドガ
ス23が乱流から層流状に局所的に直接シールドでき
る。また、2次側シールドガス孔12から10(mm)
の位置に50(mm)の長さで、2次側シールドガス孔
12をおおうように耐熱布29をスカート状に溶接トー
チに抱かせ前記溶接条件で1次側シールドガス流量25
(l/min)、2次側シールドガス流量50(l/m
in)流し、溶接試験を行った結果空気の巻き込みはな
く、アーク9及び溶融池は完全にシールドされ、ブロー
ホール等の溶接欠陥が発生しないことが確認された。本
実施例においては1次側シールドガスと2次側シールド
ガスの流量を独立して制御するため、シールド管を別個
に設けたが、1次と2次でガス量が変らない場合は共通
のシールド管を使用しても良い。
【0044】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、例え
ば図1乃至図3に示すように母材1間に形成された狭開
先2内にワイヤ10を挿入し、シールドガス23を供給
しながら溶接を行う狭開先溶接において、狭開先内に溶
接チップ8により先端を15°〜25°傾けて挿入され
たワイヤ10を回転角180°以下で溶接チップ8中心
軸を中心とし、可逆的に往復回動させながら、溶接を行
う長尺溶接トーチ36を用い、溶接中開先幅が変化した
場合でも回転角度を増加あるいは減少させることで適正
なウィービング量を得ることができ、急激な開先幅変化
があっても、瞬時に対応・追従でき、狭開先溶接時の開
先壁両端の溶け込み不足による融合不良等の溶接欠陥が
防止できる。
【0045】又本発明によれば、上記狭開先厚板用溶接
で、ワイヤ案内管27と1次側シールドガス管7と2次
側シールドガス管6を溶接方向に対し縦方向一体化の溶
接用長尺トーチ36を用い、1次側シールドガス流量を
10〜25(l/min)、2次側シールドガス流量を
25〜50(l/min)流すことで、狭開先溶接時の
空気の巻き込みによって生じやすいブローホール等の溶
接欠陥が防止できる。
【0046】更に本発明によれば、従来法で限界であっ
た板厚200mmの厚板突き合わせ溶接が、ワイヤ案内
管27、1次側シールドガス管7、2次側シールドガス
管6及び水冷銅管30を溶接方向に対し、縦一方向一体
型構造にして、上記ワイヤ案内管27を溶接ヘッドに対
して回動可能に接続することにより、開先内を効率よ
く、確実に溶接でき、溶接用長尺トーチ36の長さ方向
の寸法を大きくすれば、200mmtの板厚に制約され
ず超極厚板狭開先溶接が施工できる。
【0047】更に又本発明によれば、溶接用長尺トーチ
に耐熱布29をスカート状に2次側シールドガス孔をお
おうように取付け、1次側シールドガス流量を10〜2
5(l/min)、2次側シールドガス流量を25〜5
0(l/min)流すことで、狭開先溶接時の狭開先上
方からの空気の混入は完全に遮断でき、ブローホール等
の溶接欠陥が防止できる。等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る態様を示す溶接トー
チの斜視図。
【図2】図1に示す溶接トーチの正面図。
【図3】図1に示す溶接トーチの横断面図。
【図4】図1に示す溶接トーチの1次側シールド部の下
面図。
【図5】図1に示す溶接トーチの2次側シールド部の詳
細図。
【図6】従来の狭開先溶接を示す溶接トーチ構造図。
【図7】従来の狭開先溶接を示す溶接トーチ構造図。
【図8】従来の狭開先溶接を示すシールドガス供給方法
と溶接トーチ構造図。
【図9】従来の狭開先溶接を示すシールドガス供給方法
と溶接トーチ構造図。
【図10】従来の狭開先溶接を示すシールドガス供給方
法と溶接トーチ構造図。
【図11】図1に示す溶接トーチの狭開先内の酸素濃度
分布図。
【図12】図1に示す溶接トーチの溶接ビード形状断面
図。
【符号の説明】
1 母材 2 狭開先 3 往復回動リング 4 水冷銅管出口 5 水冷銅管入口 6 2次側シールドガス管 7 1次側シールドガス管 8 溶接チップ 9 アーク 10 ワイヤ 11 溶接ビード 12 2次側シールドガス孔 13 1次側シールドガス孔 15 リブ 16 丸棒 17 グラファイト製上側支持棒 18 セットカラー 29 耐熱布 30 水冷銅管 31 カオウール 32 1次側シールドガス箱 33 2次側シールドガス箱 34 金網 35 金網押え板 36 溶接トーチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真鍋 幸男 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 百瀬 雅章 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 浜中 浩 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 寄高 秀樹 広島市西区観音新町一丁目20番24号 菱明 技研株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に偏心した溶接ワイヤ送出孔を備え
    た溶接チップと、 該溶接チップを先端に備えたワイヤ案内管と、 前記溶接ワイヤにウィービング運動させるため前記溶接
    チップを周方向に所定角度往復回動させる手段と、 前記溶接チップ近傍にシールドガスを供給する一次シー
    ルドガス箱と、 該一次シールドガス箱の上方にあって、大気の侵入防止
    用のシールドガスを供給する二次シールドガス箱と、 前記一次と二次のシールドガス箱にシールドガスを個別
    に若しくは共通して供給するガス供給手段と、 前記ワイヤ案内管、シールドガス箱、シールドガス供給
    手段を含む溶接手段を冷却する手段からなることを特徴
    とする開先溶接用長尺トーチ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の長尺トーチであって、一
    次及び二次シールドガス箱及び溶接チップ部を囲繞する
    スカート状耐熱布を設けた事を特徴とする開先溶接用長
    尺トーチ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の一次シールドガス箱内
    に、カオウール等の耐熱繊維塊を充填したことを特徴と
    する開先溶接用長尺トーチ。
JP6537296A 1996-02-27 1996-02-27 開先溶接用長尺トーチ Withdrawn JPH09225641A (ja)

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