JPH09225496A - 硝化ろ材の製造方法 - Google Patents

硝化ろ材の製造方法

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JPH09225496A
JPH09225496A JP8040840A JP4084096A JPH09225496A JP H09225496 A JPH09225496 A JP H09225496A JP 8040840 A JP8040840 A JP 8040840A JP 4084096 A JP4084096 A JP 4084096A JP H09225496 A JPH09225496 A JP H09225496A
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nitrifying
bacteria
tank
ammonia
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Hiroshi Nakamura
宏 中村
Naoki Ogawa
尚樹 小川
Hirokazu Shimamura
洋和 島村
Toshio Hirata
俊雄 平田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硝化菌の培養・馴養に係る時間を短縮すると
ともに、安定した性能で運転することを可能とする、硝
化菌を高濃度に保持した硝化ろ材の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 硝化菌を含有する培養液を通液すること
により該硝化菌を充分に付着させたろ材を種ろ材とし、
該種ろ材を充填した層の上部又は下部に硝化菌未付着の
ろ材を充填した層を設置し、少なくともアンモニアを含
有する循環水を該種ろ材充填層側からろ材充填層に通液
し循環させることにより、該ろ材上に該硝化菌を付着及
び増殖させることを特徴とする硝化ろ材の製造方法。上
記硝化菌として、ニトロモナス属に属するアンモニア酸
化細菌 微工研菌寄第12555号、及びニトロバクタ
ー属に属する亜硝酸酸化細菌 微工研菌寄第12556
号の混合物を用いる上記方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアンモニア含有排水
中のアンモニアを硝酸にまで酸化処理するための硝化ろ
材の製造方法に関し、特に水産業,水族館,生きている
魚等の蓄養,飼育に関する産業分野からの排水処理、し
尿処理及び埋立地などからの浸出排水処理などアンモニ
アの処理を必要とする生物学的排水処理において広く利
用できる同硝化ろ材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アンモニアを含有する水、排水は公害防
止法、水質汚濁防止法の規制の下、一定濃度以上では放
流することができない。従って、このようなアンモニア
を含有する排水は何らかの処理を施し、含有アンモニア
濃度を下げてから、河川、海洋等の自然界へ放流するこ
とが義務づけられている。アンモニア含有排水の処理に
は大きく分けて、(1) 活性炭吸着法のような物理学的処
理方法、(2) 塩素注入や湿式酸化法のような化学的処理
方法、(3) 硝化菌、脱窒菌という特殊な微生物を利用し
た生物学的処理方法、がある。
【0003】上記(1) 〜(3) の方法にはそれぞれ一長一
短があるが、現在、排水処理分野で採用されているのは
(3) の生物学的処理方法が殆どである。この方法は常
温、常圧で運転できることが大きな特徴であるが、反
面、反応速度が小さく、装置が大型化する短所がある。
【0004】アンモニア含有排水を対象とした、生物学
的排水処理プロセスの一例を図3に示す。アンモニア含
有排水は原水タンク21に貯められた後、原水ポンプ2
2によって硝化槽23へ送られる。硝化槽23にはアン
モニアを亜硝酸イオンに変換するアンモニア酸化細菌と
生成した亜硝酸イオンを硝酸イオンに酸化する亜硝酸塩
酸化細菌が存在しており、両者の菌の働きにより、排水
中のアンモニアが硝酸イオンにまで酸化(硝化)され
る。硝化槽23では、微生物の増殖に必要なリン酸がリ
ン酸タンク27からリン酸用ポンプ28により供給され
る。またPH電極34でモニタし、硝化反応により低下
するpHは水酸化ナトリウムを水酸化ナトリウムタンク
29から水酸化ナトリウム用ポンプ30で送液すること
により調整する。硝化槽23を出た排水は脱窒槽37へ
送られる。脱窒槽37では硝化槽23で生成した硝酸イ
オンを脱窒菌の作用で窒素ガスに還元(脱窒)する。3
6はORP電極、41はpH電極である。脱窒には水素
供与体が必要であり、ここではメタノールをメタノール
タンク31からメタノール用ポンプ32で供給する。脱
窒槽37を出た排水中の窒素は10ppm以下で、窒素
分は充分に処理されているが、脱窒槽37ではメタノー
ルを過剰に加えるため、脱窒処理水槽38で流出したメ
タノールを分解処理する必要がある。脱窒処理水槽38
には活性汚泥がプラスチック板やラシヒリングなどの充
填物とともに充填されており、メタノールを基質として
増殖している。硝化槽23と脱窒処理水槽38で使用す
る微生物は酸素を必要とするため、ブロワ24で曝気を
行っている。また溶存酸素量は溶存酸素電極35でチェ
ックする。脱窒処理水槽38を出た汚泥の一部は循環ポ
ンプ39で硝化槽23へ返送され、処理液は放流され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に硝化
菌は増殖が非常に遅く、高濃度化が困難であるため、従
来の生物処理槽は、所定の硝化性能を得るために数カ月
といった長時間にわたる馴養を経て硝化菌を槽内に保持
させている。馴養は硝化槽内のアンモニアの濃度を監視
しながら、処理速度に応じた基質の添加を行い、徐々に
活性を上昇させる。この過程で硝化菌は増殖し、硝化槽
内で優先種となるが、硝化槽内の状態を常にチェックし
ながら馴養を行わなければならず、熟練した技術者が管
理する必要がある。また、20℃以下の低温において、
硝化能力が著しく低下することから、硝化槽は必然的に
大きなものとなる。さらに、付着している硝化菌の素性
が不明確な場合が多く、処理性能が変動したり不安定に
なることも少なくない。本発明はこのように長時間を要
していた硝化菌の培養・馴養に係る時間を短縮するとと
もに、安定した性能で運転することを可能とする硝化菌
を高濃度に保持した硝化ろ材の製造方法を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として本発明は (1)硝化菌を含有する培養液を通
液することにより該硝化菌を充分に付着させたろ材を種
ろ材とし、該種ろ材を充填した層の上部又は下部に硝化
菌未付着のろ材を充填した層を設置し、少なくともアン
モニアを含有する循環水を該種ろ材充填層側からろ材充
填層に通液し循環させることにより、該ろ材上に該硝化
菌を付着及び増殖させることを特徴とする硝化ろ材の製
造方法、(2) 上記硝化菌がアンモニア酸化細菌及び亜硝
酸塩酸化細菌の混合物であることを特徴とする上記 (1)
記載の硝化ろ材の製造方法、(3)上記アンモニア酸化細
菌がニトロソモナス属に属する微工研菌寄第12555
号(FERM P−12555)であることを特徴とす
る上記 (2)記載の硝化ろ材の製造方法、及び (4)上記亜
硝酸塩酸化細菌がニトロバクター属に属する微工研菌寄
第12556号(FERM P−12556)であるこ
とを特徴とする上記(2)に記載の硝化ろ材の製造方法、
を提供する。なお、本発明においては、アンモニア酸化
細菌及び亜硝酸塩酸化細菌等のアンモニア態窒素を酸化
する細菌を総称して硝化菌という。また硝化菌の付着し
たろ材を硝化ろ材という。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者らは、熟練の技術者でな
くても簡便にかつ短期間で硝化菌の培養、馴養を実施可
能とすることを目的として、鋭意検討の結果、硝化菌は
セラミックス、礫、ガラスビーズなどの多孔質の担体
(ろ材)に付着保持させた状態で、良好に増殖し、増殖
速度も向上することを見いだし、実験的にも確認でき
た。この新規な知見に基づき、硝化反応や脱窒反応にお
いて安定した性能で使用できる硝化ろ材の製法に到達で
きた。
【0008】硝化菌が担体に付着することにより、増殖
速度が上昇し、性能が安定する理由については明らかで
はないが、微生物は一般に担体に付着することにより性
能が安定化する傾向があり、硝化菌もその例に漏れない
菌であると考えられる。しかも、走査顕微鏡観察による
と硝化菌は担体に付着すると分泌物を出し、担体に強く
付着する現象がある。このことからも、担体に付着させ
ることが硝化菌の代謝活性に何らかの影響を与え、その
結果として増殖速度、性能安定性が向上するのではない
かと考えられる。
【0009】本発明において硝化菌を付着させる担体と
しては、例えばセラミックス、礫、ガラスビーズなどの
多孔質の担体が挙げられ、具体的には例えばセメント焼
結ろ材〔例えばCBろ材(商品名)等〕、軽石、サン
ゴ、多孔質ガラス焼結ろ材〔例えばシポラックス(商品
名)等〕等が挙げられる。担体のサイズは特に限定され
るところはないが、例えば3〜10mmφ等である。
【0010】本発明の製法においてはまず、種ろ材とし
て担体(ろ材)に硝化菌を保持させたものを用意してお
く。具体的には通水、循環手段を有する容器内に担体を
充填しておき、別途培養しておいた硝化菌を培養液に混
合したものを循環水として該担体充填層に通水、循環さ
せ、ろ材に硝化菌を付着、増殖させる。種ろ材の菌濃度
としては例えば108 〜109 個/ml担体程度、硝化
能力としては例えば0.1〜0.2kg−N/m3 ・d
ay程度を目安とする。
【0011】上記で得られた種ろ材を用いて硝化ろ材を
製造する工程を、図1に示す一具体例により説明する。
本例の装置構成は、ろ材充填槽1とこれに配管で連通す
る循環水槽2からなり、循環ポンプ3により循環水槽2
からろ材充填槽1へ送液される。循環水はろ材充填層1
を上向流で流れ、オーバフローした水が配管を通って循
環水槽2へ返送される。ろ材充填槽1内部には、底面に
硝化菌に酸素を供給するための散気管13を設置し、ブ
ロワ4から空気を供給している。また、底面にはスノコ
が敷かれており、充填するろ材が散気管13を塞がない
ような構造にしている。スノコの上部から硝化菌を付着
させる担体(ろ材)を投入するが、槽内の流れが上向流
であるため、下段に種ろ材として硝化菌付着ろ材(以
下、種ビーズとも称する)5を、その上段に新品ろ材
(新品ビーズ)6を投入する。これにより、硝化菌付着
ろ材5から剥離した硝化菌が新品ろ材6に捕捉され再付
着する効果が得られる。
【0012】硝化菌の培養に伴って、循環水中のアンモ
ニア濃度及びpHが低下する。これは硝化菌の増殖を阻
害する最大の原因であるので、適宜、塩化アンモニウム
11、及びアルカリ(NaOH)7の添加を行なう。こ
れらの添加は手動で行ってもよいが、アンモニア電極1
4、pH電極9からのモニタ信号をpHコントローラ
8、コントローラ15で読み取り、ポンプ10,12を
オンオフ操作することにより、自動的に実施することが
できる。
【0013】該種ろ材を下段に充填し、菌未付着の担体
(新品ろ材)を該種ろ材充填層の上段に充填し、種ろ材
下部からアンモニアを含有する循環水を上向流として導
入することにより、種ろ材から剥離した硝化菌が上段の
担体に捕捉され再付着する。さらに前記のようにろ材上
で硝化菌が分泌物を出して担体に強く付着し、増殖速度
が上昇する。該担体の硝化性能が所期の値になるまで循
環を続けることにより、本発明に係る硝化ろ材が得られ
る。種ろ材と同等の硝化性能とした場合には、この新た
に得られた硝化ろ材を種ろ材として使用することができ
る。なお、種ろ材充填層を上段に、新品ろ材を下段に設
けてもよい。
【0014】本発明において用いる硝化菌としては、い
ずれのアンモニア酸化細菌、亜硝酸塩酸化細菌であって
もよいが、本発明者らが見出したニトロソモナス属に属
するアンモニア酸化細菌 微工研菌寄第12555号
(nitrosomonassp.FERM P125
55)、ニトロバクター属に属する亜硝酸塩酸化細菌微
工研菌寄第12556号(nitrobacter s
p.FERM P12556)を特に好ましいものとし
て挙げることができる。両細菌は低温でも硝化能力が高
く、本発明に従いろ材に付着させて生物処理槽に充填す
ることにより、安定した高性能な硝化能力を得ることが
できる点を確認した。
【0015】アンモニア酸化細菌 微工研菌寄第125
55号の菌株は、以下の細菌学的な特徴を有する。 (a) 形態的性質 ア)コロニー : 乳白色,円形 イ)細菌の形,大きさ : 棹菌,0.5×0.7μm ウ)運動性 : 有り エ)鞭毛の着生状態 : 未確認 オ)胞子 : 形成しない
【0016】(b) 培養的性質 肉汁寒天平板培養 生育の様相 : 生育しない 肉汁液体培養 生育の様相 : 生育しない
【0017】(c) 生理学的性質 本菌株は、平板培養法により活性汚泥より分離した細菌
であるので、バージェイズ マニュアル オブ システ
マティック バクテリオロジイ(ウイリアムズアンド
ウイルキンズ)に基づき、以下の生理的試験を行った。 1) グラム染色性 : 陰性 2) 色素の生成 : 無し 3) 酸素に対する態度 : 絶対好気性 4) 糖類からの酸の生成 : 糖の資化性なし 5) アンモニア酸化活性 : 陽性 6) 亜硝酸塩酸化活性 : 陰性
【0018】以上の結果より、本菌株をニトロソモナス
属に属するアンモニア酸化細菌と同定し、工業技術院微
生物工業技術研究所に寄託し、平成3年10月4日付け
で微工研菌寄第12555号(FERM P−1255
5)として受託された。
【0019】また、亜硝酸塩酸化細菌 微工研菌寄第1
2556号の菌株は、以下の細菌学的な特徴を有する。 (a) 形態的性質 ア)コロニー : 白色,円形 イ)細菌の形,大きさ : 棹菌,0.5×0.8μm ウ)運動性 : 有り エ)鞭毛の着生状態 : 未確認 オ)胞子 : 形成しない
【0020】(b) 培養的性質 肉汁寒天平板培養 生育の様相 : 生育しない 肉汁液体培養 表面発育の有無 : 無し 培地の混濁状態 : 生育しない
【0021】(c) 生理学的性質 本菌株は、平板培養法により土壌より分離した細菌であ
るので、バージェイズマニュアル オブ システマティ
ック バクテリオロジイ(ウイリアムズ アンド ウイ
ルキンズ)に基づき、以下の生理的試験を行った。 ア)グラム染色性 : 陰性 イ)色素の生成 : 無し ウ)酸素に対する態度 : 絶対好気性 エ)糖類からの酸の生成 : 糖の資化性なし オ)アンモニア酸化活性 : 陰性 カ)亜硝酸塩酸化活性 : 陽性
【0022】以上の結果より、本菌株をニトロバクター
属に属する亜硝酸塩酸化細菌と同定し、工業技術院微生
物工業技術研究所に寄託し、平成3年10月4日付けで
微工研菌寄第12556号(FERM P−1255
6)として受託された。
【0023】水中のアンモニアは硝化菌によって、亜硝
酸イオンを経て硝酸イオンに変換される。硝化菌にはア
ンモニアを亜硝酸イオンに変換するアンモニア酸化菌
(ニトロソモナス属)と生じた亜硝酸イオンを硝酸イオ
ンに変換する亜硝酸塩酸化菌(ニトロバクター菌)とが
存在し、共存することによって、有害なアンモニアを無
害な硝酸イオンに生物変換している。微生物の反応は酵
素反応であり、存在する基質(アンモニア)濃度が薄く
なると、反応速度が小さくなる。また、温度の影響も受
けやすく、高温では失活、低温では反応速度の急激な低
下が見られるが、微工研菌寄第12555号、同第12
556号の硝化菌は何れも低温での活性も高く、これら
の菌の持つ酵素は至適温度が一般の硝化菌よりも低い範
囲に存在するために、低温での能力が低下しにくいので
はないかと考えられる。
【0024】
【実施例】以下、実施例に従い本発明を具体的に説明す
る。以下の実施例で使用した硝化菌及び付着担体(ろ
材)は次のものである。 アンモニア酸化細菌 ニトロソモナス属 微工研菌寄第
12555号(nitrosomonas sp.FE
RM P−12555) 亜硝酸塩酸化細菌 ニトロバクター属 微工研菌寄第1
2556号(nitrbacter sp.FERM
P−12556) 付着担体 セメント焼結ビーズ(直径5mm) また、同じ硝化菌を用いて担体を使用しない培養(浮遊
法と称する)も行い、比較した。
【0025】(種ビーズの製造)本実施例で種ろ材とし
て使用する種ビーズの製造は次の手順で行った。まず、
アンモニア酸化細菌と亜硝酸塩酸化細菌の両者を等量混
合した培養液5リットルを、50リットル容積の微生物
培養器(ジャーファーメンタ)にて、表1の組成の培地
(121℃、15分間蒸気滅菌したもの)を使用して培
養した。1週間培養後、基質であるアンモニアの有無を
インドフェノールブルー比色定量法(JIS K−01
02に準拠)によりチェックし、消費されていれば塩化
アンモニウムを追加し、培養を継続した。1週間毎にこ
の操作を繰り返し、3乃至4週間の培養後に培養液を4
5リットル抜き取り、遠心分離(7,000rpm、2
0分間)により菌体を回収した。ジャーファーメンタに
残った5リットルの培養液に、蒸気滅菌した新鮮培地4
5リットルを加え、再び培養を行い、培養終了後に菌体
を回収する。この培養を4回繰り返し、最終的には約4
0gの硝化菌を回収した。
【0026】CBろ材20リットルを30リットル容程
度の容器に充填し、先に回収した硝化菌40gを懸濁し
た表2の組成の循環水約20リットルを通水し、硝化菌
のろ材への付着を促進した。ろ材への通水はポンプによ
り行い、循環水の濁りがなくなるまで送液を続けた。そ
の結果、循環開始3日後には循環水の濁りが無くなり、
硝化菌のろ材への付着が完了し、種ビーズが得られた。
【0027】
【表1】
【0028】〔実施例1〕先に調整した種ビーズを直径
10cm、長さ20cmの円筒形のカラム上段に詰め、
その下に新品ビーズを充填した種ビーズ製造カラム(容
量1.5リットル)を作成した(図2)。カラムの両端
にシリコンチューブをつなぎ、循環ポンプを用いて表2
に示す組成の循環水をカラムに通水する。種ビーズのビ
ーズ全体量に対する比率を2%、5%、10%と変化さ
せたものを作成し、各々について新品ビーズ上の硝化菌
の増殖・付着状態をモニタした。評価は、循環水中のア
ンモニア濃度を前述の比色定量法により測定し、一日当
たりのアンモニア減少量をカラム容積で割った値(アン
モニア負荷)で表した。その結果は、表3に示すよう
に、すべての種ビーズ比で硝化菌の良好な増殖・付着が
確認され、12日間の培養で種ビーズの性能(0.25
kg−N/m3 ・day)と同等の所期性能を示した。
比較として種ビーズなしの浮遊法を採用した場合、本実
施例と同等の種ビーズを得るには、硝化菌培養液を15
リットル調整し、遠心濃縮する必要があり、専用の設備
と時間、人手が必要となる。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】〔実施例2〕本実施例においては図1の硝
化ろ材製造装置を使用した。なお、ろ材充填槽1は容量
1m3 、循環水槽2は容量4m3 である。ろ材充填槽1
の下段に実施例1と同様にして得られた硝化菌付着ろ材
(種ビーズ)200リットル、その上に新品ろ材(新品
ビーズ)1,800リットルを充填する。表2に示す組
成の循環水を調整して循環水槽2に張り込み、循環ポン
プ3を運転して通水する。循環水の水質は各種コントロ
ーラにより表2に示す値を維持するようにコントロール
する。その結果、表4に示すように、試験開始後2週間
でアンモニア負荷が種ビーズのそれと等しくなり、硝化
菌の増殖・付着が十分に行われたことが分かる。従来の
浮遊法では2,000リットルの硝化菌付着ビーズを製
造するために必要な硝化菌を培養すること自体が困難で
あり、たとえ培養できたとしても硝化菌付着ビーズ製造
までには最低2カ月を要する。本発明の方法では硝化ろ
材製造に係る時間の大幅な短縮が可能となった。
【0032】
【表4】
【0033】以上の実施例では硝化菌を予め付着した種
ろ材を製造してから、硝化ろ材を製造しているが、得ら
れた硝化ろ材の一部を種ろ材として新たな硝化ろ材の製
造に使用できる。
【0034】
【発明の効果】一般に増殖が遅く、環境条件に敏感な硝
化菌を簡便かつ大量に短時間に培養できるとともに、実
装置で使用する担体への付着を行わせることができる本
発明の方法は、従来多大の時間と労力を要していた硝化
菌の培養・馴養方法を大きく改善するものであり、硝化
菌の馴養時間、実装置の調整運転期間の短縮、労力の低
減等、本発明の及ぼす効果は非常に大きく、当該産業分
野において広く利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施例2の硝化ろ材製造方法を概略
説明する図である。
【図2】は本発明の実施例1の硝化ろ材製造方法を概略
説明する図である。
【図3】は生物学的硝化脱窒設備のシステムフローを示
す図である。
【符号の説明】
1 ろ材充填槽、 2 循環水槽、3及び39
循環ポンプ、 4及び24 ブロワ、5 硝化物菌付
着ろ材、 6 新品ろ材、 7 NaO
H、8 pHコントローラ、 9,34及び41 p
H電極、10及び12 ポンプ、 11 塩化アンモ
ニウム、 13 散気管、14 アンモニア電極、
15 コントローラ 21 原水タンク、 22 原水ポンプ、
23 硝化槽、27 リン酸タンク、 28 リ
ン酸用ポンプ、31 メタノールタンク、 32 メタ
ノール用ポンプ、35 溶存酸素電極、 36 O
RP電極、 37 脱窒槽、38 脱窒処理水
槽。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 俊雄 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硝化菌を含有する培養液を通液すること
    により該硝化菌を充分に付着させたろ材を種ろ材とし、
    該種ろ材を充填した層の上部又は下部に硝化菌未付着の
    ろ材を充填した層を設置し、少なくともアンモニアを含
    有する循環水を該種ろ材充填層側からろ材充填層に通液
    し循環させることにより、該ろ材上に該硝化菌を付着及
    び増殖させることを特徴とする硝化ろ材の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記硝化菌がアンモニア酸化細菌及び亜
    硝酸塩酸化細菌の混合物であることを特徴とする請求項
    1記載の硝化ろ材の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記アンモニア酸化細菌がニトロソモナ
    ス属に属する 微工研菌寄第12555号(FERM
    P−12555)であることを特徴とする請求項2記載
    の硝化ろ材の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記亜硝酸塩酸化細菌がニトロバクター
    属に属する 微工研菌寄第12556号(FERM P
    −12556)であることを特徴とする請求項2記載の
    硝化ろ材の製造方法。
JP8040840A 1996-02-28 1996-02-28 硝化ろ材の製造方法 Withdrawn JPH09225496A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100404436C (zh) * 2005-06-03 2008-07-23 清华大学 一种好氧亚硝化颗粒污泥的培养方法
JP2012501848A (ja) * 2008-09-10 2012-01-26 ヨーロピアン・スペース・エージェンシー 尿素含有水の処理のための設備、トイレ、家畜小屋及び方法
WO2018202717A1 (en) * 2017-05-02 2018-11-08 Krüger A/S A method of manufacturing a microbial starter culture

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