JPH09224827A - 調理用紙 - Google Patents
調理用紙Info
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- JPH09224827A JPH09224827A JP8063770A JP6377096A JPH09224827A JP H09224827 A JPH09224827 A JP H09224827A JP 8063770 A JP8063770 A JP 8063770A JP 6377096 A JP6377096 A JP 6377096A JP H09224827 A JPH09224827 A JP H09224827A
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- cooking
- food
- heating
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子レンジ加熱に適した調理用紙として、透
明度が高く、内部に収容した食品の状態を透視できると
共に、適度な蒸気透過量を保持し、紙本来の特性に加え
て、食品を包み易く、調理使用に耐えられる強さの紙を
提供する。 【解決手段】 調理用紙を、セルロース系再生繊維を5
0wt%以上含む薄葉紙状シートであって、該シートの
光透過率が20%以上の紙により形成する。
明度が高く、内部に収容した食品の状態を透視できると
共に、適度な蒸気透過量を保持し、紙本来の特性に加え
て、食品を包み易く、調理使用に耐えられる強さの紙を
提供する。 【解決手段】 調理用紙を、セルロース系再生繊維を5
0wt%以上含む薄葉紙状シートであって、該シートの
光透過率が20%以上の紙により形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調理用に用いる紙
に関するものであり、特に、電子レンジ加熱において食
品の被包に用いるのに適した調理用紙に関するものであ
る。
に関するものであり、特に、電子レンジ加熱において食
品の被包に用いるのに適した調理用紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般家庭では、調理用包材としてフィル
ム製ラップが大変普及し、各種の調理場面で使用されて
いる。特に、電子レンジによる食品の再加熱に使用され
る頻度は多いが、この場合、次のような不具合が指摘さ
れている。 (1)蒸気が逃げないため、フィルムに結露を生じ、食
品が水っぽく仕上る。 (2)蒸気圧上昇により、食品が変質したり、ふっくら
と仕上らない。 (3)圧力や熱により急に破裂したり、収縮したりする
(耐熱性不良)。 これらを改善するための技術として、特開昭53−86
79号公報や特公平8−33号公報に開示されているよ
うに、フィルムラップに微細孔加工や針孔加工をするこ
とが提案されているが、これらも上記の欠点を充分に満
足できるものではない。
ム製ラップが大変普及し、各種の調理場面で使用されて
いる。特に、電子レンジによる食品の再加熱に使用され
る頻度は多いが、この場合、次のような不具合が指摘さ
れている。 (1)蒸気が逃げないため、フィルムに結露を生じ、食
品が水っぽく仕上る。 (2)蒸気圧上昇により、食品が変質したり、ふっくら
と仕上らない。 (3)圧力や熱により急に破裂したり、収縮したりする
(耐熱性不良)。 これらを改善するための技術として、特開昭53−86
79号公報や特公平8−33号公報に開示されているよ
うに、フィルムラップに微細孔加工や針孔加工をするこ
とが提案されているが、これらも上記の欠点を充分に満
足できるものではない。
【0003】このため、フィルムラップに替えて、キッ
チンペーパーやクッキングペーパーと称する紙を用いる
こともあるが、これらの紙類を用いる場合にも次のよう
な欠点がある。 (1)厚い紙の場合、包みにくい(ラップ性不良)こと
や、水分を吸収し過ぎて食品が固くなる。 (2)ティッシュ状で薄い紙の場合、使用中に濡れて破
れ易く、紙片が食品に混入する。この解決例として、特
公昭54−3554号公報では合成繊維を混抄すること
が開示されているが、そのような手段では紙本来の特性
が失われ、充分な解決とは思われない。 (3)木材パルプからできているこれらの紙は、紙本来
の不透明性のため、食品の中身が全く見えず、フィルム
ラップのような感覚からすると違和感が大きく働き、こ
の点に調理用の紙として最大の欠陥がある。
チンペーパーやクッキングペーパーと称する紙を用いる
こともあるが、これらの紙類を用いる場合にも次のよう
な欠点がある。 (1)厚い紙の場合、包みにくい(ラップ性不良)こと
や、水分を吸収し過ぎて食品が固くなる。 (2)ティッシュ状で薄い紙の場合、使用中に濡れて破
れ易く、紙片が食品に混入する。この解決例として、特
公昭54−3554号公報では合成繊維を混抄すること
が開示されているが、そのような手段では紙本来の特性
が失われ、充分な解決とは思われない。 (3)木材パルプからできているこれらの紙は、紙本来
の不透明性のため、食品の中身が全く見えず、フィルム
ラップのような感覚からすると違和感が大きく働き、こ
の点に調理用の紙として最大の欠陥がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、調理用に適した新規な紙として、透明度が高く、少
なくとも半透明で、内部に収容した食品の状態を透視で
きると共に、適度な蒸気透過量を保持する紙を提供する
ことにある。本発明の他の技術的課題は、吸水・吸湿
性、耐熱性など、紙本来の特性に加えて、食品を包み易
く(柔らかさ)、調理使用に耐えられる強さ(湿潤強
力)の紙を提供することにある。
は、調理用に適した新規な紙として、透明度が高く、少
なくとも半透明で、内部に収容した食品の状態を透視で
きると共に、適度な蒸気透過量を保持する紙を提供する
ことにある。本発明の他の技術的課題は、吸水・吸湿
性、耐熱性など、紙本来の特性に加えて、食品を包み易
く(柔らかさ)、調理使用に耐えられる強さ(湿潤強
力)の紙を提供することにある。
【0005】更に具体的に説明すると、上述した特性を
もつ調理用の紙を得るべく、本発明者らは、各種の紙の
特性について検討したが、透明度の高い、少なくとも半
透明な紙を得るには、紙を構成する繊維が大きく影響
し、従来の紙原料である木材パルプに替えてセルロース
系再生繊維を用いた平滑な薄葉紙が最も良好であること
を確かめた。また、適度な蒸気透過量をはじめ、付帯特
性である吸水・吸湿性、湿潤強力、軟らかさなどの特性
は、上記薄葉紙の坪量と厚み(密度)のコントロールに
より目標をほぼ達成できることを確かめた。本発明の技
術的課題は、かかる知見に基づいて上述した調理用に適
する新規な紙を提供することにある。
もつ調理用の紙を得るべく、本発明者らは、各種の紙の
特性について検討したが、透明度の高い、少なくとも半
透明な紙を得るには、紙を構成する繊維が大きく影響
し、従来の紙原料である木材パルプに替えてセルロース
系再生繊維を用いた平滑な薄葉紙が最も良好であること
を確かめた。また、適度な蒸気透過量をはじめ、付帯特
性である吸水・吸湿性、湿潤強力、軟らかさなどの特性
は、上記薄葉紙の坪量と厚み(密度)のコントロールに
より目標をほぼ達成できることを確かめた。本発明の技
術的課題は、かかる知見に基づいて上述した調理用に適
する新規な紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の調理用紙は、セルロース系再生繊維を50w
t%以上含む薄葉紙状シートであって、該シートの光透
過率が20%以上であることを特徴とするものである。
上記調理用紙の好ましい実施形態においては、薄葉紙状
シートの電子レンジ加熱時の蒸気透過量が0.1〜0.
5g/cm2 ・分である。上記構成を有する本発明の調
理用紙は、半透明であるため、調理使用中や調理後の食
品を外部からの透視で確認でき、キッチンペーパーなど
の紙を用いたときの不便さがなく、また、セルロース繊
維本来の吸水・吸湿性・耐熱性や、湿潤強力があり、更
に適度の蒸気透過量を有するため、特に電子レンジ加熱
に用いた場合、フィルムラップでは得られない加熱仕上
げが可能になる。
の本発明の調理用紙は、セルロース系再生繊維を50w
t%以上含む薄葉紙状シートであって、該シートの光透
過率が20%以上であることを特徴とするものである。
上記調理用紙の好ましい実施形態においては、薄葉紙状
シートの電子レンジ加熱時の蒸気透過量が0.1〜0.
5g/cm2 ・分である。上記構成を有する本発明の調
理用紙は、半透明であるため、調理使用中や調理後の食
品を外部からの透視で確認でき、キッチンペーパーなど
の紙を用いたときの不便さがなく、また、セルロース繊
維本来の吸水・吸湿性・耐熱性や、湿潤強力があり、更
に適度の蒸気透過量を有するため、特に電子レンジ加熱
に用いた場合、フィルムラップでは得られない加熱仕上
げが可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の調理用紙を構成するセル
ロース系再生繊維は、ビスコース法から得られるレーヨ
ン、銅アンモニア法から得られるキュプラ、あるいは酢
酸セルロースから得られるアセテートなどで代表される
繊維で、薄葉紙状シートにおけるその構成比は50wt
%以上、さらに望ましくは60wt%以上である。これ
らの再生繊維は、天然セルロース繊維(木材パルプ、コ
ットン、靭皮繊維など)に比べ、一般に、 a、結晶化度が小さい。 b、人造であるため、繊維断面が円形に近く、均一であ
る。 c、フィブリル化していない。 などの性質を有するため、得られる紙は透明度が大きい
ものである。従って、再生繊維が100%の紙は、透明
度が最も大きいが、50wt%以上の構成比であれば、
一般的に、光透過率20%以上の半透明な紙が得られ
る。
ロース系再生繊維は、ビスコース法から得られるレーヨ
ン、銅アンモニア法から得られるキュプラ、あるいは酢
酸セルロースから得られるアセテートなどで代表される
繊維で、薄葉紙状シートにおけるその構成比は50wt
%以上、さらに望ましくは60wt%以上である。これ
らの再生繊維は、天然セルロース繊維(木材パルプ、コ
ットン、靭皮繊維など)に比べ、一般に、 a、結晶化度が小さい。 b、人造であるため、繊維断面が円形に近く、均一であ
る。 c、フィブリル化していない。 などの性質を有するため、得られる紙は透明度が大きい
ものである。従って、再生繊維が100%の紙は、透明
度が最も大きいが、50wt%以上の構成比であれば、
一般的に、光透過率20%以上の半透明な紙が得られ
る。
【0008】ここで、光透過率は、次のような方法で測
定される値である。即ち、分光光度計(日立u−100
0スペクトルフォトメーター)を用い、可視光線領域の
波長(400〜800nm)でのブランク受光量100
に対する紙試料(1枚)介在時の値(光透過率)であ
る。
定される値である。即ち、分光光度計(日立u−100
0スペクトルフォトメーター)を用い、可視光線領域の
波長(400〜800nm)でのブランク受光量100
に対する紙試料(1枚)介在時の値(光透過率)であ
る。
【0009】上記再生繊維の太さや長さ、及び他の繊維
の種類は、特に限定するものではなく、また、紙の製法
や外観も限定されない。従って、抄紙機で製造される紙
状のもの、湿式スパンボンド法や乾式不織布法で製造さ
れる不織布状のもの、などとすることができる。しか
し、より透明度を高めるには、光の乱反射の少ない平滑
な紙がよい。
の種類は、特に限定するものではなく、また、紙の製法
や外観も限定されない。従って、抄紙機で製造される紙
状のもの、湿式スパンボンド法や乾式不織布法で製造さ
れる不織布状のもの、などとすることができる。しか
し、より透明度を高めるには、光の乱反射の少ない平滑
な紙がよい。
【0010】一般に紙の透明性は、紙が薄いほど、また
密度が大きいほど向上するが、本発明では、厚さが30
μm以上、密度は0.5g/cm3 以下が適している。
つまり、 a.厚さが30μm以下では、湿潤強力が弱い、蒸気透
過量(後述)が高すぎる、などの点で不適である。 b.密度が0.5g/cm3 以上では、パーチメント紙
やグラシン紙のように固く、ラップ性不良、蒸気透過量
が小さ過ぎる、などの点で不適である。 なお、本発明の調理用紙では、湿潤強力が横方向で30
g/15mm以上であることが望ましい。
密度が大きいほど向上するが、本発明では、厚さが30
μm以上、密度は0.5g/cm3 以下が適している。
つまり、 a.厚さが30μm以下では、湿潤強力が弱い、蒸気透
過量(後述)が高すぎる、などの点で不適である。 b.密度が0.5g/cm3 以上では、パーチメント紙
やグラシン紙のように固く、ラップ性不良、蒸気透過量
が小さ過ぎる、などの点で不適である。 なお、本発明の調理用紙では、湿潤強力が横方向で30
g/15mm以上であることが望ましい。
【0011】次に、電子レンジ加熱時の蒸気透過量は、
0.1〜0.5g/cm2 ・分が調理用紙として好適で
ある。つまり、米飯や惣菜などを電子レンジで再加熱す
る場合、0.1g/cm2 ・分以下では食品が柔らかく
仕上がり、特に、コロッケや天ぷらなどの揚げ物ではベ
タツキ感があり、カリッと仕上がらない。一方、0.5
g/cm2 ・分以上では、水分が飛びすぎて、米飯やシ
ューマイなどでは固くなり、不具合である。そして、各
種の食品加熱にほぼ適合させるには、0.2〜0.4g
/cm2 ・分が理想的である。
0.1〜0.5g/cm2 ・分が調理用紙として好適で
ある。つまり、米飯や惣菜などを電子レンジで再加熱す
る場合、0.1g/cm2 ・分以下では食品が柔らかく
仕上がり、特に、コロッケや天ぷらなどの揚げ物ではベ
タツキ感があり、カリッと仕上がらない。一方、0.5
g/cm2 ・分以上では、水分が飛びすぎて、米飯やシ
ューマイなどでは固くなり、不具合である。そして、各
種の食品加熱にほぼ適合させるには、0.2〜0.4g
/cm2 ・分が理想的である。
【0012】なお、上記電子レンジ加熱時の蒸気透過量
とは、次のような方法で測定される値である。即ち、ガ
ラス製のコップ(口径6cmφ)に水100gと沸石を
入れ、紙及びフィルムラップでコップを覆って、輪ゴム
で固定し、これを家庭用電子レンジのターンテーブルに
載せ、マイクロ波出力500Wで加熱し、安定的な沸騰
状態に達した加熱時間t1 (sec)で取り出して、全
体の重量(g1 )を測定し、次に、同様に繰り返してt
2 (t1 +30sec)時間の加熱時における全体の重
量(g2 )を測定し、水蒸気透過量を、次式により算出
する。
とは、次のような方法で測定される値である。即ち、ガ
ラス製のコップ(口径6cmφ)に水100gと沸石を
入れ、紙及びフィルムラップでコップを覆って、輪ゴム
で固定し、これを家庭用電子レンジのターンテーブルに
載せ、マイクロ波出力500Wで加熱し、安定的な沸騰
状態に達した加熱時間t1 (sec)で取り出して、全
体の重量(g1 )を測定し、次に、同様に繰り返してt
2 (t1 +30sec)時間の加熱時における全体の重
量(g2 )を測定し、水蒸気透過量を、次式により算出
する。
【数1】
【0013】また、本発明の調理用紙は、セルロース系
再生繊維を主体とする紙によって形成しているため、加
熱により発生する蒸気を吸収して濡れることにより、蒸
気の飛散をほどよく抑制するものである。従って、食品
を被包しても、過剰の水蒸気を逃し、圧力が殆んど発生
せず、食品がふっくらとした仕上りになり、一方、内部
の滞留蒸気は食品の均一加熱の効果をもたらす、などの
特徴を発揮するものである。以上の各特性を発揮させる
ために、本発明の調理用紙は、坪量10〜25g/m
2 、厚さ30〜70μm、密度0.2〜0.4g/cm
3 の範囲にあることが望ましい。
再生繊維を主体とする紙によって形成しているため、加
熱により発生する蒸気を吸収して濡れることにより、蒸
気の飛散をほどよく抑制するものである。従って、食品
を被包しても、過剰の水蒸気を逃し、圧力が殆んど発生
せず、食品がふっくらとした仕上りになり、一方、内部
の滞留蒸気は食品の均一加熱の効果をもたらす、などの
特徴を発揮するものである。以上の各特性を発揮させる
ために、本発明の調理用紙は、坪量10〜25g/m
2 、厚さ30〜70μm、密度0.2〜0.4g/cm
3 の範囲にあることが望ましい。
【0014】なお、上記坪量及び厚さは、JIS P−
8124及びP−8129に準じて測定されるものであ
り、密度は、その値から同P−8118に準じて算出さ
れるものである。また、湿潤強力は、JIS P−81
35に準じて湿潤処理したのち、JIS P−8113
に準じてインストロン型引張試験で測定されたものであ
る。表示は値の小さい方向(紙のヨコ方向)で示してい
る。
8124及びP−8129に準じて測定されるものであ
り、密度は、その値から同P−8118に準じて算出さ
れるものである。また、湿潤強力は、JIS P−81
35に準じて湿潤処理したのち、JIS P−8113
に準じてインストロン型引張試験で測定されたものであ
る。表示は値の小さい方向(紙のヨコ方向)で示してい
る。
【0015】
【実施例】次に、本発明の調理用紙の実施例及びそれを
用いた調理例を、比較品の包材との比較において説明す
る。表1及び表2は、以下に示す調理例において用いた
本発明の調理用紙及び比較例の包材の種類と、それらの
特性を示すものである。
用いた調理例を、比較品の包材との比較において説明す
る。表1及び表2は、以下に示す調理例において用いた
本発明の調理用紙及び比較例の包材の種類と、それらの
特性を示すものである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】ここで、本発明の調理用紙に適用できる製
法の概略を説明する。表1に記号Aで示すキュプラ長繊
維紙は、コットンより得られるリンターパルプを原料と
し、これを銅〜アンモニア溶液に溶解したセルロース溶
液を酸で再生しながら、繊度1デニール程度の比較的細
い繊維を連続に紡糸し、引き続いてこの連続長繊維を水
中に分散し、交絡積層させながら抄紙機において網状コ
ンベアで抄き、薄葉紙状シートを形成したものである。
この段階でのシートを形成するキュプラ繊維は、半再生
(半凝固)状であり、シートに圧力を加えて繊維の交差
点を接合(自己接着)させる。この後、完全再生及び中
和、漂白、水洗などの処理工程を経て乾燥し、薄葉紙状
のシートを得る。この種のシートの代表的品名は、旭化
成(株)のベンリーゼ(登録商標)である。
法の概略を説明する。表1に記号Aで示すキュプラ長繊
維紙は、コットンより得られるリンターパルプを原料と
し、これを銅〜アンモニア溶液に溶解したセルロース溶
液を酸で再生しながら、繊度1デニール程度の比較的細
い繊維を連続に紡糸し、引き続いてこの連続長繊維を水
中に分散し、交絡積層させながら抄紙機において網状コ
ンベアで抄き、薄葉紙状シートを形成したものである。
この段階でのシートを形成するキュプラ繊維は、半再生
(半凝固)状であり、シートに圧力を加えて繊維の交差
点を接合(自己接着)させる。この後、完全再生及び中
和、漂白、水洗などの処理工程を経て乾燥し、薄葉紙状
のシートを得る。この種のシートの代表的品名は、旭化
成(株)のベンリーゼ(登録商標)である。
【0019】同表に記号Bで示すレーヨン紙は、木材パ
ルプを原料とし、ビスコース法で得られる繊度1〜3デ
ニールのレーヨン繊維を3〜6mmに切断し、このレー
ヨン短繊維50wt%以上と他の短繊維(植物系パル
プ、合成樹脂系パルプ、合成繊維など)を水中に配合分
散し、抄紙機(短網式ヤンキーマシン、円網式ヤンキー
マシンなどの和紙系抄紙機)に供給して紙を形成したも
のである。レーヨン紙では接着剤を必要とし、合成樹脂
系接着剤やPVA繊維を、また、必要に応じて紙力増強
剤などが、原料調整段階で添加される。
ルプを原料とし、ビスコース法で得られる繊度1〜3デ
ニールのレーヨン繊維を3〜6mmに切断し、このレー
ヨン短繊維50wt%以上と他の短繊維(植物系パル
プ、合成樹脂系パルプ、合成繊維など)を水中に配合分
散し、抄紙機(短網式ヤンキーマシン、円網式ヤンキー
マシンなどの和紙系抄紙機)に供給して紙を形成したも
のである。レーヨン紙では接着剤を必要とし、合成樹脂
系接着剤やPVA繊維を、また、必要に応じて紙力増強
剤などが、原料調整段階で添加される。
【0020】なお、表2において、記号F′により示す
比較例は、前記特公平8−33号公報に開示のものに準
ずるものであり、また、記号Gにより示す比較例は、特
公平8−591号公報に開示のものに準ずるものであ
る。
比較例は、前記特公平8−33号公報に開示のものに準
ずるものであり、また、記号Gにより示す比較例は、特
公平8−591号公報に開示のものに準ずるものであ
る。
【0021】次に、本発明の調理用紙の効果を調理例に
よって説明する。 [調理例1]肉ジャガの揚げ済総菜コロッケ(市販品、
約75g/ケ)を、半日間冷蔵庫に保存した後、本発明
の調理用紙(サイズ:22cm×22cm)に包み、電
子レンジ(ナショナルNE−A40型:松下住設機器
製)のターンテーブルに乗せ、500Wで1.5分間加
熱した。このコロッケの加熱仕上がり状況を、同様の調
理を行った比較例と共に表3に示す。
よって説明する。 [調理例1]肉ジャガの揚げ済総菜コロッケ(市販品、
約75g/ケ)を、半日間冷蔵庫に保存した後、本発明
の調理用紙(サイズ:22cm×22cm)に包み、電
子レンジ(ナショナルNE−A40型:松下住設機器
製)のターンテーブルに乗せ、500Wで1.5分間加
熱した。このコロッケの加熱仕上がり状況を、同様の調
理を行った比較例と共に表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3からわかるように、実施例1及び2の
調理用紙では、コロッケの表面がふっくらとカリカリ状
に仕上がり、揚げたての歯ごたえでおいしかった。これ
は、紙が適度に蒸気を逃がすと共に、適度に油をも吸収
するためである。これに反して、比較例1の紙は油を吸
収しているが、蒸気の逃げが不充分であるため、表面及
び全体が柔らかかった。比較例2では、油を吸収しす
ぎ、また蒸気も過剰に逃げ、パサパサした食感であっ
た。
調理用紙では、コロッケの表面がふっくらとカリカリ状
に仕上がり、揚げたての歯ごたえでおいしかった。これ
は、紙が適度に蒸気を逃がすと共に、適度に油をも吸収
するためである。これに反して、比較例1の紙は油を吸
収しているが、蒸気の逃げが不充分であるため、表面及
び全体が柔らかかった。比較例2では、油を吸収しす
ぎ、また蒸気も過剰に逃げ、パサパサした食感であっ
た。
【0024】比較例3のフィルムラップは、油も蒸気も
逃げず、コロッケ内の水分が表面に移動し、蒸した状態
であり、表面がベタつき、食感も大変まずかった。比較
例4の穴孔きフィルムラップも油を吸収せず、フィルム
に結露を生じて、表面はベタついていた。また、上記比
較例3及び4のフィルムは、共に熱収縮によりコロッケ
を全体的に圧迫し、ふっくらとした仕上がりは得られな
かった。
逃げず、コロッケ内の水分が表面に移動し、蒸した状態
であり、表面がベタつき、食感も大変まずかった。比較
例4の穴孔きフィルムラップも油を吸収せず、フィルム
に結露を生じて、表面はベタついていた。また、上記比
較例3及び4のフィルムは、共に熱収縮によりコロッケ
を全体的に圧迫し、ふっくらとした仕上がりは得られな
かった。
【0025】本調理例における本発明の調理用紙の光透
過性の効果について説明すると、実施例1及び2とも、
調理用紙を通じて中のコロッケの黄茶色が確認できた。
これを電子レンジで2分間加熱すると、コロッケの端が
変色(褐色化)していることも判明できた。これによ
り、2分以上は加熱し過ぎであることが外部より判断で
き、加熱調節が可能であることがわかった。
過性の効果について説明すると、実施例1及び2とも、
調理用紙を通じて中のコロッケの黄茶色が確認できた。
これを電子レンジで2分間加熱すると、コロッケの端が
変色(褐色化)していることも判明できた。これによ
り、2分以上は加熱し過ぎであることが外部より判断で
き、加熱調節が可能であることがわかった。
【0026】[調理例2]市販のパック入り米飯(こし
ひかり米使用、含水率62〜63%、品名;包装米飯、
ヱスビー食品製)を半日間冷蔵庫に保存した後、茶わん
(磁器、11.5cm径、280cc容)に100g入
れた。この茶わんに本発明の調理用紙(サイズ:20c
m×20cm)でふたをし、紙の端部に水を含ませて茶
わんに固定させた。これを前記同様の電子レンジのター
ンテーブルに乗せ、500Wで1分間再加熱した。この
加熱仕上がり状況を比較例(比較品の不織布、フィルム
ラップ使用)と共に表4に示す。なお、比較品の不織布
はセロテープを用い、またフィルムラップは通常の自着
法により茶わんに固定した。
ひかり米使用、含水率62〜63%、品名;包装米飯、
ヱスビー食品製)を半日間冷蔵庫に保存した後、茶わん
(磁器、11.5cm径、280cc容)に100g入
れた。この茶わんに本発明の調理用紙(サイズ:20c
m×20cm)でふたをし、紙の端部に水を含ませて茶
わんに固定させた。これを前記同様の電子レンジのター
ンテーブルに乗せ、500Wで1分間再加熱した。この
加熱仕上がり状況を比較例(比較品の不織布、フィルム
ラップ使用)と共に表4に示す。なお、比較品の不織布
はセロテープを用い、またフィルムラップは通常の自着
法により茶わんに固定した。
【0027】
【表4】
【0028】表4からわかるように、実施例1及び2で
は蒸気を適度に逃がしながら均一加熱が起こり、結果と
して全体的にふっくらとした、ほどよい歯ごたえのおい
しい仕上がりになった。これに反して、比較例1では蒸
気が逃げ過ぎ、蒸し効果がなく、表面はパサパサ感、全
体的に固い食感であった。また、比較例2及び3では、
フィルムに結露を生じ、これが米飯の表面を水っぽくし
た。孔あきフィルムも不充分でやや柔らかい仕上がりで
あった。比較例4も、蒸気が内部にこもりがちであり、
やや柔らかい仕上がりであった。
は蒸気を適度に逃がしながら均一加熱が起こり、結果と
して全体的にふっくらとした、ほどよい歯ごたえのおい
しい仕上がりになった。これに反して、比較例1では蒸
気が逃げ過ぎ、蒸し効果がなく、表面はパサパサ感、全
体的に固い食感であった。また、比較例2及び3では、
フィルムに結露を生じ、これが米飯の表面を水っぽくし
た。孔あきフィルムも不充分でやや柔らかい仕上がりで
あった。比較例4も、蒸気が内部にこもりがちであり、
やや柔らかい仕上がりであった。
【0029】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の調理用
紙は、従来のフィルムラップやキッチンペーパーに替え
て種々の調理場面に使用できるが、特に電子レンジを用
いた加熱調理に好適なものである。一般に電子レンジ加
熱で用いるフィルムラップなどの主目的は、 1)外部からの食品の汚れを防止する。 2)内部蒸気により均一加熱する(加熱ムラ防止)。 3)昇温速度が速い。 4)加熱後の保温効果がある。 などであるが、本発明の調理用紙は、これらの目的を達
成するばかりではなく、従来のキッチンペーパーなどで
は得ることができない次のような効果を得ることができ
る。
紙は、従来のフィルムラップやキッチンペーパーに替え
て種々の調理場面に使用できるが、特に電子レンジを用
いた加熱調理に好適なものである。一般に電子レンジ加
熱で用いるフィルムラップなどの主目的は、 1)外部からの食品の汚れを防止する。 2)内部蒸気により均一加熱する(加熱ムラ防止)。 3)昇温速度が速い。 4)加熱後の保温効果がある。 などであるが、本発明の調理用紙は、これらの目的を達
成するばかりではなく、従来のキッチンペーパーなどで
は得ることができない次のような効果を得ることができ
る。
【0030】1) 加熱による色などの状態変化、仕上
がり具合が紙を通して確認できるので安心である。 2) コロッケや天ぷらなどの揚げ物の再加熱では、油
を吸収しながら揚げたてのカリッとした仕上がりにな
る。また、加熱し過ぎによる変色(褐色化)も確認でき
るので、加熱し過ぎを防止できる。 3) 米飯やシューマイ、蒸しパンなどの再加熱では、
蒸気圧の低い適度な蒸し効果によりふっくらとした仕上
がりになる。 4) ドンブリや茶わんなどの容器を用いた加熱では、
本調理用紙でフィルムラップのようにふたをし、該紙の
端部に水分を含ませて押さえることにより、それを容器
によく密着させることができる。 5) 本調理用紙は、セルロース系再生繊維を主体とし
てでできているため、和紙調で暖かみがある。従って、
加熱調理後の保温などの目的で食事時まで使用した場
合、フィルムラップのような冷たく味気ない感覚とは異
った視覚効果が発揮される。
がり具合が紙を通して確認できるので安心である。 2) コロッケや天ぷらなどの揚げ物の再加熱では、油
を吸収しながら揚げたてのカリッとした仕上がりにな
る。また、加熱し過ぎによる変色(褐色化)も確認でき
るので、加熱し過ぎを防止できる。 3) 米飯やシューマイ、蒸しパンなどの再加熱では、
蒸気圧の低い適度な蒸し効果によりふっくらとした仕上
がりになる。 4) ドンブリや茶わんなどの容器を用いた加熱では、
本調理用紙でフィルムラップのようにふたをし、該紙の
端部に水分を含ませて押さえることにより、それを容器
によく密着させることができる。 5) 本調理用紙は、セルロース系再生繊維を主体とし
てでできているため、和紙調で暖かみがある。従って、
加熱調理後の保温などの目的で食事時まで使用した場
合、フィルムラップのような冷たく味気ない感覚とは異
った視覚効果が発揮される。
Claims (2)
- 【請求項1】セルロース系再生繊維を50wt%以上含
む薄葉紙状シートであって、該シートの光透過率が20
%以上であることを特徴とする調理用紙。 - 【請求項2】薄葉紙状シートの電子レンジ加熱時の蒸気
透過量が0.1〜0.5g/cm2・分であることを特
徴とする請求項1に記載の調理用紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8063770A JPH09224827A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 調理用紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8063770A JPH09224827A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 調理用紙 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09224827A true JPH09224827A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13238947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8063770A Pending JPH09224827A (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 調理用紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09224827A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008263801A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Nisshin Flour Milling Inc | パン・菓子類の湯煎焼き方法 |
JP2013064776A (ja) * | 2011-09-15 | 2013-04-11 | Yupo Corp | 光反射体、及びそれを用いた面光源装置 |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP8063770A patent/JPH09224827A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008263801A (ja) * | 2007-04-17 | 2008-11-06 | Nisshin Flour Milling Inc | パン・菓子類の湯煎焼き方法 |
JP4685827B2 (ja) * | 2007-04-17 | 2011-05-18 | 日清製粉株式会社 | パン・菓子類の湯煎焼き方法 |
JP2013064776A (ja) * | 2011-09-15 | 2013-04-11 | Yupo Corp | 光反射体、及びそれを用いた面光源装置 |
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