JPH09224722A - 身装品の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は耳飾り、指輪、腕輪等にて代表される
身装品の構造に係り、特に言えばコイル状弾性部を備え
た耳飾り等の新規な構造に関するものである。 【解決手段】剛体にて構成された身装品にあって、当該
身装品の中間部にコイル状に形成された弾性部を備え、
当該弾性部を伸縮或いは曲げることによって発生する弾
性を利用して装着機能を付加したことを特徴とする身装
品の構造。 １‥線材、２‥フック部、３‥ピン部、４‥コイル状に
形成された弾性部、Ａ‥装飾体本体。 【効果】本発明に係る身装品は、従来耳たぶへの装着の
ために必要であったバネやネジ等の構成要素は不要とな
り、組み付け工程も不要となり、コスト低減と共に製造
時間の短縮化が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は耳飾り、指輪、腕輪
等にて代表される身装品の構造に係り、特に言えばコイ
ル状弾性部を備えた耳飾り等の新規な構造に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】身装品には耳飾り、指輪、腕輪等数多く
のものが知られており、商品的価値はそのデザインによ
って大きく左右される。特に、身装品の中でも耳飾りに
あっては耳たぶに装着するものであり、他の身装品に比
べその装着機構がデザイン的に大きな要素となってく
る。

【０００３】以下、本発明を耳飾りを例として説明する
と、通常の耳飾りの装着構造としてはこれまで幾つかの
構造が実施されている。図１０はピアス型耳飾りの一例
を示す側面図であり、装飾体となる湾曲線材２１とピン
２２とを軸支し、線材２１の他端に形成したフック２３
にピン２２を係止するのものである。又、図１１はピア
ス型耳飾りの他の例を示す側面図であり、半円状の装飾
体２４、２５を中央にて軸支し、装飾体２４に受部２６
を、そして装飾体２５にピン２７を形成したものであっ
て、受部２６とピン２７を係止するものである。更に、
図１２はイヤリング型耳飾りの一例を示す側面図であ
り、Ｕ字状の装飾体２８の一方端に挟圧部２９を備えた
送りネジ３０を取り付けて耳たぶを挟むというものであ
る。このように、耳飾りの装着構造は数多くあり、この
他にも板バネを利用して耳たぶを挟むという構造のもの
もある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耳たぶ
を挟む構造か耳たぶにあけた孔を利用するという装着構
造に限られていることには変わりはなく、装着構造はピ
ン、バネ、ネジ等の要素が大きなものとなっており、こ
のため、耳飾りとしてのデザイン性にどうしても限界が
生じてくる。一方、このことはピン、バネ、ネジ等の部
品の製造及び組み付け作業も必要とされ、完成品が得ら
れるまで多くの時間と労力が必要とされ、更にその大部
分が手作業となるためコストアップの一因となってい
た。

【０００５】本発明は上記した問題点に解決することを
目的としたものであって、身装品のデザイン性を大きく
発展させ、しかも身装品の構成部品を少なくしてコスト
の低減を図ろうとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明に係る身装品は次の構造としたものである。即
ち、剛体にて構成された身装品にあって、当該身装品の
中間部にコイル状に形成された弾性部を備え、当該弾性
部を伸縮或いは曲げることによって発生する弾性を利用
して装着機能を付加したことを特徴とする身装品の構造
に係るものである。

【０００７】そして、特にコイル状弾性部について言え
ば、身装品及びコイル状弾性部をキャスティング成型に
て一体に形成するか、或いは少なくともコイル状弾性部
を金属線材にて形成し、これを身装品に蝋付けしてなる
ものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい形態をも
って更に説明すると、本発明の身装品はその中間部にコ
イル状に形成された弾性部を当該身装品をキャスティン
グ形成すると同時に一体に形成するものであって、この
弾性部の弾性機能を利用して耳たぶへの装着機構に利用
され、或いはコイル状に形成された弾性部をそのまま装
飾体として利用することとなるものである。尚、キャス
ティング成形によるコイル状弾性部は比較的弾力性に欠
ける場合があり、より大きい弾力性が要求される場合に
は金属線材よりコイル状弾性部を形成し、これを身装品
に蝋付けすることが望ましい。

【０００９】本発明の身装品は上記した構造を採用する
ことにより、身装品の中間部にコイル状とされた弾性部
が伸縮され或いは曲げられることによってコイル部の軸
方向或いは半径方向に生じる弾発を利用して耳たぶを挟
持し、或いは手首、足首、指等或いは衣服へ装着させる
ものであって、この装着のために必要な部品をなくした
り部品点数を少なくできることとなったものである。

【００１０】このように、本発明の身装品によれば、従
来から装着機構に必要とされていたピン、バネ、ネジ等
の部品を全く不要となし、或いはこれらの部品点数を少
なくすることができることとなったものであり、製造時
間の短縮は勿論のこと、コスト的にも多くのメリットと
なるものである。

【００１１】以上、本発明の身装品を耳飾りをもって説
明したが、この他にも腕輪、指輪等更には衣服に装着す
る身装品にも適用可能であり、又、かかる形態とした弾
性部を複数形成することでデザイン的な変化や拡がりを
もたらすこともできることとなったものである。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の身装品を図面をもって更に詳
細に説明する。図１は本発明の身装品としての第１例で
あるピアス型耳飾りを示す側面図である。図中、符号１
は装飾体本体Ａを構成する湾曲した長尺の線材であっ
て、この線材の一端にフック部２を形成すると共に、他
端にピン部３を形成し、このピン部３と装飾体本体Ａで
ある線材１との間にコイル状に形成された弾性部４を形
成したものである。尚、これらはモ−ルド内へのキャス
ティング成型によって一体に形成されたものであっても
よいが、この場合には一本の金属線材１を利用し、装飾
体本体Ａとコイル状弾性部４とピン部３を一体に形成す
れば製造は簡単であり、しかもコスト的にも極めて低減
効果があるものである。

【００１３】さて、このコイル状に形成された弾性部４
は、コイル部を形成する材料は剛体ではあるが、その半
径方向に曲げられた場合にはこれを元の形状に戻ろうと
してここに弾性力を生じることになる。従って、図のＸ
方向にピン部３をコイル状に形成された弾性部４を利用
してフック部２側に曲げることが可能となり、ここに装
着機構が完成する。

【００１４】図２は本発明の身装品としての第２例であ
るピアス型耳飾りを示す側面図であり、この例では前例
の装飾体本体Ａを構成する湾曲した長尺の線材１の略中
央部にコイル部が形成されて弾性部４を構成したもので
ある。これ又前例と同様にピン部３とフック部２とを係
止し、コイル状弾性部４が元の形状に戻ろうとするこの
弾性を利用して装着できることになる。尚、図３は本例
における変形例を示すものであり、コイル状弾性部４が
フック部２の近くに形成されたものであり、その機構は
同様である。これらはいずれも一本の金属線材を用いて
製造するのがよい。

【００１５】図４は本発明の身装品としての第３例であ
るピアス型耳飾りを示す側面図であり、この例では略Ｕ
型の装飾体本体Ａを構成する長尺の線材１の略中央部に
コイル状弾性部４が形成されたものである。そして、一
方端にピン部３が直角に備えられ、反対側にピン部３が
挿入される孔５が備えられたものであり、前記のコイル
状弾性部４の弾力性を利用してピン部３を孔５内に装着
することになる。この孔５は縦長に開けられているのが
よい。

【００１６】図５は本発明の身装品としての第４例であ
るピアス型耳飾りを示す側面図であり、この例では略半
円状のかつ中空の装飾体本体Ａ、Ｂをコイル状弾性部４
にて連接したものである。そして、一方端にピン部３が
直角に備えられ、反対側にピン部３が挿入される孔５が
備えられたものであり、前記の弾性部４の弾力性を利用
してピン部３を孔５内に装着することになる。この場合
には、金属線材にてコイル部４を製造し、これを中空の
装飾体本体Ａ、Ｂに蝋付けすることとなる。

【００１７】図６は本発明の身装品としての第５例であ
るピアス型耳飾りを示す側面図であり、この例では耳た
ぶの前面に位置する装飾体本体Ａに対してその上方にコ
イル状弾性部４を連接したもであり、このコイル状弾性
部４より伸びる湾曲線材（ピン部）６が耳たぶの孔を貫
通し、そして装飾体本体Ａの下方に備えられたフック部
７に係止される構造のものである。この場合には、コイ
ル状弾性部４と湾曲線材６を一本の金属線材にて形成
し、これを装飾体本体Ａに蝋付けすることによって製造
されるものである。

【００１８】図７は本発明の身装品としての第５例であ
るイヤリング耳飾りを示す側面図であり、この例では略
半Ｕ字状の装飾体本体Ａ、Ｂをコイル状弾性部４にて連
接したものである。そして、装飾体本体Ａ、Ｂを左右に
広げることによってコイル状弾性部４に弾力性を発生さ
せるものであり、耳たぶに挟んだ際にこの弾力性によっ
て装着するものである。尚、図８はこの例における変形
例を示し、装飾体本体Ａ、Ｂは略半円形をなしているも
のであり、装飾体本体Ａ、Ｂを左右に広げることによっ
てコイル状弾性部４に弾力性を発生させる機構は図７の
例と同様である。更に、図９はこれ又変形例を示すもの
であり、これは装飾体本体Ａ、Ｂにおいて装飾体本体Ｂ
をＣ型としたものであり、これ又装飾体本体Ａ、Ｂを左
右に広げる（この例では主として装飾体本体Ｂ側を広げ
る）ことによって装着する機構は同様である。尚、これ
らの例にあっては、装飾体本体Ａ、Ｂが線状体であれ
ば、コイル状弾性部４と共に一体に形成できるが、装飾
体本体Ａ又はＢが線状体でない場合にはコイル状弾性部
４を別に製造し、これを蝋付けによってコイル状弾性部
４が形成されることになる。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る身装品は上述のように構成
されている。そのため、従来耳たぶへの装着のために必
要であったバネやネジ等の構成要素は不要となり、組み
付け工程も不要となり、コスト低減と共に製造時間の短
縮化が実現できる。又、デザイン的にも幅が拡がり、種
々の斬新な商品化を図ることができる。以上、本発明の
身装品を耳飾りをもって説明したが、この他にも腕輪、
指輪等にも適用可能であることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の第１例であるピアス型耳飾りを
示す側面図である。

【図２】図２は本発明の第２例であるピアス型耳飾りを
示す側面図である。

【図３】図３は本発明の第２例であるピアス型耳飾りの
変形例を示す側面図である。

【図４】図４は本発明の第３例であるピアス型耳飾りを
示す側面図である。

【図５】図５は本発明の第４例であるピアス型耳飾りを
示す側面図である。

【図６】図６は本発明の第４例であるピアス型耳飾りの
変形例を示す側面図である。

【図７】図７は本発明の第５例であるイヤリング耳飾り
を示す側面図である。

【図８】図８は本発明の第５例のイヤリング耳飾りの変
形例を示す側面図である。

【図９】図９は本発明の第５例のイヤリング耳飾りの更
に別の変形例を示す側面図である。

【図１０】図１０は従来のピアス型耳飾りの一例を示す
側面図である。

【図１１】図１１は従来のピアス型耳飾りの他の例を示
す側面図である。

【図１２】図１２は従来のイヤリング型耳飾りの例を示
す側面図である。

【符号の説明】

１‥‥線材、 ２、７‥‥フック部、 ３、６‥‥ピン部、 ４‥‥コイル状に形成された弾性部、 ５‥‥ピン部が挿入される孔、 Ａ、Ｂ‥‥装飾体本体。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 剛体にて構成された身装品にあって、当
   該身装品の中間部にコイル状に形成された弾性部を備
   え、当該弾性部を伸縮或いは曲げることによって発生す
   る弾性を利用して装着機能を付加したことを特徴とする
   身装品の構造。
2. 【請求項２】 身装品及びコイル状弾性部をキャスティ
   ング成型にて一体に形成した請求項第１項記載の身装品
   の構造。
3. 【請求項３】 コイル状弾性部を金属線材にて形成し、
   これを身装品に蝋付けした請求項第１項記載の身装品の
   構造。