JPH09223726A - 荷電粒子ビームによる断面解析システムおよびその方法並びに荷電粒子ビーム処理装置 - Google Patents

荷電粒子ビームによる断面解析システムおよびその方法並びに荷電粒子ビーム処理装置

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JPH09223726A
JPH09223726A JP8026893A JP2689396A JPH09223726A JP H09223726 A JPH09223726 A JP H09223726A JP 8026893 A JP8026893 A JP 8026893A JP 2689396 A JP2689396 A JP 2689396A JP H09223726 A JPH09223726 A JP H09223726A
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charged particle
particle beam
cross
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JP8026893A
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Yuichi Hamamura
有一 濱村
Akira Shimase
朗 嶋瀬
Junzo Azuma
淳三 東
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本課題は、LSI等の微細な電子デバイスの断
面構造を荷電ビームを用いて観察する際、これを自動化
することにより、作業性、信頼性を向上させることにあ
る。 【解決手段】本発明は、検査結果(電気的特性、異物サ
イズ、その位置)とデータベース(設計データベース、
加工形状データベース、加工特性データベース)とに基
づいて不良解析ツール3、加工形状決定手段4、三次元
形状CAD6および走査条件決定手段9により荷電ビー
ムによる断面加工条件を自動で決定し、加工を行った
後、断面観察において自動で位置決めを行い、焦点合わ
せ、非点補正等の荷電ビームの自動調整を行い、さらに
取得した断面画像データを自動で最適化して表示手段
(モニタ)に表示して断面観察を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は荷電粒子ビームを用
いた半導体等の断面観察を行うための荷電粒子ビームに
よる断面観察システムおよびその方法並びに荷電粒子ビ
ーム処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の荷電粒子ビーム加工装置として、
特開平3−44031号公報および特開平5−9021
5号公報に記載されたものが知られている。またVLS
IやULSI等のLSIや薄膜多層基板等の近年の半導
体の開発においては、特定した不良箇所の断面を観察し
て、不良原因を究明することが極めて重要である。一般
的に、この断面観察には、集束イオンビーム、電子ビー
ム等の荷電粒子ビームが用いられる。まず、荷電粒子ビ
ームの光軸に対して垂直に配置した試料上の所望の位置
に荷電粒子ビームを用いて断面を形成する。その後、荷
電粒子ビームの光軸を法線とする平面に対して試料を傾
けて断面観察を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、この断面観察
は、断面加工も含めて作業者の経験的な勘と試行錯誤に
より行われており、また作業者にかかる負担(時間的拘
束)も多いという課題があった。
【0004】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、
VLSIやULSI等のLSIや薄膜多層基板等の半導
体基板において特定した不良個所の断面を荷電粒子ビー
ムによって観察して不良原因を究明する際において、断
面加工における加工条件の設定を自動化して作業者にか
かる負担を軽減した荷電粒子ビームによる断面観察シス
テムおよびその方法を提供することにある。また本発明
の他の目的は、VLSIやULSI等のLSIや薄膜多
層基板等の半導体基板において特定した不良個所の断面
を荷電粒子ビームによって観察して不良原因を究明する
際において、大きく穴をえぐる荒加工と荒加工で荒れた
観察したい断面をきれいに削り落す仕上げ加工とから成
る断面加工における仕上げ加工の加工条件の設定を自動
化して作業者にかかる負担を軽減した荷電粒子ビームに
よる断面観察システムおよびその方法を提供することに
ある。
【0005】また本発明の他の目的は、VLSIやUL
SI等のLSIや薄膜多層基板等の半導体基板において
特定した不良個所の断面を荷電粒子ビームによって観察
して不良原因を究明する際において、断面観察のために
試料を傾ける際、試料の位置によるビームの焦点ずれや
非点収差の増大を防止して荷電粒子ビームに基づく最適
な断面観察が実行できるようにした荷電粒子ビームによ
る断面観察等の荷電粒子ビーム処理装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、不良情報を取得するための不良情報取得
手段と、該不良情報取得手段で取得された不良情報に基
づいて不良箇所の特定と不良状況の推定を行う不良解析
手段と、該不良解析手段によって特定された不良箇所座
標と該不良状況の推定結果とに基づいて断面加工形状を
決定する加工形状決定手段と、該加工形状決定手段から
決定される断面加工形状に対して設計データを参照して
材質及び層構造データを求める3次元形状CAD手段
と、該3次元形状CAD手段から得られる材質に対応し
たスパッタ率を算出する加工特性データベース作成手段
と、荷電ビームの走査領域と加工後の形状との対応関係
を示す加工形状データベースと前記加工特性データベー
ス作成手段から算出されるスパッタ率と前記3次元形状
CADから得られる層構造と前記加工形状決定手段から
決定される断面加工形状とに基づいて荷電ビームの走査
領域及びドーズ量を決定する走査条件決定手段と、該走
査条件決定手段によって決定された走査領域及びドーズ
量に基づいて断面加工を行う荷電粒子ビーム加工装置と
からなることを特徴とする荷電粒子ビームによる断面解
析システムである。
【0007】また本発明は、前記荷電粒子ビームによる
断面解析システムにおける前記荷電粒子ビーム加工装置
において、荷電粒子ビーム照射部に反応性ガスを供給す
る手段を設けたことを特徴とする。また本発明は、前記
荷電粒子ビームによる断面解析システムにおける前記荷
電粒子ビーム加工装置において、荷電粒子ビーム加工中
に検出した2次粒子信号の経時変化に基づいて加工終点
の自動検出を行う解析手段を設けたことを特徴とする。
また本発明は、前記荷電粒子ビームによる断面解析シス
テムにおける前記荷電粒子ビーム加工装置において、断
面加工位置、断面観察角度および断面深さに基づいて試
料に対して除去すべき3次元形状を決定する演算手段を
設けることを特徴とする。
【0008】また本発明は、荷電粒子光学系を有する荷
電粒子ビーム処理装置において、前記荷電粒子光学系に
印加する集束電圧と前記荷電粒子光学系による荷電粒子
ビームの集束距離との相関関係を解析して、荷電粒子ビ
ームの光軸を法線とする平面に対して傾斜をもつ試料上
の任意の位置に対応して前記荷電粒子光学系に印加する
集束電圧を決定する解析手段を備えたことを特徴とする
荷電粒子ビーム処理装置である。また本発明は、荷電粒
子光学系と非点補正電極を有する荷電粒子ビーム処理装
置において、前記非点補正電極に印加する非点補正電圧
と前記荷電粒子光学系による荷電粒子ビームの集束距離
との相関関係を解析して、荷電粒子ビームの光軸を法線
とする平面に対して傾斜をもつ試料上の任意の位置に対
応して前記非点補正電極に印加する非点補正電圧を決定
する解析手段を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム
処理装置である。また本発明は、荷電粒子ビームによる
観察装置において、荷電粒子検出器から検出される2次
荷電粒子画像の内、画面上において領域指定することに
よって得られる試料の観察すべき領域の一部からの2次
荷電粒子画像について階調を制御したり、増幅率を制御
したり、ゲインを制御したりしてコントラストのはっき
りした画像として表示する表示手段を備えたことを特徴
とする荷電粒子ビームによる観察装置である。
【0009】また本発明は、不良情報取得手段からの不
良情報に基づいて不良解析手段により不良箇所の特定と
不良原因の推定を行い、この得られた座標と不良原因の
推定結果とに基づいて3次元形状決定手段により断面加
工形状を自動決定し、3次元形状CADにおいて設計デ
ータを参照して断面加工部分の材質及び層構造データを
求め、予め加工特性データベース作成手段により前記材
質のスパッタ率を求め、走査条件決定手段により加工形
状データベースから得られる荷電粒子ビームの走査領域
と加工後の形状との対応関係を示す情報と前記断面加工
形状と前記層構造データと前記スパッタ率とに基づいて
荷電粒子ビームの走査領域およびドーズ量を決定し、こ
の決定された荷電粒子ビームの走査領域およびドーズ量
に基づいて、荷電粒子ビーム加工装置により断面加工を
施すことを特徴とする荷電粒子ビームによる断面解析方
法である。
【0010】以上説明したように、本発明によれば、作
業者の経験的な勘に頼らずに、断面加工形状の決定や該
加工形状となるような荷電ビームの走査領域及びドーズ
量の決定を行うことができる。即ち本発明によれば、V
LSIやULSI等のLSIや薄膜多層基板等の半導体
基板において特定した不良個所の断面を荷電粒子ビーム
によって観察して不良原因を究明する際において、断面
加工における加工条件の設定を自動化して作業者にかか
る負担を軽減することができる。また本発明によれば、
予め荷電粒子ビームの加工特性を蓄積しておいた加工特
性データベースを用いて、前記断面加工形状と荷電ビー
ム電流とにより断面の仕上げ寸法を算出することによ
り、大きく穴をえぐる荒加工と荒加工で荒れた観察した
い断面をきれいに削り落す仕上げ加工とから成る断面加
工における仕上げ加工においても、作業者による経験的
な勘に頼って試行錯誤を繰り返すことなく、荷電ビーム
の走査領域及びドーズ量の決定を行うことができる。即
ち本発明によれば、VLSIやULSI等のLSIや薄
膜多層基板等の半導体基板において特定した不良個所の
断面を荷電粒子ビームによって観察して不良原因を究明
する際において、大きく穴をえぐる荒加工と荒加工で荒
れた観察したい断面をきれいに削り落す仕上げ加工とか
ら成る断面加工における仕上げ加工の加工条件の設定を
自動化して作業者にかかる負担を軽減することができ
る。
【0011】また本発明によれば、断面観察のために試
料を傾けても、断面観察位置において焦点ずれおよび非
点収差のない2次荷電粒子画像を容易に得ることがで
き、鮮明な画像によって高分解能で断面観察を実行する
ことができる。即ち本発明によれば、VLSIやULS
I等のLSIや薄膜多層基板等の半導体基板において特
定した不良個所の断面を荷電粒子ビームによって観察し
て不良原因を究明する際において、断面観察のために試
料を傾ける際、試料の位置によるビームの焦点ずれや非
点収差の増大を防止して荷電粒子ビームに基づく最適な
断面観察を実行することができる。また本発明によれ
ば、断面観察の画像データを取得する際、情報を得たい
部分の画像を鮮明にして断面観察を実行することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて、図面を用いて説明する。なお、図中、同符号の
ものは、同じものあるいは同類、同機能のものを示す。
本発明に係る実施の形態について図1ないし図16を参
照して説明する。なお本発明の実施の形態においては、
断面加工及び断面観察に集束イオンビームを例にとる
が、電子ビームで代用することも可能である。図1は、
本発明に係る断面観察による不良解析システムの第1の
実施の形態を示す図である。図2は、本発明に係る断面
観察による不良解析システムの第2の実施の形態を示す
図である。図3は、本発明に係る断面観察による不良解
析システムの第3の実施の形態を示す図である。
【0013】即ち、LSIの電気的特性を検査するため
の回路テスタ1からの電気的特性情報や、LSI製造中
に発生する異物を検査する異物検査装置2からの異物サ
イズや異物発生位置等の情報を不良解析ツール3に送
る。この不良解析ツール3と回路テスタ1および異物検
査装置2との間は、ネットワークで接続しても良く、ま
た記憶させた記憶媒体を搬送して情報(データ)の伝達
を行っても良い。このように不良解析ツール3は、不良
解析ツールプログラムと格納したROM、上記電気的特
性情報や異物サイズや異物発生位置等の情報を記憶する
RAMまたはディスク等の外部記憶装置、不良解析ツー
ルプログラムに基づいて不良解析等を行うCPU、ディ
スプレイ等の表示手段およびキーボードやマウスやイメ
ージスキャナやディスク等から構成された入出力手段等
から構成される。不良解析ツール3は、回路テスタ1お
よび異物検査装置2との間でネットワークで接続する場
合には、I/Fを有することになる。この不良解析ツー
ル3では、ROMに記憶された不良解析ツールプログラ
ムに基づいて、設計データベース5の設計データを参照
しながら電気的特性情報や異物情報を統合的に解析し、
不良箇所の座標や不良状況(配線不良、コンタクト不良
等)を推定し、これらの推定情報を加工形状決定手段4
に送信する。また、この推定においてLSIの製造装置
(図示せず)から得られるプロセスモニタ情報を考慮す
ることも可能である。
【0014】加工形状決定手段4も、加工形状決定プロ
グラムを格納したROM、上記設計データや不良解説ツ
ール3から得られる不良個所座標や不良状況等を記憶す
るRAMまたはディスク等の外部記憶装置、加工形状決
定プログラムに基づいて加工形状(断面加工形状)の決
定等を行うCPU、ディスプレイ等の表示手段およびキ
ーボードやマウスやイメージスキャナやディスク等から
構成された入出力手段等から構成される。そして加工形
状決定手段4は、不良箇所の座標から断面観察すべき位
置を決定する。また、不良状況から断面観察すべき領域
を決定する。例えば推定した不良原因がコンタクト不良
であるならば、コンタクトホールの設計寸法からこれを
含むような観察領域としたり、異物により配線が切断し
たと推定された場合は、配線の設計寸法や異物サイズか
ら観察領域を自動的に決定したりする。この加工形状決
定手段4には、観察領域の決定が困難な場合は、作業者
が補助的に判断して決定するような機能を付加すること
も可能である。観察すべき断面の大きさが決まると予め
設定しておいた断面観察角度から除去すべき断面加工形
状が決定できる。この断面観察角度はその都度作業者が
入力手段を用いて入力することも可能である。
【0015】設計データベース5は、CAD情報等を格
納した上位システムに相当し、設計データを得ることが
できる。3次元形状CAD6も、被加工部の材質や層構
造、膜厚等を求める3次元形状CADプログラムを格納
したROM、上記設計データや加工形状決定手段4から
得られる断面加工形状等を記憶するRAMまたはディス
ク等の外部記憶装置、3次元形状CADプログラムに基
づいて被加工部の材質や層構造、膜厚等を求めるCP
U、ディスプレイ等の表示手段およびキーボードやマウ
スやイメージスキャナやディスク等から構成された入出
力手段等から構成される。3次元形状CAD6におい
て、加工形状決定手段4から得られる断面加工形状と設
計データベース5から得られる設計データとを比較し
て、被加工部の材質や層構造、膜厚等を求める。この材
質情報は予め被加工材質とスパッタ率との関係を記録さ
せてある加工特性データベース7に送信される。
【0016】加工特性データベース7も、スパッタ率等
を算出する加工形状データプログラムを格納したRO
M、上記3次元形状CAD6から得られる材質等を一時
記憶し、イオンビームの走査領域と加工後の形状や最適
な仕上げ加工寸法との関係を示すデータを記憶するRA
Mまたはディスク等の外部記憶装置、加工形状データプ
ログラムに基づいてスパッタ率等を算出するCPU、デ
ィスプレイ等の表示手段およびキーボードやマウスやイ
メージスキャナやディスク等から構成された入出力手段
等から構成される。この加工特性データベース7は、上
記3次元形状CAD6から得られる材質等に基づいて、
予め実験により求められたイオンビームの走査領域と加
工後の形状や最適な仕上げ加工寸法との関係からスパッ
タ率を抽出する(算出する。)。イオンビームの走査領
域と加工後の形状や最適な仕上げ加工寸法との関係を予
め実験しておき、この関係をこの加工特性データベース
7のRAMまたは外部記憶装置に記録しておく。加工形
状データベース8には、イオンビーム加工装置10で加
工可能な偏向電極等によるイオンビームの走査領域等の
加工形状データベースが格納されている。
【0017】走査条件決定手段9も、走査領域やドーズ
量(時間に対する)等を算出する走査条件決定プログラ
ムを格納したROM、上記加工形状決定手段4から得ら
れる断面加工形状等や3次元形状CAD6から得られる
層構造等や加工特性データベース7から得られるスパッ
タ率等を一時記憶するRAMまたはディスク等の外部記
憶装置、走査条件決定プログラムに基づいて走査領域や
ドーズ量(時間に対する)等を算出するCPU、ディス
プレイ等の表示手段およびキーボードやマウスやイメー
ジスキャナやディスク等から構成された入出力手段等か
ら構成される。走査条件決定手段9は、この加工形状デ
ータベース8と、以上に述べた断面加工形状、スパッタ
率、層構造、仕上げ加工寸法に基づいて、イオンビーム
の走査領域とそれに対応したドーズ量を計算し、これを
イオンビーム加工装置10内の制御装置(制御パソコ
ン)に送信する。イオンビーム加工装置10は制御装置
(制御パソコン)のドーズ量等の制御に基づいて断面加
工を行う。加工領域と比較してイオンビーム径が充分小
さくない場合は、走査領域よりも大きい穴が加工され
る。そこで、荒加工では、走査領域を所望の加工形状よ
りも小さく設定する必要があるため、前述した走査条件
決定手段9では、この加工形状データベース8からの情
報をもとに所望の加工領域を越えないような走査領域を
決定し、これにより仕上げ加工の寸法を求めることがで
きる。
【0018】以上説明したように、図1に示す第1の実
施の形態の場合、不良解析ツール3、加工形状決定手段
4、設計データベース5、3次元形状CAD6、加工特
性データベース7、加工形状データベース8、走査条件
決定手段9およびイオンビーム加工装置10を、ネット
ワークで接続しても良く、また記憶媒体を用いて情報
(データ)の伝達を行っても良い。また図2に示す第2
の実施の形態においては、図1に示す3次元形状CAD
6を加工形状決定手段4において実行し、イオンビーム
加工装置10の制御装置内に加工特性データベース7、
加工形状データベース8および走査条件決定手段9を備
えた場合を示す。即ち加工形状決定手段4内のROMに
被加工部の材質や層構造、膜厚等を求める3次元形状C
ADプログラムを格納すればよい。これによって加工形
状決定手段4からは、材質、層構造、および断面加工形
状を得ることができる。またイオンビーム加工装置10
の制御装置内に設けられたROM、RAMまたは外部記
憶装置、CPU、表示手段(画像メモリも含む)や入出
力手段(これらCPU、ROM、RAM、外部記憶装
置、表示手段、入出力手段およびI/F等は、バスによ
って接続される。)において、加工特性データベース7
において実行するスパッタ率の算出、並びに走査条件決
定手段9において実行する走査領域およびドーズ量(時
間)の算出を実行しても良い。当然イオンビーム加工装
置10の制御装置(制御パソコン)内に設けられたRO
Mには、加工特性データベース7および走査条件決定手
段9のプログラムを格納することが必要となる。
【0019】また図3に示す第3の実施の形態において
は、図2に示す加工形状決定手段4をイオンビーム加工
装置10の制御装置内において実行する場合を示す。即
ちイオンビーム加工装置10の制御装置(制御パソコ
ン)内のROMに、加工形状決定手段4が実行する加工
形状決定プログラムと被加工部の材質や層構造、膜厚等
を求める3次元形状CADプログラムとを格納すればよ
い。これによってイオンビーム加工装置10の制御装置
内に設けられたROM、RAMまたは外部記憶装置、C
PU、表示手段(画像メモリも含む)や入出力手段にお
いて、加工形状決定手段4において実行する材質、層構
造、および断面加工形状、加工特性データベース7にお
いて実行するスパッタ率の算出、並びに走査条件決定手
段9において実行する走査領域およびドーズ量(時間)
の算出を実行しても良い。当然イオンビーム加工装置1
0の制御装置内に設けられたROMには、加工形状決定
手段4、3次元形状CAD6、加工特性データベース7
および走査条件決定手段9のプログラムを格納すること
が必要となる。
【0020】次に、この走査条件決定手段9における走
査領域を決定方法について詳細に説明する。図4は断面
作成プロセスを示す図である。一般的にイオンビーム加
工装置は、ビーム電流の種類がいくつか用意されてお
り、いずれかを選択することが可能である。ビーム電流
の大きいビームを用いた方が高速加工ができ、ビーム電
流の小さいビームで加工した方が加工時間はかかるが、
きれいな端面となる。まず、図4(a)には、VLS
I、ULSI等のLSIや薄膜多層基板等のIC素子に
対して最終的に得たい所望の断面加工形状の一実施の形
態を示す。図4(b)には、ビーム電流の小さい、充分
細く絞ったイオンビームによる加工を示す。この場合
は、所望の断面加工形状と同じ走査領域で加工すること
で所望の加工結果が得られる。しかし、図4(c)に示
すように、加工時間を短縮するために大電流のビーム径
の太いビームで加工を行う際、所望の断面加工形状と同
じ領域でイオンビームを走査してしまうと、観察断面の
一部あるいはすべてを除去してしまうことになる。
【0021】そこで、図4(d)に示すように、イオン
ビーム加工装置10内の制御装置は、加工時間を短縮す
るために、例えば開口径が大きい制限アパーチャ62に
切り替えて静電レンズ63によって集束させることによ
って得られる大電流のビーム径の太いビーム(例えば
0.5μm〜2μm:ビーム電流は約1nA(ビーム径
が0.5μmの場合)〜約5nA(ビーム径が2μmの
場合)となる。)で加工を行うべく、走査条件決定手段
9から得られるデータに基づいて、加工形状データベー
ス8に記憶させてある走査領域と加工結果との関係を考
慮して、仕上げしろを残すように若干走査領域を狭めて
設定する。最後に、例えば開口径が小さい制限アパーチ
ャ62に切り替えて静電レンズ63によって集束させる
ことによって得られる充分細く絞った(例えば0.05
μm〜0.3μm:ビーム電流は約10pA(ビーム径
が0.05μmの場合)〜約0.5nA(ビーム径が
0.3μmの場合)イオンビームにより仕上げ加工部2
4を除去すべく、イオンビーム加工装置10内の制御装
置は、走査条件決定手段9から得られる走査領域データ
に基づいて仕上げ加工の走査領域を決定する。なお、制
限アパーチャ62として、ブランキング電極に設けられ
たアパーチャによって実現しても良いことは明らかであ
る。またブランキング電極に設けられたアパーチャに入
射するイオンビーム電流を測定することによってイオン
ビーム電流を検出することができる。そして検出された
イオンビーム電流を測定して制限アパーチャの開口径を
調整するように構成しても良い。
【0022】ところで、観察断面21の位置精度が必要
でない場合においても、大電流の太いイオンビームでは
観察断面21の表面が荒れて、詳細な断面情報が得られ
ないため、仕上げ加工を行う必要がある。断面観察は、
試料22を所望量傾けて、集束イオンビームを照射して
2次荷電粒子を検出するSIM観察、または集束電子ビ
ームを照射して2次電子を検出するSEM観察によって
行う。
【0023】イオンビーム加工装置10において、制限
アパーチャ62の切り替えも含めて制御装置(制御パソ
コン)等からの制御に基づいて観察断面21を形成する
ためには、断面の観察の向き、観察角度θ、観察する断
面の領域を決定する断面深さDおよび断面幅W、イオン
ビーム電流の種類、試料の材質とイオンビームの加工特
性で決まるスパッタ率σ、断面加工のステップ数n、観
察断面21の位置(X,Y)が必要である。観察角度θ
は、予め一定(例えば、30度、45度)にしても良い
し、加工の都度作業者が加工形状決定手段4に入力手段
を用いて入力して設定しても良い。また、イオンビーム
電流の種類は、荒加工、仕上げ加工のそれぞれについて
予め設定しておいくが、作業者が加工穴の大きさや断面
の仕上がりを考慮して、これを変更できる機能も設けて
おく。走査条件決定手段9にて算出した走査時間の結果
を見て、作業者がイオンビーム電流を変更することも可
能である。スパッタ率σは、荷電ビームの加速エネル
ギ、ビーム電流、被加工材質等により変化するため、前
述したとおり予めデータベース化しておくが、作業者が
その都度走査条件決定手段9に入力手段を用いて入力し
てもよい。走査条件決定手段9において決定されるイオ
ンビームの走査条件を簡略化するために、通常断面加工
の形状はステップ状としていた。このステップ数nは、
キーボード(入力手段)から入力したり、予め固定値と
させても良い。加工端面をきれいに仕上げるためには、
走査方向も極めて重要な要素である。通常、走査領域に
対して水平方向の走査(1ライン)が終わる毎に、垂直
方向にずらして次のライン走査を行い、これを繰り返し
て1フレームとする。この1フレーム中最後の1ライン
が観察断面と一致するように走査方向を決定させる。ま
た、荒加工時におけるイオンビームの集束調整(図12
に示すように、例えば開口径の異なる制限アパーチャ6
2を切り替えて行う。また電源より静電レンズ63に印
加する電圧を制御装置により調整しても良い。)によ
り、仕上げ加工部24の領域が若干変動するため、作業
者が荒加工後、イオンビーム加工装置10に設置された
表示手段(モニタ)44に表示された試料の観察結果か
ら領域決定してもよい。
【0024】イオンビーム加工装置10内に設置された
制御装置(制御パソコン)において実行する仕上げ加工
の終点については、ドーズ量で決定する以外に2次粒子
信号を活用して自動終点検出を行うことも可能である。
またイオンビーム加工装置10に設置された表示手段
(モニタ)に2次粒子信号を表示して検出することもで
きる。図5は、2次イオン信号検出方式の概要を示す図
である。図5に示すようにイオンビーム加工装置10の
試料室31に内設した2次イオン検出器32を用いて、
加工中に試料22より放出した2次イオン33の量を検
出する。図6は加工中の2次イオン信号強度の変化を示
す図である。加工開始当初は、荒れたテーパ形状の仕上
げ加工部24を加工しているため、2次イオン33の放
出量が多く信号強度も高い。加工が進行するに従って、
仕上げ加工部24が削られ、この2次イオン33が穴底
から放出しにくくなり信号強度が低下していく。例え
ば、この信号強度変化の微分をとってこの微分値が0近
辺になったところで加工終点を検出したりすることがで
きる。これ以外にも加工開始時の信号強度と比較して、
信号の低下量がある値以上となったときに終点とするよ
うなアルゴリズムにすることもできる。また、ここでは
2次粒子として2次イオンの例をあげているが、これを
2次電子に置き換えてもよい。
【0025】以上では荒加工、仕上げ加工といった2段
加工の例を示したが、適切な一種類のビーム電流を選択
して、一回で加工を行ってもよい。特に加工サイズが小
さい場合は、こちらの方が効率が良い。また、断面加工
が長時間にわたるような場合では、ステージやビームが
ドリフトし加工位置ずれが生じる恐れがあり、この対策
として単位時間のドリフト量を予め測定しておき、これ
を補正するように設定を変更させる機能を設けておいて
も良い。
【0026】次に、上記の如く加工した断面観察用の穴
に対する2次荷電粒子像に基づく断面観察について説明
する。まず図7ないし図9を参照しながら、イオンビー
ム加工装置10内に設置された制御装置(制御パソコ
ン)を用いて、イオンビーム23の軸に対して傾けて配
置した試料表面への焦点あわせのための準備作業につい
て述べる。図7はステージ上に設けた階段を表す図であ
り、図8は集束距離に対応した集束レンズ電圧を記録さ
せる集束イオンビーム加工装置10内の制御パソコン
(制御装置)に設置された表示手段(モニタ)44のウ
インドウを示す図であり、図9は集束距離に対する集束
レンズ電圧(静電レンズ63に印加される電圧)の関係
を表す図である。即ち、静電レンズ63に印加される集
束レンズ電圧が高くなると集束距離も増加することにな
る。まず、図7に示すように、2種類以上の異なる高さ
の階段43を、試料室31に内設したステージ41ある
いは試料ホルダ42に設ける。この階段43のステップ
ごとの段差は、段差計等を用いて予め正確に求め、制御
装置内のRAM等に入力手段を用いて入力して格納して
おく。集束距離は、静電レンズ63によって決まる集束
距離の基準面と試料22の表面またはステージ41にお
ける各階段43の表面との距離で示される。なお、基準
面とステージ41上のある点までの距離は既知の値とす
る。従って、各ステップa,b,cに応じて集束距離は
求まり、表示手段(モニタ)44のウインドウ47にH
eightとして表示されることになる。そして上記各
階段に対応する複数のステップa,b,cの各々におい
て、制御装置(制御パソコン)によって例えば静電レン
ズ63に印加する集束レンズ電圧を僅か変えながら、図
8に示すように2次イオン像表示ウインドウ45に表示
される2次イオン像を見て、最も合焦点状態になった集
束レンズ電圧を検出して焦点合わせを行う。即ち、焦点
合わせされたときの集束レンズ電圧が、表示手段(モニ
タ)44のウインドウ47にVoltageとして表示
される。そして各ステップa,b,cにおいて、焦点合
わせされた集束レンズ電圧の値をVa,Vb,Vcと
し、集束距離をLa,Lb,Lcとし、これらの集束電
圧および集束距離を各ステップの集束電圧を記録させる
ウインドウ47を用いて制御装置内のRAM等に記録さ
せる。ここで、焦点合わせされた集束レンズ電圧の値
(Va,Vb,Vc)を入力せずに、その時の設定電圧
を記憶させるボタンをクリックするようにしてもよい。
また、集束距離の入力は、予め各ステップに番号付けを
行い各番号に対応した集束距離のデータファイルを保存
しておき(イオンビーム加工装置10内に設置された制
御装置(制御パソコン)内のRAMまたは外部記憶装置
に保存しておく。)、ウインドウ47上で番号のみ選択
することで代用しても良い。以上の作業により図9に示
すように集束電圧(V)と集束距離(L)との関係を求
めることができる。そして制御装置内のCPUは、この
関係から曲線近似して、任意の集束距離Lxに対応した
集束レンズ電圧Vxを求めたり、任意の集束レンズ電圧
Vxに対応した集束距離Lxを求められるようにしてお
く。ここで、集束距離は静電レンズ(図12参照)63
からの距離でなくてもよく、任意の一つのステップや試
料22の表面などの基準面からの距離でもよい。この校
正作業は、集束電圧と集束距離との関係がくずれると思
われるような時(イオン源交換後やイオンの加速エネル
ギの変更時など)に適宜行う。
【0027】次に、試料22を傾け、断面観察を行う。
図10は傾けた試料と集束距離を説明する図である。断
面位置を探しやすくするために、試料上の座標が既知の
アライメントマーク51を用いて、試料22上の座標系
を決定する。このアライメントマークM1〜M3は、一次
変換を定義するために3点設けておくことが望ましい。
図11はアライメント作業時に用いる集束イオンビーム
加工装置10の制御装置(制御パソコン)における表示
手段のモニタ画面を示す図である。まず、一つ目のアラ
イメントマーク51を合わせ込むためにステージ41を
移動し、2次イオン像表示ウインドウ45を見ながら焦
点をあわせた上で、モニタ上のアライメントウインドウ
52の中で、試料上の座標位置(x1,y1)をキーボ
ード等の入力手段より入力し、焦点合わせされた集束レ
ンズ電圧(V1)の記憶ボタンをクリックして制御装置
(制御パソコン)のRAM等に記憶させる。現在の集束
レンズ電圧を表示させ、これをキーボードより入力して
記憶させるような構成としても良い。その他の2点のア
ライメントマークについても同様の手順をふむ。以上に
より、まずステージの座標系(X,Y)と試料上の座標
系(x,y)の一次変換の対応が完了する。次に、前述
した集束レンズ電圧と集束距離との関係(図9)を用い
て、制御装置内のCPUは、各点の集束レンズ電圧のデ
ータから集束距離(Z1、Z2およびZ3)を算出す
る。そして制御装置内のCPUは、この各点の集束距離
(Z)とステージ座標系(X,Y)により試料表面の平
面方程式が決定できる。観察断面21に移動するため
に、観察断面21の位置(試料上の座標系(xi,y
i))を予めファイルを呼び出すか、その場で手入力し
てステージ41を移動する。この試料上の座標系(x
i,yi)をステージ座標系(Xi,Yi)に変換し、
これをもとにステージを移動させる。次に制御装置内の
CPUは、この観察点におけるステージ座標系(Xi,
Yi)および前記平面方程式より集束距離(Zi)を求
め、この集束距離(Zi)および図9に示した集束レン
ズ電圧(V)と集束距離(Z)との関係から適正な集束
レンズ電圧(Vi)を決定することができる。ところ
で、2次荷電粒子像に基づいて断面観察する際、照射す
る荷電粒子ビームの径を0.5μm以下にして、解像度
を向上させる必要がある。特に解像度の多くは荷電粒子
ビームの径に依存することから、例えば0.1μm以下
にすれば約0.1μm以下の解像度が得られる。また2
次荷電粒子像の場合は通常焦点深度が約10μm程度と
深いため、断面観察穴の深さが約10μm以下の場合に
は、焦点合わせすることなく、上記の如く細く絞った荷
電粒子ビームを断面上を走査して得られる2次荷電粒子
像に基づいて鮮明な画像として表示手段(モニタ)44
に表示して断面観察を行うことができる。断面観察穴の
深さが2次荷電粒子像の焦点深度よりも深くなった場合
には、上記の如く細く絞った荷電粒子ビームを断面上を
走査する間において、静電レンズ(荷電粒子光学系)6
3に印加する集束レンズ電圧を制御する必要がある。
【0028】図12にイオン源(例えばGa等の液体金
属イオン源)61、制限アパーチャ62、静電レンズ6
3の中心軸との位置関係を表す図を示す。ここで、イオ
ン源61、制限アパーチャ62、静電レンズ63のいず
れか一つの中心軸にずれがあると、静電レンズ63に印
加する集束レンズ電圧の調整(制御)により焦点位置が
ずれ、前記のアライメント作業に支障をきたす恐れがあ
り、予め調整してこのずれを最小限にしておく必要があ
る。ところで、静電レンズ63の下側には、非点補正を
行うための非点補正電極が設けられ、この非点補正電極
に対してX方向非点補正電圧とY方向非点補正電圧とが
印加できるように構成されている。そしてこの場合、非
点補正の記録機能を設けることが必要となる。そのた
め、即ち集束距離と非点補正電極に印加する電圧との関
係を記録しておくことが必要となる。図13は非点補正
機能付きアライメントウインドウを示す図、図14は集
束距離と非点補正電圧との関係を示す図である。即ち図
14に示すように、例えば非点補正電極に印加するX方
向非点補正電圧に対する集束距離は141に示す関係と
なり、非点補正電極に印加するY方向非点補正電圧に対
する集束距離は142に示す関係となる。まず、図13
に示すようにアライメントウインドウ52において、前
述した通り3点アライメントマーク51(M1,M2,M
3)に対する位置および集束レンズ電圧の入力に加え
て、非点補正ボタンをクリックすることで、集束距離に
対応した非点補正電圧を制御装置のRAM等に記録させ
る。これは、図7に示した階段43上での焦点合わせに
おいて集束距離と対応させて記憶させることで代用する
ことも可能である。図14に示すように、集束距離対応
した非点補正電圧の近似曲線が作成され、任意の集束距
離に対応する高精度の非点補正が可能となる。ここで、
集束距離と非点補正電圧との対応の替わりに、静電レン
ズ63に印加する集束レンズ電圧と非点補正電圧との対
応としてもよい。それは、図7に示す如く、集束レンズ
電圧は集束距離とある決められた関係を有するからであ
る。
【0029】以上に述べたような集束距離に対応した集
束電圧および非点補正の調整は断面観察に限らず、通常
の荷電ビーム加工および観察にも適用可能である。次
に、断面の観察および記録作業の説明を行う。図15
は、従来の2次イオン像及び画像データの解析結果を示
す図で、図16は、本実施例の2次イオン像及び画像デ
ータの解析結果を示す図である。図15に示すように、
従来の(1)得られた2次イオン像46をそのまま表示
する、(2)各画素における信号強度を解析し最低信号
を下限、最高信号を上限としてある階調(例えば256
階調)として表示する、(3)ガンマ補正を行って表示
する、等の方法では、像全体として適正化しているの
で、見たい部分が必ずしも鮮明になるとは限らない。
【0030】そこで、本発明は、図16に示すように見
たい部分のみの領域(サンプリング領域70)をモニタ
44上で指定して、この領域内の信号強度の上限下限
を、制御装置内のCPUによって画像メモリを介してあ
る階調で表示する機能を持たせることにより、必要な情
報を逃さないようにしてコントラストがはっきりした鮮
明な2次荷電粒子画像を表示手段(モニタ)44の画面
に表示して観察することができる。この見たい部分の領
域は、一度2次イオン像46を取得した後、作業者がモ
ニタ44上の2次イオン像46を見ながらその場でマウ
スを動かして指定してもよいし、断面観察前に予め入力
して記憶させておけば、自動で画像データが取得でき
る。
【0031】さらに信号強度の上下限の差により、2次
荷電粒子像(2次イオン像)を取り込むセンサである荷
電粒子検出器において検出される2次荷電粒子信号の増
幅率の制御を行って画像データを採取しなおすことも有
効である。例えば、上記サンプリングエリアにおける信
号強度の上下限の差があまりにも小さい場合、ある決め
られた階調に引き延ばしてもノイズ成分が目立ってしま
う。そこで、荷電粒子検出器のゲイン等を上げることに
よりコントラストを強調し、信号強度の上下限の差をあ
る程度の範囲になるように制御し、これによりノイズが
少ないコントラストのはっきりした画像を取得できる。
また、例えば上記サンプリングエリアにおける信号強度
の上限があまりにも大きい場合には、荷電粒子検出器の
出力や信号処理基板が過飽和状態となっている恐れがあ
る。このような場合には信号の上下限のいずれかがつぶ
れてしまっているので、画像処理を行っても、このつぶ
れた部分の情報は再現できない。この場合も、上記の例
と同様、コントラストの制御が必要となる。
【0032】以上説明した本発明に係る実施の形態は、
自動処理の部分を適宜、作業者の判断、作業と置き換え
ることもできる。また以上説明した実施例においては、
荷電粒子ビームによる断面形成についてのみ説明してき
たが、加工時に反応性ガスを供給して化学反応を促進さ
せるアシストエッチング法を用いて高速に断面形成を行
うことも有効である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、検査結果とデータベー
スとに基づいて荷電ビームによる断面加工条件を自動で
決定することにより、効率良く断面を形成することがで
きる効果を奏する。また本発明によれば、集束距離に応
じて集束電圧および非点補正電圧を記憶する機能と、任
意の集束距離に対して最適な集束電圧および非点補正電
圧を算出する機能とを設けることにより、断面用試料を
傾けたことによる集束距離の変化に対応して自動焦点、
および自動非点補正を実現することができ、作業性を飛
躍的に向上させることができる効果を奏する。また本発
明によれば、断面試料の観察において観察すべき領域の
みの画像を抽出してこれを最適化する手段を設けること
により、見たい情報を的確に捕らえることができ、画像
の撮り直し等の試行錯誤による手間を解消させることが
できる効果を奏する。また本発明によれば、以上によ
り、作業者の熟練度によらずに、最適な断面観察を効率
良く行うことができ、さらに信頼性を向上させることが
できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る断面観察による不良解析システム
の第1の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明に係る断面観察による不良解析システム
の第2の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明に係る断面観察による不良解析システム
の第2の実施の形態を示す図である。
【図4】本発明に係る断面作成プロセスの一実施の形態
を示す図である。
【図5】本発明に係る2次イオン信号検出方式の概要を
示す図である。
【図6】本発明に係る加工中の2次イオン信号強度の変
化を示す図である。
【図7】本発明に係るステージ上に設けた階段の一実施
の形態を示す図である。
【図8】本発明に係る集束距離に対応した集束レンズ電
圧を記録させるウインドウの一実施の形態を示す図であ
る。
【図9】本発明に係る集束距離に対する集束レンズ電圧
の関係を示す図である。
【図10】本発明に係る傾けた試料と集束距離とを説明
するための図である。
【図11】本発明に係るアライメント作業時に用いる集
束イオンビーム加工装置の制御パソコンのモニタ画面の
一実施の形態を示す図である。
【図12】本発明に係る荷電ビーム源、制限アパーチ
ャ、静電レンズの中心軸との位置関係を示す図である。
【図13】本発明に係る非点補正機能付きアライメント
ウインドウの一実施の形態を示す図である。
【図14】本発明に係る集束距離と非点補正電圧との関
係を示す図である。
【図15】従来の2次イオン像及び画像データの解析結
果を示す図である。
【図16】本発明に係る2次イオン像及び画像データの
解析結果を示す図である。
【符号の説明】
1…回路テスタ、2…異物検査装置、3…不良解析ツー
ル 4…加工形状決定手段、5…設計データベース、6…三
次元形状CAD 7…加工特性データベース、8…加工形状データベース 9…走査条件決定手段、10…イオンビーム加工装置、
21…観察断面 22…試料、23…イオンビーム、24…仕上げ加工
部、31…試料室 32…2次イオン検出器(2次荷電粒子検出器) 33…2次イオン(2次荷電粒子)、41…ステージ 42…試料ホルダ、43…階段、44…表示手段(モニ
タ) 45…2次イオン像表示ウインドウ、46…2次イオン
像(2次荷電粒子像) 47…各ステップの集束電圧を記録させるウインドウ 51…アライメントマーク、52…アライメントウイン
ドウ、61…イオン源 62…制限アパーチャ、63…静電レンズ(荷電粒子光
学系) 70…サンプリング領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 37/304 H01J 37/304 H01L 21/3065 H01L 21/302 D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不良情報を取得するための不良情報取得手
    段と、 該不良情報取得手段で取得された不良情報に基づいて不
    良箇所の特定と不良状況の推定を行う不良解析手段と、 該不良解析手段によって特定された不良箇所座標と該不
    良状況の推定結果とに基づいて断面加工形状を決定する
    加工形状決定手段と、 該加工形状決定手段から決定される断面加工形状に対し
    て設計データを参照して材質及び層構造データを求める
    3次元形状CAD手段と、 該3次元形状CAD手段から得られる材質に対応したス
    パッタ率を算出する加工特性データベース作成手段と、 荷電ビームの走査領域と加工後の形状との対応関係を示
    す加工形状データベースと前記加工特性データベース作
    成手段から算出されるスパッタ率と前記3次元形状CA
    Dから得られる層構造と前記加工形状決定手段から決定
    される断面加工形状とに基づいて荷電ビームの走査領域
    及びドーズ量を決定する走査条件決定手段と、 該走査条件決定手段によって決定された走査領域及びド
    ーズ量に基づいて断面加工を行う荷電粒子ビーム加工装
    置とからなることを特徴とする荷電粒子ビームによる断
    面解析システム。
  2. 【請求項2】前記荷電粒子ビーム加工装置において、荷
    電粒子ビーム照射部に反応性ガスを供給する手段を設け
    たことを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビームに
    よる断面解析システム。
  3. 【請求項3】前記荷電粒子ビーム加工装置において、荷
    電粒子ビーム加工中に検出した2次粒子信号の経時変化
    に基づいて加工終点の自動検出を行う解析手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載の荷電粒子ビー
    ムによる断面解析システム。
  4. 【請求項4】前記荷電粒子ビーム加工装置において、断
    面加工位置、断面観察角度および断面深さに基づいて試
    料に対して除去すべき3次元形状を決定する演算手段を
    設けることを特徴とする請求項1または2または3記載
    の荷電粒子ビームによる断面解析システム。
  5. 【請求項5】荷電粒子光学系を有する荷電粒子ビーム処
    理装置において、 前記荷電粒子光学系に印加する集束電圧と前記荷電粒子
    光学系による荷電粒子ビームの集束距離との相関関係を
    解析して、荷電粒子ビームの光軸を法線とする平面に対
    して傾斜をもつ試料上の任意の位置に対応して前記荷電
    粒子光学系に印加する集束電圧を決定する解析手段を備
    えたことを特徴とする荷電粒子ビーム処理装置。
  6. 【請求項6】荷電粒子光学系と非点補正電極を有する荷
    電粒子ビーム処理装置において、 前記非点補正電極に印加する非点補正電圧と前記荷電粒
    子光学系による荷電粒子ビームの集束距離との相関関係
    を解析して、荷電粒子ビームの光軸を法線とする平面に
    対して傾斜をもつ試料上の任意の位置に対応して前記非
    点補正電極に印加する非点補正電圧を決定する解析手段
    を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム処理装置。
  7. 【請求項7】荷電粒子ビームによる観察装置において、
    荷電粒子検出器から検出される2次荷電粒子画像の内、
    試料の観察すべき領域の一部からの2次荷電粒子画像を
    コントラストのはっきりした画像として表示する表示手
    段を備えたことを特徴とする荷電粒子ビームによる観察
    装置。
  8. 【請求項8】不良情報取得手段からの不良情報に基づい
    て不良解析手段により不良箇所の特定と不良原因の推定
    を行い、 この得られた座標と不良原因の推定結果とに基づいて3
    次元形状決定手段により断面加工形状を自動決定し、 3次元形状CADにおいて設計データを参照して断面加
    工部分の材質及び層構造データを求め、予め加工特性デ
    ータベース作成手段により前記材質のスパッタ率を求
    め、 走査条件決定手段により加工形状データベースから得ら
    れる荷電粒子ビームの走査領域と加工後の形状との対応
    関係を示す情報と前記断面加工形状と前記層構造データ
    と前記スパッタ率とに基づいて荷電粒子ビームの走査領
    域およびドーズ量を決定し、 この決定された荷電粒子ビームの走査領域およびドーズ
    量に基づいて、荷電粒子ビーム加工装置により断面加工
    を施すことを特徴とする荷電粒子ビームによる断面解析
    方法。
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