JPH09223344A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ヘッドとテープガイドからなり、両者を
固定する際にアジマス調整を行なってテープレコーダ等
のメカ部上でのアジマス調整を不要とした磁気ヘッドに
おいて、前記固定の際のアジマス調整、位置決めを容易
に正確に行なえ、しかも固定を接着によらずに迅速、確
実に行なえる構成を提供する。 【解決手段】 磁気コア２を保持するコアサポートに、
磁気テープ１０５の走行方向に延びる延長部１ｃ，１ｄ
を設け、この延長部１ｃ，１ｄにテープガイド７，７を
固定した。テープガイド７，７は、延長部１ｃ，１ｄに
対してクリアランスを持たずに接した状態で位置決めし
固定できるので、接着によらずに溶接部分８の電気的溶
接等で迅速、確実に固定できるとともに、シールドケー
ス６の側面から離間して位置決めできるので、前記側面
に拘束されず容易に所望に位置決めできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカセットテ
ープレコーダ等の磁気記録再生装置に用いられる磁気ヘ
ッド装置に係り、詳しくは、磁気記録媒体としての磁気
テープに対し情報の磁気記録または再生を行なう磁気ヘ
ッドに、磁気テープの走行位置を規制するテープガイド
を固定してなる磁気ヘッド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の磁気ヘッド装置として、
実開平４−２１６３５４号公報において、テープレコー
ダ等のメカ上でのアジマス調整を不要にする磁気ヘッド
装置が提案されている。図５は上記公報に記載の技術を
適用した磁気ヘッド装置を示す斜視図である。この磁気
ヘッド装置は、磁気ヘッド１０１と、その両側で磁気テ
ープ１０５の走行位置を規制する２対のガイド部１０
３，１０４を有する合成樹脂製のテープガイド１０２の
組み合せで構成される。磁気ヘッド１０１はテープガイ
ド１０２の中央部に形成された開口部１０２ａに嵌合さ
れ、接着により固定される。

【０００３】この構成によれば、磁気ヘッド１０１とテ
ープガイド１０２を固定する際に、予め位置決めしたテ
ープガイド１０２のガイド部１０３，１０４のそれぞれ
の２本の腕部に沿ってテープ１０５を走行させ、磁気ヘ
ッド１０１のアジマスをテープ１０５のアジマス調整信
号に合わせて調整して磁気ヘッド１０１を位置決めし、
テープガイド１０２に固定しておけば、この磁気ヘッド
１０１とテープガイド１０２からなる磁気ヘッド装置を
テープレコーダ等のメカ部に固定するだけで、メカ部上
でのアジマス調整が不要となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、上述した磁気ヘッド１０１とテープガイド１
０２を固定する際の磁気ヘッド１０１のアジマス調整が
可能なように、磁気ヘッド１０１を嵌合するテープガイ
ド１０２の開口部１０２ａは磁気ヘッド１０１より僅か
に大きく形成され、アジマス調整時に磁気ヘッド１０１
はテープガイド１０２に対してクリアランスをもった浮
遊状態にある。

【０００５】したがって、磁気ヘッド１０１のアジマス
調整後、テープガイド１０２と磁気ヘッド１０１の隙間
に接着剤を流し込んで両者を固定するが、その時に接着
剤の硬化が完了するまでの数十秒間は放置しておかねば
ならない。このことは、磁気ヘッド装置の生産性を上げ
る上でのネックになる。また、上記放置の間に振動等に
より磁気ヘッドとテープガイドの固定位置がずれるおそ
れがある。さらに前記の固定に接着剤を使用するため、
完成した磁気ヘッド装置が使用される環境条件による接
着剤の変質により磁気ヘッドのアジマスが変化するとい
う欠点があった。

【０００６】なお、他の従来例として、２つのテープガ
イドを磁気ヘッドのシールドケースの両側面に直接固定
する磁気ヘッド装置の構成も知られている。この場合、
テープガイドを電気溶接等で固定することができ、上記
のような接着に関わる問題はない。しかし、この場合、
テープガイドのテープ幅方向の向きが磁気ヘッドのシー
ルドケースの側面にならってしまうため、上述した磁気
ヘッドとテープガイドを固定する際のアジマス調整が困
難であるという問題があった。

【０００７】そこで本発明の課題は、この種の磁気ヘッ
ド装置において、磁気ヘッドとテープガイドを固定する
際のアジマス調整、位置決めを容易に正確に行なえ、し
かも固定を接着によらずに迅速かつ確実に行なえる構成
を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、磁気コアを保持するコアサポート
を有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドに固定され磁気テ
ープの走行位置を規制するテープガイドからなる磁気ヘ
ッド装置において、前記コアサポートに磁気テープ走行
方向に延びる延長部を設け、該延長部に前記テープガイ
ドを固定した構成を採用した。

【０００９】また本発明によれば、磁気ヘッド素子を収
納するシールドケースを有する磁気ヘッドと、該磁気ヘ
ッドに固定され磁気テープの走行位置を規制するテープ
ガイドからなる磁気ヘッド装置において、前記シールド
ケースに磁気テープ走行方向に延びる延長部を設け、該
延長部に前記テープガイドを固定した構成も採用した。

【００１０】このような構成によれば、磁気ヘッドとテ
ープガイドを固定する際にアジマス調整、位置決めを行
なう場合、テープガイドはコアサポートの延長部ないし
はシールドケースの延長部に対してクリアランスを持た
ずに接した状態で位置決めし固定できるので、接着によ
らずに電気的溶接等で迅速かつ確実に固定できる。ま
た、テープガイドはシールドケースの側面から離間させ
て位置決めできるので、シールドケースの側面に拘束さ
れずに容易に所望に位置決めできる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。

【００１２】［第１の実施形態］図１は本発明の第１の
実施形態による磁気ヘッド装置を構成する磁気ヘッドの
構造を示しており、磁気ヘッド素子をシールドケースに
組み込む前の状態を示している。

【００１３】図１において、１ａ，１ｂは非磁性の金属
からなるコアサポートであり、複数の磁気コア２と、磁
気コア２どうしの間隔を規定する間隔板３を保持してい
る。磁気コア２の先端には非磁性のスペーサからなる磁
気ギャップ４が設けられており、後端部には磁気コア２
に流れる磁束の変化を電気的変化として取り出すための
コイル５が巻装されている。

【００１４】従来と異なる点として、コアサポート１
ａ，１ｂの後端部には、それぞれ磁気テープ走行方向に
延びる平板状の延長部１ｃ，１ｄがコアサポート１ａ，
１ｂの本体部分と一体に形成されている。

【００１５】上記各部材からなる磁気ヘッド素子１０を
この素子の収容及び磁気シールドを行なうシールドケー
ス６に嵌合し固定して磁気ヘッドが構成される。シール
ドケース６の磁気テープに摺動される摺動面となる正面
には磁気コア２の先端面を外部に臨ませるための開口部
６ｃが形成されている。

【００１６】次に、図２は第１の実施形態の磁気ヘッド
装置の完成した状態を示す斜視図である。上述した磁気
ヘッドの完成した状態では、シールドケース６の後端か
らコアサポート１ａ，１ｂの延長部１ｃ，１ｄが図２中
矢印ａで示す磁気テープ１０５の走行方向の両側に突出
しており、この延長部１ｃ，１ｄのそれぞれにテープガ
イド７，７を固定して磁気ヘッド装置が構成される。

【００１７】テープガイド７，７は、金属からなり、そ
れぞれ磁気テープ１０５の走行位置を規制する２本の腕
部を有する２つのガイド部７ａ，７ｂが平行に対向しそ
の基端部が連結されたものとして断面が略コの字形に形
成されており、それぞれの平坦な基端部を延長部１ｃ，
１ｄに接して符号８で示す部分で電気的な溶接により固
定される。

【００１８】その固定の際にアジマス調整、位置決めを
行なう。この場合、テープガイド７，７をテープ１０５
に沿って位置決めした後、走行するテープ１０５のアジ
マス調整信号に合わせて磁気ヘッドのアジマスを調整し
て磁気ヘッドを位置決めし、両者を固定するが、テープ
ガイド７，７はコアサポート１ａ，１ｂの延長部１ｃ，
１ｄに対してクリアランスを持たずに接した状態で位置
決めし固定できるので、接着によらずに電気的溶接で迅
速かつ確実に固定できる。

【００１９】次に、図３は本実施形態の完成した磁気ヘ
ッド装置の正面図であり、磁気ヘッドの磁気ギャップ４
がシールドケース６の内部で角度θ傾いている場合を示
している。この様な場合でも、テープガイド７，７をシ
ールドケース６のテープ走行方向両側の側面から離間さ
せて前記側面に拘束されずに所望に位置決めすることが
できるので、磁気ギャップ４とテープガイド７，７のガ
イド部７ａ，７ｂを平行にするアジマス調整、位置決め
を容易に正確に行なうことができる。

【００２０】なお、図３において、９は取付足であり、
シールドケース６に固定される。磁気ヘッド装置をテー
プレコーダ等のメカ部に組み込むときは、既に上述のア
ジマス調整を行なってあるので、取付足９をメカ部の取
付板に取付けるだけでよく、この際のアジマス調整は不
要である。

【００２１】ところで、以上では、コアサポート１ａ，
１ｂとテープガイド７を金属として両者を電気的溶接で
固定するものとしたが、レーザ溶接等で固定してもよ
い。また、コアサポート１ａ，１ｂとテープガイド７の
どちらか一方または両方を金属以外の材質、例えば合成
樹脂等にした場合は、熱カシメ、超音波カシメ等の方法
で固定してもよい。いずれにしても、接着以外の方法で
固定することにより、迅速かつ確実に固定でき、従来例
の接着による問題を避け、磁気ヘッド装置の生産性を向
上できるとともに、磁気ヘッド装置の信頼性、耐環境性
を向上できる。

【００２２】［第２の実施形態］次に、図４は本発明の
第２の実施形態の磁気ヘッド装置を示している。本実施
形態では、シールドケース６の後端部の磁気テープ１０
５走行方向両側のそれぞれに、磁気テープ１０５の走行
方向に延びる平板状の延長部６ａ，６ｂがシールドケー
ス６の本体部分に一体に形成されている。そして、この
延長部６ａ，６ｂに対しテープガイド７，７が基端部の
溶接部分８で電気的溶接あるいはレーザ溶接により固定
される。この固定を行なう際に、第１の実施形態と同様
にアジマス調整、位置決めを行なう。

【００２３】このような構成により第１の実施形態と同
様の効果が得られる。なお、本実施形態において、シー
ルドケース６は通常磁性金属からなるが、テープガイド
７の材質は金属でも合成樹脂でもよく、その材質によっ
てテープガイドの固定方法は第１の実施形態と同様に溶
接でも熱カシメ、超音波カシメ等でもよい。

【００２４】なお、以上の２つの実施形態ではテープガ
イドのガイド部の数を４つとしたが、その数は４つに限
らないのは勿論である。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気ヘッド装置によれば、コアサポートあるいはシー
ルドケースに、磁気テープ走行方向に延びる延長部を設
け、この延長部にテープガイドを固定した構成を採用し
たので、テープレコーダ等の磁気記録再生装置のメカ部
上でのアジマス調整が不要な構成であって、磁気ヘッド
とテープガイドを固定する際のアジマス調整、位置決め
を容易に正確に行なえ、しかも前記固定を接着によらず
に電気的溶接等により迅速かつ確実に行なえ、磁気ヘッ
ド装置の生産性、信頼性、耐環境性を向上できるという
優れた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態の磁気ヘッド装置を構
成する磁気ヘッドの磁気ヘッド素子とシールドケースの
構造を示す斜視図である。

【図２】同実施形態の磁気ヘッド装置の完成した状態を
示す斜視図である。

【図３】同磁気ヘッド装置の正面図である。

【図４】第２の実施形態の磁気ヘッド装置の構造を示す
斜視図である。

【図５】従来の磁気ヘッド装置の構造を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ コアサポート １ｃ，１ｄ 延長部 ２ 磁気コア ３ 間隔板 ４ 磁気ギャップ ５ コイル ６ シールドケース ６ａ，６ｂ 延長部 ７ テープガイド ８ 溶接部分 ９ 取付足 １０ 磁気ヘッド素子 １０５ 磁気テープ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気コアを保持するコアサポートを有す
   る磁気ヘッドと、該磁気ヘッドに固定され磁気テープの
   走行位置を規制するテープガイドからなる磁気ヘッド装
   置において、 前記コアサポートに磁気テープ走行方向に延びる延長部
   を設け、該延長部に前記テープガイドを固定したことを
   特徴とする磁気ヘッド装置。
2. 【請求項２】 磁気ヘッド素子を収納するシールドケー
   スを有する磁気ヘッドと、該磁気ヘッドに固定され磁気
   テープの走行位置を規制するテープガイドからなる磁気
   ヘッド装置において、 前記シールドケースに磁気テープ走行方向に延びる延長
   部を設け、該延長部に前記テープガイドを固定したこと
   を特徴とする磁気ヘッド装置。