JPH09222116A - コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置 - Google Patents

コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置

Info

Publication number
JPH09222116A
JPH09222116A JP5410796A JP5410796A JPH09222116A JP H09222116 A JPH09222116 A JP H09222116A JP 5410796 A JP5410796 A JP 5410796A JP 5410796 A JP5410796 A JP 5410796A JP H09222116 A JPH09222116 A JP H09222116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
conduit
holder
screw member
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5410796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hajime Kato
肇 加藤
Hirotake Egawa
広剛 江川
Keisuke Miyoshi
啓介 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Cable System Inc
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Nippon Cable System Inc
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Cable System Inc, Mazda Motor Corp filed Critical Nippon Cable System Inc
Priority to JP5410796A priority Critical patent/JPH09222116A/ja
Publication of JPH09222116A publication Critical patent/JPH09222116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Flexible Shafts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 導管の長さ調節を無段階で行えると共に、同
時に内索に所定の遊びを与えた状態で導管を固定するこ
とができ、かつ少ない部品で構成することができる導管
の取りつけ装置を提供する。 【解決手段】 導管3の端部に固定される、外周ネジ1
2を備えたパイプ状のネジ部材5と、そのネジ部材に螺
合するナット部16を備えた調整部材6と、相手部材に
対して固定されると共に、調整部材6を保持するホルダ
ー7とからなる導管取りつけ装置A。調整部材6には先
端に係合突起23を備えた可撓性の係合片18が設けら
れ、ホルダー7に、係合突起23と選択的に係合する第
1係合溝37と第2係合溝38とが形成されている。調
整部材6とホルダー7には、係合突起23が第2係合溝
38と係合したときに、互いに噛み合う噛み合い歯列2
0と係止歯列が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコントロールケーブ
ルの導管取りつけ方法および導管取りつけ装置に関す
る。さらに詳しくは、コントロールケーブルの導管の端
部を、相手部材に対して取りつけるとき、一旦、導管の
長さを内索に遊びがない状態に調整した後、内索に所定
の遊びないし緩みを生じさせた状態で導管端部を固定す
る、導管取りつけ方法およびその方法に用いる装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】コントロールケーブルは、可撓性の導管
の内部に可撓性の内索を摺動自在に挿入したものであ
り、内索の一端は操作要素に連結し、他端を被操作要素
に連結して用いる。導管の両端は、内索の引き力、また
は押し引き力の反力を受けるので、通常は静止部材に固
定する。このとき、内索に所定の張力ないし遊びを与え
るため、導管の少なくとも一端を相手部材に対して軸方
向の位置を調節しながら取りつける。
【0003】図9は従来の一般的な導管の取りつけ方法
を示している。この方法では、まず取りつけるべき相手
部材101に、ケーブル挿通用の切り欠き部または孔1
02を設けたブラケット103を取りつける。つぎに導
管104の端部ないしその外周に固定した、外周ネジを
形成したネジ部材(キャップ)105に2個のナット1
06、107を螺合させる。そしてそれらのナット10
6、107でブラケット103を挟み込むようにして、
ネジ部材105をブラケット103に固定する。
【0004】そのとき、内索108に適度な張力および
遊びを与えるように、ネジ部材105に対する2個のナ
ット106、107を締める位置を調節して、ネジ部材
105の軸方向の位置を調節する。したがってナット1
06、107は、位置調節要素であると同時に、固定要
素としても機能する。すなわち両方のナット106、1
07を緩めてブラケット103に当接させながら同時に
回転させると、ネジ部材105が軸方向に移動するの
で、位置調節をすることができる。そしてその位置で両
方のナット106、107を締めることにより、ネジ部
材105の軸心方向の位置を固定できる。またナット1
06、107は、ネジ部材105を引っ張る張力の反力
でブラケット103に対して押しつけられ、摩擦力で回
転角度が固定される。
【0005】ところで内索の適切な張力ないし遊びは実
際にはわかりにくい。そのため特開平4−76233号
公報では、一旦、内索に遊びが生じないように導管の長
さを設定し、ついで所定の遊びの寸法だけ導管の長さを
伸ばす方法を提案している。同公報には、このような所
定寸法だけ導管の有効長さを伸ばす機構も記載されてい
る。たとえば同公報の第4図の機構は、固定内筒の外周
の2か所に環状溝を設け、移動外筒の内面に、いずれか
一方の環状溝と選択的に係合する環状突起を設けたもの
である。ただしこの従来例では、導管の長さの調節自体
は、導管の他端に設けた長さ調整装置で行う。
【0006】他方、特開平6−249228号公報に
は、導管の長さ調節と所定の遊び長さのずらしとを同時
に行うことができる調節装置が記載されている。この装
置では、係止歯の列を斜めに形成した調整パイプを、ベ
ースに対して軸方向移動自在に挿入している。その係止
歯と噛み合うロック歯を備えた調整コマを、前記のベー
スに対して横方向に挿入すると、その斜めの分だけ調整
パイプを前進させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の軸方向にずらせ
た2本の環状溝と環状突起で遊び分を得る装置では、内
索の遊びをなくすための導管の長さ調節装置を別個に設
ける必要がある。そのため全体の構成部品が多くなり、
装置自体の組立工数が増える。前述の斜めにした係止歯
を備えた調節装置はこの点が改良されている。しかし係
止歯のピッチに応じた段階的な長さ調節しか行うことが
できない。
【0008】本発明は、導管の長さ調節を無段階で行う
ことができ、しかもその後、簡単に内索に所定の遊びを
与えて固定することができる、導管取りつけ方法を提供
することを課題としている。さらに本発明は、少ない部
品点数で上記の方法を行うことができる、導管取りつけ
装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の導管取りつけ方
法は、(a)導管の端部に、外周ネジを備えたパイプ状
のネジ部材を同心状に固定すると共に、そのネジ部材の
外周ネジにナットを螺合させ、(b)そのナットを、相
手部材に対して軸方向に移動しないように保持しながら
回転させることにより、前記ネジ部材を導管の有効長さ
を伸ばす向きに軸方向に移動させ、(c)内索に所定の
張力が生じたとき、ナットおよびネジ部材を、導管の有
効長さを所定分だけ短くする向きに軸方向にずらせて張
力を解消し、あるいは緩め、(d)そのずらせた位置で
ナットを相手部材に対して軸方向に移動しないように取
りつけることを特徴としている。
【0010】この取りつけ方法では、前記ナットを回転
させる工程(b)において、ネジ部材を相手部材に対し
て軸方向に移動自在、かつ回転しないように保持させ、
前記ナットないしネジ部材を相手部材に取りつける工程
(d)で、ナットを相手部材に対して回転しないように
係止させることにより、ナットとネジ部材との相対的な
螺合位置を固定するのが好ましい。
【0011】本発明の導管取りつけ装置は、(a)導管
の端部に同心状に固定される、外周ネジを備えたパイプ
状のネジ部材と、(b)前記ネジ部材の外周ネジに螺合
するナットと、(c)相手部材に対して固定されると共
に、ナットを保持するホルダーとからなり、(d)前記
ナットとホルダーに、(d1)そのナットを軸方向に移
動しないように回転自在に保持する第1係合手段と、
(d2)その所定の位置から導管の有効長さを短くする
方向に軸方向にずらした位置で、そのナットを実質的に
任意の角度で軸方向に移動しないように保持する第2係
合手段と、(d3)いずれかの係合手段で選択的にナッ
トをホルダーに係合させる選択手段とが設けられている
ことを特徴としている。
【0012】この装置においては、ホルダーがネジ部材
を軸方向移動自在にかつ回転できないように保持するも
のが好ましい。さらにナットがホルダーに対して第2係
合手段で係合したとき、ナットのホルダーに対する回転
を係止する回転係止手段が設けられているものが好まし
い。
【0013】前記の第1係合手段としては、ホルダーま
たはナットのいずれかに設けた環状溝と、他方に設けた
係合突起とから構成することができる。第2係合手段と
しては、前記環状溝から軸方向に離れた位置に設けた環
状段部と、ホルダーおよびナットに設けた互いに軸方向
に当接する当接面とから構成することができる。環状段
部に代えて環状溝を採用してもよい。その場合は当接面
は不要である。第1係合手段と第2係合手段を選択可能
にする選択手段として、たとえば上記の係合突起を弾力
的に半径方向に広がるように支持するものがあげられ
る。係合片をナットに設ける場合は、ナットの外周部
に、その軸心と平行に突出する可撓性を有する係合片を
一体に設ける。そしてその先端に半径方向内向きに係合
突起を設け、環状段部ないし環状溝をホルダーの外周に
設ければよい。
【0014】
【作用】本発明の導管取りつけ方法は、導管に固定した
ネジ部材とナットとを螺合させ、ナットの回転でネジ部
材を軸方向に移動させている。そのため内索に所定の張
力が生ずるまで、無段階に導管の位置調整ができる。そ
してその後、そのナットおよびネジ部材をそのまま軸方
向にずらせて相手部材に固定する。そのため、ナットと
ネジ部材の相対的な螺合位置は変化しない。
【0015】このように本発明の方法においては、ナッ
トとネジ部材の螺合構造は、相手部材に対する導管の締
めつけ手段としては使用せず、初めに内索に張力を与え
る時に、導管の位置調節のために使用するだけである。
そして内索に所定の張力を与えた後は、ネジ作用を利用
せず、ナットとネジ部材を軸方向に一体的に移動させ、
固定する。したがって導管の取りつけ位置をその長さ方
向に実質的に無段階に調節することができ、しかもその
後すぐに、導管の取付位置をずらせて内索に所定の遊び
ないし緩みをもたらすことができる。
【0016】ナットを回転させる工程でネジ部材を回転
しないように相手部材に保持させるときは、ナットの回
転が容易である。さらにナットないしネジ部材を軸方向
に移動させた後、ナットを相手部材に対して回転しない
ように係止させると、ナットおよびネジ部材のいずれも
回転できない。そのためナットと軸部材の相対的な回転
も阻止される。したがってナットを軸方向に固定するだ
けで、これと相対的に回転しないネジ部材も軸方向の位
置が固定される。
【0017】本発明の導管取りつけ装置により導管を取
りつけるには、まずナットをネジ部材に螺合させ、その
先端から離れた位置に配置する。ついでナットとホルダ
ーを第1係合手段で係合させ、ナットをネジ部材の先端
側に進ませるように回転させる。そのときナットはホル
ダーから離れないように係合しているので、ナットは軸
方向に移動せず、ネジ部材が後退する。それにより導管
の有効長さが長くなり、内索の遊びが吸収され、所定の
張力が付与される。そのときの長さ調整はネジ作用によ
る実質的に無段階な調整である。
【0018】内索に所定の張力が付与された時点で、ナ
ットとネジ部材とをネジ部材の先端側に向かって移動さ
せ、第2係合手段で係合させる。それにより導管の有効
長さが短くなり、内索に所定の遊びないし緩みがもたら
される。上記の装置は、ナットとホルダーとネジ部材の
3点だけで構成できる。
【0019】ホルダーがネジ部材を軸方向移動自在にか
つ回転できないように保持するものでは、ナットを回転
させるときにネジ部材が回転しないので、とくに手で回
転を押える必要がない。さらに回転係止手段が設けられ
ているものでは、ナットがホルダーに対して第2係合手
段で係合したとき、同時にナットのホルダーに対する回
転が係止される。そのためナットおよびネジ部材がホル
ダーを介して互いに回転できない。したがって他のロッ
ク手段を用いなくても、螺合位置が変化せず、ネジ部材
のホルダーに対する軸方向の位置、ひいては導管の有効
長さが変化しない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
発明の方法および装置の好ましい実施の形態を説明す
る。図1において、符号1は導管2と内索3とからなる
コントロールケーブルである。図1の導管取りつけ装置
Aは、そのコントロールケーブル1の導管2の端部に取
りつけるネジ部材5と、ネジ部材5に螺合される調整部
材6と、ホルダー7とからなる。ホルダー7は導管2を
取りつけるべき相手部材に対し、装着されるものであ
る。図1では、ネジ部材5は導管2に加締めつけた状態
で示している。
【0021】ネジ部材5は、その中心に沿って内索3を
通す孔10が貫通されたパイプ状の部材であり、図面の
右側の後端部に、導管2の端部を加締め付ける導管挿入
穴11を備えている。そして外周には、外周ネジ12
と、中心軸と平行な一対のガイド面13とが形成されて
いる。この実施形態では、ネジ部材5の先端部に、蛇腹
ブーツを取りつけるための係合部14が設けられてい
る。ガイド面13は後端に至る途中で、段部15で止め
られている。
【0022】調整部材6は、円筒状のナット部16と、
その外周に設けられる円板状のフランジ部17、そのフ
ランジ部の前面側に突出する4枚の係合片18とを備え
ている。ナット部16は請求項3における「ナット」に
対応する。ナット部16の内周には、ネジ部材5の外周
ネジ12と螺合する内周ネジ19が形成されており、前
側の端面には、各歯が放射状に配列される環状の噛み合
い歯列20が形成されている。この実施形態では、各歯
は断面三角形状にしている。
【0023】さらにこの実施形態では、係合片18は、
ナット部16の外周面に対して隙間21を開けて同心状
に配置した円筒を、軸心方向に延びるスリット22で4
枚の舌片状に分割した形態としている。そのためそれぞ
れ円弧状の断面形状を有する。各係合片18は可撓性を
有し、その先端部に半径方向に所定以上の外力を受ける
と、その方向に撓む。係合片18の先端部の内面には、
断面が半円状の係合突起23が突設されている。
【0024】ホルダー7は、図1の左側の、相手部材に
装着する装着部26と、ナット6が取りつけられるナッ
ト取りつけ部27とからなる。装着部26は、円板状の
フランジ部28と、その一面から突出する角型段部29
および角柱部30とを備えている。その角柱部30の先
端からは、左右各一対の装着片31が、角柱部30の根
元部に向かって延びている。装着片31は弾力的に変形
可能である。2本の装着片31の間には、角柱部30の
側面とフランジ部28とを結合するリブ32が設けられ
ている。
【0025】装着片31の自由端とフランジ部28の間
には、図5に示すように、相手部材33を挟みつけるた
めの隙間34があいている。ホルダー7は、装着片31
を撓ませながら角柱部30および角型段部29を相手部
材33に形成した開口部35に挿入することにより、相
手部材33にワンタッチで取りつけることができる。そ
のときフランジ部28は相手部材33の一面に当接し、
角型段部29が開口部35に嵌合し、装着片31が弾力
的に戻って相手部材33の他面に係合する。角柱部30
は開口部35と係合して、廻り止めの作用をする。なお
相手部材33に対し、溶接またはインサート成型などで
ナット取付部27を一体に設けるようにしてもよい。そ
の場合はもちろん装着部26は不要である。
【0026】図2に示すように、ナット取付部27は円
柱状の形態を備えており、その外周に調整部材6の係合
突起23が係合する2本の環状の係合溝37、38を有
する。それらの係合溝の断面形状は、たとえば図4から
わかるように、係合突起23の断面形状に合わせてほぼ
半円形としている。ナット取付部27の自由端側の第1
係合溝37と調整部材6の係合突起23とは、請求項3
における第1係合手段に相当する。基端側の第2係合溝
38と係合突起23とは、第2係合手段に相当する。可
撓性を有する係合片18は選択手段に相当する。第1係
合溝37と第2係合溝38との間隔(図4の符号p)
は、内索3に与えるべき遊びの大きさに合わせて定め
る。
【0027】ナット取付部27の外径は調整部材6の係
合片18の内径に合わせており、その自由端には、調整
部材6のナット部16の先端が嵌入する円柱状の凹部3
9が形成されている。そして凹部39の内底面には、ナ
ット部16の噛み合い歯列20と噛み合う環状の係止歯
列40が設けられている。噛み合い歯列20と係止歯列
40とは、請求項4における回転係止手段に相当する。
【0028】さらにその内底面から前述の角柱部30の
端面まで、すなわちナット取付部27から装着部26に
至るまで、ガイド孔41が貫通している。このガイド孔
41は、ネジ部材5のガイド面13がある部分を軸方向
に摺動自在に保持する略小判形の断面形状を有する。
【0029】上記のネジ部材5、調整部材6およびホル
ダー7は、いずれもポリアセタール、ポリアミド、ポリ
プロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)などの合成樹脂、亜鉛ダイキャスト、アルミダイ
キャストなどの金属で製造することができる。合成樹脂
の場合は、ガラス繊維などで強化した繊維強化樹脂を用
いるのが好ましい。
【0030】つぎに図3〜6を参照して、上記の導管取
りつけ装置Aを用いて導管を相手部材に取りつける手順
を説明する。この手順は本発明の導管取りつけ方法の一
実施形態である。
【0031】まず、ネジ部材5の後端の穴11に導管2
の端部を挿入し、加締めつける。つぎに調整部材6のナ
ット部16をネジ部材5の外周ネジ12に螺合させる。
このときの螺合位置は、ネジ部材5の後端近辺としてお
く。他方、ホルダー7は、図4および図5の左側に示す
ように、あらかじめ前述の要領で相手部材33に装着し
ておく。ただしホルダー7が一体に設けられている相手
部材を用いるときは、装着させるまでもない。図3の調
整部材6において、ナット部16と係合片18との間に
隙間42があいているが、これは係合突起23を成型す
る金型の抜き穴である。
【0032】つぎに図4に示すように、調整部材6を螺
合したネジ部材5の先端側を、ガイド面13の向きを合
わせながらホルダー7のガイド孔41に挿入する。内索
3はあらかじめガイド穴41に通しておく。係合突起2
3がナット取付部の先端に当接すると、さらに押し込
む。それにより、係合片18は、その自由端が半径方向
外向きに広がるように撓み、ナット取付部27の表面に
乗り上げる。
【0033】そしてさらに調整部材6を押し込むと、図
5の平面図に示すように、係合突起23が第1係合溝3
7に入り込み、係合片18が元の状態に戻る。この状態
で内索3の両端をレバーなどの操作要素および被操作要
素に係合させておく。この状態では、調整部材6の噛み
合い歯列20がホルダー7の係止歯列40と噛み合って
いない。そのため調整部材6は自由に回転させることが
できる。
【0034】内索3の張り具合を見ながら、調整部材6
を導管2の有効長さが伸びる方向に回転させる。すなわ
ち右ねじの場合は、図5の右側から見て、時計方向に回
転させる。このときネジ部材5のガイド面13がガイド
孔41の側壁に嵌合しているので、一緒に回転しない。
そのため手で押えておく必要はない。
【0035】調整部材6は外周ネジ12上を前に進もう
とするが、係合突起23と第1係合溝37とが係合して
いるので、逆にネジ部材5が後退し、導管2の有効長さ
が伸びる。この調整部材6の回転による調整は、内索3
に遊びがなくなり、所定の張力が生ずるまで行う。回転
はいずれの方向にも行うことができる。すなわち張りが
強くなり過ぎた場合、調整部材6を反時計方向に逆回転
させて、ネジ部材5を前進させ、張りを緩めることもで
きる。したがって微妙な張りの程度まで、無段階で調整
することができる。
【0036】内索3に遊びがなくなったことは、その張
り具合で判断できる。また所定の張力になったことは、
指などで押さえたときの撓み具合で容易に判断できる。
内索3に所定の張りが生じた後、ネジ部材5をホルダー
7のガイド孔41でガイドさせながら調整部材6を先端
側に押し込む。そうすると係合片18が再び外向きに撓
み、係合突起23が第1係合溝37から離脱する。さら
に前進させると、図6に示すように、調整部材6のナッ
ト部16の先端がホルダー7のナット取付部27の凹部
39に嵌合する。このときナット取付部27の筒状の先
端部は、調整部材6のナット部16と筒状に配列した係
止片18との間の隙間(図4の符号21)に入り込む。
【0037】この状態で調整部材6をさらに前進させ
る。なお調整部材6は、図5の状態から図6の状態ま
で、できるだけ回転させないように保持しながら前進さ
せる。そして最終的に係合突起23が第2係合溝38に
係合し、同時にナット部16の先端がナット取付部27
の凹部39の内底面に当接する。この前進により、ネジ
部材5は係合溝37、38の間隔pだけ前進し、内索3
にその分に相当する遊びないし緩みが付与される。
【0038】ナット部16の先端面がナット取付部27
の凹部39の内底面に当接したとき、調整部材6の噛み
合い歯列20がホルダー7の係止歯列40と噛み合う。
そのため、それ以後は、調整部材6は自由に回転できな
くなる。なお噛み合い歯列20と係止歯列40とが噛み
合うとき、調整部材6は最大で歯のピッチの半分だけ、
いずれかの方向に回転する。しかしネジ部材5と調整部
材6の軸方向の相対的な移動量は、きわめてわずかであ
る。
【0039】上記のように調整部材6とホルダー7とは
互いに回転しない。そしてネジ部材5もホルダー7のガ
イド孔41で回転しないように保持されている。そのた
めネジ部材5と調整部材6のナット部16も相対的に回
転しない。したがってネジ部材5は、調整部材6を介し
てホルダー7に対して軸方向に移動できないように固定
される。これにより内索3に適切な遊びが付与された状
態で、導管2を相手部材33に取りつけることができ
る。
【0040】上記の取りつけ方法によれば、内索3の張
りを見ながら調整部材6を回転させ、ついでその調整部
材6を軸方向に押し込むという、簡単な操作だけで導管
2の取りつけと内索3の張りの調節を実質的に同時に行
うことができる。ただし調整部材6を先端側に押し込む
操作に代えて、内索3に連結した操作レバーなどを操作
し、内索を強く引くようにしてもよい。それにより反力
として導管に軸方向の圧縮力が加わり、調整部材6が自
然にホルダー7側に押し込まれ、上記の操作と実質的に
同じ結果が得られる。一旦取りつけた後は、噛み合い歯
列20と係止歯列40の当接などにより、調整部材6が
それ以上前進しない。そのため内索3に強い張力が加わ
っても、充分に耐えることができる。
【0041】上記の導管取りつけ装置Aは、たとえば自
動車のアクセルペダルとエンジンのアクセルレバーとを
連結するコントロールケーブルなどに適用することがで
きる。また、オートマチックトランスミッション(A
T)のシフトロックケーブル、キーインターロックケー
ブル、ミッションチェンジケーブルなど、内索の張りお
よび遊びの調整に対する要求が厳しい場合、とくに隔壁
などでコントロールケーブルの両端が遮られている場合
などに好適に適用される。
【0042】図7の導管取りつけ装置Bは本発明の他の
実施形態であり、その調整部材51は、幅が狭く、撓み
性が高い係合片52を有している。そして係合突起53
は、ホルダー54から離れるときに係合する面55が軸
心に対してほぼ直角で、ホルダー54に挿入するときに
当接する先端側の面56が傾斜面になっている。そして
ホルダー54のナット取付部57の係合溝58、59
は、それぞれ係合突起53の形状に合わせて、直角な面
60と傾斜面61とからなる三角形状ないし台形状の断
面形状を備えている。
【0043】したがって調整部材51をホルダー54に
取りつける作業が簡単で、しかも調整部材51がホルダ
ー54から外れにくいという利点を備えている。さらに
調整部材51を前進させて係合突起53を第1係合溝5
8から離脱させる操作も容易である。なお一旦、第2係
合溝59に係合させた後は、噛み合い歯列20と係止歯
列40とが軸方向に関して当接しているので、前述のよ
うに、内索に加わる強い張力に耐えることができる。
【0044】図7の調整部材51では、フランジ部62
に対し、係合片52の裏側に相当する部位に枝状突起6
3を設けている。そのためメンテナンス時などにおい
て、調整部材51を第2係合溝59から外す場合に、そ
の枝状突起63同士を接近させるように曲げると、フラ
ンジ部62が撓み、係合突起53が係合溝59から抜け
易くなる。このような枝状突起63は図1の取りつけ装
置Aの調整部材6にも設けることができる。またネジ部
材5は図1の導管取りつけ装置Aと同じものを使用でき
る。
【0045】図8aおよび図8bの調整部材64は、図
7の調整部材51のフランジ部62に対し、ホルダーの
ナット取付部の表面と嵌合する嵌合突起65を設けたも
のである。嵌合突起65は各係合片52の間に配置して
いる。係合片52および嵌合突起65の内周面は、ホル
ダーのナット取付部の表面と回転自在に嵌合するよう
に、同一円上に並んでいる。なお両者の根元部は円筒状
につながっていてもよい。このものは係合片52が撓み
易いにも関わらず、ホルダーに調整部材64がしっかり
と嵌合するので、調整部材64を回転させ易い利点があ
る。
【0046】上記の各実施形態では、第1係合手段およ
び第2係合手段として、ホルダー側に2本の係合溝を設
け、調整部材側に係合突起を設けている。しかしホルダ
ー側に係合突起を設けて、調整部材側に係合溝を設けて
もよい。さらに選択手段として係合突起を調整部材側の
可撓性の係合片に設けているが、ホルダー側に係合片を
設けるようにしてもよい。また選択手段を、半径方向に
移動自在、かつ先端側に常時弾力的に付勢されているピ
ンで構成してもよい。その場合はピンの先端が係合突起
となる。
【0047】さらに係合溝を1本とし、係合突起を軸方
向に離れた2か所に設けてもよい。また係合片に係合溝
を設け、相手側に環状の係合突起を設けるようにしても
よい。上記の説明は、係合突起または係合溝のいずれか
一方を第1および第2係合手段の要素として兼用する場
合を前提としているが、もちろん各係合手段ごとに係合
突起および係合溝を設けてもよい。それらの場合はそれ
ぞれ軸方向に異なる間隔だけ離れた2本の係合溝および
2か所の係合突起となる。
【0048】前述の実施形態では、第2係合手段の要素
として連続する環状溝(または係合突起)を採用してい
る。しかし第2係合手段は任意の角度で係合させること
ができれば足りるので、連続する環状溝(または係合突
起)とすることは必ずしも必要でない。たとえば噛み合
い歯列と係合歯列の非連続的な角度に合わせて、非連続
的に係合させるようにしてもよい。また、第2係合手段
で係合させるとき、噛み合い歯列と係合歯列とがすでに
当接しているので、両向きに軸方向の移動を阻止する溝
にする必要はない。その場合は溝に代えて、調整部材が
ホルダーから抜けない方向で係合する、たとえば環状の
段部などとすることもできる。また内索に圧縮力が加わ
らない場合は、第2係合手段は単に振動などで調整部材
がホルダーから抜けるのを防ぐ程度の係合でよい。
【0049】前述の実施形態では回転係止手段として、
軸方向に当接する噛み合い歯列と係止歯列とを採用して
いる。しかし当接面などの軸方向の移動を阻止する手段
が他にあれば、セレーションなどのように、軸方向の移
動を許す回転係合手段も採用することができる。さらに
ダブルナットやピンなどのような、通常の廻り止めを採
用することもできる。なおそれらの廻り止めを、ナット
のネジ部材廻りの回転を拘束するために用いてもよい。
ただしその場合は、ナットの回転による調整が終了した
後に回転係止手段を作用させる必要がある。請求項1の
方法発明および請求項3の装置発明においては、これら
の廻り止めを用いる場合を排除するものではない。
【0050】
【発明の効果】本発明の導管取りつけ方法では、ナット
は位置調整のために用いるだけで、締めつけのために用
いていない。そしてネジ部材の軸心方向の位置の固定は
別個の手段で行う。そのためナットをネジ部材の廻りに
回転させて調整した後、そのままネジ部材およびナット
を内索に所定の遊びないし緩みを与えるべく、軸心方向
に移動させることができる。ネジ部材をホルダーにより
回転しないように保持させる方法では、ナットの回転を
止めることにより、ネジ部材のロックを同時に行うこと
ができる。
【0051】本発明の導管取りつけ装置は、少ない部品
点数で、上記の方法を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の導管取りつけ装置の一実施形態を示
す組立前の一部切り欠き斜視図である。
【図2】 図1の装置におけるホルダーおよびナットの
一部を示す斜視図である。
【図3】 図1の装置の組み立て方法の最初の工程を示
す一部断面側面図である。
【図4】 図3のつぎの工程を示す一部断面側面図であ
る。
【図5】 図4のつぎの工程を示す一部断面平面図であ
る。
【図6】 図5のつぎの工程を示す一部断面側面図であ
る。
【図7】 本発明に関わるホルダーおよび調整部材の他
の実施形態を示す一部切り欠き側面図である。
【図8】 図8aおよび図8bはそれぞれ本発明に関わ
る調整部材のさらに他の実施形態を示す正面図および一
部切り欠き側面図である。
【図9】 従来の導管取りつけ方法の基本的な例を示す
一部断面側面図である。
【符号の説明】
1 コントロールケーブル 2 導管 3 内索 5 ネジ部材 6 調整部材 7 ホルダー 12 外周ねじ 13 ガイド面 16 ナット部 18 係合片 19 内周ねじ 20 噛み合い歯列 23 係合突起 37 第1環状溝 38 第2環状溝 40 係止歯列 41 ガイド孔 42 隙間 B 導管取りつけ装置 51 調整部材 52 係合片 53 係合突起 54 ホルダー 58 第1係合溝 59 第2係合溝 64 調整部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 啓介 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コントロールケーブルの導管の端部を相
    手部材に対し、内索に所定の遊びないし緩みを与えた状
    態で取りつける方法であって、(a)導管の端部に、外
    周ネジを備えたパイプ状のネジ部材を同心状に固定する
    と共に、ネジ部材の外周ネジにナットを螺合させ、
    (b)そのナットを、相手部材に対して軸方向に移動し
    ないように保持しながら回転させることにより、前記ネ
    ジ部材を導管の有効長さを伸ばす向きに軸方向に移動さ
    せ、(c)内索に所定の張力が生じたとき、ナットおよ
    びネジ部材を、導管の有効長さを所定分だけ短くする向
    きに軸方向にずらせることにより、内索に遊びないし緩
    みを設け、(d)そのずらせた位置でナットを相手部材
    に対して軸方向に移動しないように取りつける、コント
    ロールケーブルの導管取りつけ方法。
  2. 【請求項2】 前記ナットを回転させる工程(b)にお
    いて、ネジ部材を相手部材に設けたホルダーに対して軸
    方向に移動自在、かつ回転しないように保持させてお
    き、さらに前記ネジ部材を相手部材に取りつける工程
    (d)で、ナットをホルダーに対して回転しないように
    係止させることにより、ナットとネジ部材の相対的な螺
    合位置を固定する、請求項1記載の導管取りつけ方法。
  3. 【請求項3】 コントロールケーブルの導管の端部を相
    手部材に対し、内索に所定の遊びないし緩みを設けなが
    ら取りつけるための装置であって、 (a)導管の端部に同心状に固定される、外周ネジを備
    えたパイプ状のネジ部材と、 (b)前記ネジ部材の外周ネジに螺合するナットと、 (c)相手部材に対して固定されると共に、ナットを保
    持するホルダーとからなり、 (d)前記ナットとホルダーに、(d1)そのナットを
    軸方向に移動しないように回転自在に保持する第1係合
    手段と、(d2)その所定の位置から導管の有効長さを
    短くする方向に軸方向にずらした位置で、そのナットを
    実質的に任意の角度で軸方向に移動しないように保持す
    る第2係合手段と、(d3)いずれかの係合手段で選択
    的にナットをホルダーに係合させる選択手段とが設けら
    れている、コントロールケーブルの導管取りつけ装置。
  4. 【請求項4】 前記ホルダーがネジ部材を、軸方向移動
    自在にかつ回転できないように保持する請求項3記載の
    導管取りつけ装置。
  5. 【請求項5】 前記ナットがホルダーに対して第2係合
    手段で係合したとき、ナットのホルダーに対する回転を
    係止する回転係止手段が設けられている請求項4記載の
    導管取りつけ装置。
JP5410796A 1996-02-16 1996-02-16 コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置 Pending JPH09222116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5410796A JPH09222116A (ja) 1996-02-16 1996-02-16 コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5410796A JPH09222116A (ja) 1996-02-16 1996-02-16 コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09222116A true JPH09222116A (ja) 1997-08-26

Family

ID=12961390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5410796A Pending JPH09222116A (ja) 1996-02-16 1996-02-16 コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09222116A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7073406B2 (en) * 2000-05-26 2006-07-11 Commissariat A L'energie Screw and nut transmission and cable attached to the screw
CN102338148A (zh) * 2010-07-21 2012-02-01 上海通用汽车有限公司 一种拉索长度无级调节机构
JP5448007B2 (ja) * 2010-02-10 2014-03-19 株式会社パトライト 角度固定装置、信号表示灯ユニットおよび照明装置ユニット

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7073406B2 (en) * 2000-05-26 2006-07-11 Commissariat A L'energie Screw and nut transmission and cable attached to the screw
JP5448007B2 (ja) * 2010-02-10 2014-03-19 株式会社パトライト 角度固定装置、信号表示灯ユニットおよび照明装置ユニット
CN102338148A (zh) * 2010-07-21 2012-02-01 上海通用汽车有限公司 一种拉索长度无级调节机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5094120A (en) Bicycle speed change lever assembly
RU2209742C2 (ru) Устройство регулировки троса и устройство управления велосипеда
US6158113A (en) Grommet water-proofing method and wire-harness loosening jig
US6644143B2 (en) Grip gear-shifter for actuating derailleur of bicycle
US5664461A (en) Length-adjusting device for control cable
CA2910479A1 (en) Bowden cable
FR2461979A1 (fr) Dispositif de reglage de jeu
US7669501B2 (en) Contrivance for automatic rope length correction
JPH09222116A (ja) コントロールケーブルの導管取りつけ方法および装置
EP0798476A2 (en) Adjustable axial fastening device for an actuating cable
EP0585474A1 (en) Gear shifter for bicycle
US4196643A (en) Operating lever for a bicycle derailleur
JPH0660656B2 (ja) コントロールケーブルの取付位置調整装置
JPH10151577A (ja) 変速機付回転工具
JP3109319B2 (ja) ケーブルの位置調整構造
JPH08291819A (ja) ケーブル組付機構
JP3832676B2 (ja) コントロールケーブルの長さ調整端末固定装置
JP2578337Y2 (ja) コントロールケーブル取付装置
KR100790522B1 (ko) 클러치 케이블의 한 방향 조정기구
KR0115651Y1 (ko) 크러치 케이블 고정구조
US5359909A (en) Control cable adjusting arrangement
US4742728A (en) Operating lever for a bicycle derailleur
JPH0223520Y2 (ja)
JP2005172203A (ja) コントロールケーブルの締結部材
JP3764501B2 (ja) コントロールケーブルの張力自動調整機構