JPH09222061A - 可変噴孔型燃料噴射ノズル - Google Patents

可変噴孔型燃料噴射ノズル

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Publication number
JPH09222061A
JPH09222061A JP5266096A JP5266096A JPH09222061A JP H09222061 A JPH09222061 A JP H09222061A JP 5266096 A JP5266096 A JP 5266096A JP 5266096 A JP5266096 A JP 5266096A JP H09222061 A JPH09222061 A JP H09222061A
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JP
Japan
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hole
rotary valve
injection
valve
injection hole
Prior art date
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Application number
JP5266096A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Hasegawa
敏行 長谷川
Masaya Nozaki
真哉 野崎
Takeshi Miyamoto
武司 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ニードルバルブの閉弁時にはロータリバルブを
低トルクで容易に回転することができ、ニードルバルブ
の開弁時には燃料漏れを防止しながらロータリバルブを
精度よく位置決め・固定することができ、もって噴孔遮
蔽面積を無段階的に任意にしかも精度良く変化させるこ
とができるこの種の燃料噴射ノズルを提供する。 【解決手段】噴孔とロータリバルブの通路孔の相関によ
り噴孔面積を可変とした形式の燃料噴射ノズルであっ
て、前記ホールの内壁とロータリバルブ外周を円錐状に
構成するとともに、前記ロータリバルブとロータリシャ
フトとを、ニードルバルブの閉弁時においては回転軸方
向に隙間を創成しニードルバルブの開弁時には回転軸方
向の隙間を消失しうるアジャスト機構を介して連結し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料噴射ノズルとり
わけ噴孔可変型の燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関などの内燃機関などに燃
料を霧化状態で供給するための手段として燃料噴射ノズ
ルが汎用されており、かかる燃料噴射ノズルは特開昭5
9−200063号公報に代表されるように、ノズルボ
デイ内に摺動自在に収容した針弁の先端側にテーパ状の
受圧面を形成し、これに燃料圧力を作用させて針弁を開
弁させ、ノズルボデイ先端部に配した噴孔から燃料を噴
射するようになっていた。 しかしこの形式のもので
は、燃焼の促進、出力・燃費の向上、燃焼騒音・NOx
排出の低減という目的を達成するには限界がある。そこ
でこの対策として、特開平4−76266号公報には、
ノズルボデイノズルボデイの先端部に円周方向で間隔を
おいて内部ホールと連通した複数の噴孔を形成し、前記
ホールにロータリバルブを回転自在に取り付け、該ロー
タリバルブの回転により噴孔の開度を調節するようにし
たものが提案されている。しかし、この先行技術は、ロ
ータリバルブを回転制御することで同じ孔径の8つの噴
孔を全部開孔させ、あるいは4つだけ開孔させる選択を
行うことで噴孔合計面積の変化を得るに留まるため、エ
ンジンの負荷と回転数に則した微妙な噴霧制御を行えな
いという問題があった。さらに、上記先行技術は8つの
噴孔を同一円周上でホール中心軸から放射状に設けたも
のであるため、この技術を応用して図11のような大小
の噴孔径とすると、ロータリバルブの回転によって(a)
と(b)のように大噴孔選択時と小噴孔選択時では噴射位
置が周方向で変化してしまう。このため、燃料噴射ノズ
ルの取付け位置や燃焼室形状によっては不都合が生じ、
たとえば燃料噴射ノズルをホール状の燃焼室に対し斜め
に偏して望ませているような場合に、先行技術では周方
向での噴射位置が変化するため同じ燃焼室壁部位に噴霧
されずにバランスが崩れ、これによって燃焼特性が変化
してしまうという問題があった。
【0003】この対策としては、ホール周壁に相対的に
大きな孔径の噴孔と小さな孔径の噴孔を交互に配置して
ロータリバルブでそれら大または小の噴孔を選択するの
でなく、すべての噴孔の噴孔径を同等とし、この条件下
でロータリバルブ側の通路口との相対開度関係ないし遮
蔽関係により噴孔面積を無段階的に変化させる方法が考
えられる。しかし、この方法においては、ニードルバル
ブの閉弁時はロータリバルブを低トルクで容易に回転さ
せることができる特性を持ち、しかもロータリバルブの
微小な回転角の変化によって噴孔面積が変わることを防
止すべく、ニードルバルブの閉弁時すなわち燃料噴射時
には、ロータリバルブの良好な位置決め精度と位置固定
性能が必要となる。しかし現実問題としてはこの要求に
応えることは難しく、ロータリバルブの回転を容易にす
ると位置決め精度や固定力が不十分となり、ロータリバ
ルブによって噴孔を希望する開度に調整しておいても、
噴射圧が噴孔に作用したときにロータリバルブが回転方
向にずれてしまい、これにより噴孔面積が希望する大き
さよりも増大したり減少したりし、エンジンの負荷と回
転数に対応した噴射量と噴霧形態での噴霧を行うことが
できなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するために研究して創案されたもので、そ
の第1の目的は、ニードルバルブの閉弁時にはロータリ
バルブを低トルクで容易に回転することができ、ニード
ルバルブの開弁時には燃料漏れを防止しながらロータリ
バルブを精度よく位置決め・固定することができ、もっ
て噴孔遮蔽面積を無段階的に任意にしかも精度良く変化
させることができるこの種の燃料噴射ノズルを提供する
ことにある。また本発明の第2の目的は、第1の目的に
加えて、ノズルボデイの噴霧に与える影響を少なくし、
燃料の噴霧角を噴孔の大きさに則した適切なものとする
ことができるこの種の燃料噴射ノズルを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため本発明は、ノズルの先端部にホールを設け、該ホ
ールの周壁に複数個の噴孔を間隔をおいて形成する一
方、噴孔に対応する間隔で通路孔を有するロータリバル
ブを前記ホール内に配し、前記噴孔とロータリバルブの
通路孔の相関により噴孔面積を可変とした形式の燃料噴
射ノズルであって、前記ホールの内壁とロータリバルブ
外周を円錐状に構成するとともに、前記ロータリバルブ
とロータリシャフトとを、ニードルバルブの閉弁時にお
いては回転軸方向に隙間を創成しニードルバルブの開弁
時には回転軸方向の隙間を消失しうるアジャスト機構を
介して連結した構成としている。また、第2の目的を達
成するため本発明は、前記構成に加えて、噴孔をホール
外壁面の出口側開口に向かうほど拡大するラッパ状に構
成したものである。このテーパ度合いは最大噴孔径のと
きに生成される噴霧角に略一致したものとすることが好
ましい。前記アジャスト機構としては、ロータリシャフ
トに連結される継手ピンとロータリバルブの間に軸線方
向に向かうほど幅の広がったテーパ状溝(またはテーパ
状突片)を設けたオルダムカップリングを配し、ロータ
リバルブと継手ピンには前記テーパ状溝(またはテーパ
状突片)に対応するテーパ状突片(またはテーパ状溝)を
設けてこれらを嵌めあわせた構成が好適である。またさ
らにロータリバルブの固定とシールとを確実にするた
め、アジャスト機構よりも上方部位のロータリシャフト
(継手ピン)の外周とニードルバルブ軸心孔に円錐面とエ
ッジからなるシート部を形成することが好適である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1ないし図9は本発明の実施例
を示している。図1において、1はノズルホルダ本体、
2は該ノズルホルダ本体1の上端部ににOリングを介し
て油密に嵌合固定された駆動用ヘッド、3はノズルホル
ダ本体1の下端に連接され、リテーニングナット5によ
りノズルホルダ本体1に結合されたノズルボデイ、4は
ノズルボデイ3に内挿されたニードルバルブ(ノズルニ
ードル)である。前記ノズルホルダ本体1の軸心には、
下端から上端に向かって径が順次拡大した第1穴100
aないし第3穴100cが穿設されており、第1穴10
0aから第2穴100bに到る領域にはプッシュロッド
101が摺動可能に内挿されている。また、第3穴10
0cから第2穴100bに到る領域には、第3穴100
cの雌ねじと螺合したアジャスチングスクリュー102
が内嵌され、このアジャスチングスクリュー102とプ
ッシュロッド101間にノズルスプリング103が介装
されている。
【0007】前記ノズルボデイ3は外面長手方向中間部
にリテーニングナット5の袋孔底に嵌合する段部30を
有し、この段部30より下方にリテーニングナット5を
貫いて伸びる主部31が設けられ、主部31はテーパ部
を介して噴孔用の先端部32が形成されている。一方、
ノズルボデイ3の軸心には、上端から下端に向かって、
前記ノズルホルダ本体1の第1穴100aと同心のガイ
ド孔300と、該ガイド孔300よりも径の大きな油溜
り301が形成され、さらに油溜り301よりも下方に
はガイド孔300よりも相対的に径の小さい誘導孔30
2が穿設され、この誘導孔302の下端には、図2のよ
うに円錐状のシート面303が形成され、さらにこのシ
ート面303に続いて加圧燃料が導かれる有底状のホー
ル34が形成されている。前記ホール34は、図2と図
4のようにシート面303の終端から適当な位置まで直
筒壁340となっており、該直筒壁340の終端から下
端まで先細り状に傾斜した円錐状壁(テーパコーン壁)3
41となっており、円錐状壁341の下端は水平状ない
しは円弧状の端壁となっている。もちろん、シート面3
03の終端から直ちに円錐状壁となっていてもよい。前
記ノズルホルダ本体1の一側部にはインレットコネクタ
と接続される加圧燃料口104が設けられ、該加圧燃料
口104はノズルホルダ本体1およびノズルボデイ3に
穿設した通路孔105,305を介して前記油溜り30
1に連通され、ここに加圧燃料を導くようになってい
る。
【0008】ニードルバルブ4は、上端に前記プッシュ
ロッド101に対する係合部41を有し、また、外周に
はガイド孔300に摺接するガイド部40を有し、ガイ
ド40の終端には油溜り301内の燃料圧を受ける受圧
部42が設けられ、この受圧部42から下方には、図2
のように、誘導孔302との間で筒状の燃料通路Aを形
成するための細軸部43が設けられ、この細軸部43の
下端には前記シート面303に接離する円錐状のシート
面44が形成されている。
【0009】前記ホール34を画成する先端部周壁とり
わけ前記円錐状壁340の領域には、図2ないし図5の
ようにホール34内に通じる複数個の噴孔35が同一円
周上に等間隔で配置されている。前記噴孔35はこの実
施例では5個であり、それら噴孔35は入口側開口から
出口側開口まで同径となっていてもよいが、好ましく
は、入口側開口350の径が小さく、出口側開口351
に向かって連続的に径が拡大したラッパ状ないしテーパ
状となっている。このラッパ状噴孔の出口側開口351
は、実験によって最大噴孔径のときに生成される噴霧の
噴射角を測定し、その噴霧角に対応する開き角度αに設
定すればよい。前記噴孔35の軸線はホール軸線と直角
でもよいし、図2と図4のようにホール軸線に対して所
定の角度で傾いていてもよい。また、噴孔35の軸線と
直角の断面形状は実施例では円形であるが、多角形など
となっていてもよい。後者の場合には、単位回転角あた
りの噴孔面積変化量を大きくすることができる。
【0010】前記ホール34にはロータリバルブ7が内
装されている。該ロータリバルブ7は、ニードルバルブ
4とアジャスチングスクリュー102を貫通する駆動軸
系(ロータリシャフト)8と駆動用ヘッド2に取り付けた
アクチュエータ9によって駆動回転されるようになって
いる。詳しくは、図2と図4のように、ニードルバルブ
4の下端から適度隔たった位置にかけて比較的径の大き
な第1孔45aが形成され、この第1孔45aの終端か
らこれよりも径の細い第2孔45bが形成されており、
第1孔45aと第2孔45bとの境界すなわち第1孔4
5aの天端面と第2孔45bの下端面とが交わる部位に
はシート用のエッジ450が形成されている。そして、
第2孔45bはニードルバルブ4の上端にまで同じ径で
伸び、ニードルバルブ4に外嵌するプッシュロッド10
1の軸心上には下端から上端に達するまで第2孔45a
よりも適度に大きな径の第3孔45cが形成されてい
る。アジャスチングスクリュー102には下端から上端
にかけて第4孔45dが形成されている。第4孔45d
は駆動軸のブレを防止するため上端部域がそれ以外より
も適度に径が小さくなっている。
【0011】一方、駆動軸系8は、この実施例では駆動
ヘッド2に到るロータリシャフト本体8aと継手ピン8
bおよびカップリング10を備えている。前記ロータリ
シャフト本体8aは、前記第4孔45dから第3孔45
cの下端部域に達する長さを有し、直径は第3孔45c
よりも適度に細くなっている。継手ピン8bは第2孔4
5bに回転可能に嵌合する主部80を有し、該主部80
の下端部には短い長さで細径部81が連設され、その細
径部81の下端には前記第1孔45aと第2孔45bの
境界のシート用のエッジ450に接触されるべきシート
用の円錐面82が形成されており、該円錐面82の下端
から第1孔45aに遊嵌する短い長さの太径部83が形
成されている。そして、前記主部80の上端とロータリ
シャフト本体8aの下端はオルダム型など軸方向のガタ
を許容するタイプの継手部811,801によって回転
力が伝わるように連結されている。 なお、前記円錐面
とエッジの関係は図示するものと逆であってもよい。す
なわち第1孔45aと第2孔45bの境界に円錐面を形
成し、細径部81の下端に太径部83を直結しその太径
部83の上端周縁をエッジとしてもよく、これも本発明
に含まれる。
【0012】前記ロータリバルブ7は、図2と図4に示
すように、前記ホール34の直筒壁340に対応する直
柱部71と円錐状壁341に対応する角度で先細り状に
傾斜した円錐状部72を有し、円錐状部72の下端はホ
ール34の底壁に接しない水平状ないし円弧状の端面と
なっている。前記ロータリバルブ7は、一端が前記円錐
状部72に開口し、他端が前記燃料通路Aに臨む通路孔
73を有している。前記通路孔73は前記ホール周壁に
設けた噴孔35に連通可能な複数個(この実施例では5
個)の横孔730を円周上に等間隔で放射状に穿設して
おり、それら横孔730はロータリバルブ頂面に通じる
複数個(この実施例では5個)の縦穴731に通じてお
り、それら縦穴731はそれぞれが独立していてもよい
し、下端領域で交差しあっていてもよい。前記横孔73
0の軸線は噴孔35の軸線と整合しており、出口側開口
の径は噴孔35の入口側開口350の孔径と略一致して
いることが必要であるが、軸線と直角の断面形状は、前
記噴孔の場合と同じように円形に限らず多角形などとな
っていてもよい。
【0013】ロータリバルブ7は、ニードルバルブ4の
閉弁時においては、ロータリバルブ7との間で回転軸方
向に隙間を創成でき、ニードルバルブ4の開弁時にはロ
ータリバルブ7との隙間が消失してロータリバルブ7と
剛結できるようなアジャスト機構を介して前記継手ピン
8bに連結されている。前記アジャスト機構の代表的な
例としては、オルダムカップリング10が挙げられる。
オルダムカップリング10は、第1孔45aに遊嵌しう
る外径を持ち、ローターバルブ7と継手ピン8bの芯ず
れ、および軸方向寸法の加工誤差やニードルバルブ4の
リフトによって生ずるロータリバルブ7の軸方向ガタを
許容しながら、回転トルクや保持トルクをロータリバル
ブ7に伝える役目を果たす。しかし本発明におけるオル
ダムカップリング10はそれに止まらず、図2と図4お
よび図6のように、オルダムカップリング10の上半部
に開口側が狭く奥部に向かうほど幅の広くなったテーパ
状溝10aを設け、下半部には90度位相をずらせて同
様に開口側が狭く奥部に向かうほど幅の広くなったテー
パ状溝10bを設けている。これに対応して、継手ピン
8bの太径部83の下端には付け根側が狭く自由端に向
かうほど幅が広くなったテーパ状突片800を設け、ま
た、ロータリバルブ7の上端面には90度位相をずれせ
て同様に付け根側が狭く自由端に向かうほど幅が広くな
ったテーパ状突片70を形成し、それらテーパ状突片8
00,70をテーパ状溝10a,10bに嵌め合わせて
いる。なお、上記実施例ではオルダムカップリング10
にテーパ状溝10a,10bを設けているが、これに限
定されるものではない。すなわち、図7のようにテーパ
状突片10a’,10b’をオルダムカップリング10
の上下端に設け、テーパ状溝800’,70’を継手ピ
ン8bの太径部83とロータリバルブ7の上端面に設け
てもよい。あるいはまた、オルダムカップリング10の
下部とロータリバルブ7の上端との連結構造を図6に示
されるようなものとし、オルダムカップリング10の上
部と継手ピン8bの太径部83との連結を図7に示すよ
うなものとしてもよいし、オルダムカップリング10の
下部とロータリバルブ7の上端との連結構造を図7に示
されるようなものとし、オルダムカップリング10の上
部と継手ピン8bの太径部83との連結を図6に示すよ
うなものとしてもよい。
【0014】前記アクチュエータ9は駆動用ヘッド2に
設けた空所200に固定されている。アクチュエータ9
は回転(好ましくは可逆回転)および所定の回転位置に保
持が可能な特性を持つものであれば任意であり、たとえ
ばステッピングモータやサーボモータが用いられる。そ
してその出力軸と前記ロータリシャフト本体8aの上端
部は減速ギヤなどの伝達要素90などによりつながって
いる。前記アクチュエータ9によりロータリバルブ7を
回転するタイミングは、エンジン筒内圧によって駆動軸
8に軸方向の力がかからない期間すなわち、エンジンの
吸気行程又は排気行程中とすることが好ましい。かかる
回転タイミング制御は、アクチュエータ9をCPUなど
からなるコントローラに電気的に接続し、これの入力部
にエンジンないし燃料噴射ポンプの回転数検出センサ
(または回転角度検出センサ)からの信号を入力させ、エ
ンジンが上記行程であることが判別されたときにアクチ
ュエータ9に駆動信号を出力するようにすればよい。そ
して、コントローラに燃料噴射ポンプのラックセンサな
どによる負荷検出センサからの信号を同時に入力させ、
負荷と回転数のデータからあらかじめ形成した所定マッ
プによってアクチュエータに所定の駆動量(駆動回転角
度)、たとえば、低速、低負荷時→中速、中負荷時→高
速、高負荷時の順に漸次回転角が増加するような駆動制
御を行うことが好適である。
【0015】なお、実施例では噴孔35とロータリバル
ブ7の横孔730の数がそれぞれ5個であるがこれに限
られない。すなわち3個ないし9個程度の範囲から任意
に選択することができる。
【0016】
【実施例の作用】次に本発明の実施例の作用を説明す
る。加圧燃料は図示しない燃料噴射ポンプから配管を経
て加圧燃料口104に送られ、通路孔105,305を
介して油溜り301に押し込まれ、これから環状通路孔
Aを下る。この燃料圧は同時に油溜り301に位置して
いるノズルニードル4の受圧面42に作用し、燃料圧が
スプリング103のセット力に勝る圧力に達するとニー
ドルバルブ4はリフトされ、ニードルバルブ下端部のシ
ート面44がノズルボデイ3のシート面303から離間
し、開弁する。それにより加圧燃料はホール34に入
り、ロータリバルブ7の5個の入口側開口731から通
路孔73に流入する。前記ニードルバルブ4のリフト時
に継手シャフト8bもニードルバルブ4と一体に移動す
る。燃料圧が低下すれば、スプリング103の付勢力に
よりニードルバルブ4は押し下げられて閉弁されるため
燃料の噴射は終わり、継手シャフト8bはニードルバル
ブ4と一体に降下する。
【0017】図2と図3はニードルバルブ4の閉弁時の
状態を示しており、この状態においては、オルダムカッ
プリング10の上半部のテーパ状溝10aに継手ピン8
bのテーパ状突片800が深く嵌まりあい、オルダムカ
ップリング10の下半部のテーパ状溝10bに対しロー
タリバルブ7のテーパ状突片70が深く嵌まりあってい
る。このため、上半部ではテーパ状溝10aを構成する
斜め壁とテーパ状突片800を構成する斜め壁との間に
適当な隙間が創成され、下半部でもテーパ状溝10bを
構成する斜め壁とテーパ状突片70の斜め壁との間には
適度な隙間が創成される。そこでこの時点(吸気行程又
は排気行程の時期)にコントローラからアクチュエータ
9に駆動信号が送られ、エンジン又は燃料噴射ポンプの
回転数(または回転角度)と負荷に応じて出力軸が所要回
転角に駆動されれば、それが伝動要素90を介してロー
タリシャフト本体8aに伝達され、その回転トルクが継
手ピン8b→オルダムカップリング10→ロータリバル
ブ7に伝達されるが、ロータリバルブ7には軸線方向の
負荷がかかっていないため、円錐状壁72はホール34
の円錐状壁341とは強接しておらず、しかも前記テー
パ状溝10a,10bとテーパ状突片800,70の隙
間によるガタがあるため、容易かつスムーズに所望回転
角に回転させることができる。
【0018】図4と図5はニードルバルブ4の開弁状態
を示しており、このときには燃料噴射圧がロータリバル
ブ7の上面に作用し、かつ噴孔35の近傍では燃料の噴
射に伴い局所的に圧力が下がるため、ロータリバルブ7
は軸線方向に押圧されてホール34で円錐状壁72,3
41同士が強力に面接触して面シール状態となり、ここ
で摩擦力によって固定力が生ずる。また、ニードルバル
ブ4リフト時には継手ピン8も主部80と第2孔45b
との摩擦によって前記のようにリフトし、また燃料噴射
圧の一部がオルダムカップリング10と第1孔45aの
隙間を通って上昇し、継手ピン8bの太径部83の下面
に作用する。このため、第1孔45aと第2孔45bの
境界のエッジ450に円錐面82が強接し、ここでも固
定力が生ずる。このような2か所の摩擦力による固定力
は噴孔35にかかる噴射圧によるロータリバルブ回転方
向力よりも上回る。しかも同時に燃料噴射圧がオルダム
カップリング10の下面に作用し、オルダムカップリン
グ10を上方に押し上げる。通常のオルダムカップリン
グでは溝と突片とが垂直であり、溝と突片間には常にロ
ータリバルブ回転軸方向に隙間が存在するため、その隙
間によるガタでロータリバルブは微小に動いてしまい、
位置決め精度が不十分となってしまう。しかるに本発明
では、オルダムカップリング10の上昇移動に伴い、図
4のようにオルダムカップリング10の上半部のテーパ
状溝10aには継手ピン8bのテーパ状突片800が浅
く嵌まり、オルダムカップリング10の下半部のテーパ
状溝10bに対しロータリバルブ7のテーパ状突片70
が浅く嵌まりあう。このため、テーパ状溝10a,10
bを構成する斜め壁とテーパ状突片800,70を構成
する斜め壁との隙間(ガタ)が喪失し、くさび作用により
ロータリバルブ7とオルダムカップリング10とを一体
連結状態とすることができる。
【0019】以上のようなことから、ニードルバルブ4
の閉弁時に噴孔を変化させるべく所定角度回転されたロ
ータリバルブ7は、ニードルバルブ4の開弁時すなわち
燃料噴射時にはその位置に精度よく位置決めされた状態
でしっかりと固定され、振動や回転方向の変動が防止さ
れる。したがって、ロータリバルブ7の横孔730とホ
ール34の噴孔35はロータリバルブ7に与えられた回
転角どおりで遮蔽され、噴孔面積を無段階で任意に変化
させることができる。図8は噴孔35を1/4開口した
状態であり、図9は噴孔35を1/2開口した状態であ
る。前記噴孔径(噴孔面積)の変化はロータリバルブ7
を任意角度回転することによって得られ、低負荷時には
噴孔面積の減少に伴って燃料噴射圧力が高圧化され、噴
射期間は長くなる。これにより噴霧の微粒化の促進、噴
霧の空気過剰率の増大が期待でき、NOxが減少される
ようになる。また、高負荷時には、噴孔面積の増加に伴
って燃料噴射圧力は低圧化され、噴射期間を短くする。
これにより高負荷時に必要な流量の噴霧が全体的に均一
に分散されて供給されるようになり、安定した高出力の
燃焼が行なわれる。しかし、噴孔は通常の場合、入口か
ら出口まで径が同じとなった直筒状である。この場合に
はロータリバルブの周壁によって任意量を遮蔽しても、
燃料がロータリバルブの横孔から噴孔を通る間に噴孔径
に一致するボリュームの噴霧になってしまい、小孔径に
絞っても噴霧角は大孔径の噴霧角とほとんど変わらなく
なってしまう傾向となる。
【0020】しかるに本発明では、各噴孔35が最大噴
孔のときの噴射角に相当する角度で出口側開口351に
向かってラッパ状に開いているため、ノズルボデイの噴
霧に与える影響を少なくすることができる。すなわち、
図10(a)のように噴孔35の開度を大きくした場合に
はそれに則した大きな噴霧角で噴霧され、図10(b)の
ように噴孔35の開度を狭くした場合には、入口側開口
350のエッジによって燃料が絞られ、噴孔35の壁面
に接触しないように小さな噴霧角で噴霧され、密度が高
く、貫徹距離の長い噴霧形状を得ることができる。な
お、上記のようにロータリバルブ7とホール34が円錐
状壁72,341同士で面シールされるため、燃料の一
部がホール34とロータリバルブ外周面との間に沿って
円周方向に流れるいわゆる噴孔間燃料漏れが防止され、
それとともに第1孔45aと第2孔45bの境界のエッ
ジ450と継手ピン7bの円錐面82との面シールによ
ってロータリシャフト主部方向への燃料の漏れも防止さ
れる。それゆえ所期の噴射圧で噴霧を行うことができ
る。
【0021】加えて、本発明は大小の異なる噴孔を周方
向に交互に配置してそれらをロータリバルブの回転で選
択するのでなく、同じ噴孔径関係を持つ各噴孔の噴孔面
積を絞る形態となっている。したがって、噴孔面積を変
化させた場合に噴孔位置ないし噴霧位置はノズル円周方
向ではほとんど変化がなくほぼ一定である。したがっ
て、ホール状の燃焼室に斜め角度で噴射ノズルを取り付
けている場合にも、噴孔切換えで噴霧方向が変わらず略
同じ壁に噴霧することができるため、デッドゾーンが生
じない適切な霧化と燃焼状態を形成することが可能であ
り、燃焼室形状に適したノズルを得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によれ
ば、ニードルバルブの閉弁時にはロータリバルブを低ト
ルクで容易に回転することができ、ニードルバルブの開
弁時には燃料漏れを防止しながらロータリバルブを精度
よく位置決め・固定することができる。このため、噴孔
遮蔽面積を無段階的に任意にしかも精度良く変化させる
ことができ、また噴射位置がノズル周方向で変化しない
ため、エンジンの負荷と回転数に則した噴射圧力と噴射
量でかつ燃焼室形状にマッチした燃料噴霧を行うことが
でき、エンジン機関の性能向上に大きく寄与することが
できるというすぐれた効果が得られる。請求項2によれ
ば、ホール周壁の噴孔を出口側開口に向かって拡大する
ラッパ状としているため請求項1の特徴に加え、ノズル
ボデイによる噴霧の影響が少なくなり、ことに噴孔径
(噴孔面積)を小さく絞ったときに噴霧角の広がりを抑制
して噴霧することができ、噴孔径に則した適切な噴霧形
態を実現することができるというすぐれた効果が得られ
る。請求項3によれば、請求項1におけるロータリバル
ブ位置決め精度の向上と低トルク回転とを簡単な構造に
よって実現することができるというすぐれた効果が得ら
れる。請求項4によれば、請求項1や請求項2によるロ
ータリバルブの固定性能の向上効果を簡単な構造によっ
て一段と高めることができ、かつまたロータリシャフト
上方側への燃料漏れ防止をも達成することができるとい
うすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す縦断側面図である。
【図2】図1の部分的拡大図であり、ニードルバルブが
閉弁した状態を示している。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】図2からニードルバルブが開弁した状態を示す
部分的拡大図である。
【図5】図4のY−Y線に沿う断面図である。
【図6】本発明におけるロータリシャフト(継手シャフ
ト)とカップリングとロータリバルブを分解状態で示す
拡大斜視図である。
【図7】本発明におけるアジャスト機構の他の実施例を
示す部分切欠側面図である。
【図8】本発明における噴孔1/4開孔時の状態を示す
もので、(a)は噴孔とロータリバルブの通路孔との関係
を拡大した正面図、(b)はこのときの横断面図である。
【図9】本発明における噴孔1/2開孔時の状態を示す
もので、(a)は噴孔とロータリバルブの通路孔との関係
を拡大した正面図、(b)はこのときの横断面図である。
【図10】本発明における噴霧角と噴孔との関係を示す
説明図であり、(a)は噴孔径を大とした場合、(b)は噴孔
径を小とした場合を示している。
【図11】従来の噴孔選択型の燃料噴射ノズルを応用し
た場合の噴孔位置を示す断面図であり、(a)は大径噴孔
選択時、(b)は小径噴孔選択時の状態を示している。
【符号の説明】
3 ノズルボデイ 7 ロータリバルブ 8b 継手ピン 10オルダムカップリング 10a,10b テーパ状溝 10a’,10b’ テーパ状突片 34 ホール 35 噴孔 70,800 テーパ状突片 70’,800’ テーパ状溝 72,340 円錐状壁 73 通路孔 82 円錐面 450 エッジ
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズルの先端部にホールを設け、該ホール
    の周壁に複数個の噴孔を間隔をおいて形成する一方、噴
    孔に対応する間隔で通路孔を有するロータリバルブを前
    記ホール内に配し、前記噴孔とロータリバルブの通路孔
    の相関により噴孔面積を可変とした形式の燃料噴射ノズ
    ルであって、前記ホールの内壁とロータリバルブ外周を
    円錐状に構成するとともに、前記ロータリバルブとロー
    タリシャフトとを、ニードルバルブの閉弁時においては
    回転軸方向に隙間を創成しニードルバルブの開弁時には
    回転軸方向の隙間を消失しうるアジャスト機構を介して
    連結したことを特徴とする可変噴孔型燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】ノズルの先端部にホールを設け、該ホール
    の周壁に複数個の噴孔を間隔をおいて形成する一方、噴
    孔に対応する間隔で通路孔を有するロータリバルブを前
    記ホール内に配し、前記噴孔とロータリバルブの通路孔
    の相関により噴孔面積を可変とした形式の燃料噴射ノズ
    ルであって、前記ホールの内壁とロータリバルブ外周を
    円錐状に構成するとともに、前記ロータリバルブとロー
    タリシャフトとを、ニードルバルブの閉弁時においては
    回転軸方向に隙間を創成しニードルバルブの開弁時には
    回転軸方向の隙間を消失しうるアジャスト機構を介して
    連結し、かつ前記噴孔をホール外壁面の出口側開口に向
    かうほど拡大するラッパ状に構成したことを特徴とする
    可変噴孔型燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】アジャスト機構が、ロータリシャフトに連
    結される継手ピンとロータリバルブの間に、軸線方向に
    向かうほど幅の広がったテーパ状溝またはテーパ状突片
    を設けたオルダムカップリングを配し、ロータリバルブ
    と継手ピンには前記テーパ状溝またはテーパ状突片に対
    応するテーパ状突片またはテーパ状溝を設けてこれらを
    嵌めあわせた構成となっている請求項1または請求項2に
    記載の可変噴孔型燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】アジャスト機構よりも上方部位のロータリ
    シャフトないし継手ピンの外周とニードルバルブ軸心孔
    に円錐面とエッジからなるシート部を形成しているもの
    を含む請求項1ないし請求項3に記載の可変噴孔型燃料
    噴射ノズル。
JP5266096A 1996-02-16 1996-02-16 可変噴孔型燃料噴射ノズル Pending JPH09222061A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009222057A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Man Diesel Se 直接噴射のための噴射弁

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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