JPH092218A - 車両用制動装置 - Google Patents

車両用制動装置

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JPH092218A
JPH092218A JP22600995A JP22600995A JPH092218A JP H092218 A JPH092218 A JP H092218A JP 22600995 A JP22600995 A JP 22600995A JP 22600995 A JP22600995 A JP 22600995A JP H092218 A JPH092218 A JP H092218A
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disc
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Katsu Hayama
克 端山
Toshinori Kondo
俊則 近藤
Shinichi Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ディスクブレーキとドラムブレーキ
との型式の異なる組み合わせの制動装置において、ディ
スクブレーキとドラムブレーキを同時にブレーキ力を発
生させ、ディスクブレーキのパッドの早期摩耗を改善し
たことである。 【解決手段】前輪1と後輪2とがディスクブレーキ3と
ドラムブレーキ4との型式の異なる組み合わせのブレー
キを備えた車両用制動装置において、前記ディスクブレ
ーキ3を作動するエア供給系路にドラムブレーキ4に対
しディスクブレーキ3の作動油圧供給を遅らせる作動遅
延手段を備えた構成を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前輪と後輪とがデ
ィスクブレーキとドラムブレーキとの異なるブレーキ型
式の車両用制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の制動装置には、前,後輪ともドラ
ムブレーキ型式とディスクブレーキ型式との他にディス
クブレーキとドラムブレーキとの型式の異なる組み合わ
せのブレーキを備えたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ディスクブレーキの特
徴としては、初期ロスが極少であるため、わずかな液圧
(油圧)でもブレーキ力を発生する。一方、ドラムブレ
ーキはリターンスプリング力による初期ロスが存在する
ため、ブレーキ作動させるには、ある程度の液圧(油
圧)が必要である。
【0004】そこで、前記ディスクブレーキとドラムブ
レーキとの型式の異なる組み合わせの制動装置では、上
記のディスクブレーキとドラムブレーキとの性質により
弱いブレーキをかけると、ディスクブレーキの方がドラ
ムブレーキより先に効き、制動作用をディスクブレーキ
が背負い込むため、ディスクブレーキのパッドが早期摩
耗しやすい問題がある。
【0005】本発明の目的は、ディスクブレーキとドラ
ムブレーキとの型式の異なる組み合わせの制動装置にお
いて、ディスクブレーキとドラムブレーキを同時にブレ
ーキ力を発生させ、ディスクブレーキのパッドの早期摩
耗を改善したことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成要旨は、前輪と後輪とがディスクブレ
ーキとドラムブレーキとの型式の異なる組み合わせのブ
レーキと、ブレーキバルブによって制御されるエアによ
り油圧を発生して前記ディスクブレーキとドラムブレー
キのそれぞれを制動作動する空油倍力装置とを備えた車
両用制動装置において、前記ディスクブレーキを作動す
るエア供給系路に通常ブレーキ域及び強いブレーキ域の
何れにおいても、ドラムブレーキに対しディスクブレー
キの作動油圧供給を遅らせる作動遅延手段を備えたもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、図1で示すような車両
用制動装置、すなわち、ディスクブレーキ3を装備して
いる前輪1と、ドラムブレーキ4を装備している後輪2
とを有し、エアタンク5は、前輪用エアタンク5aと後
輪用エアタンク5bとに区画されており、前輪用エアタ
ンク5aと前輪用空油倍力装置9aとが配管6aで接続
され、後輪用エアタンク5bと後輪用空油倍力装置9b
とが配管6bで接続され、また、前記エアタンク5と
前,後輪用空油倍力装置9a,9bとの間の配管6a,
6bにはブレーキペダル8によって作動するブレーキバ
ルブ7が配置されている構成において、前記ディスクブ
レーキ3を作動するエア供給系路に通常ブレーキ域及び
強いブレーキ域の何れにおいても、ドラムブレーキ4に
対しディスクブレーキ3の作動油圧供給を遅らせる作動
遅延手段を備えたものである。
【0008】上記の構成により、ブレーキペダル8の踏
み込みによるブレーキバルブ7の作動により作動遅延手
段によって空油倍力装置9aの油圧発生をドラムブレー
キ4に対しディスクブレーキ3の方を遅らせ、その結
果、初期ロスが極少であるディスクブレーキ3とリター
ンスプリング力による初期ロスが存在するドラムブレー
キ4を同時にブレーキ力を発生させ、ディスクブレーキ
パッドの早期摩耗を防止する。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。先ず第1実施例における前記作動遅延手段は、ブレ
ーキバルブ7の第2ピストン7eの下部室に設けられて
いるスプリング7fのセット荷重を、ドラムブレーキ4
に供給するエア圧よりディスクブレーキ3に供給するエ
ア圧が大きなるようにしたものである。
【0010】前記ブレーキバルブ7は図2で示すよう
に、前輪用エアタンク5aと接続する入力ポート7h
と、前輪用空油倍力装置9aに接続してエア圧P1を出
力する出力ポート7iと、後輪用エアタンク5bと接続
する入力ポート7cと、後輪用空油倍力装置9bに接続
してエア圧P2を出力する出力ポート7dとを有し、前
記入力ポート7hと出力ポート7iとの間を開閉するロ
アフィールドバルブ7aと、前記入力ポート7cと出力
ポート7dとの間を開閉するアッパフィールドバルブ7
bとを有している。
【0011】前記ロアフィールドバルブ7a及びアッパ
フィールドバルブ7bはスプリングにより上昇付勢され
て閉止状態を保持している。前記アッパフィールドバル
ブ7bはブレーキペダル8の踏み込みにより下降動する
第1ピストン7jによってスプリングの上昇付勢力に抗
して下降し、入力ポート7cと出力ポート7dとを連通
する。
【0012】また、アッパフィールドバルブ7bとロア
フィールドバルブ7aとの間には第2ピストン7eが配
置されており、この第2ピストン7eの上部室と出力ポ
ート7dとを連通するプライマリエア通路7gを有し、
第2ピストン7eの下部室にはピストン7eを上昇付勢
するスプリング7fを有している。
【0013】前記第2ピストン7eはアッパフィールド
バルブ7bの開口により出力ポート7dのエアの一部が
プライマリエア通路7gを通って第2ピストン7eの上
部室に入り、第2ピストン7eをスプリング7fの上昇
付勢力に抗して押し下げ、第2ピストン7eよりロアフ
ィールドバルブ7aを開いて入力ポート7hと出力ポー
ト7iとを連通する。
【0014】前記ブレーキバルブ7の第2ピストン7e
の下部室に設けられているスプリング7fのセット荷重
を、ドラムブレーキ4に供給するエア圧よりディスクブ
レーキ3に供給するエア圧が大きなるようにした作動遅
延手段によると、出力ポート7dからプライマリエア通
路7gを介して供給されるエアによる第2ピストン7e
の下降作動が遅速となり、ロアフィールドバルブ7aが
アッパフィールドバルブ7bよりも遅れて開口する。
【0015】従って、ディスクブレーキ3を作動する前
輪用空油倍力装置9aに供給されるエアが後輪用空油倍
力装置9bよりも遅れた時間差が生じ、前輪用空油倍力
装置9aからディスクブレーキ3に供給する油圧がドラ
ムブレーキ4よりディスクブレーキ3の方が遅れ、その
結果、初期ロスが極少であるディスクブレーキ3とリタ
ーンスプリング力による初期ロスが存在するドラムブレ
ーキ4を同時にブレーキ力を発生させるのである。
【0016】本発明の第2実施例における前記作動遅延
手段は、ディスクブレーキ3の空油倍力装置9aのリタ
ーンスプリングのセット荷重を、ドラムブレーキ3の空
油倍力装置9bのリターンスプリングのセット荷重より
大きくしたものである。
【0017】前記前輪用空油倍力装置9aと後輪用空油
倍力装置9bとは同一の構造であり、説明の都合上で前
輪用空油倍力装置9aを図3によって説明する。10は
エアシリンダであり、このエアシリンダ10内にはパワ
ーピストン17が進退可能に内設されている。このパワ
ーピストン17によりエアシリンダ10内は前室11a
と後室11bとに区画されている。前記前室11a内に
はパワーピストン17を後退端の原位置に戻すリターン
スプリング13が設けられ、後室11b側のエアシリン
ダ10の後壁には前記ロアフィールドバルブ7a側の出
力ポート7iと配管6aで接続される入力ポート12が
設けられている。
【0018】前記パワーピストン17の中心にはピスト
ンロッド16の後端が結合され、このピストンロッド1
6の先端にはハイドロリックシリンダ14内に進退可能
に嵌挿されたハイドロリックピストン15が結合されて
いる。このハイドロリックピストン15には図示省略し
ている逆止弁が内蔵されており、ハイドロリックピスト
ン15の前進時には閉鎖され、後退時には開口して、図
1で示すリザーバ18と連通するようになっている。
【0019】そこで、前輪用空油倍力装置9aのリター
ンスプリング13のセット荷重を後輪用空油倍力装置9
bのリターンスプリングより大きくしたことである。こ
の前輪用空油倍力装置9aのリターンスプリング13の
セット荷重を後輪用空油倍力装置9bのリターンスプリ
ングより大きくした作動遅延手段では、ブレーキバルブ
7からエアP1がエアシリンダ10の後室11bに供給
されると、セット荷重が後輪用空油倍力装置9bのリタ
ーンスプリングより大きな前輪用空油倍力装置9aのリ
ターンスプリング13によってパワーピストン17の前
進速度が後輪用空油倍力装置9bのパワーピストンより
も遅速となり、前輪用空油倍力装置9aからディスクブ
レーキ3に供給する油圧がドラムブレーキ4よりディス
クブレーキ3の方が遅れ、その結果、初期ロスが極少で
あるディスクブレーキ3とリターンスプリング力による
初期ロスが存在するドラムブレーキ4を同時にブレーキ
力を発生させるのである。
【0020】本発明の第3実施例における前記作動遅延
手段は、ブレーキバルブとディスクブレーキの空油倍力
装置とを接続する配管にクイックリリースバルブを配置
したものである。
【0021】この本発明の第3実施例は図4で示すよう
に、ブレーキバルブ7のロアフィールドバルブ7aと前
輪用空油倍力装置9aとを接続する配管6aにクイック
リリースバルブ20を配置する。
【0022】このクイックリリースバルブ20は図5で
示すように、前記配管に6aが接続される入力ポート2
0aと、前記前輪用空油倍力装置9aに接続する出力ポ
ート20bと、大気に通じる排気ポート20cとを有
し、前記入力ポート20aと排気ポート20cとを開閉
する弾力性のあるゴム等の弁20dと、この弁20dを
入力ポート20a側へ押圧付勢する弁ばね20eとが内
設されている。
【0023】このような構成のクイックリリースバルブ
20は、ブレーキバルブ7のロアフィールドバルブ7a
が開いてエアが配管6aを介して入力ポート20aに導
入されると弁20dが弁ばね20eの押圧付勢力に抗し
て押し下げられ、入力ポート20aを開口し排気ポート
20cを閉止する。そして、入力ポート20aに導入さ
れたエアは出力ポート20bより前輪用空油倍力装置9
aに供給され、この前輪用空油倍力装置9aにより油圧
をディスクブレーキ3に供給して制動作動をする。
【0024】ブレーキバルブ7のロアフィールドバルブ
7aが閉止し、入力ポート20aへのエア導入がカット
されると、弁20dは弁ばね20eの押圧付勢力により
押し上げられて入力ポート20aが閉止し排気ポート2
0cが開口する。これにより、前輪用空油倍力装置9a
を作動していたエアが出力ポート20bを経由して排気
ポート20cより大気に排出され、ディスクブレーキ3
の前記制動作動を解除する。
【0025】そこで、クイックリリースバルブ20の弁
ばね20eのセット荷重を適切に設定(調整)すること
により、前輪用空油倍力装置9aのパワーピストン17
の前進速度が後輪用空油倍力装置9bのパワーピストン
よりも遅速となり、前輪用空油倍力装置9aからディス
クブレーキ3に供給する油圧がドラムブレーキ4よりデ
ィスクブレーキ3の方が遅れ、その結果、初期ロスが極
少であるディスクブレーキ3とリターンスプリング力に
よる初期ロスが存在するドラムブレーキ4を同時にブレ
ーキ力を発生させるのである。
【0026】すなわち、第1〜3実施例の何れにおいて
も図6で示すように、ディスクブレーキ3の油圧Aはド
ラムブレーキ4の油圧Bよりも通常ブレーキ域及び強い
ブレーキ域の何れにおいても、例えば、0.2kg/c
の程度の圧力差をもって常に遅延するのである。こ
れにより、制動作用をディスクブレーキ3が背負い込む
ことがなくなり、ディスクブレーキ3のパッドの早期摩
耗を防止する。
【0027】上記の実施例では、前輪1をディスクブレ
ーキ3とし、後輪2をドラムブレーキ4としたが、前輪
1をドラムブレーキ4とし、後輪2をディスクブレーキ
3とした組み合わせでも本発明を適用することが可能で
ある。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によると、前輪と後
輪とがディスクブレーキとドラムブレーキとの型式の異
なる組み合わせのブレーキにおいて、ドラムブレーキに
対しディスクブレーキの作動油圧供給を遅らせる作動遅
延手段を備えた構成により、初期ロスが極少であるディ
スクブレーキとリターンスプリング力による初期ロスが
存在するドラムブレーキを同時にブレーキ力を発生させ
ることができ、ディスクブレーキパッドの早期摩耗を防
止することができる利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図
【図2】本発明の第1実施例の作動遅延手段を備えたブ
レーキバルブの断面図
【図3】本発明の第2実施例の作動遅延手段を備えた空
油倍力装置の断面図
【図4】本発明の第3実施例の構成図
【図5】第3実施例の作動遅延手段を備えたクイックリ
リースバルブの断面図
【図6】本発明の特性図
【符号の説明】
1 前輪 2 後輪 3 ディスクブレーキ 4 ドラムブレーキ 5 エアタンク 5a 前輪用エアタンク 5b 後輪用エアタンク 6a 配管 6b 配管 7 ブレーキバルブ 7a ロアフィールドバルブ 7b アッパフィールドバルブ 7e 第2ピストン 7f スプリング 8 ブレーキペダル 9a 前輪用空油倍力装置 9b 後輪用空油倍力装置 10 エアシリンダ 13 リターンスプリング 14 ハイドロリックシリンダ 15 ハイドロリックピストン 17 パワーピストン 20 クイックリリースバルブ 20e 弁ばね

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪と後輪とがディスクブレーキとドラ
    ムブレーキとの型式の異なる組み合わせのブレーキと、
    ブレーキバルブによって制御されるエアにより油圧を発
    生して前記ディスクブレーキとドラムブレーキのそれぞ
    れを制動作動する空油倍力装置とを備えた車両用制動装
    置において、 前記ディスクブレーキを作動するエア供給系路に通常ブ
    レーキ域及び強いブレーキ域の何れにおいても、ドラム
    ブレーキに対しディスクブレーキの作動油圧供給を遅ら
    せる作動遅延手段を備えたことを特徴とする車両用制動
    装置。
  2. 【請求項2】 前記作動遅延手段は、ブレーキバルブの
    第2ピストンの下部室に設けられているスプリングのセ
    ット荷重を、ドラムブレーキに供給するエア圧よりディ
    スクブレーキに供給するエア圧が大きなるようにした請
    求項1に記載の車両用制動装置。
  3. 【請求項3】 前記作動遅延手段は、ディスクブレーキ
    の空油倍力装置のリターンスプリングのセット荷重を、
    ドラムブレーキの空油倍力装置のリターンスプリングの
    セット荷重より大きくした請求項1に記載の車両用制動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記作動遅延手段は、ブレーキバルブと
    ディスクブレーキの空油倍力装置とを接続する配管にク
    イックリリースバルブを設けた請求項1に記載の車両用
    制動装置。
  5. 【請求項5】 前輪をディスクブレーキとし、後輪をド
    ラムブレーキとしたブレーキ形式の組み合わせよりなる
    請求項1に記載の車両用制動装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010076623A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Toyota Motor Corp 自動車両制動装置
JP2013112246A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Suzuki Motor Corp 車両のブレーキ制御装置
JP5512849B1 (ja) * 2013-03-22 2014-06-04 ダイハツ工業株式会社 運転支援装置

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