JPH0922188A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH0922188A
JPH0922188A JP7172081A JP17208195A JPH0922188A JP H0922188 A JPH0922188 A JP H0922188A JP 7172081 A JP7172081 A JP 7172081A JP 17208195 A JP17208195 A JP 17208195A JP H0922188 A JPH0922188 A JP H0922188A
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JP
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magnetic
developer
sleeve
carrier
supporting means
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JP7172081A
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Masaaki Yamaji
雅章 山路
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 磁石ローラの設計度を高く、且つ、キャリア
付着を防止する。 【解決手段】 現像剤支持手段上における放射方向の磁
束密度Br〔ガウス〕と現像位置における現像剤支持手
段表面と磁界発生手段表面の距離X〔mm〕が30≦σ
1000≦100、Br≧4850×σ100
-0.34、0.4≦X≦−68.59×D-0.5×σ10
00-0.34 +4.6。 である磁気ブラシ現像装置。ここで、σ1000は磁界
の強さ1000ガウスにおける磁性キャリアの単位体積
当たりの磁化の強さ〔emu/cm3〕、Dは現像剤支
持手段21表面と現像剤支持手段の回転中心との距離
〔mm〕である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式ある
いは静電記録方式にて像担持体に形成された静電潜像を
可視化(現像)するための現像装置に関し、特に乾式現
像剤を用いて現像を行う現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写装置、静電記録装置、磁気
記録装置等の画像形成方法として、磁気ブラシ現像方法
が広く用いられている。この磁気ブラシ現像方法として
は磁性トナーを用いた1成分現像方式と非磁性トナーと
磁性キャリアからなる2成分現像剤を用いた2成分現像
方式がある。1成分の現像方式は、構成は簡単であるが
トナーに磁性体が含まれるため所望の色の画像を得るこ
とが困難である。一方、2成分現像方式は非磁性トナー
を用いているのでカラー画像を形成するのに適してい
る。
【0003】この2成分磁気ブラシ現像方法の1つとし
て現像容器に回転自在に取付けた現像剤支持手段として
の非磁性円筒(以下スリーブと称す)とこのスリーブ内
にあって固定された複数の磁極を配置した磁界発生手段
としての磁石ローラとスリーブ上の現像剤の層厚を規制
する現像剤層厚規制手段としての規制ブレードとを具備
し、スリーブの回転により現像剤を搬送するもので、像
担持体と略対向した現像位置に磁石(以下現像磁極と称
す)を配設し、磁気ブラシを像担持体に摺擦し現像を行
なう磁気ブラシ摺擦現像方法が広く知られている。
【0004】この種の現像方法は、現像領域へ現像に寄
与する現像剤を充分に供給することが出来るので、高画
像濃度を得ることが出来るが、現像位置において磁気ブ
ラシの穂が疎あるために、特にハイライト、ハーフトー
ン濃度領域においてガサツキのある貧弱な画像となる場
合があった。
【0005】また、近来、高画質画像の要求が高まって
おり、様々な原稿画像、特にフルカラー画像に対して大
きな要求となっている。従って、ベタ黒部の画像濃度を
十分に高く維持しながらハイライト部の再現性を良好に
し、ハーフトーン部においても緻密な画像を得ることが
必要とされてる。
【0006】このことから、例えば、2成分現像剤のト
ナー及び磁性キャリアを小粒径化すると画質は良好にな
るもののキャリア付着を生じ、ひどい場合は画像の欠損
を生じることがあった。
【0007】又、磁性キャリアの飽和磁化を小さくする
ことにより穂を緻密にする方法が試みられているが、こ
の場合もキャリア付着の問題を生じる。
【0008】このキャリア付着を防止するには、現像領
域において現像剤支持手段である現像ローラ上にキャリ
アを引きつける磁気的吸引力を大きくする必要がある。
【0009】そのために、磁石材料として希土類磁石等
の高磁力材料を用い、磁石ローラの磁束密度を大きくす
る方法があるが、コストが高くなる、装置が重くなる等
の問題がある。通常コストが安いことから、フェライト
系磁石が広く用いられている。
【0010】このフェライト系磁石を用いて、キャリア
付着を防止するには、即ち、スリーブ上にキャリアを引
きつける磁気的吸引力(以下磁気力とも称す)を大きく
するには、スリーブ上の磁束密度を大きくする方が有利
である。このことから、スリーブの肉厚を薄くし、スリ
ーブ表面〜磁石表面間の距離を小さくすることが試みら
れている。この場合、製造コスト、寸法精度の面から、
スリーブの材質はアルミニウムが好ましい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、磁石ローラの設計自由度が高く低コストであ
りながら、キャリア付着の抑制をし、且つ鮮明で高画質
な画像を得ることである。更に、鮮明で高画質な画像を
長期にわたって安定して得ることである。
【0012】本出願に係る第1の発明の目的は、低コス
トでありながら、キャリア付着を抑制すると共に、十分
に画像濃度が高く、かぶりがなく、画像のガサツキがな
く、濃度むらがなく、鮮明で高画質な画像を長期にわた
って得ることである。
【0013】本出願に係る第2の発明の目的は、上記第
1の発明の目的に加えて、鮮明で高画質な画像を安定し
て得ることである。
【0014】本出願に係る第3の発明の目的は、上記第
1の発明の目的に加えて、画像形成装置を簡単な構成と
しながら、鮮明で高画質な画像を更に安定して得ること
である。
【0015】本出願に係る第4の発明の目的は、上記第
1〜3の発明の目的に加えて、磁石ローラの設計自由度
が高くし、より高画質な画像を得ることである。
【0016】本出願に係る第5の発明の目的は、上記第
1〜3の発明の目的に加えて、現像装置のコストを更に
低くすることである。
【0017】本出願に係る第6の発明の目的は、上記第
1〜3の発明の目的に加えて、規制ブレード付近におけ
る現像剤によるスリーブへかかる圧力を低減して、鮮明
で高画質な画像を更に安定して得ることである。
【0018】
【問題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、本出願に係る第1の発明は、非磁性トナーと
磁性キャリアからなる2成分現像剤を用い、像担持体に
対向して相対移動し、内部に複数の磁界発生手段を具備
した現像剤支持手段と、現像剤支持手段上の現像剤の層
厚を規制する現像剤層厚規制手段とを具備し、像担持体
を現像する磁気ブラシ現像装置において、磁界発生手段
としてフェライト系磁石を用い、且つ、前記磁性キャリ
アの磁化の強さσ1000〔emu/cm3 〕と、現像
剤支持手段上における放射方向の磁束密度Br〔ガウ
ス〕と、現像位置における現像剤支持手段表面と磁界発
生手段表面の距離X〔mm〕が、下記式 30≦σ1000≦100 Br≧4850×σ1000-0.34 0.4≦X≦−68.59×D-0.5×σ1000-0.34
+4.6 とすることを特徴とする。
【0019】ここで、σ1000は磁界の強さ1000
ガウスにおける磁性キャリアの単位体積当たりの磁化の
強さ〔emu/cm3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現
像剤支持手段の回転中心との距離〔mm〕である。
【0020】上記構成において、磁性キャリアの磁化の
強さσ1000を30≦σ1000≦100にする手段
は鮮明で高画質な画像を得る作用があり、現像剤支持手
段上における放射方向の磁束密度BrをBr≧4850
×σ1000-0.34 にする手段はキャリア付着を抑制す
ることによりかぶりの抑制とキャリア付着の抑制の両立
する範囲を得る作用があり、磁界発生手段としてフェラ
イト系磁石を用いる手段は磁石ローラのコストを低くす
る作用があり、現像位置における現像剤支持手段表面と
磁界発生手段表面の距離Xを−68.59×D-0.5×σ
1000-0.34+4.6以下にする手段は前記キャリア
付着の抑制を達成する作用があり、現像位置における現
像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離Xを0.4
mm以上にする手段は現像剤支持手段の厚みを確保する
ことにより変形・摩耗を防止し、画像濃度のむらや画質
の変化を抑制する作用がある。
【0021】従って、上記構成にすることにより、低コ
ストにすると共に、キャリア付着を抑制しながら、十分
に画像濃度が高く、かぶりがなく、画像のガサツキがな
く、濃度むらがなく、鮮明で高画質な画像を長期にわた
って得ることが出来る。
【0022】上記目的を達成するため、本出願に係る第
2の発明は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成
分現像剤を用い、像担持体に対向し相対移動し、内部に
複数の磁界発生手段を具備した現像剤支持手段と、現像
剤支持手段上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制
手段とを具備し、像担持体を現像する磁気ブラシ現像装
置において、磁界発生手段としてフェライト系磁石を用
い、且つ、前記磁性キャリアの磁化の強さσ100〔e
mu/cm3 〕と、現像剤支持手段上における放射方向
の磁束密度Br〔ガウス〕と、現像位置における現像剤
支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X〔mm〕を、
下記式 30≦ σ1000≦100 Br≧5950×σ1000-0.36 0.4≦X≦−84.15×D-0.5×σ1000-0.36
+4.6 とすることを特徴とする。
【0023】ここで、σ1000は磁界の強さ1000
ガウスにおける磁性キャリアの単位体積当たりの磁化の
強さ〔emu/cm3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現
像剤支持手段の回転中心との距離〔mm〕である。
【0024】上記構成において、磁性キャリアの磁化の
強さσ1000を30≦σ1000≦100にする手段
は鮮明で高画質な画像を得る作用があり、現像剤支持手
段上における放射方向の磁束密度BrをBr≧5950
×σ1000-0.36 にする手段はキャリア付着を抑制す
ることによりかぶりの抑制とキャリア付着の抑制の両立
する範囲をより広く得る作用があり、磁界発生手段とし
てフェライト系磁石を用いる手段は磁石ローラのコスト
を低くする作用があり、現像位置における現像剤支持手
段表面と磁界発生手段表面の距離Xを−84.15×D
-0.5×σ1000-0.36 +4.6以下にする手段は前記
キャリア付着の抑制を達成する作用があり、現像位置に
おける現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X
を0.4mm以上にする手段は現像剤支持手段の厚みを
確保することにより変形・摩耗を防止し、画像濃度のむ
らや画質の変化を抑制する作用がある。
【0025】従って、上記構成にすることにより、低コ
ストにすると共に、キャリア付着を抑制しながら、十分
に画像濃度が高く、かぶりがなく、画像のガサツキがな
く、濃度むらがなく、鮮明で高画質な画像を長期にわた
って安定して得ることが出来る。
【0026】上記目的を達成するため、本出願に係る第
3の発明は、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成
分現像剤を用い、像担持体に対向して相対移動し、内部
に複数の磁界発生手段を具備した現像剤支持手段と、現
像剤支持手段上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規
制手段とを具備し、像担持体を現像する磁気ブラシ現像
装置において、磁界発生手段としてフェライト系磁石を
用い、且つ、前記磁性キャリアの磁化の強さσ100
〔emu/cm3 〕と、現像剤支持手段上における放射
方向の磁束密度Br〔ガウス〕と、現像位置における現
像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X〔mm〕
を、下記式 30≦ σ1000≦100 Br≧7950×σ1000-0.4 0.4≦X≦−112.42×D-0.5×σ1000-0.4
+4.6 とすることを特徴とする。
【0027】ここで、σ1000は磁界の強さ1000
ガウスにおける磁性キャリアの単位体積当たりの磁化の
強さ〔emu/cm3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現
像剤支持手段の回転中心との距離〔mm〕である。
【0028】上記構成において、磁性キャリアの磁化の
強さσ1000を30≦σ1000≦100にする手段
は鮮明で高画質な画像を得る作用があり、現像剤支持手
段上における放射方向の磁束密度BrをBr≧7950
×σ1000-0.4にする手段はキャリア付着をかなり良
く抑制することによりかぶりの抑制とキャリア付着の抑
制の両立する範囲をかなり広く得る作用があり、磁界発
生手段としてフェライト系磁石を用いる手段は磁石ロー
ラのコストを低くする作用があり、現像位置における現
像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離Xを−11
2.42×D-0 .5×σ1000-0.4+4.6以下にする
手段は前記キャリア付着の抑制を達成する作用があり、
現像位置における現像剤支持手段表面と磁界発生手段表
面の距離Xを0.4mm以上にする手段は現像剤支持手
段の厚みを確保することにより変形・摩耗を防止し、画
像濃度のむらや画質の変化を抑制する作用がある。
【0029】従って、上記構成にすることにより、低コ
ストにすると共に、画像形成装置を簡単な構成としなが
ら、キャリア付着を抑制し、十分に画像濃度が高く、か
ぶりがなく、画像のガサツキがなく、濃度むらがなく、
鮮明で高画質な画像を長期にわたって更に安定して得る
ことが出来る。
【0030】上記目的を達成するため、本出願に係る第
4の発明は、請求項1〜3に記載の磁気ブラシ現像装置
において、前記現像位置における現像剤支持手段表面と
磁界発生手段表面の距離X〔mm〕がX≦0.9である
ことを特徴とする。
【0031】上記構成において、現像位置における現像
剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離Xを0.9m
m以下にする手段は磁石ローラの設計自由度が高くする
作用があり、画像濃度がより高い画像を得たり、より鮮
明で高画質な画像を得たりすることが出来る。
【0032】上記目的を達成するため、本出願に係る第
5の発明は、請求項1〜4に記載の磁気ブラシ現像装置
において、前記現像剤支持手段が非磁性円筒のアルミニ
ウムからなることを特徴とする。
【0033】上記構成において、現像剤支持手段を非磁
性円筒のアルミニウムとする手段は製造コストを低くす
ることと、寸法精度を向上させることが出来る。
【0034】上記目的を達成するため、本出願に係る第
6の発明は、請求項1〜5に記載の磁気ブラシ現像装置
において、現像位置における現像剤支持手段表面と磁界
発生手段表面の距離をX1とし、現像剤層厚規制手段近
傍における現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距
離をX2としたときに、X1<X2であることを特徴と
する。
【0035】上記構成において、X1<X2とする手段
は、規制ブレード付近における現像剤によるスリーブへ
かかる圧力を低減して、鮮明で高画質な画像を更に安定
して得ることが出来る。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0037】図5は、本発明が適用できる画像形成装置
の第1の実施例を示す。図には省略したが、像担持体と
しての感光ドラム3の周囲には周知の電子写真プロセス
手段である帯電機構、画像露光機構、転写機構、クリー
ニング機構、除電機構等が配設されている。なお、本画
像形成装置は、画像露光手段としてレーザービームを用
い濃度信号をPWM変調している。
【0038】20は非磁性トナーと軟強磁性粒子(キャ
リア)を含む2成分現像剤Dを収納した容器である。2
1は、現像剤支持手段としてのアルミニウムの非磁性円
筒(スリーブ)であり、矢印に示す反時計方向に回転し
て、容器20内で供給された現像剤Dを支持搬送する。
この支持搬送された現像剤D中のトナーは現像領域にお
いて矢印方向に移動する感光ドラム3に形成された潜像
を可視化する。スリーブ21には、電源22により、交
流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加さ
れる。尚、振動バイアス電圧の波形としては矩形波、サ
イン波等が使用できる。25は、容器20の出口におい
てスリーブ21と小間隔を介して対向した現像剤層厚規
制ブレード(規制ブレード)で、スリーブが現像領域に
支持搬送する現像剤層の厚みを規制する。
【0039】非磁性スリーブ21内にはローラ状の磁石
23が固定配置されている。図示例では、この磁石23
は表面に3つのN極N1、N2、N3、及び2つのS極
S1、S2を有している。この磁極内、N3極と、N2
極は同極性であって、両者間に反発磁界を形成し、現像
領域を通過した現像剤をスリーブ21から一旦離脱させ
るのに寄与する。
【0040】スリーブ21から一旦離脱した現像剤は、
スクリュー24により容器内の現像剤と混合攪拌され
る。攪拌された現像剤はN2極の磁力によってスリーブ
21上に吸着され、S2極を経て現像領域に搬送され
る。
【0041】Lはスリーブ21の回転中心と感光ドラム
3の回転中心を結んだ一転鎖線であり、スリーブ21と
感光ドラム3の対向中心を示すものであり、この部分で
スリーブ21と感光ドラム3は最近接位置となってお
り、現像領域(現像位置)の中央位置でもある。
【0042】S1極は現像主極であり、θはスリーブ2
1の回転中心に対する現像主極S1と一点鎖線Lとの角
度である。即ち、現像主極S1はスリーブ21の回転方
向に対して現像中央位置よりも上流側に位置している。
現像主極S1を上流側に配置することにより画質が良好
になる。
【0043】なお、上流、下流という用語は現像進行方
向に関して用いられるものとする。
【0044】次に、キャリア付着について説明する。
【0045】キャリア付着とは、キャリアが感光ドラム
3に付着される現象であり、一般に非画像部に付着す
る。感光ドラムにキャリアが付着されると、転写時にお
いて転写材と感光ドラムの間にエアーギャップを生じ、
そのためこの部分での電界が弱まり、キャリアの近傍に
ある画像の転写が不十分となり、画像欠損を生じる場合
があった。このキャリアが転写材上に転写されると、転
写材の搬送中に、転写されたキャリアが転がる等により
転写材上を移動して、未定着画像を転写材上から擦り取
ることがあった。この未定着画像が擦り取られると、画
像欠損を生じ、転写材の汚染を生じる。又、転写材上の
キャリアは定着されないので、最終画像の汚染を生じ
る。更に、未定着のキャリアが定着時に移動し、他の画
像に欠損を生じることもあった。逆に、感光ドラムに付
着したキャリアが転写紙上に転写されずにそのまま残っ
ていると、クリーナーでキャリアを除去するときに感光
ドラムを傷つけてしまうことがあり、そのため画像に欠
損を生じることがあった。
【0046】又、トナーとキャリアは互いに逆極性に帯
電する。即ち、トナーが正に帯電する場合はキャリアは
負に、トナーが負に帯電する場合はキャリアは正に帯電
する。従って、トナーは画像部へ付着し、現像される
が、キャリアは非画像部に付着され易い。このキャリア
付着は非画像部とスリーブとのコントラスト電位(Vb
ack)に影響される。このVbackが小さい場合
は、非画像部にもトナーが付着する所謂「かぶり」を生
じ易く、逆にVbackが大きい場合は、非画像部に
「キャリア付着」を生じ易くなる。現像電界として直流
電界のみを印加する場合は、非画像部とスリーブとの間
にはVback電位がかかるだけであるが、本実施例の
ように振動バイアス電圧を印加する場合はに、最大「1
/2・振幅電圧(ピーク間電圧)+Vback」の電位
がかかるので、「キャリア付着」を生じ易くなる。上記
振動バイアスを用いる方法は、画質を向上させる効果は
あるものの、前述の様に「キャリア付着を生じ易い」と
いう問題がある。
【0047】又、本実施例のように画質を良好にするた
めに、磁界の強さ1000ガウスにおける磁化の大きさ
が小さいキャリアを用いる場合は、スリーブ上へキャリ
アを拘束する力が弱くなるので、「キャリア付着を生じ
易くなる」という問題がある。
【0048】このキャリア付着を防止するには、現像領
域において現像剤手段であるスリーブ上にキャリアを引
きつける磁気的吸引力を大きくする必要がある。
【0049】そのための方法としては、1)スリーブ上
の磁束密度を大きくすることと、2)磁束密度分布の形
状を工夫して現像領域(特に現像後半)における磁気力
を大きくすること(例えば現像領域後半に磁気力のピー
クを配置させる)等がある。一般にスリーブ上の磁束密
度は大きい程有利である。
【0050】次に、スリーブ上の磁束密度を大きくする
方法について具体的に説明する。
【0051】スリーブ上の磁束密度を大きくするには磁
石表面の磁束密度を大きくすればよいが、磁石の材質・
着磁方法によって異なるが磁束密度の大きさには限界が
ある。このように磁石表面の磁束密度の大きさには限界
があるが、以下に示す方法によれば、磁石表面の磁束密
度が同じであってもスリーブ上の磁束密度を大きくする
ことができる。
【0052】図6は、現像ローラの構成図であり、非磁
性スリーブ21内にはローラ状の磁石23が固定配置さ
れている。Xは磁石表面とスリーブ表面の距離、gは磁
石表面とスリーブ間の間隔(ギャップ)、tはスリーブ
の肉厚である。スリーブ上の磁束密度を大きくするには
前述の磁石表面とスリーブ表面の距離Xを短くすること
が効果的である。
【0053】磁石表面とスリーブ表面の距離を短くする
には、1)スリーブの肉厚を薄くする、2)スリーブと
磁石表面のギャップを狭くする、ことが必要である。
【0054】1)のスリーブの肉厚を薄くすると、スリ
ーブの強度が弱くなる、スリーブの寸法精度を出すのが
難しくなる、等の問題があり、2)のスリーブと磁石表
面のギャップを狭くしすぎると、スリーブと磁石表面が
擦れる場合があり、十分に機能を果たせない等の問題が
ある。従って、磁石表面とスリーブ表面の距離を短くす
ることには自ずと限界がある。
【0055】本実施例では、製造コストが安いことと寸
法精度の高いものが得られることから、スリーブの材質
としてはアルミニウムを使用して、スリーブの肉厚を
0.7mmとした。
【0056】次に本発明における磁束密度の測定法を説
明する。図7は現像スリーブ21上の法線方向の磁束密
度Brの測定法を説明するための図であり、ベル社のガ
ウスメータモデル640を用い測定した。図中、スリー
ブは水平に固定され、スリーブ内の磁石ローラ23は回
転自在に取付けられている。42はアキシャルプローブ
であり、スリーブとは若干の間隔を保ってスリーブ21
の中心とプローブ42の中心が略同一水平面になるよう
に固定され、ガウス41と接続しており、現像スリーブ
21上の法線方向の磁束密度を測定するものである。ス
リーブ21と磁石ローラ23は略同心円であり、スリー
ブ21と磁石ローラ23の間隔はどこでも等しいと考え
てよい。従って、磁石ローラ23を回転することによ
り、スリーブ21上の法線方向の磁束密度Brを周方向
全てに対して測定することができる。
【0057】磁石ローラは矢印方向に回転させているの
で、例えば、現像磁極S1よりも搬送磁極N1の角度は
大きな値となる。即ち、図7におけるスリーブの移動方
向に対して、下流側の方が角度が増える方向に測定して
いる。
【0058】尚、本実施例においては、負帯電性のトナ
ーを用い、反転現像を行なった。
【0059】次に、本発明における現像剤について説明
する。本発明に好適に使用される現像剤Dは、非磁性ト
ナーと磁性粒子(キャリア)とからなる2成分現像剤で
ある。
【0060】トナーとしてはバインダー樹脂に着色剤や
帯電制御剤等を添加した公知のものが使用でき、体積平
均粒径が4〜15μmのものが好適に使用できる。磁性
キャアとしては磁性体粒子の表面に極く薄い樹脂コーテ
ィングを施したもの等が好適に使用され、重量平均粒径
が5〜70μmのものが好ましい。そして抵抗値が10
7 Ω・cm以上、好ましくは108 Ω・cm以上のもの
が好適に使用できる。
【0061】本発明者が実験により確認したところ、ガ
サツキのない緻密な画像を得るには磁性キャリアのσ1
000を100emu/cm3以下にすることが有効で
あることが解かった。これは、磁性キャリアのσ100
0を100emu/cm3以下にすることにより現像ス
リーブ上の磁気ブラシ密度を高めることができ、その為
ガサツキのない緻密な画像が得られたものと思われる。
一方、磁性キャリアのσ1000を30emu/cm3
より小さくすると、現像スリーブ上での現像剤の搬送性
が悪くなり、現像画像の画質が劣化したり、現像剤の飛
散が生じやすくなるので、σ1000を30emu/c
3以上にすることが好ましい。従って、下記式(1)
と言う条件を満たせばよい。
【0062】30≦σ1000≦100 …(1) 更に、本発明者が磁性キャリアのσ1000に着目して
検討したところ、以下に示すことが判明した。
【0063】図8は、磁性キャリアのσ1000の異な
る種々の現像剤を用いて、現像装置の回転トルクを測定
したものである。現像剤中の磁性キャリアの磁気特性と
現像装置の回転トルクに相関があり、磁性キャリアのσ
1000の値が小さい方が回転トルクが小さいという傾
向があった。この回転トルクは主に規制ブレードにおい
て規制された現像剤が規制ブレード付近に溜まり、次々
と搬送されてくる現像剤により大きな圧力がかかること
から生じるものと思われる。磁性キャリアのσ1000
の値が小さければ、現像剤がスリーブへ引きつけられる
磁気的吸引力が小さいことから、規制ブレード付近に現
像剤が溜まりにくくなり、回転トルクが減少するものと
思われる。又、この回転トルクが小さい方が現像装置の
コストを安価にできる。この回転トルクの目安を4kg
fcmとする場合、磁性キャリアのσ1000は100
emu/cm3以下にすることが有効である。
【0064】図9は、磁性キャリアのσ1000の異な
る種々の現像剤を用いて、現像装置を一定時間空回転し
た後、画像を形成し、画質のレベル(ガサツキの少な
さ)を評価したものであり、数値が大きい程良好である
ことを示している。A,B,Cは磁性キャリアのσ10
00が各々205,66,98の現像剤である。図に示
すように現像剤中の磁性キャリアの磁気特性と画質のレ
ベルに相関があり、磁性キャリアのσ1000の値が小
さい方が画質のレベルが良好であるという傾向があっ
た。この様に磁性キャリアのσ1000の値を小さくす
ることにより、画像のガサツキがなく、鮮明で高画質な
画像を長期にわたって安定して得ることができる。
【0065】この様に、磁性キャリアのσ1000の値
を100emu/cm3以下にすることによりキャリア
付着の抑制をし、且つ鮮明で高画質な画像を安定して維
持することが出来る。
【0066】尚、スリーブ21には、電源22により、
交流電圧に直流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加
される。潜像の暗部電位(背景部電位)と明部電位(可
視部電位)は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値
の間に位置している。これによって現像部に向きが交互
に変化する交番電界が形成される。この交番電界中でト
ナーとキャリアは激しく振動しトナーがスリーブ及びキ
ャリアへの静電的拘束を振り切って潜像に対応して感光
ドラム3に付着する。振動バイアス電圧の最大値と最小
値の差(ピーク間電圧)は1〜5kVが好ましく、また
周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧
の波形は矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。そ
して上記直流電圧成分VDCは潜像の明部電位VDと明
部電位VLの間の値のものであり、画像を形成するため
のコントラスト電位Vc=|VL−VDC|,画像形成
を抑制するためのコントラスト電位(バック電位と称
す)Vb=|VD−VDC|である。このバック電位V
bが小さいと暗部電位領域へのカブリトナーの付着を発
生しやすくなり、逆に大きくすると暗部電位領域へのカ
ブリトナーの付着を抑制する上では好ましいが、キャリ
ア付着を発生しやすくなる。従って、バック電位Vb
は、暗部電位領域へのカブリトナーの付着を防止するの
に十分大きな値で、キャリア付着を抑制するのに十分小
さな値であることが好ましい。また、感光ドラム3とス
リーブ21の最近接距離(SDギャップと称す)は0.
2〜1.0mmであることが好ましい。
【0067】規制ブレード25で規制されて現像領域に
搬送される現像剤量は、現像主極による現像領域での磁
界により形成される現像剤の磁気ブラシのスリーブ表面
上での高さが、感光ドラム3を取り去った状態で、前記
スリーブ、感光ドラム間の最近接距離SDギャップの
1.2〜3倍となるような量であることが好ましい。
【0068】このような現像装置を用いて本発明者がキ
ャリア付着に関して感光ドラム3とスリーブ21の最近
接距離(SDギャップと称す)に対する依存性について
着目して検討したところ、以下に示すことが判明した。
【0069】まず数値例につき説明する。本実施例にお
いては、負帯電性のポリエステル系樹脂で体積平均粒径
8μmのトナーとフェライト粒子に極く薄い樹脂コーテ
ィングを施した重量平均粒径45μmの磁性キャリアか
らなる2成分現像剤を使用した。この磁性キャリアは、
磁化の強さσ1000が66emu/cm3で、透磁率
が約5.0のものを用いた。感光ドラム3の暗部電位
(背景部電位)を−700V、明部電位(可視部電位)
を−200Vとした。スリーブ21に印加する振動バイ
アス電圧22は、周波数が2KHz、ピーク間電圧Vp
−pが2KVの交流電圧に、直流電圧−550Vを重畳
したものである。従って、画像を形成するためのコント
ラスト電位のDC成分Vcは350Vとなり、画像形成
を抑制するためのコントラスト電位(バック電位)のD
C成分Vbは150Vとなる。感光ドラム3の周速は1
60mm/sec、外径80mm、現像スリーブ21の
周速は280mm/secとした。スリーブ21の外径
は32.0mm、肉厚tは0.7mm、磁石ローラ23
の外径は30.2mm、磁石23とスリーブ21との間
隔gは0.2mmとした。従って磁石23表面とスリー
ブ21表面間の距離Xは、0.9mmとなる。このと
き、スリーブ21内に固定する磁石である現像主極S1
のスリーブ表面上での、スリーブ表面に対する法線方向
の磁束密度のピーク値は1490ガウスであった。感光
ドラム3とスリーブ21の最近接距離は0.2〜1.0
mmとした。
【0070】上記構成で、画像形成を行ない、キャリア
付着の検討をした結果を、表1に示す。
【0071】(実験例1)
【0072】
【表1】
【0073】実験例1−1〜3に示すように感光ドラム
3とスリーブ21の最近接距離0.2〜1.0mmでキ
ャリア付着は全て良好であった。
【0074】次に、キャリア付着に関して感光ドラム3
とスリーブ21の最近接距離SDギャップに対する依存
性についてより詳しく調べるために、キャリア付着を発
生しやすい条件で、上記と同様の検討をした。即ち、ス
リーブ21に印加するバイアスの直流電圧を−450V
とした。従って、キャリアを付着する方向に働くコント
ラスト電位、即ちバック電位Vbは250Vとなる。そ
の結果を、表2に示す。
【0075】
【表2】
【0076】実験例1−4〜6に示すように感光ドラム
3とスリーブ21の最近接距離0.2〜1.0mmでや
やキャリア付着を生じたが、レベルは同等であった。
【0077】この様に、感光ドラム3とスリーブ21の
最近接距離であるSDギャップが0.2〜1.0mmの
範囲で、キャリア付着はSDギャップに殆ど依存しない
ことが解かった。
【0078】詳細は後述するが、本発明者が実験により
確認したところ、キャリア付着を抑制するためには磁性
キャリアの磁化の強さσ1000が小さい程磁束密度を
大きくする必要があり、この両者には、相関があった。
又、SDギャップが0.2〜1.0mmの範囲で、キャ
リア付着はSDギャップに殆んど依存しないことが解か
っていることから、「磁性キャリアの磁化の強さσ10
00」に対応して「キャリア付着を抑制するために必要
なスリーブ表面上での法線方向の磁束密度のピーク値」
が決定されると考えてもよい。
【0079】ここで、「キャリア付着を抑制する」一手
段として、バック電位Vbを小さくする方法があるが、
前述したようにバック電位Vbを小さくすると「かぶ
り」を生じ易くなるので、「キャリア付着を抑制する」
条件としては、「カブリOK」で且つ「キャリア付着O
K」のバック電位Vbの範囲,即ち「キャリア付着―カ
ブリラチチュード」を調べることが重要である。
【0080】次に、「キャリア付着―カブリラチチュー
ド」の適正値について述べる。
【0081】感光ドラム3の潜像形成は、常に同一とい
う訳ではなく、経時・環境等により暗部電位・明部電位
等が変化する。又、現像特性も変化する。従って、「カ
ブリOK」で且つ「キャリア付着OK」の範囲,即ち
「キャリア付着―カブリラチチュード」が一点でもあれ
ば、実用上問題がないというわけではない。経時・環境
等に対応して暗部電位VD・明部電位VL・バイアス電
圧の直流電圧成分VDCを制御してコントラスト電位V
c・バック電位Vbを制御することにより、ある程度の
「キャリア付着―カブリラチチュード」があれば、実用
上使用可能となるが、これにも限度がある。又、シビア
に制御すればする程コストが大きくなる。本発明者が種
々の検討した経験上、「キャリア付着―カブリラチチュ
ード」が150V以上であれば、低コストでありなが
ら、経時・環境等が変化しても実用上問題がなく長期に
わたって、「カブリ」,「キャリア付着」共に非常に良
好な画像が得られる。又、「キャリア付着―カブリラチ
チュード」が125V以上であれは、長期にわたって、
「カブリ,「キャリア付着」共に比較的良好な画像が得
られる。又、「キャリア付着―カブリラチチュード」が
100V以上あれば、ある程度精密な制御をすることに
より、長期にわたって、「カブリ」,「キャリア付着」
共に良好な画像が得られる。しかし、「キャリア付着―
カブリラチチュード」が100V未満の場合は、極めて
高精度の制御をしなければ、長期にわたって、「カブ
リ」,「キャリア付着」共に良好な画像が得られないた
め、装置が極めて高コストとなり、実用的でない。
【0082】以上から、「キャリア付着―カブリラチチ
ュード」の評価に関して「ラチチュード」が150V以
上ある場合を「非常に良好」,「ラチチュード」が12
5V以上ある場合を「かなり良好」,「ラチチュード」
が100V以上ある場合を「良好」,「ラチチュード」
が100V未満の場合を「不良」とした。
【0083】上記構成で、感光ドラム3とスリーブ21
の最近接距離であるSDギャップを0.5mmとし、種
々の磁性キャリアを用いることにより「磁性キャリアの
磁化の強さσ1000」を変化させ、表3に示す種々の
現像ローラを用いることにより「スリーブ表面上での法
線方向の磁束密度のピーク値」を変化させて、更にバッ
ク電位Vbを変化させて、画像形成し、画質・キャリア
付着・カブリの評価を行った結果を、表4に示す。尚、
バック電位Vbは25V間隔で変化させた。
【0084】(実験例2)
【0085】
【表3】
【0086】表4において、記号の意味は下記の通り 「ガサツキ」の評価に関して A:「ガサツキ」がなく、非常になめらかな画質 B:「ガサツキ」が目立たなく、になめらかな画質 C:「ガサツキ」が目立つ 「カブリOK」に関して 25V間隔で変化させたバック電位Vbの中で「カブリ
OK」となる最も小さい値を表記した。従って、表記電
圧を含めてこれよりも大きい電圧にすると「カブリO
K」となる。 「キャリア付着OK」に関して 25V間隔で変化させたバック電位Vbの中で「キャリ
ア付着OK」となる最も大きい値を表記した。従って、
表記電圧を含めてこれよりも小さい電圧にすると「カブ
リOK」となる。 「ラチチュード」に関して 25V間隔で変化させたバック電位Vbの中で「カブリ
OK」となる最も小さい値と「キャリア付着OK」とな
る最も大きい値の差を表記した。この値が「カブリO
K」で且つ「キャリアOK」の範囲である。 「キャリア付着−カブリラチチュード」の評価に関して A:「ラチチュード」が150V以上あり、非常に良好 B:「ラチチュード」が125V以上あり、かなり良好 C:「ラチチュード」が100V以上あり、良好 D:「ラチチュード」が100V未満であり、不良 「総合評価」に関して □:「ガサツキ」,「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」共に非常に良好 ◎:「ガサツキ」が非常に良好で、「キャリア付着−カ
ブリラチチュード」がかなり良好 ○:「ガサツキ」が非常に良好で、「キャリア付着−カ
ブリラチチュード」が良好 △:「ガサツキ」が非常に良好で、「キャリア付着−カ
ブリラチチュード」が不良又は、「ガサツキ」がある程
度良好で、「キャリア付着−カブリラチチュード」が良
好〜非常に良好 ×:「ガサツキ」がある程度良好で、「キャリア付着−
カブリラチチュード」が不良又は、「ガサツキ」が不良
【0087】
【表4】
【0088】
【表5】
【0089】感光ドラム3の潜像形成は、常に同一とい
う訳ではなく、経時・環境等により暗部電位・明部電位
等が変化する。又、現像特性も変化する。従って、「カ
ブリOK」で且つ「キャリアOK」の範囲、即ち「キャ
リア付着−カブリラチチュード」が一点でもあれば、実
用上問題がないというわけではない。経時・環境等に対
応して暗部電位VD・明部電位VL・バイアス電圧の直
流電圧成分VDCを制御してコントラスト電位Vc・バ
ック電位Vdを制御することにより、ある程度の「キャ
リア付着−カブリラチチュード」があれば、実用上使用
可能となるが、これにも限度がある。又、シビアに制御
すればする程コストが大きくなる。本発明者が種々の検
討をした経験上、「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」が150V以上あれば、低コストでありながら、経
時・環境等が変化しても実用上問題がなく長期にわたっ
て、「カブリ」,「キャリア付着」共に非常に良好な画
像が得られる。又、「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」が125V以上であれば、長期にわたって、「カブ
リ」,「キャリア付着」共に比較的良好な画像が得られ
る。又、「キャリア付着−カブリラチチュード」が10
0V以上であれば、ある程度精密な制御をすることによ
り、長期にわたって、「カブリ」,「キャリア付着」共
に良好な画像が得られる。しかし、キャリア付着−カブ
リラチチュード」が100V未満の場合は、極めて高精
度の制御をしなければ、長期にわたって、「カブリ」,
「キャリア付着」共に良好な画像が得られないため、装
置が極めて高コストとなり、実用的でない。
【0090】表4に示す結果から、「ガサツキ」に関し
ては、磁界の強さσ1000と相関があり、実験例2−
10〜43に示すようにσ1000が100以下の場合
は「ガサツキ」がなく、非常になめらかな画質が得られ
たが、実験例2−1〜9に示すようにσ1000が10
0よりも大きい場合は前記よりも劣ることが解る。
【0091】次に、「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」に関して、「キャリア付着−カブリラチチュード」
が非常に良好である150V以上のものに着目すると、
これを達成するのに必要な磁束密度Brは磁界の強さσ
1000と相関があり、磁束密度Brが8000×σ1
000-0.4以上の時に達成できる。次に、「キャリア付
着−カブリラチチュード」がかなり良好である125V
以上のものに着目すると、これを達成するのに必要な磁
束密度Brは磁界の強さσ1000と相関があり、磁束
密度Brが5950×σ1000-0.36 以上の時に達成
できる。次に、「キャリア付着−カブリラチチュード」
が良好である100V以上のものに着目すると、これを
達成するのに必要な磁束密度Brは磁界の強さσ100
0と相関があり、磁束密度Brが4850×σ1000
-0.34 以上の時に達成できる。
【0092】即ち、「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」150V以上を得る為に必要な磁束密度Brは、下
記式(2)となり、同125V,100V以上を得る為
に必要な磁束密度Brは、各々下記式(3),(4)と
なる。
【0093】 Br≧7950×σ1000-0.4 …(2) Br≧5950×σ1000-0.36 …(3) Br≧4850×σ1000-0.34 …(4)
【0094】上述したように、「ガサツキ」がなく、非
常になめらかな画質を得るにはσ1000が100(e
mu/cm3 )以下であればよく、一方、磁性キャリア
のσ1000を30(emu/cm3 )より小さくする
と、現像スリーブ上での現像剤の搬送性が悪くなり、現
像画像の画質が劣化したり、現像剤の飛散が生じやすく
なるので、σ1000を30(emu/cm3 )以上に
することが好ましい。従って、式(1)…30≦σ10
00≦100と言う条件を満たせばよい。
【0095】図1は、実験例2−1〜42に示す総合評
価を示し、更に、「キャリア付着−カブリラチチュー
ド」が非常に良好である式(2),かなり良好である式
(3),良好である式(4)を示したものであり、更
に、「ガサツキ」がなく、非常になめらかな画質を得て
且つ現像剤の搬送性が良好な式(1)の領域を示してい
る。図において、横軸は磁性キャリアの磁化の強さσ1
000(emu/cm3 )を示し、縦軸はスリーブ表面
上での法線方向の磁束密度Brを示す。太斜線の領域
は、式(1)と式(2)を満たす領域であり、細斜線の
領域は、式(1)と式(3)を満たす領域であり、ドッ
ト形状の領域は、式(1)と式(4)を満たす領域であ
る。「総合評価」で「ガサツキ」,「キャリア付着−カ
ブリラチチュード」共に非常に良好な□印は太斜線の領
域にあり、「ガサツキ」が非常に良好で且つ「キャリア
付着−カブリラチチュード」がかなり良好な◎は細斜線
の領域にあり、「ガサツキ」が非常に良好で且つ「キャ
リア付着−カブリラチチュード」が良好な○印はドット
形状の領域にあり、上記以外の評価である○印は上記太
斜線、細斜線、ドット形状の領域以外に位置しており、
実験と式が良く一致していることが解る。
【0096】ところで、前述したようにスリーブ表面上
の磁束密度を大きくするには磁石表面とスリーブ表面の
距離Xを小さくすることが効果的である。
【0097】次に、低コストで汎用性の磁石であるフェ
ライト系磁石を用いて、本発明者が磁束密度Brと磁石
表面とスリーブ表面の距離Xと関係について調べたとこ
ろ、スリーブの外径が約32.0mmの場合、Br=−
400X+1840の関係があることが解った。
【0098】(実験例3)スリーブの外径を約32.0
mmとして、スリーブの肉厚tと、磁石ローラの外径を
変化させることにより、磁石表面とスリーブ表面の距離
Xを変化させて、スリーブ表面上での法線方向の磁束密
度のピーク値との関係を調べた結果を、表5に示す。
【0099】
【表6】
【0100】表5に示す結果から、磁束密度Brと磁石
表面とスリーブ表面の距離Xと関係は、Br=−400
X+1840を満足することが解る。
【0101】ところで、前述したようにスリーブ表面上
の磁束密度を大きくするには磁石表面とスリーブ表面の
距離Xを小さくすることが効果的である。
【0102】次に、前述フェライト系磁石を用いて、本
発明者がスリーブの外径を変化させ、磁束密度Brと磁
石表面とスリーブ表面の距離Xと関係について調べたと
ころ、スリーブの外径をD(mm)とすると、下記式B
r=root(D/32)×(−400X+1840)
…(5)の関係があることが解った。
【0103】(実験例4)スリーブの外径を20.0m
m,24.5mm,32.0mmとして、磁石ローラの
外径を変化させることにより、磁石表面とスリーブ表面
の距離Xを変化させて、スリーブ表面上での法線方向の
磁束密度のピーク値との関係を調べた結果を、表6に示
す。
【0104】
【表7】
【0105】表6に示す結果から、磁束密度Brとスリ
ーブ外径D及び磁石表面とスリーブ表面の距離Xと関係
はBr=root(D/32)×(−400X+184
0)を満足することが解る。
【0106】図2は、実験例4−1〜12の各スリーブ
外径Dにおける磁石表面とスリーブ表面の距離Xと磁束
密度Brの関係を示したものであり、横軸は磁石表面と
スリーブ表面の距離Xを示し、縦軸はスリーブ表面上で
の法線方向の磁束密度Brを示す。○印はスリーブ外径
32.0mmを示し、実線はその実験式を示しており、
□印はスリーブ外径24.5mmを示し、点線はその実
験式を示しており、△印はスリーブ外径20.0mmを
示し、一点鎖線はその実験式を示している。実験値と実
験式が良く一致していることが解る。
【0107】ところで、スリーブ表面上の磁束密度を大
きくするには磁石表面とスリーブ表面の距離Xをできる
だけ小さくすることが効果的であるが、その為には、前
述したように1)スリーブの肉厚tを薄くする、2)ス
リーブと磁石表面の間隔gを狭くする、ことが必要であ
る。しかし、1)のスリーブの肉厚tを薄くすると、ス
リーブの強度が弱くなる、スリーブの寸法精度を出すの
が難しくなる、等の問題があり、2)のスリーブと磁石
表面の間隔gを狭くしすぎると、スリーブと磁石表面が
擦れる場合があり、十分に機能を果たせない等の問題が
ある。従って、磁石表面とスリーブ表面の距離を短くす
ることには自ずと限界がある。
【0108】本発明者が検討したところ、スリーブと磁
石表面の間隔gは0.2mm以上あれば、実用上機能を
果たせることが解った。更に検討したところ、以下に示
す工夫をすれば、スリーブと磁石表面の間隔gが0.1
mm以上あれば、機能を果たせることが解った。
【0109】(実験例5)図10は、現像ローラの構成
図であり、非磁性スリーブ21内には略ローラ状の磁石
23が固定配置されており、磁石23の現像主極S1は
他の部分よりも段差d1だけ肉厚が大きくなっている。
X1は現像主極部における磁石表面とスリーブ表面の距
離、g1は現像主極部における磁石表面とスリーブ間の
間隔(ギャップ)、tはスリーブの肉厚である。X2は
規制ブレード部における磁石表面とスリーブ表面の距
離、g2は規制ブレード部における磁石表面とスリーブ
間の間隔(ギャップ)である。
【0110】キャリア付着を防止する必要から、現像主
極S1の磁束密度は大きい方が好ましく、規制ブレード
付近に溜まっている現像剤による圧力(磁気的吸引力)
を低減するためにはカット極S2の磁束密度は小さい方
が好ましい。
【0111】この様に現像主極部分に段差を設けて距離
X1を短くすることにより現像主極S1の磁束密度を効
果的に増大させながら、カット極S2の磁束密度を効果
的に低減させることが出来る。
【0112】次に数値例につき説明すると、本実施例に
おいては、スリーブ21の外径は32.0mm、肉厚t
は0.7mm、磁石ローラ23の外径は30.0mm、
現像主極部における磁石23とスリーブ21との間隔g
1は0.1mm、規制ブレード部における磁石23とス
リーブ21との間隔g2は0.3mmとした。従って現
像主極部における磁石23表面とスリーブ21表面間の
距離Xは、0.8mm、規制ブレード部における磁石2
3表面とスリーブ21表面間の距離X2は、1.0mm
となる。
【0113】このとき、スリーブ21内に固定する磁石
である現像主極S1のスリーブ上の磁束密度は1520
ガウス、カット極S2のスリーブ上の磁束密度は720
ガウスであった。
【0114】上記構成で、感光ドラム3とスリーブ21
の最近接距離であるSDギャップを0.5mmとし、実
験例1と同様の条件にて(即ち、磁化の強さσ1000
が66emu/cm3 の磁性キャリアを用いて)画像形
成を行ったところ、カブリがなく、キャリア付着がなく
「キャリア付着−カブリラチチュード」が150V以上
で非常に良好であり、低濃度(ハイライト領域)、中間
濃度領域(ハーフトーン領域)の再現性が良好で、画像
のガサツキがなく、非常になめらかで、濃度むらがな
く、鮮明で高画質な画像が長期にわたって安定して得ら
れた。
【0115】この様に、現像主極部における磁石表面と
スリーブ表面との間隔は0.1mm以上あれば、使用可
能であることが解った。
【0116】次に、本発明者が検討したところ、以下に
示すように、スリーブの肉厚tは0.3mm以上あれ
ば、実用上機能を果たせることが解った。
【0117】(実験例6)スリーブの外径を約32.0
mmとして、スリーブの肉厚tが0.5mm,0.3m
m,0.2mmの現像ローラを用いて、実験例6と同様
の条件にて(即ち、磁化の強さσ1000が66emu
/cm3 の磁性キャリアを用いて)画像形成を行ったと
ころ、スリーブの肉厚tが0.5mm,0.3mmの場
合は、カブリがなく、キャリア付着がなく、画像のガサ
ツキがなく、濃度むらがなく、鮮明で高画質な画像が長
期にわたって安定して得られたが、スリーブの肉厚tが
0.2mmの場合は、画像の濃度むらを生じた。スリー
ブの肉厚が薄い場合は、スリーブが変形してスリーブ上
の現像剤のコートにむらを生じて、その為、画像の濃度
むらを生じたものと思われる。
【0118】この様に、スリーブの肉厚tは0.3mm
以上あれば、使用可能であることが解った。又、前述し
たように、現像主極部における磁石表面とスリーブ表面
との間隔は0.1mm以上であれば、使用可能であるこ
とも解っている。従って、磁石表面とスリーブ表面の距
離Xが0.4mm以上あれば、使用可能であるといえ
る。
【0119】次に、良好な「キャリア付着−カブリラチ
チュード」を得るために、磁石表面とスリーブ表面の距
離Xをどのような値にすればよいかについて説明する。
【0120】前述したように、「キャリア付着−カブリ
ラチチュード」150V,125V,100V以上を得
る為に必要な磁束密度Brは、各々下記式(2),
(3),(4)となる。
【0121】 Br≧7950×σ1000-0.4 …(2) Br≧5950×σ1000-0.36 …(3) Br≧4850×σ1000-0.34 …(4)
【0122】又、フェライト系磁石を用いた場合の、磁
束密度Brと磁石表面とスリーブ表面の距離Xとの関係
については下記式(5)となる。
【0123】 Br=root(D/32)×(−400X+1840)…(5)
【0124】式(2),(3),(4)と式(5)よ
り、「キャリア付着−カブリラチチュード」150V,
125,100V以上を得るのに必要な磁束密度Brを
得る為には磁石表面とスリーブ表面の距離Xは、各々下
記式(6),(7),(8)となる。
【0125】 X≦−112.42×D-0.5×σ1000-0.4+4.6 …(6) X≦−84.15×D-0.5×σ1000-0.36 +4.6 …(7) X≦−68.59×D-0.5×σ1000-0.34 +4.6 …(8)
【0126】更に、磁石表面とスリーブ表面の距離Xは
実用上0.4mm以上必要であることから、実用上使用
可能で且つ「キャリア付着−カブリラチチュード」15
0V,125V,100V以上を得るのに必要な磁石表
面とスリーブ表面の距離Xは、各々下記式(9),(1
0),(11)となる。
【0127】 0.4≦X≦−112.42×D-0.5×σ1000-0.4+4.6 …(9) 0.4≦X≦−84.15×D-0.5×σ1000-0.36 +4.6 …(10) 0.4≦X≦−68.59×D-0.5×σ1000-0.34 +4.6 …(11)
【0128】図3は、磁性キャリアの磁化の強さσ10
00に対して「キャリア付着−カブリラチチュード」が
良好で、強度的にも実用上使用可能な現像ローラの磁石
表面とスリーブ表面の距離Xを示したものであり、横軸
は磁性キャリアの磁化の強さσ1000を示し、縦軸は
磁石表面とスリーブ表面の距離Xを示す。図3(a)は
スリーブ外径32.0mmの例で、図3(b)はスリー
ブ外径20.0mmの例であり、実線は「キャリア付着
−カブリラチチュード」が150V以上と非常に良好で
ある式(9)を示しており、点線は「キャリア付着−カ
ブリラチチュード」が125V以上とかなり良好である
式(10)を示しており、一点鎖線は「キャリア付着−
カブリラチチュード」が100V以上と良好である式
(11)を示している。更に、σ1000=30,σ1
000=100を細点線で示している。この2つの細点
線の間が、現像剤の搬送性が良好で、画像のガサツキが
なく、非常になめらかな画質を得る範囲であり、式
(1)を満たしている。
【0129】太斜線の領域は、式(1)と式(9)を満
たす領域であり、搬送性が良好で「ガサツキ」が非常に
良好で且つ「キャリア付着−カブリラチチュード」が非
常に良好な領域である。細斜線の領域は、式(1)と式
(10)を満たす領域であり、搬送性が良好で「ガサツ
キ」が非常に良好で且つ「キャリア付着−カブリラチチ
ュード」がなり良好な領域である。ドット形状の領域
は、式(1)と式(11)を満たす領域であり、搬送性
が良好で「ガサツキ」が非常に良好で且つ「キャリア付
着−カブリラチチュード」が良好な領域である。
【0130】次に、本発明者が検討したところ、以下に
示すように、磁石表面とスリーブ表面の距離Xを0.9
mm以下にすることにより、現像ローラの設計自由度が
高くすることができ、画像濃度がより高い画像を得た
り、より鮮明で高画質な画像を得たりすることが出来
る。
【0131】例えば、図11、図12は、現像主極にお
ける現像スリーブ21上の磁束密度分布の形態を説明す
るための図であり、現像スリーブ21上の垂直方向の磁
束密度と位置(現像スリーブの回転中心に対する角度)
を示している。図11においては実線は磁石表面とスリ
ーブ表面の距離Xを0.9mm以下にした場合である
が、磁束密度分布がシャープになっているが、磁石表面
とスリーブ表面の距離Xを離していくと、点線で示すよ
うに磁束密度分布がなまってブロードの形状となってい
る。又、図12において実線は磁石表面とスリーブ表面
の距離Xを0.9mm以下にした場合であるが、磁束密
度のピークが2つあり、中央にやや凹みを有した矩形形
状となっている。しかし、磁石表面とスリーブ表面の距
離Xを離していくと、点線で示すように磁束密度分布が
なまって1つのブロードの形状となっている。
【0132】上述のように磁束密度分布の形状を精密に
制御しようとしても、磁石表面とスリーブ表面の距離X
を大きくすると、磁束密度分布がなまってしまい、うま
く制御できない。本発明者が検討したところ、磁石表面
とスリーブ表面の距離Xを0.9mm以下にすることに
より、所望の磁束密度分布の形状が得られた。
【0133】この様に磁石表面とスリーブ表面の距離X
を0.9mm以下にすることにより現像ローラの設計自
由度を高くすることができるので、画像濃度がより高い
画像を得たり、より鮮明で高画質な画像を得たりするこ
とが出来る。
【0134】図4は、図3の磁石表面とスリーブ表面の
距離Xを0.9mm以下にしたものであり、この様にす
ることにより、図3の効果に加えて、現像ローラの設計
自由度を高くすることができるものであり、画像濃度が
より高い画像を得たり、より鮮明で高画質な画像を得た
りすることが出来る。
【0135】(測定方法)次に、現像剤の各種物性の測
定方法について説明する。
【0136】○非磁性トナーの体積平均粒径の測定の仕
方 体積平均粒径は100μmのアパーチャーを使用しコー
ルターカウンターTA−IIを使用して測定した。
【0137】即ち、測定装置としてはコールターカウン
ターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平均
分布、体積平均分布を出力するインターフェース(日科
機製)及びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン
製)を接続し電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%
NaCl水溶液を調製する。
【0138】測定方としては前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更に
測定試料0.5〜50mgを加える。
【0139】試料を懸濁した電解液は超音波分散液で約
1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンター
TA−II型により、アパーチャーとして100μmの
アパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を
測定して体積平均分布を求める。
【0140】これら求めた体積平均分布より、体積平均
粒径を得る。
【0141】○磁性キャリアの重量平均粒径の測定の仕
方 キャリアの重量平均粒径は以下の通りにして測定でき
る。即ち、まず以下の手順でキャリアの粒度分布を測定
する。
【0142】1.試料約100gを0.1gの桁まで計
り取る。
【0143】2.篩は、100メッシュから400メッ
シュの標準篩(以下篩という)を用い、上から100,
145,200,250,350,400の大きい順に
積み重ね底には受け皿を置き、試料は一番上の篩に入れ
て蓋をする。
【0144】3.これを振動機によって水平旋回数毎分
285±6回、衝動回数毎分150±10回で15分間
ふるう。
【0145】4.ふるった後、各篩及び受け皿内の鉄粉
を0.1gの桁まで計り取る。
【0146】5.重量百分率で小数第2位まで算出し、
JIS−Z8401によって小数第1位まで丸める。但
し、篩の枠の寸法は篩面から上の内径が200mm、上
面から篩面までの深さが45mmであること。
【0147】各部のキャリア粒子の重量の総和は、始め
取った試料の質量の99%以下であってはならないこ
と。又、平均粒径は上述の粒度分布測定値より、下式に
従って求める。 平均粒径(μm)=((メッシュ篩の残量)×140+
(145メッシュ篩の残量)×122+(200メッシ
ュ篩の残量)×90+(250メッシュ篩の残量)×6
8+(350メッシュ篩の残量)×52+(400メッ
シュ篩の残量)×38(全篩通過量)×17)/100
【0148】キャリアの500メッシュ以下の量は50
g入り試料量を500メッシュ標準篩に乗せて下から吸
引して重量減少から算出する。
【0149】○磁性キャリアの抵抗値の測定の仕方 磁性キャリア粒子の抵抗値の測定は測定電極面積4cm
2 、電極間間隔0.4cmのサンドイッチタイプのセル
を用い、片方の電極1kg重量の加圧下で、両電極間の
印加電圧E(V/cm)を印加して、回路に流れた電流
から磁性粒子の抵抗値を測定した値である。
【0150】○磁性キャリアの磁気特性測定の求め方 磁性キャリアの磁気特性測定値は、理研電子株式会社の
直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50を用い
て、最大10000エルステッドの磁場中に置かれた磁
性粒子の磁化を測定し、記録紙に描かれたヒステリシス
曲線に基づいて求めた。この際、直径(内径)6.5m
m、高さ10mmの円柱状の容器にキャリアを荷重約2
g重程度で充填し、容器内でキャリアが動かないように
してその磁化の強さを測定する。
【0151】
【発明の効果】以上説明したように、本出願に係る第1
の発明によれば、低コストにすると共に、キャリア付着
・カブリ等を抑制し、且つ画像のガサツキがなく、鮮明
で高画質な画像を安定して維持することが出来る。
【0152】また、本出願に係る第2の発明によれば、
低コストにすると共に、キャリア付着・カブリ等をより
良好に抑制し、且つ画像のガサツキがなく、鮮明で高画
質な画像を安定して維持することが出来る。
【0153】また、本出願に係る第3の発明によれば、
低コストにすると共に、キャリア付着・カブリ等を非常
に良好に抑制し、且つ画像のガサツキがなく、鮮明で高
画質な画像を安定して維持することが出来る。
【0154】また、本出願に係る第4の発明によれば、
上記第1〜3の発明に加えて、磁石ローラの設計自由度
を高くすることが出来る。
【0155】また、本出願に係る第5の発明によれば、
上記第1〜3の発明に加えて、現像装置のコストを更に
低くすることが出来る。
【0156】また、本出願に係る第6の発明によれば、
上記第1〜3の発明に加えて、規制ブレード付近におけ
る現像剤によるスリーブへかかる圧力を低減して、高画
質な画像を更に安定して得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性キャリアの磁化の強さと磁束密度の関連の
好適範囲の説明図。
【図2】磁石表面〜スリーブ表面の距離と磁束密度の関
連の説明図。
【図3】磁性キャリアの磁化の強さと磁石表面とスリー
ブ表面との距離の関連の好適範囲の説明図。
【図4】磁性キャリアの磁化の強さと磁石表面とスリー
ブ表面との距離の関連の好適範囲の説明図。
【図5】本発明を適用した現像装置の一実施例の断面
図。
【図6】本発明の一実施例に用いた現像ローラの断面
図。
【図7】現像スリーブ上の法線方向の磁束密度の測定法
の説明図。
【図8】磁性キャリアの磁化と現像装置の回転トルクの
関係の説明図。
【図9】磁性キャリアの磁化と耐久後の画質との関係の
説明図。
【図10】現像ローラの断面図。
【図11】スリーブ上の磁束密度分布形態の説明図。
【図12】スリーブ上の磁束密度分布形態の説明図。
【符号の説明】
3 感光ドラム(像担持体) 21 現像スリーブ 22 振動バイアス電源 23 磁石 25 規制ブレード S1 現像主極 S2 カット極 X、X1、X2 磁石表面とスリーブ表面との距離 t スリーブの肉厚 g、g1、g2 磁石表面とスリーブとの間隔 D 現像剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性トナーと磁性キャリアからなる2
    成分現像剤を用い、像担持体に対向して相対移動し、内
    部に複数の磁界発生手段を具備した現像剤支持手段と、
    現像剤支持手段上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚
    規制手段とを具備し、像担持体を現像する磁気ブラシ現
    像装置において、磁界発生手段としてフェライト系磁石
    を用い、且つ、前記磁性キャリアの磁化の強さσ100
    0〔emu/cm3 〕と、現像剤支持手段上における放
    射方向の磁束密度Br〔ガウス〕と、現像位置における
    現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X〔m
    m〕が、下記式 30≦ σ1000≦100 Br≧4850×σ1000-0.34 0.4≦X≦−68.59×D-0.5×σ1000-0.34
    +4.6 であることを特徴とする磁気ブラシ現像装置。ここで、
    σ1000は磁界の強さ1000ガウスにおける磁性キ
    ャリアの単位体積当たりの磁化の強さ〔emu/cm
    3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現像剤支持手段の回転
    中心との距離〔mm〕である。
  2. 【請求項2】 非磁性トナーと磁性キャリアからなる2
    成分現像剤を用い、像担持体に対向して相対移動し、内
    部に複数の磁界発生手段を具備した現像剤支持手段と、
    現像剤支持手段上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚
    規制手段とを具備し、像担持体を現像する磁気ブラシ現
    像装置において、磁界発生手段としてフェライト系磁石
    を用い、且つ、前記磁性キャリアの磁化の強さσ100
    0〔emu/cm3 〕と、現像剤支持手段上における放
    射方向の磁束密度Br〔ガウス〕と、現像位置における
    現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X〔m
    m〕が、下記式 30≦ σ1000≦100 Br≧5950×σ1000-0.36 0.4≦X≦−84.15×D-0.5×σ1000-0.36
    +4.6 であることを特徴とする磁気ブラシ現像装置。ここで、
    σ1000は磁界の強さ1000ガウスにおける磁性キ
    ャリアの単位体積当たりの磁化の強さ〔emu/cm
    3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現像剤支持手段の回転
    中心との距離〔mm〕である。
  3. 【請求項3】 非磁性トナーと磁性キャリアからなる2
    成分現像剤を用い、像担持体に対向して相対移動し、内
    部に複数の磁界発生手段を具備した現像剤支持手段と、
    現像剤支持手段上の現像剤の層厚を規制する現像剤層厚
    規制手段とを具備し、像担持体を現像する磁気ブラシ現
    像装置において、磁界発生手段としてフェライト系磁石
    を用い、且つ、前記磁性キャリアの磁化の強さσ100
    0〔emu/cm3 〕と、現像剤支持手段上における放
    射方向の磁束密度Br〔ガウス〕と、現像位置における
    現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の距離X〔m
    m〕が、下記式 30≦σ1000≦100 Br≧7950×σ1000-0.4 0.4≦X≦−112.42×D-0.5×σ1000-0.4
    +4.6 であることを特徴とする磁気ブラシ現像装置。ここで、
    σ1000は磁界の強さ1000ガウスにおける磁性キ
    ャリアの単位体積当たりの磁化の強さ〔emu/cm
    3 〕,Dは現像剤支持手段表面と現像剤支持手段の回転
    中心との距離〔mm〕である。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の磁気ブラシ現像装
    置において、前記現像位置における現像剤支持手段表面
    と磁界発生手段表面の距離X〔mm〕が、X≦0.9で
    あることを特徴とする磁気ブラシ現像装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の磁気ブラシ現像装
    置において、前記現像剤支持手段が非磁性円筒のアルミ
    ニウムからなることを特徴とする磁気ブラシ現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の磁気ブラシ現像装
    置において、現像位置における現像剤支持手段表面と磁
    界発生手段表面の距離をX1とし、現像剤層厚規制手段
    近傍における現像剤支持手段表面と磁界発生手段表面の
    距離をX2としたときに、X1<X2であることを特徴
    とする磁気ブラシ現像装置。
JP7172081A 1995-07-07 1995-07-07 現像装置 Withdrawn JPH0922188A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6895203B2 (en) 2002-02-01 2005-05-17 Ricoh Company, Ltd. Developing method and apparatus using two-ingredient developer with prescribed coating of particles and resin

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6895203B2 (en) 2002-02-01 2005-05-17 Ricoh Company, Ltd. Developing method and apparatus using two-ingredient developer with prescribed coating of particles and resin
US7095971B2 (en) 2002-02-01 2006-08-22 Ricoh Company, Ltd. Developing method and apparatus using two-ingredient developer with prescribed coating of particles and resin
US7283774B2 (en) 2002-02-01 2007-10-16 Ricoh Company, Ltd. Developing method using a two-ingredient type developer and image forming apparatus using the same

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