JPH09221413A - 養毛剤 - Google Patents

養毛剤

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JPH09221413A
JPH09221413A JP8052302A JP5230296A JPH09221413A JP H09221413 A JPH09221413 A JP H09221413A JP 8052302 A JP8052302 A JP 8052302A JP 5230296 A JP5230296 A JP 5230296A JP H09221413 A JPH09221413 A JP H09221413A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 男性型禿頭のみではなく、加齢に伴う薄毛・
脱毛にも有効で、しかも副作用や安全性の面で問題のな
い養毛剤を得る。 【解決手段】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
剤とパセリ(Petroselium saticum)の抽出物を併用し
て成る。テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤とし
ては特に、セージ(Salvia officinalis L.)、ホップ(Hu
mulus lupulus L.)、ローズマリー(Rosmarinus officin
alis L.)、オトギリソウ(Hypericum erectum Thunb.)、
ハッカ(Mentha arvensis L.var.piperascens Malin
v.)、セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)、カミツレ
(Matricaria chamomilla L.)、アルニカ(Arnica montan
a L.)、タイム(Thymus vulgaris L.)のエタノール抽出
物から選択した、1種又は2種以上よりなることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養毛剤に関する。
テストステロン5α−リダクターゼ阻害剤の養毛効果を
相乗的に向上させ、しかも副作用のない養毛剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】男性型禿頭や脱毛症は、男性ホルモンの
過剰によるといわれている。特に毛根、皮脂腺等の器官
におけるこの男性ホルモンの本体は、これら標的器官に
おいてテストステロンがテストステロン5α−リダクタ
ーゼ(TSR)によって還元されて生成する、5α−ジ
ヒドロテストステロン(DHT)であることが知られて
いる。すなわち、精巣や副腎で生合成され分泌されたテ
ストステロン(男性ホルモン)は、血流によって皮脂腺
に到達し、皮脂腺細胞中のTSRによってDHTに変換
される。このDHTは細胞内の受容体と結合し、核に作
用して皮脂腺細胞の増殖を促す一方、毛母細胞にも作用
してその細胞分裂を抑制し、毛の成長を妨げるものとさ
れる。
【0003】そこで、従来男性型禿頭や脱毛症の治療に
は、エストラジオール等の女性ホルモン作用を有する物
質や、酢酸シプロテロン等の抗男性ホルモン作用を有す
る物質、強い酸化力を有する物質,二酸化塩素(ClO2
等)が用いられてきた。しかし、ホルモン剤や酸化剤
は、副作用や安全性の面で問題があり、化粧料への配合
が不可能なものや、医師の管理下でのみ使用が可能なも
のばかりであった。
【0004】そのため、副作用や安全性の面で問題がな
く、化粧料などに配合の可能な薬草抽出物のスクリーニ
ングを行った結果、セージ(Salvia officinalis L.)、
ホップ(Humulus lupulus L.)、ローズマリー(Rosmarinu
s officinalis L.)、オトギリソウ(Hypericum erectum
Thunb.)、ハッカ(Mentha arvensis L.var.piperascens
Malinv.)、セイヨウハッカ(Mentha piperita L.)、カミ
ツレ(Matricaria chamomilla L.)、アルニカ(Arnica mo
ntana L.)、タイム(Thymus vulgaris L.)のエタノール
抽出物が、TSR阻害活性を有することが明らかとなっ
た(特公平6−47554)。
【0005】しかしながら脱毛症には、頭皮の血流も深
く関与することが知られており、特に加齢に伴う薄毛・
脱毛の場合は、TSR阻害剤のみでは充分な養毛効果が
得られなかった。
【0006】また、パセリ(Petroselium saticum
は、セリ科(Umbelliferae)の2年生の草本植物であ
り、原産は地中海であるが全世界で主に食用を目的とし
て栽培されている。このパセリ抽出物の皮膚外用剤への
応用としては、美白効果(特開昭54−49344)、
口臭予防効果(特公昭61−40646)等が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におい
ては、男性型禿頭のみではなく、加齢に伴う薄毛・脱毛
にも有効で、しかも副作用や安全性の面で問題のない養
毛剤を得ることを目的とした。
【0008】
【発明を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、植物抽出物の中からスクリーニングを行った結果、
TSR阻害剤とパセリ(Petroselium saticum)の抽出
物を併用することにより、相乗的に良好な養毛効果が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明で使用されるTSR阻害剤としては
特に限定されないが、好ましくはセージ(Salvia offici
nalis L.)、ホップ(Humulus lupulus L.)、ローズマリ
ー(Rosmarinus officinalis L.)、オトギリソウ(Hyperi
cum erectum Thunb.)、ハッカ(Mentha arvensis L.var.
piperascens Malinv.)、セイヨウハッカ(Mentha piperi
ta L.)、カミツレ(Matricaria chamomilla L.)、アルニ
カ(Arnica montana L.)、タイム(Thymus vulgaris L.)
のエタノール抽出物から選ばれる1種又は2種以上が用
いられる。
【0010】セージ(Salvia officinalis L.)、ホップ
(Humulus lupulus L.)、ローズマリー(Rosmarinus offi
cinalis L.)、オトギリソウ(Hypericum erectum Thun
b.)、ハッカ(Mentha arvensis L.var.piperascens Mali
nv.)、セイヨウハッカ(Menthapiperita L.)、カミツレ
(Matricaria chamomilla L.)、アルニカ(Arnica montan
a L.)、タイム(Thymus vulgaris L.)のエタノール抽出
物製造方法は、好ましくは、前記薬草の乾燥粉末を9
9.5%又は50%エタノールに1g/10mlの割合
で各々浸漬し、1週間静置した後濾過して調製される。
【0011】本発明で使用されるパセリの抽出物を得る
際の、抽出部位は特に限定されないが、中でも葉,茎,
根,種子部分から抽出するのが好ましい。抽出時には、
葉,茎,根,種子等を単独で、あるいは2種以上を組み
合わせてもよく、また全草を用いることもできる。ま
た、パセリを生のまま若しくは乾燥した状態で抽出する
ことができる。
【0012】抽出溶媒としても特に限定されないが、
水、エタノール,メタノール,1,3-ブチレングリコー
ル,グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,イソ
プロピルアルコール等のアルコール類、アセトン,エー
テル,テトラヒドロフラン等の有機溶媒等が例示され、
これらを単独で又は2種以上を混合して用いることがで
きる。また、抽出効率を高めるために、モノラウリン酸
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等の界面活性剤
を添加してもよい。
【0013】さらに、抽出方法としては、室温,冷却又
は加温した状態で含浸させて抽出する方法、水蒸気等の
蒸留法を用いて抽出する方法、生のパセリから圧搾して
抽出物を得る圧搾法等が例示され、これらの方法を単独
で又は2種以上を組み合わせて抽出を行う。
【0014】また、抽出物としては、粗抽出物をそのま
ま、若しくは粗抽出物を精製,分画したものを用いるこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、上記TSR阻害
剤及びパセリ抽出物の養毛剤への配合量は、それぞれ
0.001〜5重量%が適当である。配合量が0.00
1重量%以下であると、十分な養毛効果が得られない
が、あまり多量に配合する必要もない。
【0016】本発明にかかる養毛剤は、ローション,油
剤,乳剤,クリーム,軟膏等の形態をとることができ
る。またさらに、通常のボトルやジャーに充填した形状
の他、エアゾールフォーム,スプレー等の形状をとるこ
ともできる。
【0017】本発明においてはさらに必要に応じて、本
発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、医薬品等に一
般に用いられている油性基剤、エモリエント剤、ゲル化
剤、各種乳化剤、香料、酸化防止剤、防腐剤、染料等の
着色剤、メントール等の清涼剤、殺菌剤、湿潤剤等の各
種成分を添加配合することができる。
【0018】さらに、細胞賦活,保湿,血行促進,抗炎
症,収れん,抗菌,抗酸化,皮脂抑制作用等の生理活性
を有するアロエ,イタドリ,イラクサ,ウイキョウ,エ
ンメイソウ,オウバク,オランダガラシ,カキドオシ,
カンゾウ,キナ,キンギンカ,キュウリ,クジン,ゲン
チアナ,ゲンノショウコ,ゴボウ,コウスイハッカ,サ
ンショウ,ジュウヤク,ショウキョウ,シラカンバ,ス
ギナ,セイヨウキズタ,セイヨウノコギリソウ,センブ
リ,タチジャコウソウ,チョウジ,チンピ,トウガラ
シ,トウキンセンカ,トウキ,トウヒ,ニンジン,ノイ
チゴ,ハマボウフウ,ハマメリス,バラ,フキタンポ
ポ,ヘンナ,ボダイジュ,ホホバ,マルメロ,マロニ
エ,ヤグルマギク,ヤドリギ,ユーカリ,ユキノシタ,
ユリ,ラベンダー等の植物抽出物及びこれらの抽出物の
分画,精製物をパセリ抽出物と併用することにより、相
乗効果を発揮する。
【0019】
【実施例】さらに本発明の特徴について、実施例により
詳細に説明する。
【0020】 [実施例1]フォームタイプ養毛剤 (原液処方) (1)ジメチルポリシロキサン 5.0(重量%) (2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2.0 (3)精製水 69.8 (4)ジプロピレングリコール 7.0 (5)エタノール 15.0 (6)香料 0.1 (7)パセリ(99.5%エタノール)抽出物 0.7 (8)ホップ(99.5%エタノール)抽出物 0.4 (充填処方) 原液 90.0 液化石油ガス 10.0 (1)を(2)〜(4)の溶解物に添加し、ホモミキサーで均
一に乳化する。これに(5)〜(8)の溶解液を添加して原
液を調製する。充填は、缶に原液を充填し、バルブ装着
後、ガスを充填する。
【0021】 [実施例2]クリームタイプ養毛剤 (1)流動パラフィン 15.0(重量%) (2)ワセリン 15.0 (3)ミツロウ 2.0 (4)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1 (5)精製水 58.75 (6)カルボキシビニルポリマー 0.1 (7)キサンタンガム 0.1 (8)グリセリン 5.0 (9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3.0 (10)水酸化ナトリウム 0.05 (11)パセリ(50%エタノール)抽出物 0.3 (12)ローズマリー(50%エタノール)抽出物 0.6 (1)〜(4)の油相成分及び(5)〜(9)の水相成分を加熱溶
解し75℃に調整する。攪拌しながら油相成分を水相成
分に加え、ホモミキサーを用いて均一に乳化する。冷却
後40度で(10)の成分を添加しpHを調整後、(11)と(1
2)を添加,混合,均一化する
【0022】 [実施例3]ローションタイプ養毛剤 (1)1,3−ブチレングリコール 2.0(重量%) (2)グリセリン 1.0 (3)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.5 (4)メチルフェニルポリシロキサン 1.0 (5)コラーゲン加水分解物 1.0 (6)エタノール 50.0 (7)パラオキシ安息香酸メチル 0.2 (8)精製水 43.3 (11)パセリ(70%エタノール)抽出物 0.5 (12)オトギリソウ(70%エタノール)抽出物 0.5 (1)〜(12)の全成分を混合均一化する。
【0023】 [実施例]トニックタイプ養毛剤 (1)エタノール 50.0(重量%) (2)精製水 49.4 (3)パセリ(50%エタノール)抽出物 0.3 (4)TSR阻害剤 0.3 前記処方にてトニックタイプ養毛剤の実施例4〜12及
び比較例1〜3を定法に従い調製した。実施例4〜12
に配合したTSR阻害剤の種類及び比較例1〜3のパセ
リ(50%エタノール)抽出物及びTSR阻害剤(50%
エタノール)抽出物の配合量を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】休止期にあるC3系マウス(1群5匹)の
背部を剃毛し、表1に示したトニックタイプ養毛剤をそ
れぞれ1日1回塗布し、剃毛後20日における再生毛面
積比(再生毛面積/剃毛面積)を測定した。
【0026】表1に示す結果より明らかなように、本発
明の実施例4〜12の再生毛面積比は、0.8以上の値
を示しており、比較例1〜3に比べ、顕著な毛の再生が
見られることがわかる。
【0027】また、実施例5及び比較例1,2を用いて
使用試験を行った。年齢25〜35歳の男性型脱毛症状
の見られるパネル5名(T群)、及び65〜75歳の加
齢による薄毛・脱毛の見られるパネル5名(S群)計1
0名を1群として、1日1回,6カ月間連続使用させ、
抜け毛の量、毛髪成長速度の変化を評価した。抜け毛の
量は、顕著に減った:2点、少し減った:1点、変化な
し:0点、毛髪成長速度は伸びるのが早くなった:2
点、少し早くなった:1点、変化なし:0点として、パ
ネル群別及びS群とT群の合計を集計し表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】表2より明らかなように、本発明の実施例
5は、男性型脱毛症状の見られるT群及び加齢による薄
毛・脱毛の見られるS群の両方で、脱毛量の減少及び毛
髪成長速度の向上が認められた。一方パセリ抽出物のみ
を有効成分として配合した比較例1は、S群にてわずか
に毛髪成長速度が速くなっているが、T群ではほとんど
変化が認められなかった。逆にTSR阻害剤であるホッ
プ抽出物のみを配合した比較例2は、T群にてわずかに
脱毛の減少及び毛髪成長速度の向上が認められたが、S
群ではほとんど変化がなかった。
【0030】なお、上記使用期間において、実施例使用
による痛み,かゆみ等の皮膚刺激や皮膚アレルギー反応
等の皮膚症状を訴えたパネラーはいなかった。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によるTS
R阻害剤とパセリ抽出物を併用した養毛剤は、相乗的に
脱毛予防及び毛髪成長速度の向上効果が認められ、しか
も男性型禿頭及び加齢による薄毛・脱毛の両方に有効で
ある。さらに、本発明において配合するTSR阻害剤及
びパセリ抽出物は、非常に低濃度で養毛作用を示すた
め、少量を配合するだけで有効な効果を発揮させること
ができ、安全性に優れた養毛剤を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
    剤とパセリ(Petroselium saticum)の抽出物を併用し
    てなる養毛剤。
  2. 【請求項2】 テストステロン5α−リダクターゼ阻害
    剤が、セージ(Salvia officinalis L.)、ホップ(Humulu
    s lupulus L.)、ローズマリー(Rosmarinus officinalis
    L.)、オトギリソウ(Hypericum erectum Thunb.)、ハッ
    カ(Mentha arvensis L.var.piperascens Malinv.)、セ
    イヨウハッカ(Mentha piperita L.)、カミツレ(Matrica
    ria chamomilla L.)、アルニカ(Arnica montana L.)、
    タイム(Thymus vulgaris L.)のエタノール抽出物から選
    択した、1種又は2種以上よりなる請求項1に記載の養
    毛剤。
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