JPH09221271A - ベルトトラバース装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】低張力で巻取ったり、糸継ぎをするときにもト
ラバースガイドから糸外れしないベルトトラバース装置
を提供する。 【解決手段】トラバースガイド７、８駆動用のタイミン
グベルト５、６の前面に接近し、且つ、移動するトラバ
ースガイド７、８とぶつからない位置に糸飛び出し防止
部材13、14を配置する。飛び出し防止部材13、14は、２
枚一組のプレートとし、トラバース中央部で少し間隔を
置いて上下に重ねる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】この発明は、糸を巻返すワイ
ンダーにおいて、巻返し中の糸をトラバースさせるベル
トトラバース装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ベルトトラバース装置として、従来、図
４に示すものが知られている。そのベルトトラバース装
置は、ワインダーの駆動ドラム３のやや上流側、且つ、
テンサー４の下流側の糸道に設けられており、上下２段
に重ねられ、互いに相反する方向に走行するエンドレス
の２つのタイミングベルト５、６にそれぞれ正反対の位
置で固定されたトラバースガイド７、８と、各タイミン
グベルト５、６のプーリー９、１０の前面の両脇に接近
して設けられている糸受渡しプレート１１、１２とより
なるものである。なお、駆動ドラム３の両端にある溝３
ａ、３ｂは、トラバース端をきちんと決めるためのもの
である。

【０００３】このベルトトラバース装置においては、例
えば、給糸パッケージ１より引き出され、駆動ドラム３
によって回転する巻取りパッケージ２に巻かれている糸
Ｙが、下側のタイミングベルト５に固定されているトラ
バースガイド７に案内されて左側に移動するとする。そ
の糸Ｙは、左端にくると、糸受渡しプレート１１の縁に
沿ってトラバースガイド７から遠ざかる方向に移動して
外れる。そして、丁度反対側から走行してきた別のトラ
バースガイド８にすくわれて係合し、今度は逆の右側へ
移動する。以後同様なことを右、左で交互に繰り返し、
糸Ｙにトラバースが与えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のベルトトラバー
ス装置は、糸を巻き取る際のテンサー４のジャンピング
（振動）により、巻取り中の糸Ｙが無張力となることが
あり、そのときには糸Ｙはトラバースガイド７（８）か
ら飛び出して瞬間的にトラバースを停止することが多
い。特に、糸の飛び出しは低張力で巻き取る際に多発す
る。この糸の飛び出しは、巻取りパッケージ２の綾乱れ
の原因となる。

【０００５】また、糸継ぎを行うときには、サクション
マウスで吸引する瞬間に糸がゆるむことにより、糸継ぎ
直後の駆動時に糸Ｙがトラバースガイド７（８）から外
れてタイミングベルト５（６）の後ろ側に回る、いわゆ
る糸渡り不良が生じることがある。

【０００６】この発明は、低張力で巻取ったり、糸継ぎ
をするときにもトラバースガイドから糸外れしないベル
トトラバース装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明のベルトトラバ
ース装置は、トラバースガイド７、８駆動用のタイミン
グベルト５、６の前面に接近し、且つ、移動するトラバ
ースガイド７、８とぶつからない位置に糸飛び出し防止
部材１３、１４を配置したものである。

【０００８】飛び出し防止部材１３、１４は、２枚一組
のプレートとし、トラバース中央部で少し間隔を置いて
上下に重ねるとよい。

【０００９】飛び出し防止部材１３、１４は、糸走行方
向におけるトラバースガイド７の上流側に配置するとよ
い。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１ないし図３を参照し、この発
明のベルトトラバース装置の実施の形態について説明す
る。

【００１１】このベルトトラバース装置は、ワインダー
の駆動ドラム３とテンサー４との間に設けられ、２段重
ねの互いに相反する方向に走行するエンドレスの各タイ
ミングベルト５、６にそれぞれ正反対の位置でセラミッ
ク製のトラバースガイド７、８が固定され、両脇に糸受
渡しプレート１１、１２が設けられている点で従来のも
のと変わらない。

【００１２】更に、この発明においては、給糸パッケー
ジ１より引き出され、駆動ドラム３によって回転する巻
取りパッケージ２に巻き取られる糸Ｙが、トラバースガ
イド７又はトラバースガイド８に案内されてトラバース
するときに、無張力状態となってもトラバースガイド７
（８）から飛び出さないように、糸飛び出し防止プレー
ト１３、１４を設置する。

【００１３】糸飛び出し防止プレート１３、１４は、タ
イミングベルト５（６）の前面（作業者側に向いたまえ
のほう）に接近し、且つ、走行するトラバースガイド７
（８）とぶつからない位置に設けられており、２枚一組
となって、互いに先端部が少し間隔を置いて重ねられて
いる。重なり部分は、図３に示すように、一方（糸飛び
出し防止プレート１４）が少し下方に折れ曲がってい
る。

【００１４】各糸飛び出し防止プレート１３、１４のタ
イミングベルト５（６）側の縁（後縁）は、タイミング
ベルト５（６）に沿って平行に延びる直線状であり、作
業者側の縁（前縁）は、糸継ぎ時の糸の誘導の便のため
に、トラバース中央部、且つ、後方に向けて傾斜してい
る。また後縁は、トラバースガイド７（８）の中程まで
かぶさっており、トラバースガイド７（８）と協働して
糸Ｙを抱え込むようにされている。

【００１５】このような構成のベルトトラバース装置に
おいては、一対の糸飛び出し防止プレート１３、１４の
先端部が離れているので、最初の糸掛け時に、その２つ
の糸飛び出し防止プレート１３、１４の間から糸が自然
にトラバース側に入り込み、自動糸継ぎが可能となる。
即ち、糸飛び出し防止プレート１３、１４は糸継ぎ時に
邪魔にならず、そのままでよい。

【００１６】その糸継ぎ時には、サクションマウスで吸
引する瞬間に糸がゆるんでも、糸Ｙが前側にたるまない
ので、糸継ぎ直後の駆動時に糸Ｙがトラバースガイド７
（８）から外れてタイミングベルト５（６）の後ろ側に
回ることはない。

【００１７】巻取り中にテンサー４のジャンピング（振
動）が生じて糸Ｙが無張力状態となっても、その糸Ｙ
は、図２に示すように、糸飛び出し防止プレート１３、
１４の後縁に規制され、トラバースガイド７（８）から
飛び出すことはない。これは、低張力で巻取る場合でも
変わらない。

【００１８】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００１９】即ち、低張力で巻取ったり、糸継ぎした後
にもトラバースガイドからの糸外れがなくなったので、
巻取り中の綾乱れがなくなり、解じょ性の良い、定長の
上品質のパッケージを得ることができる。また、糸飛び
出し防止プレートが高速で走行するトラバースガイドの
近傍に設置されるので、オペレーターの不注意による指
等のケガを防ぐことができ、トラバースガイドの他のも
のとの衝突を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のベルトトラバース装置の斜視図であ
る。

【図２】この発明のベルトトラバース装置の平面図であ
る。

【図３】この発明のベルトトラバース装置の正面図であ
る。

【図４】従来のベルトトラバース装置の図であり、
（１）は斜視図、（２）は糸受渡しプレート付近の拡大
平面図である。

【符号の説明】

４ テンサー ５ タイミングベルト ６ タイミングベルト ７ トラバースガイド ８ トラバースガイド １１ 糸受渡しプレート １２ 糸受渡しプレート １３ 糸飛び出し防止プレート（飛び出し防止部材） １４ 糸飛び出し防止プレート（飛び出し防止部材）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】トラバースガイド駆動用のタイミングベル
   トの前面に接近し、且つ、移動するトラバースガイドと
   ぶつからない位置に糸飛び出し防止部材を配置したベル
   トトラバース装置。
2. 【請求項２】飛び出し防止部材が、２枚一組のプレート
   であり、トラバース中央部で少し間隔を置いて上下に重
   なっている請求項１に記載のベルトトラバース装置。
3. 【請求項３】飛び出し防止部材を、糸走行方向における
   トラバースガイドの上流側に配置した請求項１又は請求
   項２に記載のベルトトラバース装置。