JPH09220800A - 製版方法、印刷方法、製版装置及び製版印刷装置 - Google Patents

製版方法、印刷方法、製版装置及び製版印刷装置

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JPH09220800A
JPH09220800A JP2939696A JP2939696A JPH09220800A JP H09220800 A JPH09220800 A JP H09220800A JP 2939696 A JP2939696 A JP 2939696A JP 2939696 A JP2939696 A JP 2939696A JP H09220800 A JPH09220800 A JP H09220800A
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JP
Japan
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plate
plate making
ink
film
fine particle
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Application number
JP2939696A
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English (en)
Inventor
Noboru Hayama
昇 羽山
Koichi Uchiyama
耕一 内山
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Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単で熟練を要せず、印刷画質が美しい孔版の
製版方法を提供する。 【解決手段】組み立て体1は、枠体2と原紙3とバック
シート6を有する。原紙3は、インク通過性の支持体4
と樹脂フィルム5を有する。樹脂フィルム5はPET
で、厚さは2μmである。製版装置7は、矩形の基体8
と保持枠9と微細粒子面10を有する。微細粒子面10は、
硬質で平均粒径35μmの微細粒子を矩形の領域の内部の
全面に密に配した部分である。製版時、枠体2を保持枠
9内にはめ込み、微細粒子面10の上に原紙の樹脂フィル
ム側を重ねる。製版しようとする文字・画像等を原紙3
の支持体4の上にボールペンで描く。樹脂フィルム5は
支持体4の上に描いたパターンで微細粒子面10に押し付
けられる。樹脂フィルム5にはボールペンで描いた文字
・画像に対応したパターンの製版領域が形成される。枠
体内にインクを入れ、バックシート6を閉め、樹脂フィ
ルム側に用紙を接触させて印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡易方式の孔版印
刷に用いる製版方法及び製版装置と、前記製版装置及び
前記製版方法によって製版した版を用いて行う簡易方式
の孔版印刷方法、さらには上記製版と印刷を行う製版印
刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂フィルムと多孔性支持体を貼り合わ
せてなる孔版印刷用原紙を製版する手法としては、感熱
方式やUV方式等が知られている。感熱方式は、サーマ
ルヘッドを用いたり、樹脂フィルムに重ねたカーボン原
稿に強い光を照射する等の手段により、樹脂フィルムに
熱で溶融した孔を形成する方式である。UV方式は、紫
外線で樹脂フィルムを硬化させて樹脂フィルムに孔を形
成する方式である。また、孔版印刷用原紙として和紙に
ワックスを塗布した原紙を用い、ボールペンや鉄筆で原
紙の上に直接手書きする所謂ガリ版方式も古くから知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】感熱方式やUV方式
は、美しい印刷画像が得られるので、現在の孔版印刷技
術における製版方式の主流となっている。しかしなが
ら、これらの方式による製版装置及び印刷装置は共に比
較的高価であり、国民生活の広範な分野において比較的
安価な複写手段が求められている発展途上国では普及し
にくいという問題がある。また、鉄筆によるガリ版方式
の製版は、印刷画質は美しいが熟練を要するという問題
がある。さらに、ボールペンとワックス原紙によるガリ
版方式の製版は、製版作業は簡単であるが印刷画質が良
くないという問題がある。
【0004】本発明は、簡単で熟練を要せず、且つ美し
い画質が得られる孔版の製版方法と製版装置、そして前
記製版方法によって得られた孔版を用いる印刷方法を提
供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された製
版方法は、平均粒径が20μm〜60μmの硬質の微細
粒子が密に配されてなる微細粒子面に、厚さが1.5μ
m〜7μmのフィルムを重ね、フィルムに圧力を加えて
微細粒子面に押し付けることにより、フィルムに微細な
孔からなる製版領域を形成することを特徴とする。
【0006】請求項2に記載された製版方法は、請求項
1記載の製版方法において、前記フィルムがインク通過
性支持体と重合されて孔版印刷用原紙を構成しており、
前記孔版印刷用原紙のフィルムの側を前記微細粒子面に
重ねて前記インク通過性支持体の側に圧力を加えること
を特徴とする。
【0007】請求項3に記載された製版方法は、請求項
2記載の製版方法において、前記フィルムは厚さが2μ
m〜3μmの範囲であり、前記微細粒子面を構成する微
細粒子の平均粒径が30μm〜40μmの範囲であるこ
とを特徴とする。
【0008】請求項4に記載された印刷方法は、スプレ
ッドメータの1分値が30の硬さのインクを、請求項3
記載の製版方法によって製版した前記孔版印刷用原紙に
適用して行うことを特徴としている。
【0009】請求項5に記載された製版装置は、基体
と、平均粒径が20μm〜60μmの硬質の微細粒子を
基体の表面に密に配してなる微細粒子面とを備えたこと
を特徴としている。
【0010】請求項6に記載された製版方法は、平均粒
径が20μm〜60μmの硬質の微細粒子が面上の所望
のパターンの内部に密に配されてなる微細粒子面に、厚
さが1.5〜7μmのフィルムを重ね、フィルムに圧力
を加えて微細粒子面に押し付けることにより、フィルム
に微細な孔からなる前記所望のパターンの製版領域を形
成することを特徴とする。
【0011】請求項7に記載された製版方法は、請求項
6記載の製版方法において、前記フィルムがインク通過
性支持体と重合されて孔版印刷用原紙を構成しており、
前記孔版印刷用原紙のフィルムの側を前記微細粒子面に
重ねて前記インク通過性支持体の側に圧力を加えること
を特徴とする。
【0012】請求項8に記載された製版方法は、請求項
7記載の製版方法において、前記フィルムは厚さが2μ
m〜3μmの範囲であり、前記微細粒子面を構成する微
細粒子の平均粒径が30μm〜40μmの範囲であるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項9に記載された印刷方法は、スプレ
ッドメータの1分値が30の硬さのインクを、請求項8
記載の製版方法によって製版した前記孔版印刷用原紙に
適用して行うことを特徴としている。
【0014】請求項10に記載された製版装置は、基体
と、平均粒径が20μm〜60μmの硬質の微細粒子を
基体の表面に所望のパターンで密に配してなる微細粒子
面とを備えたことを特徴としている。
【0015】請求項11に記載された製版印刷装置は、
基板と、基板に対して開閉可能に軸支された押圧板と、
平均粒径が20μm〜60μmである密に配された硬質
の微細粒子からなり押圧板の上面に設けられた微細粒子
面と、前記基板の上面に設けられた印刷用紙の保持手段
と、前記押圧板の下面に設けられた原紙の保持手段とを
有することを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第1の形態を図1
〜図4及び図8を参照して説明する。図1に示すよう
に、孔版印刷用原紙の組み立て体1は、所定の厚さと剛
性を有する略矩形の枠体2を基体としている。枠体2の
一方の面には、孔版印刷用原紙3が貼り付けられてい
る。孔版印刷用原紙3は、インク通過性支持体4と、感
熱性の樹脂フィルム5を貼り合わせたものである。孔版
印刷用原紙3は、樹脂フィルム5の側を外側とし、イン
ク通過性支持体4を枠体2に貼り合わせてある。
【0017】インク通過性支持体4としては、多孔質の
合成繊維や天然繊維、又はこれら繊維の混紡の抄造紙、
各種織布、不織布等が用いられるが、これらのうちでは
和紙等の薄葉紙が好ましい。薄葉紙は、あまり密度が大
きいか、又は坪量が大きくなると、印刷時にインクの通
過が悪く、鮮明な印刷が不可能となる。逆に密度が小さ
いか、又は坪量が小さくなると、印刷時の耐刷性が小さ
くなる。このため、坪量としては5g/m2 〜25g/
2 が望ましい。
【0018】樹脂フィルム5としては、PET(ポリエ
チレンテレフタレート)が好ましい。その厚さは1.5
μm〜7μmの範囲が好ましく、更に好ましくは2μm
〜3μmの範囲で、本例では最適値の2μmである。上
記支持体4もしくは樹脂フィルム5には、必要に応じて
感圧発色剤が塗布されている。
【0019】枠体2の他方の面には、インク不通過性の
バックシート6が固定されている。バックシート6の外
形は枠体2と略同一である。バックシート6は、その一
短縁辺が、対応する枠体2の一短縁辺に一体とされてい
る。製版後、印刷のためにバックシート6を開いて枠体
2内部にインクを入れる。バックシート6を閉じればイ
ンクが外に漏れることはない。
【0020】図1に示すように、本例の製版装置7は、
矩形の基体8を有している。基体8の上面の外縁部に
は、保持枠9が設けられている。保持枠9の厚さ、即ち
基体8の上面から保持枠9の上面までの高さは、前記組
み立て体1の枠体2の厚さに略相当する。保持枠9の一
短辺の略中央には切り欠き9aが設けられている。保持
枠9の他短辺の上面には、前記組み立て体1のバックシ
ート6を一時的に保持する粘着保持部9bが設けられて
いる。又、基体8の上面には前記組み立て体1を保持す
る粘着部を設けてもよい。
【0021】図1に示すように、本例の製版装置7にお
いて、前記保持枠9の内部の前記基体8の上面には、微
細粒子面10が形成されている。微細粒子面10は、硬
質の微細粒子が矩形の領域の内部の全面に密に配された
部分である。微細粒子面10の形状及び寸法は、前記組
み立て体1における枠体2の内部の孔版印刷用原紙3の
形状及び寸法に略相当する。微細粒子としては、ケイ
素、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド、ダイヤモ
ンド等を利用できる。利用しうる微細粒子の平均粒径は
20μm〜60μmの範囲(メッシュ番号では#800
〜#320の範囲)が好ましい。本例では最適値の平均
粒径35μm(メッシュ番号では#500)である。微
細粒子は球形ではなく角張った形状とされ、それぞれの
大きさも所定の範囲内でバラツキを持たせてあり、ラン
ダムな配置で基体に接着されている。基体は、硬質の微
細粒子を支えるため、ある程度の硬さがあり、後述する
加圧によっても容易には変形しないものであることが好
ましく、ここでは厚さ2mmのボール紙が用いられてい
る。上記微細粒子の平均粒径とは、その数値の前後1〜
2割の数値範囲で分布していることを意味する。また、
上記微細粒子面は、上述したような微細粒子を硬質の紙
上に接着した構成以外の構成でもよく、例えば鉄等の金
属面をエッチング加工してなる構成、電鋳加工で作成し
た構成、硬質プラスチックを型で作成した構成としても
よい。
【0022】製版においては、図2及び図3に示すよう
に、前記微細粒子面10に、組み立て体1の孔版印刷用
原紙3の樹脂フィルム5の側を重ねる。そして図2に示
すように、前記保持枠9と前記微細粒子面10の間に組
み立て体1の枠体2を固定保持させ、バックシート6を
開いてその上面の一縁辺側を粘着保持部9bに保持させ
る。
【0023】図4に示すように、セラミックボールチッ
プを有するボールペン11等の圧力負荷手段により、製
版装置7の微細粒子面10上に重ねた孔版印刷用原紙3
のインク通過性支持体4の上に、製版しようとする所望
の文字・画像等を描く。製版しようとしている文字・画
像はインク通過性支持体4の上に描かれるので、直接視
認することができる。孔版印刷用原紙3の樹脂フィルム
5は、インク通過性支持体4の上に描かれたパターンに
対応したパターンで微細粒子面10に向けた圧力を受
け、硬質の微細粒子の間に押し込まれる。これによっ
て、孔版印刷用原紙3の樹脂フィルム5には、セラミッ
クボールチップを有するボールペン11でインク通過性
支持体4に描いた文字・画像に対応したパターンで多数
の微細な孔が形成される。上記微細な孔は上記微細粒子
面10の微細粒子の形状と配置に対応し、それぞれ独立
した孔形状となり、かつランダムな配置となるため、印
刷した際に、独立した孔により裏移りが少なく、ランダ
ムな配置の孔によりモアレの影響の少ない画像が得られ
ることになる。
【0024】製版が終了したら、組み立て体1を製版装
置7から取り外す。組み立て体1の枠体2内に所望の色
彩のインクを所望の位置に配置し、バックシート6を閉
める。この組み立て体1の樹脂フィルム5と印刷用紙を
密着させ、インクに圧力を加える。インクはインク通過
性支持体4と樹脂フィルム5の製版部を通過して印刷用
紙に転移し、製版のパターンに対応した印刷画像が印刷
用紙に形成される。
【0025】前記印刷工程においては、エマルジョンイ
ンクを使用するのが好ましい。また、使用するエマルジ
ョンインクの硬さは、スプレッドメータの1分値で20
〜50の範囲が好ましく、本例では最適値である30の
エマルジョンインクを使用した。
【0026】ここで、前記エマルジョンインク等のよう
なインクの硬さを測定するスプレッドメータの構造と、
該スプレッドメータによって行うインクの硬さの測定に
ついて説明する。図8は、インキの硬さあるいは流動性
を測定するために用いられるスプレッドメータの構成を
示す縦断面図である。このスプレッドメータは、従来よ
りこの分野に於いて周知である。かかるスプレッドメー
タの詳細については、A.Voet and J.S.
Brand,Am.Ink Maker,28,(9)
28(1950)を参照されたい。
【0027】図8において、20は金属板である。その
中心部にはシリンダ21が接続されており、その周縁部
には対向する二個所に孔22が設けられている。シリン
ダ21内にはプランジャ23が摺動可能に設けられてい
る。プランジャ23は、ピストン部24とカム部25と
を有する。シリンダ21には孔26が形成され、ロッド
27が差し込まれている。プランジャ23のカム部25
には、孔26からシリンダ21内に差し込まれた前記ロ
ッド27の内端部が係合している。ロッド27の外端部
は、金属板20の下面より延びるステー28の孔を挿通
し、金属板20の孔22に差し込まれたレバー29の下
端の切欠部に係合している。ロッド27には、その一部
に取り付けられたつば30とステー28の間に圧縮コイ
ルばね31が外挿されている。圧縮コイルばね31の弾
性力は、常時ロッド27を軸方向に関してシリンダ21
側に向けて付勢する。これによってロッド27は、常時
その内端をプランジャ23の外周面又はカム部25へ押
し付けられている。レバー29上には透明プラスチック
板32が載置されている。このスプレッドメータの各部
の具体的な寸法及び材質は、規格に従って定められてい
る。
【0028】このスプレッドメータを用いてインキの流
動性又は硬さを測定する方法を説明する。図8に示すよ
うに、プランジャ23を図中下方の後退位置へ設定す
る。シリンダ21の上部内周面とプランジャ23のピス
トン部24の上面とにより、円筒形のくぼみが形成され
る。このくぼみ内に、試験しようとするインクを、その
上面が金属板20の上面と一致するまで満たす。シリン
ダ21内に収納したインクの上方の所定位置に、透明プ
ラスチック板32をレバー29によって支持する。
【0029】プランジャ23を押し上げ、前記くぼみ内
のインキを外に押し出す。プランジャ23を最終位置ま
で押し上げると、ピストン部24の上面が金属板20の
上面と一致する位置に来る。プランジャ23が上方へ移
動すると、圧縮コイルばね31に付勢されたロッド27
の内端はプランジャ23のカム部25に沿って軸線方向
を内方へ向けて移動し、ロッド27の外端部がレバー2
9の下端より外れる。レバー29は下方へ落下して孔2
2に引っ掛かり、透明プラスチック板32も金属板20
上に落下する。
【0030】従って、プランジャ23を押し上げると、
ピストン部24の上面によって連続した平面となる金属
板20の上に所定量かつ所定の初期形状のインキの塊が
置かれ、その上に所定の重さの透明プラスチック板32
が置かれた状態が得られる。インキは、自重とプラスチ
ック板32の押圧力とによって金属板20上で広がり始
める。広がりの直径は時間と共に増大する。増大の経過
は、一般に、時間tを対数尺にて表し、広がりの直径D
を線図尺にて表わす半対数座標表示によれば、ほぼ直線
に沿ったものとなり、 D=Slogt+I なる関係式にて表わされる。ここでIはt=1秒の時の
インクの直径D(mm)であり、この値はグラフに於け
る直線の根本部を逆に延長して外挿によって求められる
値である。Sは直線の勾配である。
【0031】スプレッドメータによる測定結果は上記の
式に基づきS及びIによって正確に表示され得るが、イ
ンキの流動性に関する実用的見地からの判断には、ある
適当な時間が経過した後の広がりの直径を表示しても十
分である。通常、試験開始後1分間経過した時のインク
の直径Dの大きさをもって“1分値”として表示するこ
とが行われている。
【0032】本発明の実施の第2の形態を図5〜図7を
参照して説明する。図5に示す孔版印刷用原紙3は、和
紙等のインク通過性支持体4と、感熱性の樹脂フィルム
5を貼り合わせたものである。インク通過性支持体4と
樹脂フィルム5の材質及び厚さの条件は第1の例と同一
である。
【0033】図5に示すように、本例の製版装置12
は、矩形の基体13を有している。基体13の上面に
は、微細粒子面14が形成されている。微細粒子面14
は、硬質の微細粒子が印刷しようとする所望のパターン
を構成するように密に配された部分である。図5に示す
ように、本例では硬質の微細粒子が密集した微細粒子面
14が文字「ABC」の形状に形成されている。微細粒
子面14を構成する微細粒子の材質及び粒径の条件は第
1の例と同一である。
【0034】所望のパターンの微細粒子面14を形成す
る方法を説明する。スクリーン印刷法等によって板・厚
紙等の基体13上に糊等の粘着性物質で所望の画像を印
刷する。その上に硬質の微細粒子を振りかけ、微細粒子
を粘着性物質の粘着性で基体13上に保持させる。次
に、粘着性物質で印刷された画像以外の部分に載った微
細粒子を基体13上から除去する。そして、粘着性物質
を乾燥させて硬化させれば、微細粒子の画像が形成され
る。上記微細粒子面14は、上述したような微細粒子を
硬質の紙上に接着した構成以外の構成でもよく、例えば
鉄等の金属面をエッチング加工してなる構成、電鋳加工
で作成した構成、硬質プラスチックを型で作成した構成
としてもよい。
【0035】製版においては、図5及び図6に示すよう
に、前記微細粒子面14に、孔版印刷用原紙3の樹脂フ
ィルム5の側を重ねる。そして図7に示すように、孔版
印刷用原紙3を重ねた製版装置12を一対のローラ1
5,15で挟んで搬送し、孔版印刷用原紙3を製版装置
12に押し付ける。孔版印刷用原紙3の樹脂フィルム5
は、所望の形状に形成された微細粒子面14の微細粒子
の間に押し込まれる。これによって、孔版印刷用原紙3
の樹脂フィルム5には、製版装置12に微細粒子で形成
された文字・画像に対応したパターンで多数の微細な孔
が形成される。このとき原紙3に感圧発色剤が塗布され
ていると孔の形成部分が圧力で発色し孔に対応した画像
を視認することができる。
【0036】製版が終了したら、孔版印刷用原紙3を製
版装置12から取り外し、製版済みの孔版印刷用原紙3
とエマルジョンインクを用いて孔版印刷を行う。印刷の
手順、エマルジョンインクの条件等は第1の例と同一で
ある。
【0037】本例においては、孔版印刷用原紙3を製版
装置12に押し付けて製版するために、一対のローラ1
5,15を用いた。この他、孔版印刷用原紙3を製版装
置12に押し付けるために、製版装置12に重ねた孔版
印刷用原紙3をバレンや一本のローラで擦ってもよい。
また、第1の例のように、孔版印刷用原紙3の微細粒子
面14に対応する部分乃至その近傍のみをボールペン等
で擦ってもよい。
【0038】以上説明した各例においては、インク通過
性支持体4と樹脂フィルム5を貼り合わせた孔版印刷用
原紙3を用いたが、樹脂フィルムのみを用いてもよい。
【0039】本発明の実施の第3の形態を図9及び図1
0を参照して説明する。図9及び図10に示す孔版印刷
用原紙の組み立て体1は、第1の例で説明したものと同
一であり、第1の例と同一の符号を付してその説明を省
略する。
【0040】図9及び図10に示す本例の製版印刷装置
60は、印刷装置としても機能する。第1の例と機能上
共通の部分には第1の例と同一の符号を付す。矩形の押
圧板40は、第1の例における基体8と共通の構成を有
している。本例の押圧板40の中央には、微細粒子面を
構成するヤスリシート41が、ヤスリ保持用粘着シート
42によって着脱可能に取り付けてある。本例の押圧板
40の下面中央には、印刷時に版を取り付ける押圧用弾
性体として、矩形のスポンジ(原紙スポンジ43と呼
ぶ)が設けられている。原紙スポンジ43の下面には、
製版された孔版印刷用原紙の組み立て体1を保持する保
持手段として原紙保持用粘着シート44が取り付けられ
ている。
【0041】作業台上等に設置される基板50に対して
押圧板40は開閉可能に取り付けられている。まず、押
圧板40の下面には、その一長辺に沿って角棒状のスペ
ーサ部材45が取り付けられている。そして押圧板40
のスペーサ部材45は、押圧板40と同形である基板5
0の一長辺に、ヒンジ51を介して揺動可能に取り付け
られている。基板50の上面中央には、印刷時に印刷用
紙を保持する保持手段として、前記原紙スポンジ43と
同形の他のスポンジ(用紙スポンジ52と呼ぶ)が設け
られている。用紙スポンジ52の上面には、印刷用紙を
保持する保持手段として用紙保持用粘着シート53が取
り付けられている。
【0042】本例の製版印刷装置60の使用方法を説明
する。作業台上等に、基板50を下にして本装置を設置
する。孔版印刷用原紙の組み立て体1を押圧板40の保
持枠9内に取り付ける。その際、第1の例の場合と同様
に、組み立て体1の孔版印刷用原紙3の樹脂フィルム5
の側をヤスリシート41に重ねる。第1の例と同様に、
バックシート6を開いてその上面の一縁辺側を粘着保持
部9bに保持させる。
【0043】第1の例の場合と同様に、セラミックボー
ルペン11等の圧力負荷手段により、ヤスリシート42
上に重ねた孔版印刷用原紙3のインク通過性支持体4の
上に、製版しようとする所望の文字・画像等を描く。孔
版印刷用原紙3の樹脂フィルム5には、セラミックボー
ルペン11でインク通過性支持体4に描いた文字・画像
に対応したパターンで多数の微細な孔が形成される。
【0044】製版が終了したら、組み立て体1を製版印
刷装置60から取り外す。組み立て体1の枠体2内に所
望の色彩のインクを所望の位置に配置し、バックシート
6を閉める。組み立て体1のバックシート6側を、押圧
板40の原紙保持用粘着シート44に保持させる。用紙
保持用粘着シート53には印刷用紙を保持させる。押圧
板40を基板50の方向に揺動させ、組み立て体1の孔
版印刷用原紙3を印刷用紙に押圧する。組み立て体1内
のインクが印刷用紙に転移し、印刷用紙に孔版印刷が施
される。押圧板40を基板50から離れる方向に回動さ
せ、組み立て体1を印刷用紙から引き剥がす。印刷用紙
は、用紙保持用粘着シート53に保持され、組み立て体
1は原紙保持用粘着シート44に保持されているので、
両者は容易に剥がれる。枠体2に張られた孔版印刷用原
紙3とバックシート6は、インクの粘性によって保持さ
れているので、押圧板40の開放時にこの両者が開いて
しまうことはない。製版のパターンに対応した印刷画像
が印刷された印刷用紙が、用紙保持用粘着シート53上
に残される。
【0045】使用する印刷用紙として、保持枠9の内形
に合致した形状のカードを使用する。押圧板40のヤス
リシート保持用粘着シート42からヤスリシート41を
取り外し、印刷したカード等を保持枠9の内部に取り付
ければ、本装置を額のように使用することができる。押
圧板40と基板50の角度を適当に調整すれば、カード
を保持させた本装置を机上等に飾ることができる。
【0046】以上説明した各例においては、樹脂フィル
ム5の厚さ、微細粒子面10,14を構成する微細粒子
の粒径、インクの硬さの各条件について、それぞれ適用
できる範囲と、その中の最適値を記載した。本発明者等
の実験によれば、各条件をこのような数値範囲に設定し
て各例のように本発明を実施すれば、鮮明で高品質の孔
版印刷画像が得られる。
【0047】一般的には樹脂フィルムが厚い場合には微
細粒子の粒径を大きくする必要がある。その場合には樹
脂フィルムの製版領域を構成する孔は比較的大きいの
で、硬めのインクを使用して印刷するとよい。また、樹
脂フィルムが薄い場合には微細粒子の粒径を小さくする
必要がある。その場合には樹脂フィルムの製版領域を構
成する孔は比較的小さいので、柔らかめのインクを使用
して印刷するとよい。また、樹脂フィルムの製版領域を
構成する孔が比較的小さい場合には、製版領域の孔から
印刷用紙に転移するインクの量が少ないので、印刷直後
に印刷用紙を重ねても裏移りしにくい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、微細粒子面に重ねたフ
ィルムに圧力を加えて押し付けることによりフィルムを
製版できるので、製版は簡単で熟練を要せず、美しい印
刷画質が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施の第1の形態において製版時の状
態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態において製版時の状
態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の第1の形態において製版時の状
態を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の第2の形態を示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の実施の第2の形態において製版時の状
態を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の第2の形態において製版時の状
態を示す側面図である。
【図8】スプレッドメータの断面図である。
【図9】本発明の実施の第3の形態における製版時の状
態を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の第3の形態における印刷時の
状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
3 孔版印刷用原紙 4 インク通過性支持体 5 樹脂フィルム 7,12,60 製版装置 10,14 微細粒子面 41 微細粒子面としてのヤスリシート 44 保持手段としての原紙保持用粘着シート 53 保持手段としての用紙保持用粘着シート 60 製版印刷装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径が20μm〜60μmの硬質の
    微細粒子が密に配されてなる微細粒子面に、厚さが1.
    5μm〜7μmのフィルムを重ね、フィルムに圧力を加
    えて微細粒子面に押し付けることにより、フィルムに微
    細な孔からなる製版領域を形成することを特徴とする製
    版方法。
  2. 【請求項2】 前記フィルムがインク通過性支持体と重
    合されて孔版印刷用原紙を構成しており、前記孔版印刷
    用原紙のフィルムの側を前記微細粒子面に重ねて前記イ
    ンク通過性支持体の側に圧力を加えることを特徴とする
    請求項1記載の製版方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルムは厚さが2μm〜3μmの
    範囲であり、前記微細粒子面を構成する微細粒子の平均
    粒径が30μm〜40μmの範囲であることを特徴とす
    る請求項2記載の製版方法。
  4. 【請求項4】 スプレッドメータの1分値が30の硬さ
    のインクを、請求項3記載の製版方法によって製版した
    前記孔版印刷用原紙に適用して行う印刷方法。
  5. 【請求項5】 基体と、平均粒径が20μm〜60μm
    の硬質の微細粒子を基体の表面に密に配してなる微細粒
    子面とを備えた製版装置。
  6. 【請求項6】 平均粒径が20μm〜60μmの硬質の
    微細粒子が所望のパターンで密に配されてなる微細粒子
    面に、厚さが1.5μm〜7μmのフィルムを重ね、フ
    ィルムに圧力を加えて微細粒子面に押し付けることによ
    り、フィルムに微細な孔からなる前記所望のパターンの
    製版領域を形成することを特徴とする製版方法。
  7. 【請求項7】 前記フィルムがインク通過性支持体と重
    合されて孔版印刷用原紙を構成しており、前記孔版印刷
    用原紙のフィルムの側を前記微細粒子面に重ねて前記イ
    ンク通過性支持体の側に圧力を加えることを特徴とする
    請求項6記載の製版方法。
  8. 【請求項8】 前記フィルムは厚さが2μm〜3μmの
    範囲であり、前記微細粒子面を構成する微細粒子の平均
    粒径が30μm〜40μmの範囲であることを特徴とす
    る請求項7記載の製版方法。
  9. 【請求項9】 スプレッドメータの1分値が30の硬さ
    のインクを、請求項8記載の製版方法によって製版した
    前記孔版印刷用原紙に適用して行う印刷方法。
  10. 【請求項10】 基体と、平均粒径が20μm〜60μ
    mの硬質の微細粒子を基体の表面に所望のパターンで密
    に配してなる微細粒子面とを備えた製版装置。
  11. 【請求項11】 基板と、基板に対して開閉可能に軸支
    された押圧板と、平均粒径が20μm〜60μmである
    密に配された硬質の微細粒子からなり押圧板の上面に設
    けられた微細粒子面と、前記基板の上面に設けられた印
    刷用紙の保持手段と、前記押圧板の下面に設けられた原
    紙の保持手段とを有する製版印刷装置。
JP2939696A 1996-02-16 1996-02-16 製版方法、印刷方法、製版装置及び製版印刷装置 Pending JPH09220800A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107132682A (zh) * 2017-05-24 2017-09-05 珠海拾比佰彩图板股份有限公司 一体化液晶屏背板的制造方法

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