JPH09220610A - 気相法により合成した多結晶ダイヤモントを用いた細線 用線引きダイス - Google Patents

気相法により合成した多結晶ダイヤモントを用いた細線 用線引きダイス

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JPH09220610A
JPH09220610A JP15098893A JP15098893A JPH09220610A JP H09220610 A JPH09220610 A JP H09220610A JP 15098893 A JP15098893 A JP 15098893A JP 15098893 A JP15098893 A JP 15098893A JP H09220610 A JPH09220610 A JP H09220610A
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diamond
die
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drawing die
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Masao Murakawa
正夫 村川
Sadao Takeuchi
貞雄 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強度的に十分な多結晶構造を有する気相合成ダ
イヤモンドを用いて、耐摩耗性に優れ、偏摩耗の少ない
長寿命の線引きダイスを提供することにある。 【構成】引抜き部分に気相合成ダイヤモンドを用いた線
引きダイスにおいて、微細な多結晶構造で圧縮の残留応
力を有するように合成されたダイヤモンドより作製され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】)各種金属を伸線加工する場合、
一般には引抜き加工法が適用され、線引きダイスが使用
される。本発明は直径2mm以下の金属の伸線加工に用
いられる長寿命の線引きダイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】伸線加工において製品の
寸法精度は、線引きダイスの摩耗が増すに従って低下す
る。従って線引きダイスの素材には耐摩耗特性に優れた
材料の使用が望まれる。ダイヤモンドは全物質中で最も
高い硬度を有するがゆえに最適の材料といえる。ダイヤ
モンドの利用形態としては単結晶ダイヤモンドをそのま
まダイス素材して使用する場合と、単結晶ダイヤモンド
を焼結した焼結ダイヤモンドとして使用される場合があ
る。しかしながらダイヤモンドは高価であり、また大き
さに制限もある。そこで一般には引抜き径15mm以上
の大径のダイス素材には超硬合金、15mmから2mm
の中径のダイス素材には焼結グイヤモンド、引抜き径2
mm以下の小径のダイス素材には単結晶ダイヤモンド素
材との使い分けが行われている。また前記、大中例径ダ
イスの寿命向上の試みとして金属またはセラミックス基
体からなるダイスの内面に気相合成法によりダイヤモン
ド薄膜を20〜50μmの厚さに成膜して耐摩耗性を向
上させる試みもなされている(特開昭64−6221
3)(特開平3−114610)。前述したように引抜
き径2mm以下の線引きダイスの素材には天然の単結晶
ダイヤモンドが使用されているが、天然ダイヤモンドは
宝石としても珍重されることより分かるように内部欠陥
の無い、あるいは少ないものはその価格も非常に高価で
ある。天然ダイヤモンドを線引きダイスへ応用した場合
は、引抜き加工時に大きな応力がダイス素材に生じるた
めに、ダイヤモンド内部にわずかでも傷が存在するとそ
の傷が破壊の起点となり、引抜き加工中にダイス素材が
破壊するという現象が生ずる。このためダイス素材とし
ての天然ダイヤモンドの使用にあたっては、極力内部欠
陥の少ないものを選別して使用することが必要であり、
高価な原石を使用するため、線引きダイスの価格が非常
に高価となるという工業上の問題を生じている。またダ
イヤモンドは結晶方位の違いにより摩耗特性が異なるこ
とが古くより知られている。ダイス素材に単結晶ダイヤ
モンドを用いると、加工物の接するダイス内面の特定の
結晶方位の部分的な摩耗が進行して、すなわち偏摩耗を
生ずることで製品の寸法精度が低下するという問題を生
ずる。
【0003】
【発明の要約】本発明者等は、前記問題の解決のための
手段として気相合成法により合成されるCVDダイヤモ
ンドの利用を考えた。すなわち、CVDダイヤモンドは
人工的な合成手段であるため、合成工程の管理を適確に
行うことで、製品のばらつきは少ないことが予想され、
天然単結晶ダイヤモンドに不可欠な選別工程を省略する
ことが出来る。さらにダイヤモンドの合成のための気相
合成装置は比較的安価であることより、天然ダイヤモン
ドに比較してはるかに低価格でかつ安定した品質のダイ
ヤモンドの供給が可能である。またCVD法により合成
されたダイヤモンドは粒径1〜数十μm程度の粒子が集
合した多結晶構造である。このため引抜き材に接する部
分は各結晶粒ごとにランダムに異なる結晶方位で接する
ために単結晶ダイヤモンドのように偏摩耗を生ずること
が少なく、全体的にほぼ均一に摩耗が進行することが予
想され、製品の寸法精度を長期間にわたって安定して維
持できることが考えられる。このようにCVDダイヤモ
ンドをダイス素材に応用することができれば優れた性能
のダイス素材を安価に提供することが可能である。しか
しながらCVD法により合成されたダイヤモンドを素材
とした引抜きダイスを試作して性能評価を試みた結果、
すべてのダイスが引抜き加工時の応力に耐えられず破壊
してしまうという現象が生じた。この原因を検討した結
果、本来利点となるべき多結晶構造に不可欠な結晶粒界
が脆弱であるため、破壊の起点となり強度を低下させる
という極めて深刻な問題点が明らかとなった。この問題
を解決するため本発明者らは鋭意研究を行った結果、C
VDダイヤモントに残留する応力に着目しダイス素材と
しての強度向上にCVDダイヤモンド自身の持つ残留応
力を利用するという考えに至った。すなわち引抜き加工
時にダイス素材が受ける応力を(+)とすれば、これと
反対の(−)の応力(この場合圧縮応力)を予めダイヤ
モンドに付与することで、引抜き加工時にダイス素材の
受ける応力を相殺させることで、実質的に強度を向上さ
せたダイス素材としてのCVDダイヤモンドの作成に成
功した。
【0004】
【作用・原理】以下に本発明について説明する。CVD
ダイヤモンドの製造であるが、図1に示すような構造の
熱フィラメントCVD装置によりダイヤモンドの原料に
エタノールを使用し、基板に厚さ5mm×幅6mm×長
さ50mmのモリブデンを用いて合成した。CVDダイ
ヤモンドの合成方法にはこのほか、マイクロ波プラズマ
法、DCアークジェット法、燃焼炎法などがあり、ダイ
ヤモンドの原料としてはメタン、一酸化炭素、含酸素有
機化合物などが知られているが、引抜き径に応じた必要
板厚のダイヤモンドが得られればいずれの合成方法、原
料でも可能である。ただし合成速度が100μ/hを以
上の高速合成を行うと、ダイヤモンドの結晶粒が粗大化
し、粒内の欠陥が増加して破壊強度が低下するため、引
抜き加工時に受ける応力に耐えられずに破壊する可能性
がある。したがって合成速度は10μm/h以下にとど
めて合成することが望ましい。本合成装置におけるダイ
ヤモンドの合成速度は3μm/h程度であり、ダイス素
材に好適なCVDダイヤモンドを合成することが可能で
ある。なお合成されたダイヤモンドには圧縮の在留応力
を付与することが必要である。X線による応力解析結果
によれば、100Mpa以上400Mpa以下、望まし
くは300Mpa程度の圧縮残留応力を有するダイヤモ
ンドが好適である。このような残留応力の付与のために
は合成条件のコントロールが必要である。本発明者らが
合成に用いたダイヤモンドの原料にエタノールを用いた
熱フィラメントCVD合成装置の場合には水素流量10
0SCCM、水素に対するエタノール濃度2〜3%、反
応圧力100Torr、基板温度750〜800の合成
条件でダイヤモンド膜へ前記した範囲の圧縮残留応力の
付与が可能であった。ダイヤモンドの合成条件のパラメ
ーターは複雑であり、一義的に特定できないが、基板温
度のパラメーターが最も重要である。ダイスの作成は圧
縮残留応力を付与して合成したダイヤモンドをYAGレ
ーザー等の切断手段を用いて2mm×2mm程度の小片
に切断したのち、図2に示すように焼結金属によりダイ
ス母材に固定する。なお固定方法、並びにダイス穴の加
工、研磨方法については、既存の単結晶ダイヤモンドダ
イス作成方法がすべて適用可能である。
【0005】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 膜厚1mmのCVDダイヤモンドを350時間の合成に
より得たのちYAGレーザーにて2mm×2mmに切断
してダイス母材に固定した。その後、穴明け加工、研磨
加工を施すことで図3に示す内面形状を有するCVDダ
イヤモンド引抜きダイス作成した。性能評価は実際に直
径0.22mm〜0.25mmの銅細線を引き抜いて各
断面減少率における引抜き応力を測定するとともに、引
抜き後の銅線の表面状況を観察した。なお比較材とし
て、ほぼ同一内面形状の天然単結晶ダイヤモンドダイス
を用意した。その結果、試作したCVDダイヤモンドダ
イスの引抜き応力は断面減少率10〜38%の範囲では
既存の天然ダイヤモンドダイスとほぼ同等の値を示し
た。また引抜き後の試料表面のSEM観察結果によれ
ば、両ダイスにより引抜かれた銅線の表面は非常に平滑
な面が認められ、際立った差異は認められない。これら
の事より、CVDダイヤモントダイスは単結晶ダイヤモ
ントダイスとほぼ同等の引抜き応力、引抜き面を得るこ
とが、可能であることが明らかとなった。 実施例 2 CVDダイヤモンドダイスの耐久性能を評価するため、
SUS434(フェライト系ステンレス)の連続引抜き
を行った。引抜き条件は引抜き径:0.15mm,断面
減少率:17%,引抜き速度:700〜800m/mi
nとして潤滑油を使用した。比較のために同一内面形状
の以下に示す3種類のダイヤモンドダイスを用意した。
(a)天然単結晶ダイヤモンドダイス、(b)CVDダ
イヤモンドダイス(圧縮残留応力350Mpa)(c)
CVDダイヤモンドダイス(圧縮残留応力40Mpa)
である。引抜き重量は前記引抜き条件における単結晶ダ
イヤモンドダイスの平均的引抜き可能重量である80k
gw、引抜き長さに換算して約550kmとした。ただ
し(c)の圧縮残留応力の小さなCVDダイヤモンドダ
イスは試験開始後まもなくダイス素材の破損が生じて、
耐久性能の評価は不可能であった。80kgwの引抜き
に耐えた(b)CVDダイヤモンドダイスの摩耗状況を
観察した結果、同ダイスには単結晶ダイヤモンドダイス
に見られる偏摩耗は認められず、全体が均一に摩耗して
いることが観察された。
【0006】
【発明の効果】本発明によるCVDダイヤモンド引抜き
ダイスは既存の単結晶ダイヤモンドダイスとほぼ同等以
上の性能が得られる。CVDダイヤモンドの製造コスト
であるが、実験室レベルの小型合成装置を用いた場合で
も、ダイス1個当たりのCVDダイヤモンドの製造原価
は数百円程度となり、一般に使用されている天然ダイヤ
モンドの数十分の一程度にすぎず、同一引抜き性能を有
するダイス素材を非常に低価格で安定して供給すること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダイヤモンドの合成に用いた熱フィラメントC
VD装置の概略図である。
【図2】試作したダイスの断面構造を示すものである。
【図3】試作したダイスの内面形状の測定結果である。
【符号の説明】
1 水素ボンベ 2 エタノール 3 バブラー 4 観察窓 5 水素ガス 6 水素、エタノール混合ガス 7 タンタルフィラメント 8 モリプデン基板 9 真空ポンプ 10 CVDダイヤモンド 11 焼結金属 12 ダイス母材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引抜き径2mm以下の線引きダイスに気
    相合成法により合成したバルク状の多結晶ダイヤモンド
    を使用した細線用線引きダイス
  2. 【請求項2】 圧縮残留応力を有する気相合成ダイヤモ
    ンドを用いた請求項1に記載の線引きダイス
JP15098893A 1993-05-19 1993-05-19 気相法により合成した多結晶ダイヤモントを用いた細線 用線引きダイス Pending JPH09220610A (ja)

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Cited By (4)

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