JPH09220396A - 脱水洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】洗濯兼脱水槽の洗濯容量のアップと強度の強
化。 【解決手段】胴部と底板部をステンレス鋼板で形成する
とともにはぜ折り加締で締結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼板で
作られた洗濯兼脱水槽（バスケット）を備えた洗濯機に
係り、特にステンレスのバスケットの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のバスケットは、特開昭57−203492
号公報に記載のように、プラスチック製のものがほとん
どで、ステンレス鋼板製のものは、最近ではドラム式洗
濯機に採用されているだけである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記プラスチック製の
バスケットは、脱水時の高速回転に耐えうる洗濯槽自体
の強度アップが必要であり、そのため肉厚を厚くした
り、外周面にリブを張り巡らしたりしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】長年洗濯機を使用して
いると外周面に張り巡らしたリブ間に洗浄かすが付着し
たり、かびが発生し、衣類に再付着する。また肉厚アッ
プやリブにより、実際上の肉厚が多くなるため、その
分、バスケットの内容積が少なくなるといった問題があ
った。

【０００５】本発明の目的は、以上述べてきたような従
来技術での欠点をなくし、大容量化に対応した清潔なバ
スケットを有する洗濯機を提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、水受槽と、こ
の水受槽に内置され、周壁に脱水孔を有する洗濯兼脱水
槽と、この洗濯兼脱水槽の底部中央に内置される回転翼
とを備え、前記洗濯兼脱水槽はステンレス鋼板で形成さ
れる筒状の胴部と前記胴部のステンレス鋼板よりも板厚
の厚いステンレス鋼板で形成される皿状の底板部を有す
る脱水洗濯機において、前記胴部の下端側周囲にはほぼ
Ｕ字状の溝が形成されるように外側に立ち上がる環状の
胴部側折り返し片を有し、前記底板部の上端に外周側に
突出する環状の鍔部を有し、この鍔部の外周端に環状の
底板部側立ち上がり片を有し、この底板部側立ち上がり
片の上端から内側に垂下するように折り返される環状の
底板部側垂下片を有し、前記底板部側垂下片と前記底板
部側立ち上がり片との間に形成されるほぼ逆Ｕ字状の溝
を有し、前記逆Ｕ字状の溝に前記胴部側折り返し片が、
前記Ｕ字状の溝に前記底板部側垂下片が嵌込まれ、かつ
前記胴部の下端側外周に押し付けられるように折りたた
まれるとともに前記胴部の下端側を外周から前記底板部
側立ち上がり片で囲うようにして形成されるはぜ折り加
締結合で前記胴部と前記底板部を締結したことを特徴と
するものである。

【０００７】ステンレス鋼板で作られる丈夫な洗濯兼脱
水槽は、外周面にリブ等が不要でかびの発生がなく、洗
濯兼脱水槽の内容積を大きくすることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
より説明する。図１において、１は外枠で鋼板のプレス
加工にてなり、つり棒受け１ａ，足１ｂを持ってなる。
２はトップカバーで外枠１の上面を包囲し、ふた３，バ
ックパネル３ａ，コントロール部２０を持つ。４は水受
槽で洗濯水を溜めたり、あるいは遠心脱水される脱水だ
けを受ける槽である。４ａはエアー溜り部でエアーホー
ス５，水位センサー６と接続され、水受槽内に給水弁２
３の開にて給水装置２４より給水された水を水位に置換
して制御する構成となっている。４ｂはつり棒受けで、
つり棒７を貫通させ、ばね９を挟持すべく、ばね受け１
０，フック部７ａにて挟持し、前記ばね９，ばね受け１
０，フック部７ａは摺動筒７ｃに包囲され、上部は、つ
り棒受け１ａに、回転保持するつり棒保持具８を位置さ
せてなる。１４は下ベースで主モータ１５，減速ギア
ー，ブレーキ，クラッチ部１８ｄ等を持つ駆動部１８を
保持し、外槽１１に係止されてなる。１５ａはモータシ
ャフトで、プーリー１６と係合、ベルト１７にて駆動部
１８側のプーリー１８ｃにモータの回転を伝達する。１
８ａは駆動部より突出した回転翼用軸、１８ｂは洗濯槽
軸である。１９はシール部、２１は排水孔で、排水弁２
１ａ，排水ホース２２にて、排水を行う部分である。２
５は給水ホースで水道水を給水する。３０はステンレス
鋼板の洗濯兼脱水槽（バスケット）で、図２に示すよう
に、内部に流体を封入したプラスチックのバランスリン
グ４０が取り付けられる上リング部３１と洗浄効果を上
げるための凸部３２ａ，３２ｂと脱水孔３２ｃを内周面
に有する胴部３２，クラッチ部１８ｄに連結させる補強
用底板としてのフランジ４２が底面に取り付けられる皿
状の底板部３３の３者構成となっている。さらに詳細に
説明すると、胴部３２の円周面には丸形の凸部３２ａや
小判形の凸部３２ｂが多数、交互又は、２，３個おきに
内側に張り出されている。さらに前記円周面の突起間に
は、多数の脱水孔（バーリング穴）３２ｃが外側に押し
出し開けられている。胴部３２は、図７に示すように、
１枚のステンレス鋼板をロール機で丸めた後、はぜ折り
加締３２ｄすることにより円筒形となるものである。

【０００９】また、図３，図４に示すように底板部３３
は、バスケット３０の底部を形成する皿状ないし洗面容
器の形を成し、真中底部には穴３０ａが開いている。さ
らに底板部３３の星状に落ち込んだ最下面３３ａには、
バスケット３０をクラッチ部１８ｄに連結させる補強用
底板としてのフランジ４２が取り付け固定される。固定
方法は、前もって底板部３３の最下面に打ち込まれてい
るピアスナット３３ｂでねじ止めされるものである。一
段高い外周底面部には、撹拌翼１３の正逆転時、衣類が
一緒にまわって洗浄効果がダウンをするのを防止するた
め、内側に押し出す凸部３０ｃを数個設けてある。

【００１０】また図５，図６に示すように上リング部３
１は、バスケット３０の上部を形成し、上方は開口部３
１ａを成し、下にくるに従い外側に広がりを成すリング
状で、図２に示すように開口部３１ａの外側にバランス
リング４０が取り付けられる。

【００１１】以上により底板部３３と胴部３２，上リン
グ部３１と胴部３２がそれぞれ全周に渡りはぜ折り加締
されることによりステンレス製のバスケット３０を構成
する。底板部３３と胴部３２のはぜ折り加締部３３ｃと
上リング部３１と胴部３２のはぜ折り加締部３１ｂの詳
細は図８，図９に示す。

【００１２】また、応力が一番かかる底板部３３の板厚
は１〜１.５mm と厚くし、胴部３２の板厚を０.６mm 、
応力がもっともかからない上リング部３１の板厚を０.
５mmと３者に板厚差を設けている。但し、これはほんの
一実施例にすぎづ、上リング部３１と胴部３２の板厚は
同じでもよい。

【００１３】さらに材質には、深絞り性，張り出し成形
性，耐食性に優れているＴｉ（チタン）入りのステンレ
ス材を採用し、加工し易いものにしている。

【００１４】ここで、胴部３２と底板部３３のはぜ折り
加締結合について更に詳しく説明する。

【００１５】図８に示すように胴部３２の下端側外周に
は外側に立ち上がるように折り返して環状の胴部側折り
返し片３２′が設けられる。この胴部側折り返し片３
２′と胴部３２の下端側外周とでほぼＵ字状の溝が形成
される。

【００１６】底板部３３の上端には外周側に突出する環
状の鍔部３３−１が設けられる。この鍔部３３−１はほ
ぼ水平方向に形成されている。

【００１７】鍔部３３−１の外周端には環状の底板部側
立ち上がり片３３−２が設けられる。この底板部側立ち
上がり片３３−２の上端から内側に垂下するように折り
返される底板部側垂下片３３−３が設けられる。この底
板部側下片３３−３と底板部側立ち上がり片３３−２と
でほぼ逆Ｕ字状の溝が形成される。

【００１８】底板部３３にある逆Ｕ字状の溝に前記胴部
側折り返し片３２′を嵌込む。同じく、胴部３２にある
Ｕ字状の溝に底板部側垂下片３３−３を嵌込む。そし
て、底板部側立ち上がり片３３−２を胴部３２の外周に
押し付けるように折りたたむはぜ折り加締で底板部３３
と胴部３２を締結するのである。

【００１９】このようなはぜ折り加締は、次のような良
さがある。

【００２０】ステレス鋼板の溶接は、通常の鋼板に比べ
溶接がむずかしく、しかも溶接による材質変化でさび等
の発生が出来やすくなる。はぜ折り加締は、むずかしい
ものでないので量産に向くとともにはぜ折り加締により
材質が変化しないのでさび等の発生がなく、水を使う洗
濯機の洗濯兼脱水槽に好適である。

【００２１】またはぜ折り加締個所の近傍にあたる底板
部３３の上端には外周方向に突出する鍔部３３−１が設
けられているので皿状のなす底板部の強度を高めること
により、高速で回転する洗濯兼脱水槽に好適である。

【００２２】さらに、底板部３３は胴部３２よりも板厚
を厚くして丈夫にしている。この板厚の厚い丈夫な底板
部３３の立ち上がり片３３−２で外周側より胴部３２の
外周側を囲うようなはぜ折り加締の構成になっているの
で、より丈夫である。

【００２３】さらにまたはぜ折り加締は、胴部３２の下
端側外周に押し付けられるように折りたたまれる構成で
あるので、はぜ折り加締が胴部３２の外周側に張り出す
張り出し量は少々のもので、その分、洗濯兼脱水槽３０
と水受槽４のギャップをつめることができる。このた
め、洗濯兼脱水槽３０の容量アップを計ることができ、
水受槽４に洗濯水を溜めるタイプのものにあっては洗濯
水の節水にもなるのである。

【００２４】

【発明の効果】以上述べたように本発明は、水受槽と、
この水受槽に内置され、周壁に脱水孔を有する洗濯兼脱
水槽と、この洗濯兼脱水槽の底部中央に内置される回転
翼とを備え、前記洗濯兼脱水槽はステンレス鋼板で形成
される筒状の胴部と前記胴部のステンレス鋼板よりも板
厚の厚いステンレス鋼板で形成される皿状の底板部を有
する脱水洗濯機において、前記胴部の下端側周囲にはほ
ぼＵ字状の溝が形成されるように外側に立ち上がる環状
の胴部側折り返し片を有し、前記底板部の上端に外周側
に突出する環状の鍔部を有し、この鍔部の外周端に環状
の底板部側立ち上がり片を有し、この底板部側立ち上が
り片の上端から内側に垂下するように折り返される環状
の底板部側垂下片を有し、前記底板部側垂下片と前記底
板部側立ち上がり片との間に形成されるほぼ逆Ｕ字状の
溝を有し、前記逆Ｕ字状の溝に前記胴部側折り返し片
が、前記Ｕ字状の溝に前記底板部側垂下片が嵌込まれ、
かつ前記胴部の下端側外周に押し付けられるように折り
たたまれるとともに前記胴部の下端側を外周から前記底
板部側立ち上がり片で囲うようにして形成されるはぜ折
り加締結合で前記胴部と前記底板部を締結したことを特
徴とする脱水洗濯機にある。

【００２５】この構成によれば、次のような良さが期待
できる。

【００２６】(1）プラスチックの洗濯兼脱水槽に比べ容
量が大きく丈夫であるとともにかびの発生が少ない。

【００２７】(2）底板部と胴部は溶接によらないではぜ
折り加締にしているのでさびが発生しない。

【００２８】(3）底板部に鍔部を設けるとともに板厚の
厚い底板部の立ち上がり部で外周から囲うはぜ折り加締
にしているのでより丈夫な構造である。

【００２９】(4）はぜ折り加締は洗濯兼脱水槽の外周に
押し付けるように折りたたんでいるので、水受槽とのギ
ャップがつめられ、洗濯兼脱水槽の容量をアップでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の縦断面図。

【図２】本発明の一実施例の要部縦断面図。

【図３】本発明の底板部平面図。

【図４】本発明の底板縦断面図。

【図５】本発明の上リング部平面図。

【図６】本発明の上リング部縦断面図。

【図７】本発明の胴板の縦加締断面図。

【図８】本発明の底板と胴板の加締断面図。

【図９】本発明の上リング部と胴板の加締断面図。

【符号の説明】

３０…バスケット、３１…上リング部、３２…胴部、３
３２ａ…丸形凸部、３２ｂ…小判形凸部、３２ｄ…上リ
ングと胴板のはぜ折り加締部、３３ｃ…胴板と底板のは
ぜ折り加締部、３３…底板部、４０…バランスリング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水受槽と、この水受槽に内置され、周壁に
   脱水孔を有する洗濯兼脱水槽と、この洗濯兼脱水槽の底
   部中央に内置される回転翼とを備え、前記洗濯兼脱水槽
   はステンレス鋼板で形成される筒状の胴部と前記胴部の
   ステンレス鋼板よりも板厚の厚いステンレス鋼板で形成
   される皿状の底板部を有する脱水洗濯機において、 前記胴部の下端側周囲にはほぼＵ字状の溝が形成される
   ように外側に立ち上がる環状の胴部側折り返し片を有
   し、 前記底板部の上端に外周側に突出する環状の鍔部を有
   し、この鍔部の外周端に環状の底板部側立ち上がり片を
   有し、この底板部側立ち上がり片の上端から内側に垂下
   するように折り返される環状の底板部側垂下片を有し、 前記底板部側垂下片と前記底板部側立ち上がり片との間
   に形成されるほぼ逆Ｕ字状の溝を有し、 前記逆Ｕ字状の溝に前記胴部側折り返し片が、前記Ｕ字
   状の溝に前記底板部側垂下片が嵌込まれ、かつ前記胴部
   の下端側外周に押し付けられるように折りたたまれると
   ともに前記胴部の下端側を外周から前記底板部側立ち上
   がり片で囲うようにして形成されるはぜ折り加締結合で
   前記胴部と前記底板部を締結したことを特徴とする脱水
   洗濯機。